(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0008】
<概要>
本発明の一態様に係る搬送装置は、ベルトコンベアタイプの搬送装置において、複数のローラに巻回された無端状のベルトを有する搬送ユニットと、前記搬送ユニットを着脱自在に支持する支持ユニットと、前記支持ユニットに固定された駆動ユニットと、前記駆動ユニットの動力を前記搬送ユニットに伝達する駆動伝達ユニットとを備え、前記ベルトが前記搬送ユニット以外の部材に接触することなく巻回されている。
別態様に係る搬送装置において、前記複数のローラには前記ベルトを回動させる駆動ローラが含まれ、前記駆動伝達ユニットは、前記駆動ユニットに取付けられた駆動側伝達部材と、前記駆動ローラに取付けられた搬送側伝達部材とを直接的又は間接的に連結自在に備える。これにより搬送ユニットの支持ユニットからの取り外しが容易となる。
別態様に係る搬送装置において、前記搬送ユニットは、前記複数のローラをその長手方向の両側で回転自在に支持する一対の搬送フレーム体を有し、前記搬送側伝達部材は、前記駆動ローラの回転軸であって前記一対の搬送フレーム体よりも外側で取り付けられている。これにより、搬送ユニットのベルトの洗浄が容易に行うことができる。
別態様に係る搬送装置において、前記支持ユニットは、前記複数のローラと平行な方向に、前記搬送ユニットをスライド可能に支持する。これにより駆動側伝達部材と搬送側伝達部材との連結を容易に行うことができる。
別態様に係る搬送装置において、前記駆動ユニットは前記駆動ローラの回転軸と直交する方向に延伸する駆動軸を有し、前記駆動側伝達部材は前記駆動軸に取付けられ、前記駆動側伝達部材と前記搬送側伝達部材はすぐばかさ歯車である。これにより駆動ローラの回転軸が延伸する方向において、搬送装置の大型化を防止できる。
別態様に係る搬送装置において、前記支持ユニットは、搬送方向に長い矩形状の底板と、当該底板の周縁部から立設する側板とを有するパン部材を備え、前記パン部材における搬送方向と平行な一対の側板が前記一対の支持体を構成する。これにより、例えば搬送物品が液体の入ったコップの場合、コップが転倒しても、液体が搬送装置の設置面に付着するようなことを抑制できる。
【0009】
<実施形態>
以下に実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0010】
1.全体構成
実施形態に係る搬送装置はベルトコンベアタイプであって、食品や医療品等の搬送物品を搬送する。このため、搬送物品と接触する部分は衛生管理上洗浄する必要があり、搬送装置は、洗浄が容易となるように、分解可能(組立可能)な複数のユニットから構成される。なお、搬送装置を設置面に設置するための脚部の図示は省略している。
搬送装置1について
図1〜5を用いて説明する。
搬送装置1は、搬送ユニット100、支持ユニット200、駆動ユニット300、駆動伝達ユニット400を備える。ここで、搬送物品を搬送する搬送ユニット100は、支持ユニット200により着脱自在に支持され、洗浄の際に支持ユニット200から取り外される。
搬送装置1は上記ユニット以外にロック機構600(
図2参照)を備えてもよい。ロック機構600は搬送ユニット100が支持ユニット200に組み込まれている状態を維持したり解除したりする。
本実施形態の搬送装置1が搬送する搬送物品は、例えば液体の入ったコップである。このため、搬送装置1は、上記ユニット以外に、コップが倒れないようにするためのガイドユニット500を備える。
搬送装置1は、
図3及び
図4において、右側から左側に搬送物品(図示省略)を搬送する。ここで、搬送物品が搬送される方向を搬送方向とし、搬送方向やベルト107の回動方向を長さ方向ともいい、ベルト107を回動駆動させるローラの軸が延伸する軸方向を幅方向(
図4において上下方向であり、
図5において左右方向である)ともいい、長さ方向及び幅方向と直交する方向を上下方向(
図3及び
図5において上下方向である)とする。
搬送ユニット100が支持ユニット200に搬送物品を搬送可能(駆動伝達可能)な状態で支持されている状態を、搬送ユニット100が支持ユニット200に組み込まれた状態という。
以下、各ユニットについて説明する。
【0011】
2.各ユニット
(1)搬送ユニット
主に、
図6〜
図8を用いて説明する。
なお、
図6は搬送側伝達部材403を覆うカバー407を取り外した状態を示している。
搬送ユニット100は、複数のローラ103,105と、当該複数のローラ103,105に巻回された無端状のベルト107とを有する。具体的には、搬送ユニット100は、矩形状の搬送フレーム101と、搬送フレーム101に回転自在に支持された2個のローラ103,105と、2個のローラ103,105に巻回されたベルト107とを備える。搬送ユニット100は、当該搬送ユニット100が支持ユニット200に対してスライド自在に支持されるための支持具(121)や、位置決めするための位置決め具(123)等を備える。
なお、搬送ユニット100を支持ユニット200に組み込む際に搬送ユニット100をスライドさせる方向(向き)を組み込み方向といい、搬送ユニット100を支持ユニット200から取り外す際に搬送ユニット100をスライドさせる方向(向き)を取り外し方向という。
【0012】
(1−1)搬送フレーム
搬送フレーム101は搬送方向に延伸する一対の搬送フレーム体111,113と、一対の搬送フレーム体111,113を連結する連結体(図示省略)とを備える。一対の搬送フレーム体111,113は
図8に示すように矩形状の断面を有している。搬送フレーム体111,113は、断面における長辺がローラ103,105の軸と直交する状態で、連結されている。なお、一対の搬送フレーム体111,113において、互いに対向する面(断面において長辺となる)を内面とし、内面と反対側の面を外面とする。
一対の搬送フレーム体111,113は、搬送方向に延伸する溝111a,113aを外面に有している。溝111a,113aの断面は、入口側の開口が狭く、底側の開口が大きいような形状をしている。ここでの溝111a,113aは
図8に示すように断面形状が「T」字状のT溝である。なお、溝111a,113aは各搬送フレーム体111,113において2本ある。
【0013】
(1−2)ローラ
2個のローラ103,105はベルト107を回動させる。2個のローラ103,105は軸方向の両側が一対の搬送フレーム体111,113により回転自在に支持されている。ローラ103は駆動ローラであり、ローラ105は受動ローラである。ローラ103の回転軸104には搬送側伝達部材403が取付けられている。ローラ103の回転軸104は、
図6及び
図8に示すように、搬送フレーム体111から幅方向の外方へと延出し、当該延出部分に搬送側伝達部材403が取付けられている。なお、搬送側伝達部材403は、後述の駆動側伝達部材401と連結し、駆動ユニット300からの駆動がローラ103に伝達される。なお、搬送フレーム体111には搬送側伝達部材403を覆うカバー407が設けられている。
【0014】
(1−3)支持具等
支持具は、
図3、
図4、
図6及び
図7に示すように、各搬送フレーム体111,113からローラ103,105の軸方向であって外方に延伸する延伸棒121により構成される。延伸棒121は各搬送フレーム体111,113に対して複数個、ここでは2個ある。複数個の延伸棒121は搬送方向に沿って間隔をおいて各搬送フレーム体111,113に溝111a,113aを利用して取り付けられている。
延伸棒121は例えば頭付きピンにより構成されている。頭付きピンは、
図6に示すように、胴部121aのおける頭部121bと反対側端部がネジ部(図示省略)となっており、搬送フレーム体111,113の溝111a,113a内に配されたナット体(図示省略)にネジ部が螺合する。これにより、延伸棒121が各搬送フレーム体111,113に取り付けられる。
【0015】
位置決め具は、一対の搬送フレーム体111,113のうち、搬送側伝達部材403から離れた側に位置する搬送フレーム体113に設けられている。位置決め具は、搬送ユニット100が支持ユニット200に組み込まれた状態で、搬送ユニット100がベルト107の面と直交する方向(上下方向)と搬送方向にずれるのを規制する。位置決め具は、
図2に示すように、支持ユニット200の支持体203の外面に対して幅方向の外方から当接する当接板部123aと、搬送フレーム体113に取り付けられる取付板部123bと、当接板部123aと取付板部123bとを連結する連結板部123cとを有している。位置決め具は、例えば、「Z」字をするZ曲げブラケット123により構成される。なお、位置決め具の符号も「123」を用いる場合がある。
当接板部123aは、内側に突出する凸部分を有している。凸部分は、
図2に示すように、当接板部123aのねじ孔に螺合するねじ体124であってねじ孔から延出した部分で構成されている。凸部分は、搬送ユニット100を支持ユニット200に対して組み込み方向にスライドさせることで、支持体203の貫通孔203b(
図9参照)に嵌る。なお、支持体203の貫通孔203bは、例えば、凹み(穴)で構成してもよい。
【0016】
(2)支持ユニット
主に
図9及び
図10を用いて説明する。
支持ユニット200は搬送ユニット100を幅方向にスライド自在に支持する。
支持ユニット200は、一対の搬送フレーム体111,113におけるスライド方向の外側に配され且つ搬送ユニット100を下方から支持する支持体201,203を有している。ここでは、一対の支持体201,203は搬送ユニット100の複数個(4個)の延伸棒121を下方から支持する。また、支持ユニット200は、一対の支持体201,203以外に、当該一対の支持体201,203が配されるベース211を有している。支持ユニット200は、ガイドユニット500を着脱自在に取り付けるための取付部材221や搬送ユニット100を位置決めするための位置決め具231等を備える。
【0017】
(2−1)支持体
一対の支持体201,203の内面の幅方向の間隔は、一対の搬送フレーム体111,113の外面の幅方向の間隔よりも広い。これにより搬送ユニット100が幅方向にスライド可能となる。一対の支持体201,203の外面の幅方向の間隔は、一対の搬送フレーム体111,113に取付けられた頭付きピン121の頭部121bの内面の幅方向の間隔よりも狭い。
一対の支持体201,203は、頭付きピン121の胴部121aが嵌る凹部201a,203aを有している。凹部201a,203aは頭付きピン121の頭部121bの通過を許容しない大きさである。これにより、支持ユニット200上に配された搬送ユニット100を組み込み方向にスライドさせた際に、組み込み方向と反対側に位置する頭部121bが凹部203aの周辺部に当接することとなり、搬送ユニット100のスライドが規制される。
搬送側伝達部材403から離れた位置にある支持体203は、搬送ユニット100が支持ユニット200に組み込まれた状態で、搬送フレーム体113のZ曲げブラケット(位置決め具)123の当接板部123aにある凸部分が嵌る貫通孔203bを有している。
【0018】
組み込み方向側にある支持体201は、幅方向の内方へと突出する凸部201bを有している。ここでの凸部201bは搬送方向に間隔をおいて複数個(2個)ある。凸部201bは、
図9に示すように、板状の支持体201のねじ孔に内側から螺合するねじ体の頭部により構成されている。凸部201bは、組み込み状態にある搬送ユニット100における搬送フレーム体111の溝111aに挿入する。これにより、組み込み状態にある搬送フレーム体111の上下方向への移動が規制される。
【0019】
一対の支持体201,203はパン部材205を利用して構成されている。これにより、搬送物品であるコップが転倒して液体が流出しても、搬送装置1の設置面に落ちることを少なくできる。
パン部材205は、
図9に示すように、搬送方向に長い矩形状の底板205aと、当該底板205aの周縁部から立設する側板とを有する。側板は、長さ方向と平行な一対の長側板(201,203)と、幅方向と平行な一対の短側板205b,205cとを備える。一対の長側板が一対の支持体201,203を構成する。パン部材205は例えばねじ体207等によりベース211に固定されている。
【0020】
(2−2)ベース
ベース211は、搬送ユニット100の形状に対応した矩形状をしている。
ベース211は、長手方向に延伸する一対のベースフレーム体215,217と、一対のベースフレーム体215,217を幅方向に連結する複数の連結体219とを備える。
一対のベースフレーム体215,217は矩形状の断面形状を有している。ベースフレーム体215,217は、断面における長辺がローラ103,105の軸と平行な方向と直交する状態で、連結されている。一対のベースフレーム体215,217において、互いに対向する面(断面において長辺となる)を内面とし、内面と反対側の面を外面とする。
一対のベースフレーム体215,217は搬送方向に延伸する溝215a,217aを外面に有している。溝215a,217aの断面は、入口側の開口が狭く、底側の開口が大きいような形状をしている。ここでの溝215a,217aは断面形状が「T」字状のT溝である。
なお、ベースフレーム体215,217には、断面形状が「T」字状の溝209aを搬送方向に延伸するプレート209が設けられている。溝209aは、ガイドユニット500(第1ガイド部501)用の取付部材221やプレート209を固定するのに利用される。
【0021】
(2−3)取付部材
取付部材221は例えば断面が「C」字状の板部材により構成されている。取付部材221は、ベースフレーム体215,217やプレート209への取付用の貫通孔を有し、当該貫通孔を挿通するねじ体223により固定される。ねじ体223は、ベースフレーム体215,217の溝215a,217aやプレート209の溝209aの内部に配されたナット体に螺合する。なお、例えば、頭部が溝215a,217a,209a内に配され且つ取付部材221の貫通孔を挿通するねじ体(223)が取付部材221の外面でナット体と螺合してもよい。
取付部材221はガイドユニット500用の貫通孔を有する。当該貫通孔を挿通するねじ体225は取付部材221の外面に固定されたナット体227に螺合する。ねじ体225の頭部と取付部材221との間にはガイドユニット500が配されるように、隙間が存在する。
【0022】
(2−4)位置決め具
位置決め具231は搬送側伝達部材403に近い側のベースフレーム体215のプレート209に設けられている。位置決め具231は、搬送ユニット100が支持ユニット200に組み込まれた状態で、搬送側伝達部材403に近い搬送フレーム体111の上面に当接する当接板部231aと、プレート209に固定される固定板部231bとを備える「L」字状をしている。これにより、組み込まれた状態の搬送ユニット100の上下方向の移動が規制される。ここでの当接板部231aと固定板部231bは別体であり、ねじ体233により一体化されている。なお、当接板部と固定板部とが一体となった位置決め具でもよい。
固定板部231bは貫通孔を有している。位置決め具231は、幅方向の外方から固定板部231bの貫通孔を挿通するねじ体235がプレート209の溝209a内のナット体に螺合することで、固定される。なお、位置決め具231は、1個設けられているが、搬送方向に間隔をおいて複数個設けられてもよい。
【0023】
(3)駆動ユニット
主に
図9を用いて説明する。
駆動ユニット300は搬送ユニット100のローラ103を駆動させるための駆動源(モータ)301を備える。駆動源301は、駆動軸303がローラ103の軸と直交する方向に延伸する状態で、支持ユニット200に固定されている。ここでの駆動軸303は上下方向に延伸する。なお、駆動源301の固定は、支持ユニット200のプレート209の溝209aを利用して行われる。なお、駆動軸303には後述の駆動側伝達部材401が取付けられる。
【0024】
(4)駆動伝達ユニット
主に
図6及び
図9を用いて説明する。
駆動伝達ユニット400は、駆動ユニット300に取付けられた駆動側伝達部材401と、ローラ103に取付けられた搬送側伝達部材403とを連結自在に備える。
駆動側伝達部材401は駆動源301の駆動軸303の端部に取り付けられている(
図8参照)。搬送側伝達部材403はローラ103の回転軸104の端部に取り付けられている(
図6参照)。駆動側伝達部材401と搬送側伝達部材403はすぐばかさ歯車により構成されている。これにより、搬送ユニット100を支持ユニット200に組み込んだ際に、
図4及び
図5に示すように、搬送側伝達部材403が駆動側伝達部材401と直接噛み合う。なお、駆動側伝達部材401の一例であるすぐばかさ歯車の符号も「401」とし、搬送側伝達部材403の一例であるすぐばかさ歯車の符号も「403」とする。
【0025】
(5)ガイドユニット
主に
図3〜
図5を用いて説明する。
ガイドユニット500は、搬送ユニット100の上流側で散在する搬送物を移送する途中で整列させる機能を有している。
ガイドユニット500は、上流側で散在する搬送物品を所定位置に誘導する第1ガイド部501と、所定位置から整列状態で下流側に誘導する第2ガイド部503とを有する。
【0026】
(5−1)第1ガイド部
第1ガイド部501は、一対のガイド板511,513と、ガイド板511,513を支持ユニット200に着脱自在に取り付けるガイド板取付具515とを備える。
一対のガイド板511,513は、搬送物品が所定位置に集まるように、下流に移るにしたがって、両者の間隔が狭くなるように構成されている。つまり、一対のガイド板511,513は、
図1及び
図2に示すように、互いに上側及び上流側拡がりに傾斜している。
ガイド板取付具515はガイド板511,513の外面に固定されている。ガイド板取付具515は、支持ユニット200に取付けられた取付部材221に着脱自在に取り付けられる。ガイド板取付具515は
図4に示すように取付部材221の内面に当接する当接部515aを有し、
図12の(a)に示すように当該当接部515aに貫通孔515bが設けられている。貫通孔515bには、
図9に示すように、ガイド板取付具515に設けられたねじ体225の頭部が嵌る。貫通孔515bは上部側の開口が下部側よりも大きな形状、例えば、逆だるま形状をしている。これにより、一対のガイド板511,513をガタツキなく固定できる。また、第1ガイド部501をねじ体225との位置決め、ねじ体225との係合を容易に行える。
【0027】
(5−2)第2ガイド部
第2ガイド部503は、一対のガイドレール521,523と、ガイドレール521,523を支持ユニット200に着脱自在に取り付けるレール取付具525とを備える。一対のガイドレール521,523は、両者の間隔を一定に維持して、搬送方向と平行に延伸する。
レール取付具525はガイドレール521,523の上面側を固定する(
図5参照)。レール取付具525は、支持ユニット200に取付けられた取付部材221に着脱自在に取り付けられる。レール取付具525は、
図5及び
図12の(a)に示すように、「L」字状をし、取付部材221に当接する当接部525aを一方の辺に有し、当該当接部525aに貫通孔525bが設けられている。レール取付具525は、ガイドレール521,523を固定する固定部525cを他方の辺に有する。
貫通孔525bには取付部材221に設けられたねじ体225の頭部(
図9参照)が嵌る。貫通孔525bは上部側の開口が下部側よりも大きな形状、例えば、逆だるま形状をしている。これにより、一対のガイドレール521,523をガタツキなく固定できる。また、第2ガイド部503をねじ体225との位置決めやねじ体225との係合を容易に行える。
第2ガイド部503は、一対のガイドレール521,523の間であってガイドレール521,523の上方に矩形板527を備える。矩形板527は、搬送方向に延伸し、一方のガイドレール523やレール取付具525に取付け板528,529を介して設けられている。これにより、ラインプレッシャーが作用した際のコップの浮き上がりを防止できる。
【0028】
(6)ロック機構
主に
図2及び
図5を用いて説明する。
ロック機構600は、搬送側伝達部材403が存在する側と反対側に位置するに搬送フレーム体113の外面に幅方向から当接する当接体601により構成される。当接体601は例えば「L」字状の断面形状を有している。当接体601は、断面形状において方形又は矩形状をし、1つの角部が欠けた形状をしている。
「L」を構成する一辺(一面)は、断面矩形状の搬送フレーム体113の外面に当接する。これにより、搬送ユニット100を支持ユニット200に組み込んだ状態で、搬送ユニット100が取り外し方向に移動するのを規制できる。これにより、ロック機構600が作用している間、駆動側伝達部材401と搬送側伝達部材403との結合が外れることはない。
「L」を構成する他方の一辺(一面)は、断面矩形状の搬送フレーム体113の上面に当接する。これにより、搬送ユニット100を支持ユニット200に組み込んだ状態で、搬送ユニット100が上方に移動するのを規制できる。
【0029】
本実施形態のロック機構600はガイドユニット500のレール取付具525に取付けられている。ガイドユニット500は支持ユニット200に対して着脱自在であり、ガイドユニット500を支持ユニット200に取り付ける際にロック機能が作用し、ガイドユニット500を取り外す際にロック機能が解除される。
ここでは、ロック機構600は1個設けられているが、搬送方向に間隔をおいて複数個設けてもよい。例えば、ロック機構600はガイド板取付具515に取り付けてもよい。
【0030】
3.使用
図11〜
図14を用いて説明する。
搬送可能な状態(組み立て状態)にある搬送装置1から搬送ユニット100を取り外すまでを、主に、
図11〜
図14を用いて説明する。なお、離間する各ユニットを組み立てる場合は、以下の(4)、(3)、(2)、(1)の順で行えばよい。
(1)組立状態
搬送装置は、
図11に示すように、支持ユニット200に搬送ユニット100が組み込まれ、支持ユニット200にガイドユニット500が取付けられている。この状態では、以下の構成で搬送ユニット100が支持ユニット200に対して位置決めされる。
(1−1)搬送ユニット100の搬送フレーム体113の外面及び上面がロック機構600と当接する。
(1−2)支持ユニット200における組み込み方向側に存在する支持体201の凸部201b(
図9参照)が搬送フレーム体111の溝111a(
図6参照)に入り込む。
(1−3)搬送フレーム体111における頭付きピン121の取付周辺部分(
図6参照)が、支持ユニット200の支持体201の上部に当接する(
図4参照)。
(1−4)支持ユニット200の位置決め具231の当接板部231aが搬送フレーム体111の上面に当接する。
(1−5)搬送ユニット100の取り外し方向側に位置する搬送フレーム体113に設けられた位置決め具123の凸部(ねじ体124により構成され、
図2参照)が、支持体203の貫通孔203b(
図9参照)に嵌合する。
【0031】
(2)ガイドユニットの取り外し
ガイドユニット500を、
図12に示すように支持ユニット200から取り外す。これにより、ロック機構600が解除される。
第1ガイド部501は、ガイド板取付具515の逆だるま状の貫通孔515b(
図12の(a)参照)に支持ユニット200の取付部材221のねじ体225の頭部(
図9参照)が挿入・係合することで、支持ユニット200に取り付けられている。
このため、ガイド板取付具515を上方に移動させ(ねじ体225の位置を逆だるま状の貫通孔515bの開口が大きい部分に移動させ)た後、幅方向の内側へと移動させることで、第1ガイド部501を取付部材221から取り外すことができる。
第2ガイド部503のレール取付具525の逆だるま状の貫通孔525b(
図12の(a)参照)に支持ユニット200の取付部材221のねじ体225の頭部が挿入・係合することで、支持ユニット200に取り付けられている。
このため、第1ガイド部501と同様に、レール取付具525を上方に移動させた後、幅方向の内側へと移動させることで、第2ガイド部503を取付部材221から取り外すことができる。
【0032】
(3)搬送ユニットのスライド
図12に示すように、支持ユニット200からガイドユニット500を取り外すと、ロック機構600が解除され、搬送ユニット100は支持ユニット200に対して幅方向にスライド自在となる。
これにより、
図13に示すように、搬送ユニット100を支持ユニット200に対して取り外し方向にスライドさせる。このスライドにより、上記「(1)組立状態」の欄で説明した(1−2)〜(1−5)の位置関係(位置決め)がなくなる。
搬送ユニット100をスライドさせるに際し、搬送ユニット100の一対の搬送フレーム体111,113から幅方向の外方に延伸する頭付きピン121の頭部121bが、支持ユニット200の支持体201,203の凹部201a,203aを通過できない大きさであるため、搬送ユニット100が支持ユニット200から外れるようなことはない。
なお、スライドにより、駆動伝達ユニット400のすぐばかさ歯車(駆動側伝達部材)401とすぐばかさ歯車(搬送側伝達部材)403とが離間する。
【0033】
(4)搬送ユニットの取り外し
図13に示すように、搬送ユニット100を支持ユニット200に対して取り外し方向にスライドさせると、搬送ユニット100を上方に移動させる。これにより、搬送ユニット100が支持ユニット200から取り外される。
【0034】
<変形例>
以上、一実施形態に係る搬送装置について説明したが、この実施形態に限られるものではなく、例えば、以下のような変形例であってもよい。また、実施形態と変形例とを組み合わせたものでもよいし、変形例同士を組み合わせたものでもよい。また、実施形態や変形例に記載していない例や要旨を逸脱しない範囲の設計変更があっても本発明に含まれる。
【0035】
1.搬送ユニット
(1)搬送フレーム体は複数のローラを回転自在に支持できればよく、溝はなくてもよいし、短手方向(実施形態では上下方向である)に延伸する溝を搬送方向に間隔を置いて複数個有してもよい。
(2)支持具は、頭付きピンを利用したが、例えば頭付きピンとナット体とが一体化されたものであってもよい。また、支持具は、ねじ部を有し、直接搬送フレーム体に螺合してもよい。
(3)ローラ103,105は2個であったが、従動ローラを2個以上備えてもよい。
【0036】
2.支持ユニット
(1)支持体は、パン部材(205)の一対の長辺の側板を利用しているが、パン部材を利用しなくてもよい。例えば、
図15に示すように、支持体1201はベース1211に立設された立設板により構成してもよい。支持体1201は、搬送方向に間隔を置いて複数個(ここでは2個である)ある。支持体1201は、搬送ユニット1100の頭付きピン(延伸棒)1121用の凹部を有している。なお、頭付きピン1121は搬送方向に間隔を置いて複数個(ここでは2個である)あり、搬送フレーム体1111,1113に取り付けられている。
支持体1201は、立設板により構成されているため、搬送ユニット1100の位置決め具1123の凸部分(ねじ体)用の凹み又は貫通孔を有している。ここでも取り外し方向側の搬送フレーム体1111に位置決め具1123が設けられ、これにより、搬送フレーム体1111が搬送方向と上下方向とに位置決めされる。
(2)一対の支持体201,203は、パン部材205の側板を利用し、搬送ユニット100の頭付きピン121を支持する凹部201a,203aを有している。しかしながら、組み込み方向側の支持体は、例えば、組み込み方向側の搬送フレーム体の下面をスライド自在に支持する支持面により構成してもよい。この場合、組み込み方向側の頭付きピンは不要となる。なお、支持ユニットは、衛生面を考慮すると洗浄対象である搬送ユニットとの接触面積を小さくする方が好ましい。
(3)支持ユニット200は搬送ユニット100を幅方向(ローラの軸と平行な方向)にスライド自在に支持しているが、例えば、搬送方向にスライド自在に搬送ユニットを支持してもよいし、搬送方向と幅方向とに直交する方向にスライド自在に支持してもよい。
【0037】
3.駆動ユニット
駆動源301は、駆動軸303が搬送方向とローラ103,105の軸方向とに直交する方向(上下方向)に延伸する状態で、支持ユニット200に固定されている。しかしながら、駆動軸の延伸する方向は特に限定するものではなく、例えば、駆動軸が、搬送方向と平行に延伸してもよいし、ローラの軸と平行に延伸してもよい。
4.駆動伝達ユニット
駆動側伝達部材と搬送側伝達部材は、互いに直接結合するすぐばかさ歯車401,403により構成されている。しかしながら、伝達駆動ユニットは、駆動源の動力をローラ(駆動ローラ)に伝達できればよく、その構造は特に限定するものではない。
例えば、駆動側伝達部材と搬送側伝達部材は、互いに直接結合する平歯車でもよいし、プーリや歯車により構成してベルトやチェーンにより間接的に結合してもよい。
【0038】
5.ガイドユニット
ガイドユニット500は、液体が入ったコップを搬送物品としているが、他の形態の搬送物品の場合は、ガイド構造は適宜決定すればよい。また、ガイドユニット500はロック機構600をレール取付具525に備えているが、ロック機構を備えなくてもよい。
6.ロック機構
ロック機構600は、支持ユニット200に着脱自在に取り付けられるガイドユニット500(レール取付具525)に設けられている。しかしながら、ロック機構は、搬送ユニットが支持ユニットから取り外し方向に移動するのを規制できればよく、他のユニットに併設されてもよいし、独立して設けられてもよい。
例えば、
図15に示すように、ロック機構1600は独立形態で支持ユニット1200のベース1211に設けられてもよい。ロック機構1600は、回転自在に支持され且つ回転した際に頭付きピン1121の頭部に当接する当接体1601と、回転自在な当接体1601を固定する固定手段1603とを備える。固定手段1603はねじ部とレバー部とを備える。ねじ部は、当接体1601の貫通孔を挿通して支持ユニット1200のベース1211の固定された固定ブロック1605のねじ穴に螺合する。当接体1601は、頭付きピン1121と当接する際に回転する方向の角部が面取り又はR加工されている。これにより、固定手段1603のレバー部の回転操作により、当接体1601が回転して頭付きピン1122の頭部に当接する。なお、当接する際の回転方向は、ねじ部が固定ブロック1605のねじ穴に螺合する螺合方向と同じ方向である。
【0039】
7.位置決め具等
位置決め具231は固定式であったが、特に固定式に限定するものではない。位置決め部は、搬送ユニットを支持ユニットに組み込んだ状態で、移動して搬送ユニットを押圧する又は搬送ユニットに当接する構造であってもよい。例えば、搬送方向に延伸する軸廻りに当接部が回転して搬送ユニットに当接するようにしてもよいし、ねじ部の回転により搬送ユニットに対して遠近する当接部を備えるクランプ式であってもよい。なお、このような位置決め具をロック機構としてもよい。