(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下では、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0013】
<スロットマシンの外観構成>
図1は、本発明の一実施形態に係るスロットマシン1の斜視図である。
【0014】
スロットマシン1は、前面が開放された箱型の本体2と、本体2の前面を開閉可能に設けられた前扉3とを備えている。
【0015】
本体2内には、上下方向の中央部より少し上方の位置に、左リール(第1回胴)R1、中リール(第2回胴)R2および右リール(第3回胴)R3が左右に並べて配置されている。左リールR1、中リールR2および右リールR3は、ドラム状のリール枠の周面にリール帯を巻着した構成を有しており、リール枠の中心で左右方向に延びる軸を中心に回転可能に設けられている。リール帯には、20個の図柄が周方向に並べて配列されている。
【0016】
前扉3には、パネル表示部4、操作部5および演出表示部6が設けられている。
【0017】
パネル表示部4は、左リールR1、中リールR2および右リールR3に前側から対向する位置に設けられている。パネル表示部4は、左リールR1、中リールR2および右リールR3のそれぞれ3個の連続した図柄を外部から視認可能にするリール窓7を有している。左リールR1、中リールR2および右リールR3の回転中は、リール窓7内に、左リールR1、中リールR2および右リールR3の図柄が次々に現れる(図柄の変動表示)。左リールR1、中リールR2および右リールR3が停止すると、左リールR1、中リールR2および右リールR3のそれぞれ3個の図柄、合計9個の図柄がリール窓7に臨む(図柄の停止表示)。
【0018】
また、パネル表示部4には、兼用表示器8,9など、遊技に関する情報を表示するための各種の表示器やランプが設けられている。兼用表示器8,9は、リール窓7の下方において、左右に並べて配置されている。
【0019】
操作部5には、メダル投入口11、MAXベットボタン12、1枚ベットボタン13、2枚ベットボタン14、スタートレバー15、左ストップボタン16L、中ストップボタン16C、右ストップボタン16Rおよび精算ボタン17が含まれる。
【0020】
前扉3には、パネル表示部4の下側であって上下方向の略中央となる位置に、手前側に膨出した形状の膨出部18がその全幅にわたって形成されている。メダル投入口11、MAXベットボタン12、1枚ベットボタン13および2枚ベットボタン14は、膨出部18の上面に設けられており、スタートレバー15、左ストップボタン16L、中ストップボタン16C、右ストップボタン16Rおよび精算ボタン17は、膨出部18の前面に設けられている。
【0021】
メダル投入口11は、膨出部18の上面の右端部に配置されている。MAXベットボタン12、1枚ベットボタン13および2枚ベットボタン14は、膨出部18の上面の左端部に配置されている。1枚ベットボタン13および2枚ベットボタン14は、MAXベットボタン12の左側に前後に並べて配置されている。
【0022】
スタートレバー15は、膨出部18の前面の左端部に配置されている。左ストップボタン16L、中ストップボタン16Cおよび右ストップボタン16Rは、スタートレバー15の右側において、左からこの順に並べて配置されている。かかる配置により、遊技者が遊技を進行させるための基本操作、すなわち、MAXベットボタン12、1枚ベットボタン13または2枚ベットボタン14の押操作に始まり、スタートレバー15の操作後の左ストップボタン16L、中ストップボタン16Cおよび右ストップボタン16Rのこの順の押操作からなる一連の操作を行いやすい。精算ボタン17は、スタートレバー15の左側に配置されている。
【0023】
演出表示部6は、パネル表示部4の上側に配置されている。演出表示部6には、遊技の進行に合わせた演出画像などを表示するための液晶表示器21が設けられている。また、演出表示部6には、遊技中の雰囲気を盛り上げるための効果音などを出力する一対のスピーカ22L,22Rが設けられている。スピーカ22L,22Rは、液晶表示器21の左右に分かれて配置されている。
【0024】
また、前扉3の下端部には、本体2内からメダルを排出するメダル排出口23が形成され、そのメダル排出口23から排出されるメダルを受けるメダルトレイ24が設けられている。
【0025】
<スロットマシンの電気的構成>
図2は、スロットマシン1の電気的構成を示すブロック図である。
【0026】
スロットマシン1は、ゲームの中枢的な制御を実行するメイン基板(主基板)31と、ゲームに付随する演出のための制御を行うサブ基板(演出基板)32と、光と音による電飾のための制御を行う電飾制御基板33とを備えている。
【0027】
メイン基板31には、CPU41、ROM42、RAM43、入出力ポート44、乱数生成回路45および信号送出回路46が備えられている。
【0028】
CPU41は、ROM42、RAM43、入出力ポート44、乱数生成回路45および信号送出回路46と接続されている。
【0029】
ROM42には、各種のプログラムが格納されている。各種のプログラムは、CPU41によって実行される。また、ROM42には、抽選テーブル47および停止制御テーブル48が格納されている。
【0030】
RAM43は、CPU41によるプログラムの実行時に、ワークエリアとして使用される。
【0031】
入出力ポート44には、操作部5の各操作部材、すなわち、MAXベットボタン12、1枚ベットボタン13、2枚ベットボタン14、スタートレバー15、左ストップボタン16L、中ストップボタン16C、右ストップボタン16Rおよび精算ボタン17が接続されている。操作部材5の各操作部材が操作されると、その操作された操作部材から入出力ポート44に操作信号が入力される。
【0032】
また、入出力ポート44には、リール位置検出センサ51L,51C,51R、メダル投入センサ52およびメダル排出センサ53が接続されている。リール位置検出センサ51L,51C,51Rは、それぞれ左リールR1、中リールR2および右リールR3が1回転する度に検出信号を出力する。メダル投入センサ52は、メダル投入口11にメダルが1枚投入される度に検出信号を出力する。メダル排出センサ53は、メダル排出口23からメダルトレイ24にメダルが1枚排出される度に検出信号を出力する。入出力ポート44には、リール位置検出センサ51L,51C,51R、メダル投入センサ52およびメダル排出センサ53の各検出信号が入力される。
【0033】
さらに、入出力ポート44には、CPU41の制御対象が接続されている。その制御対象には、兼用表示器8,9と、左リールR1、中リールR2および右リールR3をそれぞれ回転させるためのステッピングモータ54L,54C,54Rと、メダル投入口11から投入されるメダルを本体2内のメダル貯留部(図示せず)に貯留するかメダルトレイ24に排出するかを切り替えるメダルブロックソレノイド55と、メダル貯留部からメダル排出口23を通してメダルトレイ24にメダルを排出するメダル排出モータ56とが含まれる。
【0034】
CPU41は、ROM42に格納されているプログラムを実行することにより、入出力ポート44に入力される信号に基づいて、入出力ポート44に接続されている制御対象の動作を制御する。
【0035】
入出力ポート44には、外部集中端子板57が接続されている。外部集中端子板57には、スロットマシン1に対応づけて設けられるデータランプ(データカウンタ)がハーネスを介して接続される。CPU41は、入出力ポート44から外部集中端子板57に、スロットマシン1の遊技状態に応じた信号を出力する。
【0036】
また、CPU41は、信号送出回路46を介して、サブ基板32および電飾制御基板33にコマンドおよび制御に必要な信号を送出する。
【0037】
サブ基板32には、CPU61、ROM62、RAM63、信号入力回路64、乱数生成回路65および駆動回路66および入出力ポート67が備えられている。
【0038】
CPU61は、ROM62、RAM63、信号入力回路64、乱数生成回路65、駆動回路66および入出力ポート67と接続されている。ROM62には、各種のプログラムが格納されている。各種のプログラムは、CPU61によって実行される。RAM63は、CPU61によるプログラムの実行時に、ワークエリアとして使用される。信号入力回路64には、メイン基板31の信号送出回路46からの信号が入力される。入出力ポート67には、チャンスボタン28、左ボタン29Lおよび右ボタン29Rが接続されている。チャンスボタン28が操作されると、それに付属しているスイッチ(図示せず)から操作信号が出力され、その操作信号が入出力ポート67を介してCPU61に入力される。CPU61は、ROM62に格納されているプログラムを実行し、信号入力回路64および入出力ポート67から入力される信号に基づき、駆動回路66を介して、液晶表示器21の表示を制御する。
【0039】
電飾制御基板33は、メイン基板31から送信されるコマンドに基づいて、左ストップボタン16L、中ストップボタン16C、右ストップボタン16Rなどに内蔵されたLED68の点灯を制御する。また、スピーカ22L,22Rからの音の出力を制御する。
【0040】
<図柄の配列>
図3は、左リールR1、中リールR2および右リールR3の各リール帯における図柄の配列を示す図である。
【0041】
左リールR1のリール帯には、「ブランク」、「チェリ」、「赤7A」、「ベル」、「リプ」、「白7B」、「白7A」、「スイカ」、「ベル」、「リプ」、「バー」、「チェリ」、「スイカ」、「ベル」、「リプ」、「赤7B」、「チェリ」、「赤7A」、「ベル」および「リプ」の図柄がこの順に配列されており、これらの図柄に、それぞれ図柄番号「1」〜「20」が対応づけられている。
【0042】
中リールR2のリール帯には、「ブランク」、「白7A」、「リプ」、「ベル」、「チェリ」、「ブランク」、「赤7B」、「リプ」、「ベル」、「チェリ」、「スイカ」、「バー」、「リプ」、「ベル」、「チェリ」、「スイカ」、「赤7A」、「リプ」、「ベル」および「チェリ」の図柄がこの順に配列されており、これらの図柄に、それぞれ図柄番号「1」〜「20」が対応づけられている。
【0043】
右リールR3のリール帯には、「ブランク」、「ベル」、「チェリ」、「スイカ」、「リプ」、「白7A」、「ベル」、「チェリ」、「スイカ」、「リプ」、「バー」、「ベル」、「チェリ」、「スイカ」、「リプ」、「赤7A」、「ベル」、「赤7B」、「スイカ」および「リプ」の図柄がこの順に配列されており、これらの図柄に、それぞれ図柄番号「1」〜「20」が対応づけられている。
【0044】
<遊技処理>
図4は、遊技処理の流れを示すフローチャートである。
【0045】
スロットマシン1では、
図4に示されるように、メイン基板31のCPU41により、1回の遊技(1ゲーム)ごとに、メダル受付処理(S1)、ベット処理(S2)、レバー受付処理(S3)、内部抽選処理(S4)、AT関連抽選処理(S5)、リール回転処理(S6)、指示モニタ表示設定処理(S7)、外部信号出力確認処理(S8)、リール停止処理(S9)、図柄判定処理(S10)、指示モニタ消灯設定処理(S11)、メダル払出処理(S12)および状態移行処理(S13)がこの順で実行される。
【0046】
メダル受付処理(S1)
メダル受付処理では、CPU41により、メダル投入センサ52の検出信号に基づいて、スロットマシン1に預けられているメダルの枚数であるクレジット数が更新され、また、メダルブロックソレノイド55が制御される。
【0047】
スロットマシン1では、遊技(ゲーム)を開始するためにメダル(遊技媒体)のベット、すなわち、遊技にメダルを賭する(ベットする)必要がある。スロットマシン1において、遊技に賭する必要があるメダルの枚数である規定数は、2枚または3枚である。
【0048】
3枚のメダルが遊技にベットされ、かつ、クレジット数が50未満である状態で、メダル投入口11にメダルが投入された場合、その投入されたメダルがメダル貯留部に貯留されて、クレジット数に1が加算される。規定数のメダルが遊技にベットされ、かつ、クレジット数が50に達した状態で、メダル投入口11にメダルが投入された場合は、その投入されたメダルがメダル排出口23を通してメダルトレイ24に排出され、クレジット数の更新はない。クレジット数は、兼用表示器8に表示される。
【0049】
兼用表示器8は、
図5に示されるように、兼用表示器8は、2個の7セグメント表示器81,82が横並びに配置され、各7セグメント表示器81,82の右下角部の右側にドット表示器83,84が配置された構成を有している。各7セグメント表示器81,82は、6個のセグメントで横1個分で縦2個分の長方形の外枠を構成し、残りの1個のセグメントをその長方形の外枠の中央を横切るように配置した構成である。
【0050】
なお、1枚以上のメダルがクレジットされている状態で、精算ボタン27が操作されると、CPU41により、メダル排出モータ56が制御されて、クレジットされている全メダルがメダル排出口23からメダルトレイ24に排出される。これに伴い、兼用表示器8の表示が「0」に更新される。
【0051】
ベット処理(S2)
ベット処理では、遊技にベットされたメダルの枚数であるベット数が3未満である状態で、メダル投入口11からメダルが投入された場合、CPU41により、遊技にベットされたメダルの枚数であるベット数に1が加算される。また、ベット数が3未満であり、クレジット数が3からそのベット数を減じた以上である状態で、MAXベットボタン12が操作された場合には、CPU41により、ベット数が3に増数されて、その増数分のクレジット数が減算される。ベット数が2であり、クレジット数が1以上である状態で、1枚ベットボタン13または2枚ベットボタン14が操作された場合には、CPU41により、ベット数が3に増数されて、その増数分のクレジット数が減算される。また、ベット数が1または0であり、クレジット数が1以上である状態で、1枚ベットボタン13が操作された場合には、CPU41により、ベット数が1だけ増数されて、クレジット数が1だけ減算される。ベット数が1または0であり、クレジット数が2以上である状態で、2枚ベットボタン14が操作された場合には、CPU41により、ベット数が2だけ増数されて、クレジット数が2だけ減算される。
【0052】
レバー受付処理(S3)
規定数(2枚または3枚)のメダルがベットされている状態で、スタートレバー15が操作されると、CPU41により、そのスタートレバー15の操作が受け付けられる。一方、ベット数が規定数に満たない状態で、スタートレバー15が操作されても、CPU41により、そのスタートレバー15の操作が受け付けられず、これ以降の処理は実行されない。
【0053】
内部抽選処理(S4)
スタートレバー15の操作に応じて、CPU41により、内部抽選が実行される。内部抽選では、スタートレバー15が操作されたタイミングで、乱数生成回路45からCPU41に1個の乱数が取得される。乱数生成回路45は、発振器からのクロックパルスの出力に応答してカウントアップするインクリメントカウンタを含む構成であり、16ビットの乱数(0〜65535)を生成する。乱数値の取得後、CPU41により、ROM42に格納されている抽選テーブル47が参照される。抽選テーブル47は、複数の抽選区分の個々に1以上の役と抽選値とを対応づけることにより作成されている。乱数生成回路45から取得した乱数と各抽選区分の抽選値との比較により1の抽選区分が抽選され、その抽選区分に対応づけられた役が当選役として決定される。また、乱数から抽選区分が特定されない場合には、内部抽選の結果がはずれ(不当せん)に決定される。
【0054】
AT関連抽選処理(S5)
スタートレバー15の操作に応じて、CPU41により、AT関連抽選が実行される。AT関連抽選とは、指示機能の作動が可能となる有利区間や、指示機能が作動するAT状態に関連する抽選である。指示機能とは、内部抽選の結果、後述する特定の抽選区分に当選したゲームにおいて、最大配当小役の入賞が得られる遊技方法を指示する機能である。さらに具体的には、同ゲームにおいて、最大配当小役の入賞が得られる、複数のストップボタン16L、16C、16Rの停止操作順や、操作タイミングを指示する機能である。指示機能の作動が不能とされる非有利区間、有利区間、AT状態およびAT関連抽選については、後に詳述する。
【0055】
リール回転処理(S6)
スタートレバー15が操作されると、その後、CPU41により、左リールR1、中リールR2および右リールR3の回転が開始される。具体的には、スタートレバー15の操作後、CPU41により、ステッピングモータ54L,54C,54Rへの駆動パルス信号の出力が開始される。駆動パルス信号の出力により、ステッピングモータ54L,54C,54Rが回転し、左リールR1、中リールR2および右リールR3が回転する。ステッピングモータ54L,54C,54Rに駆動パルス信号が継続的に出力されることにより、それぞれ左リールR1、中リールR2および右リールR3の回転が継続する。
【0056】
なお、前の遊技での左リールR1、中リールR2および右リールR3の回転の開始から4.1秒間が経過するまでは、次の遊技での左リールR1、中リールR2および右リールR3の回転が開始されない。これにより、1遊技にかかる時間が4.1秒間以上に保たれる。
【0057】
指示モニタ表示設定処理(S7)
スロットマシン1では、前記指示機能の作動により、左ストップボタン16L、中ストップボタン16Cおよび右ストップボタン16Rの操作順(以下、「停止操作順」という。)が報知される場合、CPU41により、信号送出回路46からサブ基板32に、その停止操作順を指示するコマンドが送信される。このコマンドの送信の際に、CPU41により、兼用表示器9を指示モニタとして使用して、コマンドの種別に応じた識別情報を兼用表示器9に表示させるための設定がなされる。
【0058】
兼用表示器9は、兼用表示器8と同一の構成である。すなわち、兼用表示器9では、
図6に示されるように、2個の7セグメント表示器91,92が横並びに配置され、各7セグメント表示器91,92の右下角部の右側にドット表示器93,94が配置されている。各7セグメント表示器91,92は、6個のセグメントで横1個分で縦2個分の長方形の外枠を構成し、残りの1個のセグメントをその長方形の外枠の中央を横切るように配置した構成である。
【0059】
兼用表示器9に表示される識別情報は、
図7に示されるように、「1」〜「6」の数字であり、兼用表示器9の右側の7セグメント表示器92(一の位)に表示される。識別情報「1」は、左ストップボタン16L→中ストップボタン16C→右ストップボタン16Rの順を停止操作順として指示するコマンドに応じた識別情報である。識別情報「2」は、左ストップボタン16L→右ストップボタン16R→中ストップボタン16Cの順を停止操作順として指示するコマンドに応じた識別情報である。識別情報「3」は、中ストップボタン16C→右ストップボタン16R→左ストップボタン16Lの順を停止操作順として指示するコマンドに応じた識別情報である。識別情報「4」は、中ストップボタン16C→左ストップボタン16L→右ストップボタン16Rの順を停止操作順として指示するコマンドに応じた識別情報である。識別情報「5」は、右ストップボタン16R→左ストップボタン16L→中ストップボタン16Cの順を停止操作順として指示するコマンドに応じた識別情報である。識別情報「6」は、右ストップボタン16R→中ストップボタン16C→左ストップボタン16Lの順を停止操作順として指示するコマンドに応じた識別情報である。
【0060】
また、兼用表示器9の右側のドット表示器94は、現時が遊技者に有利な有利区間であるか否かを表示する区間表示器(有利区間ランプ)として使用される。
図8に示されるように、後述するAT状態で兼用表示器9に停止操作順を指示するコマンドの種別に応じた識別情報が初めて表示された場合、または、後述する第1の外部信号(外部信号1)または第2の外部信号(外部信号2)の出力の指令が入出力ポート44から外部集中端子板57に出力された場合、CPU41により、兼用表示器9の右側のドット表示器94が点灯される。
【0061】
ドット表示器94の点灯中に、有利区間が終了すると、CPU41により、その有利区間の終了から3秒間のウェイトの後、ドット表示器94が消灯される。
【0062】
なお、リール回転処理(S6)と指示モニタ表示設定処理(S7)とは、その実行順の前後が入れ替えられてもよい。
【0063】
外部信号出力確認処理(S8)
スロットマシン1では、CPU41により、遊技状態に応じた信号が入出力ポート44から外部集中端子板57に出力される。リール回転処理の実行後、つまり左リールR1、中リールR2および右リールR3の回転開始後、CPU41により、外部集中端子板57への信号の出力状態が確認される。
【0064】
外部集中端子板57から出力される信号には、第1の外部信号(外部信号1)および第2の外部信号(外部信号2)が含まれる。
【0065】
本スロットマシン1では、前記指示機能の作動により出玉が獲得できる出玉獲得期間として、大別して、擬似ボーナス状態と、AT状態の2通りの遊技状態を有している。擬似ボーナス状態は、その名の通り、指示機能を利用して、従来のスロットマシンのボーナスゲームを擬似的に再現したものである。このため、擬似ボーナス状態は基本的に、遊技者に、擬似ボーナス図柄(本スロットマシンでは、赤7A図柄及び白7A図柄)を揃えさせて開始されるが、擬似ボーナス図柄を揃える旨の指示が行われたゲームで、内部的には擬似ボーナス状態の開始条件を充足しており、当該ゲームにて擬似ボーナス図柄が揃わなくとも、次ゲームから擬似ボーナス状態が開始される。また、擬似ボーナス状態は、継続期間が固定で、本スロットマシン1では、継続期間として、20ゲームと30ゲームの2種類の擬似ボーナス状態を搭載している。
【0066】
一方、AT状態は、開始時に、特定の図柄組合せを揃える指示が行われない点、及び継続期間が可変である点が、上述の擬似ボーナス状態とは異なる。一般的に、1つの実行権(ストック等)の消費を代替に、実行されるAT期間を1セットという。一般的に遊技者は、擬似ボーナス状態や、ATセットの実行回数に興味があるため、ATセットの実行回数のカウントを可能とすべく第1の外部信号、擬似ボーナス状態の実行回数のカウントを可能とすべく第2の外部信号をそれぞれ出力している。
【0067】
リール停止処理(S9)
左ストップボタン16L、中ストップボタン16Cおよび右ストップボタン16Rが押操作されると、CPU41により、ステッピングモータ54L,54C,54Rへの駆動パルス信号の出力が停止される。駆動パルス信号の出力の停止により、ステッピングモータ54L,54C,54Rが停止し、左リールR1、中リールR2および右リールR3が停止する。このとき、CPU41により、内部抽選の結果および停止制御テーブル48が参照されて、左リールR1、中リールR2および右リールR3の回転位置に基づいて、左ストップボタン16L、中ストップボタン16Cおよび右ストップボタン16Rが押操作されてから、それぞれ左リールR1、中リールR2および右リールR3を所定の最大引込みコマ数(たとえば、4コマ)以下の範囲内において、内部抽選で当選が決定された役に対応する図柄の組合せが次に述べる入賞ラインNL上に引き込まれるよう、左リールR1、中リールR2および右リールR3(ステッピングモータ54L,54C,54R)の停止が制御される。左リールR1、中リールR2および右リールR3の回転位置は、CPU41により、ステッピングモータ54L,54C,54Rのステップ数およびリール位置検出センサ51L,51C,51Rの検出信号から常に把握されている。
【0068】
図柄判定処理(S10)
左リールR1、中リールR2および右リールR3が停止した後、CPU41により、入賞ラインNL上に停止した図柄の組合せが判定される。
【0069】
入賞ラインNLは、
図11に示されるように、リール窓7内で右上がりに整列する図柄停止位置PL3,PC2,PR1を通るラインである。具体的には、左リールR1が停止すると、リール窓7内で上から下へと順に並ぶ図柄停止位置PL1,PL2,PL3にそれぞれ1個の図柄が停止する。中リールR2が停止すると、リール窓7内で上から下へと順に並ぶ図柄停止位置PC1,PC2,PC3にそれぞれ1個の図柄が停止する。右リールR3が停止すると、リール窓7内で上から下へと順に並ぶ図柄停止位置PR1,PR2,PR3にそれぞれ1個の図柄が停止する。スロットマシン1は、図柄停止位置PL3,PC2,PR1を結ぶ右上がりの直線状のラインを入賞ラインNLとする、いわゆる1ライン機である。
【0070】
そして、入賞ラインNL上に停止した図柄組合せが内部抽選での当選役に対応する図柄の組合せのいずれかと一致するか否かが判定される。入賞ラインNL上に停止した図柄組合せが内部抽選での当選役に対応する図柄の組合せのいずれかと一致する場合は、CPU41により、その図柄の組合せに対応する当選役が入賞したと判定される。また、入賞ラインNL上に停止した図柄の組合せが内部抽選での当選役に対応する図柄の組合せのいずれにも一致しない場合には、CPU41により、いずれの役にも入賞していないと判定される。
【0071】
指示モニタ消灯設定処理(S11)
指示モニタ表示設定処理により、左ストップボタン16L、中ストップボタン16Cおよび右ストップボタン16Rの停止操作順に対応する識別情報が兼用表示器9に表示された場合、その表示が消灯される。
【0072】
メダル払出処理(S12)
入賞ラインNL上に小役に係る図柄の組合せが並ぶと、小役に入賞となり、CPU41により、その小役に対して決められた配当数のメダルが払い出され、その払い出されるメダルの枚数が兼用表示器9に表示される。
【0073】
状態移行処理(S13)
状態移行処理では、CPU41により、内部抽選の結果または入賞ラインNL上に停止した図柄の組合せに応じて、スロットマシン1の遊技状態が移行される。状態移行処理の詳細については、後述する。
【0074】
<役構成テーブル>
スロットマシン1において、内部抽選の対象である内部抽選役には、役「BB1」、「BB2」、「入賞1〜14」、「1枚役1〜114」、「リプ1〜104」が含まれる。
【0075】
図12は、役「BB1」および役「BB2」のそれぞれに対応づけられた図柄の組合せならびに役「BB1」および役「BB2」の入賞により開始される各ボーナスゲームの各終了条件を示す図である。
【0076】
役「BB1」には、「白7A]−「バー」−「赤7B」の図柄が入賞ラインNL上に左からこの順に並ぶ配列が対応づけられている。役「BB1」は、ベット数が2枚である2枚賭けの遊技でのみ、内部抽選で当選役として決定される可能性がある。内部抽選で役「BB1」が当選役として決定され、「白7A]−「バー」−「赤7B」の図柄が入賞ラインNL上に並んで停止すると、役「BB1」に入賞となり、「BB1」の入賞に対応したボーナスゲームが開始される。「BB1」の入賞に対応したボーナスゲームは、その開始からのメダルの払出枚数の合計が15枚を超えると終了される。
【0077】
役「BB2」には、「白7A]−「バー」−「ブランク」の図柄が入賞ラインNL上に左からこの順に並ぶ配列が対応づけられている。役「BB2」は、ベット数が3枚である3枚賭けの遊技でのみ、内部抽選で当選役として決定される可能性がある。内部抽選で役「BB2」が当選役として決定され、「白7A]−「バー」−「ブランク」の図柄が入賞ラインNL上に並んで停止すると、役「BB2」に入賞となり、「BB2」の入賞に対応したボーナスゲームが開始される。「BB2」の入賞に対応したボーナスゲームは、その開始からのメダルの払出枚数の合計が43枚を超えると終了される。
【0078】
なお、役「BB1」および役「BB2」は、当選役として決定された遊技で入賞が取り零されたとしても、次遊技以降も入賞するまで当選状態が持ち越される、いわゆるボーナス役である。本スロットマシン1では、ボーナスゲームの開始、及びボーナスゲームの終了では、CPU41からの外部集中端子板57への信号の出力は行わない。
【0079】
これに対し、役「入賞1〜14」、役「1枚役1〜114」および役「リプ1〜104」は、当選状態が持ち越されることがない。役「入賞1〜14」および役「1枚役1〜114」は、いわゆる小役であり、入賞に対して規定の配当数のメダルが払い出される。役「リプ1〜104」は、いわゆるリプレイ役(再遊技役)であり、入賞に対してベットなしで次の遊技が可能となる役である。
【0081】
役「入賞1」には、「ベル」−「ベル」−「ベル」の図柄が左からこの順に並ぶ図柄の組合せが対応づけられている。内部抽選で役「入賞1」が当選役として決定され、その遊技で「ベル」−「ベル」−「ベル」の図柄の組合せが入賞ラインNL上に並んで停止すると、役「入賞1」に入賞となる。役「入賞1」の入賞に対する配当数は、規定数によって異なり、3枚賭けの遊技での配当数が13枚であり、2枚賭けの遊技での配当数が6枚である。
【0082】
役「入賞2〜12」についても、役「入賞1」と同様に、それらの個々に3個の図柄の組合せが対応づけられている。内部抽選で役「入賞2〜12」が当選役として決定され、その遊技で当選役として決定された役「入賞2〜12」に対応づけられた図柄の組合せが入賞ラインNL上に並んで停止すると、当該当選役として決定された役「入賞2〜12」に入賞となる。役「入賞2〜12」の入賞に対する配当数は、規定数によって異なり、3枚賭けの遊技での配当数が13枚であり、2枚賭けの遊技での配当数が6枚である。
【0083】
役「入賞13」には、「赤7A]−「スイカ」−「スイカ」の図柄が左からこの順に並ぶ図柄の組合せが対応づけられている。内部抽選で役「入賞13」が当選役として決定され、その遊技で「赤7A]−「スイカ」−「スイカ」の図柄の組合せが入賞ラインNL上に並んで停止すると、役「入賞13」に入賞となる。役「入賞13」の入賞に対する配当数は、規定数にかかわらず、3枚である。
【0084】
役「入賞14」には、「スイカ」−「スイカ」−「スイカ」の図柄が左からこの順に並ぶ図柄の組合せが対応づけられている。内部抽選で役「入賞14」が当選役として決定され、その遊技で「スイカ」−「スイカ」−「スイカ」の図柄の組合せが入賞ラインNL上に並んで停止すると、役「入賞14」に入賞となる。役「入賞14」の入賞に対する配当数は、規定数にかかわらず、3枚である。
【0085】
役「1枚役1」には、「赤7A]−「赤7A」−「スイカ」の図柄が左からこの順に並ぶ図柄の組合せが対応づけられている。内部抽選で役「1枚役1」が当選役として決定され、その遊技で「赤7A]−「赤7A」−「スイカ」の図柄の組合せが入賞ラインNL上に並んで停止すると、役「1枚役1」に入賞となる。役「1枚役1」の入賞に対する配当数は、規定数にかかわらず、1枚である。
【0086】
役「1枚役2〜114」についても、役「1枚役1」と同様に、それらの個々に3個の図柄の組合せが対応づけられている。内部抽選で役「1枚役2〜114」が当選役として決定され、その遊技で当選役として決定された役「1枚役2〜114」に対応づけられた図柄の組合せが入賞ラインNL上に並んで停止すると、当該当選役として決定された役「1枚役2〜114」に入賞となる。役「1枚役2〜114」の入賞に対する配当数は、規定数にかかわらず、1枚である。
【0088】
役「リプ1」には、「ベル」−「リプ」−「赤7A」の図柄が左からこの順に並ぶ図柄の組合せが対応づけられている。内部抽選で役「リプ1」が当選役として決定され、その遊技で「ベル」−「リプ」−「赤7A」の図柄の組合せが入賞ラインNL上に並んで停止すると、役「リプ1」に入賞となる。役「リプ1」の入賞に対しては、配当はなく、ベットなしで次の遊技が可能となる。
【0089】
役「リプ2〜104」についても、役「リプ1」と同様に、それらの個々に3個の図柄の組合せが対応づけられている。内部抽選で役「リプ2〜104」が当選役として決定され、その遊技で当選役として決定された役「リプ2〜104」に対応づけられた図柄の組合せが入賞ラインNL上に並んで停止すると、当該当選役として決定された役「リプ2〜104」に入賞となる。役「リプ2〜104」の入賞に対しては、配当はなく、ベットなしで次の遊技が可能となる。
【0091】
内部抽選では、「リプレイ1」、「リプレイ2」、「リプレイ3」、「リプレイ4」、「リプレイ5」、「弱チェリ」、「強チェリ」、「中段チェリ」、「チャンスリプレイ」、「チャンス目A」、「チャンス目B」、「6択ベルA1」、「6択ベルA2」、「6択ベルB1」、「6択ベルB2」、「6択ベルC1」、「6択ベルC2」、「6択ベルD1」、「6択ベルD2」、「6択ベルE1」、「6択ベルE2」、「6択ベルF1」、「6択ベルF2」、「6択ベルG1」、「6択ベルG2」、「6択ベルH1」、「6択ベルH2」、「6択ベルI1」、「6択ベルI2」、「6択ベルJ1」、「6択ベルJ2」、「6択ベルK1」、「6択ベルK2」、「6択ベルL1」、「6択ベルL2」、「スイカ」、「RB中13枚」、「RB中1枚」、「2枚賭BB」および「3枚賭BB」の計40種類が抽選区分として設定されている。
【0092】
再遊技
抽選区分「リプレイ1」には、役「リプ1〜9,40〜43,48〜59,64〜103」が対応づけられている。
【0093】
抽選区分「リプレイ2」には、役「リプ1〜10,40〜103」が対応づけられている。
【0094】
抽選区分「リプレイ3」には、役「リプ1〜9,11,40〜43,48〜59,64〜103」が対応づけられている。
【0095】
抽選区分「リプレイ4」には、役「リプ1〜9,40〜47,52〜103」が対応づけられている。
【0096】
抽選区分「リプレイ5」には、役「リプ1〜9,40〜43,48〜103」が対応づけられている。
【0097】
抽選区分「弱チェリ」には、役「リプ1〜9,23〜32,40〜103」が対応づけられている。
【0098】
抽選区分「強チェリ」には、役「リプ1〜9,22,48〜104」が対応づけられている。
【0099】
抽選区分「中段チェリ」には、役「リプ1〜9,29〜39,40〜103」が対応づけられている。
【0100】
抽選区分「チャンスリプレイ」には、役「リプ10」が対応づけられている。
【0101】
抽選区分「チャンス目A」には、役「リプ11」が対応づけられている。
【0102】
抽選区分「チャンス目B」には、役「リプ12〜21」が対応づけられている。
【0103】
内部抽選において、たとえば、乱数生成回路45から取得される乱数が抽選区分「リプレイ1」に対応する抽選値である場合、役「リプ1〜9,40〜43,48〜59,64〜103」に同時に当選(重複して当選)する。その抽選区分「リプレイ1」が当選した遊技では、左ストップボタン16L、中ストップボタン16Cおよび右ストップボタン16Rの停止操作の操作順および操作タイミングにかかわらず、役「リプ1〜9,40〜43,48〜59,64〜103」の何れかの役に対応づけられた図柄の組合せが入賞ラインNL上に停止し、リプレイ役が入賞する。
【0104】
抽選区分「リプレイ2」、「リプレイ3」、「リプレイ4」、「リプレイ5」、「弱チェリ」、「強チェリ」、「中段チェリ」、「チャンスリプレイ」、「チャンス目A」および「チャンス目B」についても、抽選区分「リプレイ1」と同様である。
【0105】
押し順小役(押し順小役グループA)
押し順小役とは、配当が異なる小役が重複して当選し、且つ、左ストップボタン16L、中ストップボタン16Cおよび右ストップボタン16Rの停止操作の操作順が予め定められた正解操作順で停止操作された場合に、配当数が多い小役を優先して入賞するように停止制御を行う抽選区分を示す。
押し順小役に該当する抽選区分「6択ベルA1」、「6択ベルA2」、「6択ベルB1」、「6択ベルB2」、「6択ベルC1」、「6択ベルC2」、「6択ベルD1」、「6択ベルD2」、「6択ベルE1」、「6択ベルE2」、「6択ベルF1」および「6択ベルF2」を押し順小役グループAとし、押し順小役グループAについて、以下に、説明する。
【0106】
抽選区分「6択ベルA1」には、役「入賞1」および「1枚役6,7,10,11,33,41,45,102,103」が対応づけられている。
【0107】
抽選区分「6択ベルA2」には、役「入賞1」および「1枚役1,4,13,16,34,42,46,101,104」が対応づけられている。
【0108】
抽選区分「6択ベルB1」には、役「入賞2」および「1枚役18,19,30,31,51,59,63,90,92」が対応づけられている。
【0109】
抽選区分「6択ベルB2」には、役「入賞2」および「1枚役17,20,29,32,52,60,64,89,91」が対応づけられている。
【0110】
抽選区分「6択ベルC1」には、役「入賞3,4」および「1枚役22,23,26,27,66,68,78,80,81,83,85,87」が対応づけられている。
【0111】
抽選区分「6択ベルC2」には、役「入賞3,4」および「1枚役21,24,25,28,69,71,73,75,82,84,86,88」が対応づけられている。
【0112】
抽選区分「6択ベルD1」には、役「入賞5〜8」および「1枚役2,3,14,15,70,72,74,76,98,99」が対応づけられている。
【0113】
抽選区分「6択ベルD2」には、役「入賞5〜8」および「1枚役5,8,9,12,65,67,77,79,97,100」が対応づけられている。
【0114】
抽選区分「6択ベルE1」には、役「入賞9,10」および「1枚役49,57,61,66,68,78,80,93,96」が対応づけられている。
【0115】
抽選区分「6択ベルE2」には、役「入賞9,10」および「1枚役50,58,62,69,71,73,75,94,95」が対応づけられている。
【0116】
抽選区分「6択ベルF1」には、役「入賞11,12」および「1枚役17,20,25,28,35,43,47,70,72,74,76」が対応づけられている。
【0117】
抽選区分「6択ベルF2」には、役「入賞11,12」および「1枚役18,19,26,27,36,44,48,65,67,77,79」が対応づけられている。
【0118】
内部抽選において、たとえば、乱数生成回路45から取得される乱数が抽選区分「6択ベルA1」に対応する抽選値である場合、役「入賞1」および「1枚役6,7,10,11,33,41,45,102,103」に同時に当選(重複して当選)する。その抽選区分「6択ベルA1」が当選した遊技では、左ストップボタン16L、中ストップボタン16Cおよび右ストップボタン16Rの停止操作順が正解操作順であった場合には、配当数優先の停止制御が行われる。配当数優先の停止制御では、左ストップボタン16L、中ストップボタン16Cまたは右ストップボタン16Rの第1の停止操作に対して、役「入賞1」に対応づけられた図柄の組合せを構成する「ベル」の図柄がそれ以外の図柄よりも優先して入賞ラインNL上に引き込まれる。そのため、左ストップボタン16L、中ストップボタン16Cおよび右ストップボタン16Rの停止操作の操作タイミングにかかわらず、配当数が13枚(2枚賭けの場合、6枚)である役「入賞1」に対応づけられた図柄の組合せが入賞ラインNL上に停止し、役「入賞1」が入賞する。
【0119】
一方、左ストップボタン16L、中ストップボタン16Cおよび右ストップボタン16Rの停止操作順が正解操作順以外であった場合には、組合せ数優先の停止制御が行われる。組合せ数優先の停止制御では、左ストップボタン16L、中ストップボタン16Cまたは右ストップボタン16Rの第1の停止操作に対して、左ストップボタン16L、中ストップボタン16Cおよび右ストップボタン16Rの停止操作の操作タイミングにかかわらず、その第1の停止操作が行われた時点で入賞ラインNL上に停止可能な図柄のうち、入賞の可能性が残る役に対応づけられた図柄の組合せの数が最も多くなる図柄、つまり役「1枚役6,7,10,11,33,41,45,102,103」に対応づけられた図柄の組合せを構成する図柄が役「入賞1」に対応づけられた図柄の組合せを構成する「ベル」図柄よりも優先して入賞ラインNL上に引き込まれる。そのため、左ストップボタン16L、中ストップボタン16Cおよび右ストップボタン16Rの停止操作の操作タイミングによって、配当数が1枚である役「1枚役6,7,10,11,33,41,45,102,103」が入賞するか、または、入賞を取り零す。
【0120】
抽選区分「6択ベルA2」、「6択ベルB1」、「6択ベルB2」、「6択ベルC1」、「6択ベルC2」、「6択ベルD1」、「6択ベルD2」、「6択ベルE1」、「6択ベルE2」、「6択ベルF1」および「6択ベルF2」についても、抽選区分「6択ベルA1」と同様である。
【0121】
なお、左ストップボタン16L、中ストップボタン16Cおよび右ストップボタン16Rの停止操作順が正解操作順である場合には、停止操作の操作タイミングにかかわらず、配当が13枚の小役が入賞するとしたが、停止操作順が正解操作順であり、かつ、最初の停止操作の操作タイミングが特定の図柄を入賞ラインNL上に停止させるタイミングである場合に、配当が13枚の小役を入賞させる、いわゆる目押し有押し順の構成が採用されてもよい。
【0122】
押し順小役(押し順小役グループB)
抽選区分「6択ベルG1」、「6択ベルG2」、「6択ベルH1」、「6択ベルH2」、「6択ベルI1」、「6択ベルI2」、「6択ベルJ1」、「6択ベルJ2」、「6択ベルK1」、「6択ベルK2」、「6択ベルL1」および「6択ベルL2」は、押し順小役である。
抽選区分「6択ベルG1」、「6択ベルG2」、「6択ベルH1」、「6択ベルH2」、「6択ベルI1」、「6択ベルI2」、「6択ベルJ1」、「6択ベルJ2」、「6択ベルK1」、「6択ベルK2」、「6択ベルL1」および「6択ベルL2」を押し順小役グループBとし、以下に説明する。
【0123】
押し順小役グループBは、上述した押し順小役グループAと、役の組み合わせは異なるものの、基本的な構成は同じである。
抽選区分「6択ベルG1」には、役「入賞1」および「1枚役6,7,10,11,33,41,45,54,55,102,103,105〜108」が対応づけられている。
【0124】
抽選区分「6択ベルG2」には、役「入賞1」および「1枚役1,4,13,16,34,42,46,53,55,101,104,105〜108」が対応づけられている。
【0125】
抽選区分「6択ベルH1」には、役「入賞2」および「1枚役18,19,30,31,51,59,63,90,92,105〜108」が対応づけられている。
【0126】
抽選区分「6択ベルH2」には、役「入賞2」および「1枚役17,20,29,32,52,60,64,89,91,105〜108」が対応づけられている。
【0127】
抽選区分「6択ベルI1」には、役「入賞3,4」および「1枚役22,23,26,27,37,40,45,46,66,68,78,80,81,83,85,87,109,110」が対応づけられている。
【0128】
抽選区分「6択ベルI2」には、役「入賞3,4」および「1枚役21,24,25,28,38,39,45,46,69,71,73,75,82,84,86,88,109,110」が対応づけられている。
【0129】
抽選区分「6択ベルJ1」には、役「入賞5〜8」および「1枚役2,3,14,15,37,40,45,46,70,72,74,76,98,99,109,110」が対応づけられている。
【0130】
抽選区分「6択ベルJ2」には、役「入賞5〜8」および「1枚役5,8,9,12,38,39,45,46,65,67,77,79,97,100,109,110」が対応づけられている。
【0131】
抽選区分「6択ベルK1」には、役「入賞9,10」および「1枚役49,57,61,66,68,78,80,93,96,111〜114」が対応づけられている。
【0132】
抽選区分「6択ベルK2」には、役「入賞9,10」および「1枚役50,58,62,69,71,73,75,94,95,111〜114」が対応づけられている。
【0133】
抽選区分「6択ベルL1」には、役「入賞11,12」および「1枚役17,20,25,28,35,43,47,70,72,74,76,99,100,111〜114」が対応づけられている。
【0134】
抽選区分「6択ベルL2」には、役「入賞11,12」および「1枚役18,19,26,27,36,44,48,65,67,77,79,99,100,111〜114」が対応づけられている。
【0135】
押し順小役グループBは、役「BB1」の当選状態が持ち越されているBB1内部中状態および役「BB2」の当選状態が持ち越されているBB2内部中状態と、何れのボーナス役も当選していない状態とで停止制御が異なる押し順小役である。
【0136】
内部抽選において、たとえば、乱数生成回路45から取得される乱数が抽選区分「6択ベルG1」に対応する抽選値である場合、役「入賞1」および「1枚役6,7,10,11,33,41,45,54,55,102,103,105〜108」に同時に当選(重複して当選)する。BB1内部中状態およびBB2内部中状態において、抽選区分「6択ベルG1」が当選した遊技では、左ストップボタン16L、中ストップボタン16Cおよび右ストップボタン16Rの停止操作順が正解操作順であった場合には、配当数優先の停止制御により、その操作タイミングにかかわらず、配当数が13枚(2枚賭けの場合、6枚)である役「入賞1」に対応づけられた図柄の組合せが入賞ラインNL上に停止し、役「入賞1」が入賞する。
【0137】
一方、左ストップボタン16L、中ストップボタン16Cおよび右ストップボタン16Rの停止操作順が正解操作順以外であった場合には、組合せ数優先の停止制御により、その操作タイミングによって、配当数が1枚である役「1枚役6,7,10,11,33,41,45,102,103,105〜108」が入賞するか、または、入賞を取り零す。
【0138】
また、BB1内部中状態およびBB2内部中状態以外の状態、すなわち、ボーナス役が当選していない状態において、抽選区分「6択ベルG1」が当選した遊技では、左ストップボタン16L、中ストップボタン16C、および右ストップボタン16Rの停止操作順にかかわらず、組合せ数優先の停止制御を実行することにより、役「1枚役6,7,10,11,33,41,45,102,103,105〜108」に対応づけられた図柄の組合せを構成する図柄が役「入賞1」に対応づけられた図柄の組合せを構成する「ベル」図柄に優先して入賞ラインNL上に引き込まれる。そのため、左ストップボタン16L、中ストップボタン16Cおよび右ストップボタン16Rの停止操作の操作タイミングによって、配当数が1枚である役「1枚役6,7,10,11,33,41,45,102,103,105〜108」のいずれかの役に対応づけられた図柄の組合せが入賞ラインNL上に停止し、その役に入賞するか、または、入賞を取り零し、配当数が多い役「入賞1」が入賞することはない。
【0139】
抽選区分「6択ベルG2」、「6択ベルH1」、「6択ベルH2」、「6択ベルI1」、「6択ベルI2」、「6択ベルJ1」、「6択ベルJ2」、「6択ベルK1」、「6択ベルK2」、「6択ベルL1」および「6択ベルL2」についても、抽選区分「6択ベルG1」と同様である。
なお、押し順小役グループA並びに押し順小役グループBの停止制御については、後述する。
【0140】
その他の小役
抽選区分「スイカ」には、役「入賞13,14」が対応づけられている。内部抽選において、乱数生成回路45から取得される乱数が抽選区分「スイカ」に対応する抽選値である場合、役「入賞13,14」に同時に当選(重複して当選)する。抽選区分「スイカ」に当選した遊技では、左ストップボタン16L、中ストップボタン16Cおよび右ストップボタン16Rの停止操作の操作タイミングにより、役「入賞13,14」に対応づけられた図柄の組合せが入賞ラインNL上に停止し、役「入賞13,14」の一方が入賞するか、または、入賞を取り零す。
【0141】
抽選区分「RB中13枚」には、役「入賞1〜14」および「1枚役1〜114」が対応づけられている。抽選区分「RB中13枚」は、左ストップボタン16L、中ストップボタン16Cおよび右ストップボタン16Rの停止操作順にかかわらず、配当数が13枚である役「入賞1〜14」のいずれかに対応づけられた図柄の組合せが入賞ラインNL上に停止し、そのいずれかの役「入賞1〜14」が入賞する。
【0142】
抽選区分「RB中1枚」には、役「1枚役1〜114」が対応づけられている。内部抽選において、乱数生成回路45から取得される乱数が抽選区分「RB中1枚」に対応する抽選値である場合、役「1枚役1〜114」に同時に当選(重複して当選)する。抽選区分「RB中1枚」に当選した遊技では、左ストップボタン16L、中ストップボタン16Cおよび右ストップボタン16Rの停止操作の操作順および操作タイミングにかかわらず、役「1枚役1〜114」のいずれかに対応づけられた図柄の組合せが入賞ラインNL上に停止し、そのいずれかの役「入賞1〜114」が入賞する。
【0143】
BB
抽選区分「2枚賭BB」には、役「BB1」が対応づけられている。2枚賭けの遊技での内部抽選において、乱数生成回路45から取得される乱数が抽選区分「2枚賭BB」に対応する抽選値である場合、役「BB1」に当選する。抽選区分「2枚賭BB」が当選した遊技以降の遊技において、左ストップボタン16L、中ストップボタン16Cおよび右ストップボタン16Rの停止操作の操作タイミングにより、役「BB1」に対応づけられた図柄の組合せが入賞ラインNL上に停止すると、役「BB1」が入賞し、役「BB1」の入賞に対応したボーナスゲームが開始される。
【0144】
抽選区分「3枚賭BB」には、役「BB2」が対応づけられている。3枚賭けの遊技での内部抽選において、乱数生成回路45から取得される乱数が抽選区分「3枚賭BB」に対応する抽選値である場合、役「BB2」に当選する。抽選区分「3枚賭BB」が当選した遊技以降の遊技において、左ストップボタン16L、中ストップボタン16Cおよび右ストップボタン16Rの停止操作の操作タイミングにより、役「BB2」に対応づけられた図柄の組合せが入賞ラインNL上に停止すると、役「BB2」が入賞し、役「BB2」の入賞に対応したボーナスゲームが開始される。
【0145】
<RT状態>
図16は、スロットマシン1におけるRT状態の遷移を示す図である。
図17は、スロットマシン1の各RT状態における作動条件及び終了条件を示す図である。
【0146】
スロットマシン1は、いわゆるAT機であり、RT(リプレイタイム)状態を有している。RT状態には、RT0、RT1およびRT2が含まれる。また、スロットマシン1では、3枚賭けの遊技と2枚賭けの遊技とが可能であり、3枚賭けの遊技と2枚賭けの遊技とでRT状態の遷移の態様が異なる。
【0147】
初期出荷状態のスロットマシン1の電源投入直後は、RT状態が初期状態のRT0である。RT0のRT状態において、3枚賭けの遊技での内部抽選で役「BB2」に当選すると、RT状態がRT0からRT2に遷移する。RT2のRT状態は、役「BB2」に当選しているが役「BB2」に入賞していないBB2内部中の状態である。役「BB2」が入賞した場合には、役「BB2」の入賞に対応したボーナスゲームが開始されて、RT状態がRT2からボーナスゲーム状態(RT3)に遷移する。役「BB2」の入賞に対応したボーナスゲームは、その開始からのメダルの払出枚数の合計が43枚を超えると終了され、この終了に伴って、RT状態がボーナスゲーム状態(RT3)からRT0に遷移する。したがって、3枚賭けの遊技でのRT3のRT状態は、役「BB2」の入賞に対応したボーナスゲームが実行されているBB2状態(ボーナス中)である。
【0148】
一方、RT0のRT状態において、2枚賭けの遊技での内部抽選で役「BB1」に当選すると、RT状態がRT0からRT1に遷移する。RT1のRT状態は、役「BB1」に当選しているが役「BB1」に入賞していないBB1内部中の状態である。役「BB1」が入賞した場合には、役「BB1」の入賞に対応したボーナスゲームが開始されて、RT状態がRT1からボーナスゲーム状態(RT3)に遷移する。役「BB1」の入賞に対応したボーナスゲームは、その開始からのメダルの払出枚数の合計が15枚を超えると終了され、この終了に伴って、RT状態がボーナスゲーム状態(RT3)からRT0に遷移する。したがって、2枚賭けの遊技でのRT3のRT状態は、役「BB1」の入賞に対応したボーナスゲームが実行されているBB1状態(ボーナス中)である。
【0149】
<抽選テーブル>
図18A,18B,18C,18Dは、3枚賭けの遊技における内部抽選で使用される抽選テーブル47の内容を示す図である。
【0150】
内部抽選で使用される抽選テーブル47は、3枚賭けの遊技での内部抽選用と、2枚賭けの遊技での内部抽選用とに大別される。3枚賭けの遊技での内部抽選用の抽選テーブル47は、RT状態がRT0であるときに使用される抽選テーブル「RT0−3」と、RT状態がRT1であるときに使用される「RT1−3」と、RT状態がRT2であるときに使用される「RT2−3」と、RT状態がボーナス中(BB1状態、BB2状態)であるときに使用される「ボーナス中−3」とに細別される。
【0151】
また、スロットマシン1では、「設定1」、「設定2」、「設定3」、「設定4」、「設定5」および「設定6」の6段階の設定値が定められるとともに、各設定値に対応して異なる出玉率(スロットマシン1に投入されるメダルの枚数に対して、遊技者に払い出されるメダルの枚数の割合を示す理論値)が設定されている。本体2内には、設定値を「設定1〜6」のいずれかに設定するために操作される設定スイッチ(図示せず)が設けられている。抽選テーブル「RT0−3」、「RT1−3」および「RT2−3」は、設定値ごとに作成されている。
【0152】
RT0−3
「設定1」用の抽選テーブル「RT0−3」では、
図18Aに示されるように、抽選区分「リプレイ1」に抽選値「2454」が対応づけられ、抽選区分「リプレイ2」に抽選値「341」が対応づけられ、抽選区分「リプレイ3」に抽選値「2507」が対応づけられ、抽選区分「リプレイ4」に抽選値「1190」が対応づけられ、抽選区分「リプレイ5」に抽選値「510」が対応づけられ、抽選区分「弱チェリ」に抽選値「546」が対応づけられ、抽選区分「強チェリ」に抽選値「150」が対応づけられ、抽選区分「中段チェリ」に抽選値「4」が対応づけられ、抽選区分「チャンスリプレイ」に抽選値「956」が対応づけられ、抽選区分「チャンス目A」に抽選値「128」が対応づけられ、抽選区分「チャンス目B」に抽選値「192」が対応づけられ、抽選区分「6択ベルA1,A2,B1,B2,C1,C2,D1,D2,E1,E2,F1,F2」にそれぞれ抽選値「2813」が対応づけられ、抽選区分「6択ベルG1,G2,H1,H2,I1,I2,J1,J2,K1,K2,L1,L2」にそれぞれ抽選値「783」が対応づけられ、抽選区分「スイカ」に抽選値「656」が対応づけられ、抽選区分「RB中13枚」に抽選値「0」が対応づけられ、抽選区分「RB中1枚」に抽選値「0」が対応づけられ、抽選区分「2枚賭BB」に抽選値「0」が対応づけられ、抽選区分「3枚賭BB」に抽選値「12750」が対応づけられている。
【0153】
抽選値は、抽選区分に対応づけられた乱数の個数であり、たとえば、抽選区分「スイカ」の抽選値「656」は、抽選区分「スイカ」に656個の乱数が対応づけられていることを表し、内部抽選では、乱数生成回路45から取得される乱数が656個の乱数のいずれかと一致すれば、抽選区分「スイカ」に当選と判別される。
【0154】
「設定2〜6」用の抽選用テーブル「RT0−3」では、抽選区分「リプレイ1」にそれぞれ抽選値「2439」、「2422」、「2405」、「2383」および「2363」が対応づけられており、それらの抽選値は、「設定1」用の抽選用テーブル「RT0−3」で抽選区分「リプレイ1」に対応づけられた抽選値「2454」より小さく、かつ、設定値が高いほど小さい値に設定されている。また、抽選区分「リプレイ3」にそれぞれ抽選値「2502」、「2495」、「2488」、「2480」および「2470」が対応づけられており、それらの抽選値は、「設定1」用の抽選用テーブル「RT0−3」で抽選区分「リプレイ3」に対応づけられた抽選値「2507」より小さく、かつ、設定値が高いほど小さい値に設定されている。
【0155】
一方、「設定2〜6」用の抽選用テーブル「RT0−3」では、抽選区分「弱チェリ」にそれぞれ抽選値「556」、「566」、「576」、「590」および「600」が対応づけられており、それらの抽選値は、「設定1」用の抽選用テーブル「RT0−3」で抽選区分「弱チェリ」に対応づけられた抽選値「546」より大きく、かつ、設定値が高いほど大きい値に設定されている。また、抽選区分「チャンスリプレイ」にそれぞれ抽選値「966」、「980」、「994」、「1010」および「1030」が対応づけられており、それらの抽選値は、「設定1」用の抽選用テーブル「RT0−3」で抽選区分「チャンスリプレイ」に対応づけられた抽選値「956」より大きく、かつ、設定値が高いほど大きい値に設定されている。さらに、「スイカ」にそれぞれ抽選値「666」、「680」、「695」、「710」および「730」が対応づけられており、それらの抽選値は、「設定1」用の抽選用テーブル「RT0−3」で「スイカ」に対応づけられた抽選値「656」より大きく、かつ、設定値が高いほど大きい値に設定されている。
【0156】
また、「設定2〜6」用の抽選用テーブル「RT0−3」では、抽選区分「3枚賭BB」にそれぞれ抽選値「12740」、「12726」、「12711」、「12696」および「12676」が対応づけられており、それらの抽選値は、「設定1」用の抽選用テーブル「RT0−3」で抽選区分「3枚賭BB」に対応づけられた抽選値「12750」より小さく、かつ、設定値が高いほど小さい値に設定されている。
【0157】
抽選区分「2枚賭BB」に対応づけられている抽選値が0であることから、RT状態がRT0である3枚賭けの遊技では、内部抽選で役「BB1」に当選することがない。
【0158】
RT1−3
「設定1〜6」用の各抽選テーブル「RT1−3」では、
図18Bに示されるように、抽選テーブル「RT0−3」と比較して、抽選区分「リプレイ1」に対応づけられている抽選値が「1」だけ小さく、抽選区分「リプレイ2」に対応づけられている抽選値が「1」だけ大きい。また、「設定1〜6」用の各抽選テーブル「RT1−3」では、抽選区分「3枚賭BB」に対応づけられている抽選値が0であり、「設定1〜6」用の各抽選テーブル「RT0−3」で抽選区分「3枚賭BB」に対応づけられている抽選値と同じ抽選値が「ハズレ」の抽選値として設定されている。
【0159】
なお、役「BB1」は、2枚賭け遊技時に当選した役であり、3枚賭け遊技時に当選する役ではないため、取得した乱数値が「ハズレ」の抽選値の何れかと一致したとしても、3枚賭け遊技時には、役「BB1」を入賞させないように停止制御が行われる。
【0160】
RT2−3
「設定1〜6」用の各抽選テーブル「RT2−3」では、
図18Cに示されるように、抽選テーブル「RT1−3」と比較して、抽選区分「リプレイ1」に対応づけられている抽選値が「1」だけ小さく、抽選区分「リプレイ2」に対応づけられている抽選値が「1」だけ大きい。また、「設定1〜6」用の各抽選テーブル「RT1−3」では、抽選区分「3枚賭BB」に対応づけられている抽選値が0であり、「設定1〜6」用の各抽選テーブル「RT0−3」で抽選区分「3枚賭BB」に対応づけられている抽選値と同じ抽選値が「ハズレ」の抽選値として設定されている。
【0161】
ボーナス中−3
抽選テーブル「ボーナス中−3」は、全設定値に共通であり、抽選区分「RB中13枚」に抽選値「7192」が対応づけられ、抽選区分「RB中1枚」に抽選値「38671」が対応づけられ、「ハズレ」に抽選値「19673」が対応づけられ、その他の抽選区分「リプレイ1」、「リプレイ2」、「リプレイ3」、「リプレイ4」、「リプレイ5」、「弱チェリ」、「強チェリ」、「中段チェリ」、「チャンスリプレイ」、「チャンス目A」、「チャンス目B」、「6択ベルA1」、「6択ベルA2」、「6択ベルB1」、「6択ベルB2」、「6択ベルC1」、「6択ベルC2」、「6択ベルD1」、「6択ベルD2」、「6択ベルE1」、「6択ベルE2」、「6択ベルF1」、「6択ベルF2」、「6択ベルG1」、「6択ベルG2」、「6択ベルH1」、「6択ベルH2」、「6択ベルI1」、「6択ベルI2」、「6択ベルJ1」、「6択ベルJ2」、「6択ベルK1」、「6択ベルK2」、「6択ベルL1」、「6択ベルL2」、「スイカ」、「2枚賭BB」および「3枚賭BB」に対応づけられている抽選値が0である。
【0162】
これにより、抽選テーブル「RT0−3」、「RT1−3」および「RT2−3」のそれぞれにおいて、抽選区分「6択ベルA1」、「6択ベルA2」、「6択ベルB1」、「6択ベルB2」、「6択ベルC1」、「6択ベルC2」、「6択ベルD1」、「6択ベルD2」、「6択ベルE1」、「6択ベルE2」、「6択ベルF1」、「6択ベルF2」、「6択ベルG1」、「6択ベルG2」、「6択ベルH1」、「6択ベルH2」、「6択ベルI1」、「6択ベルI2」、「6択ベルJ1」、「6択ベルJ2」、「6択ベルK1」、「6択ベルK2」、「6択ベルL1」、「6択ベルL2」および「スイカ」に対応づけられた抽選値と、抽選テーブル「ボーナス中−3」において、抽選区分「RB中13枚」および「RB中1枚」に対応づけられた抽選値との関係から、内部抽選で各小役に当選する確率(=抽選値合計/65536)は、RT状態がRT0、RT1またはRT2であるときよりも3枚賭けの遊技でのRT3であるとき、つまり非ボーナス中よりもボーナス中の方が高い。
【0163】
その一方で、RT状態がRT0、RT1またはRT2である非ボーナス中は、たとえば、抽選区分「6択ベルA1,A2,G1,G2」のそれぞれに含まれている13枚配当の役「入賞1」が、ボーナス中は、1つの抽選区分「RB中13枚」に含まれる。
【0164】
そのため、ボーナス中は、たとえば、内部抽選の結果が抽選区分「RB中13枚」となったゲームにおいて、13枚配当の役「入賞1」を必ず入賞させたとしても、その当選確率(=7192/65536)は、非ボーナス中の抽選区分「6択ベルA1,A2,G1,G2」の当選確率の合算値(=11252/65536)よりも低い。その結果、小役それぞれの当選確率については、非ボーナス中よりもボーナス中の方が高くなるようにしつつ、ボーナス中の出玉率が1を超えないようにすることができる。
【0165】
図19A,19B,19Cは、2枚賭けの遊技における内部抽選で使用される抽選テーブル47の内容を示す図である。
【0166】
2枚賭けの遊技での内部抽選用の抽選テーブル47は、RT状態がRT0であるときに使用される抽選テーブル「RT0−2」と、RT状態がRT1であるときに使用される「RT1−2」と、RT状態がRT2であるときに使用される「RT2−2」とに細別される。
【0167】
RT0−2
「設定1」用の抽選テーブル「RT0−2」では、
図19Aに示されるように、抽選区分「リプレイ1」に抽選値「2454」が対応づけられ、抽選区分「リプレイ2」に抽選値「341」が対応づけられ、抽選区分「リプレイ3」に抽選値「2507」が対応づけられ、抽選区分「リプレイ4」に抽選値「1190」が対応づけられ、抽選区分「リプレイ5」に抽選値「510」が対応づけられ、抽選区分「弱チェリ」に抽選値「546」が対応づけられ、抽選区分「強チェリ」に抽選値「150」が対応づけられ、抽選区分「中段チェリ」に抽選値「4」が対応づけられ、抽選区分「チャンスリプレイ」に抽選値「956」が対応づけられ、抽選区分「チャンス目A」に抽選値「128」が対応づけられ、抽選区分「チャンス目B」に抽選値「192」が対応づけられ、抽選区分「6択ベルA1,A2,B1,B2,C1,C2,D1,D2,E1,E2,F1,F2」にそれぞれ抽選値「2813」が対応づけられ、抽選区分「6択ベルG1,G2,H1,H2,I1,I2,J1,J2,K1,K2,L1,L2」にそれぞれ抽選値「783」が対応づけられ、抽選区分「スイカ」に抽選値「656」が対応づけられ、抽選区分「RB中13枚」に抽選値「0」が対応づけられ、抽選区分「RB中1枚」に抽選値「0」が対応づけられ、抽選区分「2枚賭BB」に抽選値「12750」が対応づけられ、抽選区分「3枚賭BB」に抽選値「0」が対応づけられている。
【0168】
「設定2〜6」用の抽選用テーブル「RT0−2」では、抽選区分「リプレイ1」にそれぞれ抽選値「2439」、「2422」、「2405」、「2383」および「2363」が対応づけられており、それらの抽選値は、「設定1」用の抽選用テーブル「RT0−2」で抽選区分「リプレイ1」に対応づけられた抽選値「2454」より小さく、かつ、設定値が高いほど小さい値に設定されている。また、抽選区分「リプレイ3」にそれぞれ抽選値「2502」、「2495」、「2488」、「2480」および「2470」が対応づけられており、それらの抽選値は、「設定1」用の抽選用テーブル「RT0−2」で抽選区分「リプレイ3」に対応づけられた抽選値「2507」より小さく、かつ、設定値が高いほど小さい値に設定されている。
【0169】
一方、「設定2〜6」用の抽選用テーブル「RT0−2」では、抽選区分「弱チェリ」にそれぞれ抽選値「556」、「566」、「576」、「590」および「600」が対応づけられており、それらの抽選値は、「設定1」用の抽選用テーブル「RT0−2」で抽選区分「弱チェリ」に対応づけられた抽選値「546」より大きく、かつ、設定値が高いほど大きい値に設定されている。また、抽選区分「チャンスリプレイ」にそれぞれ抽選値「966」、「980」、「994」、「1010」および「1030」が対応づけられており、それらの抽選値は、「設定1」用の抽選用テーブル「RT0−2」で抽選区分「チャンスリプレイ」に対応づけられた抽選値「956」より大きく、かつ、設定値が高いほど大きい値に設定されている。
【0170】
抽選区分「3枚賭BB」に対応づけられている抽選値が0であることから、RT状態がRT0である2枚賭けの遊技では、内部抽選で役「BB2」に当選することがない。
【0171】
RT1−2
「設定1〜6」用の各抽選テーブル「RT1−2」では、
図19Bに示されるように、抽選テーブル「RT0−2」と比較して、抽選区分「リプレイ2」に対応づけられている抽選値が「1」だけ小さい。また、「設定1〜6」用の各抽選テーブル「RT1−2」では、抽選区分「2枚賭BB」に対応づけられている抽選値が0であり、抽選テーブル「RT0−2」と比較して、抽選区分「リプレイ1」に対応づけられている抽選値が「設定1〜6」用の各抽選テーブル「RT0−2」で抽選区分「2枚賭BB」に対応づけられている抽選値「12750」に「1」を加えた「12751」だけ大きい値に設定されている。そして、「ハズレ」の抽選値が0である。
【0172】
役「BB1」に当選しているが役「BB1」に入賞していないBB1内部中であるRT1のRT状態での内部抽選に使用される抽選テーブル「RT1−2」において、「ハズレ」の抽選値が0であるので、2枚賭けの遊技では、役「BB1」に対応づけられた図柄の配列が入賞ラインNL上に停止することがなく、役「BB1」に入賞することはない。
【0173】
RT2−2
「設定1〜6」用の各抽選テーブル「RT2−2」では、
図19Cに示されるように、抽選テーブル「RT1−2」と比較して、抽選区分「リプレイ2」に対応づけられている抽選値が「1」だけ小さく、抽選区分「リプレイ1」に対応づけられている抽選値が「1」だけ大きい。そして、「ハズレ」の抽選値が0である。
【0174】
役「BB2」に当選しているが役「BB2」に入賞していないBB2内部中であるRT2のRT状態での内部抽選に使用される抽選テーブル「RT2−2」において、「ハズレ」の抽選値が0であるので、2枚賭けの遊技では、役「BB2」に対応づけられた図柄の配列が入賞ラインNL上に停止することがなく、役「BB2」に入賞することはない。
【0175】
仮に、「ハズレ」の抽選値が0以外であったとしても、役「BB2」は、3枚賭け遊技時に当選した役であり、2枚賭け遊技時に当選する役ではないため、取得した乱数値が「ハズレ」の抽選値の何れかと一致したとしても、2枚賭け遊技時には、役「BB2」を入賞させないように停止制御が行われる。
【0176】
<停止制御の変更>
図20Aは、RT状態がRT0、すなわち何れのボーナス役も当選していない状態における2枚賭けの遊技において、内部抽選で押し順小役グループBに該当する抽選区分にそれぞれ当選した場合の入賞役および入賞率を示す図である。
図20Bは、RT状態がRT1またはRT2、すなわち何れかのボーナス役が当選している状態における2枚賭けの遊技において、内部抽選で押し順小役グループBに該当する抽選区分にそれぞれ当選した場合の入賞役および入賞率を示す図である。
【0177】
RT1,RT2のRT状態での2枚賭けの遊技で使用される停止制御テーブル48では、たとえば、抽選区分「6択ベルG1,G2」に対して、左ストップボタン16L→中ストップボタン16C→右ストップボタン16Rの停止操作順が正解操作順として設定され、抽選区分「6択ベルH1,H2」に対して、左ストップボタン16L→右ストップボタン16R→中ストップボタン16Cの停止操作順が正解操作順として設定され、抽選区分「6択ベルI1,I2」に対して、中ストップボタン16C→右ストップボタン16R→左ストップボタン16Lの停止操作順が正解操作順として設定され、抽選区分「6択ベルJ1,J2」に対して、中ストップボタン16C→左ストップボタン16L→右ストップボタン16Rの停止操作順が正解操作順として設定され、抽選区分「6択ベルK1,KI2」に対して、右ストップボタン16R→左ストップボタン16L→中ストップボタン16Cの停止操作順が正解操作順として設定され、抽選区分「6択ベルL1,L2」に対して、右ストップボタン16R→中ストップボタン16C→左ストップボタン16Lの停止操作順が正解操作順として設定されている。
【0178】
そして、
図20Bに示されるように、内部抽選で抽選区分「6択ベルG1,G2」に当選した場合、左ストップボタン16L、中ストップボタン16Cおよび右ストップボタン16Rの停止操作順が正解操作順であった場合には、配当数優先の停止制御により、左ストップボタン16L、中ストップボタン16Cおよび右ストップボタン16Rの停止操作の操作タイミングにかかわらず、配当数が6枚である役「入賞1」に対応づけられた図柄の配列が入賞ラインNL上に停止し、役「入賞1」が100%の入賞率で入賞する。一方、左ストップボタン16L、中ストップボタン16Cおよび右ストップボタン16Rの停止操作順が正解操作順以外であった場合には、組合せ数優先の停止制御により、その操作タイミングによって、配当数が1枚である役「1枚役6,7,10,11,33,41,45,102,103,105〜108」が25%または50%の入賞率で入賞する。
【0179】
内部抽選で抽選区分「6択ベルH1,H2」に当選した場合、抽選区分「6択ベルI1,I2」に当選した場合、抽選区分「6択ベルJ1,J2」に当選した場合、抽選区分「6択ベルK1,K2」に当選した場合および抽選区分「6択ベルL1,L2」に当選した場合についても、内部抽選で抽選区分「6択ベルL1,L2」に当選した場合と同様である。
【0180】
これに対し、RT0のRT状態での2枚賭けの遊技では、ボーナス役の何れも当選しておらず、RT1,RT2のRT状態での2枚賭けの遊技と抽選区分の当選状態が異なるので、RT1,RT2のRT状態での2枚賭けの遊技で使用される停止制御テーブル48と異なる構成の停止制御テーブル48を使用することが可能である。RT0のRT状態での2枚賭けの遊技で使用される停止制御テーブル48では、
図20Aに示されるように、内部抽選で抽選区分「6択ベルG1,G2」に当選した場合、組合せ数優先の停止制御により、第1の停止操作が左ストップボタン16Lである場合には、配当数が1枚である役「1枚役6,7,10,11,33,41,45,102,103,105〜108」のいずれかに100%の入賞率で入賞し、それ以外の停止操作順では、配当数が1枚である役「1枚役6,7,10,11,33,41,45,102,103,105〜108」が25%の入賞率で入賞する。そのため、RT0のRT状態での2枚賭けの遊技では、内部抽選で抽選区分「6択ベルG1,G2」に当選しても、配当数が6枚である役「入賞1」の入賞がない。
【0181】
図20Cは、RT状態がRT0、すなわち何れのボーナス役も当選していない状態における3枚賭けの遊技において、内部抽選で押し順小役グループBに該当する抽選区分にそれぞれ当選した場合の入賞役および入賞率を示す図である。
図20Dは、RT状態がRT1またはRT2、すなわち何れかのボーナス役が当選している状態における3枚賭けの遊技において、内部抽選で押し順小役グループBに該当する抽選区分にそれぞれ当選した場合の入賞役および入賞率を示す図である。
【0182】
3枚賭けの遊技で使用される停止制御テーブル48についても、2枚賭けの遊技で使用される停止制御テーブル48と同様である。そのため、RT1,RT2のRT状態における3枚賭けの遊技では、内部抽選で押し順小役グループBに該当する抽選区分のいずれかに当選した場合に、左ストップボタン16L、中ストップボタン16Cおよび右ストップボタン16Rの停止操作順が正解操作順であった場合には、配当数優先の停止制御により、配当数が13枚である小役が100%の入賞率で入賞する。これに対し、RT0のRT状態での3枚賭けの遊技では、内部抽選で押し順小役グループBに該当する抽選区分のいずれかに当選しても、配当数が13枚である小役の入賞がない。
【0183】
このように、RT0(何れのボーナス役も当選していない状態)とRT1(何れかのボーナス役に当選している状態)とで、押し順小役グループBに該当する抽選区分それぞれの停止制御を異ならせることにより、RT1のRT状態では、押し順小役グループBに該当する抽選区分が当選したゲームにおいて、配当数が多い役を入賞させることが可能であるのに対し、RT0のRT状態では、押し順小役グループBに該当する抽選区分が当選したゲームにおいて、停止操作順が正解操作順であったとしても、配当数が多い役を入賞させないことが可能である。よって、特定のRT状態、つまりRT0のRT状態における出玉率を下げることができる。
【0184】
スロットマシン1では、上述の通り、押し順小役グループBに該当する抽選区分に対し、RT0とRT1,RT2とで停止制御を異ならせ、RT0中の出玉率を下げるようにしているが、押し順小役グループAにも同様に実行することでさらにRT0のRT状態中の出玉率をさらに下げることも可能である。
【0185】
図21は、3枚賭けの遊技および2枚賭けの遊技の各状態における各種処理の実行/非実行を示す図である。
【0186】
3枚賭けの遊技では、RT0のRT状態およびBB2内部中の状態であるRT2のRT状態において、後述する有利区間移行抽選ならびに指示機能処理およびその作動/非作動を決定する抽選が実行されるのに対し、2枚賭けの遊技では、それらの抽選および処理が実行されない。そのため、遊技者にとって、2枚賭けの遊技よりも3枚賭けの遊技を行う方が得であり、遊技者には、3枚賭けの遊技が推奨される。
【0187】
一方、リミッタ処理は、3枚賭けの遊技であるか2枚賭けの遊技であるかを問わず、すべての状態において実行される。これにより、遊技者が2枚賭けの遊技を行って有利区間を延長させようとするなどの不正行為を実施したとしても、リミッタ処理が実行されるため、スロットマシン1の攻略要素とならず、3枚賭けの遊技であるか2枚賭けの遊技であるかを問わないリミッタ処理の実行は、かかる不正行為を防止する対策となり得る。
リミッタ機能、及びリミッタ処理については後述する。
【0188】
したがって、スロットマシン1では、3枚賭けの遊技が遊技者に推奨される。
【0189】
<有利区間/非有利区間>
図22は、スロットマシン1における遊技状態の遷移を示す図である。
【0190】
スロットマシン1には、指示機能の作動が可能な有利区間と、指示機能の作動が禁止された非有利区間とがある。非有利区間では、有利区間移行抽選が実行され、これに当選すると、有利区間へ移行する。
有利区間は、指示機能を作動させない非作動区間と、指示機能を作動させる作動区間(
図22にて点線で囲んで示す)とに大別される。詳細は後述するが、作動区間においては、純増を1.5枚〜6.6枚の間で変化させるべく、指示機能の作動頻度を異ならしめた複数の純増モードを設けているが、何れのモードにおいても純増がプラスとなるように、即ちメダルが増加するように、指示機能の作動頻度を設定している。以下、非作動区間を通常状態、作動区間をメダル増加区間ともいう。
【0191】
非有利区間から有利区間に移行したときには通常状態とされ、通常状態中に擬似ボーナス抽選に当選すると、メダル増加区間が開始される。メダル増加区間は、擬似ボーナス準備中状態、擬似ボーナス状態、AT準備中状態、上乗せ特化ゾーン状態、AT状態、及び完走確定状態の6つの遊技状態で構成している。このうち、擬似ボーナス準備中状態、擬似ボーナス状態、AT準備中状態、及び完走確定状態の4つの遊技状態は、純増モードが固定された遊技状態、上乗せ特化ゾーン状態及びAT状態の2つの遊技状態は、純増モードが変化する遊技状態としている。
【0192】
具体的に、擬似ボーナス準備中状態及びAT準備中状態は純増1.5枚に対応する純増モード、擬似ボーナス状態は純増4.6枚に対応する純増モード、完走確定状態は純増6.6枚に対応する純増モードにそれぞれ設定している。
【0193】
図22からわかるように、通常状態において、先ずは擬似ボーナス抽選当選を目指し、該抽選に当選した場合には、擬似ボーナス状態の終了までに、上乗せ特化ゾーンストックを獲得することで、AT準備状態が開始される仕様を採用している。擬似ボーナス状態の終了までに上乗せ特化ゾーンストックを獲得できなかった場合は、擬似ボーナス状態終了後に非有利区間へ転落する。
【0194】
上乗せ特化ゾーン状態は、1の上乗せ特化ゾーンストックの消費を代替に開始される、AT状態の残りゲーム数の上乗せ期待値がAT状態に比べて高い遊技状態である。上乗せ特化ゾーン状態は、AT状態とは別に設定された継続ゲーム数がなくなると終了となるゲーム数管理型の遊技状態で、上乗せ特化ゾーンストックの終了後は、AT状態へ移行する。AT状態中にも、上乗せ特化ゾーンストックを付与するか否かの抽選が行われ、該抽選に当選して上乗せ特化ゾーンストックを獲得した場合には、AT状態を一時中断して、上乗せ特化ゾーン状態へ移行する。
AT状態も、基本的に、残りゲーム数がなくなると終了となるゲーム数管理型の遊技状態である。
【0195】
以上説明した通り、上乗せ特化ゾーン状態は、AT状態の残りゲーム数の上乗せ期待値がAT状態に比べて高いことを除けば、AT状態と同様であるため、以下、上乗せ特化ゾーン状態及びAT状態をひとまとめにして、ATセットともいう。
【0196】
ATセット中には、純増モードが純増6.6枚に対応する最高モード以外である場合に、より純増が大きなモードへのモードアップ抽選が行われ、この抽選に当選すると、純増モードがアップする。ATセット中の純増モードは、ATセットの開始時に、純増1.5枚に対応する最低モードとされるが、1つのATセットが長く継続すればするほど、モードアップ抽選機会も増加し、モードアップ抽選に当選した場合には、より純増が高い純増モードに昇格する。このように、上乗せ特化ゾーンストックの獲得等による残りゲーム数の上乗せにより、長期に亘って1つのATセットを連続させて、純増6.6枚に対応する最高モード到達を目指す遊技仕様としている。
【0197】
完走確定状態は、純増6.6枚に対応する最高モードが後述するリミッタ作動まで継続する、本スロットマシン1において、ゴール的な意味合いの遊技状態である。完走確定状態へは、ATセット中に完走条件を満たすこと、具体的には中段チェリ当選で移行する。
【0198】
有利区間では、
図15A〜15Eにも示されるように、内部抽選で押し順小役グループA、及び押し順小役グループBに該当する抽選区分に当選した場合、指示機能が作動する場合がある。指示機能の作動により、3枚賭け遊技では13枚の配当となる役「入賞1〜12」の何れかを入賞させる停止操作順である正解操作順が報知される。非有利区間では、指示機能が作動せず、正解操作順が報知されない。
【0199】
<非有利区間中処理>
図23は、非有利区間中処理の流れを示すフローチャートである。
図24は、通常状態天井ゲーム数抽選の内容を示す図である。通常状態とは、有利区間ではあるが、指示機能が作動しない遊技状態で、
図22に示す如く、非有利区間にて有利区間移行抽選に当選し、有利区間へ移行したときに、通常状態とされる。
【0200】
非有利区間では、メイン基板31のCPU41により、1回の遊技(1ゲーム)ごとに、非有利区間中処理が実行される。
【0201】
非有利区間処理では、まず、内部抽選処理が実行される(ステップS101)。内部抽選処理は、
図4に示される遊技処理における内部抽選処理(S4)と同一であり、その内部抽選処理(S4)と別に実行されるものではない。したがって、非有利区間処理は、
図4に示される遊技処理と同期して、その遊技処理における内部抽選処理(S4)の実行により開始される。
【0202】
非有利区間処理では、次に、現遊技が3枚賭けの遊技であるか否かが判断される(ステップS102)。現遊技が3枚賭けの遊技であれば(ステップS102のYES)、有利区間移行抽選処理が実行される(ステップS103)。
【0203】
有利区間移行抽選処理では、内部抽選処理で抽選区分「2枚賭BB」、「3枚賭BB」、「RB中13枚」、「RB中1枚」、「リプレイ1」、「リプレイ2」、「ハズレ」以外の抽選区分が当選したか否かが判断される。抽選区分「2枚賭BB」、「3枚賭BB」、「RB中13枚」、「RB中1枚」、「リプレイ1」、「リプレイ2」、「ハズレ」以外の抽選区分が当選した場合、有利区間移行抽選に必ず当選し、当該抽選区分が当選しなかった場合、有利区間移行抽選に必ずはずれる。
【0204】
有利区間移行抽選に当選しなかった場合(ステップS104のNO)、次の内部抽選処理の実行まで待機される(ステップS101)。
【0205】
有利区間移行抽選に当選した場合(ステップS104のYES)、有利区間開始処理が実行されて(ステップS105)、有利区間の開始に必要な設定が行われる。有利区間開始処理では、たとえば、通常状態天井ゲーム数抽選が実行されて、有利区間の通常状態での天井ゲーム数が設定される。
【0206】
通常状態天井ゲーム数抽選では、
図24に示されるように、天井ゲーム数が99ゲーム、149ゲーム、199ゲーム、499ゲームまたは999ゲームに設定される。天井ゲーム数が99ゲームに設定される確率は、スロットマシン1の設定値ごとに異なり、設定値が高いほどその確率が高くなるように設定されている。また、天井ゲーム数が999ゲームに設定される確率は、スロットマシン1の設定値ごとに異なり、設定値が高いほどその確率が低くなるように設定されている。
【0207】
有利区間開始処理後、次に述べる通常状態中処理が実行される(ステップS106)。また、現遊技が3枚賭けの遊技ではない場合、つまり2枚賭けの遊技である場合(ステップS102のNO)、有利区間移行抽選処理が実行されずに、有利区間移行抽選に当選したか否かが判断される(ステップS104)。この場合、有利区間移行抽選処理が実行されないので、有利区間移行抽選に当選したか否かの判断は必ず否定されて(ステップS104のNO)、次の内部抽選処理の実行まで待機される(ステップS101)。そのため、少なくとも2枚賭けの遊技が続けられる限り、非有利区間に滞在され続ける。
【0208】
<通常状態中処理>
図25は、通常状態中処理の流れを示すフローチャートである。
図26は、擬似ボーナス抽選の内容を示す図である。
【0209】
通常状態中処理では、まず、内部抽選処理が実行される(ステップS111)。この内部抽選処理もまた、
図4に示される遊技処理における内部抽選処理(S4)と同一であり、その内部抽選処理(S4)と別に実行されるものではない。したがって、通常状態中処理は、
図4に示される遊技処理と同期して、その遊技処理における内部抽選処理(S4)の実行により開始される。
【0210】
通常状態中処理では、次に、現遊技が3枚賭けの遊技であるか否かが判断される(ステップS112)。現遊技が3枚賭けの遊技であれば(ステップS112のYES)、通常状態でのゲーム数(遊技の回数)を計数するカウンタのカウント値である通常状態ゲーム数カウントがインクリメント(1加算)される(ステップS113)。
【0211】
その後、インクリメントされた通常状態ゲーム数カウントが通常状態天井ゲーム数に到達したか否かが判断される(ステップS114)。通常状態ゲーム数カウントが通常状態天井ゲーム数に達していなければ(ステップS114のNO)、擬似ボーナス抽選処理が実行される(ステップS115)。
【0212】
擬似ボーナス抽選処理では、遊技状態を通常状態から擬似ボーナス準備中状態に移行させるか否かを決定する擬似ボーナス抽選が実行される。擬似ボーナス抽選では、
図26に示されるように、内部抽選処理で当選した抽選区分に応じて、当選確率が異なる。たとえば、内部抽選処理で抽選区分「弱チェリ」に当選した場合、25/256の低確率で擬似ボーナス抽選に当選し、通常状態から擬似ボーナス準備中状態への移行が決定される。一方、内部抽選処理で抽選区分「強チェリ」に当選した場合、256/256の確率で擬似ボーナス抽選に当選、つまり擬似ボーナスに必ず当選し、通常状態から擬似ボーナス準備中状態への移行が決定される。
【0213】
擬似ボーナス抽選処理後、擬似ボーナス抽選に当選したか否かが判断される(ステップS116)。擬似ボーナス抽選に当選しなかった場合(ステップS116のNO)、リミッタに関する共通処理の実行後(ステップS117)、次の内部抽選処理の実行まで待機される(ステップS111)。
【0214】
擬似ボーナス抽選に当選した場合(ステップS116のYES)、擬似ボーナス準備中開始処理が実行されて(ステップS118)、擬似ボーナス準備中状態の開始に必要な設定が行われた後、後述する擬似ボーナス準備中状態中処理が実行される(ステップS119)。擬似ボーナス準備中状態中処理の開始により、遊技状態が通常状態から指示機能が作動する擬似ボーナス準備中状態に移行する。擬似ボーナス準備中状態中処理の開始後、リミッタに関する共通処理が実行されて(ステップS120)、当該ゲームにおける通常状態中処理は終了される。
【0215】
また、現遊技が3枚賭けの遊技ではない場合、つまり2枚賭けの遊技である場合(ステップS112のNO)、擬似ボーナス抽選処理、擬似ボーナス準備中開始処理および擬似ボーナス準備中状態中処理のいずれも実行されることなく、リミッタに関する共通処理が実行されて(ステップS120)、当該ゲームにおける通常状態中処理は終了される。
【0216】
<リミッタに関する共通処理>
図27は、リミッタに関する共通処理の流れを示すフローチャートである。
【0217】
リミッタ機能は、有利区間中の実行ゲーム数(遊技数)が1500ゲームに至った場合、または有利区間中の差枚数(MY:有利区間中に獲得したメダル枚数と投入したメダル枚数との差分)が2400枚を超えた場合に、有利区間から非有利区間に移行させることにより有利区間を強制的に終了させる機能である。
【0218】
リミッタに関する共通処理では、まず、有利区間での遊技数(ゲーム数)、つまり有利区間に入ってから実行された遊技の数を計数するカウンタのカウント値である有利区間ゲーム数カウントがインクリメント(1加算)される(ステップS121)。
【0219】
次に、1つ前の遊技(ゲーム)がリプレイ役である役「リプ1〜104」に入賞した遊技であったか否かが判断される(ステップS122)。そして、その1つ前の遊技が役「リプ1〜104」に入賞した遊技ではなかった場合には(ステップS122のNO)、有利区間の開始からの差枚数を計数するカウンタのカウント値である差枚数カウントから現遊技での賭け数(ベット数)が減算される(S123)。差枚数は、遊技に賭されたメダルの枚数(イン枚数)と配当として払い出されたメダルの枚数(アウト枚数)との差数である。前ゲームが役「リプ1〜104」に入賞した遊技であった場合には(ステップS122のYES)、現遊技でメダルが賭されていないので、差枚数カウントからの減算はない。
【0220】
また、現遊技で小役が入賞したか否かが判断される(ステップS124)。現遊技で小役が入賞した場合(ステップS124のYES)、その小役の入賞に対して付与された配当が差枚数カウントに加算される(ステップS125)。現遊技で小役が入賞していない場合には(ステップS124のNO)、差枚数カウントへの加算はない。
【0221】
その後、差枚数カウントが0以下であるか否かが判断される(ステップS126)。差枚数カウントから賭け数が減算され、かつ、小役が入賞していないか、またば、賭け数未満の配当の小役が入賞した場合など、差枚数カウントが0以下になる場合があり、この場合、差枚数カウントが0にリセットされる(ステップS127)。差枚数カウントが0よりも大きい場合、つまり1以上である場合には(ステップS126のNO)、差枚数カウントがそのままの値に維持される。
【0222】
そして、有利区間ゲーム数カウントが1500以上であるか否かが判断される(ステップS128)。有利区間ゲーム数カウントが1500に達している場合(ステップS128のYES)、有利区間の終了に関する有利区間終了処理が実行されて(ステップS129)、リミッタに関する共通処理が終了される。また、差枚数カウントが2401以上であるか否かが判断されて(ステップS130)、有利区間ゲーム数カウントが1500未満であっても、差枚数カウントが2401以上である場合には(ステップS130のYES)、有利区間終了処理が実行されて(ステップS129)、リミッタに関する共通処理が終了される。
【0223】
有利区間終了処理の実行により、遊技状態が有利区間から非有利区間に転落し、有利区間が終了されて、非有利区間が開始される。有利区間の終了に伴い、外部集中端子板57から第1の外部信号および/または第2の外部信号が出力されている場合には、それらの外部信号の出力停止の指令がメイン基板31の入出力ポート44から外部集中端子板57に出力されるとともに、兼用表示器8のドット表示器83,84が消灯される。また、有利区間の終了から3秒間のウェイトの後、兼用表示器9のドット表示器94が消灯される。
【0224】
<擬似ボーナス準備中状態中処理>
図28Aおよび
図28Bは、擬似ボーナス準備中状態中処理の流れを示すフローチャートである。
図29は、指示機能作動抽選の内容を示す図である。
【0225】
擬似ボーナス準備中状態中処理では、まず、内部抽選処理が実行される(ステップS131)。この内部抽選処理もまた、
図4に示される遊技処理における内部抽選処理(S4)と同一であり、その内部抽選処理(S4)と別に実行されるものではない。したがって、擬似ボーナス準備中状態中処理は、
図4に示される遊技処理と同期して、その遊技処理における内部抽選処理(S4)の実行により開始される。
【0226】
次に、現遊技が3枚賭けの遊技であるか否かが判断される(ステップS132)。現遊技が3枚賭けの遊技であれば(ステップS132のYES)、現遊技の内部抽選で抽選区分「6択ベルA1」、「6択ベルA2」、「6択ベルB1」、「6択ベルB2」、「6択ベルC1」、「6択ベルC2」、「6択ベルD1」、「6択ベルD2」、「6択ベルE1」、「6択ベルE2」、「6択ベルF1」、「6択ベルF2」、「6択ベルG1」、「6択ベルG2」、「6択ベルH1」、「6択ベルH2」、「6択ベルI1」、「6択ベルI2」、「6択ベルJ1」、「6択ベルJ2」、「6択ベルK1」、「6択ベルK2」、「6択ベルL1」および「6択ベルL2」(以下、これらを総称して「抽選区分「6択ベル」」という。)のいずれかに当選しているか否かが判断される(ステップS133)。
【0227】
抽選区分「6択ベル」のいずれかに当選している場合(ステップS133のYES)、指示機能作動抽選処理が実行される(ステップS134)。指示機能作動抽選処理では、指示機能を作動させるか否かを決定する指示機能作動抽選が実行される。擬似ボーナス準備中状態の純増モードは、純増1.5枚に固定されているので、指示機能作動抽選処理では、
図29に示されるように、72/256の確率で指示機能作動抽選の当選が決定され、指示機能の作動が決定される。
なお、各純増枚数は、内部抽選処理による役抽選の確率と、各小役の配当及び抽選区分「6択ベル」のいずれかに当選した際の、指示機能の作動確率により、算出される1ゲームあたりの獲得枚数の期待値である。純増6.6枚は、抽選区分「6択ベル」のいずれかに当選した際に、指示機能が必ず作動する状態であり、スロットマシン1における最大純増である。
【0228】
抽選区分「6択ベル」のいずれかに当選した際に、指示機能が作動しないと、13枚役である役「入賞1〜12」が入賞する確率が
図20A〜
図20Dに示す確率となるため、1ゲームあたりの獲得枚数の期待値が下がる。換言すれば、スロットマシン1は、
図22、及び
図29に示されるように複数の純増を切替えることで、遊技状態を変化させるゲーム性となっている。
【0229】
図22が示す通り、本スロットマシン1では、指示機能が作動する「擬似ボーナス準備中状態」、「擬似ボーナス状態」、「AT準備中状態」、「上乗せ特化ゾーン状態」、「AT状態」、「完走確定状態」の各状態は、出玉が獲得できる出玉獲得期間にあたり、出玉率が1を超える頻度で指示機能が作動するメダル増加区間である。
また、
図22が示す通り、指示機能が作動するメダル増加区間は、擬似ボーナス準備中状態を開始起点として各メダル増加区間へと遷移したのち、非有利区間へ移行することで、メダル増加区間が終了する。メダル増加区間中は、図示していないが、メダル増加区間中の差枚数である獲得枚数(メダル増加区間中に獲得したメダル枚数と投入したメダル枚数との差分)をカウントしており、獲得枚数が0以下になった場合には、獲得枚数を0にセットする。
【0230】
リミッタに関する共通処理でカウントしている差枚数は、有利区間中の差枚数をカウントしているのに対し、獲得枚数は、出玉が増加するメダル増加区間中のみカウントしている。
【0231】
図28Aに戻り、指示機能作動抽選に当選した場合(ステップS135のYES)、指示機能が作動し、当選役に対応づけられた正解操作順が識別情報で指示モニタとしての兼用表示器9に表示される(ステップS136)。
【0232】
一方、抽選区分「6択ベル」のいずれにも当選していない場合(ステップS133のNO)、または、抽選区分「6択ベル」のいずれかに当選し、かつ、指示機能作動抽選にはずれた場合には(ステップS135のNO)、兼用表示器9に何らの識別情報も表示されない。
【0233】
その後、擬似ボーナス準備中状態でのゲーム数を計数するカウンタのカウント値である擬似ボーナス準備中ゲーム数カウントがインクリメント(1加算)される(ステップS137)。そして、インクリメント後の擬似ボーナス準備中ゲーム数カウントが64に到達したか否かが判断される(ステップS138)。
【0234】
擬似ボーナス準備中ゲーム数カウントが64に到達していない場合(ステップS138のNO)、現遊技の内部抽選で抽選区分「リプレイ5」に当選しているか否かが判断される(ステップS139)。抽選区分「リプレイ5」に当選していない場合(ステップS139のNO)、現遊技の内部抽選で抽選区分「リプレイ4」に当選しているか否かがさらに判断される(ステップS140)。
【0235】
現遊技の内部抽選で抽選区分「リプレイ4」にも抽選区分「リプレイ5」にも当選していない場合(ステップS140のNO)、リミッタに関する共通処理の実行後(ステップS141)、次の内部抽選処理の実行まで待機される(ステップS131)。
【0236】
現遊技の内部抽選で抽選区分「リプレイ5」に当選している場合(ステップS139のYES)、擬似ボーナスのゲーム数が30ゲームに設定される(ステップS142)。現遊技の内部抽選で抽選区分「リプレイ4」に当選している場合には(ステップS140のYES)、擬似ボーナスのゲーム数が20ゲームに設定される(ステップS143)。
【0237】
なお、抽選区分「リプレイ5」が当選した遊技では、液晶表示器21に「赤7A」又は「赤7B」図柄を狙って停止させるよう示唆する「赤7を狙え」演出を表示させ、抽選区分「リプレイ4」が当選した遊技では、液晶表示器21に「白7A」又は「白7B」図柄を狙って停止させるよう示唆する「白7を狙え」演出を表示させる。
【0238】
抽選区分「リプレイ5」が当選した遊技では、左ストップボタン16L、中ストップボタン16Cおよび右ストップボタン16Rの停止操作において、「赤7A」及び「赤7B」図柄を引き込めるタイミングで停止操作した場合、入賞ラインNL上に赤7図柄が揃ったように停止して表示させる。具体的には役「リプ52、53、56、57、60、61」の何れかが停止して表示される。抽選区分「リプレイ5」が当選した遊技で、「赤7A」及び「赤7B」図柄を引き込めるタイミングで停止操作しなかった場合、入賞ラインNL上に、役「リプ52、53、56、57、60、61」以外の役が停止するが、次遊技の開始時に入賞ラインNL上に赤7図柄が揃ったように停止して表示させたのち、次遊技のリール回転処理を実行する。
【0239】
抽選区分「リプレイ4」が当選した遊技では、左ストップボタン16L、中ストップボタン16Cおよび右ストップボタン16Rの停止操作において、「白7A」及び「白7B」図柄を引き込めるタイミングで停止操作した場合、入賞ラインNL上に赤7図柄が揃ったように停止して表示させる。具体的には役「リプ45」が停止して表示される。抽選区分「リプレイ4」が当選した遊技で、「白7A」及び「白7B」図柄を引き込めるタイミングで停止操作しなかった場合、入賞ラインNL上に、役「リプ45」以外の役が停止するが、次遊技の開始時に入賞ラインNL上に白7図柄が揃ったように停止して表示させたのち、次遊技のリール回転処理を実行する。
【0240】
また、擬似ボーナス準備中ゲーム数カウントが64に到達した場合には(ステップS138のYES)、左リールR1、中リールR2および右リールR3の回動回転演出により、抽選区分「リプレイ5」に含まれる役「リプ1〜9,40〜43,48〜103」のいずれかに対応づけられている図柄の配列が入賞ラインNL上に擬似的に停止して表示される(ステップS144)。具体的には、役「リプ52、53、56、57、60、61」の何れかが停止して表示される。そのうえで、擬似ボーナスのゲーム数が30ゲームに設定される。
【0241】
その後、擬似ボーナス開始処理が実行されて(ステップS145)、擬似ボーナスの開始に必要な設定が行われた後、後述する擬似ボーナス状態中処理が実行される(ステップS146)。擬似ボーナス開始処理では、メイン基板31の入出力ポート44から外部集中端子板57に指令が出力されて、外部集中端子板57からの第2の外部信号(外部信号2)の出力が開始される。また、兼用表示器8のドット表示器84および兼用表示器9のドット表示器94が点灯される。
【0242】
擬似ボーナス状態中処理の開始により、遊技状態が擬似ボーナス準備中状態から擬似ボーナス状態に移行する。擬似ボーナス状態中処理の開始後、リミッタに関する共通処理が実行されて(ステップS147)、擬似ボーナス準備中状態中処理は終了される。
【0243】
このように、遊技状態が擬似ボーナス準備中状態から擬似ボーナス状態に移行する場合には、赤7図柄、又は、白7図柄という特定の図柄を揃えて擬似ボーナス状態に移行させる。これにより、従来のスロットマシンにおける、ボーナス役の入賞によりボーナスゲームを開始させることを、擬似的に再現し、遊技者に擬似ボーナスが開始したことを認識させる。
【0244】
また、現遊技が3枚賭けの遊技ではない場合、つまり2枚賭けの遊技である場合(ステップS112のNO)、指示機能作動抽選処理、擬似ボーナス開始処理および擬似ボーナス状態中処理のいずれも実行されることなく、リミッタに関する共通処理が実行されて(ステップS147)、擬似ボーナス準備中状態中処理は終了される。
【0245】
なお、遊技者が、擬似ボーナス準備中状態中に2枚賭けの遊技を行い、64ゲーム経過させて回胴演出を無理やり発生させる(ステップS144を実行させる)行為を実行させようとしても、2枚賭けの遊技では、擬似ボーナス準備中ゲーム数カウントの更新(ステップS137)が行われないため、64ゲーム経過させて回胴演出を無理やり発生させることはできず、それに伴う擬似ボーナスのゲーム数が30ゲームに設定されることもない。
【0246】
さらに、現遊技が2枚賭けの遊技であったとしても、リミッタに関する共通処理は実行されるため、有利区間ゲーム数カウントは更新され、リミッタである1500ゲームに近づく。
【0248】
擬似ボーナス状態中処理では、まず、内部抽選処理が実行される(ステップS151)。この内部抽選処理もまた、
図4に示される遊技処理における内部抽選処理(S4)と同一であり、その内部抽選処理(S4)と別に実行されるものではない。したがって、擬似ボーナス状態中処理は、
図4に示される遊技処理と同期して、その遊技処理における内部抽選処理(S4)の実行により開始される。
【0249】
擬似ボーナス状態中処理では、次に、現遊技が3枚賭けの遊技であるか否かが判断される(ステップS152)。現遊技が3枚賭けの遊技であれば(ステップS152のYES)、擬似ボーナス状態でのゲーム数(遊技の回数)を計数するカウンタのカウント値である擬似ボーナスゲーム数カウントがデクリメント(1減算)される(ステップS153)。
【0250】
その後、現遊技の内部抽選で抽選区分「6択ベル」のいずれかに当選しているか否かが判断される(ステップS154)。抽選区分「6択ベル」のいずれかに当選している場合(ステップS154のYES)、指示機能作動抽選処理が実行される(ステップS155)。擬似ボーナス準備中状態の純増モードは、純増4.6枚に固定されているので、指示機能作動抽選処理では、
図29に示されるように、183/256の確率で指示機能作動抽選の当選が決定され、指示機能の作動が決定される。
【0251】
そして、指示機能作動抽選に当選した場合(ステップS156のYES)、指示機能が作動し、当選役に対応づけられた正解操作順が識別情報で指示モニタとしての兼用表示器9に表示される(ステップS157)。
【0252】
一方、抽選区分「6択ベル」のいずれにも当選していない場合(ステップS154のNO)、または、抽選区分「6択ベル」のいずれかに当選し、かつ、指示機能作動抽選にはずれた場合には(ステップS156のNO)、兼用表示器9に何らの識別情報も表示されない。
【0253】
その後、擬似ボーナス中上乗せ特化ゾーンストック抽選処理が実行される(ステップS158)。
【0254】
擬似ボーナス中上乗せ特化ゾーンストック抽選処理では、後述する上乗せ特化ゾーンストック数に加算するストック数を決定する擬似ボーナス中上乗せ特化ゾーンストック抽選が実行される。擬似ボーナス中上乗せ特化ゾーンストック抽選では、
図31A〜31Eに示されるように、内部抽選処理で当選した抽選区分に応じて、各ストック数の当選確率が異なる。たとえば、
図31Aに示されるように、内部抽選処理で抽選区分「強チェリ」に当選した場合、スロットマシン1の設定値にかかわらず、26/256の確率でストック数「1」に当選し、230/256の確率ではずれ(ストック数「0」)となる。また、たとえば、
図31Dに示されるように、内部抽選処理で抽選区分「弱チェリ」に当選した場合、スロットマシン1の設定値にかかわらず、240/256の確率でストック数「1」に当選し、16/256の確率でストック数「2」に当選する。
【0255】
擬似ボーナス中上乗せ特化ゾーンストック抽選処理後、擬似ボーナス中上乗せ特化ゾーンストック抽選に当選したか否かが判断される(ステップS159)。擬似ボーナス中上乗せ特化ゾーンストック抽選に当選した場合(ステップS159のYES)、その当選したストック数が上乗せ特化ゾーンストック数に加算される(ステップS160)。擬似ボーナス中上乗せ特化ゾーンストック抽選に当選しなかった場合(ステップS159のNO)、当然、上乗せ特化ゾーンストック数の加算はない。
【0256】
その後、擬似ボーナスゲーム数カウントが0であるか否かが判断される(ステップS161)。擬似ボーナスゲーム数カウントが0でない場合、つまり1以上である場合には(ステップS161のNO)、リミッタに関する共通処理の実行後(ステップS162)、次の内部抽選処理の実行まで待機される(ステップS151)。
【0257】
擬似ボーナスゲーム数カウントが0である場合(ステップS161のYES)、つづいて、上乗せ特化ゾーンストック数が0であるか否かが判断される(ステップS163)。
【0258】
上乗せ特化ゾーンストック数が0でない場合(ステップS163のNO)、AT準備中状態開始処理が実行されて(ステップS164)、AT準備中状態の開始に必要な設定が行われた後、後述するAT準備中状態中処理が実行される(ステップS165)。AT準備中状態開始処理では、メイン基板31の入出力ポート44から外部集中端子板57に指令が出力されて、外部集中端子板57からの第2の外部信号(外部信号2)の出力が停止される。また、兼用表示器8のドット表示器84が消灯される。
【0259】
AT準備中状態中処理の開始により、遊技状態が擬似ボーナス状態からAT準備中状態に移行する。AT準備中状態中処理の開始後、リミッタに関する共通処理が実行されて(ステップS166)、擬似ボーナス状態中処理は終了される。
【0260】
一方、上乗せ特化ゾーンストック数が0である場合には(ステップS163のYES)、有利区間終了処理が実行される(ステップS167)。有利区間終了処理では、メイン基板31の入出力ポート44から外部集中端子板57に指令が出力されて、外部集中端子板57からの第2の外部信号(外部信号2)の出力が停止される。また、兼用表示器8のドット表示器84が消灯される。さらに、3秒間のウェイトの後、兼用表示器9のドット表示器94が消灯される。有利区間終了処理の実行後は、リミッタに関する共通処理が実行されて(ステップS166)、擬似ボーナス状態中処理は終了される。
【0261】
現遊技が3枚賭けの遊技ではない場合、つまり2枚賭けの遊技である場合(ステップS152のNO)、指示機能作動抽選処理および擬似ボーナス中上乗せ特化ゾーンストック抽選処理などが実行されることなく、リミッタに関する共通処理が実行されて(ステップS166)、擬似ボーナス状態中処理は終了される。
【0262】
擬似ボーナス準備中状態と同様に、擬似ボーナス状態において、2枚賭けの遊技では、上乗せ特化ゾーンストック抽選処理などの処理は実行されず、また擬似ボーナスゲーム数カウントも更新されないため、2枚賭けの遊技が繰り返される場合、擬似ボーナス状態のまま進行することになる。しかし、リミッタに関する共通処理は実行されるため、有利区間ゲーム数カウントは更新され、リミッタである1500ゲームに近づく。これにより、2枚賭けの遊技を行うことにより擬似ボーナス状態を終了させることなく継続させることはできないようになっている。
【0264】
AT準備中状態中処理では、まず、内部抽選処理が実行される(ステップS171)。この内部抽選処理もまた、
図4に示される遊技処理における内部抽選処理(S4)と同一であり、その内部抽選処理(S4)と別に実行されるものではない。したがって、AT準備中状態中処理は、
図4に示される遊技処理と同期して、その遊技処理における内部抽選処理(S4)の実行により開始される。
【0265】
AT準備中状態中処理では、次に、現遊技が3枚賭けの遊技であるか否かが判断される(ステップS172)。現遊技が3枚賭けの遊技であれば(ステップS172のYES)、現遊技の内部抽選で抽選区分「6択ベル」のいずれかに当選しているか否かが判断される(ステップS173)。抽選区分「6択ベル」のいずれかに当選している場合(ステップS173のYES)、指示機能作動抽選処理が実行される(ステップS174)。AT準備中状態の純増モードは、純増1.5枚に固定されているので、指示機能作動抽選処理では、
図29に示されるように、72/256の確率で指示機能作動抽選の当選が決定され、指示機能の作動が決定される。
【0266】
そして、指示機能作動抽選に当選した場合(ステップS175のYES)、指示機能が作動し、当選役に対応づけられた正解操作順が識別情報で指示モニタとしての兼用表示器9に表示される(ステップS176)。
【0267】
一方、抽選区分「6択ベル」のいずれにも当選していない場合(ステップS173のNO)、または、抽選区分「6択ベル」のいずれかに当選し、かつ、指示機能作動抽選にはずれた場合には(ステップS175のNO)、兼用表示器9に何らの識別情報も表示されない。
【0268】
その後、AT準備中状態でのゲーム数(遊技の回数)を計数するカウンタのカウント値であるAT準備中ゲーム数カウントがインクリメント(1加算)される(ステップS177)。
【0269】
そして、AT準備中上乗せ特化ゾーンストック抽選処理が実行される(ステップS178)。
【0270】
AT準備中上乗せ特化ゾーンストック抽選処理では、上乗せ特化ゾーンストック数に加算するストック数を決定するAT準備中上乗せ特化ゾーンストック抽選が実行される。AT準備中上乗せ特化ゾーンストック抽選では、
図33A〜33Eに示されるように、内部抽選処理で当選した抽選区分に応じて、各ストック数の当選確率が異なる。たとえば、
図33Aに示されるように、内部抽選処理で抽選区分「弱チェリ」に当選した場合、スロットマシン1の設定値にかかわらず、8/256の確率でストック数「1」に当選し、248/256の確率ではずれ(ストック数「0」)となる。また、たとえば、
図33Dに示されるように、内部抽選処理で抽選区分「強チェリ」に当選した場合、スロットマシン1の設定値にかかわらず、240/256の確率でストック数「1」に当選し、16/256の確率でストック数「2」に当選する。
【0271】
AT準備中上乗せ特化ゾーンストック抽選処理後、AT準備中上乗せ特化ゾーンストック抽選に当選したか否かが判断される(ステップS179)。AT準備中上乗せ特化ゾーンストック抽選に当選した場合(ステップS179のYES)、その当選したストック数が上乗せ特化ゾーンストック数に加算される(ステップS180)。AT準備中上乗せ特化ゾーンストック抽選に当選しなかった場合(ステップS179のNO)、当然、上乗せ特化ゾーンストック数の加算はない。
【0272】
その後、AT準備中ゲーム数カウントが8に到達したか否かが判断される(ステップS181)。AT準備中ゲーム数カウントが8に到達していない場合(ステップS181のNO)、リミッタに関する共通処理の実行後(ステップS183)、次の内部抽選処理の実行まで待機される(ステップS171)。
【0273】
AT準備中ゲーム数カウントが8に到達している場合(ステップS181のYES)、上乗せ特化ゾーン状態開始処理が実行されて(ステップS184)、上乗せ特化ゾーン状態の開始に必要な設定が行われた後、後述する上乗せ特化ゾーン状態中処理が実行される(ステップS185)。上乗せ特化ゾーン状態開始処理では、メイン基板31の入出力ポート44から外部集中端子板57に指令が出力されて、外部集中端子板57からの第1の外部信号(外部信号1)の出力が開始される。また、兼用表示器8のドット表示器83が点灯される。さらに、上乗せ特化ゾーンストック数が1減算される。
【0274】
上乗せ特化ゾーン状態中処理の開始により、遊技状態がAT準備状態から上乗せ特化ゾーン状態に移行する。上乗せ特化ゾーン状態中処理の開始後、リミッタに関する共通処理が実行されて(ステップS186)、AT準備中状態中処理は終了される。
【0275】
また、現遊技が3枚賭けの遊技ではない場合、つまり2枚賭けの遊技である場合(ステップS172のNO)、指示機能作動抽選処理およびAT準備中上乗せ特化ゾーンストック抽選処理などが実行されることなく、リミッタに関する共通処理が実行されて(ステップS186)、AT準備中状態中処理は終了される。
【0276】
このように、AT準備中状態において、2枚賭けの遊技では、上乗せ特化ゾーンストック抽選処理などの処理は実行されず、またAT準備中ゲーム数カウントも更新されないため、2枚賭けの遊技が繰り返される場合、AT準備中状態のまま進行することになる。しかし、リミッタに関する共通処理は実行されるため、有利区間ゲーム数カウントは更新され、リミッタである1500ゲームに近づく。これにより、2枚賭けの遊技を行うことによりAT準備状態を終了させることなく継続させることはできないようになっている。
【0277】
<上乗せ特化ゾーン状態中処理>
図34Aおよび
図34Bは、上乗せ特化ゾーン状態中処理の流れを示すフローチャートである。
図35は、上乗せ特化ゾーン状態中ゲーム数上乗せ抽選の内容を示す図である。
【0278】
上乗せ特化ゾーン状態中処理では、まず、内部抽選処理が実行される(ステップS191)。この内部抽選処理もまた、
図4に示される遊技処理における内部抽選処理(S4)と同一であり、その内部抽選処理(S4)と別に実行されるものではない。したがって、上乗せ特化ゾーン状態中処理は、
図4に示される遊技処理と同期して、その遊技処理における内部抽選処理(S4)の実行により開始される。
【0279】
上乗せ特化ゾーン状態中処理では、次に、現遊技が3枚賭けの遊技であるか否かが判断される(ステップS192)。現遊技が3枚賭けの遊技であれば(ステップS192のYES)、上乗せ特化ゾーン状態でのゲーム数(遊技の回数)を計数するカウンタのカウント値である特化ゾーンゲーム数カウントがインクリメント(1加算)される(ステップS193)。
【0280】
その後、現遊技の内部抽選で抽選区分「6択ベル」のいずれかに当選しているか否かが判断される(ステップS194)。抽選区分「6択ベル」のいずれかに当選している場合(ステップS194のYES)、指示機能作動抽選処理が実行される(ステップS195)。上乗せ特化ゾーン状態の純増モードは、上乗せ特化ゾーン状態への移行前の純増モードが引き継がれる。
【0281】
そして、指示機能作動抽選に当選した場合(ステップS196のYES)、指示機能が作動し、当選役に対応づけられた正解操作順が識別情報で指示モニタとしての兼用表示器9に表示される(ステップS197)。
【0282】
一方、抽選区分「6択ベル」のいずれにも当選していない場合(ステップS194のNO)、または、抽選区分「6択ベル」のいずれに当選し、かつ、指示機能作動抽選にはずれた場合には(ステップS196のNO)、兼用表示器9に何らの識別情報も表示されない。
【0283】
その後、ゲーム数上乗せ抽選処理が実行される(ステップS198)。
【0284】
ゲーム数上乗せ抽選処理では、AT残りゲーム数に加算する上乗せゲーム数を決定するゲーム数上乗せ抽選が実行される。ゲーム数上乗せ抽選では、
図35に示されるように、内部抽選処理で当選した抽選区分に応じて、各上乗せゲーム数の当選確率が異なる。たとえば、内部抽選処理で抽選区分「弱チェリ」に当選した場合、209/256の確率で上乗せゲーム数「20」に当選し、22/256の確率で上乗せゲーム数「30」に当選し、22/256の確率で上乗せゲーム数「50」に当選する。ゲーム数上乗せ抽選では、上乗せゲーム数「5」、「10」、「20」、「30」、「50」、「100」、「200」または「300」に必ず当選し、上乗せゲーム数が0に決定されることはない。
【0285】
ゲーム数上乗せ抽選処理後、ゲーム数上乗せ抽選で当選した上乗せゲーム数がAT残りゲーム数に加算される(ステップS199)。
【0286】
その後、現遊技での内部抽選処理で抽選区分「中段チェリ」に当選したか否かが判断される(ステップS200)。抽選区分「中段チェリ」に当選している場合(ステップS200のYES)、後述する完走確定状態への移行が決定されていることを表す完走確定フラグがセットされる(ステップS201)。抽選区分「中段チェリ」に当選していない場合には(ステップS200のNO)、完走確定フラグはセットされずにリセットされたままである。
【0287】
次いで、特化ゾーンゲーム数カウントが3に到達しているか否かが判断される(ステップS202)。特化ゾーンゲーム数カウントが3に到達していない場合、つまり2以下である場合には(ステップS202のNO)、リミッタに関する共通処理の実行後(ステップS203)、次の内部抽選処理の実行まで待機される(ステップS191)。
【0288】
特化ゾーンゲーム数カウントが3に到達している場合(ステップS202のYES)、つづいて、完走確定フラグがセット済みであるか否かが判断される(ステップS204)。
【0289】
完走確定フラグがセット済みでない場合(ステップS204のNO)、後述するAT状態中処理が実行される(ステップS205)。AT状態中処理の開始により、遊技状態が上乗せ特化ゾーン状態からAT状態に移行する。AT状態中処理の開始後、リミッタに関する共通処理が実行されて(ステップS206)、上乗せ特化ゾーン状態中処理は終了される。
【0290】
一方、完走確定フラグがセット済みである場合には(ステップS204のYES)、完走確定状態開始処理が実行されて(ステップS207)、完走確定状態の開始に必要な設定が行われた後、後述する完走確定状態中処理が実行される(ステップS208)。完走確定状態中処理の実行後は、リミッタに関する共通処理が実行されて(ステップS206)、上乗せ特化ゾーン状態中処理は終了される。
【0291】
現遊技が3枚賭けの遊技ではない場合、つまり2枚賭けの遊技である場合(ステップS192のNO)、指示機能作動抽選処理およびゲーム数上乗せ抽選処理などが実行されることなく、リミッタに関する共通処理が実行されて(ステップS206)、上乗せ特化ゾーン状態中処理は終了される。
【0292】
このように、上乗せ特化ゾーン状態において、2枚賭けの遊技では、ゲーム数上乗せ抽選処理などの処理は実行されず、また、特化ゾーンゲーム数カウントも更新されないため、2枚賭けの遊技が繰り返される場合、上乗せ特化ゾーン状態のまま進行することになる。しかし、リミッタに関する共通処理は実行されるため、有利区間ゲーム数カウントは更新され、リミッタである1500ゲームに近づく。これにより、2枚賭けの遊技を行うことにより上乗せ特化ゾーン状態を終了させることなく継続させることはできないようになっている。
【0293】
<AT状態中処理>
図36A、
図36Bおよび
図36Cは、AT状態中処理の流れを示すフローチャートである。
図37は、AT状態中上乗せ特化ゾーンストック抽選の内容を示す図である。
図38は、AT状態中純増モード昇格抽選の内容を示す図である。
図39は、AT状態中ゲーム数上乗せ抽選の内容を示す図である。
【0294】
AT状態中処理では、まず、内部抽選処理が実行される(ステップS211)。この内部抽選処理もまた、
図4に示される遊技処理における内部抽選処理(S4)と同一であり、その内部抽選処理(S4)と別に実行されるものではない。したがって、AT状態中処理は、
図4に示される遊技処理と同期して、その遊技処理における内部抽選処理(S4)の実行により開始される。
【0295】
AT状態中処理では、次に、現遊技が3枚賭けの遊技であるか否かが判断される(ステップS212)。現遊技が3枚賭けの遊技であれば(ステップS212のYES)、AT状態での残りのゲーム数(遊技の回数)であるAT残りゲーム数がデクリメント(1減算)される(ステップS213)。
【0296】
その後、AT状態中上乗せ特化ゾーンストック抽選処理が実行される(ステップS214)。
【0297】
AT状態中上乗せ特化ゾーンストック抽選処理では、上乗せ特化ゾーンストック数に加算するストック数を決定するAT状態中上乗せ特化ゾーンストック抽選が実行される。AT状態中上乗せ特化ゾーンストック抽選では、
図37に示されるように、内部抽選処理で当選した抽選区分に応じて、各ストック数の当選確率が異なる。たとえば、内部抽選処理で抽選区分「弱チェリ」に当選した場合、64/256の確率でストック数「1」に当選し、192/256の確率ではずれ(ストック数「0」)となる。
【0298】
AT状態中上乗せ特化ゾーンストック抽選処理後、AT状態中上乗せ特化ゾーンストック抽選に当選したか否かが判断される(ステップS215)。AT状態中上乗せ特化ゾーンストック抽選に当選した場合(ステップS215のYES)、その当選したストック数が上乗せ特化ゾーンストック数に加算される(ステップS216)。
【0299】
その後、出玉の抑制が決定されていることを表す抑制フラグがセット済みであるか否かが判断される(ステップS217)。そして、抑制フラグがセット済みでない場合には(ステップS217のNO)、純増モード昇格抽選が実行される(ステップS218)。抑制フラグがセット済みである場合には(ステップS217のYES)、純増モード昇格抽選は実行されない。
【0300】
純増モード昇格抽選では、純増モードを現在の純増モードから昇格させるか否かが抽選される。抽選値は、スロットマシン1の設定値に応じて設定されている。たとえば、「設定1」の設定値に対しては、現在の純増モードが純増1.5枚である場合には、128/256の確率で純増モードを純増1.5枚から純増2.6枚に昇格させることが決定される。また、現在の純増モードが純増2.6枚である場合には、110/256の確率で純増モードを純増2.6枚から純増4.6枚に昇格させることが決定され、現在の純増モードが純増4.6枚である場合には、100/256の確率で純増モードを純増4.6枚から純増6.6枚に昇格させることが決定される。純増モード昇格抽選の結果に応じて、純増モードが昇格する。
【0301】
AT状態中上乗せ特化ゾーンストック抽選に当選しなかった場合(ステップS215のNO)、当然、上乗せ特化ゾーンストック数の加算はなく、純増モード昇格抽選も行われない。
【0302】
その後、現遊技での内部抽選処理で抽選区分「中段チェリ」に当選したか否かが判断される(ステップS219)。抽選区分「中段チェリ」に当選している場合(ステップS219のYES)、完走確定フラグがセットされる(ステップS220)。抽選区分「中段チェリ」に当選していない場合には(ステップS219のNO)、完走確定フラグはセットされずにリセットされたままである。
【0303】
つづいて、現遊技の内部抽選で抽選区分「6択ベル」のいずれかに当選しているか否かが判断される(ステップS221)。抽選区分「6択ベル」のいずれかに当選している場合(ステップS221のYES)、指示機能作動抽選処理が実行される(ステップS222)。指示機能作動抽選処理では、
図29に示されるように、現在の純増モードに応じた確率で指示機能作動抽選の当選が決定され、指示機能の作動が決定される。
【0304】
そして、指示機能作動抽選に当選した場合(ステップS223のYES)、指示機能が作動し、当選役に対応づけられた正解操作順が識別情報で指示モニタとしての兼用表示器9に表示される(ステップS224)。
【0305】
一方、指示機能作動抽選にはずれた場合には(ステップS216のNO)、現遊技で13枚役、即ち役「入賞1〜12」のいずれかが入賞したか否かが判断される(ステップS225)。13枚役が入賞した場合(ステップS225のYES)、ゲーム数上乗せ抽選が実行される(ステップS226)。
【0306】
ゲーム数上乗せ抽選処理では、AT残りゲーム数に加算する上乗せゲーム数を決定するゲーム数上乗せ抽選が実行される。ゲーム数上乗せ抽選では、
図39に示されるように、スロットマシン1の設定値に応じて、各上乗せゲーム数の当選確率が異なる。たとえば、設定値が「設定2」である場合、64/256の確率で上乗せゲーム数「5」に当選し、53/256の確率で上乗せゲーム数「10」に当選し、4/256の確率で上乗せゲーム数「15」に当選し、4/256の確率で上乗せゲーム数「20」に当選し、1/256の確率で上乗せゲーム数「30」に当選し、2/256の確率で上乗せゲーム数「50」に当選する。また、128/256の確率で、ゲーム数上乗せ抽選にはずれとなり、上乗せゲーム数が0に決定される。
【0307】
このように、指示機能作動抽選に当選せず、指示機能が作動しなかった遊技において、停止操作順が正解操作順であり、13枚役が入賞した場合には、停止操作順が正解であったことに対する特典としてゲーム数上乗せ抽選が実行される。純増モードが低い場合には、指示機能作動抽選に当選する確率が低いため、指示機能が作動しなかった遊技で正解操作順で停止操作し、ゲーム数上乗せ抽選を受けやすくなり、逆に純増モードが高い場合には、指示機能抽選に当選する確率が高いため、指示機能が作動しなかった遊技で正解操作順で停止操作し、ゲーム数上乗せ抽選を受ける頻度は少なくなる。
【0308】
ゲーム数上乗せ抽選処理後、ゲーム数上乗せ抽選で当選した上乗せゲーム数がAT残りゲーム数に加算される(ステップS227)。
【0309】
その後、短時間出玉抑制処理が実行される(ステップS228)。短時間出玉抑制処理については、後述する。
【0310】
短時間出玉抑制処理の終了後、上乗せ特化ゾーンストック数が1以上であるか否かが判断される(ステップS229)。上乗せ特化ゾーンストック数が1以上である場合(ステップS229のYES)、上乗せ特化ゾーン状態開始処理が実行されて(ステップS230)、上乗せ特化ゾーン状態の開始に必要な設定が行われた後、上乗せ特化ゾーン状態中処理が実行される(ステップS231)。上乗せ特化ゾーン状態開始処理では、メイン基板31の入出力ポート44から外部集中端子板57に指令が出力されて、外部集中端子板57からの第1の外部信号(外部信号1)の出力が開始される。また、兼用表示器8のドット表示器83が点灯される。さらに、上乗せ特化ゾーンストック数が1減算される。
【0311】
上乗せ特化ゾーン状態中処理の開始により、遊技状態がAT状態から上乗せ特化ゾーン状態に移行する。そして、移行した上乗せ特化ゾーン状態が終了すると、AT状態中処理が再開される。再開したAT状態中処理において、AT残りゲーム数が0であるか否かが判断される(ステップS232)。また、上乗せ特化ゾーンストック数が0であり、上乗せ特化ゾーン状態中処理が実行されない場合には、上乗せ特化ゾーンストック数が1以上ではないとの判断の後(ステップS229のNO)、直ちに、AT残りゲーム数が0であるか否かが判断される(ステップS232)。
【0312】
AT残りゲーム数が0でない場合、つまり1以上である場合には(ステップS232のNO)、リミッタに関する共通処理の実行後(ステップS233)、次の内部抽選処理の実行まで待機される(ステップS211)。
【0313】
AT残りゲーム数が0である場合(ステップS161のYES)、つづいて、完走確定フラグがセット済みであるか否かが判断される(ステップS234)。
【0314】
完走確定フラグがセット済みである場合には(ステップS234のYES)、完走確定状態開始処理が実行されて(ステップS235)、完走確定状態の開始に必要な設定が行われた後、後述する完走確定状態中処理が実行される(ステップS236)。完走確定状態中処理の実行後は、リミッタに関する共通処理が実行されて(ステップS237)、AT状態中処理は終了される。
【0315】
完走確定フラグがセット済みでない場合(ステップS234のNO)、有利区間における擬似ボーナス準備中状態の開始後のメダルの獲得枚数(メダル増加区間中に獲得したメダル枚数と投入したメダル枚数との差分)が100枚以下であるか否かが判断される(ステップS238)。
【0316】
獲得枚数が100枚を超えている場合には(ステップS238のNO)、獲得枚数ありの終了画面が液晶表示器21に表示される(ステップS239)。獲得枚数ありの終了画面の一例は、
図40に示されている。
【0317】
獲得枚数が100枚以下である場合には(ステップS238のYES)、獲得枚数なしの終了画面が液晶表示器21に表示される(ステップS240)。獲得枚数なしの終了画面の一例は、
図41に示されている。獲得枚数なしの終了画面では、たとえば、獲得枚数ありの終了画面で表示されない図柄や文字などが表示される。
図40に示される終了画面では視認できない背景画像の一部を
図41に示される終了画面では視認できるので、遊技者が
図41に示される終了画面を見ることに楽しみを感じることができる。
【0318】
なお、
図40に示される画像は、具体的には、
図41に示される画像の前面に獲得枚数を重ねて表示しており、獲得枚数が重ねて表示されることで、
図41に示される画像の一部が隠されてしまうように構成されている。そのため、獲得枚数が100枚以下である場合でしか
図41に示される画像全体を視認することは出来ないように構成している。
【0319】
獲得枚数なしの終了画面は、
図42に示されるように、
図40に示される獲得枚数ありの終了画面と全く異なる背景の画面であってもよい。この場合、獲得枚数ありの終了画面と獲得枚数なしの終了画面とで背景画像が異なるので、遊技者がそれらの異なる背景画像を見ることに楽しみを感じることができる。
【0320】
スロットマシン1は、擬似ボーナス状態を経由してAT状態に移行する仕様であるが、擬似ボーナスは、純増モードが4.6枚のため、継続ゲーム数が最小の20ゲームの擬似ボーナス状態の場合でも、4.6枚×20ゲーム=92枚の配当(メダル)が獲得できる設計となっている。擬似ボーナス状態後、上乗せ特化ゾーン状態を経由してAT状態に移行するため、最低の純増モード、かつ、AT状態のゲーム数が最低ゲーム数だったとしても、100枚以上の獲得枚数で終了するよう設計されている。しかし、抽選区分「6択ベル」のいずれかに当選しなかった、または、抽選区分「6択ベル」のいずれかに当選したが、指示機能作動抽選に当選しない状態が続いてしまった場合、AT状態の終了時の獲得枚数が100枚以下となってしまう場合が生じるため、獲得枚数が100枚以下である場合には、獲得枚数を表示しないように構成されている。
【0321】
獲得枚数ありまたは獲得枚数なしの終了画面の表示後、抑制フラグがセット済みであるか否かが判断される(ステップS241)。
【0322】
抑制フラグがセット済みである場合、上乗せ特化ゾーン状態開始処理が実行されて(ステップS242)、上乗せ特化ゾーン状態の開始に必要な設定が行われた後、上乗せ特化ゾーン状態中処理が実行される(ステップS243)。上乗せ特化ゾーン状態開始処理では、メイン基板31の入出力ポート44から外部集中端子板57に指令が出力されて、外部集中端子板57からの第1の外部信号(外部信号1)の出力が開始される。また、兼用表示器8のドット表示器83が点灯される。さらに、純増モードが純増1.5枚に設定される。
【0323】
上乗せ特化ゾーン状態中処理の開始後、リミッタに関する共通処理が実行されて(ステップS237)、AT状態中処理は終了される。
【0324】
一方、抑制フラグがセット済みでない場合には(ステップS241のNO)、有利区間終了処理が実行されて(ステップS244)、リミッタに関する共通処理が実行された後(ステップS237)、AT状態中処理が終了される。
【0325】
有利区間終了処理の実行により、遊技状態が有利区間から非有利区間に転落し、有利区間が終了されて、非有利区間が開始される。有利区間の終了に伴い、メイン基板31の入出力ポート44から外部集中端子板57に指令が出力されて、外部集中端子板57から第1の外部信号および/または第2の外部信号が出力されている場合には、それらの外部信号の出力が停止されて、兼用表示器8のドット表示器83,84が消灯される。また、有利区間の終了から3秒間のウェイトの後、兼用表示器9のドット表示器94が消灯される。
【0326】
<短時間出玉抑制処理>
図43は、短時間出玉抑制処理の流れを示すフローチャートである。
【0327】
短時間出玉抑制処理では、出玉率計測用ゲーム数が100ゲーム以上401ゲーム未満であるか否かが判断される(ステップS251)。出玉率計測用ゲーム数は、スロットマシン1での擬似ボーナス準備中状態が開始した1遊技目からのゲーム数である。換言すれば、指示機能の作動によりメダルが増加するメダル増加区間開始からのゲーム数である。
【0328】
出玉率計測用ゲーム数が100ゲーム以上401ゲーム未満である場合(ステップS251のYES)、現時点での出玉率が200%未満であるか否かが判断される(ステップS252)。
【0329】
そして、現時点での出玉率が200%以上である場合には(ステップS252のNO)、抑制フラグがセットされて(ステップS253)、短時間出玉抑制処理が終了される。
【0330】
一方、出玉率計測用ゲーム数が100ゲーム以上401ゲーム未満でない場合(ステップS251のNO)、すなわち、出玉率計測用ゲーム数が100ゲーム未満であるか、401ゲーム以上である場合には、抑制フラグがクリアされて(ステップS254)、短時間出玉抑制処理が終了される。また、出玉率計測用ゲーム数が100ゲーム以上401ゲーム未満であっても(ステップS251のYES)、現時点での出玉率が200%未満である場合には(ステップS252のYES)、抑制フラグがクリアされて(ステップS254)、短時間出玉抑制処理が終了される。
【0331】
短時間出玉抑制処理により抑制フラグがセットされた状態で、AT状態が終了する場合(
図36CのステップS241)、すなわち、AT状態の終了時の出玉率計測用ゲーム数が100ゲーム以上401ゲーム未満であり、かつ、出玉率が200%以上である場合には、有利区間から非有利区間へ移行せず、純増モードが最低の1.5枚モードに設定されて、少なくとも抑制フラグがクリアされるまでの間、AT状態が強制的に継続される。
【0332】
<完走確定状態中処理>
図44は、完走確定状態中処理の流れを示すフローチャートである。
【0333】
完走確定状態中処理では、まず、内部抽選処理が実行される(ステップS261)。この内部抽選処理もまた、
図4に示される遊技処理における内部抽選処理(S4)と同一であり、その内部抽選処理(S4)と別に実行されるものではない。したがって、完走確定状態中処理は、
図4に示される遊技処理と同期して、その遊技処理における内部抽選処理(S4)の実行により開始される。
【0334】
次に、現遊技が3枚賭けの遊技であるか否かが判断される(ステップS262)。現遊技が3枚賭けの遊技であれば(ステップS262のYES)、現遊技の内部抽選で抽選区分「6択ベル」のいずれかに当選しているか否かが判断される(ステップS263)。
【0335】
抽選区分「6択ベル」のいずれかに当選している場合(ステップS263のYES)、指示機能作動抽選処理が実行される(ステップS264)。指示機能作動抽選処理では、指示機能を作動させるか否かを決定する指示機能作動抽選が実行される。完走確定状態の純増モードは、純増6.6枚に固定されているので、指示機能作動抽選処理では、
図29に示されるように、256/256の確率で指示機能作動抽選の当選が決定、つまり必ず当選が決定される。
【0336】
したがって、指示機能が必ず作動し、当選役に対応づけられた正解操作順が識別情報で指示モニタとしての兼用表示器9に表示される(ステップS265)。
【0337】
一方、抽選区分「6択ベル」のいずれにも当選していない場合には(ステップS263のNO)、兼用表示器9に何らの識別情報も表示されない。
【0338】
その後、リミッタに関する共通処理が実行される(ステップS266)。リミッタに関する共通処理は、有利区間ゲーム数カウントが1500に達するか、差枚数カウントが2401以上に達して、有利区間終了処理が実行されるまで、繰り返し実行される。
【0339】
本スロットマシン1において、ATセットは、序盤の上乗せ特化ゾーン状態と、その後のAT状態とからなる通常ATセットと、リミッタ作動まで継続する完走確定状態からなる特殊ATセットの2通りで構成しており、第1外部信号は、通常ATセット中、及び特殊ATセット中にオンとされ、これ以外ではオフとされる信号である。一方、第2外部信号は、擬似ボーナス状態中にオンとされ、これ以外ではオフとされる信号である。
【0340】
さらに具体的に、第1の外部信号は、
図9に示されるように、遊技状態がAT状態または上乗せ特化ゾーン状態から、完走確定状態への移行が決定された遊技での回胴回転時(左リールR1、中リールR2および右リールR3の回転時)、または、上乗せ特化ゾーン状態に移行した後の最初の遊技(1ゲーム目)での回胴回転時であるという開始条件の成立に応じて、外部集中端子板57に対して第1の外部信号の出力開始が指令される。これらの開始条件が成立した時点で第1の外部信号が既に出力中である場合には、その出力が一旦停止されて、出力停止状態が3秒間保持された後、第1の外部信号が再び出力される。
【0341】
第1の外部信号の出力中に、リミッタ機能により有利区間が強制的に終了された場合、または、AT状態において、AT残りゲーム数が0となり、かつ、短時間抑制フラグが0にリセットされており、かつ、上乗せ特化ゾーンストック数が0になった場合、外部集中端子板57に対して第1の外部信号の出力停止が指令される。
【0342】
第2の外部信号は、
図10に示されるように、遊技状態が擬似ボーナス準備中状態から擬似ボーナス状態への移行が決定された遊技の終了時、または、擬似ボーナス準備中状態で64遊技を消化した後の遊技での回胴回転時であるという開始条件の成立に応じて、外部集中端子板57からの出力が開始される。
【0343】
第2の外部信号の出力中に、リミッタ機能により有利区間が強制的に終了されるか、または、擬似ボーナスゲーム数が0となる遊技の終了時であるという終了条件が成立したことに応じて、第2の外部信号の出力が停止される。ただし、終了条件が成立した時点で第2の外部信号の出力期間が3秒未満である場合には、その出力期間が3秒以上になった後、第2の外部信号の出力が停止される。
【0344】
なお。第1の外部信号(外部信号1)の出力は、特定の図柄が揃うことを伴わず、第2第2の外部信号(外部信号2)の出力は、特定の図柄が揃うことを伴う。
【0345】
兼用表示器8の左側のドット表示器83は、第1の外部信号の出力状態を表示する表示器として使用される。すなわち、外部集中端子板57からの第1の外部信号の出力が開始されると、CPU41により、兼用表示器8の左側のドット表示器83が点灯され第1の外部信号の出力が停止したことに応じて、点灯中のドット表示器83が消灯される。
【0346】
兼用表示器8の右側のドット表示器84は、第2の外部信号の出力状態を表示する表示器として使用される。すなわち、外部集中端子板57からの第2の外部信号の出力が開始されると、CPU41により、兼用表示器8の右側のドット表示器84が点灯され第2の外部信号の出力が停止したことに応じて、点灯中のドット表示器84が消灯される。
【0347】
このように、外部集中端子板57からの第1の外部信号の出力と同期して、兼用表示器8の左側のドット表示器83が点灯され、外部集中端子板57からの第2の外部信号の出力と同期して、兼用表示器8の右側のドット表示器84が点灯される。そのため、2個のドット表示器83,84の点灯状態を確認すれば、メイン基板31が外部集中端子板57に信号を出力しているか否かを判別することができる。
【0348】
<作用効果>
以上のように、メイン基板31から外部集中端子板57に信号が出力されることにより、外部集中端子板57から第1または第2の外部信号が出力される。そして、外部集中端子板57からの第1の外部信号の出力と同期して、兼用表示器8の左側のドット表示器83が点灯され、外部集中端子板57からの第2の外部信号の出力と同期して、兼用表示器8の右側のドット表示器84が点灯される。そのため、2個のドット表示器83,84の点灯状態を確認すれば、メイン基板31が外部集中端子板57に指令を出力しているか否かを判別することができる。
【0349】
また、ボーナス内部中状態であるRT1,RT2のRT状態では、左ストップボタン16L、中ストップボタン16Cおよび右ストップボタン16Rの停止操作順が正解操作順であった場合には、配当数優先の停止制御により、配当数が13枚/6枚である小役(役「入賞1〜12」)が100%の入賞率で入賞し、停止操作順が正解操作順でなかった場合には、組合せ数優先の停止制御により、配当数が13枚/6枚である小役が入賞しない。一方、RT0のRT状態では、いかなる操作順で左ストップボタン16L、中ストップボタン16Cおよび右ストップボタン16Rの停止操作が行われても、配当数が13枚/6枚である小役の入賞がない。そのため、非ボーナス内部中状態であるRT0のRT状態における出玉率を低く抑えることができる。その結果、ボーナス内部中状態で有利区間が発生する構成において、非有利区間における出玉率を従来よりも低く抑えることができる。
【0350】
有利区間が継続するメダル増加区間での獲得枚数、つまり擬似ボーナス準備中状態の開始からAT状態の終了までの有利区間での差枚数が100枚以上である場合には、その獲得枚数の表示により、遊技者が獲得枚数を正確に把握することができる。また、遊技者は、差枚数が多い場合に、たとえば、獲得枚数が表示された終了画面をスマートフォンなどのカメラで撮影して保存し、その保存した終了画面を他者に見せてアピールすることができる。一方、メダル増加区間の獲得枚数が所定値未満である場合には、獲得枚数が表示されないことにより、遊技者が獲得枚数の少なさを感じながらも正確な獲得枚数を把握できないので、遊技者を残念な気持ちにさせることを抑制できる。
【0351】
また、メダル増加区間では、正解遊技方法である正解操作順を指示する指示機能を作動させるか否かが指示機能作動抽選により決定される。その指示機能作動抽選の結果、指示機能が作動した場合には、遊技者は、指示機能により指示される正解遊技方法で停止操作を行うことにより、最大の配当数を得ることができる。一方、指示機能が作動せずに、停止操作順が正解操作順であった場合には、メダル増加区間の延長の特典、いわゆるゲーム数上乗せの特典を付与するか否かを決定するゲーム数上乗せ抽選が行われる。これにより、指示機能が作動しない場合にも、遊技者は、停止操作順が正解操作順と一致した場合に特典が付与されるかもしれないと期待を持ちながら遊技をすることができる。その結果、メダル増加区間で指示機能が作動しないことによる遊技者のイライラ(ストレス)を軽減することができる。
【0352】
現遊技機規則では、400ゲーム間の出玉率、所謂短期出玉が220%を超えると試験機関による試験に適合できない(短期出玉試験に不適合となる)。さらに具体的に、出玉率220%に相当する純増は、3.6枚(=3枚×220%−3枚)であるため、純増が3.6枚を超える期間が400ゲーム以上継続すると、不適合となる。
その為、短い期間中に出玉率が著しく増大上昇した場合、出玉率が1を下回る区間(例えば指示機能が作動しない通常状態や非有利区間)へと移行させ、上昇した出玉率を下げて、短期出玉試験に適合するように出玉率を抑える(抑制する)のが一般的である。
【0353】
しかしながら、指示機能が作動しない通常状態中には、指示機能が作動するAT状態や擬似ボーナス状態への移行抽選が行われており、通常状態に移行して間もなくそれらに当選してしまうと、出玉率を下げる為に通常状態に移行させたにもかかわらず、指示機能が作動するAT状態、擬似ボーナス状態へと移行してしまう可能性が生じる。
【0354】
特に、本スロットマシン1では、
図22に示す通り、純増が6.6枚の完走確定状態から、非有利区間に転落し、その後通常状態に移行して間もなく擬似ボーナス抽選に当選した場合、最長でも64ゲームの純増1.5枚の擬似ボーナス準備中状態を経て、純増が4.6枚の擬似ボーナス状態が開始される仕様を採用しているため、不適合リスクを抱えることになる。
【0355】
不適合リスクを回避すべく、通常状態へ移行してから一定のゲーム期間においては、該一定のゲーム期間経過後のゲーム期間に比べて、指示機能が作動する状態への移行抽選の機会や、該移行抽選での当選確率を著しく低くする仕様を採用することも考えられる。しかしながら、このような仕様を採用した場合には、有利区間の終了時が明確なヤメどきとなってしまう上、この状態で空き台となった遊技台での遊技は敬遠されるため、その後の稼動が期待できない問題がある。
【0356】
そこで、本スロットマシン1では、AT状態の終了時の出玉率計測用ゲーム数が100ゲーム以上401ゲーム未満であり、かつ、出玉率が200%以上である場合、即ち、非有利区間に転落させたとしても、早期の擬似ボーナス抽選当選によって、出玉率が220%を超える不適合リスクが懸念される場合には、現在実行中のATセットは終了させるものの、非有利区間へは転落させず、新たなATセットを強制的に開始することとしている。上述の如く、ATセットの開始時には、純増モードが最低の1.5枚モードにリセットされる。純増枚数1.5枚の最低の純増モードでの出玉率は、220%未満であり、新たなATセットを強制的に開始することによって、出玉を増やしつつ、出玉率を低下させることができる。本来は、メダル増加区間終了であるべきところ、最低の純増モードでメダル増加区間が継続することになるので、遊技者が不満を抱くこともない。
【0357】
なお、出玉率計測用ゲーム数が100ゲーム以上401ゲーム未満という条件については、100ゲーム未満の場合は、非有利区間に転落させて、早期に擬似ボーナス抽選に当選したとしても、不適合リスクは低いため、400ゲーム以上の場合は、既に時遅しの可能性が高いため、それぞれ、非有利区間に転落させることにしている。さらに、新たに開始されたATセットにおいて、抑制フラグがクリアされると、即ち、不適合リスクが解消されたと判断されると純増モード昇格抽選が実行されるようになる。これにより、不適合リスクを回避しつつ、メダル増加区間を継続させ、且つ、出玉率を抑制させることが可能となり、長期に亘ってメダル増加区間を継続させることも可能となる。
【0358】
また、スロットマシン1では、3枚賭けの遊技において、指示機能処理およびその作動/非作動を決定する指示機能作動抽選が実行されるのに対し、2枚賭けの遊技では、それらの抽選および処理が実行されない。そのため、2枚賭けの遊技よりも3枚賭けの遊技を行う方が遊技者に得であり、遊技者に3枚賭けの遊技を推奨することができる。一方、リミッタ処理は、3枚賭けの遊技であるか2枚賭けの遊技であるかを問わず実行されるので、2枚賭けの遊技を行うことがスロットマシン1の攻略要素とならない。したがって、2枚賭けの遊技による攻略要素をなくすことができる。
【0359】
<変形例>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、他の形態で実施することもできる。
【0360】
たとえば、前述の実施形態で挙げられている抽選値などの具体的な数値は、単なる一例であり、適宜変更されてもよい。
【0361】
その他、前述の構成には、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【解決手段】ボーナス内部中状態であるRT1,RT2のRT状態では、左ストップボタン、中ストップボタンおよび右ストップボタンの停止操作順が正解操作順であった場合には、配当数優先の停止制御により、配当数が13枚/6枚である小役が100%の入賞率で入賞し、停止操作順が正解操作順でなかった場合には、組合せ数優先の停止制御により、配当数が13枚/6枚である小役が入賞しない。一方、RT0のRT状態では、いかなる操作順で左ストップボタン、中ストップボタンおよび右ストップボタンの停止操作が行われても、配当数が13枚/6枚である小役の入賞がない。