(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記箱体、前記吸引手段、前記励起光源、前記撮影手段及び前記評価手段を収納する、持ち運び自在の収納ケースを更に備えることを特徴とする請求項1記載の屋内衛生評価装置。
複数の前記励起光源にそれぞれ対応し、前記撮影手段が取り込む光から少なくとも前記励起光源が発生する励起光の波長以下の波長の光をカットする複数の光学フィルタと、前記撮影手段が前記フィルタの撮影を行う際に、複数の前記光学フィルタの中から前記励起光源に対応する前記光学フィルタを前記撮影手段のレンズの前に配置させる切替手段と、更に備えることを特徴とする請求項1又は2記載の屋内衛生評価装置。
複数の前記励起光源の一つが発生する励起光の波長は、440nm以上460nm未満の範囲にあることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の屋内衛生評価装置。
前記吸引手段による吸気を開始する前に、前記フィルタに紫外線を照射する初期化光源を更に備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の屋内衛生評価装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載されている検知システムは、捕集液を保持する補修タンク以外に、洗浄液を保持する洗浄タンクや廃水を保持する廃水タンク等が設置されており、比較的大掛かりである。このため、別の場所に移動して微粒子を捕集して捕集液に混合することが困難であり、微粒子を捕集できるエリアが限られる。しかも、A型インフルエンザウイルスの検出に試薬を用いており、その分手間や時間及びコストがかかる。
そこで、屋内における様々な場所での検出作業が可能であり、しかも作業が簡単であり、評価が出るまでの時間が短い屋内衛生評価装置及び屋内衛生評価方法の出現が望まれている。
【0006】
本発明は、このような課題に鑑みなされたものであり、簡単でかつ容易に屋内の空気の安全性を評価することが可能な屋内衛生評価装置及び屋内衛生評価方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するため、本発明は以下のような構成を備えている。
【0008】
本発明の屋内衛生評価装置は、
外部の空気を導入可能な吸気口(例えば、吸気口10a、10b)及び導入した空気を排出する排気口(例えば、排気口10c)を有する箱体(例えば、ケース体10)と、
前記排気口に設けられ、前記箱体の内部の空気を吸気して外部に排出する吸引手段(例えば、吸引装置20)と、
前記箱体の内部で前記排気口の手前に配置され、前記箱体の内部に吸引された空気内に含まれるエアロゾルの少なくとも一部を捕捉可能なフィルタ(例えば、吸着フィルタ11)と、
前記フィルタに、前記フィルタが捕捉したエアロゾルに含まれる自家発光性を有するタンパク質を発光させる励起光を照射する励起光源(例えば、LED光源13a、13b、13c)と、
前記フィルタにおいて自家発光しているタンパク質を撮影する撮影手段(例えば、カメラ14)と、
前記撮影手段が撮影した前記フィルタの画像に含まれる発光領域に基づいて、屋内空間の安全度を評価する評価手段(例えば、CPU41)と、を備え、
前記励起光源は複数備えられ、複数の前記励起光源は、互いに波長が異なる励起光を発生することを特徴とする。
【0009】
本発明の屋内衛生評価装置によれば、フィルタが捕捉したエアロゾルに励起光を照射して、自家発光性を有するタンパク質を発光させ、発光したタンパク質を撮影し、その撮影画像に基づいて、空気中に漂う自家発光性を有するタンパク質を含むエアロゾルを定量的に測定する。これにより、タンパク質を含むエアロゾルは、ウイルスや細菌が付着している可能性があることから、エアロゾルを定量的に測定することにより、屋内空間に漂うエアロゾルによる健康へ影響度を評価することが可能になる。このように、吸引手段を駆動させてフィルタにエアロゾルを付着、堆積させることによって被検試料が作成できるため、被検試料を作成するための手間が大幅に削減できる。しかも、評価までにかかる時間は、吸引手段の駆動時間と、励起光照射及び撮影の時間と、撮影手段が撮影したフィルタの画像に含まれる発光領域を集計する時間とが必要となる。このため、特に、発光領域の集計をコンピュータによる画像処理で行うことによって、評価までにかかる時間を大幅に短縮することが可能になり、簡単でかつ容易に屋内の空気の安全性を評価することが可能な屋内衛生評価装置を提供することができる。
【0010】
また、本発明の屋内衛生評価装置は、前記屋内衛生評価装置において、
前記箱体、前記吸引手段、前記励起光源、前記撮影手段及び前記評価手段を収納する、持ち運び自在の収納ケース(例えば、収納ケース100)を更に備えることを特徴とする。
【0011】
このような構成を有する本発明の屋内衛生評価装置によれば、屋内衛生評価装置の持ち運びが自在であることから、様々な場所における屋内の空気の安全性を評価することが可能になる。
【0012】
また、本発明の屋内衛生評価装置は、前記屋内衛生評価装置において、
複数の前記励起光源にそれぞれ対応し、前記撮影手段が取り込む光から少なくとも前記励起光源が発生する励起光の波長以下の波長の光をカットする複数の光学フィルタ(例えば、光学フィルタ14b)と、前記撮影手段が前記フィルタの撮影を行う際に、複数の前記光学フィルタの中から前記励起光源に対応する前記光学フィルタを前記撮影手段のレンズ(例えば、レンズ14a)の前に配置させる切替手段(例えば、フィルタターレット装置15)と、更に備えることを特徴とする。
【0013】
このような構成を有する本発明の屋内衛生評価装置によれば、励起光源の励起光が撮影手段のレンズに入る前に光学フィルタによってカットされるために、撮影手段が撮影した画像に、LED光源13aからの光が映り込むことを防止することができる。これにより、撮影手段が撮影した画像に基づいて、エアロゾル量をより正確に検出することが可能になる。
【0014】
また、本発明の屋内衛生評価装置は、前記屋内衛生評価装置において、
複数の前記励起光源の一つが発生する励起光の波長は、440nm以上460nm未満の範囲にあることを特徴とする。
【0015】
このような構成を有する本発明の屋内衛生評価装置によれば、フラビン類のタンパク質を発光させることが可能になる。
【0016】
また、本発明の屋内衛生評価装置は、前記屋内衛生評価装置において、
前記吸引手段による吸気を開始する前に、前記フィルタに紫外線を照射する初期化光源(例えば、LED光源13d)を更に備えることを特徴とする。
【0017】
このような構成を有する本発明の屋内衛生評価装置によれば、吸引手段を駆動する前に、初期化光源を発光させてフィルタに紫外線を照射する。これにより、吸引手段を駆動する前からフィルタに付着している、一部のタンパク質の自家発光性を低減させることが可能になり、吸引手段を駆動する前からフィルタに付着しているタンパク質の発光による影響を低減することが可能になる。その結果、屋内空気の安全性の評価に対する信頼性を高めることが可能になる。
【0018】
また、本発明の屋内衛生評価装置を用いた屋内衛生評価方法であって、
前記初期化光源を発光させ、前記フィルタに紫外線を照射する初期化工程と、
前記吸引手段を駆動して、前記箱体の内部に吸引された空気内に含まれるエアロゾルの少なくとも一部を前記フィルタに捕捉させる吸引工程と、
前記吸引手段を停止した後、複数の前記励起光源を一つずつ発光させるとともに前記撮影手段で前記フィルタを撮影する検出工程と、
前記撮影手段で撮影した前記フィルタの画像に含まれる発光領域を集計し、発光領域が多いほど安全度が低いと評価する評価工程と、を有することを特徴とする。
本発明の屋内衛生評価方法によれば、上述した本発明の屋内衛生評価装置を用いることによる効果を奏するとともに、吸引手段を駆動する前に、初期化光源を発光させてフィルタに紫外線を照射する。これにより、吸引手段を駆動する前からフィルタに付着している、一部のタンパク質の自家発光性を低減させることが可能になり、検出工程において、吸引手段を駆動する前からフィルタに付着しているタンパク質の発光による影響を低減することが可能になる。その結果、屋内空気の安全性の評価に対する信頼性を高めることが可能になる。
【0019】
また、本発明の屋内衛生評価方法は、前記屋内衛生評価方法において、
前記初期化工程は、前記初期化光源を発光させて前記フィルタに紫外線を照射した後、前記励起光源を発光させるとともに前記撮影手段で前記フィルタを撮影し、
前記評価工程は、前記初期化工程で撮影した画像と前記検出工程で撮影した画像との差分を取った画像に含まれる発光領域を集計することを特徴とする。
【0020】
このような構成を有する本発明の屋内衛生評価方法によれば、初期化工程で撮影した画像と検出工程で撮影した画像との差分を取ることにより、吸引工程においてフィルタに付着したエアロゾルによる発光画像のみを残すことが可能になり、発光領域の集計にかかる処理が簡単なものとなる。これにより、評価までにかかる時間を短縮することが可能になる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、簡単でかつ容易に屋内の空気の安全性を評価することが可能な屋内衛生評価装置及び屋内衛生評価方法を提供することが可能になる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0024】
[屋内衛生評価装置1の構成]
図1は本発明の一実施形態における屋内衛生評価装置1の概要を示すブロック図である。
屋内衛生評価装置1は、検知装置5と、吸引装置20と、電源装置30と、制御装置40と、I/F50と、ダクト60、61、62と、開閉装置63、64、65と、これらの各種部品を収納する収納ケース100と、を備えている。
【0025】
検知装置5は、ケース体10と、吸着フィルタ11と、シャッタ装置12と、LED光源13a、13b、13c、13dと、CMOSカメラ14と、を備えている。
【0026】
ケース体10は、シャッタ装置12によって、吸着フィルタ11を配置するとともに外気を取り込む吸気エリアAと、LED光源13a、13b、13c、13d及びCMOSカメラ14を配置する検出機器エリアBとに仕切られる。また、ケース体10における吸気エリアAの壁面に、吸気口10a、10bと排気口10cが形成されている。ケース体10は、可視光線及び紫外線を遮断できる樹脂によって構成されている。
【0027】
吸着フィルタ11は、不織布からなる10μmサイズ程度の粒子を捕捉可能な所定の厚みを有するシート状の部材であり、吸気エリアAにおける排気口10cの手前に配置されている。
【0028】
シャッタ装置12は、吸気エリアAと検出機器エリアBとを仕切るシャッタ板(図示せず)と、シャッタ板を駆動するアクチュエータ(図示せず)とからなる。シャッタ装置12は、アクチュエータを駆動することにより、吸気エリアAと検出機器エリアBとを仕切っている仕切り状態と仕切りを解除する解除状態とに切り替えられる。
【0029】
LED光源13a、13b、13cは、吸着フィルタ11に、詳細については後述するが自家発光分子を有するタンパク質を蛍光発光させる励起光を照射するものである。LED光源13dは、吸着フィルタ11に紫外線を照射するものである。なお、シャッタ装置12は、シャッタ板においてLED光源13a、13b、13c、13dの光路となる範囲の部分のみをアクチュエータによって駆動可能なものに構成してもよい。
【0030】
CMOSカメラ14は、レンズ14aと、レンズ14aの前に取り付けられる光学フィルタ14bと、CMOSイメージセンサ14cと、CMOSイメージセンサ14cによって光変換された電気信号を読み出すための制御回路14dと備えている。また、CMOSカメラ14は、CMOSイメージセンサ14cが高感度、高解像度であり、高速シャッタの機能を備え、レンズ14aとしてはマクロレンズが適用される。CMOSカメラ14は、レンズ14aが吸着フィルタ11に対向するように設置されており、LED光源13a、13b、13cのいずれかによって照射された吸着フィルタ11を撮影するものである。
【0031】
光学フィルタ14bは、レンズ14aの前方に配置され、レンズ14aの汚れを防止するものである。
光学フィルタ14bは、4つ備えられており、
図6に示すフィルタターレット装置15に装着されている。フィルタターレット装置15は、4つの光学フィルタ14bを保持する円板体15aと、円板体15aを90度ずつ回転させるモータ15bとを備えている。4つの光学フィルタ14bは、円板体15aの回転中心の周りに等間隔に配置されている。4つの光学フィルタ14bにおける3つは、LED光源13a、13b、13cの個々に対応しており、後述する検出工程において使用される。残りの1つの光学フィルタ14bは、LED光源13dに対応しており後述する初期化工程において使用される。
モータ15bは、制御装置40によって駆動制御され、LED光源13a、13b、13cに対応する光学フィルタ14bは、LED光源13a、13b、13cの発光の際に、レンズ14aの前方に配置され、LED光源13dに対応する光学フィルタ14bは、初期化工程においてレンズ14aの前方に配置される。
LED光源13a、13b、13cに対応する光学フィルタ14bは、少なくとも対応するLED光源が照射する励起光の波長以下の波長の光をカットする機能を持っている。このため、CMOSカメラ14による撮影画像に、LED光源13a、13b、13cからの光が映り込まないようにすることができる。なお、後述する初期化工程において使用される光学フィルタ14bは、他の光学フィルタ14bのように特定波長以下の波長の光をカットする機能を有していない。
【0032】
吸引装置20は、ケース体10の外側に取り付けられ、排気口10cから吸気エリアA内の空気を吸引するコンプレッサ20aと、このコンプレッサ20aを駆動制御する駆動制御部20bとを備えている。
【0033】
電源装置30は、収納ケース100に収納される各種の電気部品に電力を供給するものである。具体的に、電源装置30は、シャッタ装置12、LED光源13a、13b、13c、13d、CMOSカメラ14、吸引装置20、制御装置40、開閉装置63、64、65等に電力を供給する。
【0034】
制御装置40は、屋内衛生評価装置1の全体を制御するCPU41と、屋内衛生評価装置1を制御するための各種のデータやプログラムを記憶するROM42と、CMOSカメラ14による撮影画像を記憶するRAM43等を備えている。
I/F50は、外部機器と制御装置40とを接続するためのインターフェースである。
【0035】
ダクト60、61は、ケース体10の外側に基端部が取り付けられ、終端部側から吸気口10a、10bを介して外気を吸気エリアAに導入する流路を形成する筒状の部材である。ダクト62は、基端部が吸引装置20に取り付けられ、吸気エリアAから排気口10cを介して吸引した空気を終端部側から屋内衛生評価装置1の外部に導く流路を形成する筒状の部材である。
【0036】
開閉装置63は、ケース体10の外側に取り付けられ、吸気口10aを開閉する蓋体(図示せず)と、蓋体を駆動して吸気口10aの開放、閉鎖を切り替えるアクチュエータ(図示せず)とを備えている。同様に、開閉装置64は、ケース体10の外側に取り付けられ、吸気口10bを開閉する蓋体(図示せず)と、蓋体を駆動して吸気口10bの開放、閉鎖を切り替えるアクチュエータ(図示せず)とを備えている。開閉装置65は、ケース体10の外側に取り付けられ、排気口10cを開閉する蓋体(図示せず)と、蓋体を駆動して排気口10cの開放、閉鎖を切り替えるアクチュエータ(図示せず)とを備えている。
【0037】
開閉装置63、64、65は、通常状態において、吸気口10a、10b及び排気口10cを閉鎖しており、制御装置40からの駆動信号に基づいてアクチュエータに電力が供給された場合に蓋体が移動して、吸気口10a、10b及び排気口10cが開放される。
【0038】
なお、吸気口10a、10b及び排気口10cが全て閉鎖されている場合、ケース体10は密閉状態となり、開閉装置63、64、65に通電されない限り、外気がケース体10の内部に流入することはできない。更に、シャッタ装置12が閉鎖されている場合には、吸気エリアAが密閉状態となり、吸気エリアAと検出機器エリアBとの間の空気の流入が規制される。
【0039】
図2は、本発明の一実施形態における屋内衛生評価装置1の外観を示す斜視図である。
図2に示すように、収納ケース100は、可視光線及び紫外線を遮断できる樹脂によって構成されており、
図1に示す各種の部材を収納する箱状の収納部101と、収納部101の開口を閉鎖する蓋体部102とからなる。蓋体部102と収納部101とは図示しない蝶番によって連結されており、蝶番によって連結されている蓋体部102の縁部に対して反対側の蓋体部102の縁部が揺動することによって、収納部101の開口が開閉自在となる。そして、反対側の蓋体部102の縁部と収納部101の縁部とをパッチン錠110によって連結することにより、収納部101に蓋体部102が固定される。
【0040】
収納ケース100に取っ手103が取り付けられており、検査作業員は、取っ手103を持って屋内衛生評価装置1を運ぶことが可能である。また、収納ケース100の下面部にキャスターを取り付けて、検査作業員が、屋内衛生評価装置1を押しながら運べるようにしてもよい。
【0041】
収納部101には、吸気孔104と排気孔105とが形成されている。なお、図示していないが、収納部101において、
図2に示す吸気孔104が形成されている側面に対向する側面にも吸気孔104が形成されている。また、収納部101の内部において、ダクト60、61の終端部は吸気孔104、104に対向するように収納部101の側面に固定されており、ダクト62の終端部は排気孔105に対向するように収納部101の側面に固定されている。このため、ケース体10の内部に収納ケース100内の空気が吸引されることや、ケース体10内の空気が収納ケース100内に排気されることが低減される。なお、排気孔105から排出された空気が吸気孔104に戻らないように、排気孔105に延長ダクトを外付けしてもよい。
【0042】
また、収納部101には、主電源スイッチ、電源ケーブルを接続するための電源コネクタ、I/F50を構成する各種のコネクタが取り付けられている。I/F50を構成する各種のコネクタとしては、外部のディスプレイに接続し、CMOSカメラ14が撮影した画像を外部のディスプレイに表示するための映像出力用のコネクタ(例えば、HDMI(登録商標))や、制御装置40に各種の命令を入力するための入力機器を接続するためのコネクタ(例えば、USB)が備えられている。本実施形態によれば、Bluetooth(登録商標)によって制御装置40とタブレット端末200とを無線接続することが可能であり、タブレット端末200を用いてCMOSカメラ14が撮影した画像の表示や、制御装置40に対する各種の命令の入力が可能になる。なお、図示していないが、主電源スイッチ、電源ケーブルを接続するための電源コネクタ、I/F50を構成する各種のコネクタは外部に露出しないようにカバーで覆われており、カバーは屋内衛生評価装置1の使用時に開くことができるように構成されている。
【0043】
収納ケース100の大きさには、CMOSカメラ14の焦点距離が関わってくる。本実施形態によれば、レンズ14aとしてマクロレンズが適用されるため、吸着フィルタ11とCMOSカメラ14との間の距離を比較的短くすることが可能であり、その分小型の収納ケース100が使用可能である。本実施形態によれば、アタッシュケース程度の大きさまで小型化することが可能になる。また、屋内衛生評価装置1を構成する個々の部材に重量物がないため、屋内衛生評価装置1は持ち運び可能な程度の重さに構成されている。
【0044】
[屋内衛生評価装置1による屋内空間の評価原理]
次に、本実施形態の屋内衛生評価装置1による屋内空間の評価原理について説明する。
屋内衛生評価装置1は、室内空間に漂う自家発光分子を有するタンパク質(以下、自家発光性タンパク質と称する)を含むエアロゾルを検出し、当該エアロゾルの検出量に基づいて定量的に室内空間の安全性を評価するものである。詳細については後述するが、屋内衛生評価装置1は、吸引装置20を駆動させることによって、ケース体10の吸気エリアAに外気を取り込み、吸着フィルタ11を介して外部に排出させることで吸着フィルタ11にエアロゾルを付着させる。その後、吸着フィルタ11に励起光を照射することによって自家発光性タンパク質を発光させ、この発光を撮影することによって自家発光性タンパク質を検出する。そして、撮影画像を解析することによって自家発光性タンパク質の発光量を求め、この発光量に基づいて室内空間の安全性を評価する、というものである。
【0045】
ここで、エアロゾルは、スギ花粉、飛沫、飛沫核、細菌、ウイルスのように広い意味で空中浮遊している個体又は液体を指す。自家発光性タンパク質を含むエアロゾルとしては、人間の口から出る飛沫、スギ花粉、カビ等がある。また、ウイルスの中にも自家発光性タンパク質を持っているウイルスもある。本実施形態によれば、自家発光性タンパク質を有するエアロゾルは検出可能であるが、自家発光性タンパク質を有していないウイルスや物質(例えば、黄砂)等は検出が困難である。その一方で、人から発せられる飛沫にはウイルスが含まれている可能性があり、しかも、タンパク質はウイルスだけでなく、細菌の温床にもなり得る。このような点から、室内空間に漂う自家発光性タンパク質を含むエアロゾル量は、ウイルスが浮遊している可能性を含めて、室内環境における健康への影響度を評価する指針とすることが可能であり、自家発光性タンパク質を含むエアロゾル量が多いほど健康への影響度が高いと評価することができる。
【0046】
[屋内衛生評価装置1による評価方法]
図3は、屋内衛生評価装置1を用いた屋内衛生評価方法の流れを示すフローチャートである。屋内衛生評価装置1のCPU41が、ROM42に記憶されている屋内衛生評価プログラムを実行することにより、屋内衛生評価処理が開始される。屋内衛生評価処理は、最初に初期化工程(S1)を実行する処理が行われ、続いて吸引工程(S2)、検出工程(S3)及び評価工程(S4)が順番に自動的に実行する処理が行われる。評価工程の処理が終了した場合に屋内衛生評価処理が終了する。
【0047】
初期化工程(S1)は、LED光源13dが吸着フィルタ11へ紫外線(UV−C光)を照射する工程である。紫外線を照射することより、吸着フィルタ11に付着しているタンパク質構造を壊し、蛍光発光をできなくすることが期待できる。このように、観測前に吸着フィルタ11に付着している自家発光性タンパク質を予め蛍光発光できなくすることで、観測精度を上げることが可能になる。初期化工程が終了すると、吸引工程が開始される。
【0048】
吸引工程(S2)は、開閉装置63、64、65を開放させ、吸引装置20を駆動させることにより、室内の空気を吸着フィルタ11に通す工程である。この工程で、吸着フィルタ11にエアロゾルが付着、堆積する。吸引工程が終了すると、検出工程が開始される。
【0049】
検出工程(S3)は、LED光源13a、13b、13cが吸着フィルタ11へ励起光を照射して、自家発光性タンパク質を発光させる工程と、LED光源が励起光を照射することによって発光した自家発光性タンパク質をCMOSカメラ14で撮影する工程とを有する。CMOSカメラ14で撮影した画像において発光している個々の領域が自家発光しているタンパク質であり、吸着フィルタ11に付着、堆積したエアロゾルに相当する。検出工程が終了すると、評価工程が開始される。
【0050】
評価工程(S4)は、CMOSカメラ14で撮影した画像において発光している発光領域を画像処理によって求め、発光領域の大きさを集計する工程と、これらの集計データに基づいて室内環境における健康への影響度を評価する工程とを有する。CMOSカメラ14で撮影した画像において発光している個々の発光領域の総和がエアロゾル量に相当し、発光している個々の発光領域の総和に基づいて室内環境における健康への影響度が評価される。
【0051】
[屋内衛生評価装置1の仕様]
次に、本実施形態の屋内衛生評価装置1の仕様について、より具体的に説明する。
【0052】
本実施形態によれば、LED光源13a、13b、13cが用意されており、LED光源13aは365nm、LED光源13bは400nm、LED光源13cは445nmの波長の励起光を吸着フィルタ11に照射することができる。また、本実施形態によれば、他にもLED光源13dが設置されており、LED光源13dは初期化工程に使用され、265nmの波長の紫外線(UV−C光)を吸着フィルタ11に照射することができる。
【0053】
例えば、フラビン類のタンパク質は380〜490nmあたりの励起光であれば概ね発光可能である。なお、ここで言うフラビン類とは、フラビン以外にフラビンの化合物も含まれている。このため、LED光源13b、13cからの励起光により、フラビン類のタンパク質を発光させることが可能になる。フラビン類は、440nm以上460nm未満の範囲、特に、450nmあたりの励起光が顕著に発光することから、少なくともLED光源13cを撮影用に使用することが望ましい。また、花粉のタンパク質は360nmあたりの励起光であれば概ね発光可能である。
【0054】
本実施形態によれば、LED光源13a、13b、13cを順番に発光、撮影を行う通常モードと、スギ花粉をターゲットとしてLED光源13aの励起光を照射してスギ花粉のタンパク質を撮影する花粉モードと、フラビン類をターゲットとしてLED光源13cの励起光を照射してフラビン類を撮影するフラビンモードと、が選択可能である。
【0055】
また、LED光源13cに対応する光学フィルタ14bは、少なくとも445nm以下の光をカットすることができるものが使用可能である。本実施形態によれば、フラビン類の蛍光放射は520〜560nmあたりであることから、フラビンモードにおいてレンズ14aの前に500nm以下の光をカットする光学フィルタ14bが配置される。これにより、LED光源13aからの光の映り込みを防止することができるとともに、フラビン類を以外のタンパク質による蛍光発光の映り込みを防止することが可能になり、フラビン類を含むエアロゾル量をより正確に検出することが可能になる。なお、フラビン類に限らず、一般に、励起光の波長よりも、励起光によって発光した蛍光放射の波長の方が長い。このため、ターゲットとなるタンパク質が決まっている場合には、励起光の波長から蛍光放射の波長までの範囲で、光学フィルタ14bがカットする波長を適宜決めてもよい。
【0056】
また本実施形態においては、吸着フィルタ11として、10μmぐらいのエアロゾルが捕捉できる不織布が採用されている。このため、10μmよりも小さいエアロゾルであれば、吸着フィルタ11を通過可能であるが、その一方で、吸着フィルタ11の繊維に付着して堆積するエアロゾルもある。また本実施形態においては、吸引装置20を用いているため、吸着フィルタ11上におけるエアロゾルの体積密度を高くすることが可能となり、その分、発光領域の検出を行い易くすることができる。なお、吸着フィルタ11としては、きめが細かく多くのエアロゾルを捕捉できることが望ましいが、一部のエアロゾルを捕捉することでも、屋内空間のエアロゾル量を検出することは可能である。
【0057】
[屋内衛生評価装置1の使用例]
次に、本実施形態の屋内衛生評価装置1の使用例について、より具体的に説明する。
まず、作業員が屋内衛生評価装置1を評価対象となる室内に搬送して、電源ケーブルを接続する。そして、作業員が屋内衛生評価装置1の主電源スイッチをオンにすると、自動的に屋内衛生評価装置1とタブレット端末200とが無線通信可能な状態になる。
【0058】
次に、作業員がタブレット端末200を操作してモードの指定を行い、屋内衛生評価装置1に開始信号を送信し、CPU41に、作業員が指定したモードに基づく屋内衛生評価プログラムを実行開始させる。なお、作業員は、室外に出てタブレット端末200を操作することも可能である。
【0059】
例えば、通常モードの屋内衛生評価プログラムが実行されると、まず、初期化工程が開始され、CPU41は、シャッタ装置12を駆動させ、LED光源13a、13b、13c、13dによる吸着フィルタ11への光照射が可能な状態にする。この時、開閉装置63、64、65が閉鎖状態にある。次に、CPU41は、初期化工程で使用する光学フィルタ14bをレンズ14aの前方に配置させ、LED光源13dを発光させて、吸着フィルタ11へ紫外線を所定時間照射することにより、吸着フィルタ11を初期化する。次に、CPU41は、LED光源13a、13b、13cの順で吸着フィルタ11に励起光を照射させる。そして、LED光源13a、13b、13cがそれぞれ励起光を照射している間にCMOSカメラ14を駆動させることにより、CMOSカメラ14が吸着フィルタ11を撮影する。CMOSカメラ14が撮影した3つの撮影データは、制御装置40に送信されてRAM43に初期データとして記憶される。
LED光源13a、13b、13cの発光及びそれに伴う吸着フィルタ11の撮影が終了した場合に初期化工程が終了し、次に吸引工程が開始される。
【0060】
吸引工程が開始されると、CPU41は、開閉装置63、64、65を開放させ、吸引装置20を駆動させる。これにより、室内空間の空気が吸気口10a、10bを通って吸気エリアAに集気され、吸着フィルタ11を通して排気口10cから外部に排出される気流が形成される。このとき、外気とともに吸気エリアAに集められたエアロゾルの一部が吸着フィルタ11に付着、堆積する。CPU41は、吸引装置20を予め定められた吸気時間だけ駆動させ、吸気時間に到達した時点で、吸引装置20を停止させるとともに、開閉装置63、64、65を閉鎖させる。これにより、吸引工程が終了し、次に検出工程が開始される。
【0061】
検出工程が開始されると、CPU41は、シャッタ装置12を駆動させ、LED光源13a、13b、13cから吸着フィルタ11への励起光照射が可能な状態にする。次に、CPU41は、LED光源13aを発光させ、LED光源13aに対応する光学フィルタ14bをレンズ14aの前方に配置させ、吸着フィルタ11へ励起光を照射させながら、CMOSカメラ14を駆動させることにより、CMOSカメラ14が吸着フィルタ11を撮影する。撮影後、撮影データは、制御装置40に送信されてRAM43に記憶される。CPU41は、所定時間経過後、LED光源13aを消灯させて、次にLED光源13bを発光させる。LED光源13bを発光させた場合も同様に、LED光源13bに対応する光学フィルタ14bをレンズ14aの前方に配置させてから、CMOSカメラ14が吸着フィルタ11の撮影を行い、撮影データを制御装置40に送信してRAM43に記憶する。CPU41は、所定時間経過後、LED光源13bを消灯させて、次にLED光源13cを発光させる。この場合も同様に、CMOSカメラ14が吸着フィルタ11を撮影し、撮影後、撮影データを制御装置40に送信する。
【0062】
図4は、吸着フィルタ11の撮影画像の一例を示す図である。ここで、
図4は、実際の撮影画像を白黒反転したものであり、黒い領域が発光領域となる。
図4に示すように不織布の繊維にエアロゾルが付着することにより、点状或いは線状に発光する。LED光源13cを発光させ、吸着フィルタ11の撮影を終了した場合に、吸引工程が終了し、次に評価工程が開始される。
【0063】
図5は、評価工程において実行される処理の流れを説明するためのフローチャートであり、評価工程が開始されると、CPU41は、RAM43から初期データ及び撮影データを読み出し(S10)、検出工程において取得した、LED光源13aからの励起光照射時の撮影データと、LED光源13aの初期データとの差分を取る(S11)。ここで言う差分を取るとは、排他的論理和を取ることを指す。つまり、差分を取ることによって、吸引工程において、吸着フィルタ11に対して新たに付着した自家蛍光性タンパク質の発光画像が残る。
【0064】
同様に、LED光源13b、13cからの励起光照射時の撮影データと、初期化工程において取得した、LED光源13b、13cの初期データとの差分を取る。次に、CPU41は、4つの差分データからそれぞれ発光領域の総和を求める。発光領域の総和は、例えば、差分データにおける発光強度を画素毎に、予め設定した発光強度を閾値として二値化し、発光している画素数を計数することにより求めることができる。次に、CPU41は、ROM42に記憶されている評価値テーブルを参照して発光領域の総和に対応する評価を求め(S12)、その評価結果をタブレット端末200に送信する(S13)。
【0065】
作業員は、タブレット端末200に表示される評価結果を見ることにより、室内環境の評価を知ることができる。なお、LED光源13a、13b、13cからの励起光照射時の初期データの画像や撮影データの画像、及び差分データの画像を、タブレット端末200に表示可能にしてもよい。これにより、タンパク質の蛍光発光具合を視認することが可能になり、例えば、スギ花粉が多いとか、細菌が多いとかの判断に役立てることができる。
【0066】
[作用効果]
このように構成された本実施形態によれば、吸着フィルタ11が捕捉したエアロゾルに励起光を照射して、自家発光性を有するタンパク質を発光させ、発光したタンパク質を撮影し、その撮影画像に基づいて、空気中に漂う自家発光性を有するタンパク質を含むエアロゾルを定量的に測定する。これにより、タンパク質を含むエアロゾルは、ウイルスや細菌が付着している可能性があることから、エアロゾルを定量的に測定することにより、屋内空間に漂うエアロゾルによる健康へ影響度を評価することが可能になる。
【0067】
また本実施形態によれば、屋内衛生評価装置1は簡単に持ち運びが可能であり、作業員が、検査の対象となる室内に屋内衛生評価装置1を持ち込み、その後、タブレット端末200の操作により、屋内衛生評価装置1に直接触れることなく駆動させることが可能となる。これにより、様々な場所で屋内空間の評価を行うことが可能になり、しかも、評価対象が環境に問題のある屋内空間であっても、作業員はその空間で長時間作業する必要がなくなる。
【0068】
また、吸引装置20を駆動させて吸着フィルタ11にエアロゾルを付着させるという簡単な方法で被検試料を作成することが可能であり、被検試料に対して励起光を照射しながらCMOSカメラ14で撮影し、この撮影画像を画像処理によって蛍光発光している領域を求めるという簡単な方法でエアロゾル量を求めることができる。これにより、エアロゾル量を求めるための手間や時間を大幅に短縮することが可能になり、評価が出るまでの時間を大幅に短縮することが可能になる。
【0069】
また、初期化工程において、吸着フィルタ11に既に付着している自家発光性タンパク質が発光しないようにすることにより、吸着フィルタ11の交換回数を少なくすることが可能となる。
【0070】
[変形例]
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上述したものに限るものではない。例えば、本実施形態によれば、エアロゾルを検出するためにフラビン類をターゲットとしているが、他の自家発光性タンパク質をターゲットとしてもよい。また、本実施形態によれば、LED光源13a、13b、13cの3つの撮影用の光源を備えているが、撮影用の光源は、それより多くても少なくてもよい。また、3つの撮影用の光源を全て撮影に使用する必要はなく、ターゲットとなる自家発光性タンパク質が最も発光しやすい波長の光源のみを使用してもよい。
【0071】
また、LED光源13a、13b、13c、13dを付け替え可能とし、別の波長のLED光源を設置可能にしてもよい。これにより、ターゲットとなる自家発光性タンパク質の範囲を広げたり、ターゲットとなる自家発光タンパク質に応じて初期化工程で使用するLED光源を設置したりすることが可能になり、より具体的な屋内空間の安全性の評価を行うことが可能になる。
【0072】
また、評価工程において、差分データに基づいて求めた発光領域の総和が極めて少ない場合(例えば、0の場合)、検出工程に戻り、励起光の照射時間及びCMOSカメラ14の露出時間を長くして再度、吸着フィルタ11の撮影を行う。そして、評価工程において、新たな撮影データに基づく評価を行ってもよい。
【0073】
また、本実施形態によれば、吸引装置20としてコンプレッサを用いているが、それ以外でも、エアロゾルを帯電装置によって帯電させて、吸着フィルタ11に静電気によって吸着させてもよい。例えば、吸着フィルタ11に付着したエアロゾルの水分が蒸発した場合に、吸引装置20がコンプレッサであれば、エアロゾルに付着していたウイルスが落下することがあり得る。一方、吸引装置20が帯電式であれば、ウイルスも帯電しているため、吸着フィルタ11から落下し難くすることが可能になり、屋内衛生評価装置1による評価の信頼性を維持することが可能になる。
更に、吸引装置20として排気ファンを用いてもよい。これにより、屋内衛生評価装置1の更なる軽量化が図れ、可搬性を向上させることができる。また、吸引装置20が収納ケース100に対して外付けであってもよい。
【0074】
また、本実施形態によれば、屋内衛生評価装置1のCPU41が評価工程を実行しているが、それに限らず、屋内衛生評価装置1或いはタブレット端末200が初期データ及び撮影データを外部端末に送信し、外部端末が評価工程を実行して、評価結果を屋内衛生評価装置1或いはタブレット端末200に送信するようにしてもよい。これにより、画像処理能力の高い外部端末を使用することが可能になり、より詳細でかつ信頼性の高い評価結果を得ることが可能になる。
【0075】
また、本実施形態によれば、作業員が屋内衛生評価装置1を評価対象の屋内空間に持ち込んでいるが、それに限らず、屋内衛生評価装置1に自走装置を設け、タブレット端末200の操作により、遠隔操作で屋内衛生評価装置1を評価対象の屋内空間に移動させてもよい。更には、屋内衛生評価プログラムに移動工程を加え、特定時刻に屋内衛生評価プログラムを実行させて、まず、初期位置の屋内衛生評価装置1を第1の評価位置に移動させ、第1の評価位置における評価を終了した場合に、第2の評価位置に移動させ、第2の評価位置における評価を終了した場合に、第3の評価位置に移動させる。そして、最後の評価位置における評価を終了した場合に、初期位置に戻る、という作業を自動的に行うようにしてもよい。
【解決手段】吸気口10a、10b及び排気口10cを有するケース体10と、排気口10cに設けられ、ケース体10の内部の空気を吸気して外部に排出する吸引装置20と、ケース体10の内部で排気口10cの手前に配置され、エアロゾルを捕捉可能な吸着フィルタ11と、吸着フィルタ11に励起光を照射して、吸着フィルタ11が捕捉したエアロゾルに含まれる自家発光性を有するタンパク質を発光させるLED光源13a、13b、13cと、吸着フィルタ11において自家発光しているタンパク質を撮影するカメラ14と、カメラ14が撮影した吸着フィルタ11の画像に含まれる発光領域に基づいて、屋内空間の安全度を評価する評価手段(CPU41)と、を備え、LED光源13a、13b、13cは、互いに波長が異なる励起光を発生する。