(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6860168
(24)【登録日】2021年3月30日
(45)【発行日】2021年4月14日
(54)【発明の名称】トラクタシャーシ共同利用システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/30 20120101AFI20210405BHJP
【FI】
G06Q50/30
【請求項の数】6
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2018-41177(P2018-41177)
(22)【出願日】2018年3月7日
(65)【公開番号】特開2019-159418(P2019-159418A)
(43)【公開日】2019年9月19日
【審査請求日】2019年7月31日
(73)【特許権者】
【識別番号】501027500
【氏名又は名称】国土交通省関東地方整備局長
(73)【特許権者】
【識別番号】501204525
【氏名又は名称】国立研究開発法人 海上・港湾・航空技術研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100091306
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 友一
(74)【代理人】
【識別番号】100174609
【弁理士】
【氏名又は名称】関 博
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼田 昌行
(72)【発明者】
【氏名】石橋 洋信
(72)【発明者】
【氏名】清水 崇
(72)【発明者】
【氏名】今野 頼夫
(72)【発明者】
【氏名】工藤 博幸
(72)【発明者】
【氏名】吉江 宗生
【審査官】
上田 威
(56)【参考文献】
【文献】
特開2017−215770(JP,A)
【文献】
特開2012−118847(JP,A)
【文献】
特開2004−185057(JP,A)
【文献】
IoTを活用した物流低炭素化促進事業,物流分野におけるCO2削減対策促進事業(国土交通省連携事業),環境省,2018年 2月19日,2−ア,URL,https://web.archive.org/web/20180219032216/https://www.env.go.jp/earth/energy-taisaku/tokubetsu-kaikei/h30/h30_jigyogaiyo/055.pdf
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 − 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の陸運事業者がそれぞれ保有するトラクタのシャーシを登録すると共に、前記シャーシの管理情報を記憶するシャーシ管理サーバと、
前記シャーシの登録を行った陸運事業者が保有し、前記シャーシ管理サーバに対して所望するシャーシの利用予約を行う事業者端末と、を有し、
前記シャーシ管理サーバは、前記事業者端末に対して登録されているシャーシの管理情報、および予約情報を提供し、各陸運事業者が保有する前記事業者端末からは、複数の陸運事業者が登録した各シャーシに対して利用予約を行う事を可能とすると共に、前記利用予約を行った特定の陸運事業者の保有するトラクタの位置情報に基づき、利用可能なシャーシとして、前記複数の陸運事業者により登録されたシャーシの中から、前記特定の陸運事業者が保有するトラクタに近い位置に保管されているシャーシを選定し、前記事業者端末に対して、選定したシャーシの管理情報を提供することを特徴とするトラクタシャーシ共同利用システム。
【請求項2】
各陸運事業者が、前記シャーシ管理サーバを介して利用予約可能なシャーシ数と、
各陸運事業者が、前記シャーシ管理サーバに登録したシャーシ数とを同数とする制限を設けたことを特徴とする請求項1に記載のトラクタシャーシ共同利用システム。
【請求項3】
登録されている前記シャーシには、位置情報取得手段が備えられ、
前記シャーシ管理サーバは、前記シャーシの位置情報をリアルタイムで取得すると共に、前記シャーシの位置情報と、地図情報とに基づいて前記シャーシの走行距離を算出することを特徴とする請求項1または2に記載のトラクタシャーシ共同利用システム。
【請求項4】
前記シャーシ管理サーバは、シャーシの選定を行う際、前記走行距離の少ないシャーシをリスト上位に表示することを特徴とする請求項3に記載のトラクタシャーシ共同利用システム。
【請求項5】
前記シャーシ管理サーバは、前記走行距離が予め定めた整備対象距離に達した際に、各事業者端末に該当シャーシが整備時期に達した旨の表示を行う信号を出力することを特徴とする請求項3または4に記載のトラクタシャーシ共同利用システム。
【請求項6】
前記シャーシ管理サーバに登録されている前記シャーシの管理情報を、ネットワークを介して複数の端末に保有させ、ブロックチェーンの技術を利用して、ネットワーク上の情報管理を行うことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のトラクタシャーシ共同利用システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、陸運事業に係り、特に、輸送に使用するトラクタのシャーシの共同利用及び管理に関する。
【背景技術】
【0002】
国際海上コンテナの国内輸送は主に、陸運事業者が、それぞれ海上コンテナ用セミトレーラ(以下、シャーシと呼ぶ)を保有・管理し、このシャーシにコンテナを搭載して輸送を行っている。シャーシは通常、自社が保有するシャーシプール(シャーシの駐車場)にて、トラクタとシャーシの連結、解除を行っている。このため、トラクタとシャーシプールの所在関係によっては、トラクタがわざわざ遠くのシャーシプールまでシャーシを取りに行くケースがあり、必ずしも効率的な運用が行われていないという実状がある。
【0003】
また、シャーシについては、その所在(位置)を正確に把握できていないため、配車係からトラクタに通達された指示先に、目的とするシャーシがないといったケースも生じている。さらに、シャーシの走行距離についても正確に管理されていないため、保有シャーシの利用頻度を平準化できていないなど、運用面、安全管理面などについても問題視されている。
【0004】
こうした陸運事業では、海運会社やコンテナリース会社が管理するコンテナの効率的な利用を図るために、特許文献1に開示されているような技術が提案されている。すなわち、海運会社等が管理するコンテナの情報(例えば、型式やサイズ、所在等)をコンピュータ管理し、陸運事業者等の保有する端末を介して管理データにアクセスし、所望するコンテナのマッチングを行うというものである。そして、特許文献1には、従来港湾に存在していたコンテナプールを内陸にも設けることで、コンテナを取りに行く車両(シャーシを連結したトラクタ)の移動距離や時間を短縮することができる事が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−169869号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に開示されているように、各コンテナをコンピュータ上で管理し、この情報を陸運事業者に提供し、利用可能なコンテナを明確にした上で需要と供給のマッチングを図る事によれば、コンテナの効率的な利用を実現することができる。
【0007】
しかし、上述したように、シャーシの保管と運用は、共にシャーシを保有する陸運事業者によって成される。このため、保有シャーシの管理をコンピュータ上で行ったとしても、トラクタによるシャーシの引き取り距離や時間を軽減することには繋がらない。
【0008】
そこで本発明では、複数の陸運事業におけるシャーシを共同利用して効率化を図ると共に、シャーシを引き取るために要するトラクタの走行距離や時間を低減することのできるトラクタシャーシ共同利用システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するための本発明に係るトラクタシャーシ共同利用システムは、複数の陸運事業者がそれぞれ保有するトラクタのシャーシを共有シャーシとし、各共有シャーシに備える位置情報取得手段と、ネットワークを介して前記共有シャーシの位置情報をリアルタイムで可視化すると共に、各陸運事業者が前記ネットワークを介して各共有シャーシに対して利用予約を行う事を可能としたシャーシ管理サーバを有することを特徴とする。
【0010】
また、上記目的を達成するための本発明に係るトラクタシャーシ共同利用システムは、複数の陸運事業者がそれぞれ保有するトラクタのシャーシを登録すると共に、前記シャーシの管理情報を記憶するシャーシ管理サーバと、前記シャーシの登録を行った陸運事業者が保有し、前記シャーシ管理サーバに対して所望するシャーシの利用予約を行う事業者端末と、を有し、前記シャーシ管理サーバは、前記事業者端末に対して登録されているシャーシの管理情報、および予約情報を提供し、各陸運事業者が保有する前記事業者端末からは、複数の陸運事業者が登録した各シャーシに対して利用予約を行う事を可能としたことを特徴とすることもできる。
【0011】
また、上記のような特徴を有するトラクタシャーシ共同利用システムにおいて前記シャーシ管理サーバは、前記利用予約を行った特定の陸運事業者の保有するトラクタの位置情報に基づき、利用可能なシャーシとして、前記複数の陸運事業者により登録されたシャーシの中から、前記特定の陸運事業者が保有するトラクタに近い位置に保管されているシャーシを選定し、前記事業者端末に対して、選定したシャーシの管理情報を提供する構成とすると良い。このような特徴を有する事により、陸運事業者は、トラクタに近い位置に保管されているシャーシから、利用予約するシャーシを選ぶことが可能となり、システム利用上の効率化を図ることが可能となる。
【0012】
また、上記のような特徴を有するトラクタシャーシ共同利用システムでは、各陸運事業者が、前記シャーシ管理サーバを介して利用予約可能なシャーシ数と、各陸運事業者が、前記シャーシ管理サーバに登録したシャーシ数とを同数とする制限を設けるようにしても良い。このような特徴を有する事により、特定の陸運事業者が自己が登録したシャーシ数よりも多くのシャーシの利用予約を行い、他の陸運事業者がシャーシの利用予約できなくなってしまうといった事態を防ぐことができる。よって、システムのスムーズな運用を行うことが可能となる。
【0013】
また、上記のような特徴を有するトラクタシャーシ共同利用システムにおいて登録されている前記シャーシには、位置情報取得手段が備えられ、前記シャーシ管理サーバは、前記シャーシの位置情報をリアルタイムで取得すると共に、前記シャーシの位置情報と、地図情報とに基づいて前記シャーシの走行距離を算出する構成とすると良い。このような特徴を有する事により、シャーシの利用頻度や走行距離をリアルタイムで確認することができる。よって、登録されているシャーシの状態管理が容易となる。
【0014】
また、上記のような特徴を有するトラクタシャーシ共同利用システムにおいて前記シャーシ管理サーバは、シャーシの選定を行う際、前記走行距離の少ないシャーシをリスト上位に表示するようにすることもできる。このような特徴を有する事により、登録されているシャーシの利用状態の偏りを避けることができる。これにより、走行距離や利用の平均化を図ることができ、シャーシ全体の整備スパンの長期化を図ることができる。
【0015】
さらに、上記のような特徴を有するトラクタシャーシ共同利用システムにおいて前記シャーシ管理サーバは、前記走行距離が予め定めた整備対象距離に達した際に、各事業者端末に該当シャーシが整備時期に達した旨の表示を行う信号を出力するようにしても良い。このような特徴を有することにより、シャーシの適正な整備を促すことができる。よって、登録シャーシを良好な状態に保つことが可能となる。
【0016】
さらにまた、上記のような特徴を有するトラクタシャーシ共同利用システムでは、前記シャーシ管理サーバにおける前記シャーシ管理情報を、ネットワークを介して複数の端末に保有させ、ブロックチェーンの技術を利用して、ネットワーク上の情報管理を行うようにしても良い。このような特徴を有する事によれば、ネットワークに接続された既存の端末をサーバに代替えできる。このため、管理情報が膨大な容量となった場合でも、安価にシステム構築を行うことが可能となる。また、情報の共有や、契約、取引における間違いの防止や、システムダウンの防止、サイバー攻撃への態勢の向上などを図ることもできる。
【発明の効果】
【0017】
上記のような特徴を有するトラクタシャーシ共同利用システムによれば、陸運事業におけるシャーシ利用の効率化を図ることができる。また、シャーシを引き取るために要するトラクタの走行距離や時間を低減することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】実施形態に係るトラクタシャーシ共同利用システムの利用形態を説明するための概要図である。
【
図2】実施形態に係るトラクタシャーシ共同利用システムの構成を説明するためのブロック図である。
【
図3】実施形態に係るトラクタシャーシ共同利用システムを利用する際の工程の一例を説明するためのフロー図である。
【
図4】実施形態に係るトラクタシャーシ共同利用システムで利用予約を行う際の予約画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明のトラクタシャーシ共同利用システムに係る実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。まず、
図1、
図2を参照して、実施形態に係るトラクタシャーシ共同利用システム10の概略構成について説明する。
【0020】
[基本構成]
本実施形態に係るトラクタシャーシ共同利用システム10は、シャーシ管理サーバ12と、複数の事業者端末20とから構成されている。シャーシ管理サーバ12は、複数の陸運事業者が利用するシャーシ42を登録、管理、およびマッチングする役割を担う要素である。具体的には、
図2に示すように、シャーシ管理サーバ12には、少なくとも記憶部14と、演算部16が備えられ、必要に応じて図示しない入出力部が付帯される。
【0021】
記憶部14は、登録されたシャーシ42の管理情報や、シャーシ42を登録している事業者情報を記録すると共に、各陸運事業者によるシャーシ42の検索、利用予約などのマッチングを行うためのプログラム等を記録する役割を担う要素である。また、演算部16は、インターフェース18を介して入力される各事業者端末20からの入力情報に基づいて、記憶部14に記録されているプログラムを読み出し、展開することで、シャーシ42の登録や、検索、利用予約などのマッチング処理を実行する役割を担う要素である。演算部16により実行されたプログラムを介して変更、更新されたシャーシ42に関する管理情報は、再び記憶部14に記録される。
【0022】
ここで、シャーシ42の管理情報とは、例えば、シャーシ情報や、保管場所(位置情報)、利用予約情報、および利用者情報などであれば良い。シャーシ情報としては、20Ftであるか、40Ftであるかなどのシャーシ42の車型や、車両番号(ナンバープレート番号)、2軸、3軸などの軸数、および車検証有効期限(年月日)などであれば良く、必要に応じてその他の機能などを記録可能な構成としても良い。なお、シャーシ情報には、各陸運事業者単位で定められた任意の社番などを含めるようにしても良い。
【0023】
また、保管場所は、シャーシ42を登録している各陸運事業者がシャーシ42を保管している駐車場の場所、およびシャーシ42のリアルタイムの位置情報であれば良い。シャーシ42のリアルタイム位置情報を取得、登録可能とすることで、記憶部14に地図情報が記録されている場合や、プログラムのリンク先などに地図情報が存在する場合には、地図上に、シャーシ42の位置を表示する事ができる。なお、シャーシ42のリアルタイムな位置情報を取得する手段としては、例えばシャーシにGPS(Global Positioning System)発信機を取り付け、シャーシ管理サーバ12により、このGPS発信機の位置情報を取得可能な構成とすれば良い。
【0024】
利用予約情報とは、シャーシ42単位での利用予約情報であれば良く、“日”単位での予約情報や、返却予定場所(駐車場)などの情報とすることができる。また、利用者情報としては、シャーシ42に対して利用予約を行っている陸運事業者の名称、あるいは略称などであれば良い。また、事業者情報とは、陸運事業者名や連絡先など、登録したシャーシ42を保有する陸運事業者の情報である。
【0025】
事業者端末20は、シャーシ管理サーバ12へのシャーシ情報等の登録や、登録されているシャーシ42の検索、および利用予約等を行うための要素である。事業者端末20には、少なくとも、記憶部22と演算部24、および入出力部26が備えられている。記憶部22は、シャーシ管理サーバ12へアクセスするためのプログラム等が記録されている要素であり、演算部24は、入出力部26からの入出力情報に応じてプログラムの起動、およびシャーシ管理サーバ12へのアクセスを行う要素である。入出力部26とは、キーボードやマウスなどの入力手段と、ディスプレイなどの表示(出力)手段の総称であり、例えばタッチパネル式のディスプレイなども含むものとする。よって、事業者端末20には、通常のパーソナルコンピュータの他、いわゆるタブレット型端末や、高機能携帯電話(スマートフォン)などを利用することもできる。
【0026】
[作用、効果]
このような構成のトラクタシャーシ共同利用システム10を用いる事によれば、例えば
図1に示すように、本システム利用している陸運事業者として、A社、B社、C社の三社があったとする。ここで、A社の保有するシャーシ42は、埠頭Aのシャーシプールに保管されており、B社の保有するシャーシ42は、埠頭Bのシャーシプールに保管されており、C社の保有するシャーシ42は、埠頭Cのシャーシプールに保管されているとする。
【0027】
このような事例の場合、従来は、B社に対して埠頭Cからのコンテナ50の搬出依頼があった場合、B社のトラクタ40は、その動線を二点鎖線で示すように、埠頭Bでシャーシ42を連結し、その後に埠頭Cへ移動してコンテナ50を搭載し、荷主の下へ向かうという運行処理が行われていた。これに対し、実施形態に係るトラクタシャーシ共同利用システム10を利用した場合、埠頭A、埠頭B、埠頭Cに保管されている各社のシャーシ42を共同利用することが可能となる。
【0028】
このため、B社に対して埠頭Cからのコンテナ50の搬出依頼があった場合、B社のトラクタ40と、埠頭Cに保管されているシャーシ42のマッチングが成立すれば、図中に実線で示す動線のように、B社のトラクタ40は、直接埠頭Cへ向かい、埠頭Cにおいてシャーシ42を連結してコンテナ50の受け取りを行うことが可能となる。これにより、陸運事業におけるシャーシ利用の効率化を図ることが可能となる。また、シャーシ42を引き取るために要するトラクタ40の走行距離や時間を低減することも可能となる。また、余剰シャーシ42の削減を図る事も可能となる。
【0029】
[運用例]
上記のような構成のトラクタシャーシ共同利用システム10の利用は、
図3に示すように、初期登録と、シャーシ予約、およびシャーシ使用といった工程によって成り立つ。初期登録は、陸運事業者や、予約センターによる共用シャーシの登録工程である。ここで、予約センターとは、システム運用上の緩衝業務を担う部署であり、準備やトラブル、予約済みシャーシのキャンセル受付、当日シャーシ予約受付、システムに関する問い合わせ、および突発事項等に対応するためのオペレーターなどをいう。登録工程の具体例としては、予約センターの担当者(以下、単に予約センターと称す)によるシャーシプール情報の入力、会社情報の登録の他、陸運事業者の配車担当者によるシャーシ42の選定に伴う選定シャーシの情報登録などが成される。
【0030】
シャーシプール情報とは、例えば、駐車場の位置情報や、応車型などの情報である。シャーシ42の選定は、共用シャーシとして選定したシャーシ42に対して、GPS発信機などの位置情報発信端末を取り付ける事で成される。位置情報発信端末の取り付けが完了した後、位置情報発信端末の固有識別番号を入力することで、該当するシャーシ42の位置情報を把握することが可能となる。また、会社情報並びにシャーシ情報とは、例えば上述したように、陸運事業者名や連絡先、車両番号、社番、車型、軸数、車検証有効期限などであれば良い。
【0031】
各種情報のうち、シャーシプール情報や、会社情報に関しては、予約センターによって成される。また、選定シャーシの情報登録に関しては、陸運事業者の配車担当者によりシャーシ42の選定が成された事に伴い、予約センターにより成されることとなる。
【0032】
こうして入力された各種情報のうち、シャーシプール情報と選定されたシャーシ42の情報(シャーシ42に取り付けられた位置情報発信端末の位置情報)は、シャーシ管理サーバ12の記憶部14等に記録された地図情報データベース(地図マスタ)上に登録される。一方、会社情報やシャーシ情報については、予約情報データベース(予約マスタ)上に登録される。
【0033】
シャーシ予約は、陸運事業者(例えば配車担当者)によるシャーシ42の検索、シャーシ42の予約によって成される。一例として、シャーシ検索は、陸運事業者、あるいは陸運事業者が保有するトラクタ40による効率的なシャーシ42の利用が可能となる位置情報に基づく検索が成される。シャーシ検索時の入力情報としては、例えば駐車場位置(目的シャーシが保管されている駐車場の位置)、陸運事業者名(目的シャーシを保有する陸運事業者の名称・略称)軸数、車型、および年式などであれば良い。
【0034】
シャーシ42の検索情報の入力が成されると、シャーシ管理サーバ12では、検索情報に該当する駐車場、あるいは該当する駐車場に最寄となる駐車場に存在する該当シャーシの空き情報が検索される。検索された情報は、事業者端末20に返信され、配車担当者が視認可能に表示される。ここで、シャーシ検索については、検索情報の優先順位を選択したり、優先順位の変更によるリストの並べ替えを行えるようにしても良い。例えば、シャーシ検索情報の優先順位を利用したいシャーシ42の車型や軸数などとしても良い。
【0035】
シャーシ予約は、検索情報に基づく検索結果が提示された後、陸運事業者の配車担当者により実行される利用予約である。配車担当者は、事業者端末20から予約画面(一例として、
図4参照)を開き、必要事項の入力を行う。必要事項としては、例えば、陸運事業者名や、社番、使用開始時間、返却時間、ピックアップ先駐車場、返却先駐車場などであれば良い。
【0036】
事業者端末20を介して入力された情報は、シャーシ管理サーバ12に送信される。シャーシ管理サーバ12では、入力情報の検証がなされ、入力情報に問題が無ければ、シャーシ管理サーバ12にて予約登録が成される。検証により、入力情報に問題があった場合には、その旨を事業者端末20に返信し、入力情報の修正等を促す処理が成される。
【0037】
シャーシ管理サーバ12では、予約登録が成された場合、シャーシ予約を行った事業者端末20(シャーシ予約を行った陸運事業者の管理ページ)に対して、予約受付通知を送信する。配車担当者は、シャーシ管理サーバ12からの予約受付通知を受け取ることで、シャーシの利用予約の完了を確認する。
【0038】
シャーシ使用は、事業者端末20にて予約受付通知を受けた配車担当者が、配車票を作成し、トラクタ40のドライバーに対して業務指示を出す事により開始される。ドライバーは、配車票、および業務指示に従ってシャーシ42のピックアップ先とされている駐車場へ移動し、シャーシ42を受け取り、業務を実行する。
【0039】
業務終了後、ドライバーは、シャーシ42の返却先とされている駐車場へ移動し、シャーシ42の返却を行う。ここで、シャーシ42の返却時には、使用したシャーシについての状況報告を成すようにすると良い。状況報告とは、例えば、返却時におけるシャーシ42の状態やトラクタシャーシ共同利用システム10の利用状況などの事項である。例えば、シャーシ42に、パンクや損傷が生じていた場合、これを修理する必要がある。こうした、利用シャーシ42に関する補償は、トラクタシャーシ共同利用システム10を利用する陸運事業者間に規約を設けて定めるようにすれば良い。例えば、状況に応じて、該当するシャーシ42を利用した陸運事業者が補償する場合の他、トラクタシャーシ共同利用システム10を利用する際に所定の保証金を支払うことでこれを整備・補償に充てるようにするといった事ができる。
【0040】
ここで、配車担当者による配車票の作成からドライバーによるシャーシ42の返却までの作業は、実際の業務作業(従来通りの作業)であるが、実施形態に係るトラクタシャーシ共同利用システム10によれば、事業者端末20において、シャーシ42の運行状況を確認、監視することができる。具体的には、事業者端末20を介してシャーシ管理サーバ12へのアクセス画面を開き、使用しているシャーシ42の社番や車両番号を入力する。シャーシ42の社番や車両番号の入力を受けたシャーシ管理サーバ12では、該当するシャーシ42の位置情報を取得し、地図マスタの地図上にその位置を表示するなどして、シャーシ42の位置をリアルタイムで確認可能なデータを事業者端末20へと返信する。このような一連の作業により、事業者端末20からのシャーシ運行状況の確認、監視をリアルタイムで行うことが可能となる。
【0041】
ドライバーによるシャーシ42の返却が完了した後、予約センターによるシャーシの返却確認が行われることで、トラクタシャーシ共同利用システム10の利用が終了する。
【0042】
[応用事例]
上記実施形態に係るトラクタシャーシ共同利用システム10を利用するにあたっては、各種制限事項を定める事により、シャーシ42の利用がさらにスムーズかつ効率的なものとなる。
【0043】
例えば、シャーシ管理サーバ12の記憶部22に記録されている、シャーシ42の利用予約のためのプログラムに対し、各陸運事業者によるシャーシ42の予約制限を設けるようにすると良い。具体的には、各陸運事業者が一度に予約できるシャーシ42の数は、該当する陸運事業者がシャーシ管理サーバ12に登録しているシャーシ42の数と同数までとするという制限である。すなわち、シャーシ42を5台登録している陸運事業者による予約限度数は5台となり、8台登録している陸運事業者による予約限度数は8台となる。
【0044】
このような予約制限を設ける事により、シャーシ管理サーバ12に登録されているシャーシ42に対して、各陸運事業者が登録しているシャーシ数よりも多くのシャーシ予約が成される事態を避けることができる。これにより、シャーシ利用の公平化を図ることができ、共有シャーシのスムーズな利用を促すことができる。
【0045】
また、シャーシ42には、取り付けられるGPSなどの位置情報取得手段により、シャーシ管理サーバ12は、地図情報とリアルタイムな位置情報とを協働させ、シャーシ42の走行距離を算出することが可能な構成とすると良い。このような構成とすることで、シャーシ管理サーバ12では、登録されている各シャーシ42の走行距離を把握(記録)することが可能となる。
【0046】
また、各シャーシ42の走行距離を記録することで、シャーシ42の利用予約を行う際、同一のシャーシプールに同じ条件のシャーシ42が複数存在する場合に、走行距離が少ないシャーシ42を上位にリストアップし、この情報を陸運事業者に提供することが可能となる。このようなリストに従い、走行距離の少ないシャーシ42が優先的に利用されることで、シャーシ42の利用に偏りが生じにくくなり、整備スパンの長期化を図ることが可能となる。
【0047】
さらに、各シャーシ42の走行距離を記録する場合、シャーシ管理サーバ12は、シャーシ42の走行距離が予め定めた整備対象距離に達した際に、該当するシャーシ42が整備対象距離に達した旨の表示を行う信号を事業者端末に出力する構成とすることもできる。このような機能を持たせることにより、登録されているシャーシ42の状態を良好に保つことが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0048】
上記実施形態では、シャーシ管理情報をシャーシ管理サーバ12で一元管理する、クライアント−サーバ型もしくはクラウド−サーバ型のシステムにより、トラクタシャーシ共同利用システム10を構築する旨記載した。しかしながら、本発明に係るトラクタシャーシ共同利用システム10は、明確なサーバを備える事なく、ネットワークを介して接続された複数の端末に、共通するシャーシ管理情報を保有させ、いわゆる分散型台帳管理(ブロックチェーン技術)によるシステム構築を行っても良い。
【0049】
このような構成とすることにより、管理情報が膨大な容量となった場合でも、安価にシステム構築を行う事が可能となる。また、複数の端末それぞれが、相互に保有情報の管理確認を実施することで、共有情報の改ざんや、契約・取引における間違いの防止、並びに抑止効果を高めることができる。さらに、共通する管理情報を複数個所にそれぞれ保有する形態となるため、一部の端末に技術的な障害が生じた場合であっても、システムそのものがダウンする事を防ぐことができる。また、同様の理由から、サイバー攻撃等に対する耐性を高めることもできる。
ここで、シャーシ管理情報を保有させる端末とは、登録シャーシを提供する陸運事業者の事業者端末20とすることもできる。
【符号の説明】
【0050】
10………トラクタシャーシ共同利用システム、12………シャーシ管理サーバ、14………記憶部、16………演算部、20………事業者端末、22………記憶部、24………演算部、26………入出力部、40………トラクタ、42………シャーシ、50………コンテナ。