特許第6860153号(P6860153)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6860153
(24)【登録日】2021年3月30日
(45)【発行日】2021年4月14日
(54)【発明の名称】回線保護回路、方法及び給電ケーブル
(51)【国際特許分類】
   H02H 7/00 20060101AFI20210405BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20210405BHJP
   H02H 3/08 20060101ALI20210405BHJP
   H02H 3/087 20060101ALI20210405BHJP
   H02H 9/02 20060101ALI20210405BHJP
   H01B 7/00 20060101ALI20210405BHJP
【FI】
   H02H7/00 F
   H02J7/00 301B
   H02J7/00 S
   H02H3/08 A
   H02H3/087
   H02H9/02 B
   H01B7/00 306
【請求項の数】27
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2019-534925(P2019-534925)
(86)(22)【出願日】2017年11月13日
(65)【公表番号】特表2020-504993(P2020-504993A)
(43)【公表日】2020年2月13日
(86)【国際出願番号】CN2017110748
(87)【国際公開番号】WO2018126790
(87)【国際公開日】20180712
【審査請求日】2019年6月26日
(31)【優先権主張番号】201710011306.0
(32)【優先日】2017年1月6日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】511151662
【氏名又は名称】中興通訊股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZTE CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100166729
【弁理士】
【氏名又は名称】武田 幸子
(72)【発明者】
【氏名】ゴン ヨン
【審査官】 坂東 博司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2016−045718(JP,A)
【文献】 実開平04−002480(JP,U)
【文献】 米国特許出願公開第2016/0056588(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0315752(US,A1)
【文献】 特開平05−064351(JP,A)
【文献】 特開2003−109673(JP,A)
【文献】 特表2016−527872(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2016/0197500(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0104940(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2017/0170653(US,A1)
【文献】 中国特許出願公開第102437549(CN,A)
【文献】 中国特許出願公開第104201647(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02H 7/00
H01B 7/00
H02H 3/08
H02H 3/087
H02H 9/02
H02J 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
給電ケーブルの温度保護デバイスである回線保護回路であって、
第1の保護監視回路と、第1のスイッチ回路と、自己インピーダンスが給電ケーブルにおける温度変化に応じて変化する温度保護デバイスである自己回復保護回路と、第2のスイッチ回路と、第2の保護監視回路とを含み、
前記第1の保護監視回路は、前記自己回復保護回路の両端の第1の電圧差を取得し、前記第1の電圧差が第1の所定保護電圧差閾値を超えた場合、前記第1のスイッチ回路に第1のオフ信号を出力するために用いられ、
前記第1のスイッチ回路は、前記第1のオフ信号を受信すると、電源の出力電流をオフするために用いられ
前記第2の保護監視回路は、前記自己回復保護回路の両端の第2の電圧差を取得し、前記第2の電圧差が第2の所定保護電圧差閾値を超えた場合、前記第2のスイッチ回路に第2のオフ信号を入力するために用いられ、
前記第2のスイッチ回路は、前記第2のオフ信号を受信すると、前記電源の出力電流をオフするために用いられ
前記第1のスイッチ回路の出力端は、前記自己回復保護回路の入力端に接続され、前記第1の保護監視回路の2つの検出端は、前記自己回復保護回路の入力端と出力端にそれぞれ接続され、前記第1の保護監視回路の制御出力端は、前記第1のスイッチ回路の第1のスイッチ制御端に接続され、
第2のスイッチ回路の出力端は、前記自己回復保護回路の入力端に接続され、前記第2の保護監視回路の2つの検出端は、前記自己回復保護回路の入力端と出力端にそれぞれ接続され、前記第2の保護監視回路の制御出力端は、前記第2のスイッチ回路の第1のスイッチ制御端に接続されことを特徴とする回線保護回路。
【請求項2】
1の通電検出回路をさらに含み、
前記第1の通電検出回路は、電源の通電状態を検出し、前記電源が通電されると、前記第1のスイッチ回路に第1のオン信号を出力するために用いられ、
前記第1のスイッチ回路は、さらに、前記第1のオン信号に応じて、前記電源の出力電流をオンするために用いられる請求項1に記載の回線保護回路。
【請求項3】
2の通電検出回路をさらに含み、
前記第2の通電検出回路は、電源の通電状態を検出し、前記電源が通電されると、前記第2のスイッチ回路に第2のオン信号を出力するために用いられ、
前記第2のスイッチ回路は、さらに、前記第2のオン信号に応じて、前記電源の出力電流をオンするために用いられる請求項に記載の回線保護回路。
【請求項4】
前記回線保護回路は2つあり、同方向または逆方向に並列に設けられている請求項1又はに記載の回線保護回路。
【請求項5】
前記2つの回線保護回路のうち一方の回線保護回路は、単方向に導通される通路に置き換えられている請求項に記載の回線保護回路。
【請求項6】
前記自己回復保護回路は、被保護回路の発熱部位に設けられている請求項1乃至のいずれか1項に記載の回線保護回路。
【請求項7】
前記第1の保護監視回路は、前記自己回復保護回路と同方向に並列に設けられた1つ以上のPN接合半導体素子を含み、
前記PN接合半導体素子の導通電圧降下を第1の所定保護電圧差閾値とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の回線保護回路。
【請求項8】
前記第の保護監視回路は、前記自己回復保護回路と同方向に並列に設けられた1つ以上のPN接合半導体素子を含み、
前記PN接合半導体素子の導通電圧降下を第2の所定保護電圧差閾値とする請求項又はに記載の回線保護回路。
【請求項9】
請求項1に記載の回線保護回路に用いられる回線保護方法であって、
給電ケーブルにおける温度変化に応じてインピーダンスが変化する温度保護デバイスである自己回復保護回路の両端の第1の電圧差を取得するステップと、
前記第1の電圧差が所定の第1の保護電圧差閾値を超えると、第1のオフ信号を送信して、源の出力電流をオフするステップとを含む回線保護方法。
【請求項10】
前記自己復保護回路の両端の第2の電圧差を取得するステップと、
前記第2の電圧差が所定の第2の保護電圧差閾値を超えると、第2のオフ信号を送信して、前記電源の出力電流をオフするステップと、をさらに含む請求項に記載の回線保護方法。
【請求項11】
給電ケーブルの温度保護デバイスである回線保護回路であって、
自己インピーダンスが給電ケーブルにおける温度変化に応じて変化する温度保護デバイスである自己回復保護回路と、
前記自己回復保護回路の両端の第1の電圧差を取得し、前記第1の電圧差が第1の所定保護電圧差閾値を超えた場合、第1のスイッチ回路に第1のオフ信号を出力する第1の保護監視回路と、
前記第1のオフ信号を受信すると、電源の出力電流をオフする前記第1のスイッチ回路と、
前記自己回復保護回路の両端の第2の電圧差を取得し、前記第2の電圧差が第2の所定保護電圧差閾値を超えた場合、第2のスイッチ回路に第2のオフ信号を入力する第2の保護監視回路と、
前記第2のオフ信号を受信すると、前記電源の出力電流をオフする第2のスイッチ回路とを含み、
前記第1のスイッチ回路の一端は、前記自己回復保護回路の一端に接続され、
前記第1の保護監視回路の2つの検出端は、それぞれ、前記自己回復保護回路の両端に接続され、
前記第1の保護監視回路の制御出力端は、前記第1のスイッチ回路の第1のスイッチ制御端に接続され
前記第2のスイッチ回路の一端は、前記自己回復保護回路の一端に接続され、
前記第2の保護監視回路の2つの検出端は、それぞれ、前記自己回復保護回路の両端に接続され、
前記第2の保護監視回路の制御出力端は、前記第2のスイッチ回路の第1のスイッチ制御端に接続されていることを特徴とする回線保護回路。
【請求項12】
前記電源の通電状態を検出し、前記電源が通電されると、前記電源の出力電流をオンすることを指示する第1のオン信号を前記第1のスイッチ回路へ出力する第1の通電検出回路をさらに含み、
前記第1の通電検出回路の通電検出端は、電源の出力端に接続され、
前記第1の通電検出回路の導通制御端は、前記第1のスイッチ回路の第2のスイッチ制御端に接続されている請求項11に記載の回線保護回路。
【請求項13】
前記電源の通電状態を検出し、前記電源が通電されると、前記電源の出力電流をオンすることを指示する第2のオン信号を前記第1のスイッチ回路へ出力する第2の通電検出回路をさらに含み、
前記第2の通電検出回路の通電検出端は、電源出力端に接続され、
前記第2の通電検出回路の導通制御端は、前記第2のスイッチ回路の第2のスイッチ制御端に接続されている請求項11に記載の回線保護回路。
【請求項14】
前記回線保護回路は2つあり、同方向または逆方向に並列に設けられている請求項11乃至13のいずれか1項に記載の回線保護回路。
【請求項15】
前記2つの回線保護回路のうち一方の回線保護回路は、単方向に導通される通路に置き換えられている請求項14に記載の回線保護回路。
【請求項16】
前記自己回復保護回路は、被保護回路の発熱部位に設けられている請求項11乃至13のいずれか1項に記載の回線保護回路。
【請求項17】
前記第1の保護監視回路は、前記自己回復保護回路と同方向に並列に設けられた1つ以上のPN接合半導体素子を含み、
前記PN接合半導体素子の導通電圧降下を第1の所定保護電圧差閾値とする請求項11乃至13のいずれか1項に記載の回線保護回路。
【請求項18】
前記第1のスイッチ回路は、第1の電界効果型(MOS)チューブと、第1のトランジスタと、第1のインピーダンスとを含み、
前記第1のMOSチューブのゲートは、第1のトランジスタのコレクタに接続されて第2の制御端とされ、
第1のトランジスタのベースは、第1のインピーダンスの一端に接続されて前記第1のスイッチ回路の第1スイッチ制御端とされ、
第1のトランジスタのエミッタは、第1インピーダンスの他端に接続されて接地されている請求項12に記載の回線保護回路。
【請求項19】
前記第1のMOSチューブは、Pチャネル電界効果トランジスタであり、
前記第1のMOSチューブのゲートには、さらに、ノンゲートが設けられており、
前記第1のトランジスタは、NPNトランジスタである請求項18に記載の回線保護回路。
【請求項20】
前記第1の通電検出回路は、一端が第1のMOSチューブのソースに接続され、他端が第1のMOSチューブのゲートに接続されている第2のインピーダンスを含む請求項18に記載の回線保護回路。
【請求項21】
前記第2の保護監視回路は、前記自己回復保護回路と同方向に並列された1つ以上のPN接合半導体素子を含み、
前記PN接合半導体素子の導通電圧降下を第2の所定保護電圧差閾値とする請求項11乃至13のいずれか1項に記載の回線保護回路。
【請求項22】
前記第2のスイッチ回路は、第2のMOSチューブと、第2のトランジスタと、第3のインピーダンスとを含み、
前記第2のMOSチューブのソースは、前記第2のスイッチ回路の入力端子であり、
第2のMOSチューブのゲートは、第2のトランジスタのコレクタ接続されて第2の制御端とされ、
第2のトランジスタのベースは、第3のインピーダンスの一端に接続されて前記第2のスイッチ回の第1のスイッチ制御端とされ、
第2のトランジスタのエミッタは、第3のインピーダンスの他端に接続されて接地され、前記第2のMOSチューブのドレインは、前記第1のスイッチ回路の出力端に接続されている請求項13に記載の回線保護回路。
【請求項23】
前記第2のMOSチューブは、Pチャネル電界効果トランジスタであり、
前記第2のMOSチューブのゲートには、さらに、ノンゲートが設けられており、
前記第2のトランジスタは、NPNトランジスタである請求項22に記載の回線保護回路。
【請求項24】
前記第2の通電検出回路は、一端が第2のMOSチューブのソースに接続され、他端が第2のMOSチューブのゲートに接続されている第4のインピーダンスを含む請求項23に記載の回線保護回路。
【請求項25】
給電ケーブルであって、
コネクタ部材を介して給電装置又は受電装置と接続され、
前記給電ケーブルは、請求項11乃至24のいずれか1項に記載の回線保護回路を含む給電ケーブル。
【請求項26】
前記回線保護回路は、前記給電ケーブルと前記コネクタ部材との接続位置に設けられている請求項25に記載の給電ケーブル。
【請求項27】
前記回線保護回路は、給電ケーブルの両端と前記コネクタ部材との接続位置にそれぞれ設けられている請求項26に記載の給電ケーブル。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の交差引用】
【0001】
本出願は、出願番号が 201710011306. 0であり 、出願日が 2017 年 01 月 06 日である中国専利出願に基づいて提出し、当該中国専利出願の優先権を主張する。この中国専利出願の全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本出願は給電回線安全保護技術に関し、特に、回線保護回路、方法及び給電ケーブルに関する。
【背景技術】
【0003】
技術の発展に伴い、携帯端末は、すでにユーザが日常的に頻繁に使用する設備になっており、端末の消費電力速度がますます速くなってしまい、端末のバッテリーへの充電もますます頻繁になっている。ユーザの体験を向上させ、充電時間を短縮するために、急速充電は携帯端末のサポートに必ず必要な技術である。現在、主流の急速充電の本質は充電器の出力電力を増大させ、電池の充電曲線範囲で充電電流を増大させることである。充電中、多くの携帯電話の利用者は、充電器の出力端子のコネクタが携帯電話の充電時に微小短絡が発生した後、コネクタが溶けてしまうという安全問題に遭遇した。特に、現在の携帯端末に汎用されている Micro USB や TYPE C コネクタは、構造寸法の制限やインターフェイスの開放により、ユーザの使用中に、プラグとコンセントが斜めに挿抜されて破損したり、プラグが強く折り曲げられて折れてしまったり、 あるいは、異物が入って大量の導電液体と金属粉末を形成したりして、充電器ケーブルがコンセント内部で微小短絡を発生する。微小短絡は、充電器短絡保護条件に達しないため、充電器は電力を出力し続け、コネクタ内部で熱に変換されるか、あるいは、挿抜数の増加に伴い、プラグとコンセントの金メッキ端子(電極金具)表面が酸化して接触インピーダンスが大きくなり、充電の過程で発熱し、特に、電流の増大が深刻になってしまうため、データケーブルや充電器のプラグや携帯電話のインターフェイスが熱で溶け、煙が出たり、発火したりするなどの安全事故が発生する。
【0004】
一部の技術案では、データ線や充電ケーブルのプラグに近い位置にある充電回路の電源コードにサーミスタを取り付けることで、コネクタ内部がある程度発熱すると、サーミスタは環境温度の影響を受けてそのインピーダンス値が変化し、これにより、サーミスタを通過する電源コード上のインピーダンス値を変化させ、それに伴ってコネクタを通過する電流を低下させる。しかし、電流を下げると、同様に、コネクタの発熱箇所の発熱が弱まり、温度が下がり、サーミスタが再び正常な状態に戻り、上記の過程が循環的に往復されても知覚されにくくなる。また、現在のサーミスタ等の復元性のある保護デバイスは、有効使用回数が限られており、安全上の懸念がある数回の充電過程の後に、ケーブルに対する保護手段を無効にしてしまうことがある。
【0005】
そのため、いかに、安全上の問題が発生した場合に電源を遮断することができ、かつ電源を循環的に往復遮断することを避け、給電の安全性を向上させるかが急務の課題になっている。
【発明の概要】
【0006】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、電源を循環的に往復遮断することを避け、給電の安全性を向上させることができる回線保護回路、方法及び給電ケーブルを提供することを目的とする。
【0007】
上記目的を達成するために、本願の技術案は、以下のように実現される。
【0008】
本出願の実施形態は、第1の保護監視回路と、第1のスイッチ回路と、自己インピーダンスが温度変化に応じて変化する自己回復保護回路とを含む回線保護回路を提供する。
【0009】
前記第1の保護監視回路は、前記自己回復保護回路の両端の第1の電圧差を取得し、前記第1の電圧差が第1の所定保護電圧差閾値を超えた場合、前記第1のスイッチ回路に第1のオフ信号を出力するために用いられる。
【0010】
前記第1のスイッチ回路は、前記第1のオフ信号を受信すると、電源の出力電流をオフするために用いられる。
【0011】
上記の技術案において、前記回路は、第2のスイッチ回路と、第2の保護監視回路とをさらに含む。
【0012】
前記第2の保護監視回路は、前記自己回復保護回路の両端の第2の電圧差を取得し、前記第2の電圧差が第2の所定保護電圧差閾値を超えた場合、前記第2のスイッチ回路に第2のオフ信号を入力するために用いられる。
【0013】
前記第2のスイッチ回路は、前記第2のオフ信号を受信すると、前記電源の出力電流をオフするために用いられる。
【0014】
上記の技術案において、前記回路は、前記第1の通電検出回路をさらに含む。
【0015】
前記第1の通電検出回路は、電源の通電状態を検出し、前記電源が通電されると、前記第1のスイッチ回路に第1のオン信号を出力するために用いられる。
【0016】
前記第1のスイッチ回路は、さらに、前記第1のオン信号に応じて、前記電源の出力電流をオンするために用いられる。
【0017】
上記の技術案において、前記回路は、前記第2の通電検出回路をさらに含む。
【0018】
前記第2の通電検出回路は、電源の通電状態を検出し、前記電源が通電されると、前記第2のスイッチ回路に第2のオン信号を出力するために用いられる。
【0019】
前記第2のスイッチ回路は、さらに、前記第2のオン信号に応じて、前記電源の出力電流をオンするために用いられる。
【0020】
上記の技術案において、前記回線保護回路は 2 つあり、同方向または逆方向に並列に設けられている。
【0021】
上記の技術案において、前記2つの回線保護回路のうち一方の回線保護回路は、単方向に導通される通路に置き換えられている。
【0022】
上記の技術案において、前記自己回復保護回路は、被保護回路の発熱部位に設けられている。
【0023】
上記の技術案において、前記第1の保護監視回路は、前記自己回復保護回路と同方向に並列に設けられた1つ以上のPN接合半導体素子を含み、前記PN接合半導体素子の導通電圧降下を第1の所定保護電圧差閾値とする。
【0024】
上記の技術案において、前記自己回復保護回路と同方向に並列に設けられた1つ以上のPN接合半導体素子を含み、前記PN接合半導体素子の導通電圧降下を第2の所定保護電圧差閾値とする。
【0025】
本出願の実施形態は、さらに、以下のステップを含む回線保護方法を提供する。
【0026】
温度変化に応じてインピーダンスが変化する自己回復保護回路の両端の第1の電圧差を取得する。
【0027】
前記第1の電圧差が所定の第1の保護電圧差閾値を超えると、第1のオフ信号を送信して、前記電源の出力電流をオフする。
【0028】
上記の技術案において、前記方法は、さらに、以下のステップを含む。
【0029】
前記自己復保護回路の両端の第2の電圧差を取得する。
【0030】
前記第2の電圧差が所定の第2の保護電圧差閾値を超えると、第2のオフ信号を送信して、前記電源の出力電流をオフする。
【0031】
本出願の実施形態は、さらに、回線保護回路を提供し、前記回路は、
【0032】
自己インピーダンスが温度変化に応じて変化する自己回復保護回路と、
【0033】
前記自己回復保護回路の両端の第1の電圧差を取得し、前記第1の電圧差が第1の所定保護電圧差閾値を超えた場合、第1のスイッチ回路に第1のオフ信号を出力する第1の保護監視回路と、
【0034】
前記第1のオフ信号を受信すると、電源の出力電流をオフする前記第1のスイッチ回路と、を含む。
【0035】
前記第1のスイッチ回路の一端は、前記自己回復保護回路の一端に接続され、前記第1の保護監視回路の2つの検出端は、それぞれ、前記自己回復保護回路の両端に接続され、前記第1の保護監視回路の制御出力端は、前記第1のスイッチ回路の第1のスイッチ制御端に接続されている。
【0036】
上記の技術案において、前記回路は、
【0037】
前記自己復保護回路の両端の第2の電圧差を取得し、前記第2の電圧差が第2の所定保護電圧差閾値を超えた場合、第2のスイッチ回路に第2のオフ信号を入力する第2の保護監視回路と、
【0038】
前記第2のオフ信号を受信すると、前記電源の出力電流をオフする第2のスイッチ回路とを、さらに、含む。
【0039】
前記第2のスイッチ回路の一端は、前記自己回復保護回路の一端に接続され、前記第2の保護監視回路の2つの検出端は、それぞれ、前記自己回復保護回路の両端に接続され、前記第2の保護監視回路の制御出力端は、前記第2のスイッチ回路の第1のスイッチ制御端に接続されている。
【0040】
上記の技術案において、前記回路は、
【0041】
前記電源の通電状態を検出し、前記電源が通電されると、前記電源の出力電流をオンすることを指示する第1のオン信号を前記第1のスイッチ回路へ出力する第1の通電検出回路をさらに含む。
【0042】
前記第1の通電検出回路の通電検出端は、電源の出力端に接続され、前記第1の通電検出回路の導通制御端は、前記第1のスイッチ回路の第2のスイッチ制御端に接続されている。
【0043】
上記の技術案において、前記回路は、
【0044】
前記電源の通電状態を検出し、前記電源が通電されると、前記電源の出力電流をオンすることを指示する第2のオン信号を前記第1のスイッチ回路へ出力する第2の通電検出回路をさらに含む。
【0045】
前記第2の通電検出回路の通電検出端は、電源出力端に接続され、前記第2の通電検出回路の導通制御端は、前記第2のスイッチ回路の第2のスイッチ制御端に接続されている。
【0046】
上記の技術案において、前記回線保護回路は2つあり、同方向または逆方向に並列に設けられている。
【0047】
上記の技術案において、前記2つの回線保護回路のうち一方の回線保護回路は、単方向に導通される通路に置き換えられている。
【0048】
上記の技術案において、前記自己回復保護回路は、被保護回路の発熱部位に設けられている。
【0049】
上記の技術案において、前記第1の保護監視回路は、前記自己回復保護回路と同方向に並列に設けられた1つ以上のPN接合半導体素子を含む。
【0050】
前記PN接合半導体素子の導通電圧降下を第1の所定保護電圧差閾値とする。
【0051】
上記の技術案において、前記第1のスイッチ回路は、第1の電界効果型(MOS)チューブと、第1のトランジスタと、第1のインピーダンスとを含み、前記第1のMOSチューブのゲートは、第1のトランジスタのコレクタに接続されて第2の制御端とされ、第1のトランジスタのベースは、第1のインピーダンスの一端に接続されて前記第1のスイッチ回路の第1スイッチ制御端とされ、第1のトランジスタのエミッタは、第1インピーダンスの他端に接続されて接地されている。
【0052】
上記の技術案において、前記第1のMOSチューブは、Pチャネル電界効果トランジスタであり、前記第1のMOSチューブのゲートには、さらに、ノンゲートが設けられていおり、前記第1のトランジスタは、NPNトランジスタである。
【0053】
上記の技術案において、前記第1の通電検出回路は、一端が第1のMOSチューブのソースに接続され、他端が第1のMOSチューブのゲートに接続されている第2のインピーダンスを含む。
【0054】
上記の技術案において、前記第2の保護監視回路は、前記自己回復保護回路と同方向に並列された1つ以上のPN接合半導体素子を含む。
【0055】
前記PN接合半導体素子の導通電圧降下を第2の所定保護電圧差閾値とする。
【0056】
上記の技術案において、前記第2のスイッチ回路は、第2のMOSチューブと、第2のトランジスタと、第3のインピーダンスとを含み、前記第2のMOSチューブのソースは、前記第2のスイッチ回路の入力端子であり、第2のMOSチューブのゲートは、第2のトランジスタのコレクタにに接続されて第2の制御端とされ、第2のトランジスタのベースは、第3のインピーダンスの一端に接続されて前記第2のスイッチ回路16の第1のスイッチ制御端とされ、第2のトランジスタのエミッタは、第3のインピーダンスの他端に接続されて接地され、前記第2のMOSチューブのドレインは、前記第1のスイッチ回路の出力端に接続されている。
【0057】
上記の技術案において、前記第2のMOSチューブは、Pチャネル電界効果トランジスタであり、前記第2のMOSチューブのゲートには、さらに、ノンゲートが設けられており、前記第2のトランジスタは、NPNトランジスタである。
【0058】
上記の技術案において、前記第2の通電検出回路は、一端が第2のMOSチューブのソースに接続され、他端が第2のMOSチューブのゲートに接続されている第4のインピーダンスを含む。
【0059】
本出願の実施形態は、さらに、給電ケーブルを提供する。前記給電ケーブルは、コネクタ部材を介して給電装置又は受電装置と接続され、上記の技術案のいずれかに記載の回線保護回路を含む。
【0060】
上記の技術案において、前記回線保護回路は、前記給電ケーブルと前記コネクタ部材との接続位置に設けられている。
【0061】
上記の技術案において、給電ケーブルの両端と前記コネクタ部材との接続位置にそれぞれ設けられている。
【0062】
本願の実施形態が提供する回線保護回路、方法及び給電ケーブルは、回線に自己インピーダンスが温度変化に応じて変化する自己回復保護回路が設置されており、前記第1の保護監視回路は、前記自己回復保護回路の両端の第1の電圧差を取得し、前記第1の電圧差が第1の所定保護電圧差閾値を超えた場合、前記第1のスイッチ回路に第1のオフ信号を出力し、前記第1のスイッチ回路は、前記第1のオフ信号を受信すると、電源出力の電流をオフする。このように、安全事故が発生する可能性がある場合に電源を遮断するとともに、電源を循環的に往復的に遮断することを回避でき、給電安全性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0063】
図1図1は、本願の実施形態の回線保護回路の構成を模式的に示す図である。
【0064】
図2図2は、本願の実施形態の双方向電流回線保護回路の構成を模式的に示す図である。
【0065】
図3図3は、本願の実施形態の自己回復保護回路を共用する双方向電流回線保護回路の構成を模式的に示す図である。
【0066】
図4図4は、本願の実施形態の簡略化された双方向電流回線保護回路の構成を模式的に示す図である。
【0067】
図5図5は、本願の実施形態の回線保護回路と接触インピーダンス検出を組み合わせた構成を模式的に示す図である。
【0068】
図6図6は、本願の実施形態の回線保護回路の回線例を模式的に示す図である。
【0069】
図7図7は、本願の実施形態の回線保護方法のフローチャートの模式図である。
【0070】
図8図8は、本願の実施形態の電源ケーブルにおける回線保護回路の配置位置を模式的に示す図である。
【0071】
図9図9は、本願の実施形態の給電ケーブルにおける両端コネクタ回線保護回路の配置を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0072】
本願の実施例において、回線に自己インピーダンスが温度変化に応じて変化する自己回復保護回路を設置し、前記第1の保護監視回路によって前記自己回復保護回路の両端の第1の電圧差を取得し、前記第1の電圧差が第1の所定保護電圧差閾値を超えた場合、前記第1のスイッチ回路に第1のオフ信号を出力し、前記第1のスイッチ回路は、前記第1のオフ信号を受信すると、電源出力の電流をオフする。
【0073】
以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明する。
【0074】
本願の実施形態に係る回線保護回路は、図 1 に示すように、第1の保護監視回路12と、第1のスイッチ回路13と、自己インピーダンスが温度変化に応じて変化する自己回復保護回路11とを備えている。
【0075】
ここでは、充電電源から端末への充電時に使用される USB ケーブル等の電源ケーブルを例に本発明の実施形態を説明する。前記回線保護回路は、前記電源ケーブルの電源コード、例えば USBケーブルの5V電源コードに設けることができる。前記自己回復保護回路11は、自己インピーダンスが温度変化に応じて変化するものであり、温度上昇に応じて自己インピーダンスが高くなるものであってもよいし、温度が所定温度に達するとオフして高インピーダンス状態になり、温度が正常温度に回復すると低インピーダンス状態に復帰するものであってもよい。
【0076】
自己回復保護回路11は、 例えば、USB コネクタのピン、すなわち、端末の充電インターフェースの電源ピンのような、電源コードの両端におけるコネクタに近い位置に配置することができる。自己回復保護回路11は、温度が正常に動作している範囲では、電流が流れ、且つ電圧降下が大きくならないように、非常に低いインピーダンスを示す。コネクタに異物が入ったり、コネクタ内部の挿抜による物理的損傷によって、電源経路と他の電気経路とに微小短絡が発生して、充電電源が端末に給電する時に微小短絡により発熱する。 あるいは、コネクタのコンセントとプラグが長期に挿抜されることにより、金メッキ端子(電極金具)表面の金属が酸化し、大きな接触インピーダンスが発生し、コネクタが接触インピーダンスにより発熱する。前記自己回復保護回路11は、コネクタ内の温度の上昇によりインピーダンスの上昇を引き起こす。例えば、コネクタ温度が停電または故障により安全温度範囲に戻った場合、自己回復保護回路は正常動作状態のインピーダンスに戻る。自己回復保護回路11は、電流通過後のコネクタの温度変化をより迅速に感知するために、コネクタの電源ピンの金メッキ端子(電極金具)に近い位置に配置される。
【0077】
前記自己回復保護回路11は、正の温度係数(PTC、PositiveTemperatureCoefficient)のサーミスタやブレーカー(Breaker)などの温度保護デバイスを採用することができる。図1に示すように、第1の流向電流は、第1のスイッチ回路13及び自己回復保護回路11を経た後、コネクタの電源ピンを介して端末に供電される。前記第1のスイッチ回路13の入力端が第1の流向電流が属する電源の出力端に接続され、第1のスイッチ回路13の出力端が前記自己回復保護回路11の入力端に接続され、前記第1の保護監視回路12の2つの検出端が前記自己回復保護回路11の入力端と出力端にそれぞれ接続され、前記第1の保護監視回路12の制御出力端が前記第1のスイッチ回路13の第1のスイッチ制御端に接続され、前記自己回復保護回路11の出力端がコネクタの電源ピンに接続されて電流を出力する。前記自己回復保護回路11が電源出力端に接続され、前記第1の保護監視回路12の2つの検出端が前記自己回復保護回路の入力端と出力端にそれぞれ接続され、前記第1のスイッチ回路13の入力端が自己回復保護電気11の出力端に接続され、前記第1の保護監視回路12の制御出力端が前記第1のスイッチ回路13の第1のスイッチ制御端に接続され、前記第1のスイッチ回路13の出力端がコネクタの電源ピンに接続されて電流を出力してもよい。
【0078】
通常、充電電源には商用電源等の外部電源が接続されており、充電電源は充電電流を出力する。この場合、電源コードにおける電力供給は、充電電源がゼロから一定の電圧値への上昇過程、例えば0Vから5Vへの変化を示す通電過程を経る。充電電流は、第1のスイッチ回路13、自己回復保護回路11及びコネクタの電源ピンを介して、電源を端末へ出力することができる。
【0079】
電源供給の全過程において、自己回復保護回路11における PTC サーミスタやブレーカー(Breaker)等の温度保護デバイスは、コネクタ内部の温度変化に応じて性能が変化する。微小短絡や接触インピーダンスによるコネクタ内部温度がある閾値まで上昇すると、PTC インピーダンスやブレーカー(Breaker) 温度保護デバイスが保護機能を起動して、現れる現象の1つとしては、通過する電流能力の低下とインピーダンスの増大である。
【0080】
前記第1の保護監視回路12は、第1の流向電流時の前記自己回復保護回路の両端における第1の電圧差を取得するためのものであり、前記第1の電圧差が第1所定保護電圧差閾値を超えた場合に、前記第1のスイッチ回路13に第1のオフ信号を出力する。
【0081】
第1の保護監視回路12は、自己回復保護回路11が保護を開始したか否か、すなわち自己回復保護回路11の両端の電圧差が第1所定保護電圧差閾値を超えているか否かを監視するものであり、第1の保護監視回路12は、自己回復保護回路11が保護を開始したことを検出すると、コネクタ内の電源ピンで発熱したことを示す。このとき、第1の保護監視回路12は、第1のオフ信号を送信し、第1のスイッチ回路13を制御して電源経路を遮断して、コネクタに電流が流れないようにする。
【0082】
第1の保護監視回路12は、1つまたは複数のダイオードのような単方向導通PN接合半導体素子を含むことができ、ダイオードの方向は第1の電流方向と一致し、自己回復保護回路11と並列されており、自己回復保護回路11のPTCサーミスタやブレーカー(Breaker)などの温度保護デバイスが正常に動作しているときは、導通インピーダンスが非常に小さく、それによる電圧降下も非常に小さく、第1の保護監視回路12におけるダイオードは導通しておらず、ダイオード両端の電圧降下は保護ユニットの電圧降下である。自己回復保護回路11のPTCサーミスタや(Breaker)などの温度保護デバイスによる保護が開始され、インピーダンスが温度変化に応じてある閾値範囲内に変化し、その電圧降下がダイオードの導通電圧降下以上になって、ダイオードを導通させる。必要に応じて、PN接合半導体素子の順方向導通電圧降下、すなわちダイオードの導通電圧降下を、温度保護のための第1の所定保護電圧差閾値に設定することができる。
【0083】
同時に、第1の保護監視回路12は、前記第1の所定保護電圧差閾値に基づいて第1のオフ信号を送信し、第1のオフ信号は第1のスイッチ回路13に出力されて電源経路を遮断する。電源経路が遮断された後、自己回復保護回路11及びコネクタにはいずれも電流が流れず、微小短絡や接触インピーダンスの故障が継続して発熱することはない。
【0084】
前記第1の所定保護電圧差閾値の設定は、回路の保護温度に応じて設定することができる。所望の保護温度が50℃である場合、50℃の時の自己回復保護回路11のインピーダンス値を予め決定し、回路内の第1の流向電流と50℃における自己回復保護回路11のインピーダンス値との積を第1の所定保護電圧差閾値とし、温度が50℃より高い場合、自己回復保護回路11の両端の電圧差が第1の所定保護電圧差閾値より大きくなり、このとき、第1の遮断回路13に第1の遮断信号を出力することができる。
【0085】
実用上、前記第1の保護監視回路12は、ディスクリート部品からなる閾値電圧トリガ回路であってもよいし、ワンチップマイコン等の制御回路を用いて前記第1の保護監視回路12の機能を実現してもよい。
【0086】
前記第1のスイッチ回路13は、第1の流向電流をオン・オフするために用いられ、前記第1のオフ信号を受信したときに、前記第1の流向電流をオフする。
【0087】
前記第1のスイッチ回路13は、充電電源コードのオン・オフを制御するために用いられ、通常動作状態の時、第1のスイッチ回路13はオンしており、前記自己回復保護回路11が保護機能を起動した時に、第1のスイッチ回路13が電源経路を遮断することで、給電過程において自己回復保護回路が「発熱−保護−発熱」の過程を循環的に往復する避けることができる。第1のスイッチ回路13は、1つ以上の制御ピンを有することができ、外部回路の第1の通電検出回路14 または第1の保護監視回路12などは、制御ピンを介して第1のスイッチ回路13のオン・オフを制御することができる。
【0088】
実用上、前記第1のスイッチ回路13は、電界効果トランジスタ集積回路とトランジスタ等のディスクリート素子とを組み合わせたスイッチ回路であってもよいし、専用のスイッチ集積回路等を用いてもよい。
【0089】
このように、第1の保護監視回路12は、常に、第1のオフ信号を送信して、ユーザが充電電源をオフして回路全体をリセットするまで、前記第1のスイッチ回路13を常にオフ状態にする。第1の保護監視回路12が第1のスイッチ回路13を制御することにより、充電電源経路を効率にオン・オフさせることができ、充電電源がオフされていない場合に、第1のスイッチ回路13が第1の流向電流を遮断して自己回復保護回路11を降温させ、第1の流向電流を再開して自己回復保護回路11を再び昇温させることにより、「発熱−保護−発熱」の循環往復過程を引き起こすことを避けることができる。さらに、第1の流向電流を遮断することでユーザへ充電回線に故障が発生したことを通知することができ、ユーザが故障をチェックした後正常に電力を供給することができる。
【0090】
さらに、前記回線保護回路は、第1の流向電流が属する電源の通電時に、前記第1のスイッチ回路13へ第1のオン信号を出力するための第1の通電検出回路14 と、前記第1のオン信号に応じて前記第1の流向電流をオンさせるための第1のスイッチ回路13とをさらに備え、前記第1の通電検出回路14の通電検出端は、第1の流向電流が属する電源の出力端に接続され、前記第1の通電検出回路14の導通制御端は、前記第1のスイッチ回路13の第2のスイッチ制御端に接続されている。
【0091】
実用上、電源コードにおける電力供給は、充電電源がゼロから一定の電圧値への上昇過程、例えば0Vから5Vへの変化を示す通電過程を経る。前記第1の通電検出回路14は、電源通電時の立ち上がりエッジをトリガ信号として第1のオン信号を発生し、前記第1のスイッチ回路13は、前記第1のオン信号に応じて前記第1の流向電流をオンすることができる。
【0092】
一部の使用状況では、例えば、USB type Cの電源コードのように、電源コードの両端のコネクタが完全に同じで、電源コードに対して充電用の電源と端末との位置を入れ替えることができるため、電源コードに流れる電流の方向が逆になることがあり、元の第1の流向電流に対して反対の第2の流向電流が流れることがある。例えば、 USB type Cの電源コードには、2 つの同一のコネクタ1とコネクタ2があり、コネクタ1が充電器に接続された場合の電流の方向は、コネクタ1からコネクタ2へとなり、第1の流向電流と呼ぶことができる。コネクタ2が充電器に接続された場合、電流の方向は、コネクタ2からインターフェース1へとなり、第2の流向電流と呼ぶことができる。この場合、第1の流向電流と第2の流向電流をそれぞれ保護するために、方向が逆である2つの電流が流れる回線に同方向または逆方向に2組の同一の回線保護回路を並列に設けることができ、逆方向に並列に設ける方法は、図2に示されたように、保護回路の設置方向は電流に対応しており、順方向回線保護回路は電流が順方向に流れる時の回路を保護するために用いられ、電流が逆方向に流れる時には遮断され、逆方向回線保護回路は、電流が逆方向に流れるときの回路を保護するために用いられ、電流が順方向に流れる時には遮断される。
【0093】
さらに、同一の電源コードにおける2種類の電流に対して、自己回復保護回路11を共用する回線保護回路を採用することができる。図3に示すように、前記回線保護回路は、第2の保護監視回路15と、第2のスイッチ回路16と、第2の通電検出回路1 7 とをさらに含む。前記第2のスイッチ回路16 の入力端は第2の流向電流が属する電源の出力端に接続され、第2のスイッチ回路16の出力端は前記自己回復保護回路11の入力端に接続され、前記第2の保護監視回路15の2つの検出端は前記自己回復保護回路11の入力端と出力端にそれぞれ接続され、前記第2保護監視回路15の制御出力端は前記第2スイッチ回路16の第 1のスイッチ制御端に接続される。PTC サーミスタや Breaker などの温度保護デバイスを用いた自己回復保護回路11では、コネクタ内部の発熱に対して、順方向の第1の流向電流も逆方向の第2の流向電流もコネクタ内部温度の変化に応じて変化するので、第1の流向電流と第2の流向電流は同一の自己回復保護回路11を共用することができる。
【0094】
電流が第1の流向電流である場合、自己回復保護回路11、第1のスイッチ回路13、第1の通電検出回路14 及び第1の保護監視回路12によってコネクタを保護する 。 電流が第2の流向電流である場合、自己回復保護回路11、第2のスイッチ回路16 、第2の通電検出回路17及び第2の保護監視回路15によってコネクタを保護する。前記第2の保護監視回路15 は、前記自己回復保護回路11の第2の流向電流における両端の第2の電圧差を取得し、前記第2の電圧差が第2の所定保護電圧差閾値を超えた場合、前記第2スイッチ回路16に第2オフ信号を入力する。ここで、第1の所定保護電圧差閾値と第2の所定保護電圧差閾値とは同一であってもよい。前記第2のスイッチ回路16は、前記第2のオフ信号を受信した場合、前記第2の流向電流をオフする。前記第2の保護監視回路15が出力する第2のオフ信号は、ユーザが充電電源をオフにし、回路全体をリセットして、電源を再投入して再びオンにすることができるまで、第2のスイッチ回路16を常にオフにさせる。前記第2の通電検出回路17は、第2の流向電流が属する電源の通電時に、前記第2のスイッチ回路16に第2のオン信号を出力する。前記第2のスイッチ回路16は、前記第2のオン信号に応じて前記第2の流向電流をオンし、前記第2の通電検出回路 17の通電検出端は、第2の流向電流が属する電源の出力端に接続され、前記第2の通電検出回路17の導通制御端は、前記第2のスイッチ回路16の第2のスイッチ制御端に接続されている。
【0095】
図4に示すように、実用上、回線が第2の流向にあるときには、通常、コネクタに接続された出力電源端によって出力電流を保護することができるので、第2の流向の電流方向の自己回復保護機能を解消して、第2の流向の電流経路回路に置き換えることができる。第2の流向の電流経路回路は、電源経路の一方向性を保証するとともに、ケーブルのユーザ体験を保証するためである。たとえば、当該ケーブルがTYPE−Cの充電ケーブルである場合、入出力端子の構造が同じであり、接続されるデバイスの役割を必要に応じて再定義できる。第2の流向の電流経路回路は、例えば、MOS管などからなる単方向スイッチ回路などのような単方向導通の経路であってもよい。
【0096】
実用上、動作中のケーブル動作状態を識別するための指示情報を提供することができる。例えば、緑色の発光ダイオード(LED、Light−EmittingDiode)でケーブルが正常状態で充電動作することを表す。赤色のLEDでコネクタヘッドが微小短絡や接触インピーダンスが大きくなることにより、コネクタ内部が発熱して、給電を停止することを表す。第1のオフ信号を用いて緑色のLEDと赤色のLEDを制御することができる。第1のオフ信号が有効である場合には赤色のLEDが点灯し、第1のオフ信号が無効である場合には緑色のLEDが点灯する。
【0097】
図5に示すように、充電ケーブルと端末とはUSBコネクタを介して接続されている。この態様では、USBコネクタ電源ピンの両端の電圧を検出する検出回路を充電ケーブルと端末との2つの部分にそれぞれ設け、検出された電圧値からコネクタ電源ピンの電圧差を算出し、充電電流を組み合わせて、USBコネクタ内の電源ピンの接触インピーダンスの変化を計算することができる。インピーダンスの変化に応じて充電電流を調整し、その情報を端末に送信して、ユーザに充電ケーブルと端末の接続に異常があることを通知する。
【0098】
端末の検出回路が、端末側の USBコネクタの電源ピンの電圧が基準レベルまたは0レベルに近づいたことを検出すると、USBコネクタの電源ピンが短絡故障したことを示す。検出されたインピーダンスが、コネクタが一般的に正常に接続されるための予め設定されたインピーダンス閾値より大きい場合、充電電流を経験値に基づいて低減させることで、充電ケーブルが端末に伝送する電圧がVBUSの充電仕様に適合することを保証する。
【0099】
本願の実施形態が提供する回線保護回路はコネクタの電圧検出回路と結合することができ、並列動作することでケーブルをさらに保護することができる。回路が遮断されて完全な保護を行う前に、充電器は、接触インピーダンスに応じて出力電流を調整して、充電プロセスの継続を保証することができる。TYPE−C仕様の充電ケーブルでは、当該部分的な動作は、e− markerチップと組み合わせて実現することができる。
【0100】
以下、具体例を挙げて本発明の効果をさらに詳細に説明する。
【0101】
図6に示すように、本発明の実施形態によって典型的な回路図を提供する。前記第1のスイッチ回路13は、第1のMOSチューブQ1と、第1のトランジスタQ2と、第1のインピーダンスRとを含み、前記Q1のソースは前記第1のスイッチ回路の入力端であり、Q1のゲートは第1のトランジスタのコレクタに接続されて第2の制御端とされ、Q2のベースはR2の一端に接続されて前記第1のスイッチ回路13の第1スイッチ制御端とされ、Q2のエミッタはRの他端に接続されて接地され、前記Q1のドレインは前記第1のスイッチ回路13の出力端であり、Q1はPチャネル電界効果トランジスタであり、Q1のゲートにはリバース機能を実現するためにノンゲートが設置されており、Q2はNPNトランジスタである。前記第1の通電検出回路は、一端がQ1のソースに接続され、他端がQ1ゲートに接続されて前記第1のスイッチ回路13の第2のスイッチ制御端とされる第2のインピーダンスR1をさらに含む。R2とQ2の接続端は、第1の通電検出回路14の導通制御端とされ、R1、Q2及びMが協働して第1の通電検出回路14の機能を実現する。RTは自己回復保護回路11である。DとMは第1の保護監視回路12を構成し、そのうち、MはDフリップフロップ等のトリガ回路又はワンチップマイコン等の制御回路によって実現される。Q1は、ゲートにリバース機能を有し、Mが低レベルを出力すると、オンになり、Mがハイレベルを出力すると、オフになる集積化PMOSチューブであってもよい。ここで、前記第1のスイッチ回路13の第1スイッチ制御端と第2スイッチ制御端は、同一のインターフェースであってもよく、優先レベル設定によって、第1のスイッチ回路13が第1の通電検出回路14の制御を受けるか、或いは第1の保護監視回路12の制御を受けるか決定して、電流オン・オフ可能な制御を行ってもよい。
【0102】
VBUSが通電されると、VBUSはインピーダンスR1を通って、逆転されてQ1のゲートに入り、Q2は通電時にデフォルトで非導通状態となり、このときQ1が導通され、第1の流向の電流がQ1を通ってコネクタへ供電される。
【0103】
コネクタが故障して発熱すると、RTのインピーダンスが高くなり、これに伴ってRTの両端の電圧も高くなり、ダイオードDの導通電圧降下が温度保護の閾値となり、Mはこの電圧降下に応じて第1のスイッチ回路13におけるQ2のベースを制御し、Q2をオンにし、さらに、Q1をオフにして、VBUSからコネクタへの供電を遮断する。Mは、VBUSを検出し続け、VBUSが継続していれば、続いて、Q2をオンにし、Q1をオフにして、VBUSとコネクタとの遮断状態を維持する。
【0104】
回線保護回路は、ユーザが、故障状態を発見して、VBUSの電力供給を遮断し、回線保護回路をリセットし、VBUSに再び通電した場合にのみ、再び電力供給経路を開くことができる。
【0105】
図3に示した実施形態に対して、図6の回路を用いて実施する際に、自己回復保護回路RTを共有し、第1の保護監視回路12、第1のスイッチ回路13及び第1の通電検出回路14と同じ回路の実施形態で第2の保護監視回路15、第2のスイッチ回路16及び第2の通電検出回路17を実現することができる。
【0106】
前記第2のスイッチ回路16は、第2のMOSチューブと、第2のトランジスタと、第3のインピーダンスとを含み、前記第2のMOSチューブのソースは前記第2のスイッチ回路の入力端であり、第2のMOSトランジスタのゲートは第2のトランジスタのコレクタに接続されて第2の制御端とされ、第2のトランジスタのベースは第3のインピーダンスの一端に接続されて前記第2のスイッチ回路16の第1のスイッチ制御端とされ、第2トランジスタのエミッタは第3インピーダンスの他端に接続されて接地され、前記第2MOSチューブのドレインは前記第1のスイッチ回路16の出力端であり、そのうち、前記第二のMOSチューブはPチャネル電界効果トランジスタであり、前記第二のMOSチューブのゲートには更にノンゲートが設けられ、前記第2のトランジスタはNPNトランジスタである。前記第2の通電検出回路17は、一端が第2のMOSチューブのソースに接続され、他端が第2のMOSチューブのゲートに接続された第4のインピーダンスを含むことができる。第2のグループDとMを用いて第2保護監視回路12を構成する。
【0107】
このように、回線に第1の流向電流が流れる場合、自己回復保護回路11、第1の保護監視回路12、第1のスイッチ回路13及び第1の通電検出回路14によって回路保護が実施される。回線に第2の流向電流が流れる場合、自己回復保護回路11、第2の保護監視回路15、第2のスイッチ回路16及び第2の通電検出回路17によって回路保護が実施される。
【0108】
本願の実施形態によって提供される線保護方法は、図7に示すように、以下を含む。
【0109】
ステップ701では、温度変化に応じてインピーダンスが変化する自己回復保護回路の両端の第1の電圧差を取得する。
【0110】
ここでは、充電電源から端末への充電時に使用されるUSBケーブル等の電源ケーブルを例に本発明の実施形態を説明する。図1に示すように、USBケーブルの5V電源コードのような、電源ケーブルの電源コードに1つの回線保護回路を設けることができる。回線保護回路に自己回復保護回路11を設けることができるが、自己回復保護回路11は、自己インピーダンスが温度変化に応じて変化するものであり、自己インピーダンスが温度上昇に応じて上昇するようにしてもよいし、温度が所定温度に達するとオフして高インピーダンス状態になり、温度が正常温度に回復すると通路状態を回復するようにしてもよい。
【0111】
自己回復保護回路11は、 例えば、USB コネクタのピン、すなわち、端末の充電インターフェースの電源ピンのような、電源コードの両端におけるコネクタに近い位置に配置することができる。自己回復保護回路11は、温度が正常に動作している範囲では、電流が流れ、且つ電圧降下が大きくならないように、非常に低いインピーダンスを示す。コネクタに異物が入ったり、コネクタ内部の挿抜による物理的損傷によって、電源経路と他の電気経路とに微小短絡が発生して、充電電源が端末に給電する時に微小短絡により発熱する。 あるいは、コネクタのコンセントとプラグが長期に挿抜されることにより、金メッキ端子表面の金属が酸化し、大きな接触インピーダンスが発生し、コネクタが接触インピーダンスにより発熱する。前記自己回復保護回路11は、コネクタ内の温度の上昇によりインピーダンスの上昇を引き起こす。例えば、コネクタ温度が停電または故障により安全温度範囲に戻った場合、自己回復保護回路11は正常動作状態のインピーダンスに戻る。自己回復保護回路は、電流通過後のコネクタの温度変化をより迅速に感知するために、コネクタの電源ピンの金メッキ端子(電極金具)に近い位置に配置される。
【0112】
前記自己回復保護回路11は、PTCサーミスタやブレーカー(Breaker)などの温度保護デバイスを採用することができる。図1に示すような回路ブロック図において、回線における第1の流向電流は、自己回復保護回路11を経た後、コネクタの電源ピンを介して端末に供電される。前記第1のスイッチ回路13の入力端が第1の流向電流が属する電源の出力端に接続され、第1のスイッチ回路13の出力端が前記自己回復保護回路11の入力端に接続され、前記第1の保護監視回路12の2つの検出端が前記自己回復保護回路11の入力端と出力端にそれぞれ接続され、前記第1の保護監視回路12の制御出力端が前記第1のスイッチ回路13の第1のスイッチ制御端に接続され、前記自己回復保護回路11の出力端がコネクタの電源ピンに接続される。通常、充電電源には商用電源等の外部電源が接続されており、充電電源は充電電流を出力する。この場合、電源コードにおける電力供給は、充電電源がゼロから一定の電圧値への上昇過程、例えば0Vから5Vへの変化を示す通電過程を経る。電源供給の全過程において、自己回復保護回路11における PTC サーミスタやブレーカー(Breaker)等の温度保護デバイスは、コネクタ内部の温度変化に応じて性能が変化する。微小短絡や接触インピーダンスによるコネクタ内部温度がある閾値まで上昇すると、PTC インピーダンスやブレーカー(Breaker) 温度保護デバイスが保護機能を起動して、現れる現象の1つとしては、通過する電流能力の低下とインピーダンスの増大である。
【0113】
第1の流向電流に対する第1の保護監視回路12及び第1のスイッチ回路13を回線保護回路に設けることができ、前記第1の保護監視回路12は、第1の流向電流時の前記自己回復保護回路の両端における第1の電圧差を取得するためのものであり、前記第1の電圧差が第1所定保護電圧差閾値を超えた場合に、前記第1のスイッチ回路13に第1のオフ信号を出力する。
【0114】
第1の保護監視回路12は、自己回復保護回路11が保護を開始したか否か、すなわち自己回復保護回路11の両端の電圧差が第1所定保護電圧差閾値を超えているか否かを監視するものであり、第1の保護監視回路12は、自己回復保護回路11が保護を開始したことを検出すると、コネクタ内の電源ピンで発熱したことを示す。このとき、第1の保護監視回路12は、第1のオフ信号を送信し、第1のスイッチ回路13を制御して電源経路を遮断して、コネクタに電流が流れないようにする。
【0115】
第1の保護監視回路12は、1つまたは複数のダイオードのような単方向導通PN接合半導体素子を含むことができ、ダイオードの方向は第1の電流方向と一致し、自己回復保護回路11と並列されており、自己回復保護回路11のPTCサーミスタやブレーカー(Breaker)などの温度保護デバイスが正常に動作しているときは、導通インピーダンスが非常に小さく、それによる電圧降下も非常に小さく、第1の保護監視回路12におけるダイオードは導通しておらず、ダイオード両端の電圧降下は保護ユニットの電圧降下である。自己回復保護回路11のPTCサーミスタや(Breaker)などの温度保護デバイスによる保護が開始され、インピーダンスが温度変化に応じてある閾値範囲内に変化し、その電圧降下がダイオードの導通電圧降下以上になって、ダイオードを導通させる。必要に応じて、PN接合半導体素子の順方向導通電圧降下、すなわちダイオードの導通電圧降下を、温度保護のための第1の所定保護電圧差閾値に設定することができる。
【0116】
同時に、第1の保護監視回路12は、前記第1の所定保護電圧差閾値に基づいて第1のオフ信号を送信し、第1のオフ信号は第1のスイッチ回路13に出力されて電源経路を遮断する。電源経路が遮断された後、自己回復保護回路11及びコネクタにはいずれも電流が流れず、微小短絡や接触インピーダンスの故障が継続して発熱することはない。
【0117】
前記第1の所定保護電圧差閾値の設定は、回路の保護温度に応じて設定することができる。所望の保護温度が50℃である場合、50℃の時の自己回復保護回路11のインピーダンス値を予め決定し、回路内の第1の流向電流と50℃における自己回復保護回路11のインピーダンス値との積を第1の所定保護電圧差閾値とし、温度が50℃より高い場合、自己回復保護回路11の両端の電圧差が第1の所定保護電圧差閾値より大きくなり、このとき、第1の遮断回路13に第1の遮断信号を出力することができる。
【0118】
実用上、前記第1の保護監視回路12は、ディスクリート部品からなる閾値電圧トリガ回路であってもよいし、ワンチップマイコン等の制御回路を用いて前記保護監視回路の機能を実現してもよい。
【0119】
ステップ702では、前記第1の電圧差が所定の第1の保護電圧差閾値を超えた場合、第1のオフ信号を送信して、前記電源の出力電流をオフする。
【0120】
前記第1のスイッチ回路13は、充電電源コードのオン・オフを制御するために用いられ、通常動作状態の時、第1のスイッチ回路13はオンしており、前記自己回復保護回路11が保護機能を起動した時に、第1のスイッチ回路13が電源経路を遮断することで、給電過程において自己回復保護回路が「発熱−保護−発熱」の過程を循環的に往復する避けることができる。第1のスイッチ回路13は、1つ以上の制御ピンを有することができ、外部回路の第1の通電検出回路14 または第1の保護監視回路12などは、制御ピンを介して第1のスイッチ回路13のオン・オフを制御することができる。
【0121】
実用上、前記第1のスイッチ回路13は、電界効果トランジスタ集積回路とトランジスタ等のディスクリート素子とを組み合わせたスイッチ回路であってもよいし、専用のスイッチ集積回路等を用いてもよい。
【0122】
このように、第1の保護監視回路12は、常に、第1のオフ信号を送信して、ユーザが充電電源をオフして回路全体をリセットするまで、前記第1のスイッチ回路13を常にオフ状態にする。第1の保護監視回路12が第1のスイッチ回路13を制御することにより、充電電源経路を効率にオン・オフさせることができ、充電電源がオフされていない場合に、第1のスイッチ回路13が第1の流向電流を遮断して自己回復保護回路11を降温させ、第1の流向電流を再開して自己回復保護回路11を再び昇温させることにより、「発熱−保護−発熱」の循環往復過程を引き起こすことを避けることができる。さらに、第1の流向電流を遮断することでユーザへ充電回線に故障が発生したことを通知することができ、ユーザが故障をチェックした後正常に電力を供給することができる。
【0123】
さらに、前記回線保護回路は、第1の流向電流が属する電源の通電時に、前記第1のスイッチ回路13へ第1のオン信号を出力するための第1の通電検出回路14 と、前記第1のオン信号に応じて前記第1の流向電流をオンさせるための第1のスイッチ回路13とをさらに備え、前記第1の通電検出回路14の通電検出端は、第1の流向電流が属する電源の出力端に接続され、前記第1の通電検出回路14の導通制御端は、前記第1のスイッチ回路13の第2のスイッチ制御端に接続されている。
【0124】
実用上、電源コードにおける電力供給は、充電電源がゼロから一定の電圧値への上昇過程、例えば0Vから5Vへの変化を示す通電過程を経る。前記第1の通電検出回路14は、電源通電時の立ち上がりエッジをトリガ信号として第1のオン信号を発生し、前記第1のスイッチ回路13は、前記第1のオン信号に応じて前記第1の流向電流をオンすることができる。
【0125】
一部の使用状況では、例えば、USB type Cの電源コードのように、電源コードの両端のコネクタが完全に同じで、電源コードに対して充電用の電源と端末との位置を入れ替えることができるため、電源コードに流れる電流の方向が逆になることがあり、元の第1の流向電流に対して反対の第2の流向電流が流れることがある。例えば、 USB type Cの電源コードには、2 つの同一のコネクタ1とコネクタ2があり、コネクタ1が充電器に接続された場合の電流の方向は、コネクタ1からコネクタ2へとなり、第1の流向電流と呼ぶことができる。コネクタ2が充電器に接続された場合、電流の方向は、コネクタ2からインターフェース1へとなり、第2の流向電流と呼ぶことができる。この場合、図2に示すように、方向が逆である2つの電流が流れる回線に2組の同一の回線保護回路を並列させることができ、保護回路の設置方向は電流に対応しており、順方向回線保護回路は電流が順方向に流れる時の回路を保護するために用いられ、電流が逆方向に流れる時には遮断され、逆方向回線保護回路は、電流が逆方向に流れるときの回路を保護するために用いられ、電流が順方向に流れる時には遮断される。
【0126】
さらに、同一の電源コードにおける2種類の電流に対して、自己回復保護回路11を共用する回線保護回路を採用することができる。図3に示すように、前記回線保護回路は、第2の保護監視回路15と、第2のスイッチ回路16と、第2の通電検出回路1 7 とをさらに含む。前記第2のスイッチ回路16 の入力端は第2の流向電流が属する電源の出力端に接続され、第2のスイッチ回路16の出力端は前記自己回復保護回路11の入力端に接続され、前記第2の保護監視回路15の2つの検出端は前記自己回復保護回路11の入力端と出力端にそれぞれ接続され、前記第2保護監視回路15の制御出力端は前記第2スイッチ回路16の第 1のスイッチ制御端に接続される。PTC サーミスタや Breaker などの温度保護デバイスを用いた自己回復保護回路11では、コネクタ内部の発熱に対して、順方向の第1の流向電流も逆方向の第2の流向電流もコネクタ内部温度の変化に応じて変化するので、第1の流向電流と第2の流向電流は同一の自己回復保護回路11を共用することができる。
【0127】
電流が第1の流向電流である場合、自己回復保護回路11、第1のスイッチ回路13、第1の通電検出回路14 及び第1の保護監視回路12によってコネクタを保護する 。 電流が第2の流向電流である場合、自己回復保護回路11、第2のスイッチ回路16 、第2の通電検出回路17及び第2の保護監視回路15によってコネクタを保護する。前記第2の保護監視回路15 は、前記自己回復保護回路11の第2の流向電流における両端の第2の電圧差を取得し、前記第2の電圧差が第2の所定保護電圧差閾値を超えた場合、前記第2スイッチ回路16に第2オフ信号を入力する。ここで、第1の所定保護電圧差閾値と第2の所定保護電圧差閾値とは同一であってもよい。前記第2のスイッチ回路16は、前記第2のオフ信号を受信した場合、前記第2の流向電流をオフする。前記第2の保護監視回路15が出力する第2のオフ信号は、ユーザが充電電源をオフにし、回路全体をリセットして、電源を再投入して再びオンにすることができるまで、第2のスイッチ回路16を常にオフにさせる。前記第2の通電検出回路17は、第2の流向電流が属する電源の通電時に、前記第2のスイッチ回路16に第2のオン信号を出力する。前記第2のスイッチ回路16は、前記第2のオン信号に応じて前記第2の流向電流をオンし、前記第2の通電検出回路 17の通電検出端は、第2の流向電流が属する電源の出力端に接続され、前記第2の通電検出回路17の導通制御端は、前記第2のスイッチ回路16の第2のスイッチ制御端に接続されている。
【0128】
本願の実施形態で提供される給電ケーブルは、コネクタ部材を介して給電又は受電装置と接続される。前記ケーブルは、回線保護回路を含む。図1に示すように、前記回線保護回路は、第1の保護監視回路12と、第1のスイッチ回路13と、温度変化に応じて自己インピーダンスが変化する自己回復保護回路11とを備えている。
【0129】
ここでは、充電電源から端末への充電時に使用されるUSBケーブル等の電源ケーブルを例に本発明の実施形態を説明する。図1に示すように、USBケーブルの5V電源コードのような、電源ケーブルの電源コードに1つの回線保護回路を設けることができる。自己回復保護回路11は、自己インピーダンスが温度変化に応じて変化するものであり、自己インピーダンスが温度上昇に応じて上昇するようにしてもよいし、温度が所定温度に達するとオフして高インピーダンス状態になり、温度が正常温度に回復すると通路状態を回復するようにしてもよい。
【0130】
図8に示すように、前記回線保護回路は、前記ケーブルと前記コネクタ部材との接続位置、例えばコネクタ部材とケーブルとが接続される回路基板上に設けられていてもよい。自己回復保護回路11は、例えば、USB コネクタのピン、すなわち、端末の充電インターフェースの電源ピンのような、電源コードの両端におけるコネクタに近い位置に配置することができる。自己回復保護回路11は、温度が正常に動作している範囲では、電流が流れ、且つ電圧降下が大きくならないように、非常に低いインピーダンスを示す。コネクタに異物が入ったり、コネクタ内部の挿抜による物理的損傷によって、電源経路と他の電気経路とに微小短絡が発生して、充電電源が端末に給電する時に微小短絡により発熱する。 あるいは、コネクタのコンセントとプラグが長期に挿抜されることにより、金メッキ端子表面の金属が酸化し、大きな接触インピーダンスが発生し、コネクタが接触インピーダンスにより発熱する。前記自己回復保護回路11は、コネクタ内の温度の上昇によりインピーダンスの上昇を引き起こす。例えば、コネクタ温度が停電または故障により安全温度範囲に戻った場合、自己回復保護回路は正常動作状態のインピーダンスに戻る。自己回復保護回路11は、電流通過後のコネクタの温度変化をより迅速に感知するために、コネクタの電源ピンの金メッキ端子(電極金具)に近い位置に配置される。
【0131】
前記自己回復保護回路11は、PTCサーミスタやブレーカー(Breaker)などの温度保護デバイスを採用することができる。図1に示すように、第1の流向電流は、第1のスイッチ回路13及び自己回復保護回路11を経た後、コネクタの電源ピンを介して端末に供電される。前記第1のスイッチ回路13の入力端が第1の流向電流が属する電源の出力端に接続され、第1のスイッチ回路13の出力端が前記自己回復保護回路11の入力端に接続され、前記第1の保護監視回路12の2つの検出端が前記自己回復保護回路11の入力端と出力端にそれぞれ接続され、前記第1の保護監視回路12の制御出力端が前記第1のスイッチ回路13の第1のスイッチ制御端に接続され、前記自己回復保護回路11の出力端がコネクタの電源ピンに接続されている。通常、充電電源には商用電源等の外部電源が接続されており、充電電源は充電電流を出力する。この場合、電源コードにおける電力供給は、充電電源がゼロから一定の電圧値への上昇過程、例えば0Vから5Vへの変化を示す通電過程を経る。充電電流は、第1のスイッチ回路13、自己回復保護回路11及びコネクタの電源ピンを介して、電源を端末へ出力することができる。電源供給の全過程において、自己回復保護回路11における PTC サーミスタやブレーカー(Breaker)等の温度保護デバイスは、コネクタ内部の温度変化に応じて性能が変化する。微小短絡や接触インピーダンスによるコネクタ内部温度がある閾値まで上昇すると、PTC インピーダンスやブレーカー(Breaker) 温度保護デバイスが保護機能を起動して、現れる現象の1つとしては、通過する電流能力の低下とインピーダンスの増大である。
【0132】
前記第1の保護監視回路12は、第1の流向電流時の前記自己回復保護回路の両端における第1の電圧差を取得するためのものであり、前記第1の電圧差が第1所定保護電圧差閾値を超えた場合に、前記第1のスイッチ回路13に第1のオフ信号を出力する。
【0133】
第1の保護監視回路12は、自己回復保護回路11が保護を開始したか否か、すなわち自己回復保護回路11の両端の電圧差が第1所定保護電圧差閾値を超えているか否かを監視するものであり、第1の保護監視回路12は、自己回復保護回路11が保護を開始したことを検出すると、コネクタ内の電源ピンで発熱したことを示す。このとき、第1の保護監視回路12は、第1のオフ信号を送信し、第1のスイッチ回路13を制御して電源経路を遮断して、コネクタに電流が流れないようにする。
【0134】
第1の保護監視回路12は、1つまたは複数のダイオードのような単方向導通PN接合半導体素子を含むことができ、ダイオードの方向は第1の電流方向と一致し、自己回復保護回路11と並列されており、自己回復保護回路11のPTCサーミスタやブレーカー(Breaker)などの温度保護デバイスが正常に動作しているときは、導通インピーダンスが非常に小さく、それによる電圧降下も非常に小さく、第1の保護監視回路12におけるダイオードは導通しておらず、ダイオード両端の電圧降下は保護ユニットの電圧降下である。自己回復保護回路11のPTCサーミスタや(Breaker)などの温度保護デバイスによる保護が開始され、インピーダンスが温度変化に応じてある閾値範囲内に変化し、その電圧降下がダイオードの導通電圧降下以上になって、ダイオードを導通させる。必要に応じて、PN接合半導体素子の順方向導通電圧降下、すなわちダイオードの導通電圧降下を、温度保護のための第1の所定保護電圧差閾値に設定することができる。
【0135】
同時に、第1の保護監視回路12は、前記第1の所定保護電圧差閾値に基づいて第1のオフ信号を送信し、第1のオフ信号は第1のスイッチ回路13に出力されて電源経路を遮断する。電源経路が遮断された後、自己回復保護回路11及びコネクタにはいずれも電流が流れず、微小短絡や接触インピーダンスの故障が継続して発熱することはない。
【0136】
前記第1の所定保護電圧差閾値の設定は、回路の保護温度に応じて設定することができる。所望の保護温度が50℃である場合、50℃の時の自己回復保護回路11のインピーダンス値を予め決定し、回路内の第1の流向電流と50℃における自己回復保護回路11のインピーダンス値との積を第1の所定保護電圧差閾値とし、温度が50℃より高い場合、自己回復保護回路11の両端の電圧差が第1の所定保護電圧差閾値より大きくなり、このとき、第1の遮断回路13に第1の遮断信号を出力することができる。
【0137】
実用上、前記第1の保護監視回路12は、ディスクリート部品からなる閾値電圧トリガ回路であってもよいし、ワンチップマイコン等の制御回路を用いて前記第1の保護監視回路12の機能を実現してもよい。
【0138】
前記第1のスイッチ回路13は、第1の流向電流をオン・オフするために用いられ、前記第1のオフ信号を受信したときに、前記第1の流向電流をオフする。
【0139】
前記第1のスイッチ回路13は、充電電源コードのオン・オフを制御するために用いられ、通常動作状態の時、第1のスイッチ回路13はオンしており、前記自己回復保護回路11が保護機能を起動した時に、第1のスイッチ回路13が電源経路を遮断することで、給電過程において自己回復保護回路が「発熱−保護−発熱」の過程を循環的に往復する避けることができる。第1のスイッチ回路13は、1つ以上の制御ピンを有することができ、外部回路の第1の通電検出回路14 または第1の保護監視回路12などは、制御ピンを介して第1のスイッチ回路13のオン・オフを制御することができる。
【0140】
実用上、前記第1のスイッチ回路13は、電界効果トランジスタ集積回路とトランジスタ等のディスクリート素子とを組み合わせたスイッチ回路であってもよいし、専用のスイッチ集積回路等を用いてもよい。
【0141】
このように、第1の保護監視回路12は、常に、第1のオフ信号を送信して、ユーザが充電電源をオフして回路全体をリセットするまで、前記第1のスイッチ回路13を常にオフ状態にする。第1の保護監視回路12が第1のスイッチ回路13を制御することにより、充電電源経路を効率にオン・オフさせることができ、充電電源がオフされていない場合に、第1のスイッチ回路13が第1の流向電流を遮断して自己回復保護回路11を降温させ、第1の流向電流を再開して自己回復保護回路11を再び昇温させることにより、「発熱−保護−発熱」の循環往復過程を引き起こすことを避けることができる。さらに、第1の流向電流を遮断することでユーザへ充電回線に故障が発生したことを通知することができ、ユーザが故障をチェックした後正常に電力を供給することができる。
【0142】
さらに、前記回線保護回路は、第1の流向電流が属する電源の通電時に、前記第1のスイッチ回路13へ第1のオン信号を出力するための第1の通電検出回路14 と、前記第1のオン信号に応じて前記第1の流向電流をオンさせるための第1のスイッチ回路13とをさらに備え、前記第1の通電検出回路14の通電検出端は、第1の流向電流が属する電源の出力端に接続され、前記第1の通電検出回路14の導通制御端は、前記第1のスイッチ回路13の第2のスイッチ制御端に接続されている。
【0143】
実用上、電源コードにおける電力供給は、充電電源がゼロから一定の電圧値への上昇過程、例えば0Vから5Vへの変化を示す通電過程を経る。前記第1の通電検出回路14は、電源通電時の立ち上がりエッジをトリガ信号として第1のオン信号を発生し、前記第1のスイッチ回路13は、前記第1のオン信号に応じて前記第1の流向電流をオンすることができる。
【0144】
一部の使用状況では、例えば、USB type Cの電源コードのように、電源コードの両端のコネクタが完全に同じで、電源コードに対して充電用の電源と端末との位置を入れ替えることができるため、電源コードに流れる電流の方向が逆になることがあり、元の第1の流向電流に対して反対の第2の流向電流が流れることがある。例えば、 USB type Cの電源コードには、2 つの同一のコネクタ1とコネクタ2があり、コネクタ1が充電器に接続された場合の電流の方向は、コネクタ1からコネクタ2へとなり、第1の流向電流と呼ぶことができる。コネクタ2が充電器に接続された場合、電流の方向は、コネクタ2からインターフェース1へとなり、第2の流向電流と呼ぶことができる。この場合、第1の流向電流と第2の流向電流をそれぞれ保護するために、方向が逆である2つの電流が流れる回線に同方向または逆方向に2組の同一の回線保護回路を並列に設けることができ、逆方向に並列に設ける方法は、図2に示されたように、保護回路の設置方向は電流に対応しており、順方向回線保護回路は電流が順方向に流れる時の回路を保護するために用いられ、電流が逆方向に流れる時には遮断され、逆方向回線保護回路は、電流が逆方向に流れるときの回路を保護するために用いられ、電流が順方向に流れる時には遮断される。
【0145】
さらに、同一の電源コードにおける2種類の電流に対して、自己回復保護回路11を共用する回線保護回路を採用することができる。図3に示すように、前記回線保護回路は、第2の保護監視回路15と、第2のスイッチ回路16と、第2の通電検出回路1 7 とをさらに含む。前記第2のスイッチ回路16 の入力端は第2の流向電流が属する電源の出力端に接続され、第2のスイッチ回路16の出力端は前記自己回復保護回路11の入力端に接続され、前記第2の保護監視回路15の2つの検出端は前記自己回復保護回路11の入力端と出力端にそれぞれ接続され、前記第2保護監視回路15の制御出力端は前記第2スイッチ回路16の第 1のスイッチ制御端に接続される。PTC サーミスタや Breaker などの温度保護デバイスを用いた自己回復保護回路11では、コネクタ内部の発熱に対して、順方向の第1の流向電流も逆方向の第2の流向電流もコネクタ内部温度の変化に応じて変化するので、第1の流向電流と第2の流向電流は同一の自己回復保護回路11を共用することができる。
【0146】
電流が第1の流向電流である場合、自己回復保護回路11、第1のスイッチ回路13、第1の通電検出回路14 及び第1の保護監視回路12によってコネクタを保護する 。 電流が第2の流向電流である場合、自己回復保護回路11、第2のスイッチ回路16 、第2の通電検出回路17及び第2の保護監視回路15によってコネクタを保護する。前記第2の保護監視回路15 は、前記自己回復保護回路11の第2の流向電流における両端の第2の電圧差を取得し、前記第2の電圧差が第2の所定保護電圧差閾値を超えた場合、前記第2スイッチ回路16に第2オフ信号を入力する。ここで、第1の所定保護電圧差閾値と第2の所定保護電圧差閾値とは同一であってもよい。前記第2のスイッチ回路16は、前記第2のオフ信号を受信した場合、前記第2の流向電流をオフする。前記第2の保護監視回路15が出力する第2のオフ信号は、ユーザが充電電源をオフにし、回路全体をリセットして、電源を再投入して再びオンにすることができるまで、第2のスイッチ回路16を常にオフにさせる。前記第2の通電検出回路17は、第2の流向電流が属する電源の通電状態を検出するために用いられ、前記第2の流向電流が属する電源が通電状態を維持している場合、前記過熱保護信号をロックして、前記第2のスイッチ回路16のオフ状態を維持する。前記第2の通電検出回路17は、第2の流向電流が属する電源の通電時に、前記第2のスイッチ回路16に第2のオン信号を出力する。前記第2のスイッチ回路16は、前記第2のオン信号に応じて前記第2の流向電流をオンし、前記第2の通電検出回路 17の通電検出端は、第2の流向電流が属する電源の出力端に接続され、前記第2の通電検出回路17の導通制御端は、前記第2のスイッチ回路16の第2のスイッチ制御端に接続されている。
【0147】
図4に示すように、実用上、回線が第2の流向にあるときには、通常、コネクタに接続された出力電源端によって出力電流を保護することができるので、第2の流向の電流方向の自己回復保護機能を解消して、第2の流向の電流経路回路に置き換えることができる。第2の流向の電流経路回路は、電源経路の一方向性を保証するとともに、ケーブルのユーザ体験を保証するためである。たとえば、当該ケーブルがTYPE−Cの充電ケーブルである場合、入出力端子の構造が同じであり、接続されるデバイスの役割を必要に応じて再定義できる。第2の流向の電流経路回路は、例えば、MOS管などからなる単方向スイッチ回路などのような単方向導通の経路であってもよい。
【0148】
実用上、動作中のケーブル動作状態を識別するための指示情報を提供することができる。例えば、緑色のLEDでケーブルが正常状態で充電動作することを表す。赤色のLEDでコネクタヘッドが微小短絡や接触インピーダンスが大きくなることにより、コネクタ内部が発熱して、給電を停止することを表す。第1のオフ信号を用いて緑色のLEDと赤色のLEDを制御することができる。第1のオフ信号が有効である場合には赤色のLEDが点灯し、第1のオフ信号が無効である場合には緑色のLEDが点灯する。
【0149】
図5に示すように、充電ケーブルと端末とはUSBコネクタを介して接続されている。この態様では、USBコネクタ電源ピンの両端の電圧を検出する検出回路を充電ケーブルと端末との2つの部分にそれぞれ設け、検出された電圧値からコネクタ電源ピンの電圧差を算出し、充電電流を組み合わせて、USBコネクタ内の電源ピンの接触インピーダンスの変化を計算することができる。インピーダンスの変化に応じて充電電流を調整し、その情報を端末に送信して、ユーザに充電ケーブルと端末の接続に異常があることを通知する。端末の検出回路が、端末側の USBコネクタの電源ピンの電圧が基準レベルまたは0レベルに近づいたことを検出すると、USBコネクタの電源ピンが短絡故障したことを示す。検出されたインピーダンスが、コネクタが一般的に正常に接続されるための予め設定されたインピーダンス閾値より大きい場合、充電電流を経験値に基づいて低減させることで、充電ケーブルが端末に伝送する電圧がVBUSの充電仕様に適合することを保証する。本願の実施形態が提供する回線保護回路はコネクタの電圧検出回路と結合することができ、並列動作することでケーブルをさらに保護することができる。回路遮断を完全に保護することができ、充電器は、接触インピーダンスに応じて出力電流を調整して、充電プロセスの継続を保証することができる。TYPE−C仕様の充電ケーブルでは、当該部分的な動作は、e− marker チップと組み合わせて実現することができる。
【0150】
前記回線保護回路を前記給電ケーブルに設ける場合、前記回線保護回路を給電ケーブルの一端のコネクタに設けてもよいし、給電ケーブルの両端のコネクタのいずれにも前記回線保護回路を設けてもよい。同方向または逆方向に並列に設けられた回線保護回路を両端に2組ずつ設けることができ、両端に逆方向に並列した回線保護回路を設ける方式は、図9(a)に示すように、前記給電ケーブルが、第1のコネクタと第2のコネクタ、順方向回線保護回路A、順方向回線保護回路B、逆方向回線保護回路Cおよび逆方向回線保護回路Dを含むことができる。そのうち、順方向回線保護回路Aおよび逆方向回線保護回路Cは、第1のコネクタの接続部に設けられ、第1のコネクタの保護に用いられる。順方向回線保護回路Bおよび逆方向回線保護回路Dは、第2のコネクタの接続部に設けられ、第1のコネクタの保護に用いられる。第1のコネクタに電源が接続されると、給電ケーブルにおける電流の流れは、図面における第1の流向電流の方向になり、このとき、順方向回線保護回路Aと順方向回線保護回路Bとが動作して、それぞれ、第1のコネクタと第2のコネクタとを保護する。第2のコネクタに電源が接続されると、給電ケーブルにおける電流の流れは、図面における第2の流向電流の方向になり、このとき、逆回線保護回路Cと逆回線保護回路Dとが動作して、それぞれ、第1のコネクタと第2のコネクタとを保護する。両端に同方向に並列した回線保護回路を設ける方式は、図9bに示すように、図1乃至図6で説明した回線保護回路はいずれも給電ケーブルの一端又は両端に設けることができるが、ここでは説明を省略する。
【0151】
上記の記載は、本出願の好ましい実施形態にすぎず、本出願の保護範囲を限定することを意図するものではない。本出願の精神および原理の範囲内で行われるあらゆる修正、等価の置換および改良などは、いずれも、本出願の範囲内に含まれる。
工業的な実用性
【0152】
本出願の実施形態の技術方案は、回線に自己インピーダンスが温度変化に応じて変化する自己回復保護回路を設置し、前記第1の保護監視回路は、前記自己回復保護回路の両端の第1の電圧差を取得し、前記第1の電圧差が第1の所定保護電圧差閾値を超えた場合、前記第1のスイッチ回路に第1のオフ信号を出力し、前記第1のスイッチ回路は、前記第1のオフ信号を受信すると、電源の出力電流をオフする。このように、安全上の問題が発生した場合に電源を遮断するとともに、電源を循環的に往復的に遮断することを回避でき、給電安全性が向上する。



図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9