特許第6860144号(P6860144)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6860144
(24)【登録日】2021年3月30日
(45)【発行日】2021年4月14日
(54)【発明の名称】電力変換装置の制御装置
(51)【国際特許分類】
   H02M 7/12 20060101AFI20210405BHJP
   H02J 3/01 20060101ALI20210405BHJP
   H02M 5/293 20060101ALI20210405BHJP
【FI】
   H02M7/12 P
   H02J3/01
   H02M5/293 B
   H02M7/12 F
【請求項の数】6
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2017-88034(P2017-88034)
(22)【出願日】2017年4月27日
(65)【公開番号】特開2018-186669(P2018-186669A)
(43)【公開日】2018年11月22日
【審査請求日】2020年2月21日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 一般社団法人電気学会、電気学会研究会資料、第25頁〜第30頁、平成28年11月14日発行 電子デバイス/半導体電力変換合同研究会、 平成28年11月15日開催
(73)【特許権者】
【識別番号】597144439
【氏名又は名称】Mywayプラス株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】304021831
【氏名又は名称】国立大学法人千葉大学
(74)【代理人】
【識別番号】100130982
【弁理士】
【氏名又は名称】黒瀬 泰之
(72)【発明者】
【氏名】徐 進
(72)【発明者】
【氏名】下里 昇
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 之彦
(72)【発明者】
【氏名】繁内 宏治
【審査官】 麻生 哲朗
(56)【参考文献】
【文献】 特開2017−046450(JP,A)
【文献】 国際公開第2016/024223(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0113700(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 7/12
H02J 3/01
H02M 5/293
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに磁気結合する第1及び第2のコイルを有するトランスと、
一端が負荷の一端を構成する第5のノードに接続され、他端が前記第2のコイルの一端を構成する第3のノードに接続された第1の片方向スイッチ素子、一端が前記負荷の他端を構成する第6のノードに接続され、他端が前記第3のノードに接続された第2の片方向スイッチ素子、一端が前記第5のノードに接続され、他端が前記第2のコイルの他端を構成する第4のノードに接続された第3の片方向スイッチ素子、及び、一端が前記第6のノードに接続され、他端が前記第4のノードに接続された第4の片方向スイッチ素子を有するAC/DCコンバータと、
一端が三相交流の第1相に対応する第7のノードに接続され、他端がリアクトルを介して前記第1のコイルの一端に接続される第1のノードに接続された第1の双方向スイッチ素子、一端が前記三相交流の第2相に対応する第8のノードに接続され、他端が前記第1のノードに接続された第2の双方向スイッチ素子、一端が前記三相交流の第3相に対応する第9のノードに接続され、他端が前記第1のノードに接続された第3の双方向スイッチ素子、一端が前記第7のノードに接続され、他端が前記第1のコイルの他端を構成する第2のノードに接続された第4の双方向スイッチ素子、一端が前記第8のノードに接続され、他端が前記第2のノードに接続された第5の双方向スイッチ素子、及び、一端が前記第9のノードに接続され、他端が前記第2のノードに接続された第6の双方向スイッチ素子を有するマトリックスコンバータとを有する電力変換装置の制御装置であって、
電力指令値の入力を受け付ける入力受付ステップと、
前記電力指令値に基づいて、前記第1乃至第4の片方向スイッチ素子及び前記第1乃至第6の双方向スイッチ素子それぞれの状態を変更するタイミングを示すデューティ比を算出する算出ステップと、
前記デューティ比に基づいて、前記第1乃至第4の片方向スイッチ素子及び前記第1乃至第6の双方向スイッチ素子の状態を制御する制御ステップと
を実行することを特徴とする制御装置。
【請求項2】
前記制御ステップは、第1乃至第6の期間を一周期とする繰り返し動作を行うよう構成され、
前記デューティ比は、前記第1乃至第6の期間の時間長である
ことを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記第1相乃至第3相にそれぞれ対応する第1乃至第3の交流電圧の位相に応じて決まる第1乃至第12の空間ごとに、前記第1乃至第3の交流電圧の中の最大のものを最大相電圧とし、前記第1乃至第3の交流電圧の中の中間のものを中間相電圧とし、前記第1乃至第3の交流電圧の中の最小のものを最小相電圧とし、それぞれ前記第7乃至第9のノードを流れる第1乃至第3の電流の中の前記中間相電圧に対応するものを中間相電流とし、前記中間相電流がゼロより大きい場合には前記中間相電圧から前記最小相電圧を減算してなる電圧に等しく、前記中間相電流がゼロより小さい場合には前記最大相電圧から前記中間相電圧を減算してなる電圧に等しい電圧を入力電圧とすると、
前記制御ステップは、
前記第1の期間においては、前記第2のノードの電圧に対する前記第1のノードの電圧である第1の電圧が前記最大相電圧から前記最小相電圧を減算してなる電圧となるよう前記第1乃至第6の双方向スイッチ素子の状態を制御するとともに、前記第3のノードの電圧に対する前記第4のノードの電圧である第2の電圧がマイナスの値となるように前記第1乃至第4の片方向スイッチ素子の状態を制御し、
前記第2の期間においては、前記第1の電圧が前記最大相電圧から前記最小相電圧を減算してなる電圧となるよう前記第1乃至第6の双方向スイッチ素子の状態を制御するとともに、前記第2の電圧がプラスの値となるように前記第1乃至第4の片方向スイッチ素子の状態を制御し、
前記第3の期間においては、前記第1の電圧が前記入力電圧となるよう前記第1乃至第6の双方向スイッチ素子の状態を制御するとともに、前記第2の電圧がプラスの値となるように前記第1乃至第4の片方向スイッチ素子の状態を制御し、
前記第4の期間においては、前記第1の電圧が前記最小相電圧から前記最大相電圧を減算してなる電圧となるよう前記第1乃至第6の双方向スイッチ素子の状態を制御するとともに、前記第2の電圧がプラスの値となるように前記第1乃至第4の片方向スイッチ素子の状態を制御し、
前記第5の期間においては、前記第1の電圧が前記最小相電圧から前記最大相電圧を減算してなる電圧となるよう前記第1乃至第6の双方向スイッチ素子の状態を制御するとともに、前記第2の電圧がマイナスの値となるように前記第1乃至第4の片方向スイッチ素子の状態を制御し、
前記第6の期間においては、前記第1の電圧が前記入力電圧の反数となるよう前記第1乃至第6の双方向スイッチ素子の状態を制御するとともに、前記第2の電圧がマイナスの値となるように前記第1乃至第4の片方向スイッチ素子の状態を制御する
ことを特徴とする請求項2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記第1乃至第3の電流の中の前記最大相電圧に対応するものを最大相電流とし、前記中間相電流がゼロより大きい場合には前記最大相電流に等しく、前記中間相電流がゼロより小さい場合には前記最大相電流と前記中間相電流の和に等しい電流を入力電流とすると、
前記算出ステップは、
前記電力指令値に基づいて、前記最大相電流及び前記中間相電流それぞれの指令値を算出するステップと、
算出した前記最大相電流及び前記中間相電流それぞれの指令値に基づいて、前記入力電流の指令値を算出するステップと、
算出した前記入力電流の指令値と前記第1及び第4の期間それぞれの時間長を示す第1のデューティ比の関数である所定の第1の関数とが等しくなるような前記第1のデューティ比を導出するステップと、
前記第1のデューティ比に基づいて、前記第2及び第5の期間それぞれの時間長を示す第2のデューティ比、及び、前記第3及び第6の期間それぞれの時間長を示す第3のデューティ比を算出するステップとを含む
ことを特徴とする請求項3に記載の制御装置。
【請求項5】
前記第1乃至第3の双方向スイッチ素子それぞれの他端は、共通のリアクトルを介して前記第1のノードに接続され、
前記第1の関数は、前記第1のデューティ比をD、前記第1乃至第6の期間の時間長の合計の逆数をf、前記リアクトルのインダクタンスをL、前記第6のノードの電圧に対する前記第5のノードの電圧をVdc、前記最大相電圧をemax、前記最小相電圧をemin、前記入力電圧をe、前記中間相電流をimidとすると、次の式(2)に示される変数D及び式(3)に示される変数A,B,Cを用いて、次の式(1)に示されるi(D)によって表される
【数1】
ことを特徴とする請求項4に記載の制御装置。
【請求項6】
前記制御ステップは、前記第2の電圧が前記第1乃至第6の期間の時間長の合計の半分に相当する周期で所定のプラス電圧と所定のマイナス電圧の間を遷移する矩形波信号となるように、前記第1乃至第4の片方向スイッチ素子の状態を制御する
ことを特徴とする請求項3乃至5のいずれか一項に記載の制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電力変換装置の制御装置に関し、特に、マトリックスコンバータを適用した双方向絶縁形AC/DCコンバータである電力変換装置の制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電気自動車、家庭用蓄電池といった直流機器の利用が広がり始めている。この種の直流機器においては、系統電源から供給される三相交流を直流に変換するための双方向絶縁形AC/DCコンバータが利用される。
【0003】
従来の双方向絶縁形AC/DCコンバータは、三相交流を直流に変換する第1のAC/DCコンバータと、第1のAC/DCコンバータから出力される直流を高周波交流に変換するDC/ACコンバータと、このDC/ACコンバータから出力される高周波交流の絶縁を行う高周波トランスと、この高周波トランスの二次側に現れる高周波交流を直流に変換する第2のAC/DCコンバータとによって構成されており、3回の電力変換を行う必要があることから、高い変換効率を得ることが難しいという課題を有していた。また、第1のAC/DCコンバータとDC/ACコンバータとの間に大型の電解コンデンサが必要となるため、装置が大型化かつ短寿命化するという課題もあった。
【0004】
これに対し、最近では、非特許文献1に開示されるマトリックスコンバータを双方向絶縁形AC/DCコンバータに適用することが検討されている。マトリックスコンバータを使えば、直流を介さずに三相交流を高周波交流に変換でき、また、大型の電解コンデンサも不要になるので、上述した双方向絶縁形AC/DCコンバータの課題が解決される。
【0005】
非特許文献2には、マトリックスコンバータを適用した絶縁形AC/DCコンバータの例が開示されている。この例によれば、マトリックスコンバータを構成する各スイッチの動作タイミングは、所定周期で振動するのこぎり波と、三相交流の波形とを比較することによって決定される。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】成慶ミン、外3名、「マトリックスコンバータの入出力電流波形改善法に関する検討」、電気学会論文誌D、一般社団法人電気学会、2003年、123巻11号、p.1276−1284
【非特許文献2】鈴木一馬、外3名、「ソフトスイッチングを適用した絶縁型AC/DCコンバータ」、電気学会論文誌D、一般社団法人電気学会、2016年、136巻8号、p.540−548
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、非特許文献2に記載の方法でマトリックスコンバータを構成する各スイッチの動作タイミングを決定した場合、必ずしも最適な動作タイミングとはならず、結果として交流入力電流の高調波が増大してしまう場合があった。
【0008】
したがって、本発明の目的の一つは、マトリックスコンバータを適用した絶縁形AC/DCコンバータにおける交流入力電流の高調波を低減できる電力変換装置の制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明による電力変換装置の制御装置は、互いに磁気結合する第1及び第2のコイルを有するトランスと、一端が負荷の一端を構成する第5のノードに接続され、他端が前記第2のコイルの一端を構成する第3のノードに接続された第1の片方向スイッチ素子、一端が前記負荷の他端を構成する第6のノードに接続され、他端が前記第3のノードに接続された第2の片方向スイッチ素子、一端が前記第5のノードに接続され、他端が前記第2のコイルの他端を構成する第4のノードに接続された第3の片方向スイッチ素子、及び、一端が前記第6のノードに接続され、他端が前記第4のノードに接続された第4の片方向スイッチ素子を有するAC/DCコンバータと、一端が三相交流の第1相に対応する第7のノードに接続され、他端がリアクトルを介して前記第1のコイルの一端に接続される第1のノードに接続された第1の双方向スイッチ素子、一端が前記三相交流の第2相に対応する第8のノードに接続され、他端が前記第1のノードに接続された第2の双方向スイッチ素子、一端が前記三相交流の第3相に対応する第9のノードに接続され、他端が前記第1のノードに接続された第3の双方向スイッチ素子、一端が前記第7のノードに接続され、他端が前記第1のコイルの他端を構成する第2のノードに接続された第4の双方向スイッチ素子、一端が前記第8のノードに接続され、他端が前記第2のノードに接続された第5の双方向スイッチ素子、及び、一端が前記第9のノードに接続され、他端が前記第2のノードに接続された第6の双方向スイッチ素子を有するマトリックスコンバータとを有する電力変換装置の制御装置であって、電力指令値の入力を受け付ける入力受付ステップと、前記電力指令値に基づいて、前記第1乃至第4の片方向スイッチ素子及び前記第1乃至第6の双方向スイッチ素子それぞれの状態を変更するタイミングを示すデューティ比を算出する算出ステップと、前記デューティ比に基づいて、前記第1乃至第4の片方向スイッチ素子及び前記第1乃至第6の双方向スイッチ素子の状態を制御する制御ステップとを実行することを特徴とする。
【0010】
前記制御装置において、前記制御ステップは、第1乃至第6の期間を一周期とする繰り返し動作を行うよう構成され、前記デューティ比は、前記第1乃至第6の期間の時間長であることとしてもよい。
【0011】
前記制御装置において、前記第1相乃至第3相にそれぞれ対応する第1乃至第3の交流電圧の位相に応じて決まる第1乃至第12の空間ごとに、前記第1乃至第3の交流電圧の中の最大のものを最大相電圧とし、前記第1乃至第3の交流電圧の中の中間のものを中間相電圧とし、前記第1乃至第3の交流電圧の中の最小のものを最小相電圧とし、それぞれ前記第7乃至第9のノードを流れる第1乃至第3の電流の中の前記中間相電圧に対応するものを中間相電流とし、前記中間相電流がゼロより大きい場合には前記中間相電圧から前記最小相電圧を減算してなる電圧に等しく、前記中間相電流がゼロより小さい場合には前記最大相電圧から前記中間相電圧を減算してなる電圧に等しい電圧を入力電圧とすると、前記制御ステップは、前記第1の期間においては、前記第2のノードの電圧に対する前記第1のノードの電圧である第1の電圧が前記最大相電圧から前記最小相電圧を減算してなる電圧となるよう前記第1乃至第6の双方向スイッチ素子の状態を制御するとともに、前記第3のノードの電圧に対する前記第4のノードの電圧である第2の電圧がマイナスの値となるように前記第1乃至第4の片方向スイッチ素子の状態を制御し、前記第2の期間においては、前記第1の電圧が前記最大相電圧から前記最小相電圧を減算してなる電圧となるよう前記第1乃至第6の双方向スイッチ素子の状態を制御するとともに、前記第2の電圧がプラスの値となるように前記第1乃至第4の片方向スイッチ素子の状態を制御し、前記第3の期間においては、前記第1の電圧が前記入力電圧となるよう前記第1乃至第6の双方向スイッチ素子の状態を制御するとともに、前記第2の電圧がプラスの値となるように前記第1乃至第4の片方向スイッチ素子の状態を制御し、前記第4の期間においては、前記第1の電圧が前記最小相電圧から前記最大相電圧を減算してなる電圧となるよう前記第1乃至第6の双方向スイッチ素子の状態を制御するとともに、前記第2の電圧がプラスの値となるように前記第1乃至第4の片方向スイッチ素子の状態を制御し、前記第5の期間においては、前記第1の電圧が前記最小相電圧から前記最大相電圧を減算してなる電圧となるよう前記第1乃至第6の双方向スイッチ素子の状態を制御するとともに、前記第2の電圧がマイナスの値となるように前記第1乃至第4の片方向スイッチ素子の状態を制御し、前記第6の期間においては、前記第1の電圧が前記入力電圧の反数となるよう前記第1乃至第6の双方向スイッチ素子の状態を制御するとともに、前記第2の電圧がマイナスの値となるように前記第1乃至第4の片方向スイッチ素子の状態を制御することとしてもよい。
【0012】
前記制御装置において、前記第1乃至第3の電流の中の前記最大相電圧に対応するものを最大相電流とし、前記中間相電流がゼロより大きい場合には前記最大相電流に等しく、前記中間相電流がゼロより小さい場合には前記最大相電流と前記中間相電流の和に等しい電流を入力電流とすると、前記算出ステップは、前記電力指令値に基づいて、前記最大相電流及び前記中間相電流それぞれの指令値を算出するステップと、算出した前記最大相電流及び前記中間相電流それぞれの指令値に基づいて、前記入力電流の指令値を算出するステップと、算出した前記入力電流の指令値と前記第1及び第4の期間それぞれの時間長を示す第1のデューティ比の関数である所定の第1の関数とが等しくなるような前記第1のデューティ比を導出するステップと、前記第1のデューティ比に基づいて、前記第2及び第5の期間それぞれの時間長を示す第2のデューティ比、及び、前記第3及び第6の期間それぞれの時間長を示す第3のデューティ比を算出するステップとを含むこととしてもよい。
【0013】
前記制御装置において、前記第1乃至第3の双方向スイッチ素子それぞれの他端は、共通のリアクトルを介して前記第1のノードに接続され、前記第1の関数は、前記第1のデューティ比をD、前記第1乃至第6の期間の時間長の合計の逆数をf、前記リアクトルのインダクタンスをL、前記第6のノードの電圧に対する前記第5のノードの電圧をVdc、前記最大相電圧をemax、前記最小相電圧をemin、前記入力電圧をe、前記中間相電流をimidとすると、後述の式(5)に示される変数D及び式(6)に示される変数A,B,Cを用いて、後述の式(4)に示されるi(D)によって表されることとしてもよい。
【0014】
前記制御装置において、前記制御ステップは、前記第2の電圧が前記第1乃至第6の期間の時間長の合計の半分に相当する周期で所定のプラス電圧と所定のマイナス電圧の間を遷移する矩形波信号となるように、前記第1乃至第4の片方向スイッチ素子の状態を制御することとしてもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、電力指令値に基づいて第1乃至第4の片方向スイッチ素子及び第1乃至第6の双方向スイッチ素子それぞれの状態を変更するタイミングを示すデューティ比を算出し、算出したデューティ比に基づいて前記第1乃至第4の片方向スイッチ素子及び前記第1乃至第6の双方向スイッチ素子の状態を制御しているので、最適なタイミングで各スイッチ素子の状態を制御することが可能になる。したがって、マトリックスコンバータを適用した絶縁形AC/DCコンバータである電力変換装置による交流入力電流の高調波を低減することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の好ましい実施の形態による電力変換装置1及びその制御装置4の構成を示す図である。
図2】(a)は、スイッチ素子Sxyの詳細な構成の1つ目の例を示す図であり、(b)は、スイッチ素子Sxyの詳細な構成の2つ目の例を示す図である。
図3図1に示した電圧e,e,e,v,v及び電流ieu,iev,iew,i,iの力行時の波形のシミュレーション結果を示す信号波形図である。
図4図3に示した領域Aの拡大図である。
図5】(a)は、電圧v,v及び電流iの力行時の波形を模式的に示す信号波形図であり、(b)は、電圧v,v及び電流iの回生時の波形を模式的に示す信号波形図である。
図6図1に示した制御装置4が行うスイッチング制御処理を示すフロー図である。
図7図6に示したデューティ比算出処理の詳細を示すフロー図である。
図8】(a)は、図1に示した電圧e,v,v及び電流ieu,iの力行時の波形の実験結果を示す信号波形図であり、(b)は、図1に示した電圧e,v,v及び電流ieu,iの回生時の波形の実験結果を示す信号波形図であり、(c)は、(a)に示した領域Bの拡大図であり、(d)は、(b)に示した領域Cの拡大図である。
図9】(emax−emid)>(emid−emin)、emid<0、又はimid<0の場合における電圧v,v及び電流iの力行時の波形を模式的に示す信号波形図である。
図10】(a)〜(c)はそれぞれ、関数i(D)の概形を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0018】
図1は、本実施の形態による電力変換装置1及びその制御装置4の構成を示す図である。
【0019】
図1に示すように、本実施の形態による電力変換装置1は、マトリックスコンバータ10と、トランス20と、AC/DCコンバータ30とを有して構成される。これらは、系統電源2と負荷3との間に、マトリックスコンバータ10、トランス20、AC/DCコンバータ30の順で接続される。以下では、図示するように、系統電源2に接続されるマトリックスコンバータ10の3つの端部をそれぞれ第7のノードn、第8のノードn、第9のノードnと称し、トランス20に接続されるマトリックスコンバータ10の2つの端部をそれぞれ第1のノードn、第2のノードnと称し、トランス20に接続されるAC/DCコンバータ30の2つの端部をそれぞれ第3のノードn、第4のノードnと称し、負荷3に接続されるAC/DCコンバータ30の2つの端部をそれぞれ第5のノードn、第6のノードnと称する。また、第2のノードnの電圧に対する第1のノードnの電圧を電圧v(第1の電圧)と称し、第3のノードnの電圧に対する第4のノードnの電圧を電圧v(第2の電圧)と称する。
【0020】
トランス20は、互いに磁気結合する2つのコイル20a,20b(第1及び第2のコイル)を有して構成される。コイル20aの一端はリアクトルLを介して第1のノードnでマトリックスコンバータ10に接続され、コイル20aの他端は第2のノードnでマトリックスコンバータ10に接続される。コイル20bの一端は第3のノードnでAC/DCコンバータ30に接続され、コイル20bの他端は第4のノードnでAC/DCコンバータ30に接続される。
【0021】
AC/DCコンバータ30は、コイル20bと負荷3との間に接続される電力変換装置である。負荷3は例えばハイブリッドカーのモーターを駆動するための電力変換器であり、電力変換装置1から供給される直流電力によって動作する場合(力行)と、逆に電力変換装置1に対して電力を供給する場合(回生)とがある。詳しくは後述するが、制御装置4は、力行の場合と回生の場合とで異なる動作を行う。負荷3の一端は第5のノードnでAC/DCコンバータ30に接続され、負荷3の他端は第6のノードnでAC/DCコンバータ30に接続される。また、第6のノードnの電圧に対する第5のノードnの電圧を電圧Vdcと称する。
【0022】
AC/DCコンバータ30は、一端が第5のノードnに接続され、他端が第3のノードnに接続されたスイッチ素子S(第1の片方向スイッチ素子)と、一端が第6のノードnに接続され、他端が第3のノードnに接続されたスイッチ素子S(第2の片方向スイッチ素子)と、一端が第5のノードnに接続され、他端が第4のノードnに接続されたスイッチ素子S(第3の片方向スイッチ素子)と、一端が第6のノードnに接続され、他端が第4のノードnに接続されたスイッチ素子S(第4の片方向スイッチ素子)と、一端が第5のノードnに接続され、他端が第6のノードnに接続されたキャパシタC1とを有して構成される。
【0023】
スイッチ素子S〜Sはそれぞれ、例えばMOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)やIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)などの半導体素子を1つだけ含む片方向スイッチであり、図1に示すようにダイオードを含んで構成される。スイッチ素子Sは、ダイオードのアノードが第3のノードnに接続されるように回路に組み込まれ、スイッチ素子Sは、ダイオードのカソードが第3のノードnに接続されるように回路に組み込まれ、スイッチ素子Sは、ダイオードのアノードが第4のノードnに接続されるように回路に組み込まれ、スイッチ素子Sは、ダイオードのカソードが第4のノードnに接続されるように回路に組み込まれる。
【0024】
スイッチ素子S〜Sを構成する半導体素子の制御電極には、制御装置4からそれぞれ制御信号C〜Cが供給される。制御信号C〜Cは、それぞれハイ又はローいずれかの値を取る信号である。制御装置4は、これら制御信号C〜Cの値を個別に制御することにより、スイッチ素子S〜Sそれぞれのオンオフ状態を個別に制御する。
【0025】
マトリックスコンバータ10は、系統電源2とコイル20aとの間に接続される電力変換装置である。系統電源2は、互いに2π/3ずつ位相のずれた正弦波信号によって表される交流電圧e,e,eを生成する三相交流電源であり、例えば商用電源である。図1に示すように、u相(第1相)に対応する交流電圧e(第1の交流電圧)に対応する系統電源2の出力端は第7のノードnでマトリックスコンバータ10に接続され、v相(第2相)に対応する交流電圧e(第2の交流電圧)に対応する系統電源2の出力端は第8のノードnでマトリックスコンバータ10に接続され、w相(第3相)に対応する交流電圧e(第3の交流電圧)に対応する系統電源2の出力端は第9のノードnでマトリックスコンバータ10に接続される。以下では、第7乃至第9のノードn〜nを流れる電流をそれぞれ電流ieu(第1の電流)、電流iev(第2の電流)、電流iew(第3の電流)と称する。
【0026】
マトリックスコンバータ10は、一端が第7のノードnに接続され、他端が第1のノードnに接続されたスイッチ素子Sup(第1の双方向スイッチ素子)と、一端が第8のノードnに接続され、他端が第1のノードnに接続されたスイッチ素子Svp(第2の双方向スイッチ素子)と、一端が第9のノードnに接続され、他端が第1のノードnに接続されたスイッチ素子Swp(第3の双方向スイッチ素子)と、一端が第7のノードnに接続され、他端が第2のノードnに接続されたスイッチ素子Sun(第4の双方向スイッチ素子)と、一端が第8のノードnに接続され、他端が第2のノードnに接続されたスイッチ素子Svn(第5の双方向スイッチ素子)と、一端が第9のノードnに接続され、他端が第2のノードnに接続されたスイッチ素子Swn(第6の双方向スイッチ素子)と、交流リアクトルLfと、入力キャパシタCfとを有して構成される。
【0027】
交流リアクトルLfは、第7のノードnとスイッチ素子Sup,Sunの接続点である第10のノードn10との間に挿入されたインダクタと、第8のノードnとスイッチ素子Svp,Svnの接続点である第11のノードn11との間に挿入されたインダクタと、第9のノードnとスイッチ素子Swp,Swnの接続点である第12のノードn12との間に挿入されたインダクタとによって構成される。また、入力キャパシタCfは、デルタ結線又はスター結線によって互いに接続された3つのキャパシタによって構成されており、その3つの接続点はそれぞれ第10乃至第12のノードn10〜n12に接続される。
【0028】
スイッチ素子Sup,Svp,Swp,Sun,Svn,Swnはそれぞれ、直列に接続された2つの半導体素子によって構成される双方向スイッチである。以下、2つの具体的な例を示しながら、スイッチ素子Sup,Svp,Swp,Sun,Svn,Swnの具体的な構成について説明する。
【0029】
図2(a)は、スイッチ素子Sxy(xは、u,v,wのいずれか。yは、p,nのいずれか。)の詳細な構成の1つ目の例を示す図である。この例では、スイッチ素子Sxyを構成する半導体素子としてIGBTを利用する。同図に示すように、スイッチ素子Sxyを構成する2つのIGBTは、それぞれのダイオードのアノードが互いに接続されることとなる向きで、回路に組み込まれる。
【0030】
2つのIGBTの制御電極には、制御装置4から制御信号Cxyが供給される。この制御信号Cxyは2種類の信号によって構成されており、制御装置4は、これらの値を個別に制御することにより、スイッチ素子Sxyを、図示したD1方向に電流が流れる状態、図示したD2方向(D1方向と逆向きの方向)に電流が流れる状態、D1方向にもD2方向にも電流が流れる状態、及び、電流が流れない状態の4つの状態のいずれかとする。以下の説明では、D1方向に電流が流れる状態を「D1方向にオン」と称し、D2方向に電流が流れる状態を「D2方向にオン」と称し、D1方向にもD2方向にも電流が流れる状態を「D1D2両方オン」と称する。そして、「D1方向にオン」、「D2方向にオン」、及び「D1D2両方オン」をまとめて「オン」と称し、電流が流れない状態を「オフ」と称する。
【0031】
図2(b)は、スイッチ素子Sxyの詳細な構成の2つ目の例を示す図である。この例では、スイッチ素子Sxyを構成する半導体素子としてMOSFETを利用する。同図に示すように、スイッチ素子Sxyを構成する2つのMOSFETは、それぞれのダイオードのアノードが接続されることとなる向きで、回路に組み込まれる。
【0032】
この例においても、2つのMOSFETの制御電極には、制御装置4から、2種類の信号によって構成される制御信号Cxyが供給される。制御装置4は、この2種類の信号の値を個別に制御することにより、スイッチ素子Sxyを、図2(a)の例と同様に、オンの状態(D1方向にオン、D2方向にオン、及びD1D2両方オンの各状態を含む)、オフの状態のいずれかとする。
【0033】
図3は、電圧e,e,e,v,v及び電流ieu,iev,iew,i,iの力行時の波形のシミュレーション結果を示す信号波形図である。同図には、電圧e,e,eによって表される三相交流の一周期分を示している。また、図4は、図3に示した領域Aの拡大図である。
【0034】
三相交流の一周期は、電圧e,e,eの位相に応じて、図3に示すように12個の空間I〜XII(第1乃至第12の空間)に分けることができる。具体的には、電圧eの位相が0以上π/6未満である空間I、π/6以上π/3未満である空間II、π/3以上π/2未満である空間III、π/2以上2π/3未満である空間IV、2π/3以上5π/6未満である空間V、5π/6以上π未満である空間VI、π以上7π/6未満である空間VII、7π/6以上4π/3未満である空間VIII、4π/3以上3π/2未満である空間IX、3π/2以上5π/3未満である空間X、5π/3以上11π/6未満である空間XI、11π/6以上2π未満である空間XIIに分けることができる。図4に示した領域Aは、図3に示すように、空間IV内の領域となっている。
【0035】
空間I〜XIIそれぞれにおける制御装置4の動作は、電圧e,e,eの大小関係に応じて制御対象となるスイッチ素子が入れ替わることのほかは、基本的に同一である。そこで以下では、空間I〜XIIに共通の説明を行う場合に、電圧e,e,eを各空間内で大きいものから順に電圧emax(最大相電圧)、電圧emid(中間相電圧)、電圧emin(最小相電圧)と表記することとする。また、電流ieu,iev,iewを各空間内で大きいものから順に電流imax(最大相電流)、電流imid(中間相電流)、電流iminと表記することとする。さらに、電圧e(入力電圧)及び電流i(入力電流)を以下の式(1)(2)に示すように定義して、説明のために用いることとする。なお、式(1)(2)は力行時のもので、回生時は括弧内の不等号が逆になる。
【0036】
【数1】
【0037】
図5(a)は、電圧v,v及び電流iの力行時の波形を模式的に示す信号波形図であり、図5(b)は、電圧v,v及び電流iの回生時の波形を模式的に示す信号波形図である。以下、これらの図を参照しながら、制御装置4によるスイッチ素子Sup,Svp,Swp,Sun,Svn,Swn,S〜Sの状態の制御について説明する。
【0038】
力行時の制御装置4は、図5(a)に示すように、合計の時間長が1/fである6つの期間a〜aを一周期とする周波数fの繰り返し動作を行う。以下、各期間での制御装置4の動作について、具体的に説明する。
【0039】
期間aでは、制御装置4は、電圧vがemax−eminとなるようスイッチ素子Sup,Svp,Swp,Sun,Svn,Swnの状態を制御するとともに、電圧vが−Vdc(マイナスの値)となるようスイッチ素子S〜Sの状態を制御する。例えば図3に示した空間IVであれば、emax=e、emin=eであるので、制御装置4は、電圧vがe−eとなるよう、スイッチ素子Sup,Swnをオンとする。また、制御装置4は、電圧vが−Vdcとなるようスイッチ素子S,Sをオンとし、その他のスイッチ素子をオフとする。
【0040】
期間aでは、制御装置4は、電圧vがemax−eminとなるようスイッチ素子Sup,Svp,Swp,Sun,Svn,Swnの状態を制御するとともに、電圧vがVdc(プラスの値)となるようスイッチ素子S〜Sの状態を制御する。例えば図3に示した空間IVであれば、制御装置4は、期間aと同様にスイッチ素子Sup,Svnをオンとすることによって電圧vをe−eとする一方、電圧vがVdcとなるようスイッチ素子S,Sをオンとし、その他のスイッチ素子をオフとする。
【0041】
期間aでは、制御装置4は、電圧vがeとなるようスイッチ素子Sup,Svp,Swp,Sun,Svn,Swnの状態を制御するとともに、電圧vがVdcとなるようスイッチ素子S〜Sの状態を制御する。例えば図3に示した空間IVであれば、電流imid(=iev)がゼロより小さいために上述した式(1)よりe=emax−emid=e−eとなるので、制御装置4は、電圧vがe−eとなるよう、スイッチ素子Sup,Svnをオンとする。また、制御装置4は、期間aと同様にスイッチ素子S,Sをオンとすることによって電圧vをVdcとし、その他のスイッチ素子をオフとする。
【0042】
期間aでは、制御装置4は、電圧vがemin−emaxとなるようスイッチ素子Sup,Svp,Swp,Sun,Svn,Swnの状態を制御するとともに、電圧vがVdcとなるようスイッチ素子S〜Sの状態を制御する。例えば図3に示した空間IVであれば、制御装置4は、電圧vがe−eとなるよう、スイッチ素子Sun,Swpをオンとする。また、制御装置4は、期間a,aと同様にスイッチ素子S,Sをオンとすることによって電圧vをVdcとし、その他のスイッチ素子をオフとする。
【0043】
期間aでは、制御装置4は、電圧vがemin−emaxとなるようスイッチ素子Sup,Svp,Swp,Sun,Svn,Swnの状態を制御するとともに、電圧vが−Vdcとなるようスイッチ素子S〜Sの状態を制御する。例えば図3に示した空間IVであれば、制御装置4は、期間aと同様にスイッチ素子Sun,Swpをオンとすることによって、電圧vをe−eとする。また、制御装置4は、期間aと同様にスイッチ素子S,Sをオンとすることによって電圧vを−Vdcとし、その他のスイッチ素子をオフとする。
【0044】
期間aでは、制御装置4は、電圧vが−e(入力電圧の反数)となるようスイッチ素子Sup,Svp,Swp,Sun,Svn,Swnの状態を制御するとともに、電圧vが−Vdcとなるようスイッチ素子S〜Sの状態を制御する。例えば図3に示した空間IVであれば、制御装置4は、スイッチ素子Sup,Svnをオンとすることによって、電圧vをe−eとする。また、制御装置4は、期間a,aと同様にスイッチ素子S,Sをオンとすることによって電圧vを−Vdcとし、その他のスイッチ素子をオフとする。
【0045】
電流iは、制御装置4が以上のようにスイッチ素子Sup,Svp,Swp,Sun,Svn,Swn,S〜Sを制御することの結果として、図5(a)に示すように、期間aでマイナスからプラスに急上昇し、期間a,aではほぼ一定を保ち、期間aでプラスからマイナスに急低下し、期間a,aでは再度ほぼ一定を保つ、という動きを見せる略矩形波の信号となる。
【0046】
回生時の制御装置4は、図5(b)に示すように、合計の時間長が1/fである6つの期間b〜bを一周期とする周波数fの繰り返し動作を行う。以下、各期間での制御装置4の動作について、具体的に説明する。
【0047】
期間bでは、制御装置4は、電圧vがeとなるようスイッチ素子Sup,Svp,Swp,Sun,Svn,Swnの状態を制御するとともに、電圧vがVdcとなるようスイッチ素子S〜Sの状態を制御する。例えば図3に示した空間IVであれば、上述したようにe=emax−emid=e−eとなるので、制御装置4は、電圧vがe−eとなるよう、スイッチ素子Sup,Svnをオンとする。また、制御装置4は、電圧vがVdcとなるようスイッチ素子S,Sをオンとし、その他のスイッチ素子をオフとする。
【0048】
期間bでは、制御装置4は、電圧vがemax−eminとなるようスイッチ素子Sup,Svp,Swp,Sun,Svn,Swnの状態を制御するとともに、電圧vがVdcとなるようスイッチ素子S〜Sの状態を制御する。例えば図3に示した空間IVであれば、制御装置4は、電圧vがe−eとなるよう、スイッチ素子Sup,Swnをオンとする。また、制御装置4は、期間bと同様にスイッチ素子S,Sをオンとすることによって電圧vをVdcとし、その他のスイッチ素子をオフとする。
【0049】
期間bでは、制御装置4は、電圧vがemax−eminとなるようスイッチ素子Sup,Svp,Swp,Sun,Svn,Swnの状態を制御するとともに、電圧vが−Vdcとなるようスイッチ素子S〜Sの状態を制御する。例えば図3に示した空間IVであれば、制御装置4は、期間bと同様にスイッチ素子Sup,Swnをオンとすることによって、電圧vをe−eとする。また、制御装置4は、電圧vが−Vdcとなるようスイッチ素子S,Sをオンとし、その他のスイッチ素子をオフとする。
【0050】
期間bでは、制御装置4は、電圧vが−eとなるようスイッチ素子Sup,Svp,Swp,Sun,Svn,Swnの状態を制御するとともに、電圧vが−Vdcとなるようスイッチ素子S〜Sの状態を制御する。例えば図3に示した空間IVであれば、制御装置4は、電圧vがe−eとなるよう、スイッチ素子Sun,Svpをオンとする。また、制御装置4は、期間bと同様にスイッチ素子S,Sをオンとすることによって電圧vを−Vdcとし、その他のスイッチ素子をオフとする。
【0051】
期間bでは、制御装置4は、電圧vがemin−emaxとなるようスイッチ素子Sup,Svp,Swp,Sun,Svn,Swnの状態を制御するとともに、電圧vが−Vdcとなるようスイッチ素子S〜Sの状態を制御する。例えば図3に示した空間IVであれば、制御装置4は、電圧vがe−eとなるよう、スイッチ素子Sun,Swpをオンとする。また、制御装置4は、期間b,b4と同様にスイッチ素子S,Sをオンとすることによって電圧vを−Vdcとし、その他のスイッチ素子をオフとする。
【0052】
期間bでは、制御装置4は、電圧vがemin−emaxとなるようスイッチ素子Sup,Svp,Swp,Sun,Svn,Swnの状態を制御するとともに、電圧vがVdcとなるようスイッチ素子S〜Sの状態を制御する。例えば図3に示した空間IVであれば、制御装置4は、期間bと同様にスイッチ素子Sun,Swpをオンとすることによって、電圧vをe−eとする。また、制御装置4は、期間b,bと同様にスイッチ素子S,Sをオンとすることによって電圧vをVdcとし、その他のスイッチ素子をオフとする。
【0053】
電流iは、制御装置4が以上のようにスイッチ素子Sup,Svp,Swp,Sun,Svn,Swn,S〜Sを制御することの結果として、図5(b)に示すように、期間b,bでほぼ一定を保った後、期間bでプラスからマイナスに急低下し、期間b,bで再びほぼ一定を保った後、期間bでマイナスからプラスにに急上昇する、という動きを見せる略矩形波の信号となる。
【0054】
制御装置4は、以上のようなスイッチ素子Sup,Svp,Swp,Sun,Svn,Swn,S〜Sの制御を行う前に、外部から入力される電力指令値P図1参照)に基づいて期間a〜a,b〜bの時間長(スイッチ素子Sup,Svp,Swp,Sun,Svn,Swn,S〜Sそれぞれの状態を変更するタイミングを示すデューティ比)を算出する。この時間長は、具体的には、図5(a)及び図5(b)に示す3つのデューティ比D〜Dとなる。なお、各図の記載から理解されるように、本実施の形態では、期間a,a,b,bの時間長をいずれもDとし、期間a,a,b,bの時間長をいずれもDとし、期間a,a,b,bの時間長をいずれもDとする。そして制御装置4は、算出したデューティ比D〜Dに基づいて、上述したスイッチ素子Sup,Svp,Swp,Sun,Svn,Swn,S〜Sそれぞれの状態の制御を行う。これにより、三相交流の各相において電圧と電流の関係を最適化することができ、その結果として、電力変換装置1による交流入力電流の高調波を低減することが可能になる。以下、詳しく説明する。
【0055】
図6は、制御装置4が行うスイッチング制御処理を示すフロー図である。同図に示すように、制御装置4はまず、外部から電力指令値Pの入力を受け付ける(ステップS1。入力受付ステップ)。そして、受け付けた電力指令値Pに基づいて、デューティ比算出処理を実行する(ステップS2。算出ステップ)。
【0056】
図7は、デューティ比算出処理の詳細を示すフロー図である。同図に示すように、制御装置4はまず、電力指令値Pに基づいて入力電流指令値imax,imidを算出する(ステップS10)。入力電流指令値imax,imidは、上述した電流imax,imidの目標値である。具体的には、次の式(3)を用いて、入力電流指令値imax,imidの算出を行う。
【0057】
【数2】
【0058】
次に制御装置4は、算出した入力電流指令値imax,imidに基づいて、入力電流指令値iを算出する(ステップS11)。入力電流指令値iは上述した電流iの目標値であり、上述した式(2)に入力電流指令値imax,imidを代入することによって算出される。
【0059】
続いて制御装置4は、i=i(D)を満たすデューティ比Dを二分法により算出する(ステップS12)。ただし、関数i(D)は、次の式(4)により表される関数(第1の関数)である。式(4)中のfは、図5(a)(b)にも示した周波数fであり、Lは、リアクトルLのインダクタンスである。また、式(4)中に現れるデューティ比Dは式(5)で表され、式(5)中の変数A,B,Cはそれぞれ式(6)のように表される。i=i(D)によりデューティ比Dが算出可能であること、及び、式(5)によってデューティ比Dを得られることについては、後ほど別途詳しく説明する。
【0060】
【数3】
【0061】
=i(D)を解析的に解くのは困難であるので、制御装置4は、二分法によってデューティ比Dを算出する。この算出の詳細については、別途後述する。そして、算出したデューティ比Dに基づき、デューティ比D,Dを算出する(ステップS13)。デューティ比Dの算出は、上記式(5)により行う。一方、デューティ比Dの算出は、次の式(7)により行う。
【0062】
【数4】
【0063】
図6に戻る。制御装置4は、以上のようにして算出したデューティ比D,D,Dに基づき、上述したスイッチ素子Sup,Svp,Swp,Sun,Svn,Swn,S〜Sの制御を行う(ステップS3。制御ステップ)。具体的には、算出したデューティ比D,D,Dに基づいて制御信号Cup,Cvp,Cwp,Cun,Cvn,Cwn,C〜Cを生成し、スイッチ素子Sup,Svp,Swp,Sun,Svn,Swn,S〜Sのそれぞれに供給する。これにより、三相交流の各相において電圧と電流の関係が最適化されるので、電力変換装置1による交流入力電流の高調波の低減が実現される。
【0064】
図8(a)は、電圧e,v,v及び電流ieu,iの力行時の波形の実験結果を示す信号波形図であり、図8(b)は、電圧e,v,v及び電流ieu,iの回生時の波形の実験結果を示す信号波形図である。また、図8(c)は、図8(a)に示した領域Bの拡大図であり、図8(d)は、図8(b)に示した領域Cの拡大図である。
【0065】
図8に示した実験結果は、周波数f=15.151kHzとし、トランス20の巻き線比を4:1(コイル20aの巻き数がコイル20bの巻き数の4倍)として行った実験の結果である。また、図8(a)(c)の実験では電力指令値P=1kWとし、図8(b)(d)の実験では電力指令値P=−1kWとした。
【0066】
初めに図8(c)(d)を参照すると、本実施の形態による電力変換装置1によれば、図5に示した理論上の波形と同様の波形を得られることが理解される。
【0067】
次に図8(a)を参照すると、力行時にはU相電圧eとU相入力電流ieuとがほぼ同位相となっている。図示していないが、電圧eと電流iev、電圧eと電流iewについても同様となる。したがって、本実施の形態による電力変換装置1によれば、三相交流の各相において電圧と電流の関係を最適化することが実現されているので、電力変換装置1における交流入力電流の高調波が低減すると言える。
【0068】
また、図8(b)を参照すると、回生時にはU相電圧eとU相入力電流ieuとがほぼ逆位相となっている。図示していないが、電圧eと電流iev、電圧eと電流iewについても同様となる。したがって、本実施の形態による電力変換装置1によれば、力行動作だけでなく回生動作(二次側から一次側への電力伝送)も実現できると言える。
【0069】
以下、i=i(D)によりデューティ比Dが算出可能であること、及び、式(5)によってデューティ比Dを得られることについて、図9を参照しながら説明する。回生時の動作は力行時の動作を時間反転することによって得られるので、以下では、力行時に着目して説明する。
【0070】
図9は、(emax−emid)>(emid−emin)、emid<0、又はimid<0の場合における電圧v,v及び電流iの力行時の波形を模式的に示す信号波形図である。同図の波形は関数i(D)を導出するための理論的な出発点となるもので、伝送可能な電力を理論上最大化する波形となっている。なお、前提として、制御装置4は、電圧vが周期1/2fでVdcと−Vdcの間を遷移する矩形波信号となるように、AC/DCコンバータ30を構成するスイッチ素子S〜Sそれぞれの状態を制御するものとする。また、電圧vが周期1/2fでVdcと−Vdcの間を遷移する矩形波信号となるようにすることが、デューティ比D〜Dを算出する際の条件となる。
【0071】
図9の波形について具体的に説明すると、この波形を実現するための制御装置4は、合計の時間長が1/fである8つの期間c〜cを一周期とする周波数fの繰り返し動作を行う。そして、期間cでは、電圧vがemax−eminとなり、電圧vが−Vdcとなるように、期間cでは、電圧vがemax−eminとなり、電圧vがVdcとなるように、期間cでは、電圧vがemax−emidとなり、電圧vがVdcとなるように、期間cでは、電圧vがemid−eminとなり、電圧vがVdcとなるように、期間cでは、電圧vがemin−emaxとなり、電圧vがVdcとなるように、期間cでは、電圧vがemin−emaxとなり、電圧vが−Vdcとなるように、期間cでは、電圧vがemid−emaxとなり、電圧vが−Vdcとなるように、期間cでは、電圧vがemin−emidとなり、電圧vが−Vdcとなるように、それぞれスイッチ素子Sup,Svp,Swp,Sun,Svn,Swn,S〜Sの状態を制御する。ここで、以下の説明では、図9にも示すように、期間c,cの時間長をdとし、期間c,cの時間長をdとし、期間c,cの時間長をdとし、期間c,cの時間長をdとする。ただし、次の式(8)に示すように、時間長d〜dの合計は1とする。期間c〜cと期間c〜cとは符号を逆にするだけであるので、以下では期間c〜cのみに着目して説明を続ける。
【0072】
【数5】
【0073】
期間c〜cのそれぞれにおける電流iの変化量をΔi〜Δiとすると、図9から理解されるように、それぞれ次の式(9)〜式(12)のように表される。
【0074】
【数6】
【0075】
また、期間cの始期から期間cの終期までの電流iの変化量をΔiとすると、図9から理解されるように、Δiは次の式(13)のように表される。
【0076】
【数7】
【0077】
Δi〜Δi及びΔiを用いると、期間c〜cのそれぞれにおける電流iの平均値i0_ave〜i3_aveを次の式(14)〜式(17)のように表すことができる。
【0078】
【数8】
【0079】
式(14)〜式(17)は、式(9)〜式(13)に基づいて、それぞれ次の式(18)〜式(21)のように表される。
【0080】
【数9】
【0081】
また、平均値i0_ave〜i3_aveを用いると、上述した電流imax,imidを次の式(22)及び式(23)のように表すことができる。
【0082】
【数10】
【0083】
これら電流imax,imidをそれぞれ入力電流指令値imax,imidとして上述した式(3)に代入することにより、電力指令値Pと時間長d〜dとの関係式が得られる。ただし、未知数がd〜dの4つであるのに対し、これらを求めるための式が上記式(8)を含めて3つしかないので、時間長d〜dを決定するための条件を1つ追加する余地がある。
【0084】
そこで、伝送可能な電力が最大となるように、追加の条件を決定する。具体的には、式(23)に着目し、電流imidの絶対値が小さくならないよう、電流imidの値の正負に応じて時間長d,dのいずれかをゼロとする。別の言い方をすれば、式(23)の右辺に示した電流imidの2つの要素のうち電流imidの絶対値を減らす方の要素を、時間長d,dのいずれかをゼロとすることによってゼロとする。このように時間長d,dのいずれかをゼロとすることで、図9に示した信号波形は、図5(a)に示した波形に変形される。図5に示したデューティ比D〜Dと時間長d〜dとの関係は、次の式(24)で表される。
【0085】
【数11】
【0086】
図5(a)に示した信号波形を前提にすると、式(18)〜式(21)を次の式(25)〜式(27)のように書き直すことができる。ただし、式(25)〜式(27)のi0_ave〜i2_aveは、それぞれ図5(a)の期間a〜aにおける電流iの平均値である。
【0087】
【数12】
【0088】
また、式(22)、式(23)、及び式(2)を次の式(28)及び式(29)のように書き直すことができる。
【0089】
【数13】
【0090】
式(28)及び式(29)に式(25)〜式(27)及び式(7)を代入して整理すると、次の式(30)が得られる。
【0091】
【数14】
【0092】
式(30)は、DとDに関する二元連立方程式となっている。したがって、式(30)のiとimidのそれぞれに式(3)から得られる入力電流指令値i,imidを代入すれば、DとDを得ることができることになる。
【0093】
ここで、式(30)の第一式の右辺は、式(4)に示した関数i(D)に他ならない。したがって、i=i(D)によりデューティ比Dが算出可能であると言える。
【0094】
また、式(30)の第二式をDについて解くと、次の式(31)のように2通りのDが得られる。ただし、A〜Cは式(6)に示したものである。上述した式(5)は、このうちの一方(マイナス側)に相当する。したがって、式(5)によってデューティ比Dを得ることができると言える。以下、式(31)に示される2通りのDのうちマイナス側のDを採用することの妥当性について、説明する。
【0095】
【数15】
【0096】
式(6)の第一式を用いると、式(6)の第二式を次の式(32)のように変形することができる。
【0097】
【数16】
【0098】
式(32)を式(31)に代入すると、次の式(33)が得られる。
【0099】
【数17】
【0100】
ここで、式(6)から明らかなように、AはVdc=emax−eminのときにゼロになる。式(33)の分母にはAがあるため、Dは発散する可能性がある。そこで、Aをゼロに近づけたときにDが収束するか否かを調べるため、次の式(34)に示すようにDの極限を算出する。
【0101】
【数18】
【0102】
式(34)は、次の式(35)のように変形できる。ただし、右辺のEは式(36)で表される。
【0103】
【数19】
【0104】
ここで、A<<A(4D(emax−emin)−4C)であるため、A=0と近似することができる。そうすると、式(36)は次の式(37)のように変形される。
【0105】
【数20】
【0106】
また、一般に、平方根に関しては次の式(38)の近似が成り立つ。ただし、x<<1とする。
【0107】
【数21】
【0108】
式(38)の近似を用いると、式(37)は次の式(39)のように変形される。
【0109】
【数22】
【0110】
式(35)及び式(39)より、次の式(40)が得られる。
【0111】
【数23】
【0112】
式(40)より、Dは、符号がプラスのときには発散するが、マイナスのときには発散しないことが理解される。したがって、式(31)に示される2通りのDのうちマイナス側のDを採用することが妥当であると言える。
【0113】
以上、i=i(D)によりデューティ比Dが算出可能であること、及び、式(5)によってデューティ比Dを得られることについて説明した。次に、i=i(D)からデューティ比Dを求める方法の詳細について、説明する。
【0114】
図10(a)〜(c)はそれぞれ、関数i(D)の概形を示す図である。図10(a)は、電圧Vdc,電圧eがともに相対的に小さい場合を示し、図10(b)は、電圧Vdcが相対的に大きく、電圧eが相対的に小さい場合を示し、図10(c)は、電圧Vdcが相対的に小さく、電圧eが相対的に大きい場合を示している。
【0115】
関数i(D)が図10(a)の関数形となる場合、0≦D≦0.5の範囲でi(D)は単調増加であるため、数値計算によって問題なくDを算出できる。一方、関数i(D)が図10(b)の関数形となる場合、D=0の近傍に極大値、極小値が存在するため、勾配を用いるニュートン法では解に収束しない可能性がある。関数i(D)が図10(c)の関数形となる場合には、およそD≦0.15の領域でi(D)の値が複素数となる。したがって、実数のみの計算では解くことができず、Dを算出するためには複雑な計算が必要になる。
【0116】
そこで、関数i(D)がどのような関数形であったとしても容易にDを算出できるよう、二分法を用いてDを算出することとする。二分法の2つの初期値のうち、大きい方はi(D)がほぼ最大となる0.5とし、小さい方は、i(D)が複素数にならない最小のDと0.0のうちの大きい方とする。この条件を用いると、解が存在すれば初期値により実数領域で解を挟むことが可能になるので、有限回の計算で必ず近似解を得ることができる。
【0117】
なお、i(D)が複素数にならない最小のDは、次のようにして求めればよい。まず、Dが実数となる条件は、式(5)より、次の式(41)となる。
【0118】
【数24】
【0119】
式(41)に式(6)を代入し、Dについて解くと、次の式(42)が得られる。ただし、式(42)中の変数A',B',C'はそれぞれ式(43)のように表される。
【0120】
【数25】
【0121】
(D)が複素数にならない最小のDは、式(42)を満たす最小のDである。したがって、式(42)を満たす最小のDと、0.0のうちの大きい方を、二分法の2つの初期値のうちの小さい方として用いればよい。
【0122】
以上説明したように、本実施の形態による電力変換装置1の制御装置4によれば、電力指令値Pに基づいてスイッチ素子Sup,Svp,Swp,Sun,Svn,Swn,S〜Sそれぞれの状態を変更するタイミングを示すデューティ比D〜Dを算出し、算出したデューティ比D〜Dに基づいてスイッチ素子Sup,Svp,Swp,Sun,Svn,Swn,S〜Sの状態を制御しているので、最適なタイミングでスイッチ素子Sup,Svp,Swp,Sun,Svn,Swn,S〜Sの状態を制御することが可能になる。したがって、図8にも示したように、マトリックスコンバータ10を適用した絶縁形AC/DCコンバータである電力変換装置1における交流入力電流の高調波を低減することが可能になる。
【0123】
また、本実施の形態による電力変換装置1の制御装置4によれば、電力指令値Pに基づいて、最適なタイミングを示すデューティ比D〜Dを算出することが可能になる。
【0124】
また、本実施の形態による電力変換装置1の制御装置4によれば、力行動作だけでなく回生動作も実施可能となる。
【0125】
以上、本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるものではなく、本発明が、その要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施され得ることは勿論である。
【0126】
例えば、上記実施の形態においては、電力指令値Pが入力される都度、数値演算によってデューティ比D〜Dを算出すると説明したが、電力指令値Pとデューティ比D〜Dとの対応関係を予め決められる場合には、その対応関係を示すルックアップテーブルを予め作成して記憶しておき、電力指令値Pの入力を受け付けた場合に、対応するデューティ比D〜Dをこのルックアップテーブルから読み出すことにより、デューティ比D〜Dを算出することとしてもよい。
【符号の説明】
【0127】
1 電力変換装置
2 系統電源
3 負荷
4 制御装置
10 マトリックスコンバータ
20 トランス
20a,20b コイル
30 AC/DCコンバータ
C1 キャパシタ
Cf 入力キャパシタ
L リアクトル
Lf 交流リアクトル
〜S 片方向スイッチ素子
up,Svp,Swp,Sun,Svn,Swn 双方向スイッチ素子
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10