(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6860220
(24)【登録日】2021年3月30日
(45)【発行日】2021年4月14日
(54)【発明の名称】組立品及び板状部材
(51)【国際特許分類】
B65D 19/34 20060101AFI20210405BHJP
【FI】
B65D19/34 Z
【請求項の数】11
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2018-208962(P2018-208962)
(22)【出願日】2018年11月6日
(65)【公開番号】特開2020-75734(P2020-75734A)
(43)【公開日】2020年5月21日
【審査請求日】2019年4月9日
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】518394466
【氏名又は名称】オーシャンテクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001782
【氏名又は名称】特許業務法人ライトハウス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】福田 昌穂
【審査官】
金丸 治之
(56)【参考文献】
【文献】
特表2015−525716(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2011/0245059(US,A1)
【文献】
米国特許第09394078(US,B1)
【文献】
国際公開第2011/003126(WO,A1)
【文献】
中国特許出願公開第104843279(CN,A)
【文献】
特表2002−539049(JP,A)
【文献】
特表2015−531723(JP,A)
【文献】
特表2018−519213(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2004/0108434(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2006/0225626(US,A1)
【文献】
中国実用新案第204624120(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 19/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
折り畳み自在で平坦かつ方形の、上部半製品及び底部半製品から組み立てられた、組立品であって、
上部半製品には、第1側面部、第2側面部、支柱部、第1端部、及び第2端部が長手方向に並列に配置され、かつ、第1端部及び第1側面部、並びに第2端部及び第2側面部はそれぞれ隣接して配置されており、
底部半製品には、第3側面部、第4側面部、及び支柱部が長手方向に並列に配置されており、
第1側面部、第2側面部、第3側面部、及び第4側面部の少なくとも1つは、物体の運搬において使用する運搬用差込口を有し、
第1側面部及び第2側面部、又は、第3側面部及び第4側面部は、幅方向外方へ延びる突片部を有し、
組立品を組み立てることで折り畳まれたそれぞれの支柱部には、少なくとも1つの切込部を有するリブが形成され、
第1側面部及び第2側面部、又は、第3側面部及び第4側面部のうち、前記突片部を有さない側面部が、該突片部を差込み可能な突片差込口を有し、
第1側面部及び第2側面部、又は、第3側面部及び第4側面部のうち、前記突片差込口を有する側面部が、底部半製品と組み合わせる場合に用いることが可能であり、且つ、突片差込口に隣接して該側面部の幅方向外方へ延びる折畳差込部を有し、
上部半製品及び底部半製品に形成されたリブ同士を直交させるように対向させ、リブが有する切込部を互いに係合させ、上部半製品及び底部半製品に挟まれる空間内部に位置するように、第1端部、第2端部、及び折畳差込部を折り畳み、突片部を突片差込口に差込み、係止することで組み立てられた組立品。
【請求項2】
折り畳み自在で平坦かつ方形の、上部半製品及び底部半製品から組み立てられた、組立品であって、
上部半製品には、第1側面部、第2側面部、及び支柱部が長手方向に並列に配置されており、
底部半製品には、第3側面部、第4側面部、及び支柱部が長手方向に並列に配置されており、
第1側面部、第2側面部、第3側面部、及び第4側面部の少なくとも1つは、物体の運搬において使用する運搬用差込口を有し、
第1側面部及び第2側面部、又は、第3側面部及び第4側面部は、幅方向外方へ延びる突片部を有し、
組立品を組み立てることで折り畳まれたそれぞれの支柱部には、少なくとも1つの切込部を有するリブが形成され、
第1側面部及び第2側面部、又は、第3側面部及び第4側面部のうち、前記突片部を有さない側面部が、該突片部を差込み可能な突片差込口を有し、
上部半製品及び/又は底部半製品の支柱部は、他の半製品と係合させるために折り畳むものであり、
該支柱部には、折り畳むための一本の折り曲げ線と、前記一本の折り曲げ線の両端それぞれから連結して延びる平行な二本の折り曲げ線とが、他の半製品と接する頂点部分を形成するように直列して設けられており、
上部半製品及び底部半製品に形成されたリブ同士を直交させるように対向させ、リブが有する切込部を互いに係合させ、かつ、突片部を突片差込口に差込み、係止することで組み立てられた組立品。
【請求項3】
上部半製品及び/又は底部半製品には、さらに、パネルが長手方向に並列に配置されており、
パネルは、運搬用差込口に差し込まれた物体を確認可能な確認窓を有する、請求項1または2に記載の組立品。
【請求項4】
折り畳み自在で平坦かつ方形の、上部半製品及び底部半製品から組み立てられた、組立品であって、
上部半製品には、第1側面部、第2側面部、支柱部、第1端部、及び第2端部が長手方向に並列に配置され、かつ、第1端部及び第1側面部、並びに第2端部及び第2側面部はそれぞれ隣接して配置されており、
底部半製品には、第3側面部、第4側面部、及び支柱部が長手方向に並列に配置されており、
第1側面部、第2側面部、第3側面部、及び第4側面部の少なくとも1つは、物体の運搬において使用する運搬用差込口を有し、
上部半製品及び/又は底部半製品には、運搬用差込口に差し込まれた物体を確認可能な確認窓を有するパネルが長手方向に並列に配置されており、
第1側面部及び第2側面部、又は、第3側面部及び第4側面部は、幅方向外方へ延びる突片部を有し、
組立品を組み立てることで折り畳まれたそれぞれの支柱部には、少なくとも1つの切込部を有するリブが形成され、
第1側面部及び第2側面部、又は、第3側面部及び第4側面部のうち、前記突片部を有さない側面部が、該突片部を差込み可能な突片差込口を有し、
運搬用差込口は、2つの扉部を折り畳むことで形成されるものであり、
扉部は、扉部を折り畳む場合に、扉部の折れ曲がる付け根部分の幅よりも、空間内側方向に位置する部分の幅の方が広く、
第1端部及び第2端部には、扉部を折り畳んだ場合に、扉部を係止可能に切込みが設けられており、
確認窓は、パネルと該パネルに隣接する側面部との境界線を成す折り曲げ線、パネルと該パネルに隣接する支柱部との間の折り曲げ線、及び、該側面部の有する運搬用差込口の2つの扉部の折れ曲がる付け根部分を前記境界線に垂直な方向に延長して成る平行な2直線とに囲まれた領域の内側に配置されており、
上部半製品及び底部半製品に形成されたリブ同士を直交させるように対向させ、リブが有する切込部を互いに係合させ、かつ、突片部を突片差込口に差込み、係止することで組み立てられた組立品。
【請求項5】
折り畳み自在で平坦かつ方形の、組立品を構成し得る板状部材であって、
板状部材には、組立品を組み立てた際に組立品の側面となる第1側面部及び第2側面部、組立品を組み立てた際に組立品の支柱となる支柱部、並びに、組立品を組み立てた際に組立品の空間内部に位置するように折り畳む第1端部及び第2端部が長手方向に並列に配置され、かつ、第1端部及び第1側面部、並びに第2端部及び第2側面部はそれぞれ隣接して配置されており、
第1側面部及び第2側面部は、側面部の幅方向の端部分に、他の板状部材が有する突片部を差込み可能な突片差込口を有し、
組立品を組み立てることで折り畳まれた支柱部には、少なくとも1つの切込部を有するリブが形成され、
第1側面部及び/又は第2側面部は、他の板状部材と組み合わせる場合に用いることが可能であり、且つ、突片差込口に隣接して該側面部の幅方向外方へ延びる折畳差込部を有し、
形成されたリブを、他の板状部材に形成されたリブと直交させるように対向させ、リブが有する切込部を係合させ、板状部材及び他の板状部材に挟まれる空間内部に位置するように、第1端部、第2端部、及び折畳差込部を折り畳み、他の板状部材が有する突片部を突片差込口に差込み、係止することで組立品を構成し得る板状部材。
【請求項6】
折り畳み自在で平坦かつ方形の、組立品を構成し得る板状部材であって、
板状部材には、組立品を組み立てた際に組立品の側面となる第1側面部及び第2側面部、並びに、組立品を組み立てた際に組立品の支柱となる支柱部が長手方向に並列に配置されており、
第1側面部及び第2側面部は、幅方向外方へ延びる突片部を有し、
組立品を組み立てることで折り畳まれた支柱部には、少なくとも1つの切込部を有するリブが形成され、
支柱部は、他の半製品と係合させるために折り畳むものであり、
支柱部には、折り畳むための一本の折り曲げ線と、前記一本の折り曲げ線の両端それぞれから連結して延びる平行な二本の折り曲げ線とが、他の半製品と接する頂点部分を形成するように直列して設けられており、
形成されたリブを、他の板状部材に形成されたリブと直交させるように対向させ、リブが有する切込部を係合させ、かつ、突片部を他の板状部材が有する突片差込口に差込み、係止することで組立品を構成し得る板状部材。
【請求項7】
第1側面部及び第2側面部の少なくとも1つは、物体の運搬において使用する運搬用差込口を有する、請求項5又は6に記載の板状部材。
【請求項8】
折り畳み自在で平坦かつ方形の、組立品を構成し得る板状部材であって、
板状部材には、組立品を組み立てた際に組立品の側面となる第1側面部及び第2側面部、組立品を組み立てた際に組立品の支柱となる支柱部、並びに、組立品を組み立てた際に組立品の空間内部に位置するように折り畳む第1端部及び第2端部が長手方向に並列に配置され、かつ、第1端部及び第1側面部、並びに第2端部及び第2側面部はそれぞれ隣接して配置されており、
第1側面部及び第2側面部は、幅方向外方へ延びる突片部を有し、
第1側面部及び第2側面部の少なくとも1つは、物体の運搬において使用する運搬用差込口を有し、
板状部材には、運搬用差込口に差し込まれた物体を確認可能な確認窓を有するパネルが長手方向に並列に配置されており、
組立品を組み立てることで折り畳まれた支柱部には、少なくとも1つの切込部を有するリブが形成され、
運搬用差込口は、2つの扉部を折り畳むことで形成されるものであり、
扉部は、扉部を折り畳む場合に、扉部の折れ曲がる付け根部分の幅よりも、空間内側方向に位置する部分の幅の方が広く、
第1端部及び第2端部には、扉部を折り畳んだ場合に、扉部を係止可能に切込みが設けられており、
確認窓は、パネルと該パネルに隣接する側面部との境界線を成す折り曲げ線、パネルと該パネルに隣接する支柱部との間の折り曲げ線、及び、該側面部の有する運搬用差込口の2つの扉部の折れ曲がる付け根部分を前記境界線に垂直な方向に延長して成る平行な2直線とに囲まれた領域の内側に配置されており、
形成されたリブを、他の板状部材に形成されたリブと直交させるように対向させ、リブが有する切込部を係合させ、かつ、突片部を他の板状部材が有する突片差込口に差込み、係止することで組立品を構成し得る板状部材。
【請求項9】
折り畳み自在で平坦かつ方形の、組立品を構成し得る板状部材であって、
板状部材には、組立品を組み立てた際に組立品の側面となる第3側面部及び第4側面部、並びに、組立品を組み立てた際に組立品の支柱となる支柱部が長手方向に並列に配置されており、
第3側面部及び第4側面部は、他の板状部材が有する突片部を差込み可能な突片差込口を有し、
組立品を組み立てることで折り畳まれた支柱部には、少なくとも1つの切込部を有するリブが形成され、
支柱部は、他の半製品と係合させるために折り畳むものであり、
支柱部には、折り畳むための一本の折り曲げ線と、前記一本の折り曲げ線の両端それぞれから連結して延びる平行な二本の折り曲げ線とが、他の半製品と接する頂点部分を形成するように直列して設けられており、
形成されたリブを、他の板状部材に形成されたリブと直交させるように対向させ、リブが有する切込部を係合させ、かつ、突片部を突片差込口に差込み、係止することで組立品を構成し得る板状部材。
【請求項10】
第3側面部及び第4側面部の少なくとも1つは、物体の運搬において使用する運搬用差込口を有する、請求項9に記載の板状部材。
【請求項11】
折り畳み自在で平坦かつ方形の、組立品を構成し得る板状部材であって、
板状部材には、組立品を組み立てた際に組立品の側面となる第3側面部及び第4側面部、組立品を組み立てた際に組立品の支柱となる支柱部、並びに、組立品を組み立てた際に組立品の空間内部に位置するように折り畳む第1端部及び第2端部が長手方向に並列に配置され、かつ、第1端部及び第3側面部、並びに第2端部及び第4側面部はそれぞれ隣接して配置されており、
第3側面部及び第4側面部は、他の板状部材が有する突片部を差込み可能な突片差込口を有し、
第3側面部及び第4側面部の少なくとも1つは、物体の運搬において使用する運搬用差込口を有し、
板状部材には、運搬用差込口に差し込まれた物体を確認可能な確認窓を有するパネルが長手方向に並列に配置されており、
組立品を組み立てることで折り畳まれた支柱部には、少なくとも1つの切込部を有するリブが形成され、
運搬用差込口は、2つの扉部を折り畳むことで形成されるものであり、
扉部は、扉部を折り畳む場合に、扉部の折れ曲がる付け根部分の幅よりも、空間内側方向に位置する部分の幅の方が広く、
第1端部及び第2端部には、扉部を折り畳んだ場合に、扉部を係止可能に切込みが設けられており、
確認窓は、パネルと該パネルに隣接する側面部との境界線を成す折り曲げ線、パネルと該パネルに隣接する支柱部との間の折り曲げ線、及び、該側面部の有する運搬用差込口の2つの扉部の折れ曲がる付け根部分を前記境界線に垂直な方向に延長して成る平行な2直線とに囲まれた領域の内側に配置されており、
形成されたリブを、他の板状部材に形成されたリブと直交させるように対向させ、リブが有する切込部を係合させ、かつ、突片部を突片差込口に差込み、係止することで組立品を構成し得る板状部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、組立品、及び、組立て品を構成する板状部材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、折り畳み可能な2つの半製品を組み合わせた、例えば容器や箱のような波形構造がある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2002−539049号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1の技術は、耐圧強度の観点において、さらなる改善の余地があった。
【0005】
本発明の少なくとも1つの実施の形態の目的は、より耐圧強度を高めた組立品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
非限定的な観点によると、折り畳み自在で平坦かつ方形の、上部半製品及び底部半製品から組み立てられた、組立品であって、上部半製品には、第1側面部、第2側面部、及び支柱部が長手方向に並列に配置されており、底部半製品には、第3側面部、第4側面部、及び支柱部が長手方向に並列に配置されており、第1側面部、第2側面部、第3側面部、及び第4側面部の少なくとも1つは、物体の運搬において使用する運搬用差込口を有し、第1側面部及び第2側面部、又は、第3側面部及び第4側面部は、幅方向外方へ延びる突片部を有し、組立品を組み立てることで折り畳まれたそれぞれの支柱部には、少なくとも1つの切込部を有するリブが形成され、第1側面部及び第2側面部、又は、第3側面部及び第4側面部のうち、前記突片部を有さない側面部が、該突片部を差込み可能な突片差込口を有し、上部半製品及び底部半製品に形成されたリブ同士を直交させるように対向させ、リブが有する切込部を互いに係合させ、かつ、突片部を突片差込口に差込み、係止することで組み立てられた組立品である。
【0007】
非限定的な観点によると、本発明に係る板状部材は、折り畳み自在で平坦かつ方形の、組立品を構成し得る板状部材であって、板状部材には、組立品を組み立てた際に組立品の側面となる第1側面部及び第2側面部、並びに、組立品を組み立てた際に組立品の支柱となる支柱部が長手方向に並列に配置されており、第1側面部及び第2側面部は、幅方向外方へ延びる突片部を有し、組立品を組み立てることで折り畳まれた支柱部には、少なくとも1つの切込部を有するリブが形成され、形成されたリブを、他の板状部材に形成されたリブと直交させるように対向させ、リブが有する切込部を係合させ、かつ、突片部を他の板状部材が有する突片差込口に差込み、係止することで組立品を構成し得る板状部材である。
【0008】
非限定的な観点によると、本発明に係る板状部材は、折り畳み自在で平坦かつ方形の、組立品を構成し得る板状部材であって、板状部材には、組立品を組み立てた際に組立品の側面となる第3側面部及び第4側面部、並びに、組立品を組み立てた際に組立品の支柱となる支柱部が長手方向に並列に配置されており、第3側面部及び第4側面部は、他の板状部材が有する突片部を差込み可能な突片差込口を有し、組立品を組み立てることで折り畳まれた支柱部には、少なくとも1つの切込部を有するリブが形成され、形成されたリブを、他の板状部材に形成されたリブと直交させるように対向させ、リブが有する切込部を係合させ、かつ、突片部を突片差込口に差込み、係止することで組立品を構成し得る板状部材である。
【発明の効果】
【0009】
本発明の各実施形態により1または2以上の不足が解決される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、組み立てられた組立品を示す図である。
【
図2】本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、上部半製品を示す図である。
【
図3】本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、底部半製品を示す図である。
【
図4】本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、上部半製品及び底部半製品の組み合わせを説明する図である。
【
図5】本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、上部半製品及び底部半製品の組み合わせを説明する図である。
【
図6】本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、上部半製品及び底部半製品が有する切込部の係合を説明する図である。
【
図7】本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、側面部の組立てを説明する図である。
【
図8】本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、突片部の差込みを説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。以下、効果に関する記載は、本発明の実施の形態の効果の一側面であり、ここに記載するものに限定されない。
【0012】
本発明を適用することができる組立品としては、2つの板状部材を組み合わせることで組み立てられるものであれば、特に限定されない。本発明を適用することができる組立品としては、例えば、パレット、容器、箱などをあげることができる。
【0013】
図1は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、組み立てられた組立品を示す図である。組立品10は、上部の部材と底部の部材とから構成される。より好適には、それぞれの部材は、折り畳み自在な、板状の上部半製品100及び底部半製品200を折り畳むことで形成される。上部半製品100及び底部半製品200は、波形板紙の平坦なシートで形成してもよいし、折り畳み自在な樹脂で形成してもよい。
【0014】
従来のパレットは、使用し続けることが前提だったため、物品を運搬した後もパレットだけを搬送しなければならなかった。本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する組立品は、上部半製品100及び底部半製品200が波形板紙の平坦なシート(例えば、段ボール等)で形成された場合には、組立品の耐圧強度を向上させることができ、例えば、物品を移動するパレットとして使用することができる。組立品の使用後に、分解することで容易に組立品を廃棄することが可能である。使い捨て可能なパレットであれば、再度出荷元にパレットを搬送して戻す必要がなく、一方通行の運搬が可能となるため、経済的にメリットがある。
【0015】
また、上部半製品100及び底部半製品200は、組立品の組み立てを容易にするために、折り畳む部分に切込み線が引かれ、不要な部分は予め打ち抜かれている、又は切り取られていることが好ましい。
【0016】
本発明の実施の形態の1つに対応する組立品は、上部半製品及び底部半製品の折り畳み、上部半製品と底部半製品との係合、上部半製品及び底部半製品の側面部の折り畳み、及び、突片部の折り畳みの4つの工程により組み立てられる。
【0017】
図2は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、上部半製品を示す図である。上部半製品100は、端部20a、20b、側面部30a、30b、側部パネル40a、40b、中央パネル50、支柱部61a、61b、61c、61d、62a、及び62bを含む。図示するように、端部、側面部、側部パネル、中央パネル、支柱部はそれぞれ、上部半製品の長手方向に並列に配置されている。支柱部は、61a及び61bの列と、61c及び61dの列とで2列存在するが、本発明はこれに限定されない。すなわち、1列以上あればよく、必要な強度に応じて適宜設計を変更することができる。
【0018】
側面部30aは、他の半製品と組み合わせる際に折り畳んで用いる折り畳み差込部31a及び31b、他の半製品が備える突片部を差し込み可能な突片差込口32a及び32b、物体の運搬において使用する運搬用差込口33a、33b、33c及び33dを含む。側面部30bは、他の半製品と組み合わせる際に折り畳んで用いる折り畳み差込部31c及び31d、他の半製品が備える突片部を差し込み可能な突片差込口32c及び32d、物体の運搬において使用する運搬用差込口33e、33f、33g及び33hを含む。運搬用差込口は、一例として、1つの側面部に対して2つ存在するが、本発明はこれに限定されない。すなわち、運搬に用いるための口が1以上存在すればよい。
【0019】
側部パネル40aは、運搬用差込口に差し込まれた物体を確認可能な確認窓41a及び41bを含む。側部パネル40bは、運搬用差込口に差し込まれた物体を確認可能な確認窓41c及び41dを含む。
【0020】
支柱部62aは、他の半製品と係合させる際に用いる切込部63a及び63bを含む。支柱部62bは、他の半製品と係合させる際に用いる切込部63c及び63dを含む。
【0021】
図3は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、底部半製品を示す図である。底部半製品200は、端部120a、120b、側面部130a、130b、側部パネル140a、140b、中央パネル150、支柱部161a、161b、161c、161d、162a、及び162bを含む。図示するように、端部、側面部、側部パネル、中央パネル、支柱部はそれぞれ、底部半製品の長手方向に並列に配置されている。支柱部は、161a及び161bの列と、161c及び161dの列とで2列あるが、本発明はこれに限定されない。すなわち、1列以上あればよく、必要な強度に応じて適宜設計を変更することができる。
【0022】
側面部130aは、他の半製品が備える突片差込口に差し込み可能な突片部131a及び131b、物体の運搬において使用する運搬用差込口133a、133b、133c及び133dを含む。側面部130bは、他の半製品が備える突片差込口に差し込み可能な突片部131c及び131d、物体の運搬において使用する運搬用差込口133e、133f、133g及び133hを含む。運搬用差込口は、一例として、1つの側面部に対して2つ存在するが、本発明はこれに限定されない。すなわち、運搬に用いるための口が1以上存在すればよい。また、運搬用差込口は、折り畳むことで形成されるようにしてもよい。
【0023】
支柱部162aは、他の半製品と係合させる際に用いる切込部163a及び163bを含む。支柱部162bは、他の半製品と係合させる際に用いる切込部163c及び163dを含む。
【0024】
上部半製品の側部パネル40a、40b及び中央パネル50には、他の組立品や運搬する物品が戴置される。底部半製品の側部パネル140a、140b及び中央パネル150は、地面と接する、又は、他の上部半製品の側部パネル及び中央パネルと接する。
【0025】
次に、上部半製品及び底部半製品の折り畳みについて説明する。上部半製品は、側部パネル40aと中央パネル50とを寄せ合うように、支柱部61a、61b及び62aを、同一方向に、山折り又は谷折りに折り畳む。同様に、側部パネル40bと中央パネル50とを寄せ合うように、支柱部61c、61d及び62bを折り畳む。底部半製品は、側部パネル140aと中央パネル150とを寄せ合うように、支柱部161a、161b及び162aを折り畳む。同様に、側部パネル140bと中央パネル150とを寄せ合うように、支柱部161c、161d及び162bを、同一方向に、山折り又は谷折りに折り畳む。この工程では、上部半製品及び底部半製品を折り畳むだけであり、接着剤等は使用しない。
【0026】
折り畳まれた上部半製品及び底部半製品は、正面視した場合に略正方形であることが好ましい。つまり、半製品に含まれる側部パネル及び中央パネルが略正方形にすることで、接する面に対していずれの方向から力が加えられたとしても、常に同程度の摩擦力を生じさせることができる。
【0027】
次に、上部半製品と底部半製品との係合について説明する。
図4及び
図5は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、上部半製品及び底部半製品の組み合わせを説明する図である。組み立てる際には、上部半製品100と底部半製品200とを、互いの長手方向が略直交するように配置する。
【0028】
次に、
図5に示すように、上部半製品の折り畳まれた支柱部(以下、リブともいう)と、底部半製品の折り畳まれた支柱部(リブ)とを、対向させるように組み合わせる。
【0029】
図6は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、上部半製品及び底部半製品が有する切込部の係合を説明する図である。図示するように、折り畳まれることで形成されたリブには、切込部63c、63d、163a及び163bが存在する。ここで、切込部63cが、支柱部162aにより形成されたリブを挟み込むように係合する。このような切込部を設けることで、接着剤を使用することなく半製品同士を組み合わせることができる。さらに、切込部63cと、切込部163bとを組み合わせるように係合させると、より安定し、強固に係合させることができる。
【0030】
なお、切込部は支柱部62a、62b、162a及び162bに設けられているが、本発明はこれに限定されない。すなわち、支柱部61に設けられていてもよく、他の半製品と係合可能に、いずれかの支柱部に切込部が設けられていればよい。
【0031】
続いて、上部半製品及び底部半製品の側面部の折り畳みについて説明する。
図7は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、側面部の組立てを説明する図である。図は、上部半製品100と底部半製品200との切込部を係合させた状態を示す。
【0032】
上部半製品の側面部30bを図面奥側から手前側へ向けて折り曲げる。さらに、端部20bが有する切込部71a及び71bを、折り畳まれた支柱部161c及び161aを挟み込むように、図面手前側から奥側へ向けて折り曲げる。この結果、端部20bは、上部半製品100と底部半製品200とに挟まれた空間内部に位置することになる。また、上部半製品100の側面部30bには、折り畳み差込部31c及び31dがある。これらを、上部半製品100と底部半製品200とに挟まれた空間内部に位置するように、折り畳む。
【0033】
なお、折り曲げた際に、底部半製品200の側面部130が備える突片部131a及び131cは、側面部30bに巻き込まれないように、上部半製品100と底部半製品200とに挟まれる空間の外側に位置させておく。側面部30bと同様に、側面部30aも折り畳む。
【0034】
また、底部半製品の側面部130a及び130bについても、上部半製品の側面部と同様に折り畳む。ただし、上部半製品の側面部には突片部がないため、突片部を組立品の外側に位置するように折り畳まなくてもよい。
【0035】
続いて、組立ての仕上げである、突片部の折り畳みについて説明する。
図8は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、突片部の差込みを説明する図である。側面部30bに設けられた突片差込口32cに、側面部130bが備える突片部131cを差し込む。差し込む際には、折り目線81に沿って、手前から正面奥へ向けて折り込む。ここで、突片部131が突片差込口32よりも大きい場合には、突片部131をさらに折り曲げつつ、折り込むことが好ましい。このようにすることで、突片部を差し込んで係止した場合に、係止部が外れ難くなり、より安定して組み合わせることができる。
【0036】
さらに、物品を戴置した際に組立品10に加わる力の方向と、折り目線81の成す線の方向とが、略平行になることが好ましい。このようにすることで、組立品10の耐圧強度をより向上させることができる。
【0037】
また、突片部131は、側面部30を覆うように折り曲げられることが好ましい。このようにすることで、組立品10の角を保護することができ、組立品10の耐久度をより向上させることができ、使用後も分解して再度使用することができる。
【符号の説明】
【0038】
10 :組立品
20 :端部
30 :側面部
31 :折り畳み差込部
32 :突片差込口
33 :運搬用差込口
40 :側部パネル
41 :確認窓
50 :中央パネル
61、62:支柱部
63 :切込部
71 :切込部
81 :折り目線
100 :上部半製品
120 :端部
130 :側面部
131 :突片部
133 :運搬用差込口
140 :側部パネル
150 :中央パネル
161 :支柱部
162 :支柱部
163 :切込部
200 :底部半製品