(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記側版構築ユニットが、前記第一の側版形成部材の下端縁及び前記第二の側版形成部材の下端縁を同じ水平位置に設定したものである請求項1乃至4の何れか一項に記載のボックスカルバートの構築方法。
前記第一、第二の側版形成部材の双方又は何れか一方が、前記現場打ちコンクリート配設空間内に片持ち的に突出した補強鋼材を備えている請求項1乃至4の何れか一項に記載のボックスカルバートの構築方法。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の一実施形態を、
図1〜12、及び、
図21を参照して説明する。なお、
図1は、大型のハーフプレキャストボックスカルバートAの全体概要を示す斜視図である。また、
図2〜6は、側版構築ユニットである第一の側版構築ユニットHを説明するための図である。
図6〜12、及び、
図21は、ハーフプレキャストボックスカルバートAの構築方法を説明するための図である。なお、
図13〜20は、他の実施形態を示すものであるが、
図1〜12、及び、
図21に示される実施形態を補足するために適宜参照して説明する。
【0021】
この実施形態における大型のハーフプレキャストボックスカルバートAは、プレキャストコンクリート製の部材(すなわち、隅角部ブロックF、外空側及び内空側の側版形成部材1、2、5、6、及び、頂版構成ブロックL)と現場打ちコンクリートを打設することにより構成された部分(すなわち、現場打ち底版構成部G、第一、第二の現場打ち側版構成部I、K、及び、現場打ち頂版構成部M)とを併用してなるものである。
【0022】
なお、以下の説明において、ハーフプレキャストボックスカルバートAを、単に「ボックスカルバートA」と称することとする。
【0023】
ボックスカルバートAは、
図1に示すように、基礎Eの上に設けられた底版Bと、底版Bの両端部に立設された左右の側版Cと、左右の側版Cの上端部間に架設された頂版Dとを備えたものである。
【0024】
<<底版B>>
底版Bは、ボックスカルバートAの左右の角部に位置するように左右に間隔をあけて配設されたプレキャストコンクリート製の左右の隅角部ブロックFと、左右の隅角部ブロックFの間に現場打ちコンクリートを打設することにより形成された現場打ち底版構成部Gとを備えている。
【0025】
<隅角部ブロックF>
左右の隅角部ブロックFは、正面視において略L字状をなしている。左右の隅角部ブロックFは、ボックスカルバートAの内部空間Pが連通する方向(以下、「前後方向」という。)に複数配列されている。そして、前後方向に複数配列された左右の隅角部ブロックFは、図示しない連結手段により強固に連結されている。
【0026】
なお、前後方向に隣り合う隅角部ブロックF同士を連結する連結手段は、どのようなものであってもよい。連結手段としては、例えば、隅角部ブロックF内にモルタル充填式鉄筋継手を設け、一方側から突設させた鉄筋を他方に設けたモルタル充填式鉄筋継手に挿通し、その後、無収縮モルタルにより固定する態様を挙げることができる。これ以外にも、前後方向に隣り合う隅角部ブロックF同士の連結手段としては、例えば、連結ボルト及びナットを適宜使用して前後方向に隣り合う隅角部ブロックF同士を連結する態様や、PC鋼材(PC鋼棒やPC鋼より線)を用いて緊締する態様などを挙げることができる。
【0027】
<現場打ち底版構成部G>
現場打ち底版構成部Gは、左右の隅角部ブロックF間に形成された底版用の現場打ちコンクリート配設空間SBに現場打ちコンクリートを打設することにより形成されるものである。なお、底版用の現場打ちコンクリート配設空間SBには、予め、鉄筋が配設されている。
【0028】
なお、
図17に示すように、左右の隅角部ブロックFからは、現場打ちコンクリート配設空間SBに向かって複数の鉄筋f2が突設されており、現場打ち底版構成部Gとの一体化が図られている。
【0029】
<<側版C>>
左右の側版Cは、左右の隅角部ブロックFの上に取り付けられた側版構築ユニットである第一の側版構築ユニットHと、第一の側版構築ユニットHの上に取り付けられた側版構築ユニットである第二の側版構築ユニットJと、第一、第二の側版構築ユニットH、Jに設けられた現場打ちコンクリート配設空間である第一、第二の現場打ちコンクリート配設空間R1、R2に現場打ちコンクリートを打設することにより形成された現場打ち側版構成部である第一、第二の現場打ち側版構成部I、Kとを備えてなるものである。
【0030】
<第一の側版構築ユニットH>
第一の側版構築ユニットHは、ボックスカルバートAが構築される現場とは異なる場所(例えば、プレキャストコンクリート製の部材が製造される工場など)において、予め作られるものである。そして、第一の側版構築ユニットHは、纏まりある態様すなわちユニット化された態様で、ボックスカルバートAが構築される現場に搬送されるとともに据え付けされ得るものとなっている。
【0031】
図2に示すように、第一の側版構築ユニットHは、ボックスカルバートAの外空側に位置するプレキャストコンクリート製である第一の側版形成部材たる外空側の側版形成部材1と、ボックスカルバートAの内空側に位置するプレキャストコンクリート製である第二の側版形成部材たる内空側の側版形成部材2と、外空側の側版形成部材1と内空側の側版形成部材2との間に第一の現場打ちコンクリート配設空間R1を形成した状態で外空側の側版形成部材1及び内空側の側版形成部材2とをそれぞれ相互に支持する支持部材たる複数の鉄筋3とを備えている。
【0032】
第一の側版構築ユニットHは、外空側の側版形成部材1と、外空側の側版形成部材1に離間して配された内空側の側版形成部材2とを、それぞれ複数の鉄筋3により支持させてなるものである。つまり、第一の側版構築ユニットHは、外空側及び内空側の側版形成部材1、2を、複数の鉄筋3により繋ぎユニット化させたものである。換言すれば、第一の側版構築ユニットHは、外空側の側版形成部材1、内空側の側版形成部材2、及び複数の鉄筋3を一体的に移動させ得るように構成されたものである。
【0033】
外空側の側版形成部材1は、板状をなしたものである。外空側の側版形成部材1は、ボックスカルバートAの外空側すなわち第一の現場打ちコンクリート配設空間R1の外側に位置している。外空側の側版形成部材1の内部には、水平方向に延びる態様で鉄筋により構成された複数の内部配力筋11が設けられている。内部配力筋11の端部は、第一の現場打ちコンクリート配設空間R1内に突出させてある。外空側の側版形成部材1には、所定の箇所に上下方向に延びる複数の鉄筋12が設けられている。
【0034】
内空側の側版形成部材2は、板状をなしたものである。内空側の側版形成部材2は、ボックスカルバートAの内空側すなわち第一の現場打ちコンクリート配設空間R1の内側に位置している。内空側の側版形成部材2の内部には、水平方向に延びる態様で鉄筋により構成された複数の内部配力筋21が設けられている。内部配力筋21の端部は、第一の現場打ちコンクリート配設空間R1内に突出させてある。内空側の側版形成部材2には、所定の箇所に上下方向に延びる複数の鉄筋22が設けられている。内空側の側版形成部材2には、当該内空側の側版形成部材2の板厚方向に貫通する複数の鉄筋挿通孔23が形成されている。また、内空側の側版形成部材2の外面側(内部空間Pを向く側)における鉄筋挿通孔23に連続する位置には、外ナットn2の取付座が形成された凹陥部24が設けられている。
【0035】
なお、第一の側版構築ユニットHにおける外空側及び内空側の側版形成部材1、2は、略同じ大きさに設定されている。また、外空側及び内空側の側版形成部材1、2は、それぞれ起立した姿勢をなしており、且つ、互いに略平行をなすように配設されている。外空側及び内空側の側版形成部材1、2は、下端縁1e、2eを同じ水平位置に設定したものである。換言すれば、外空側及び内空側の側版形成部材1、2の下端縁1e、2eは同じ高さ位置に設定されている。
【0036】
第一の現場打ちコンクリート配設空間R1は、外空側及び内空側の側版形成部材1、2の間に形成されている。換言すれば、第一の側版構築ユニットHは、上下方向及び前後方向に連通した第一の現場打ちコンクリート配設空間R1を形成している。
【0037】
図5、6に示すように、支持部材たる複数の鉄筋3は、外空側の側版形成部材1と内空側の側版形成部材2とを離間した状態で相互に支持し得るものである。複数の鉄筋3の端部31は、外空側の側版形成部材1に対して移動不能に埋設されている。一方で、複数の鉄筋3の端部32には、ねじ溝321が形成されている。そして、複数の鉄筋3の端部32は、内空側の側版形成部材2に設けられた複数の鉄筋挿通孔23内に挿通された状態で、内ナットn1、及び、外ナットn2により所定の位置に取り付けられている。つまり、複数の鉄筋3は、内空側の側版形成部材2に対して取付位置を調整可能に構成されている。換言すれば、第一の側版構築ユニットHは、外空側及び内空側の側版形成部材1、2同士の離間距離を変更し得るように複数の鉄筋3に支持させたものである。
【0038】
なお、
図8、9に示すように、隅角部ブロックFと第一の側版構築ユニットHとは、図示しない連結手段により強固に連結されている。上下方向に隣り合う隅角部ブロックFと第一の側版構築ユニットHとの連結手段はどのようなものであってもよい。連結手段としては、例えば、
図17に示すように、第一の側版構築ユニットHにおける外空側及び内空側の側版形成部材1、2の下端部にモルタル充填式鉄筋継手ttを設け、そのモルタル充填式鉄筋継手ttに隅角部ブロックFから上方に向けて突設させた鉄筋f3を挿通し、その後、無収縮モルタルをモルタル充填式鉄筋継手tt内に流し込むことにより固定する態様を挙げることができる。上下方向に隣り合う隅角部ブロックFと第一の側版構築ユニットHとの他の連結手段としては、例えば、連結ボルト及びナットを適宜使用して隅角部ブロックFと第一の側版構築ユニットHとを連結する態様や、PC鋼材(PC鋼棒やPC鋼より線)を用いて緊締する態様などを挙げることができる。
【0039】
<第一の現場打ち側版構成部I>
第一の現場打ち側版構成部Iは、第一の側版構築ユニットHに形成された第一の現場打ちコンクリート配設空間R1に現場打ちコンクリートを打設することにより形成されるものである。
【0040】
なお、
図12に示すように、第一の現場打ちコンクリート配設空間R1には、現場打ちコンクリートが打設される前に、前後方向に連設された外空側及び内空側の側版形成部材1、2に沿って水平方向に延びた外部配力筋4a、4bが配設される。
【0041】
外空側の側版形成部材1に沿わせた外部配力筋4aは、前後方向に配設され、第一の現場打ちコンクリート配設空間R1内に突出した内部配力筋11の端部111に所定の方法で支持される。内空側の側版形成部材2に沿わせた外部配力筋4bは、前後方向に連設された第一の側版構築ユニットHにおいて第一の現場打ちコンクリート配設空間R1内に突出した内部配力筋21の端部211に所定の方法で支持される。外部配力筋4a、4bが所定の位置にセットされた後に、第一の現場打ちコンクリート配設空間R1内に現場打ちコンクリートが打設され、第一の現場打ち側版構成部Iが作られることになる。
【0042】
ところで、外部配力筋4a、4bは、それぞれ外空側及び内空側の側版形成部材1、2に沿うように所定の位置に配設されるものであればよい。このため、上述したような内部配力筋11、12に接続する態様をとるものでなくても構わない。
【0043】
例えば、
図20の例に示すように、外空側及び内空側の側版形成部材1、2の第一の現場打ちコンクリート配設空間R1又は第二の現場打ちコンクリート配設空間R2にそれぞれ外部配力筋4a、4bを少なくとも下側から支持し得る支持手段shを設けるようにしてもよい。
図20に示す支持手段shは、第一の現場打ちコンクリート配設空間R1に向かってL字状に突出したフックである。支持手段shは外部配力筋4a、4bを支持可能なものであればよく、例えば、第一の現場打ちコンクリート配設空間R1に向かって斜めに突出したフック状のものであってもよい。
【0044】
外部配力筋4a、4bに、上記したような支持手段shを用いるものであれば、作業員による仮止め作業等が不要となるので、外空側及び内空側の側版形成部材1、2に沿った所定の位置に、外部配力筋4a、4bを比較的簡単にセットすることが可能となる。
【0045】
例えば、外部配力筋4a、4bを妻側(小口側)すなわち正面側又は背面側から挿入し、当該外部配力筋4a、4bを支持手段sh上に載せ置くようにすれば、第一の現場打ちコンクリート配設空間R1内に作業員が入る必要なく所定の位置に外部配力筋4a、4bを配設することが可能となる。
【0046】
<第二の側版構築ユニットJ>
第二の側版構築ユニットJは、第一の側版構築ユニットHの上に配設されるものである。第二の側版構築ユニットJにおける複数の鉄筋7と外空側及び内空側の側版形成部材5、6との接続態様については、基本的に第一の側版構築ユニットHにおける複数の鉄筋3と外空側及び内空側の側版形成部材1、2との接続態様と同一である。
【0047】
第二の側版構築ユニットJにおける外空側の側版形成部材5は、第一の側版構築ユニットHにおける外空側の側版形成部材1の上に配設されるものであり、第二の側版構築ユニットJにおける内空側の側版形成部材6は、第一の側版構築ユニットHにおける内空側の側版形成部材2の上に配設されるものである。第二の側版構築ユニットJにおける第二の現場打ちコンクリート配設空間R2は、第一の側版構築ユニットHにおける第一の現場打ちコンクリート配設空間R1の上に配設されている。
【0048】
第二の側版構築ユニットJは、第一の側版構築ユニットHと比較して、外空側の側版形成部材5の高さ寸法が、内空側の側版形成部材6の高さ寸法よりも長く設定されている点において異なっている。
【0049】
第二の側版構築ユニットJは、ボックスカルバートAが構築される現場とは異なる場所(例えば、プレキャストコンクリート製の部材が製造される工場など)において、予め作られるものである。そして、第二の側版構築ユニットJは、纏まりある態様すなわちユニット化された態様で、ボックスカルバートAが構築される現場に搬送されるとともに据え付けされ得るものとなっている。
【0050】
第二の側版構築ユニットJは、ボックスカルバートAの外空側に位置するプレキャストコンクリート製である第一の側版形成部材たる外空側の側版形成部材5と、ボックスカルバートAの内空側に位置するプレキャストコンクリート製である第二の側版形成部材たる内空側の側版形成部材6と、外空側の側版形成部材5と内空側の側版形成部材6との間に第二の現場打ちコンクリート配設空間R2を形成した状態で外空側の側版形成部材5及び内空側の側版形成部材6とをそれぞれ相互に支持する支持部材たる複数の鉄筋7とを備えている。
【0051】
第二の側版構築ユニットJは、外空側の側版形成部材5と、外空側の側版形成部材5に離間して配された内空側の側版形成部材6とを、それぞれ複数の鉄筋7により支持させてなるものである。つまり、第二の側版構築ユニットJは、外空側及び内空側の側版形成部材5、6を、複数の鉄筋7により繋ぎユニット化させたものである。換言すれば、第二の側版構築ユニットJは、外空側の側版形成部材5、内空側の側版形成部材6、及び複数の鉄筋7を一体的に移動させ得るように構成されたものである。
【0052】
外空側の側版形成部材5は、板状をなしたものである。外空側の側版形成部材5は、ボックスカルバートAの外空側すなわち第二の現場打ちコンクリート配設空間R2の外側に位置している。外空側の側版形成部材5の内部には、水平方向に延びる態様で鉄筋により構成された複数の内部配力筋11が設けられている。内部配力筋11の端部は、第二の現場打ちコンクリート配設空間R2内に突出させてある。外空側の側版形成部材5には、所定の箇所に上下方向に延びる複数の鉄筋12が設けられている。鉄筋12は外空側の側版形成部材5の剛性を確保するためのものである。
【0053】
外空側の側版形成部材5は、内空側の側版形成部材6よりも上側に延出した延出部分5nを有している。左右に配された外空側の側版形成部材5の延出部分5n間には、頂版Dを形成するための頂版用の現場打ちコンクリート配設空間SDが形成されている。
【0054】
第二の側版構築ユニットJにおける外空側の側版形成部材5の上端面5mは、現場打ち頂版構成部Mの上端面M1と略同じ高さに設定される。すなわち、外空側の側版形成部材5の上端面5mと現場打ち頂版構成部Mの上端面M1とは略面一をなす。内空側の側版形成部材6と頂版構成ブロックLの起立部L1とは図示しない連結手段で強固に連結される。
【0055】
図18に示すように、外空側の側版形成部材5の上部(内空側の側版形成部材6よりも上に位置する部分)からは起立部L1又は頂版用の現場打ちコンクリート配設空間SDに向かって複数の鉄筋f4が突設されている。
【0056】
内空側の側版形成部材6は、板状をなしたものである。内空側の側版形成部材6は、ボックスカルバートAの外空側すなわち第二の現場打ちコンクリート配設空間R2の内側に位置している。内空側の側版形成部材6の内部には、水平方向に延びる態様で鉄筋により構成された複数の内部配力筋21が設けられている。内部配力筋21の端部は、第二の現場打ちコンクリート配設空間R2内に突出させてある。内空側の側版形成部材6には、所定の箇所に上下方向に延びる複数の鉄筋22が設けられている。内空側の側版形成部材6には、当該内空側の側版形成部材6の板厚方向に貫通する複数の鉄筋挿通孔23が形成されている。また、内空側の側版形成部材6の外面側(内部空間Pを向く側)における鉄筋挿通孔23に連続する位置には、外ナットn2の取付座が形成された凹陥部24が設けられている。
【0057】
第二の側版構築ユニットJにおける外空側の側版形成部材5は、内空側の側版形成部材6よりも上下寸法が長く設定されている。また、外空側及び内空側の側版形成部材5、6は、それぞれ起立した姿勢をなしており、且つ、互いに略平行をなすように配設されている。外空側及び内空側の側版形成部材5、6は、下端縁5e、6eを同じ水平位置に設定したものである。換言すれば、外空側及び内空側の側版形成部材5、6の下端縁5e、6eは同じ高さ位置に設定されている。
【0058】
第二の現場打ちコンクリート配設空間R2は、外空側及び内空側の側版形成部材5、6の間に形成されている。換言すれば、第二の側版構築ユニットJは、上下方向及び前後方向に連通した第二の現場打ちコンクリート配設空間R2を形成している。
【0059】
支持部材たる複数の鉄筋7は、外空側の側版形成部材5と内空側の側版形成部材6とを離間した状態で支持し得るものである。複数の鉄筋7の端部31は、外空側の側版形成部材5に対して移動不能に埋設されている。一方で、複数の鉄筋7の端部32には、ねじ溝321が形成されている。そして、複数の鉄筋3の端部32は、内空側の側版形成部材6に設けられた複数の鉄筋挿通孔23内に挿通された状態で、内ナットn1、及び外ナットn2により所定の位置に取り付けられている。つまり、複数の鉄筋7は、内空側の側版形成部材6に対して取付位置を調整可能に構成されている。換言すれば、第二の側版構築ユニットJは、外空側及び内空側の側版形成部材5、6同士の離間距離を変更し得るように複数の鉄筋7に支持させたものである。
【0060】
なお、第一の側版構築ユニットH、及び、第二の側版構築ユニットJは、連結手段により相互に強固に連結されている。上下方向に隣り合う第一の側版構築ユニットHと第二の側版構築ユニットJとを連結する連結手段はどのようなものであってもよい。連結手段としては、例えば、
図17及び
図18に示すように、第二の側版構築ユニットJにおける外空側及び内空側の側版形成部材5、6の下端部にモルタル充填式鉄筋継手ttを設け、そのモルタル充填式鉄筋継手ttに第一の側版構築ユニットHから上方に向けて突設させた鉄筋f5を挿通し、その後、無収縮モルタルをモルタル充填式鉄筋継手tt内に流し込むことにより固定する態様を挙げることができる。上下方向に隣り合う第一の側版構築ユニットHと第二の側版構築ユニットJとの他の連結手段としては、例えば、連結ボルト及びナットを適宜使用して連結する態様や、PC鋼材(PC鋼棒やPC鋼より線)を用いて緊締する態様などを挙げることができる。
【0061】
<第二の現場打ち側版構成部K>
第二の現場打ち側版構成部Kは、第二の側版構築ユニットJに形成された第二の現場打ちコンクリート配設空間R2に現場打ちコンクリートを打設することにより形成されるものである。
【0062】
なお、第二の現場打ちコンクリート配設空間R2には、現場打ちコンクリートが打設される前に、前後方向に連設された外空側及び内空側の側版形成部材5、6に沿って水平方向に延びる図示しない外部配力筋が配設される。外部配力筋の構成については、
図12に示された第一の側版構築ユニットHの説明と同様の構成であるため図示及び説明を省略する。
【0063】
<<頂版D>>
頂版Dは、左右に配設された第二の側版構築ユニットJ間に架設されたプレキャストコンクリート製の頂版構成ブロックLと、頂版構成ブロックLの上側、及び、第二の側版構築ユニットJにおける外空側の側版形成部材5の延出部分5e間に形成された頂版用の現場打ちコンクリート配設空間SDに現場打ちコンクリートを打設することにより形成された現場打ち頂版構成部Mとを備えている。
【0064】
<頂版構成ブロックL>
頂版構成ブロックLは、第二の側版構築ユニットJにおける内空側の側版形成部材6の上に立設された起立部L1と、これら起立部L1の上端部間を繋ぐ水平部L2とを備えた下向きコ字状をなすものである。
【0065】
図18に示すように、起立部L1には外空側の側版形成部材5に向かって略水平に延びた鉄筋f6が突設されている。さらに、水平部L2には、頂版用の現場打ちコンクリート配設空間SDに向かって鉄筋f7が立設されている。起立部L1と水平部L2との境界部分となる角部には、一端側が頂版用の現場打ちコンクリート配設空間SDに突出するとともに他端側が第二の現場打ちコンクリート配設空間R2に突出する傾斜鉄筋f8が埋設されている。
【0066】
頂版構成ブロックLは、左右に配設された第二の側版構築ユニットJにおける内空側の側版形成部材6の上端面に載せ置かれている。換言すれば、頂版構成ブロックLは、左右に配された第二の側版構成ユニットJにおける内空側の側版形成部材6の上端部間に架設されている。頂版構成ブロックLは、前後方向に複数配列されている。そして、前後方向に複数配列された頂版構成ブロックLは、連結手段により強固に連結されている。
【0067】
なお、前後方向に隣り合う頂版構成ブロックL同士を連結する連結手段は、どのようなものであってもよい。連結手段としては、例えば、頂版構成ブロックL内にモルタル充填式鉄筋継手を設け、一方側から突設させた鉄筋を他方に設けたモルタル充填式鉄筋継手に挿通し、その後、無収縮モルタルにより固定する態様を挙げることができる。これ以外にも、前後方向に隣り合う頂版構成ブロックL同士の連結手段としては、例えば、連結ボルト及びナットを適宜使用して前後方向に隣り合う頂版構成ブロックL同士を連結する態様や、PC鋼材(PC鋼棒やPC鋼より線)を用いて緊締する態様などを挙げることができる。
【0068】
頂版構成ブロックLと、第二の側版構築ユニットJにおける内空側の側版形成部材6とは、連結手段により強固に連結されている。上下方向に隣り合う頂版構成ブロックLと内空側の側版形成部材6とを連結するための連結手段はどのようなものであってもよい。連結手段としては、例えば、
図18に示すように、頂版構成ブロックLの内部(起立部L1の下端部)にモルタル充填式鉄筋継手ttを設け、そのモルタル充填式鉄筋継手ttに第二の側版構築ユニットJから上方に向けて突設させた鉄筋f9を挿通し、その後、無収縮モルタルをモルタル充填式鉄筋継手tt内に流し込むことにより固定する態様を挙げることができる。上下方向に隣り合う頂版構成ブロックLと内空側の側版形成部材6との他の連結手段としては、例えば、連結ボルト及びナットを適宜使用して頂版構成ブロックLと内空側の側版形成部材6とを連結する態様や、PC鋼材(PC鋼棒やPC鋼より線)を用いて緊締する態様などを挙げることができる。
【0069】
<現場打ち頂版構成部M>
現場打ち頂版構成部Mは、頂版用の現場打ちコンクリート配設空間SDに現場打ちコンクリートを打設することにより形成されるものである。なお、頂版用の現場打ちコンクリート配設空間SDには、頂版構成ブロックLから立設された鉄筋f7や、その他の鉄筋が配設されている。
【0070】
また、第二の側版構築ユニットJにおける外空側の側版形成部材5からも、頂版用の現場打ちコンクリート配設空間SDに向かって水平方向に延びる鉄筋f4が突設されており、現場打ち頂版構成部Mとの一体化が図られている。
【0071】
<<ボックスカルバートAの構築方法>>
続いて、この実施形態におけるボックスカルバートAの構築方法について、
図7〜12、及び、フロー図である
図21を参照して説明する。
【0072】
この実施形態におけるボックスカルバートAの構築方法は、底版Bを形成するための工程と、側版Cを形成するための工程と、頂版Dを形成するための工程を備えている。
【0073】
底版Bを形成するための工程は、
図7、
図8、及び、
図21に示すように、基礎E上における所定の位置に隅角部ブロックFを据え付ける隅角部ブロック据付工程s1と、この隅角部ブロック据付工程s1が完了した後に、隅角部ブロックF間に形成された底版用の現場打ちコンリート配設空間SBに現場打ちコンクリートを打設する底版打設工程s2とを備えている。
【0074】
隅角部ブロック据付工程s1において、前後方向に複数配設された隅角部ブロックFは、図示しない連結手段において強固に連結される。底版打設工程s2が実行される前に、左右の隅角部ブロックF間に形成された底版用の現場打ちコンクリート配設空間SBには、隅角部ブロックFから突設された鉄筋f2や、その他の図示しない鉄筋が適宜の態様で配設される。
【0075】
側版Cを形成するための工程は、
図8、
図9、
図11、及び、
図21に示すように、所定の位置すなわち隅角部ブロックFの上に第一の側版構築ユニットHを据え付ける第一の側版構築ユニット据付工程s3と、第一の側版構築ユニット据付工程s3が完了した後に当該第一の側版構築ユニットHの上に第二の側版構築ユニットJを据え付ける第二の側版構築ユニット据付工程s4と、第二の側版構築ユニット据付工程s4が完了した後に第一、第二の側版構築ユニットH、Jにおける第一、第二の現場打ちコンクリート配設空間R1、R2に現場打ちコンクリートを打設する側版打設工程s5とを備えている。
【0076】
なお、この実施形態では、側版打設工程s5は、後述する頂版構成ブロック据付工程s6を完了した後に行われる。すなわち、
図10に示すように、頂版構成ブロック据付工程s6を完了させた後に、
図11に示すように、第一、第二の現場打ちコンクリート配設空間R1、R2、及び頂版用の現場打ちコンクリート配設空間SDに、現場打ちコンクリートが連続的に投入されることになる。
【0077】
側版構築ユニット据付工程、すなわち、第一、第二の側版構築ユニット据付工程s3、s4は、複数の第一、第二の側版構築ユニットH、Jを前後方向に隣接配置する工程を含むものである。
【0078】
ここで、
図12に示すように、第一の現場打ちコンクリート配設空間R1に現場打ちコンクリートが打設されることにより、第一の現場打ちコンクリート配設空間R1に配された外部配力筋4a、4bと第一の側版構築ユニットHに設けられた内部配力筋11、21とが実質的に連結した状態が構築されることになる。換言すれば、第一、第二の側版構築ユニット据付工程s3、s4において、前後方向に隣り合う第一の側版構築ユニットH間の仮想境界線ksを通過し得る鉄筋である外部配力筋4a、4bを、側版打設工程s5の前に、現場打ちコンクリート配設空間R1(現場打ちコンクリート配設空間R2)に配設するようにしている。
【0079】
すなわち、前後方向に複数配された第一の側版構築ユニットH同士は、現場打ちコンクリートが打設されることに伴って強固に一体化することになる。なお、第二の側版構築ユニットJについても同様に、外部配力筋との連結状態が構築され、現場打ちコンクリートが打設されることによって強固に一体化することになる。
【0080】
頂版Dを形成するための工程は、
図10、
図11、及び、
図21に示すように、第二の側版構築ユニットJにおける内空側の側版形成部材6上に頂版構成ブロックLを据え付ける頂版構成ブロック据付工程s6と、頂版構成ブロック据付工程s6を経た後に行われ、頂版用の現場打ちコンクリート配設空間SDに現場打ちコンクリートを打設する頂版打設工程s7とを備えている。
【0081】
頂版構成ブロック据付工程s6において、前後方向に複数配設された頂版構成ブロックLは、図示しない連結手段によって強固に連結される。頂版打設工程s7の前に、頂版用の現場打ちコンクリート配設空間SDには、水平部L2に立設された鉄筋f7や、第二の側版構築ユニットJの外空側の側版形成部材5から突設された鉄筋f4や、その他の図示しない鉄筋が配設される。
【0082】
以上説明したように、本実施形態に係るボックスカルバートAの構築方法は、底版Bと、この底版の両端部に立設された左右の側版Cと、これら左右の側版Cの上端部間に架設された頂版Dとを備えたボックスカルバートAを構築する方法である。そして、左右の側版Cが、第一、第二の側版構築ユニットH、Jと、これら第一、第二の側版構築ユニットH、Jに設けられた第一、第二の現場打ちコンクリート配設空間R1、R2に現場打ちコンクリートを打設して形成される第一、第二の現場打ち側版構成部I、Kとを備えてなるものである。
【0083】
第一、第二の側版構築ユニットH、Jは、プレキャストコンクリート製である第一の側版形成部材である外空側の側版形成部材1、5と、プレキャストコンクリート製である第二の側版形成部材である内空側の側版形成部材2、6と、これら外空側の側版形成部材1、5と内空側の側版形成部材2、6との間に第一、第二の現場打ちコンクリート配設空間R1、R2を形成した状態で内側及び外空側の側版形成部材1、5、2、6とをそれぞれ相互に支持する支持部材たる複数の鉄筋4、7を備えてなる。
【0084】
側版Cを形成するための工程が、所定の位置に第一、第二の側版構築ユニットH、Jを据え付ける第一、第二の側版構築ユニット据付工程s3、s4と、第一、第二の側版構築ユニット据付工程s3、s4を経た後に行われ第一、第二の側版構築ユニットH、Jにおける第一、第二のコンクリート配設空間R1、R2に現場打ちコンクリートを打設する側版打設工程s5とを備えている。
【0085】
このため、プレキャストコンクリート製の部材とともに現場打ちコンクリートを併用して比較的大型のボックスカルバートAを好適に構築し得るようにしたボックスカルバートAの構築方法を提供することができる。
【0086】
すなわち、第一、第二の側版構築ユニットH、Jは、外空側の側版形成部材1、5と、内空側の側版形成部材2、6と、複数の鉄筋3、7が一体的に取り扱い可能にユニット化されている。ボックスカルバートAの側版Cを構築するために、ユニット化された構築部材である第一、第二の側版構築ユニットH、Jを用いているため、現場における搬送及び据え付けが行い易いだけでなく、ユニット単位で構築部材を管理することができることになる。したがって、本実施形態のボックスカルバートAの構築方法によれば、プレキャストコンクリート製の部材を使用した大型のボックスカルバートAを精度良く、且つ、円滑に構築し得るものとなっている。
【0087】
また、この実施形態におけるボックスカルバートAの構築方法を適用することにより、小分けされた部材の発生が抑制されることになり、ハーフプレキャストボックスカルバートAを無理なく構築することが可能となる。その結果、部材の運搬車両及び搬入重機の小型化、現場作業の効率化による工期の短縮、鉄筋や型枠の低減を実現することができるものとなっている。
【0088】
本実施形態に示されるボックスカルバートAの構築方法を適用することにより、近時における現場における作業の人手不足の問題、例えば、現場における特殊作業員(型枠・鉄筋・足場・仮設支保工の作業員など)の不足の問題について、限られた人数の中で好適に対処し得るものとなる。つまり、ボックスカルバートAの構築に、ユニット化された第一、第二の側版構築ユニットH、Jを使用することにより、型枠、鉄筋、足場、仮設支保工等を設営する量を低減することができるため、人手不足に対して柔軟に対応することができるものとなっている。
【0089】
第一、第二の側版構築ユニットH、Jが、上下方向に連通した第一、第二の現場打ちコンクリート配設空間R1、R2を形成したものとなっている。このため、第一、第二の側版構築ユニットH、Jを所定の位置に据え付けた後に、第一、第二の現場打ちコンクリート配設空間R1、R2に現場打ちコンクリートを打設することにより、所望の側版Cを構築することができるものとなる。
【0090】
外空側及び内空側の側版形成部材1、2、5、6が、板状をなし、且つ、互いに略平行をなしている。このため、現場において、据え付け作業を行いやすいものとなっている。
【0091】
第一、第二の側版構築ユニットH、Jが、外空側及び内空側の側版形成部材1、2、5、6の下端縁1e、2e、5e、6eを同じ水平位置に設定したものである。このため、第一、第二の側版構築ユニットH、Jは、地面や隅角部ブロックFや第一の側版構築ユニットHの上に、安定して起立し得るものとなるため、搬送及び据え付け工程を円滑に実施することができるものとなっている。
【0092】
外空側及び内空側の側版形成部材1、2、5、6をそれぞれ支持する支持部材が複数の鉄筋3、7により構成されたものであるため、第一、第二の現場打ち側版構成部I、Kにおける剛性の確保に優れたものとなっている。
【0093】
第一、第二の側版構築ユニットH、Jが、外空側及び内空側の側版形成部材1、2、5、6同士の離間距離を変更し得るように当該外空側及び内空側の側版形成部材1、2、5、6を複数の鉄筋3、7に支持させたものである。このため、外空側及び内空側の側版形成部材の1、2、5、6の離間距離を調整して第一、第二の側版構築ユニットH、Jをそれぞれ適切な位置に据え付けることができるものとなる。
【0094】
側版構築ユニット据付工程すなわち第一、第二の側版構築ユニット据付工程s3、s4は、複数の第一、第二の側版構築ユニットH、Jを前後方向に隣接配置する工程を含むものである。そして、前後方向に隣り合う第一、第二の側版構築ユニットH、J間の仮想境界線ksを通過し得る鉄筋たる外部配力筋4a、4bを、現場打ちコンクリート配設空間R1、R2に配設している。このため、現場打ちコンクリート配設空間R1、R2に投入される現場打ちコンクリートが介在することにより、外部配力筋4a、4bと前後方向に隣り合う第一、第二の側版構築ユニットH、Jとの連結が適切に確保され得るものとなる。
【0095】
なお、本発明は、以上に詳述した実施形態に限られるものではない。
【0096】
ボックスカルバートを構成している底版や頂版の構築方法は、適宜の構築方法を適用したものであってもよい。つまり、底版や頂版のほとんどの部分を現場打ちコンクリートにより形成したものであってもよいし、底版や頂版のほとんどの部分をプレキャストコンクリート製のブロックにより形成したものであってもよい。
【0097】
側版を形成するための工程は、側版の一部のみを形成するために適用されるものであってもよい。すなわち、側版の一部の構築のみに、側版構築ユニット据付工程と、側版打設工程とを適用したものであってもよい。
【0098】
側版構築ユニットは、ユニット化された態様をなしていれば種々の形態を採用することができるものであり、上述した実施形態に示すものに限られるものではない。
【0099】
例えば、側版構築ユニットを構成する第一、第二の側版形成部材は、板状のものに限られるものではなく、種々の形状のものを採用することができる。
【0104】
なお、支持部材は、現場打ちコンクリートが打設された後に現場打ち側版構成部に対する補強材として機能していることは言うまでもない。
【0106】
上述した実施形態では、支持部材として、複数の鉄筋を適用したものを示しているが、上述した実施形態に示したよりも少ない本数に設定した複数の鉄筋により構成されたものであってもよい。
【0109】
上述した実施形態では、側版の構築に、二種類の側版構築ユニットを使用したものを示したが、このようなものには限られるものではない。側版の構築には、一種類の側版構築ユニットを使用してもよいし、二以上の複数種類の側版構築ユニットを使用してもよい。側版の構築に、一種類の側版構築ユニットを、上下方向に複数積み上げてよいのはもちろんのことである。
【0110】
側版構築ユニットは、支持部材と併せて側版形成部材から現場打ちコンクリート配設空間に片持ち的に突出した補強鋼材を設けたものとしてもよい。
【0111】
例えば、
図13〜15に示すように、側版構築ユニットHは、支持部材(図示せず)と併せて、外空側及び内空側の側版形成部材1、2の双方から現場打ちコンクリート配設空間R1内に片持ち的に突出した補強鋼材f1を備えたものとしている。補強鋼材f1は、一端を外空側及び内空側の側版形成部材1、2に埋設したものである。補強鋼材f1は、現場打ちコンクリートが打設された後は、現場打ち側版構成部に対する補強機能を発揮し得るものとなる。なお、外空側及び内空側の側版形成部材1、2の双方から突出した各補強鋼材f1は、長手方向に対して直交する所定の方向から見て相互に重なり合うように配設されることが望ましい。
【0112】
前後方向に隣り合う側版構築ユニット同士の連結度合いを高めるために、前後方向に隣り合う側版構築ユニット間の仮想境界線を通過し得る鉄筋である外部配力筋を、現場打ちコンクリート配設空間に配設することが望ましい。
【0113】
すなわち、
図16に示すものは、側版構築ユニットHを構成する側版形成部材1の前端縁及び後端縁を平面視において切り欠いた形状にしている。そして、切り欠いたことにより作られた切欠空間RKにおいて、側版構築ユニットH間の仮想境界線ksを通過し得るように鉄筋たる外部配力筋4aを配設している。この実施形態における外部配力筋4aは隣り合う側版構築ユニットHの一方側に取り付けられている。このように構成することによって、切欠空間RKを含む現場打ちコンクリート配設空間R1に現場打ちコンクリートが配設され、その現場打ちコンクリートが硬化した後は、前後方向に隣り合う側版構築ユニットH同士の強固な連結が確保されることになる。
【0114】
なお、
図16に示すような、前後端縁を切り欠いた側版形成部材1を有してなる側版構築ユニットHは、所定の位置に吊り下ろすことにより、隣り合う他の側版構築ユニットHと干渉することなく据え付けすることが可能である。
【0115】
前後方向に隣接した複数の側版構築ユニットの配設態様は、種々設定可能であり、上述した実施形態に示したものに限られるものではない。
【0116】
例えば、
図19及び
図20に示すような態様のものが考えられる。すなわち、この実施形態では、前後方向に隣り合う一対の側版構築ユニットH間に、埋設型枠Uを介在させている。換言すれば、側版を形成するための工程において、側版構築ユニットHを前後方向に所定の隙間skを空けて配設し、それら側版構築ユニットH間に埋設型枠Uを配設する工程を備えている。埋設型枠Uは、隣り合う外空側の側版形成部材1間に配される第一の型枠パネルu1と、隣り合う内空側の側版形成部材2間に配される第二の型枠パネルu2と、これら第一、第二の型枠パネルu1、u2とを支持する支持フレームu3とを備えている。第一、第二の型枠パネルu1、u2は、例えば、高強度繊維補強モルタルにより板状に形成されたものである。
【0117】
この実施形態では、複数の側版構築ユニットHは、前後方向に約10cm程度の隙間skを空けて設置されている。各側版形成部材1、2における外面側の前後端縁には凹陥部15、25が形成されている。埋設型枠Uは、例えば、凹陥部15、25に係わり合う様に、上から吊り下ろして設置される。そして、第一の型枠パネルu1が、前後に隣接する外空側の側版形成部材1における一対の凹陥部15間に配設されるとともに第二の型枠パネルu2が、前後に隣接する内空側の側版形成部材2における一対の凹陥部25間に配設されるようになっている。
【0118】
第一、第二の型枠パネルu1、u2をそれぞれ支持する支持フレームu3は、一方すなわち第二の型枠パネルu2に対して移動可能に支持されている。このため、埋設型枠Uを所定の位置に仮配置した後に、ナットntを締め付けることにより、第二の型枠パネルu2を内空側の側版形成部材2の凹陥部25に密着した所定の位置に適切に調整しつつ配設することができるようになっている。
【0119】
この実施形態では、前後方向に配設される側版構築ユニットH間に埋設型枠Uを介在させることにより、側版構築ユニットHにおける寸法誤差や設置位置の誤差等を好適に吸収し得るものとなっている。
【0120】
側版構築ユニットHにおける外空側及び内空側の側版形成部材1、2間には、支持部材である鉄筋3及び鉄板3’が介設されている。
【0121】
外空側及び内空側の側版形成部材1、2の内面側には、それぞれ外部配力筋4a、4bを少なくとも下側から支持し得る支持手段sh(L字状に突出したフック)が設けられている。支持手段shの上には、外部配力筋4a、4bが載置され得るようになっている。このような支持手段shを用いるものであれば、作業員による仮止め作業等が不要となるので、外空側及び内空側の側版形成部材1、2に沿った所定の位置に、比較的簡単に外部配力筋4a、4bをセットすることが可能となる。例えば、外部配力筋4a、4bを妻側(小口側)すなわち正面側又は背面側から挿入し、当該外部配力筋4a、4bを支持手段sh上の所定位置に設置すれば、第一の現場打ちコンクリート配設空間R1内に作業員が入る必要なく所定の位置に外部配力筋4a、4bを配設することが可能となる。鉄筋である外部配力筋4a、4bは、前後方向に隣り合う側版構築ユニットH間の仮想境界線ksを通過し得るものであり、現場打ちコンクリート配設空間R1に配設されるものである。この現場打ちコンクリート配設空間R1に現場打ちコンクリートが流し込まれ、その後硬化することにより、現場打ち側版構成部Iが形成されることになる。
【0122】
例えば、構築するボックスカルバートにおける高さ方向の寸法によっては、第一の側版構築ユニットと第二の側版構築ユニットとをあらかじめ一体化し、単一の側版構築ユニットとしてもよい。また、例えば、第一の側版構築ユニットと第二の側版構築ユニットとの上下方向の間に、第三の側版構築ユニットを設ける等して、側版を構成する側版構築ユニットを細分化して構成してもよい。換言すれば、側版の構築方法に適用される側版構築ユニットは、上下方向に積層される二以上の複数個であってもよい。
【0123】
また、構築するボックスカルバートにおける幅方向(横断方向)の寸法が長いような場合は、底版と頂版との間に、壁もしくは柱を設けた構成とすることもできる。
【0124】
その他、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。