【実施例】
【0032】
以下、本発明を実施例に基づきより具体的に説明する。もっとも、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
【0033】
実験プロトコールは各地域の倫理委員会(症例1は横浜市立大学医学部、症例2〜4は国立精神・神経センター)に承認された。全ての患者とその両親から書面によるインフォームドコンセントを得た。臨床情報は診療歴から得た。マウス実験は、ユニバーシティ・オブ・テネシー・ヘルス・サイエンス・センターのInstitutional Animal Care and Use Committeeにより承認されたプロトコールに従った。
【0034】
独立した4家系より、両側性のMYPN変異を有する患者4名を同定した。4症例の臨床徴候を表3に示す。
【0035】
症例1(
図1Aの家系1のV-3)は血族婚家系で発生した患者であり、この患者の解析によりMYPN変異が初めて同定された(後述)。過去の診療歴によると、発達の遅れはなかったが、首のすわりが悪かった。12歳時に胸郭の変形(漏斗胸)と心肥大を指摘された。25歳時に階段を上りにくいことに気付いたのが最初の自覚症状であった。27歳時に筋生検で核内棒状封入物を伴うネマリンミオパチーと診断された。39歳時に完全に車いす生活となった。48歳時には顔面、四肢、体幹、頚部の筋力低下、肺活量の低下を認め、全介助状態となった。
【0036】
症例2(
図1Aの家系2のII-1)、症例3(家系3のII-5)、及び症例4(家系4のII-1)では、最初の症状として歩行障害が10歳以前(4〜10歳頃)に現れた。
【0037】
4症例の全てで、緩徐進行性の筋力低下が四肢(特に下肢)と頚部に最初に認められた。症例1、2、4の3名では顔面にも筋力低下が認められ、症例1ではよりマイルドな徴候が認められた。少なくとも臨床情報が得られた症例1及び症例4では、外眼筋は関与しておらず、過剰の流涎は認めなかった。患者のうちの3名は起立と歩行が可能であったが多少の困難さがあった。症例1(最重症例)は39歳時に車椅子生活となり、日常生活に介助が必要となった。患者のうちの2名には心臓障害があった(症例1で心肥大、症例4で1度の房室ブロックを伴う心臓の収縮機能低下)。呼吸機能では、2名の患者(症例1、4)で明白な呼吸不全を伴わない肺活量の低下を認めた。嚥下障害はいずれの症例でも認めなかった。若干の骨格異形成を3名で認めたが、いずれの症例でも拘縮は認めなかった。血清クレアチンキナーゼは全員で比較的低値であった(症例1〜4でそれぞれ18, 13, 26, 及び35 IU/L)。4名とも知能は正常であった。
【0038】
【表3】
【0039】
症例1の46歳時、症例4の35歳時にそれぞれ筋CTを実施した。症例4では近位筋優位の筋萎縮を認めた。頚筋、臀筋及び大腿筋の萎縮が特に顕著であった。興味深いことに、大腿において、縫工筋、薄筋、及び大腿二頭筋短頭が高度に変性しており、大部分が脂肪組織に置換されていた。斑状の低吸収領域が特に半腱様筋に観察された(データ省略)。症例1では、ネマリンミオパチーが最も進行した段階で筋CTを実施した。筋肉はびまん性に萎縮していたが下肢に近位筋優位の筋萎縮パターンが残存しているのを認めた(データ省略)。
【0040】
骨格筋生検を用いた筋病理学的検査によると、4症例には、筋線維サイズが軽度〜中等度に不均一である、ゴモリトリクローム変法染色像で散在した筋線維中に顆粒形状のネマリン小体が観察される、という類似した特徴を認めた(
図2A及びB)。症例1では、筋線維の数が減少し広範囲で脂肪組織に置換され、結合組織の増加も見られた。核内棒状封入物は症例1と症例4で観察された(
図2B及びC)。タイプ1線維が優勢であることは先天性ミオパチーで共通してみられる所見であり、4症例の全てでミオシンATPアーゼ染色により当該所見が確認された(データ省略)。電子顕微鏡検査により、症例2〜4でもネマリン小体が確認された(
図2C)。
【0041】
我々は、まず血族婚家系で発生した症例1について遺伝学的解析を行なった。筋生検で核内棒状封入物が観察されたことから、サンガーシークエンシングによりACTA1変異を検索したが、変異は発見されなかった。
【0042】
血族婚家系であることから常染色体劣性の遺伝様式を想定し、ホモ接合性マッピングを実施した。症例1の唾液サンプルよりOrageneDNA (DNA Genotek, Ottawa, Canada)を用いて抽出した発端者ゲノムDNAのゲノムワイドジェノタイピングには、Genome-wide Human SNP Array 6.0 (Affymetrix, 米国カリフォルニア州Santa Clara)を用いた。ホモ接合性領域の同定にはHomozygosityMapper(Seelow, D., et al. (2009) Nucleic Acids Res. 37 , W593-599.)を用いた。その結果、全ゲノム中に6箇所のホモ接合性領域(合計サイズ47.6 Mb)が同定された(表4)。
【0043】
【表4】
【0044】
次いで、唾液サンプルよりOrageneDNA (DNA Genotek, Ottawa, Canada)を用いて抽出した発端者ゲノムDNAの全エクソームシークエンシング(WES)を既報の通りに実施した
15。簡潔に記載すると、SureSelect Human All Exon V4 (Agilent Technologies, 米国カリフォルニア州Santa Clara) を用いてゲノムDNAをキャプチャーし、Illumina HiSeq2000を用いて101-bpのペアエンドリードでシークエンシングを行なった。リードのアライメントはNovoalignを用いてGRCh37に対して行なった。PCR duplicateの除去にはPicardを用いた。インデル周辺のローカルリアライメント及びクオリティスコアのリキャリブレーションにはGenome Analysis Toolkit (GATK)を用いた。GATK UnifiedGenotyperにより変異をコールし、Broad Institute’s best-practice guidelines (バージョン3)に基づいてフィルタリングした。臨床的関連性があるものとしてフラグされなかった、dbSNP135データベース (マイナーアレル頻度≧0.01) に登録されているコモン変異は除外した。フィルターをパスした変異のアノテーションにはANNOVARを用いた
16。RefSeqコーディング配列に対するWESの平均カバレッジ深度は102×であり、全コーディング配列の塩基の94%が10以上のリードにカバーされていた。
【0045】
健常者ではほとんど見られない、359のまれな変異(タンパク質を改変する変異又はスプライスサイト変異)が抽出されたが、この359個の変異の中には、ACTA1遺伝子やネマリンミオパチーに関連性のある他の9遺伝子における病原性の変異は発見されなかった。MYPN遺伝子(NM_032578.3)のホモ接合性c.2003delA変異は、p.Asn668Thrfs*25(668番AsnがThrになり、692番目が停止コドンになる)を生じると予測され、この変異がホモ接合性領域内に位置する唯一のホモ接合性変異であった。サンガーシークエンシングにより当該MYPN遺伝子変異を確認した(
図1B)。
【0046】
症例1でホモ接合性のMYPN遺伝子変異を発見した後、筋生検で組織学的にネマリンミオパチーと診断されたが遺伝的原因が解明されていない54家系について、HiSeq1000 (Illumina) を用いてWESを行なった。このコホートには、発症年齢が高く(発症年齢の平均値は25歳、中央値は26歳)比較的軽症のネマリンミオパチー症例が含まれていた。このコホートでは、ターゲットシークエンシング及びWESのいずれかで、先天性ミオパチーとの関連が知られている遺伝子には原因の可能性のある変異は検出されなかった。
【0047】
末梢血白血球又は筋生検よりゲノムDNAを抽出し、SureSelect Human All Exon V5 (Agilent Technologies) を用いたsolution captureに付して、バーコード化全エクソームシークエンシングライブラリーを生成した。これらのライブラリーをIllumina HiSeq 1000 sequencerを用いて100 bpのペアエンドリードでシークエンシングした。症例2〜4に対するWESによる平均カバレッジ深度はそれぞれ69×, 97×, 及び111×であり、全コーディング配列の塩基の90%, 95%, 及び99%が10以上のリードにカバーされていた。アライメント、変異コーリング、及びアノテーションはBWA
20、Picard、GATK、及びANNOVARを用いて行なった。
【0048】
その結果、予想した通り、症例2〜4においてMYPN遺伝子に両アレル性の短縮型変異が同定された。変異は全てサンガーシークエンシングにより確認した(
図1B)。症例2には、スプライス受容部位にホモ接合性の変異(c.3076-2A>C)があった。症例3には、p.Arg377*(第377番Argが停止コドンに変化)をもたらすホモ接合性のナンセンス変異(c.1129C>T)があった。症例4の変異は複合ヘテロ接合であり、p.[Arg1057*]+[Arg1072*](第1057番Argが停止コドンに変化+第1072番Argが停止コドンに変化)をもたらすナンセンス変異c.[3169C>T];[3214C>T]が同定された。複合ヘテロ接合性は両親のDNA解析により確認した。
【0049】
c.1129C>T以外の変異はいずれも、公表されているヒト変異の情報源 [健常日本人コントロール1208人のエクソームデータが登録されているHuman Genetic Variation Database (HGVD)
21、及びNHLBI Exome Sequencing Project (ESP6500)、Exome Aggregation Consortium (ExAC) Browser]には存在しなかった。The c.1129C>T変異はExACデータベースに登録されていたが、頻度は極端に低く(0.000008246)、フィンランド人を除くヨーロッパ人集団由来の66,674アレルのうちの1つにヘテロ接合で登録されているのみであった(表5)。これら3症例では、ネマリンミオパチーとの関連が知られている遺伝子には病原性の変異が発見されなかった。従って、我々のネマリンミオパチーコホートでは54家系中3家系(5.6%)がMYPN遺伝子に変異を有すると結論づけた。
【0050】
【表5】
【0051】
症例2ではスプライス受容部位の変異(c.3076-2A>C)をホモ接合で有していたことから、筋生検から抽出した全RNAを用いてcDNA解析を行なった。全RNAは、TRIzol Reagent(Thermo Fisher Scientific、米国マサチューセッツ州Waltham)又はRNeasy Mini Kit(Qiagen, 独国Hilden)を用いて凍結筋生検サンプルより抽出し、SuperScript IV(Thermo Fisher Scientific)を用いて逆転写した。スプライス部位変異の隣接領域に対するプライマーはPrimer3を用いて設計した。cDNA部分領域の増幅にはPCR Master Mix(Promega、米国ウィスコンシン州Madison)を用いた。QIAquick Gel Extraction Kit(Qiagen)を用いてアガロースゲルからPCR産物を抽出し、ダイレクトシークエンシングにより又はTAクローニングして配列を決定した。その結果、以下の4種類の異常転写産物が同定された(
図3)。
1. r.3076-2A(エクソン15の第1番塩基より2塩基上流のA)がCになる置換変異を含んだイントロン14の全長の挿入(r.3076-2A>C ;3075_3076ins3075+1_3076-1)
2. エクソン15の最初の5塩基の欠失(r.3076_3080del)
3. エクソン15の最初の11塩基の欠失(r.3076_3086del)
4. エクソン15の読み飛ばしとエクソン16の最初の73塩基の欠失(r.3076_3231del)
【0052】
1〜3の転写産物は短縮型のMYPNタンパク質(p.Gly1026Valfs*21, p.Gly1026Asnfs*59, 及びp.Gly1026Leufs*57)をコードし、ナンセンス変異依存mRNA分解(NMD)を受ける。4の転写産物は、発現量はわずかであるが、MYPNタンパク質の第1026番Gly〜第1077番Glnの52残基の欠失(p.Gly1026_Gln1077del)をもたらし、異常型のMYPNタンパク質を生じる。この異常型MYPNタンパク質は、Igドメイン3、4が破壊されてα-アクチニン結合領域が欠失しており、機能的に障害されていると考えられる(
図3)。
【0053】
症例2〜4より入手できた上腕二頭筋の凍結筋生検を用いてさらなるタンパク質解析を実施した。症例1では筋生検サンプルが消耗していたため、皮膚線維芽細胞を入手し、既報
22-24の通りにアデノウイルスを用いて皮膚線維芽細胞にMyoDを導入発現させ、これを筋管細胞へ分化転換させた。抗MYPN抗体(HPA036298; Atlas Antibodies, スウェーデン国Stockholm)及び抗α-アクチニン抗体(EA-53; Sigma-Aldrich, 米国ミズーリ州St. Louis)を用いて免疫組織化学染色を行なった結果、MYPNタンパク質はコントロールの筋肉ではα−アクチニンと共にZ線に存在していたが、症例2〜4の筋肉ではMYPNタンパク質の染色が検出されなかった(
図4A)。抗MYPN抗体及び抗チューブリンα抗体(DM1A; Sigma-Aldrich)を用いたウエスタンブロッティングの結果によると、分化転換して得た症例1の筋管細胞及び症例2〜4の筋肉では、全長MYPNタンパク質は検出できなかった(
図4B及びC)。これらの結果は、MYPNタンパク質レベルがナンセンス変異又はスプライス部位変異によって著しく低下していることを示唆している。MYPNタンパク質とサルコメア成分とが相互作用することを考慮すると、MYPNタンパク質の欠失はサルコメア構造の維持に悪影響を及ぼしてネマリンミオパチーを生じているのかもしれない(
図5)。
【0054】
MYPNとネブリンの相互作用を考慮し、症例3、4由来の骨格筋について、抗ネブリン抗体(N-9891; Sigma-Aldrich)及び抗α−アクチニン抗体(ab137346; Abcam, 英国Cambridge)を用いてネブリンの免疫組織学的解析を行なった。その結果、ネブリンはZ線間に正常に局在しており、コントロールと比較して変化は認められなかった(データ省略)。さらに、ファロイジン染色及び/又は電子顕微鏡観察により、症例2、3及びコントロールのアクチンフィラメント長を測定した。コントロールと比較してアクチンフィラメント長に明らかな変化は認められなかった(データ省略)。
【0055】
現在までに、MYPN遺伝子の24種類の片アレル性ヘテロ変異が、その浸透率は不完全であるものの、肥大型心筋症 (HCM, MIM 615248)、拡張型心筋症 (DCM, MIM 615248)、拘束型心筋症 (RCM, MIM 615248)、の不整脈突然死症候群又は幼児突然死 (as of October 2, 2016) (Figure S8)を生じることが報告されている
18; 25; 26; 27。これらの変異のうち21種がミスセンス変異
18; 25; 28-30、2種がナンセンス変異
18、1種が一塩基欠失であり
25、これらの大部分が優性阻害効果を有すると考えられている(
図7の2)
18; 25; 31。3種の短縮型変異のうち、c.1585C>T (p.Gln529*)とc.2653C>T (p.Arg885*)の2つは各エクソン接合部の50-bp上流領域内の変異であり、NMDを受けていないことが暗示される。当該短縮型MYPDは優性阻害効果を生じているかもしれない。MYPN遺伝子にc.248delT (p.Ile83Thrfs*23) 変異を有するDCM症例の報告はこれまでに1例のみであり、発現解析の結果からハプロ不全が原因の機構として推察された
25。既に報告されている
25家系内での当該変異の不完全浸透度を考慮すると、心筋症における病原性について確定的な結論を下すことは困難である。
【0056】
MYPN遺伝子のヘテロ接合性c.1585C>T (p.Gln529*)変異の場合、NMDを回避して65-kDaの短縮型MYPNタンパク質を産生し、これがZ帯の構築を傷害する「毒性ペプチド」として働くことが実験的に確認されている
18; 31。ヘテロ接合性のMYPN-Gln526* 変異 (MYPN
WT/Gln526*)は、ヒトのヘテロ接合性MYPN遺伝子のc.1585C>T(p.Gln529*)変異に相当するが、このヘテロ変異を有するノックイン変異マウスの表現型はRCMに関連があった
31。ホモ接合性のMYPN-Gln526* 変異(MYPN
Gln526*) を有する変異マウスでは、心臓及び骨格筋でのMYPN遺伝子mRNAの転写が障害されていた
31。そこで我々は、MYPN-Gln526*ホモ接合体がMYPN遺伝子のヌルモデルとみなせるものとし、ヒトのネマリンミオパチーのモデルとして3か月齢のMYPN
Gln526*マウスの骨格筋サンプルを解析した。同齢のヘテロMYPN
WT/Gln526*及び野生型 (WT) 同腹仔をコントロールとした。既報
31の通り、ヘマトキシリン−エオシン染色及びゴモリトリクローム染色では、ホモ変異マウスと野生型マウスの両者で骨格筋中に明らかな異常は認められなかった(
図6A)。ウエスタンブロッティングの結果より、野生型及びヘテロ変異マウスには全長MYPNタンパク質が存在するが、ホモ変異マウスには全長ないしは短縮型のMYPNタンパク質は存在しないことが明らかとなった(
図6B)。電子顕微鏡観察では、ホモ変異マウスでZ帯の乱れ及びネマリン小体様構造物が観察され、ヘテロ変異マウス及び野生型マウスでは正常なサルコメア構造が観察された(
図6C)。このことは、ホモ変異マウスに軽度のネマリンミオパチーがあることを意味している。電顕観察ではホモマウスに軽度のZ線異常が認められたものの筋力低下は認められず、臨床的に軽症のヒトのネマリンミオパチーに矛盾しないネマリンミオパチーを再現できたといえる
31。月齢がさらに進んだホモ変異マウスが筋力低下の症状を示す可能性は否定されない。
【0057】
症例1は12歳時に心肥大が認められ、症例4は心臓の運動低下を呈したことから、これらのMYPN遺伝子変異が軽度の心筋症にも関連している可能性があると考えられた。そこで、症例4の両親に対し、胸部X線、心電図、及び心エコー検査を実施した。これらの検査により、心臓は関連しないことが明らかとなり、これらのMYPN遺伝子変異のハプロ不全は心筋サルコメアの維持を障害するほどには有害ではないと考えられた。ヘテロ接合性のドミナントネガティブMYPN遺伝子変異を有する個体と両アレル性の機能喪失型MYPN遺伝子変異を有する個体との間では異なる分子メカニズムが想定されるため、心筋の病理学的変異にも差異があるかもしれない。このコンセプトを明らかにするため、変異のタイプ、接合性、表現型、及び浸透率に基づき下記のモデルを提案する。
(i) ヘテロ接合性のドミナントネガティブMYPN遺伝子変異は心筋症に関連し得るが、その浸透率は不完全である(
図7の2)。
(ii) 両アレル性の機能喪失型変異は高い浸透率でネマリンミオパチーに関連し、低い浸透率で軽度の心筋症に関連する(
図7の3)。
(iii) ヘテロ接合性の機能喪失型変異は、おそらく骨格筋及び心筋の表現型の乱れとは関連がない。
【0058】
既に報告されている1家系では心筋症との関連が示唆されていることから、ヘテロ接合性の機能喪失型変異が心筋症と関連する可能性は除外されない(
図7の4)。
【0059】
<使用したウェブリソース>
Exome Aggregation Consortium Browser, http://exac.broadinstitute.org/
Human Genetic Variation Database, http://www.genome.med.kyoto-u.ac.jp/SnpDB/
NHLBI Exome Sequencing Project, http://evs.gs.washington.edu/EVS/
dbSNP Short Genetic Variations, http://www.ncbi.nlm.nih.gov/SNP/
Novoalign, http://www.novocraft.com/products/novoalign/
The Genome Analysis Toolkit (GATK), https://www.broadinstitute.org/gatk/
Picard, http://broadinstitute.github.io/picard/
Annovar, http://annovar.openbioinformatics.org/en/latest/
Polyphen2, http://genetics.bwh.harvard.edu/pph2/
SIFT, http://sift.jcvi.org/
MutationTaster, http://www.mutationtaster.org/
RefSeq, http://www.ncbi.nlm.nih.gov/refseq/
UCSC Human Genome Browser, https://genome.ucsc.edu/
OMIM, http://www.omim.org/
HomozygosityMapper, http://www.homozygositymapper.org/
Primer3, http://bioinfo.ut.ee/primer3-0.4.0/
【0060】
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