特許第6860160号(P6860160)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ チェスト株式会社の特許一覧 ▶ 国立大学法人東北大学の特許一覧

<>
  • 特許6860160-呼吸機能検査装置 図000002
  • 特許6860160-呼吸機能検査装置 図000003
  • 特許6860160-呼吸機能検査装置 図000004
  • 特許6860160-呼吸機能検査装置 図000005
  • 特許6860160-呼吸機能検査装置 図000006
  • 特許6860160-呼吸機能検査装置 図000007
  • 特許6860160-呼吸機能検査装置 図000008
  • 特許6860160-呼吸機能検査装置 図000009
  • 特許6860160-呼吸機能検査装置 図000010
  • 特許6860160-呼吸機能検査装置 図000011
  • 特許6860160-呼吸機能検査装置 図000012
  • 特許6860160-呼吸機能検査装置 図000013
  • 特許6860160-呼吸機能検査装置 図000014
  • 特許6860160-呼吸機能検査装置 図000015
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6860160
(24)【登録日】2021年3月30日
(45)【発行日】2021年4月14日
(54)【発明の名称】呼吸機能検査装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/087 20060101AFI20210405BHJP
【FI】
   A61B5/087
【請求項の数】4
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2017-44743(P2017-44743)
(22)【出願日】2017年3月9日
(65)【公開番号】特開2018-143702(P2018-143702A)
(43)【公開日】2018年9月20日
【審査請求日】2020年3月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】597129229
【氏名又は名称】チェスト株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】504157024
【氏名又は名称】国立大学法人東北大学
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小川 浩正
(72)【発明者】
【氏名】保木 英明
(72)【発明者】
【氏名】水野 彰義
【審査官】 藤原 伸二
(56)【参考文献】
【文献】 特表2015−500733(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0199566(US,A1)
【文献】 特表2013−513449(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0000470(US,A1)
【文献】 特表2014−502895(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/08−5/097
A61M 16/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被験者の少なくとも口に接続される分岐管と、
前記分岐管の内部の空気を排出する第1ブロアと、
前記分岐管の内部に空気を供給する第2ブロアと、
前記分岐管の中を流れる気体の流量を検出するフローセンサと、
前記分岐管の中の圧力を検出する圧力センサと、
前記第1ブロア、前記第2ブロア、前記フローセンサ及び前記圧力センサと電気的に接続される制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、吸気期間の少なくとも一部の期間で前記分岐管を加圧すると共に、安静時呼吸が行われている時の複数の1回換気量に基づいて被験者の基準換気量を算出し、
前記制御装置は、前記基準換気量を算出した後、吸気期間の少なくとも一部の期間で前記分岐管を加圧し、前記基準換気量に対する呼気量の比が所定値になった時から前記分岐管を減圧する
呼吸機能検査装置。
【請求項2】
前記制御装置は、呼気量が前記基準換気量に等しくなった時に前記分岐管の減圧を停止する
請求項1に記載の呼吸機能検査装置。
【請求項3】
被験者の少なくとも口に接続される主管、開放された開口部を有し且つ前記主管に繋がる第1補助管、及び前記第1補助管に繋がる第2補助管を備える前記分岐管と、
前記第1補助管に設けられる第1弁体と、
前記第2補助管に設けられる第2弁体と、
前記第2補助管と前記主管との間の流れを遮断する開放位置、及び前記開口部と前記主管との間の流れを遮断する閉鎖位置に前記第1弁体を移動させる第1アクチュエータと、
前記第2ブロアと前記第1補助管との間の流れを遮断する減圧時位置、及び前記第1ブロアと前記第1補助管との間の流れを遮断する加圧時位置に前記第2弁体を移動させる第2アクチュエータと、
を備え、
前記制御装置は、前記第1アクチュエータ及び前記第2アクチュエータと電気的に接続される
請求項1又は2に記載の呼吸機能検査装置。
【請求項4】
気期間の少なくとも一部の期間において、前記第2ブロアが駆動し、前記第1弁体が前記閉鎖位置にあり、前記第2弁体が前記加圧時位置にあり、
呼気期間のうち呼気の開始時を含む一部の期間において、前記第1弁体が前記開放位置にあり、
呼気期間のうち他の期間において、前記第1ブロアが駆動し、前記第1弁体が前記閉鎖位置にあり、前記第2弁体が前記減圧時位置にある
請求項3に記載の呼吸機能検査装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、呼吸器疾患の診断指標を取得するための呼吸機能検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
呼吸器疾患の1つとして、慢性閉塞性肺疾患(Chronic Obstructive Pulmonary Disease(以下COPDという))が知られている。COPDの診断指標として、努力肺活量(Forced Vital Capacity(以下FVCという))が用いられていた。しかし、FVCを用いる場合には被験者の努力が必要となる。これに対して被験者の努力を必要としない手法としてNEP(Negative Expiratory Pressure)法が非特許文献1及び非特許文献2に記載されている。NEP法は、呼気を補助した場合のフローボリューム曲線に基づいて呼気流量制限の有無を判定する手法である。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】「Detertion of Expiratory Flow Limitation during Mechanical Ventilation」: P Valta, C Corbeil, A Lavoie,R Campodonico, N Koulouris, M Chasse, J Braidy, J Milic-Emili, American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine, Vol.150, 1994, p.1311-1317
【非特許文献2】「A simple method to detect expiratory flow limitation during spontaneous breathing」: NG Koulouris, P Valta, A Lavoie, C Corbeil, M Chasse, J Braidy, J Milic-Emili, European Respiratory Journal, Feb 1995, 8(2), p.306-313
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
NEP法を用いた場合、呼気を補助した時に被験者の反射等で呼気が乱れることがあった。呼気が乱れた時のデータは、COPDの評価に用いることができない。
【0005】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであって、診断指標として用いることのできるデータの取得を容易にする呼吸機能検査装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するため、本発明に係る呼吸機能検査装置は、被験者の少なくとも口に接続される分岐管と、前記分岐管の内部の空気を排出する第1ブロアと、前記分岐管の内部に空気を供給する第2ブロアと、前記分岐管の中を流れる気体の流量を検出するフローセンサと、前記分岐管の中の圧力を検出する圧力センサと、前記第1ブロア、前記第2ブロア、前記フローセンサ及び前記圧力センサと電気的に接続される制御装置と、を備え、前記制御装置は、吸気期間の少なくとも一部の期間で前記分岐管を加圧すると共に被験者の基準換気量を算出し、前記制御装置は、前記基準換気量を算出した後、吸気期間の少なくとも一部の期間で前記分岐管を加圧し、前記基準換気量に対する呼気量の比が所定値になった時から前記分岐管を減圧する。
【0007】
これにより、吸気期間に分岐管が加圧されることで被験者の呼吸が安定しやすくなる。その結果、算出される基準換気量の精度が向上する。基準換気量に対する呼気量の比が所定値になった時に分岐管を減圧することで、フローボリューム曲線に二峰性のピークが生じにくくなる。したがって、呼吸機能検査装置は、診断指標として用いることのできるデータの取得を容易にする。
【0008】
呼吸機能検査装置の望ましい態様として、前記制御装置は、呼気量が前記基準換気量に等しくなった時に前記分岐管の減圧を停止することが望ましい。
【0009】
これにより、被験者が次の呼吸をしやすいので、呼吸が乱れにくくなる。呼吸機能検査装置は、複数のフローボリューム曲線を得るための連続的な測定を容易にする。
【0010】
呼吸機能検査装置の望ましい態様として、被験者の少なくとも口に接続される主管、開放された開口部を有し且つ前記主管に繋がる第1補助管、及び前記第1補助管に繋がる第2補助管を備える前記分岐管と、前記第1補助管に設けられる第1弁体と、前記第2補助管に設けられる第2弁体と、前記第2補助管と前記主管との間の流れを遮断する開放位置、及び前記開口部と前記主管との間の流れを遮断する閉鎖位置に前記第1弁体を移動させる第1アクチュエータと、前記第2ブロアと前記第1補助管との間の流れを遮断する減圧時位置、及び前記第1ブロアと前記第1補助管との間の流れを遮断する加圧時位置に前記第2弁体を移動させる第2アクチュエータと、を備え、前記制御装置は、前記第1アクチュエータ及び前記第2アクチュエータと電気的に接続されることが望ましい。
【0011】
仮に第1弁体及び第2弁体がない場合、分岐管に対する加圧と減圧の切替に時間を要する。このため、分岐管に対する加圧と減圧の切替のタイミングが理想のタイミングより遅れやすくなる。呼気期間に分岐管が加圧される状態又は吸気期間に分岐管が減圧される状態が生じやすいので、呼吸抵抗が増大する。また、第1ブロア及び第2ブロアとの間を短絡する空気量が増大する。このような問題が生じるのに対して本実施形態においては、第1弁体及び第2弁体の位置が制御されることで、分岐管に対する加圧と減圧の切替が速くなる。
【0012】
また本発明の第2の態様として、呼吸機能検査装置は、被験者の少なくとも口に接続される主管、開放された開口部を有し且つ前記主管に繋がる第1補助管、及び前記第1補助管に繋がる第2補助管を備える分岐管と、前記第2補助管の内部の空気を排出する第1ブロアと、前記第2補助管の内部に空気を供給する第2ブロアと、前記第1補助管に設けられる第1弁体と、前記第2補助管に設けられる第2弁体と、前記第2補助管と前記主管との間の流れを遮断する開放位置、及び前記開口部と前記主管との間の流れを遮断する閉鎖位置に前記第1弁体を移動させる第1アクチュエータと、前記第2ブロアと前記第1補助管との間の流れを遮断する減圧時位置、及び前記第1ブロアと前記第1補助管との間の流れを遮断する加圧時位置に前記第2弁体を移動させる第2アクチュエータと、前記分岐管の中を流れる気体の流量を検出するフローセンサと、前記分岐管の中の圧力を検出する圧力センサと、前記第1ブロア、前記第2ブロア、前記第1アクチュエータ、前記第2アクチュエータ、前記フローセンサ及び前記圧力センサと電気的に接続される制御装置と、を備え、吸気期間の少なくとも一部の期間において、前記第2ブロアが駆動し、前記第1弁体が前記閉鎖位置にあり、前記第2弁体が前記加圧時位置にあり、呼気期間のうち呼気の開始時を含む一部の期間において、前記第1弁体が前記開放位置にあり、呼気期間のうち他の期間において、前記第1ブロアが駆動し、前記第1弁体が前記閉鎖位置にあり、前記第2弁体が前記減圧時位置にある。
【0013】
これにより、吸気が補助されるので呼吸が安定しやすい。また、呼気の開始時から分岐管が減圧されるまでの間に自然呼吸が行われるので、減圧による呼気の乱れが生じにくい。このため、フローボリューム曲線に二峰性のピークが生じにくくなる。したがって、呼吸機能検査装置は、診断指標として用いることのできるデータの取得を容易にする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、診断指標として用いることのできるデータの取得を容易にする呼吸機能検査装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、本実施形態に係る呼吸機能検査装置の模式図である。
図2図2は、本実施形態に係る制御装置のブロック図である。
図3図3は、本実施形態に係る制御装置が行う処理を示すフローチャートである。
図4図4は、吸気期間における第1弁体及び第2弁体の配置を示す模式図である。
図5図5は、積算流量及び分岐管に加えられる圧力の推移を示すグラフである。
図6図6は、呼気期間における第1弁体及び第2弁体の配置を示す模式図である。
図7図7は、基準換気量の算出方法を説明するためのグラフである。
図8図8は、吸気量が基準換気量に達した後の第1弁体及び第2弁体の配置を示す模式図である。
図9図9は、基準換気量に対する呼気量の比が所定値以上となった時の第1弁体及び第2弁体の配置を示す模式図である。
図10図10は、積算流量及び分岐管から減じられる圧力の推移を示すグラフである。
図11図11は、本実施形態におけるフローボリューム曲線の一例を示すグラフである。
図12図12は、第1比較例における積算流量及び分岐管に加えられる圧力の推移を示すグラフである。
図13図13は、第2比較例における積算流量及び分岐管から減じられる圧力の推移を示すグラフである。
図14図14は、第3比較例におけるフローボリューム曲線の一例を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。
【0017】
図1は、本実施形態に係る呼吸機能検査装置の模式図である。本実施形態に係る呼吸機能検査装置100は、例えばCOPDの診断指標を取得するために用いられる。図1に示すように呼吸機能検査装置100は、分岐管1と、マスク2と、第1ブロア71と、第2ブロア72と、第1弁体51と、第1アクチュエータ61と、第2弁体52と、第2アクチュエータ62と、フローセンサ81と、圧力センサ82と、入力装置95と、出力装置96と、制御装置9と、を備える。
【0018】
分岐管1は、被験者の口及び鼻に接続される部材である。分岐管1は、主管10と、第1補助管11と、第2補助管12と、を備える。主管10がマスク2を介して被験者の口及び鼻に接続される。主管10の一端にマスク2が取り付けられている。マスク2は被験者の口及び鼻を覆う。主管10の他端は第1補助管11に連結されている。
【0019】
第1補助管11は、開口部110と、閉鎖時ストッパー11aと、開放時ストッパー11bと、を備える。開口部110は、第1補助管11の一端に配置され、大気に開放されている。第1補助管11の他端は第2補助管12に連結される。主管10は、第2補助管12と開口部110との間の位置で第1補助管11に連結されている。閉鎖時ストッパー11a及び開放時ストッパー11bは、第1補助管11の内周面に設けられた環状の突起である。閉鎖時ストッパー11aは、開放時ストッパー11bに対して開口部110側に配置される。
【0020】
第2補助管12は、第1ブロア71及び第2ブロア72に連結される。第1ブロア71と第2補助管12との接続部は、第1補助管11に対して、第2ブロア72と第2補助管12との接続部とは反対側に位置する。第2補助管12は、加圧時ストッパー12aと、減圧時ストッパー12bと、を備える。加圧時ストッパー12a及び減圧時ストッパー12bは、第2補助管12の内周面に設けられた環状の突起である。加圧時ストッパー12aは、減圧時ストッパー12bに対して第1ブロア71側に配置される。
【0021】
第1ブロア71は、分岐管1の内部の空気を排出する装置である。第1ブロア71は、第2補助管12に接続される。第1ブロア71は、第2補助管12の内部の空気を分岐管1の外部に送る。第1ブロア71は分岐管1を減圧する。
【0022】
第2ブロア72は、分岐管1の内部に空気を供給するための装置である。第2ブロア72は、第2補助管12に接続される。第2ブロア72は、分岐管1の外部の空気を第2補助管12の内部に送る。第2ブロア72は分岐管1を加圧する。
【0023】
第1弁体51は、第1補助管11の内部に配置される。第1弁体51は、第1補助管11の内周面に接するシール部材を含む。シール部材は、例えば合成ゴムで形成されたVリングである。
【0024】
第1アクチュエータ61は、第1弁体51を移動させるための装置である。第1アクチュエータ61は、電動モータを備え、電動モータの回転運動を直動運動に変換する。第1アクチュエータ61は、第1弁体51を第1補助管11の軸方向に沿って移動させる。第1アクチュエータ61は、第1弁体51を開放位置及び閉鎖位置に移動させる。第1弁体51が開放位置にある時、第1弁体51は開放時ストッパー11bに接する。これにより、第1弁体51が第2補助管12と主管10との間の流れを遮断する。第1弁体51が閉鎖位置にある時、第1弁体51は閉鎖時ストッパー11aに接する。これにより、第1弁体51が開口部110と主管10との間の流れを遮断する。
【0025】
第2弁体52は、第2補助管12の内部に配置される。第2弁体52は、第2補助管12の内周面に接するシール部材を含む。シール部材は、例えば合成ゴムで形成されたVリングである。
【0026】
第2アクチュエータ62は、第2弁体52を移動させる装置である。第2アクチュエータ62は、電動モータを備え、電動モータの回転運動を直動運動に変換する。第2アクチュエータ62は、第2弁体52を第2補助管12の軸方向に沿って移動させる。第2アクチュエータ62は、第2弁体52を減圧時位置及び加圧時位置に移動させる。第2弁体52が減圧時位置にある時、第2弁体52は減圧時ストッパー12bに接する。これにより、第2弁体52が第2ブロア72と第1補助管11との間の流れを遮断する。第2弁体52が加圧時位置にある時、第2弁体52は加圧時ストッパー12aに接する。これにより、第2弁体52が第1ブロア71と第1補助管11との間の流れを遮断する。
【0027】
フローセンサ81は、分岐管1を流れる空気の流量を検出する装置である。フローセンサ81は、例えば差圧式である。フローセンサ81は、主管10の内部に設けられたオリフィス811の両側の圧力を取得する。フローセンサ81は、オリフィス811の両側の圧力差に基づいて主管10を流れる空気の流量を検出する。
【0028】
圧力センサ82は、分岐管1の内部の圧力を検出する装置である。圧力センサ82は、オリフィス811よりマスク2側の圧力と、大気圧とを取得する。圧力センサ82は、大気圧に対する、主管10の内部の相対的な圧力を検出する。圧力センサ82は、主管10の内部の圧力が大気圧より高い時に正(プラス)の値を出力する。圧力センサ82は、主管10の内部の圧力が大気圧より低い時に負(マイナス)の値を出力する。
【0029】
入力装置95は、制御装置9に情報を入力するための装置である。入力装置95は、例えばマウス及びキーボード等である。出力装置96は、制御装置9から受け取った情報が出力される装置である。出力装置96は、例えば液晶ディスプレイ等の表示装置である。
【0030】
制御装置9は、コンピュータである。制御装置9は、例えばCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)を備える。CPU、ROM及びRAMが連携することで、制御装置9の各機能が実現する。制御装置9は、第1ブロア71、第2ブロア72、第1アクチュエータ61、第2アクチュエータ62、フローセンサ81、圧力センサ82、入力装置95、及び出力装置96と電気的に接続されている。
【0031】
図2は、本実施形態に係る制御装置のブロック図である。図2に示すように、制御装置9は、第1測定部91と、第2測定部92と、を備える。第1測定部91は、被験者の安静時の基準換気量TVを測定する。第2測定部92は、呼気量と呼気の流速との関係を測定する。
【0032】
第1測定部91は、第1記憶部911と、第1制御部912と、換気量演算部913と、を備える。第1制御部912は、フローセンサ81及び圧力センサ82が検出した情報を所定時間毎に第1記憶部911に記憶させる。また、第1記憶部911は、吸気期間設定圧力及び設定加圧時間を記憶している。吸気期間設定圧力は、例えば4(cmH0)である。設定加圧時間は、例えば0.5(sec)である。吸気期間設定圧力及び設定加圧時間は入力装置95によって変更することができる。
【0033】
第1制御部912は、第1ブロア71、第2ブロア72、第1アクチュエータ61及び第2アクチュエータ62を制御する。第1制御部912は、フローセンサ81及び圧力センサ82が検出した情報から、吸気の開始時及び呼気の開始時を特定する。具体的には、第1制御部912は、圧力センサ82の検出した圧力の符号が正から負に変わった時を吸気の開始時と判定する。第1制御部912は、圧力センサ82の検出した圧力の符号が負から正に変わった時を呼気の開始時と判定する。
【0034】
換気量演算部913は、被験者の基準換気量TVを算出する。換気量演算部913は、第1制御部912と同様に吸気の開始時及び呼気の開始時を特定する。換気量演算部913は、フローセンサ81から得た流量を積算する。換気量演算部913は、吸気の開始時の積算流量を0とする。吸気期間において、換気量演算部913は、積算流量にフローセンサ81から得た流量を加算していく。呼気期間において、換気量演算部913は、積算流量からフローセンサ81から得た流量を減算していく。換気量演算部913は、1回の呼吸における吸気の開始時から呼気の開始時までの積算流量を、1回換気量として算出する。換気量演算部913は、安静時呼吸が行われている時の複数の1回換気量に基づいて基準換気量TVを算出する。
【0035】
第2測定部92は、第2記憶部921と、第2制御部922と、フローボリューム演算部923と、を備える。第2制御部922は、フローセンサ81及び圧力センサ82が検出した情報を所定時間毎に第2記憶部921に記憶させる。また、第2記憶部921は、吸気期間設定圧力、設定加圧時間、呼気期間設定圧力、圧力更新値、設定減圧回数及びトリガー値を記憶している。第2記憶部921が記憶する吸気期間設定圧力及び設定加圧時間は、第1記憶部911が記憶する吸気期間設定圧力及び設定加圧時間に等しい。呼気期間設定圧力は、例えば−3(cmH0)である。圧力更新値は、例えば−1(cmH0)である。設定減圧回数は、例えば10回である。トリガー値は、例えば0.25である。吸気期間設定圧力、設定加圧時間、呼気期間設定圧力、圧力更新値、設定減圧回数及びトリガー値は、入力装置95によって変更することができる。また、第2制御部922は、換気量演算部913が算出した基準換気量TVを取得する。
【0036】
第2制御部922は、第1ブロア71、第2ブロア72、第1アクチュエータ61及び第2アクチュエータ62を制御する。第2制御部922は、第2記憶部921が基準換気量TVを取得した後に処理を開始する。第2制御部922は、第2記憶部921から得た情報から、吸気の開始時及び呼気の開始時を特定する。具体的には、第2制御部922は、圧力センサ82の検出した圧力の符号が正から負に変わった時を吸気の開始時と判定する。第2制御部922は、フローセンサ81から得た流量を積算する。第2制御部922は、吸気の開始時における積算流量を0とする。第2制御部922は、積算流量が基準換気量TVと等しくなった時を呼気の開始時と判定する。吸気期間において、第2制御部922は、積算流量にフローセンサ81から得た流量を加算していく。呼気期間において、第2制御部922は、積算流量からフローセンサ81から得た流量を減算していく。また、第2制御部922は、第2記憶部921に記憶された基準換気量TV及びトリガー値の積を、トリガー呼気量Xとして算出する。
【0037】
フローボリューム演算部923は、主管10を流れる空気の積算流量及び流速を算出する。フローボリューム演算部923は、第2制御部922と同様に、吸気の開始時及び呼気の開始時を特定し、フローセンサ81から得た流量を積算する。また、フローボリューム演算部923は、フローセンサ81から得た流量を主管10の流路面積で除して流速を算出する。フローボリューム演算部923は、積算流量と流速との関係を示したグラフであるフローボリューム曲線を出力する。
【0038】
図3は、本実施形態に係る制御装置が行う処理を示すフローチャートである。図4は、吸気期間における第1弁体及び第2弁体の配置を示す模式図である。図5は、積算流量及び分岐管に加えられる圧力の推移を示すグラフである。図6は、呼気期間における第1弁体及び第2弁体の配置を示す模式図である。図7は、基準換気量の算出方法を説明するためのグラフである。図8は、吸気量が基準換気量に達した後の第1弁体及び第2弁体の配置を示す模式図である。図9は、基準換気量に対する呼気量の比が所定値以上となった時の第1弁体及び第2弁体の配置を示す模式図である。図10は、積算流量及び分岐管から減じられる圧力の推移を示すグラフである。図11は、本実施形態におけるフローボリューム曲線の一例を示すグラフである。
【0039】
制御装置9は、入力装置95に設けられたスタートボタン等が押されることで処理を開始する。図3に示すように、制御装置9は、まず吸気期間に分岐管1を加圧する(ステップS1)。言い換えると、制御装置9は、吸気期間に分岐管1を陽圧にする。
【0040】
ステップS1において、第1制御部912は、吸気の開始時に第2ブロア72を駆動させる。また第1制御部912は、吸気の開始時に図4に示すように第1弁体51を閉鎖位置に移動させ、第2弁体52を加圧時位置に移動させる。これにより、図5に示すように吸気期間設定圧力が分岐管1に加わる。吸気期間において被験者の口及び鼻に加わる圧力が大気圧より高くなる。このため吸気が補助される。
【0041】
第1制御部912は、吸気の開始時からの経過時間が第1記憶部911に記憶された設定加圧時間に達すると第2ブロア72を停止し、図6に示すように第1弁体51を開放位置に移動させる。これにより、被験者の口及び鼻に大気圧が加わる。被験者は自然呼吸をする。次の吸気の開始時まで、第2ブロア72は停止したままであり、第1弁体51は開放位置のままである。
【0042】
次に、制御装置9は、被験者の呼吸が安定しない場合(図3のステップS2、No)、ステップS1を継続する。制御装置9は、被験者の呼吸が安定した場合(図3のステップS2、Yes)、基準換気量TVを算出する(図3のステップS3)。
【0043】
ステップS2において、換気量演算部913は、例えば複数回の呼吸において1回換気量のばらつきが所定値以下になった時点以降の呼吸を安静時呼吸と判定する。なお、換気量演算部913は、複数回の呼吸における1回換気量のばらつきに基づいて、第1記憶部911が記憶する吸気期間設定圧力を変化させてもよい。
【0044】
ステップS3において、換気量演算部913は、所定回数の呼吸についてフローセンサ81から得た流量を積算する。所定回数は例えば3回である。図7に示すように換気量演算部913は、吸気開始時の積算流量RI1、積算流量RI2及び積算流量RI3の平均として、推定安静吸気位RIを算出する。換気量演算部913は、呼気開始時の積算流量RE1、積算流量RE2及び積算流量RE3の平均として、推定安静呼気位REを算出する。換気量演算部913は、推定安静吸気位RIと推定安静呼気位REとの差(推定安静吸気位RI−推定安静呼気位RE)を基準換気量TVとして算出する。
【0045】
次に制御装置9は、吸気期間に分岐管1を加圧する(図3のステップS4)。言い換えると、制御装置9は、吸気期間に分岐管1を陽圧にする。
【0046】
ステップS4においては、第2制御部922は、吸気の開始時において第1ブロア71を停止させ、第2ブロア72を駆動させる。また第2制御部922は、吸気の開始時に図4に示すように第1弁体51を閉鎖位置に移動させ、第2弁体52を加圧時位置に移動させる。これにより、図5に示すように吸気期間設定圧力が分岐管1に加わる。吸気期間において被験者の口及び鼻に加わる圧力が大気圧より高くなる。このため吸気が補助される。
【0047】
第2制御部922は、吸気の開始時からの経過時間が第2記憶部921に記憶された設定加圧時間に達すると第2ブロア72を停止し、図8に示すように第1弁体51を開放位置に移動させる。これにより、被験者の口及び鼻に大気圧が加わる。被験者は自然呼吸をする。さらに、第2制御部922は、呼気量がトリガー呼気量Xに達するまでに、図8に示すように第2弁体52を減圧時位置に移動させる。呼気量とは、呼気の開始時(積算流量が基準換気量TVに達した時)を0とした場合の積算流量の絶対値である。
【0048】
次に制御装置9は、基準換気量TVに対する呼気量の比がトリガー値に達した時に分岐管1を減圧する(図3のステップS5)。言い換えると、制御装置9は、呼気の開始時から所定時間後に分岐管1を陰圧にする。
【0049】
ステップS5において、第2制御部922は、第1ブロア71を駆動させ、第2ブロア72を停止させる。また第2制御部922は、呼気量がトリガー呼気量Xに達した時、図9に示すように第1弁体51を閉鎖位置に移動させる。これにより、図10に示すように分岐管1が呼気期間設定圧力だけ減圧される。呼気期間において被験者の口及び鼻に加わる圧力が大気圧より低くなる。このため呼気が補助される。
【0050】
次に制御装置9は、呼気量が基準換気量TVに達したら分岐管1の減圧を解除する(図3のステップS6)。
【0051】
ステップS6において、第2制御部922は、第1ブロア71を停止させ、図8に示すように第1弁体51を開放位置に移動させる。これにより、被験者の口及び鼻に大気圧が加わる。呼気量が基準換気量TVに達した時とは、被験者の肺の中にある空気の容量が機能的残気量(Functional Residual Capacity(FRC))になった時に相当する。
【0052】
次に制御装置9は、出力装置96にフローボリューム曲線を表示させる(図3のステップS7)。
【0053】
ステップS7において、フローボリューム演算部923は、ステップS4からステップS6までに記憶した積算流量及び流速に基づいてフローボリューム曲線(図11参照)を作成する。フローボリューム曲線は、積算流量と流速との関係を示したグラフである。図11において、実線がフローボリューム曲線を示し、下側の一点鎖線が吸気期間の分岐管1の圧力を示し、上側の一点鎖線が呼気期間の分岐管1の圧力を示す。フローボリューム演算部923は、フローボリューム曲線を出力装置96に表示させる。
【0054】
図11に示すフローボリューム曲線においては、横軸の左に向かうほど積算流量が大きくなり、横軸の右に向かうほど積算流量が小さくなる。すなわち、横軸の左に向かうほど被験者の肺にある空気量が多くなり、横軸の右に向かうほど被験者の肺にある空気量が少なくなる。縦軸の上に向かうほど呼気の流速及び分岐管1から減じられる圧力が大きくなる。縦軸の下に向かうほど吸気の流速及び分岐管1に加えられる圧力が大きくなる。
【0055】
次に制御装置9は、分岐管1を減圧した回数が設定減圧回数に達していない場合(図3のステップS8、No)、呼気期間設定圧力を更新する(図3のステップS9)。制御装置9は、分岐管1を減圧した回数が設定減圧回数に達した場合(図3のステップS8、Yes)、処理を終える。
【0056】
ステップS9において、第2記憶部921は、呼気期間設定圧力を更新する。第2記憶部921は、前回の呼気期間設定圧力に圧力更新値を加えた値を次の呼気期間設定圧力として記憶する。2回目の呼気期間設定圧力は−4(cmH0)である。設定減圧回数が10回なので、最終回の呼気期間設定圧力は−13(cmH0)である。2回目以降のステップS7においては、複数のフローボリューム曲線が重ねて表示される。フローボリューム演算部923は、1回の呼吸毎に積算流量をリセットする(0に設定する)。このため、複数のフローボリューム曲線において、始点は、積算流量及び流速が0である点で一定である。医師は、呼気期間のフローボリューム曲線の形状をCOPDの診断指標として用いる。
【0057】
図12は、第1比較例における積算流量及び分岐管に加えられる圧力の推移を示すグラフである。図13は、第2比較例における積算流量及び分岐管から減じられる圧力の推移を示すグラフである。図14は、第3比較例におけるフローボリューム曲線の一例を示すグラフである。
【0058】
第1比較例においては、吸気期間において分岐管1が加圧されない。吸気期間に分岐管1が加圧されない場合、図12に示すように呼吸が安定しにくい。このため、被験者が再現性の高い呼吸をできるようになるまでに時間を要する。また、仮に呼吸のばらつきが小さくなったとしても基準換気量TVの精度が低くなる。
【0059】
これに対して、本実施形態においては図5に示したように、吸気期間に分岐管1が加圧される。人の呼吸においては、吸気期間に呼吸筋(主に横隔膜)が緊張し、呼気期間に呼吸筋が弛緩する。呼吸筋が緊張する吸気期間に分岐管1が加圧されると、被験者は楽に吸気できる。肺に向かって流れる空気の流れが速くなるので、吸気に要する時間が短くなる。呼吸にリズムが生じやすくなるので、図5に示すように呼吸が安定しやすい。その結果、本実施形態においては、被験者が再現性の高い呼吸をできるようになるまでの時間を短縮できる。また、基準換気量TVの精度が高くなる。
【0060】
第2比較例においては、図13に示すように呼気が終了するまで分岐管1が減圧される。呼気が終了するまで分岐管1が減圧されると、被験者が次の呼吸をしにくくなる。分岐管1を減圧した後の被験者の呼吸が乱れやすくなる。このため、複数のフローボリューム曲線を得るための連続的な測定が難しい。1つのフローボリューム曲線を得る毎に被験者が検査装置から離れる必要がある。
【0061】
これに対して、本実施形態においては図10に示したように、呼気量が基準換気量TVと等しくなった時に分岐管1の減圧が終了する。このため、被験者が次の呼吸をしやすいので、呼吸が乱れにくい。このため、複数のフローボリューム曲線を得るための連続的な測定が容易である。
【0062】
第3比較例においては、図14に示すように吸気量が基準換気量TVに達すると同時に、分岐管1が減圧される。このように呼気の開始と同時に分岐管1が減圧されると、被験者の反射により呼気が乱れる。例えば、フローボリューム曲線に図14に示すような二峰性のピークを生じることがある。図14に示すような二峰性のピークを生じたフローボリューム曲線は、COPDの評価に用いることができない。
【0063】
これに対して、本実施形態においては図10に示したように、基準換気量TVに対する呼気量の比がトリガー値に達した時に分岐管1が減圧される。これにより、図14に示すような二峰性のピークが生じにくくなる。本実施形態に係る呼吸機能検査装置100によれば、診断指標として用いることのできるデータの取得が容易になる。なお、安定的な呼吸が行われている場合でも、被験者の一回換気量が基準換気量TVに対して、最大で基準換気量TVの20%程度ずれる可能性がある。このため、トリガー値は、0.25以上であることが望ましい。これにより、呼気がより乱れにくくなる。
【0064】
なお、呼吸機能検査装置100は、必ずしもマスク2を備えていなくてもよい。例えば、呼吸機能検査装置100は、口及び鼻を覆うマスク2に代えて、口で咥えられる管状のマウスピースであってもよい。ただし、呼吸機能検査装置100がマスク2を備える方が被験者の負担を軽減できるため好ましい。
【0065】
以上で説明したように、呼吸機能検査装置100は、分岐管1と、第1ブロア71と、第2ブロア72と、フローセンサ81と、圧力センサ82と、制御装置9と、を備える。分岐管1は、被験者の少なくとも口に接続される。第1ブロア71は、分岐管1の内部の空気を排出する。第2ブロア72は、分岐管1の内部に空気を供給する。フローセンサ81は、分岐管1の中を流れる気体の流量を検出する。圧力センサ82は、分岐管1の中の圧力を検出する。制御装置9は、第1ブロア71、第2ブロア72、フローセンサ81及び圧力センサ82と電気的に接続される。制御装置9は、吸気期間の少なくとも一部の期間で分岐管1を加圧すると共に被験者の基準換気量TVを算出する。制御装置9は、基準換気量TVを算出した後、吸気期間の少なくとも一部の期間で分岐管1を加圧し、基準換気量TVに対する呼気量の比が所定値(トリガー値)になった時から分岐管1を減圧する。
【0066】
これにより、吸気期間に分岐管1が加圧されることで被験者の呼吸が安定しやすくなる。その結果、算出される基準換気量TVの精度が向上する。基準換気量TVに対する呼気量の比が所定値になった時に分岐管1を減圧することで、フローボリューム曲線に二峰性のピークが生じにくくなる。したがって、呼吸機能検査装置100は、診断指標として用いることのできるデータの取得を容易にする。
【0067】
また呼吸機能検査装置100において、制御装置9は、呼気量が基準換気量TVに等しくなった時に分岐管1の減圧を停止する。
【0068】
これにより、被験者が次の呼吸をしやすいので、呼吸が乱れにくくなる。呼吸機能検査装置100は、複数のフローボリューム曲線を得るための連続的な測定を容易にする。
【0069】
また呼吸機能検査装置100は、第1弁体51と、第2弁体52と、第1アクチュエータ61と、第2アクチュエータ62と、を備える。分岐管1は、被験者の少なくとも口に接続される主管10、開放された開口部110を有し且つ主管10に繋がる第1補助管11、及び第1補助管11に繋がる第2補助管12を備える。第1弁体51は、第1補助管11に設けられる。第2弁体52は、第2補助管12に設けられる。第1アクチュエータ61は、第2補助管12と主管10との間の流れを遮断する開放位置、及び開口部110と主管10との間の流れを遮断する閉鎖位置に第1弁体51を移動させる。第2アクチュエータ62は、第2ブロア72と第1補助管11との間の流れを遮断する減圧時位置、及び第1ブロア71と第1補助管11との間の流れを遮断する加圧時位置に第2弁体52を移動させる。制御装置9は、第1アクチュエータ61及び第2アクチュエータ62と電気的に接続される。
【0070】
仮に第1弁体51及び第2弁体52がない場合、分岐管1に対する加圧と減圧の切替に時間を要する。このため、分岐管1に対する加圧と減圧の切替のタイミングが理想のタイミングより遅れやすくなる。呼気期間に分岐管1が加圧される状態又は吸気期間に分岐管1が減圧される状態が生じやすいので、呼吸抵抗が増大する。また、第1ブロア71及び第2ブロア72との間を短絡する空気量が増大する。このような問題が生じるのに対して本実施形態においては、第1弁体51及び第2弁体52の位置が制御されることで、分岐管1に対する加圧と減圧の切替が速くなる。
【0071】
また呼吸機能検査装置100については以下のように言い換えることもできる。すなわち、呼吸機能検査装置100は、分岐管1と、第1ブロア71と、第2ブロア72と、第1弁体51と、第2弁体52と、第1アクチュエータ61と、第2アクチュエータ62と、フローセンサ81と、圧力センサ82と、制御装置9と、を備える。分岐管1は、被験者の少なくとも口に接続される主管10、開放された開口部110を有し且つ主管10に繋がる第1補助管11、及び第1補助管11に繋がる第2補助管12を備える。第1ブロア71は、分岐管1の内部の空気を排出する。第2ブロア72は、分岐管1の内部に空気を供給する。第1弁体51は、第1補助管11に設けられる。第2弁体52は、第2補助管12に設けられる。第1アクチュエータ61は、第2補助管12と主管10との間の流れを遮断する開放位置、及び開口部110と主管10との間の流れを遮断する閉鎖位置に第1弁体51を移動させる。第2アクチュエータ62は、第2ブロア72と第1補助管11との間の流れを遮断する減圧時位置、及び第1ブロア71と第1補助管11との間の流れを遮断する加圧時位置に第2弁体52を移動させる。フローセンサ81は、分岐管1の中を流れる気体の流量を検出する。圧力センサ82は、分岐管1の中の圧力を検出する。制御装置9は、第1ブロア71、第2ブロア72、第1アクチュエータ61、第2アクチュエータ62、フローセンサ81及び圧力センサ82と電気的に接続される。吸気期間の少なくとも一部の期間において、第2ブロア72が駆動し、第1弁体51が閉鎖位置にあり、第2弁体52が加圧時位置にある。呼気期間のうち呼気の開始時を含む一部の期間において、第1弁体51が開放位置にある。呼気期間のうち他の期間において、第1ブロア71が駆動し、第1弁体51が閉鎖位置にあり、第2弁体52が減圧時位置にある。
【0072】
これにより、吸気が補助されるので呼吸が安定しやすい。また、呼気の開始時から分岐管1が減圧されるまでの間に自然呼吸が行われるので、減圧による呼気の乱れが生じにくい。このため、フローボリューム曲線に二峰性のピークが生じにくくなる。したがって、呼吸機能検査装置100は、診断指標として用いることのできるデータの取得を容易にする。
【符号の説明】
【0073】
1 分岐管
10 主管
11 第1補助管
110 開口部
11a 閉鎖時ストッパー
11b 開放時ストッパー
12 第2補助管
12a 加圧時ストッパー
12b 減圧時ストッパー
100 呼吸機能検査装置
2 マスク
51 第1弁体
52 第2弁体
61 第1アクチュエータ
62 第2アクチュエータ
71 第1ブロア
72 第2ブロア
81 フローセンサ
82 圧力センサ
9 制御装置
95 入力装置
96 出力装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14