(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6860131
(24)【登録日】2021年3月30日
(45)【発行日】2021年4月14日
(54)【発明の名称】改良されたフレキソ印刷
(51)【国際特許分類】
B41N 1/12 20060101AFI20210405BHJP
B41C 1/00 20060101ALI20210405BHJP
【FI】
B41N1/12
B41C1/00
【請求項の数】22
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2018-532711(P2018-532711)
(86)(22)【出願日】2016年12月19日
(65)【公表番号】特表2018-538182(P2018-538182A)
(43)【公表日】2018年12月27日
(86)【国際出願番号】EP2016081732
(87)【国際公開番号】WO2017108684
(87)【国際公開日】20170629
【審査請求日】2019年10月23日
(31)【優先権主張番号】2016019
(32)【優先日】2015年12月23日
(33)【優先権主張国】NL
(73)【特許権者】
【識別番号】518216205
【氏名又は名称】ザイコン プリプレス エヌ.ブイ.
【氏名又は名称原語表記】XEIKON PREPRESS N.V.
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】ワッティン, バート マーク ルック
【審査官】
中村 博之
(56)【参考文献】
【文献】
特開2002−178654(JP,A)
【文献】
特開2013−071245(JP,A)
【文献】
特開平10−119446(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2001/0029859(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41N 1/12
B41C 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の網点を有する少なくとも1つの中間調印刷領域を備えるフレキソ印刷版であって、
前記複数の網点のうちの1つの網点が、レリーフ領域として形成されており、
前記レリーフ領域が、中央部分と周囲部分とを備え、
前記中央部分が、中央網点床部を有し、前記中央網点床部が、前記中央網点床部から上方に突き出ている複数の凸部の第1のパターンを有し、
前記周囲部分が、前記中央網点床部から上方に突き出ており、複数の凹部の第2のパターンを備える頂面を有しており、
前記第1のパターン及び前記第2のパターンが、前記周囲部分を前記中央部分から区別することができるようになっている、フレキソ印刷版。
【請求項2】
前記レリーフ領域が、実質的に円形である、請求項1に記載のフレキソ印刷版。
【請求項3】
前記レリーフ領域の直径が、10〜1000マイクロメートルの間である、請求項1又は2に記載のフレキソ印刷版。
【請求項4】
前記周囲部分が、実質的に環状の部分である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のフレキソ印刷版。
【請求項5】
前記複数の凹部が、くぼみ、穴、へこみ、又は溝のうちの任意の1つ又は複数を備える、請求項1〜4のいずれか一項に記載のフレキソ印刷版。
【請求項6】
前記第1のパターンが、前記第2のパターンとは別個であり、及び/又は
前記網点の上面において、前記複数の凹部の隣にある前記周囲部分の前記頂面が、前記凹部の前記第2のパターンを補完する第3のパターンを形成しており、前記第3のパターンが、前記第1のパターンと異なる、請求項1〜5のいずれか一項に記載のフレキソ印刷版。
【請求項7】
前記周囲部分の上面において、前記複数の凹部の表面積が、前記周囲部分の表面積の少なくとも1%である、請求項1〜6のいずれか一項に記載のフレキソ印刷版。
【請求項8】
前記複数の凹部が、前記周囲部分全体にわたって均一に分布している、請求項1〜7のいずれか一項に記載のフレキソ印刷版。
【請求項9】
前記複数の凸部が、1マイクロメートルよりも大きな高さを有し、及び/又は、前記複数の凹部が、1マイクロメートルよりも大きな深さを有する、請求項1〜8のいずれか一項に記載のフレキソ印刷版。
【請求項10】
前記複数の凸部が、前記中央部分全体にわたって均一に分布している、請求項1〜9のいずれか一項に記載のフレキソ印刷版。
【請求項11】
前記複数の凸部が、前記中央網点床部の平面において、1〜100マイクロメートルの間の寸法を有する、請求項1〜10のいずれか一項に記載のフレキソ印刷版。
【請求項12】
前記中央網点床部の平面において、前記複数の凸部の表面積が、前記中央部分の表面積の5%よりも大きい、請求項1〜11のいずれか一項に記載のフレキソ印刷版。
【請求項13】
フレキソ印刷版を製作するための刷版レイアウトを生成する方法であって、画像を表す前記刷版レイアウトが、ベタ画像領域と中間調画像領域とを備える、方法であって、
印刷すべき画像をポイントごとに表すデジタル値を受け取るステップと、
前記中間調画像領域及び前記ベタ画像領域を形成することを可能にする2進データに前記デジタル値を変換した刷版レイアウトを生成するステップであって、前記中間調画像領域について、網点に関連付けられた少なくともタイルが計算され、前記タイルが、二次元に配列された複数の画素を含み、前記タイルが、複数の凸部の第1のパターンを有する中央部分と、複数の凹部の第2のパターンを備える周囲部分とを含むように計算され、前記複数の凸部が、前記中央部分の残りの部分とは異なる2進値で表され、前記複数の凹部が、前記周囲部分の残りの部分とは異なる2進値で表され、前記第1のパターン及び前記第2のパターンが、前記周囲部分を前記中央部分から区別することができるようになっている、生成するステップと
を含む方法。
【請求項14】
前記中央部分及び前記周囲部分が、実質的に円形である、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記タイルの前記複数の画素が、10〜1000マイクロメートルの間の長さ及び幅寸法を有する領域を表している、請求項13又は14に記載の方法。
【請求項16】
前記複数の凹部の各凹部が、隣り合う画素の群で表されている、請求項13〜15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記複数の凹部を表す画素の数が、前記周囲部分を表す画素の総数の少なくとも1%である、請求項13〜16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記複数の凹部を表す画素が、前記周囲部分全体にわたって均一に分布している、請求項13〜17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記複数の凸部を表す画素が、前記中央部分全体にわたって均一に分布している、請求項13〜18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記複数の凸部を表す画素の数が、前記中央部分を表す画素の総数の5%よりも大きい、請求項13〜19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
フレキソ印刷版を製作する方法であって、
請求項13〜20のいずれか一項に記載の方法と、
前記生成された刷版レイアウトを使用して前記フレキソ印刷版を製作するステップであって、
前記生成された刷版レイアウトを使用して網掛けされたフィルム中間体を生じさせ、前記網掛けされたフィルム中間体を使用して前記フレキソ印刷版を描写する技法、又は
前記生成された刷版レイアウトを使用して前記フレキソ印刷版の積層を部分的に除去し、及び前記積層の除去された部分を通して前記フレキソ印刷版を描写する技法、又は
前記生成された刷版レイアウトを使用して前記フレキソ印刷版を直接生じさせる技法
のうちの任意の1つによって、前記フレキソ印刷版を製作するステップと
を含む方法。
【請求項22】
請求項13〜20のいずれか一項に記載の方法の1つ又は複数のステップを実施するプログラムを機械可読及び機械実行可能形式でコード化しているコンピュータプログラム製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野は、フレキソ印刷に関する。特定の実施形態は、印刷版、特に複数の網点を有する少なくとも1つの中間調印刷領域を含むフレキソ印刷版、刷版レイアウトを生じさせる方法、フレキソ印刷版を製作する方法、及び方法のステップを実施するコンピュータプログラム製品に関する。
【背景技術】
【0002】
フレキソ印刷は、例えば包装及びラベル業界用のプラスチックフィルム、ボール紙などの多様な種類の吸収又は非吸収材料上に画像を印刷するために感光性樹脂を含むゴムなどの弾性材料の弾性レリーフ画像刷版を使用する印刷方法である。
【0003】
従来技術の実施形態において、フレキソ印刷版は、印刷のために印刷ローラ上に配置される。インキが例えば計量ローラを使用してフレキソ印刷版上に塗布される。例えば連続ウェブとして供給される被印刷材料が、印刷ローラと裏当てとの間に配置される。フレキソ印刷版は、刷版上のレリーフ画像と材料との間の接触が可能になるように適切な圧力で材料に当接される。
【0004】
レリーフ領域が印刷面に接触したときは必ず、実質的に無地の領域が得られる。グレースケールを作り出すために、網版法が使用される。この方法を使用して、グレートーンが、単位面積当たり複数のベタ網点を印刷し、単位面積当たりの網点の頻度及び/又は網点のサイズのいずれか又は両方を変えることによって再現される。
【0005】
網点が何もない画像における領域であるベタ領域、並びに中間調領域を印刷するのは難しいことが、フレキソ印刷における問題である。この問題に対処するために、表面パターン形成を使用することが知られている。この技法は、複数の小さな穴又は凸部をベタ領域の上面内に及び/又は上面上に配置することに存する。そのようにして、ベタ領域上のインキは、よく分布され、印刷画像の均一性及び彩度を増大させる。この表面パターン形成技法は、中間調領域にも使用されている。しかし、網点のサイズが相対的に小さいとき、網点の上面内/上面上の小さな穴及び/又は凸部は網点を不安定にすることがあることが分かっている。
【0006】
したがって、そのような刷版を生じさせるために、少なくとも部分的にこれらの問題を軽減するフレキソ印刷版、及び好ましくは少なくとも部分的にソフトウェアを通じて実施される方法が必要とされている。
【発明の概要】
【0007】
本発明の実施形態は、そのような刷版を生じさせるために、中間調領域の改良された印刷が可能になるフレキソ印刷版、及び好ましくは少なくとも部分的にソフトウェア及び/又は電子機器を通じて実施される方法を提供することを目的とする。
【0008】
本発明の第1の態様によれば、複数の網点を有する少なくとも1つの中間調印刷領域を備えるフレキソ印刷版が提供される。前記複数の網点のうちの1つの網点が、中央部分と周囲部分とを備えるレリーフ領域として形成される。中央部分は、中央網点床部を有し、中央網点床部は、中央網点床部から上方に突き出ている複数の凸部(pin)の第1のパターンを有する。周囲部分は、中央網点床部から上方に突き出ており、複数の凹部(recess)の第2のパターンを備える頂面を有する。第1のパターン及び第2のパターンは、周囲部分を中央部分から区別することができるようになっている。
【0009】
実施形態は、中央部分において上方に突き出ている凸部により、確実にインキが中央部分全体にわたって改良されたやり方で分布及び拡散されるが、過剰なインキが必要になるのを避けるようにする発明見識にとりわけ基づいている。一方では、周囲部分により、小さな網点に対しても、レリーフが確実に十分に安定であるが、他方では、周囲部分における凹部により、隣り合う網点の間の良好な転移を得ることが可能になり、インキレイダウンが改良される。周囲部分を設けることによって、網点の安定性が改良され、以て、印刷時の圧力が可能になり、したがって、生産性が上がることが可能になる。周囲部分における凹部の第2のパターンと中央部分における凸部との組合せにより、背景が次第に消えていき、ついには印刷されていない紙に、又は白色に溶け込む、より滑らかな中間調ビネットが確実に得られる。
【0010】
例示的な実施形態において、レリーフ領域は実質的に円形である。レリーフ領域の直径は、好ましくは10〜1000マイクロメートルの間、より好ましくは10〜500マイクロメートルの間である。
【0011】
例示的な実施形態において、周囲部分は実質的に環状の部分である。
【0012】
例示的な実施形態において、複数の凹部は、くぼみ(depression)、穴(well)、へこみ(pit)、又は溝(groove)のうちの任意の1つ又は複数を備える。溝は、周囲部分の内縁から周囲部分の外縁までに及ぶことができ、互いに平行に加えることができる。複数の凹部は周囲部分全体にわたって均一に分布されることが好ましい。
【0013】
例示的な実施形態において、第1のパターンは、第2のパターンとは別個である。
【0014】
例示的な実施形態において、網点の上面に見られるように、凸部は第1のパターンを形成し、複数の凹部の隣にある周囲部分の頂面は、凹部の第2のパターンを補完する第3のパターンを形成し、第3のパターンは第1のパターンと異なる。言い換えれば、ある実施形態において、第1のパターンと第2のパターンとは同じでよく、例えば、中央部分における凸部の格子は、周囲部分における凹部の格子と同じでよいが、凹部の周りの領域、すなわち、凸部と同じレベルに上面を有する領域のそばに形成された第3のパターンは、第1のパターンと異なる。
【0015】
例示的な実施形態において、複数の凹部は、1マイクロメートルよりも大きく、好ましくは2マイクロメートルよりも大きく、より好ましくは5マイクロメートルよりも大きく、最も好ましくは10マイクロメートルよりも大きく、例えば20〜70マイクロメートルの間にある深さを有する。
【0016】
例示的な実施形態において、周囲部分の上面に見られるように、複数の凹部の表面積は、周囲部分の表面積の少なくとも1%、好ましくは周囲部分の表面積の少なくとも5%、より好ましくは少なくとも20%である。例示的な実施形態において、複数の凹部の表面積は、周囲部分の表面積の5〜50%の間である。
【0017】
例示的な実施形態において、複数の凸部は、1マイクロメートルよりも大きく、好ましくは2マイクロメートルよりも大きく、より好ましくは5マイクロメートルよりも大きく、最も好ましくは10マイクロメートルよりも大きく、例えば20〜70マイクロメートルの間にある高さを有する。
【0018】
例示的な実施形態において、複数の凸部は、中央網点床部の平面に見られるように、1〜100マイクロメートルの間、好ましくは5〜50マイクロメートルの間、例えば5〜20マイクロメートルの間の寸法を有する。
【0019】
例示的な実施形態において、複数の凸部は、中央部分全体にわたって均一に分布される。凸部は、典型的には、実質的に正方形、長方形又は円形横断面、又は正方形と円形との間の形状を有する柱状形状を有する。柱状形状は、円錐形、又はピラミッド形、又は実質的に円筒形でもよい。散光が使用されたとき、形状は、より円錐形又はピラミッド形でもよいが、LED又はレーザ光が使用されたとき、凸部の壁は、より垂直でもよい。形状は、凸部を作り出すのに使用されるプロセスによることを当業者は理解している。
【0020】
例示的な実施形態において、中央網点床部の平面に見られるように、複数の凸部の表面積は、中央網点床部の表面積よりも小さい。
【0021】
例示的な実施形態において、中央網点床部の平面に見られるように、複数の凸部の表面積は、中央部分の表面積の5%よりも大きく、好ましくは中央部分の表面積の5%〜75%の間、より好ましくは10%〜50%の間、最も好ましくは15〜40%の間である。
【0022】
別の態様によれば、フレキソ印刷版を製作するための刷版レイアウトを生成する方法が提供される。刷版レイアウトは、ベタ画像領域、中間調画像領域、及び印刷する必要がない領域を有する画像を表す。方法は、印刷すべき画像をポイントごとに表すデジタル値を受け取るステップと、中間調画像領域及びベタ画像領域を形成することを可能にする2進データにデジタル値を変換した刷版レイアウトを生成するステップであって、中間調画像領域について、網点に関連付けられた少なくともタイルが計算される、生成するステップとを含む。タイルは、二次元に配列された複数の画素を含む。タイルは、複数の凸部の第1のパターンを有する中央部分と、複数の凹部の第2のパターンを備える周囲部分とを含むように計算される。複数の凸部は、中央部分の残りの部分と異なる2進値によって表される。複数の凹部は、複数の凸部と異なり、周囲部分の残りの部分と異なる2進値で表される。第1のパターン及び第2のパターンは、周囲部分を中央部分から区別することができるようになっている。
【0023】
別の態様によれば、フレキソ印刷版を製作する方法が提供される。方法は、上に記載したように、刷版レイアウトを生成し、生成された刷版レイアウトを使用してフレキソ印刷版を製作する方法を含む。これには、生成された刷版レイアウトを使用して網掛けされたフィルム中間体を生じさせること、及び前記網掛けされたフィルム中間体を使用してフレキソ印刷版を描写すること;又は積層、例えば生成された刷版レイアウトを使用したフレキソ印刷版の炭素層の一部分を除去すること、及び積層の除去された一部分を通してフレキソ印刷版を描写すること;又は生成された刷版レイアウトを使用してフレキソ印刷版を直接生じさせることが関与する可能性がある。
【0024】
例示的な実施形態において、タイルにおける中央部分は、実質的に円形であり、タイルにおける周囲部分は、実質的に環状である。
【0025】
例示的な実施形態において、タイルの複数の画素は、10〜1000マイクロメートルの間、より好ましくは10〜500マイクロメートルの間の長さ及び幅寸法を有する領域を表す。
【0026】
例示的な実施形態において、複数の凹部の各凹部は、隣り合う画素の群で表され、隣り合う画素の前記群は、好ましくは階段形状を有する。そのような階段形状により、溝の形で凹部を作り出すことが可能になる。
【0027】
例示的な実施形態において、複数の凹部を表す画素の数は、周囲部分を表す画素の総数の少なくとも1%、好ましくは少なくとも5%、より好ましくは少なくとも20%、例えば5%〜50%の間である。
【0028】
例示的な実施形態において、複数の凹部を表す画素は、周囲部分全体にわたって均一に分布される。例示的な実施形態において、複数の凸部を表す画素は、中央部分全体にわたって均一に分布される。
【0029】
例示的な実施形態において、複数の凸部を表す画素の数は、中央部分を表す画素の総数の5%よりも多く、好ましくは中央部分を表す画素の総数の5%〜75%の間、より好ましくは10%〜50%の間、最も好ましくは15%〜40%の間である。
【0030】
例示的な実施形態によれば、フレキソ印刷版は、ゴム製、又は典型的には紫外線放射に感受性がある様々な放射線感受性ポリマー樹脂製である。フレキソ感光性ポリマー樹脂刷版は、溶剤を使用して現像されるように構成された溶剤系刷版、水を使用して現像されるように構成された水系刷版、加熱によって現像されるように構成された熱系刷版、直接描写する刷版などでもよい。
【0031】
本発明の他の態様によれば、プログラムがコンピュータで実行されたとき、上記に開示した実施形態のうちの任意の1つのステップのうちの任意の1つによる方法を実施するコンピュータ実行可能命令を備えるコンピュータプログラムが提供される。
【0032】
本発明の他の態様によれば、上記に開示した方法の実施形態のうちの任意の1つの1つ又は複数のステップを実施するようにプログラムされたコンピュータデバイス又は他のハードウェアデバイスが提供される。別の態様によれば、上記に開示した方法の実施形態のうちの任意の1つの1つ又は複数のステップを実施するために機械可読及び機械実行可能形式でプログラムを符号化するデータ記憶デバイスが提供される。
【0033】
添付の図面は、本発明のデバイスの現在好ましい非制限的で例示的な実施形態を示すのに使用される。本発明の特徴及び目的の上記及び他の利点は、添付の図面と併せて読んだとき以下の詳細な説明からより明らかとなり、本発明をよりよく理解するであろう。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】例示的な実施形態において網点を概略的に示す断面図である。
【
図3】例示的な実施形態による網点を概略的に示す上面図である。
【
図4】本発明の例示的な実施形態用のタイルを概略的に示す図である。
【
図5A】ある網点印刷率に対する例示的な実施形態による刷版の中間調領域を示す上面図である。
【
図5B】別の異なる網点印刷率に対する例示的な実施形態による刷版の中間調領域を示す上面図である。
【
図5C】更に別の網点印刷率に対する例示的な実施形態による刷版の中間調領域を示す上面図である。
【
図6A】ある網点印刷率に対する例示的な実施形態による刷版の中間調領域を示す透視図である。
【
図6B】別の網点印刷率に対する例示的な実施形態による刷版の中間調領域を示す透視図である。
【
図6C】更に別の網点印刷率に対する例示的な実施形態による刷版の中間調領域を示す透視図である。
【
図7A】網点の周囲部分に第2のパターンを伴う実施形態を使用した階調度円及びストリップを示す図である。
【
図7B】それぞれ、網点の周囲部分に第2のパターンを伴わない実施形態を使用した階調度円及びストリップを示す図である。
【
図8】本発明の方法の例示的な実施形態の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下の詳細な説明全体を通して、同様の参照番号は、図面のすべての図における同様の要素を表す。
【0036】
典型的にはフレキソ刷版によって再現された画像は、典型的には、ベタ画像領域と、中間調領域とも呼ばれる様々なグレートーン領域との両方を含む。ベタ領域とは、インキが印刷材料上に生じさせることができる最高濃度を有するインキで完全に覆われた画像領域を意味する。グレートーン又は中間調領域とは、印刷画像の外観が純白(インキの完全欠損)及び黒ベタまでの中間の濃度である画像領域を意味する。グレー領域は、階調表現のプロセスによって生じ、単位面積当たりの複数のレリーフ表面積が、異なる濃度印刷の錯視を生じさせるのに使用される。これらのレリーフ領域は、印刷業界では通常「網点」と呼ばれる。画像提示は、面積カバー率(網点強度)の割合を領域ごとに変えることによって達成される。網点強度は、網点サイズ及び/又は網点濃度、すなわち、網点頻度を変更することによって変更することができる。
【0037】
フレキソ刷版において、網点は、レリーフ領域の表面を刷版の上面に有するレリーフ領域である。網点を囲む領域の刷版は、床部に達する深さまでエッチングされている。網点の高さは、網点の表面(及び刷版表面)から床部までの距離である。中間調レリーフは、床部から上面まで延びるレリーフである。このレリーフは、網点印刷率が増加するにつれて減少する可能性があるが、インキを網点表面に限定するのに十分である。
【0038】
本発明は、フレキソ印刷版を用いて印刷するための改良された技法に関し、詳細には、網点を有する中間調領域を印刷したとき良好な結果を得ることが可能になる技法に関する。そのような網点は、好ましくは、印刷版の実質的に円形のレリーフ領域として形成される。
【0039】
図1及び2は、フレキソ印刷版の実質的に円形のレリーフ領域30を有する網点の横断面図及び上面図を示す。網点は、10〜1000マイクロメートルの間、例えば約50μmの直径を有することができる。レリーフ領域30は、周囲部分、ここでは環部分20で囲まれた中央部分10を備える。中央部分10は、複数の凸部11の第1のパターンが中央網点床部25から上方に突き出ている中央網点床部25を有する。環状部分20は、中央網点床部25から上方に突き出ており、複数の凹部21が設けられている。凹部21は、小さなくぼみ、穴又はへこみでもよいが、溝でもよい(
図3参照)。より一般的には、凹部の任意のパターンを使用してもよい。
【0040】
中央部分10における上方に突き出ている凸部11により、インキが中央部分10全体にわたって改良されたやり方で分布/拡散されるが、過剰なインキが必要になるのを避けるようにすることが確実になる。保護環20における凹部21により、環20が弱まり、隣り合う網点の間の良好な転移を得ることが可能になり、インキレイダウンが改良されることが可能になる。
【0041】
これらの凹部21は、床部50まで延びないが、むしろ深さが浅く、網点100よりもずっと高い頻度パターンで配列される。凹部21は、例えば1〜70マイクロメートルの間の深さを有することができる。例えば、フレキソ刷版における網点パターンは、1インチ当たり75〜200線の程度であるが、凹部は、例えば、少なくとも10倍高い頻度で配列される。浅い凹部21及び凸部11の間の浅い領域は、実質的に均一なインキ分布を作り出すインキ被膜Iのアンカー領域として挙動する。
【0042】
周囲部分20の上面に見られるように、凹部21の表面積は、好ましくは周囲部分の表面積の少なくとも30%、好ましくは周囲部分の表面積の少なくとも40%である。凹部21は、周囲部分20全体にわたって均一に分布されることが好ましい。
【0043】
凸部11は、例えば10〜70マイクロメートルの間の高さを有することができる。凸部11は、中央部分10全体にわたって均一に分布させることができるが、例えば、中央部分10の中心に向かって、より濃度が低い他のパターンも可能である。凸部11は、中央網点床部25に平行の区分に見られるように、1〜100マイクロメートルの間の寸法を有することができる。中央部分10の上面に見られるように、凸部11の表面積は、例えば中央部分の表面積の10%〜50%、好ましくは15%〜40%の間でもよい。
【0044】
図1〜3の実施形態において、凸部11の第1のパターンは、凹部21の第2のパターンとは別個である。しかし、
図1及び2の実施形態において、第1のパターンは、凸部11の寸法と凹部21の寸法とが同じであり得、凸部11を隣り合う凸部11の間の間隔が隣り合う凹部21との間の間隔と同じである格子で配置し得るという意味で、第2のパターンと同一であり得る。しかし、網点の上面に見られるように、凹部21の周りに/に隣り合って配置された周囲部分の領域(複数可)は、凹部21の第2のパターンを補完する第3のパターンを形成し、第3のパターンは第1のパターンと異なる。実際に、第3のパターンは、第1のパターンの逆であり、周囲部分20を中央部分10から区別できるようにする。
【0045】
本発明によるフレキソ印刷版の実施形態を生じさせるために、典型的には、まず、印刷すべき画像の刷版レイアウトが生成される。刷版レイアウトは、グレースケール階調が中間調として再現されている連続階調画像の2進表現である。多色印刷が関与しているとき、当技術分野でよく知られているように、それぞれ色分解を表す複数のそのような刷版レイアウトがある。次いで、これらの刷版レイアウトは、イメージセッタなどの、例えばレーザプリンタ、及び、直接か、又はフィルム中間体又はラミネート層を介してのいずれかで、フレキソ印刷版を描写するソフトウェアを用いて適切にプログラムされた関連したコンピュータなどのコンピュータ制御のフィルム露光デバイスによって使用することができる(さらに参照)。ソフトウェアは、連続階調の原画像をポイントごとに表すデジタル値を受け取ることができる。8ビットシステムでは、これらの値は、白色がスケールの一端にあり、黒色が他端にある0〜255の範囲にわたる。システムがネガ型システムであるのか、又はポジ型システムであるのかにより、0又は255は、完全にインキが入れられた領域又はベタ領域を表す。この議論では、黒ベタはデジタル値255で表されるものとする。次に、ソフトウェアは、画像に網掛けする、すなわち、8ビットデジタル値が、露光ビームのオン又はオフを制御して、ある意味では、ベタ領域と網点を有する中間調領域とを形成するためにイメージセッタに供給される2進(オン−オフ)データに変換されている刷版レイアウトを生成する。ベタ領域を形成するために、露光光源は、ベタ領域を走査している間ずっとONでもよい。網点が、通常、露光光源の最小スポットサイズを表す複数の画素からなるタイル内に作り出される。複数の隣り合うタイルが刷版レイアウトの画像領域を形成する。次いで、光源は、各タイル内の事前に選択した画素を露光することによって網点形状を得るのに使用される。露光光源は、数ミクロン、例えば1〜20ミクロンの画素サイズまで集束された例えばレーザ光を有する例えばレーザでもよい。言い換えれば、網点を製作するために、タイルがまず計算される。タイルは、光源の走査経路に沿って二次元に配列された所定の数の画素からなる。これらのタイルは、領域を含めるために隣り合って繰り返され、又は領域全体にわたって多かれ少なかれ無作為に分布させることができる。所望のグレースケールにより、タイルは、中央部分に対して及び/又は周囲部分に対して適合させたパターンを含むことができ、及び/又は隣り合うタイルの間の距離は変えることができる。最も一般的な網点形状は、円形に近似するものであるが、他の形状、例えば楕円形状が可能であることを当業者は理解している。
【0046】
図4は、ソフトウェアによって制御されるイメージセッタを使用して網点を生成するのに使用される刷版レイアウトの例示的なタイル40を示す。この例は、38×38画素の配列の形でタイル40を示す。タイル40における画素41のそれぞれは、デジタルアドレスによって関連付けられている。網点を生成するために、露光光源、例えば走査レーザは、タイル40内のいくつかの画素43を露光するが、タイルにおける他の画素42は露光しない。この数は、刷版のその領域において求められる%網点に関連させることができる。画素の露光パターンは、いくつかの凸部11を有する中央部分10と、複数の凹部21を有する環状部分20とを有する実質的に円形の網点100が形成されるようになっている。
【0047】
図8は、フレキソ印刷版を製作するための本発明の方法の実施形態を示す。第1のステップ801において、印刷すべき画像をポイントごとに表すデジタル値が受け取られる。第2のステップ802において、デジタル値が2進データに変換されており、中間調画像領域とベタ画像領域とを形成するのが可能になる刷版レイアウトが生成される。ステップ802において、刷版レイアウトの中間調画像領域を生成するために、少なくとも網点に関連付けられたタイルが計算され、前記タイルは、二次元に配列された複数の画素を含む。タイルは、複数の凸部の第1のパターンを有する中央部分を含むように計算され、複数の凸部は、中央部分の残りの部分と異なる2進値で表され、周囲部分は、複数の凹部の第2のパターンを備え、複数の凹部は、周囲部分の残りの部分と異なる2進値で表される。第1のパターン及び第2のパターンは、周囲部分を中央部分から区別することができるようになっている。
【0048】
実施形態において、生成された刷版レイアウトは、網掛けされたフィルム中間体を生じさせるのに使用される(ステップ803a参照)。このフィルム中間体は、光重合性刷版上に配置され、刷版は網掛けされたフィルム中間体を通して放射線、例えばUV放射に露光される(ステップ804a参照)。露光画素43の下のポリマー材料は、未重合のままである。UV放射に続いて、刷版における未重合領域は、洗い落とされる。
【0049】
別の実施形態において、生成された刷版レイアウトは、フレキソ印刷版の積層、例えば炭素層の一部分を例えばレーザで焼くことによって除去するのに使用される(ステップ803b参照)。次いで、フレキソ印刷版は、積層の除去された一部分を通して描写することができる(ステップ804b参照)。
【0050】
さらに他の実施形態において、物理的に網掛けされた中間体の使用(ステップ803a及び803bと同様)は省略することができ、生成された刷版レイアウトを使用して光重合性刷版を直接生じさせることができる(ステップ804c参照)。その変形が2つ存在する。第1の変形によれば、第1のステップにおいて、フレキソ刷版は、例えばUV光を使用して描写され、後続のステップにおいて、描写されていない領域が除去される軟質ゴム層を備える。第2の変形によれば、フレキソ刷版は、必要に応じて材料が除去され、それ以上のステップが必要ないように、例えば強力なCO2又は赤外線レーザを使用して取り除かれる硬質ゴム層を備える。次いで、ソフトウェアは、本発明の実施形態の中間調領域を備える印刷版を中間体なしで生じさせるように放射源、例えばUV光源、又は強力なレーザのいずれかを直接制御する。
【0051】
中間調レリーフは、材料を網点の間から除去するのに使用されるプロセスを含むいくつかの他の要因によって制御することができる。感光性樹脂フレキソ印刷版では、最大レリーフは、感光性樹脂を所与の深さまで硬化させ、最大レリーフを確立する刷版の背面露光によって制御することができる。
【0052】
結果として得られる刷版は、印刷ローラに取り付けることができる。良質の画像を生じさせるために、インキは、好ましくは、均一な及び予測可能なやり方で印刷材料に塗布される。次いで、これは、フレキソ刷版におけるレリーフ領域が均一な層で及び予測可能な量でインキを担持することを求める。印刷版に塗布されるインキの量は、計量ローラ、例えばアニロックスローラを使用して制御することができる。アニロックスローラは、複数のインキ計量セルを備えるセルパターンをそれらの表面に有する。
【0053】
本発明の実施形態において、単位面積当たりの刷版インキ担持容量は、好ましくは、インキをフレキソ刷版に転移させるのに使用されているアニロックスローラのインキ担持容量よりも少ない。凹部及び凸部のサイズは、アニロックスローラのセルのサイズの関数で適合されることが好ましい。
【0054】
図5A、5B、及び5Cは、3つの網点印刷率、すなわち50%、80%、及び85%に対する刷版の中間調領域の上面図を示し、
図6A、6B、及び6Cは、3つの網点印刷率、すなわち50%、80%、及び85%に対する刷版の中間調領域の透視図を示す。印刷率の増加は、網点サイズを増加させることによって実現される。
図5Aにおいて、印刷率は50%であり、中央部分10における凸部11の数(白色で示す)は、およそ8である。
図5Bにおいて、印刷率は、85%であり、中央部分10における凸部11の数(白色で示す)は、およそ20であるなどである。周囲部分20には、溝21を設ける。溝21の間の領域は、
図5A〜5C及び6A〜6Cでは白色で示し、溝21は黒色で示す。パーセンテージ面積カバー率が増加するにつれて、網点100は、最終的には互いに接触し、融合する。所定の印刷率に達した後、網点100ごとの分離したレリーフ領域をもう有さないが、代わりに、網点100を分離する分離した穴を見ることができる(
図5B及び5C参照)。穴は刷版の表面から床部に向かって延びる。網点の環状部分20は、互いに融合する(
図5B及び5C参照)。
【0055】
図7A及び7Bは、それぞれ、網点の周囲部分に第2のパターンなし及び第2のパターン有りの実施形態を使用した階調度円及びストリップを示す。ベタ周囲部分、すなわち、凹部の第2のパターンなしの周囲部分を有する実施形態に対して(
図7A)、階調度円は、C1及びC2において急激な変化を示すことが分かる。凹部の第2のパターンが配置されている周囲部分を有する本発明の実施形態を使用して(
図7B)、階調度円は、非常に滑らかに変化する。周囲部分を設けることによって、網点の安定性が改良され、以て、印刷時の圧力が可能になり、したがって、生産性を上げることが可能になる。周囲部分における凹部の第2のパターンと中央部分における凸部との組合せにより、背景が次第に消えていき、ついには印刷されていない紙に溶け込む、滑らかな中間調階調度が得られることが確実になる。
【0056】
様々な上記の方法のステップは、プログラムされたコンピュータによって実施することができることを当業者は容易に認識するであろう。本明細書において、いくつかの実施形態は、プログラム記憶デバイス、例えばデジタルデータ記憶媒体を含めることも意図されており、デジタルデータ記憶媒体は、機械又はコンピュータ可読であり、命令の機械実行可能又はコンピュータ実行可能プログラムを符号化し、前記命令は、前記上記の方法のステップの一部又は全部を実施する。プログラム記憶デバイスは、例えば、デジタルメモリ、磁気記憶媒体、ハードドライブ、又は光学的可読デジタルデータ記憶媒体でもよい。実施形態は、上記の方法の前記ステップを実施するようにプログラムされたコンピュータを含めることも意図されている。
【0057】
本発明の原理を具体的な実施形態に関連して上に記載してきたが、この説明は、単に例により行われており、添付の特許請求の範囲によって決定される保護の範囲の限定として行われてはいないことを理解されたい。