【実施例1】
【0018】
次に、本発明における酸素濃縮装置の一実施例について、
図1ないし
図5を用いて説明する。
図1は本発明における酸素濃縮装置の実施の一形態の正面図である。
図2は酸素濃縮装置の内部の平面図である。
図3は酸素濃縮装置の内部の右側面図である。
図4は酸素濃縮装置の内部の左側面図である。
図5は概略の気体の流れを説明するための回路図である。
【0019】
なお、配管が図において重なっており分かりにくいので、配管の一部を切り欠いたり、曲げたりして図示されている。
図3においては、コンプレッサーカバーの右側壁などが外された状態で図示されている。また、
図5の回路図は、部品の配置位置は適宜変更されている。たとえば、エアーフィルターは右側に記載されているが、実際は、
図2、
図3および
図4で分かるように、酸素濃縮用中空糸膜メンブレンの上方に位置している。さらに、
図5において、コンプレッサーカバー、吸気用ファンや排気用ファンなどは破線で図示されている。
【0020】
酸素濃縮装置1は横長に形成され、酸素濃縮装置1の電源スイッチ2、ON−OFFなどを表示する表示部3や、内部の空気を排気する排気孔4が前面に設けられている。
【0021】
酸素濃縮装置1の横長の本体ケース6の内部には、横長の酸素濃縮用中空糸膜メンブレン11、この酸素濃縮用中空糸膜メンブレン11に空気を供給する空気供給用ポンプ21、酸素濃縮用中空糸膜メンブレン11から濃縮された酸素を吸引する濃縮酸素用ポンプ22、空気供給用ポンプ21および濃縮酸素用ポンプ22を駆動する駆動源である駆動用モータ23、および、横長の水分除去用中空糸膜メンブレン24が設けられている。また、本体ケース6には、チューブ用の孔25が形成されている。
【0022】
酸素濃縮用中空糸膜メンブレン11は、横長の断面円形の筒体31内に、多数の中空糸32が並べられている。酸素濃縮用中空糸膜メンブレン11の右側の端部に設けられた空気取込み口33から加圧された空気が入ると、この空気は中空糸32の中空部を流れる。その際に、酸素は窒素よりも中空糸32の膜を透過しやすいため、中空糸32の外側の空気は酸素濃度が高くなり、一方、中空糸32の内側の空気は窒素濃度が高くなる。中空糸32の外側の濃縮酸素は、筒体31の濃縮酸素排出口34から排出される。また、中空糸32の内側の濃縮窒素は、筒体31の左側の端部に設けられた濃縮窒素排出口36から排出される。この酸素濃縮用中空糸膜メンブレン11は、左右方向に長く配置されている。
【0023】
左右一対の空気供給用ポンプ21および濃縮酸素用ポンプ22は、その間に駆動用モータ23を挟んで配置され、横長の2ヘッド型コンプレッサー26を構成している。酸素濃縮用中空糸膜メンブレン11の前側において、右側から、空気供給用ポンプ21、駆動用モータ23、濃縮酸素用ポンプ22の順に左右方向に配置されている。このコンプレッサー26は、防音のためコンプレッサーカバー27で覆われている。このコンプレッサーカバー27には、右側壁に吸気用ファン28が、前壁に排気用ファン29が設けられている。この吸気用ファン28は右側すなわち、空気供給用ポンプ21の配置側に位置し、排気用ファン29は駆動用モータ23の前側すなわち、駆動用モータ23に隣接して配置されている。
【0024】
水分除去用中空糸膜メンブレン24は、酸素濃縮用中空糸膜メンブレン11と同様に中空糸膜メンブレンであるが、その径や長さは酸素濃縮用中空糸膜メンブレン11よりも小さい。中空糸膜メンブレンは、水分、酸素、窒素の順で透過しやすいので、水分除去用中空糸膜メンブレン24で水分を減少させてから、酸素濃縮用中空糸膜メンブレン11に水分の少なくなった乾燥した空気を供給している。この水分除去用中空糸膜メンブレン24は、濃縮窒素取込み口24a、水分排出口24b、空気取込み口24cおよび、乾燥した空気を排出する乾燥空気排出口24dを具備している。
【0025】
そして、前側から奥側に向かって、コンプレッサー26、水分除去用中空糸膜メンブレン24および酸素濃縮用中空糸膜メンブレン11の順で並列して配置されている。すなわち、酸素濃縮用中空糸膜メンブレン11および水分除去用中空糸膜メンブレン24の軸線方向に対して略直角の方向に並んでいる。また、水分除去用中空糸膜メンブレン24はコンプレッサー26の駆動用モータ23の隣に位置している。
【0026】
駆動用モータ23により空気供給用ポンプ21および濃縮酸素用ポンプ22を駆動すると、空気供給用ポンプ21は、エアーフィルター41を介して、空気を導入し、水分除去用中空糸膜メンブレン24の空気取込み口24cに供給する。水分除去用中空糸膜メンブレン24に供給された空気は、水分が透過して除去された乾燥した空気と、透過して除去された水分を含む湿気た気体とに分離される。
【0027】
水分除去用中空糸膜メンブレン24の乾燥空気排出口24dからの乾燥した空気は、酸素濃縮用中空糸膜メンブレン11の空気取込み口33から酸素濃縮用中空糸膜メンブレン11の中空糸32内に供給される。
【0028】
一方、濃縮酸素用ポンプ22は、酸素濃縮用中空糸膜メンブレン11の筒体31内の濃縮酸素を濃縮酸素排出口34から吸い込んで、チューブ44を介して酸素濃縮装置1の外側の酸素マスクなどの酸素吸入具46に供給する。このチューブ44は、その一端が濃縮酸素用ポンプ22に接続され、他端は酸素濃縮装置1の本体ケース6のチューブ用の孔25を通って、本体ケース6の外に導かれている。
【0029】
また、酸素濃縮用中空糸膜メンブレン11の濃縮窒素排出口36から排出された乾燥した濃縮窒素は、水分除去用中空糸膜メンブレン24の濃縮窒素取込み口24aから流れ込み、水分除去用中空糸膜メンブレン24内において透過して除去された水分と混合されて加湿された濃縮窒素となり、水分除去用中空糸膜メンブレン24の水分排出口24bから排出される。この加湿された濃縮窒素は、コンプレッサーカバー27の天板に形成された孔27aからコンプレッサーカバー27内に流入する。この孔27aは、コンプレッサーカバー27の左側の部分すなわち、濃縮酸素用ポンプ22配置側に形成されている。
【0030】
コンプレッサーカバー27の孔27aから入った加湿された濃縮窒素は、濃縮酸素用ポンプ22や駆動用モータ23を冷却して、排気用ファン29により本体ケース6の排気孔4から酸素濃縮装置1の外に排気される。また、吸気用ファン28によりコンプレッサーカバー27内に吸い込まれた空気は、空気供給用ポンプ21や駆動用モータ23を冷却して、排気用ファン29により本体ケース6の排気孔4から酸素濃縮装置1の外に排気される。
【0031】
この様にして、酸素吸入具46から、濃縮酸素が、酸素濃縮装置1の載置されている机で読書や勉強している人などに供給される。この濃縮酸素により読書や勉強している人などが覚醒し、作業効率が向上する。
【0032】
水分除去用中空糸膜メンブレン24が設けられており、酸素濃縮用中空糸膜メンブレン11には乾燥した空気が供給される。そのため、酸素濃縮用中空糸膜メンブレン11で生成される濃縮酸素に含有される水分が減少し、チューブ44の中や酸素吸入具46の内外で結露することが防止される。
【0033】
水分除去用中空糸膜メンブレン24は、コンプレッサー26に隣接して配置されている。このコンプレッサー26の駆動用モータ23やポンプ21,22は駆動時に発熱しており、その熱により水分除去用中空糸膜メンブレン24が温められる。したがって、水分除去用中空糸膜メンブレン24の温度、さらには生成された水分の多い気体の温度が上昇し、生成された水分の多い気体が結露することを極力防止することができる。
【0034】
水分除去用中空糸膜メンブレン24の中空糸の内側を流れる空気から、水分が中空糸の外側に透過して水分除去用中空糸膜メンブレン24の筒体と中空糸との間に流入するが、この水分除去用中空糸膜メンブレン24の筒体と中空糸との間には、酸素濃縮用中空糸膜メンブレン11からの乾燥した濃縮窒素が流れている。そのため、乾燥した濃縮窒素が、透過した水分(すなわち、除去された水分)と混合し、透過した水分の濃度が大きく下がる。その結果、水分除去用中空糸膜メンブレン24の内外において結露の発生を極力防止することができる。また、中空糸の外側の水蒸気圧が減少し、水分の透過効率が向上する。
【0035】
水分除去用中空糸膜メンブレン24内で結露することを防止するため、水分除去用中空糸膜メンブレン24に供給する乾燥した濃縮窒素の量が大きくなるように、空気供給用ポンプ21の吐出流量を大きくしており、ポンプの入出力の圧力差が小さくなっている。そして、空気供給用ポンプ21と濃縮酸素用ポンプ22とは略同じ容量であるので、ポンプの入出力の圧力差が濃縮酸素用ポンプ22の方が大きくなり、空気供給用ポンプ21よりも温度が高くなる傾向がある。したがって、水分除去用中空糸膜メンブレン24からの加湿された濃縮窒素で、温度が高くなる濃縮酸素用ポンプ22を効率よく冷却している。
【0036】
この様にして、酸素濃縮装置1の内外において、結露することを極力防止することができ、カビなどの発生を防止できるため、衛生的である。一方、駆動用モータ23やポンプ21,22は、水分除去用中空糸膜メンブレン24の水分排出口24bからの加湿された濃縮窒素により冷却されることになり、高温になることを防止することができ、濃縮効率が向上するとともに、故障などの不具合が減少する。
【0037】
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更例を下記に例示する。
(1)酸素濃縮装置は設置する際に、向きを変更することは可能である。たとえば、縦置きにすることも可能である。
【0038】
(2)酸素濃縮装置は、設置場所は適宜選択可能で、机の上以外の場所に設置することも可能である。また、濃縮酸素の供給先は、適宜選択可能で、読書や勉強をしている人などに限定されるものではない。
(3)中空糸膜メンブレンの筒体の断面は、円形であるがその形状は適宜変更可能である。たとえば、楕円や多角形などでも可能である。
【0039】
(4
)コンプレッサーカバー27は、コンプレッサー26の全体を覆うことも可能であるし、部分的に覆うことも可能である。
【0040】
(5)酸素濃縮用中空糸膜メンブレン11で生成される濃縮窒素は、水分除去用中空糸膜メンブレン24に全量供給されているが、必ずしも、全量供給する必要はない。ただし、水分除去用中空糸膜メンブレン24の内外において水分濃度を低下させるためには、全量供給することが好ましい。
(6)酸素濃縮装置1内の部材や配管などの配置は適宜変更可能である。
【0041】
(
7)空気供給用ポンプ21は吸気用ファン28で冷却されているが、水分除去用中空糸膜メンブレン24からの加湿された濃縮窒素で冷却するように構成することも可能である。
【0042】
(8)濃縮酸素用ポンプ22および空気供給用ポンプ21の両者が、1個の駆動用モータ23で駆動されるように構成されているが、各ポンプ毎に駆動用モータを設けることも可能である。
(9)中空糸の材質などは適宜選択可能である。また、水分除去用中空糸膜メンブレン24の中空糸は、酸素濃縮用中空糸膜メンブレン11の中空糸32と同じ材質で形成されているが、異ならしめることも可能である。その場合には、酸素の透過量に対する水分の透過量の比が、水分除去用中空糸膜メンブレン24が酸素濃縮用中空糸膜メンブレン11の方よりも大きくなるように、材料を選定することが好ましい。
(10)中空糸膜メンブレンの構造や形状は適宜変更可能である。たとえば、実施例では、酸素濃縮用中空糸膜メンブレン11は、細長く直線状に形成され、濃縮窒素排出口36と空気取込み口33とが酸素濃縮用中空糸膜メンブレン11の異なる端部に形成されているが、中空糸を湾曲させるなどして、濃縮窒素排出口36を空気取込み口33に隣接して設けることも可能である。また、濃縮窒素排出口36、濃縮酸素排出口34および空気取込み口33を酸素濃縮用中空糸膜メンブレン11の一端面に並べて配置することも可能である。