(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6860222
(24)【登録日】2021年3月30日
(45)【発行日】2021年4月14日
(54)【発明の名称】拡張可能な脈管ステント
(51)【国際特許分類】
A61F 2/90 20130101AFI20210405BHJP
A61F 2/06 20130101ALI20210405BHJP
【FI】
A61F2/90
A61F2/06
【請求項の数】14
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2018-511449(P2018-511449)
(86)(22)【出願日】2016年9月9日
(65)【公表番号】特表2018-526115(P2018-526115A)
(43)【公表日】2018年9月13日
(86)【国際出願番号】EP2016071296
(87)【国際公開番号】WO2017042329
(87)【国際公開日】20170316
【審査請求日】2019年7月29日
(31)【優先権主張番号】102015115279.7
(32)【優先日】2015年9月10日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】513159136
【氏名又は名称】ベントレー イノメッド ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】Bentley InnoMed GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100139723
【弁理士】
【氏名又は名称】樋口 洋
(72)【発明者】
【氏名】オブラドヴィッチ,ミリサフ
【審査官】
上石 大
(56)【参考文献】
【文献】
特表2007−512114(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2001/0044652(US,A1)
【文献】
特開2009−101068(JP,A)
【文献】
特表2004−512093(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 2/915
A61F 2/91
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
脈管ステントであって、そのウェブ(4)が蛇行構成をしている個別のリングセグメント(2)を有し、かつ、隣接するリングセグメント(2)間に配置された接続ウェブ(3)を備えており、該接続ウェブが、接続点(7)において前記リングセグメント(2)の前記ウェブ(4)と合流する、脈管ステントにおいて、
前記脈管ステント(1)の拡張時に圧縮される前記接続点(7)の角に、凹部(9a、9b)が配置されており、該凹部は、前記脈管ステント(1)の前記拡張の間に生じる応力を低減するために、エッジの方に向かって開いており、かつ、前記リングセグメントウェブ(4)及び接続ウェブ(3)に延在し、
前記ウェブ(4、3)に延在する切り込み(10)が、前記凹部(9a、9b)の周りに半円形に配置され、前記切り込み(10)が半円形の形状である、
ことを特徴とする、
脈管ステント。
【請求項2】
前記凹部(9a、9b)が丸みを帯びた輪郭を有することを特徴とする、請求項1に記載の脈管ステント。
【請求項3】
前記凹部(9a、9b)が本質的に円形又は楕円形の形状を有することを特徴とする、請求項2に記載の脈管ステント。
【請求項4】
前記凹部(9a、9b)が、前記リングセグメントのウェブ幅の1/20〜1/10の範囲の半径を有することを特徴とする、請求項3に記載の脈管ステント。
【請求項5】
前記リングセグメント(2)の前記ウェブ(4)に、該ウェブの経路に沿ったさらなる切り込み(11、12)が設けられていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の脈管ステント。
【請求項6】
前記切り込み(11、12)が、前記脈管ステントの拡張の間に圧縮される前記ウェブの領域に配置されていることを特徴とする、請求項5に記載の脈管ステント。
【請求項7】
前記切り込み(12)が、前記接続点(7)の領域に配置されていることを特徴とする、請求項5又は6に記載の脈管ステント。
【請求項8】
前記切り込み(11)が、前記リングセグメントのアーチ状の領域に配置されていることを特徴とする、請求項5又は6に記載の脈管ステント。
【請求項9】
前記切り込み(10、11、12)が、前記ウェブの幅の1/40〜1/4の幅を有するスロットであることを特徴とする、請求項5〜8のいずれか一項に記載の脈管ステント。
【請求項10】
前記接続ウェブ(3)が、リングセグメント(2)の外側アーチを、隣接するリングセグメント(2)の内側アーチに接続することを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の脈管ステント。
【請求項11】
内側アーチに前記接続ウェブ(3)が接続する前記リングセグメント(2)のアーチには、前記接続点(7)に対向する位置にトラフ様の窪み(8)が設けられていることを特徴とする、請求項10に記載の脈管ステント。
【請求項12】
前記切り込み(12)が、前記トラフ様の窪み(8)の経路に沿っていることを特徴とする、請求項11に記載の脈管ステント。
【請求項13】
前記ステントが、インビボで分解可能、かつ、バルーンによって拡張可能なプラスチック材料からなることを特徴とする、請求項1〜12のいずれか一項に記載の脈管ステント。
【請求項14】
前記脈管ステントが、ポリラクチド、ポリガラクチド、若しくはそれらのブレンド又は共重合体からなることを特徴とする、請求項13に記載の脈管ステント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、脈管ステント又は脈管支持体であって、そのウェブが蛇行した構成をしている個別のリングセグメントを有し、かつ、隣接するリングセグメント間に配置された接続ウェブを備えており、該接続ウェブが、接続点においてリングセグメントのウェブと合流する、脈管ステント又は脈管支持体に関する。特に、脈管ステント又は脈管支持体は、インビボで分解可能な材料で構成されており、とりわけ好ましくは、これらの特性を有するプラスチック材料でできている。
【背景技術】
【0002】
脈管ステントは、狭くなった脈管を拡張及び再導通し、かつ、動脈瘤、シャント、及び脈管の望ましくない分枝を封鎖するために、冠状動脈、大脳、及び周辺の領域において、しばしば用いられる。これに関連して、一定期間にわたり体内で溶解する、インビボで分解可能な材料が、ますます使用されている。脈管支持体、特に、薬剤コーティング/薬剤溶出性のステントは、通常、限られた期間のみ必要とされ、それらの目的が達成されると、もはや使用されない。
【0003】
このようなインビボで分解可能な脈管ステントを得ることを目的として、金属的性質のもの及びプラスチックをベースとしたもののいずれについても、多くの材料が試験された。金属の事例では、マグネシウム合金が特に有用であることが証明されている。プラスチック材料の中でも、ポリラクチド及びポリガラクチド(Polygalactide)をベースとした脈管ステントが、とりわけ開発されている。
【0004】
脈管の拡幅の目的に役立つ脈管ステントは、通常、バルーン上にクリンプされ、かつ、カテーテルによって定位置に配置され、次に、該バルーンの助力を得て拡張され、その後、バルーンは、配置部位に脈管ステントを残して、不活化状態で抜去される。脈管ステントの拡張の間に、個別のリングセグメントは、多かれ少なかれ拡幅されて、それらが張力を受けるようになる。しかしながら、このような拡幅により、張力下にあるステントのパーツはシリンダ面の外に移動し、その結果、脈管損傷につながりかねないエッジ及びフィンを発達させてしまう。
【0005】
この危険性は、少なくとも一部には、プラスチック材料を使用することによって和らげることができる。プラスチックは、金属よりは硬くなく、鋭いエッジを形成する傾向が少ない。しかしながら、プラスチックのステントの不利な点は、張力が印加される領域に、拡張の間に亀裂を形成する傾向、若しくは、圧縮を被るとひどく座屈する傾向である。とりわけ、蛇行するウェブを有する複数のリングセグメントからなる脈管ステントの場合には、この挙動は頻繁に生じる。他方では、この種のステント構造は、それらの半径方向の挙動の結果として、及び、拡張の間のそれらの長さの短縮の可制御性の理由から、成功裏に用いられている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
こうした観点から、本発明の目的は、脈管ステントの拡張の間に生じる前述の張力を低減する構造を提供することである。これは、特に影響を受けるプラスチック材料のステントのみならず、それらがインビボで分解可能かどうかにかかわらず、金属材料で作られたステントにも適用される。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本目的は、最初に上で述べた種類の脈管ステントであって、該脈管ステントの拡張時に圧縮される接続点の角に凹部が配置されており、脈管ステント(1)の拡張の間に生じる応力を低減するために、該凹部は、エッジの方に向かって開いており、かつ、リング及び接続ウェブに延在している、脈管ステントによって達成される。
【0008】
本発明の意味内において、用語「ステント」、「脈管ステント」、及び「脈管支持体」は、本明細書では同義語として使用される。これらの用語は、脈管及び冠動脈用のステントのみならず、体内管腔内に挿入及び配置することができるすべての脈管支持体のことを指す。
【0009】
用語「リングセグメント」とは、周方向に延びる脈管支持体の支持要素のことを指す。このようなリングセグメントは、拡張の間にループを引き伸ばすことにより、脈管ステントの直径を拡張することができるように、蛇行構成を有している。これに関連して「蛇行」とは、曲がりを有する構成、曲がりくねった線の構成、又はジグザグ形状の構成のことを指す。
【0010】
視点に応じて、脈管支持体の個別のリングセグメントは、湾曲して延びる単一のウェブ、若しくは、互いに接続されて蛇行パターンを形成する多数のウェブからなる。
【0011】
脈管支持体の隣接するリングセグメント同士は、接続ウェブによって互いに取り付けられる。接続ウェブは、直線、湾曲、S字状又は螺旋形状を有しうるが、本発明によれば、真っ直ぐな構成を有する接続ウェブが好ましい。
【0012】
拡張の間に、ステントの長手方向の収縮を制限することが原則として望ましい。湾曲した接続ウェブが設けられている場合には、これは、ウェブを引き伸ばすことによって達成され、真っ直ぐな接続ウェブを使用する場合には、リングセグメントの外側アーチと隣接するリングセグメントの内側アーチとの間にそれらを配置することによって、達成される。したがって、接続ウェブは、隣接する蛇行のそれぞれのアーチの間に、一方では外側、他方では内側に配置される。
【0013】
一方はリングセグメントのウェブ、他方は接続ウェブが、該接続ウェブの両端で交わり、接続点を形成する。上述の構成において、3つのウェブアームが、各接続点を起点とする。
【0014】
本発明が提案するように、一部の接続点、好ましくは、リングセグメントが接続ウェブの接合点の領域で圧縮又はアップセットされている接続点に、外側からウェブ内へと延びる凹部が存在する。これは通常、外側アーチに接続点を有する事例である。凹部は、上述の隆起が生じないように、リングセグメントの圧縮された材料に、側方に移動する空間を与える。
【0015】
凹部は、外側からウェブ内に導かれて内部を通る、刻み目又は切り込みの形態で設けられてもよいが、規則的なカットアウト又は「穿孔(Ausstanzungen)」であってもよい。好ましくは、凹部は、丸みを帯びた輪郭を有しており、これは、バルーン上にクリンプしてバルーンを拡張するときに遭遇しうる初期の亀裂が排除されるという利点を提供する。円形又は楕円形の輪郭を有する凹部が特に好ましい。凹部は、ウェブを通って延び、かつ、エッジ又は周縁の方向に開いている。
【0016】
接続点の角の領域において、凹部は、エッジからリングセグメントウェブ内へと延び、接続ウェブにも及ぶ。円形又は楕円形の凹部の場合には、半径は、好ましくは、ウェブ幅の1/20〜1/10の範囲にある。同じことが切り込み及び刻み目にも同様に当てはまる。
【0017】
代替的に又は追加的に、リングセグメントのウェブには、蛇行するリングセグメントのアーチの領域に切り込みが設けられていてもよい。切り込みは、リングセグメントの経路に沿ってスロットの形態で設けられ、該切り込み又はスロットは、完全にウェブの内部に配置される。好ましくは、それらの幅は、ウェブ幅の1/40〜1/4、とりわけ1/20〜1/10である。切り込みは、リングセグメントに柔軟性をもたらし、圧縮中に移動した材料を収容するのに適している。
【0018】
切り込み又はスロットは、好ましくは、接続ウェブが内側アーチに隣接している、リングセグメントの接続点の領域に配置される。この位置において、リングセグメントの接続ウェブに対向する位置に、刻み目又は窪みが設けられ、その輪郭を切り込みが追従する。
【0019】
通常、切り込みは、ウェブ幅の1〜3倍に相当する長さにわたって延在する。
【0020】
特に、切り込み又はスロットは、ウェブの経路に沿って、リングセグメントのアーチの領域に配置されてもよい。
【0021】
本発明に係る脈管支持体の設計は、例えば分解可能なプラスチックなどのプラスチック材料から切り出されるステントに特に適している。そのようなものとして、ポリラクチド、ポリガラクチド、それらのコポリマー及びブレンドが特に適している。しかしながら、本発明は、あらゆる材料で作られた脈管支持体に関し、どの材料がステントに用いられるかは特に問わないことが理解されるべきである。
【0022】
本発明が提案するステントは、通常の方法でバルーン上にクリンプされる種類の通常のバルーンによって拡張可能なステントであり、バルーンカテーテルによって配置部位に運ばれ、かつ液圧で拡張され、その後、カテーテルは、収縮した状態のバルーンとともに抜去される。言うまでもなく、ステントは、例えば、狭くなった脈管の場合に再狭窄を防止するために、それ自体が知られている方法で、活性薬剤をコーティング又は含浸されてもよい。
【0023】
本発明は、添付の図面を参照してより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】展開形態における通常のステントの設計を示す図
【
図2】本発明に従って修正された、
図1に示すステント設計の部分セクションを示す図
【
図3】凹部及び切り込みに関して、
図2に示す設計の修正を示す図
【
図5】切り込みを含む、
図2に示す設計のさらなる修正を示す図
【
図6】ステントの拡張前の
図2に従う試料の写真を示す図
【
図7】ステントの拡張後の
図6のセクションを示す図
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1には、切断かつ展開された形態における、蛇行するリングセグメント2と、隣接するリングセグメント2間に配置された接続ウェブ3とを有する、通常のステント1が示されている。個別のリングセグメントは、外側アーチ5、内側アーチ6、及び接続ウェブ3との接続点7を有する、蛇行する又は曲がりくねった経路に沿った連続ウェブ4からなる。接続ウェブ3の接続点7における内側アーチ6は、トラフ状の窪み8を有する。接続ウェブ3の幅は、リングセグメント2のウェブ幅よりも、わずかに、約5〜20%だけ小さい。
【0026】
図2は、本発明に係る凹部9a及び9bを例証する、
図1に示されるステント設計の詳細を示している。凹部9a及び9bは、2つの独立した変形であり、その各々は個別に実現することができ、該凹部は、リングセグメント2と接続ウェブ3との間の接続点7の角に配置されている。凹部9a及び9bはいずれも、円形の輪郭を有しており、リングセグメント2及び接続ウェブ3のエッジに合流する、丸みのある移行部を形成するように形状化される。凹部9a及び9bはいずれも、それらが接続ウェブ3とリングセグメント2の両方に及ぶように配置されており、凹部9bは凹部9aよりも大きい直径を有している。
【0027】
図3は、接続ウェブ3とリングセグメント2との間に形成された角に配置された凹部9aを有する、接続点7の設計に関する別の変形を示している。1つの凹部9aの周りには、略半円形の形状をした、凹部9aを取り囲む切り込み10が配置されている。
【0028】
図1及び2に示される凹部9a及び9b、並びに切り込み10は、拡張の間に圧縮応力に晒されるステント1の領域に位置付けられる。凹部を通じて、拡張プロセスの間に材料が移動できる自由空間が創出され(
図6/7を参照)、さらには、凹部の丸みを帯びた輪郭は、亀裂形成の防止にも貢献する。
【0029】
図4は、接続点7に配置された凹部9aを有する、本発明に係るステントのさらなる実施形態を示している。接続ウェブ3は、接続点7をも表す外側アーチ5から、隣接するリングセグメント2の内側アーチ6まで延びる。リングセグメント2には、ウェブ3及び内側アーチ6に対向する位置に、窪み又はトラフ8が設けられている。このようなトラフ様の構成の結果として、内側アーチ6は細長くなり、接続ウェブ3からリングセグメント2への移行部のより滑らかな丸み付けを可能にする。
【0030】
図5には、2つのリングセグメント2間に位置付けられた接続ウェブ3の領域における、本発明が提案するステント1の別の実施形態の変形が示されている。接続点の領域における凹部9aは、半円形のスロット10に取り囲まれていてもよい。さらには、リングセグメント2の経路に従うスリット状の切り込み11及び12が、凹部9aが設けられたリングセグメント2に隣接して配置されるリングセグメント2aに、位置付けられている。該スロットは、ステントの拡張の間に生じる応力を相殺するのに適している。
【0031】
図6は、リングセグメント2とウェブ3との間の接続点7の領域に凹部9aを備えている、ステント部分の写真表示を示している。
【0032】
図7は、ステントの拡張後の
図6に示されるステントの同じ領域の表示であり、凹部は、材料がリングセグメント2から移動した結果、閉じられている。
【0033】
言うまでもなく、図面に示され、説明の目的で記載された特徴は、当然、各事例において個別に扱われるが、それらは他の文脈においても同様に適用されうる。したがって、切り込み及び/又は凹部の任意選択的な組合せを、ステントに設けることができる。凹部が接続点の領域にのみ設けられている脈管支持体、並びに、ウェブ構成領域に専ら切り込み又はスロットを有するステントもまた同様に、本発明の範囲内に含まれる。
他の実施形態
1. 脈管ステント、とりわけインビボで分解可能なプラスチック材料でできている脈管ステントであって、そのウェブ(4)が蛇行構成をしている個別のリングセグメント(2)を有し、かつ、隣接するリングセグメント(2)間に配置された接続ウェブ(3)を備えており、該接続ウェブが、接続点(7)において前記リングセグメント(2)の前記ウェブ(4)と合流する、脈管ステントにおいて、
前記脈管ステント(1)の拡張時に圧縮される前記接続点(7)の角に、凹部(9a、9b)が配置されており、該凹部は、前記脈管ステント(1)の前記拡張の間に生じる応力を低減するために、エッジの方に向かって開いており、かつ、前記リングセグメントウェブ(4)及び接続ウェブ(3)に延在していることを特徴とする、
脈管ステント。
2. 前記ウェブ(4、3)に延在する切り込み(10)が、凹部(9a、9b)が設けられる接続点(7)の角に位置する前記凹部(9a、9b)の周りに配置されていることを特徴とする、実施形態1に記載の脈管ステント。
3. 前記凹部(9a、9b)が丸みを帯びた輪郭を有することを特徴とする、実施形態1又は2に記載の脈管ステント。
4. 前記凹部(9a、9b)が本質的に円形又は楕円形の形状を有することを特徴とする、実施形態3に記載の脈管ステント。
5. 前記凹部(9a、9b)が、前記リングセグメントのウェブ幅の1/20〜1/10の範囲の半径を有することを特徴とする、実施形態4に記載の脈管ステント。
6. 前記リングセグメント(2)の前記ウェブ(4)に、該ウェブの経路に沿った切り込み(10、11、12)が設けられていることを特徴とする、実施形態1〜5のいずれかに記載の脈管ステント。
7. 前記切り込み(10、11、12)が、前記脈管ステントの拡張の間に圧縮される前記ウェブの領域に配置されていることを特徴とする、実施形態6に記載の脈管ステント。
8. 前記切り込み(10、12)が、前記接続点(7)の領域に配置されていることを特徴とする、実施形態6又は7に記載の脈管ステント。
9. 前記切り込み(11)が、前記リングセグメントのアーチ状の領域に配置されていることを特徴とする、実施形態6又は7に記載の脈管ステント。
10. 前記切り込み(10、11、12)が、前記ウェブの幅の1/40〜1/4の幅、とりわけ1/20〜1/10の幅を有するスロットであることを特徴とする、実施形態6〜9のいずれかに記載の脈管ステント。
11. 前記接続ウェブ(3)が、リングセグメント(2)の外側アーチを、隣接するリングセグメント(2)の内側アーチに接続することを特徴とする、実施形態1〜10のいずれかに記載の脈管ステント。
12. 内側アーチに前記接続ウェブ(3)が隣接する前記リングセグメント(2)のアーチには、前記接合点に対向する位置にトラフ様の窪み(8)が設けられていることを特徴とする、実施形態11に記載の脈管ステント。
13. 前記切り込み(12)が、前記トラフ様の窪み(8)の経路に沿っていることを特徴とする、実施形態12に記載の脈管ステント。
14. 前記ステントが、インビボで分解可能、かつ、バルーンによって拡張可能なプラスチック材料からなることを特徴とする、実施形態1〜13のいずれかに記載の脈管ステント。
15. 前記脈管ステントが、ポリラクチド、ポリガラクチド、若しくはそれらのブレンド又は共重合体からなることを特徴とする、実施形態14に記載の脈管ステント。
【符号の説明】
【0034】
1 脈管ステント
2 リングセグメント
3 接続ウェブ
4 リングセグメントのウェブ
5 外側アーチ
6 内側アーチ
7 接続点
8 トラフ様の窪み
9a,9b 凹部
10,11,12 切り込み