特許第6860237号(P6860237)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6860237インドールアミン2,3−ジオキシゲナーゼ阻害剤及び適用
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  • 特許6860237-インドールアミン2,3−ジオキシゲナーゼ阻害剤及び適用 図000134
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6860237
(24)【登録日】2021年3月30日
(45)【発行日】2021年4月21日
(54)【発明の名称】インドールアミン2,3−ジオキシゲナーゼ阻害剤及び適用
(51)【国際特許分類】
   C07D 271/08 20060101AFI20210412BHJP
   C07D 413/12 20060101ALI20210412BHJP
   C07D 471/08 20060101ALI20210412BHJP
   C07D 493/08 20060101ALI20210412BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20210412BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20210412BHJP
   A61P 31/00 20060101ALI20210412BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20210412BHJP
   A61P 25/28 20060101ALI20210412BHJP
   A61P 25/24 20060101ALI20210412BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20210412BHJP
   A61P 31/18 20060101ALI20210412BHJP
   A61P 31/16 20060101ALI20210412BHJP
   A61P 31/14 20060101ALI20210412BHJP
   A61P 31/20 20060101ALI20210412BHJP
   A61P 31/22 20060101ALI20210412BHJP
   A61K 31/4245 20060101ALI20210412BHJP
   A61K 31/454 20060101ALI20210412BHJP
   A61K 31/439 20060101ALI20210412BHJP
   A61K 31/5377 20060101ALI20210412BHJP
   A61K 31/4439 20060101ALI20210412BHJP
【FI】
   C07D271/08
   C07D413/12
   C07D471/08
   C07D493/08 B
   A61P35/00
   A61P43/00 105
   A61P31/00
   A61P25/00
   A61P25/28
   A61P25/24
   A61P35/02
   A61P31/18
   A61P31/16
   A61P31/14
   A61P31/20
   A61P31/22
   A61P43/00 111
   A61K31/4245
   A61K31/454
   A61K31/439
   A61K31/5377
   A61K31/4439
【請求項の数】16
【全頁数】66
(21)【出願番号】特願2019-557849(P2019-557849)
(86)(22)【出願日】2018年4月24日
(65)【公表番号】特表2020-517690(P2020-517690A)
(43)【公表日】2020年6月18日
(86)【国際出願番号】CN2018084267
(87)【国際公開番号】WO2018196747
(87)【国際公開日】20181101
【審査請求日】2019年12月13日
(31)【優先権主張番号】201710270704.4
(32)【優先日】2017年4月24日
(33)【優先権主張国】CN
(31)【優先権主張番号】201710543401.5
(32)【優先日】2017年7月5日
(33)【優先権主張国】CN
(31)【優先権主張番号】201711478213.5
(32)【優先日】2017年12月29日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】518453431
【氏名又は名称】南京薬捷安康生物科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100185269
【弁理士】
【氏名又は名称】小菅 一弘
(72)【発明者】
【氏名】呉 永謙
(72)【発明者】
【氏名】李 琳
【審査官】 水島 英一郎
(56)【参考文献】
【文献】 特表2008−540548(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
CAplus(STN)
REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式IIの化合物、その薬学的に許容される塩及び立体異性体であって、
【化1】
式中、
【化2】
は、シス異性体、トランス異性体又はシス異性体とトランス異性体の混合物であり、
は、任意にR1aで置換されている、4〜12員ヘテロシクリルであり、R1aは、水素、ハロゲン、C1〜6アルキル、−SR、−S(O)R、−S(O)NR、−S(O)及び−S(O)NRらなる群から選択され、
は、任意にR2aで置換されている6〜14員アリールであり、R2aは、水素、ハロゲン、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、ハロゲン化C1〜6アルキル、−CN、−NO、−OR、−C(O)R、−C(O)OR、−OC(O)R、−C(O)NR、−OC(O)NR、−NR、−NRC(O)R、−NRC(O)NR、−NRC(O)OR、−SR、−S(O)R、−S(O)NR、−S(O)、−S(O)NR、3〜8員シクロアルキル、3〜8員ヘテロシクリル、5〜8員ヘテロアリール及び6〜14員アリールからなる群から選択され、
は水素又はC1〜6アルキルであり、
は、水素、C1〜6アルキル、ハロゲン化C1〜6アルキル及びC1〜6アルコキシC1〜6アルキルからなる群から選択され、
は、水素、C1〜6アルキル、ハロゲン化C1〜6アルキル及びC1〜6アルコキシからなる群から選択され、
、R及びRは互いに独立に水素、C1〜6アルキル及びハロゲン化C1〜6アルキルからなる群から選択され、
mは0、1、2又は3であり、
nは0、1、2又は3である、
化合物、その薬学的に許容される塩及び立体異性体。
【請求項2】
請求項1に記載の化合物、その薬学的に許容される塩及び立体異性体であって、
は、任意にR1aで置換されている、
【化3】
からなる群から選択され、R1aは、水素、ハロゲン、C1〜4アルキル、−S(O)及び−S(O)NRからなる群から選択される、
化合物、その薬学的に許容される塩及び立体異性体。
【請求項3】
請求項1に記載の化合物、その薬学的に許容される塩及び立体異性体であって、
は、
【化4】
であり、環Aは、3〜12員モノ、オルト、スピロ又は架橋ヘテロシクリルであり、Rは、6〜14員アリールである、
化合物、その薬学的に許容される塩及び立体異性体。
【請求項4】
請求項1に記載の化合物、その薬学的に許容される塩及び立体異性体であって、
は、
【化5】
であり、環Aは、3〜8員モノヘテロシクリル、6〜12員オルトヘテロシクリル、6〜12員架橋ヘテロシクリル及び6〜12員スピロヘテロシクリルであり、
は、フェニルである、
化合物、その薬学的に許容される塩及び立体異性体。
【請求項5】
請求項1に記載の化合物、その薬学的に許容される塩及び立体異性体であって、
は、
【化6】
であり、T及びTは互いに独立にCR4’、NR及びOからなる群から選択され、t及びtは互いに独立に0、1、2又は3であり、tとtは同時に0に等しいことはなく、Rは任意にR1aで置換されており、R1aは、水素、ハロゲン、C1〜6アルキル、−SR、−S(O)R、−S(O)NR、−S(O)及び−S(O)NRらなる群から選択され、R及びR4’は互いに独立に水素又はC1〜6アルキルであり、
は、任意にR2aで置換されているフェニルであり、R2aは、水素、ハロゲン及びC1〜6アルキルからなる群から選択され、
は、水素、C1〜6アルキル、ハロゲン化C1〜6アルキル及びC1〜6アルコキシC1〜6アルキルからなる群から選択され、
は、水素、C1〜6アルキル、ハロゲン化C1〜6アルキル及びC1〜6アルコキシからなる群から選択され、
、R及びRは互いに独立に水素、C1〜6アルキル及びハロゲン化C1〜6アルキルからなる群から選択される、
化合物、その薬学的に許容される塩及び立体異性体。
【請求項6】
請求項5に記載の化合物、その薬学的に許容される塩及び立体異性体であって、
式中、
は、
【化7】
であり、t及びtは互いに独立に0、1、2又は3であり、tとtは同時に0に等しいことはなく、Rは任意にR1aで置換されており、R1aは、水素、ハロゲン、C1〜6アルキル、−SR、−S(O)R、−S(O)NR、−S(O)及び−S(O)NRからなる群から選択され、R及びR4’は互いに独立に水素又はC1〜6アルキルであり、
は、水素、C1〜6アルキル、ハロゲン化C1〜6アルキル及びC1〜6アルコキシC1〜6アルキルからなる群から選択され、
は、水素、C1〜6アルキル、ハロゲン化C1〜6アルキル及びC1〜6アルコキシからなる群から選択され、
、R及びRは互いに独立に水素、C1〜6アルキル及びハロゲン化C1〜6アルキルからなる群から選択される、
化合物、その薬学的に許容される塩及び立体異性体。
【請求項7】
請求項5に記載の化合物、その薬学的に許容される塩及び立体異性体であって、
は、
【化8】
であり、及びtは互いに独立に0、1、2又は3であり、tとtは同時に0に等しいことはなく、R、任意にR1aで置換されており、R1aは、水素、ハロゲン、及び1〜6アルキルからなる群から選択され、
は、任意にR2aで置換されているフェニルであり、R2aは、水素、ハロゲン及びC1〜6アルキルからなる群から選択され、
mは0、1、又は2である、化合物、その薬学的に許容される塩及び立体異性体。
【請求項8】
請求項1に記載の化合物、その薬学的に許容される塩及び立体異性体であって、
は、
【化9】
であり、環Aは、任意にR1aで置換されている、6〜12員オルトヘテロシクリル、6〜12員架橋ヘテロシクリル及び6〜12員スピロヘテロシクリルからなる群から選択され、R1aは、水素、ハロゲン、C1〜6アルキル、−SR、−S(O)R、−S(O)NR、−S(O)及び−S(O)NRらなる群から選択され、
は、任意にR2aで置換されているフェニルであり、R2aは、水素、ハロゲン及びC1〜6アルキルからなる群から選択され、
は、水素、C1〜6アルキル、ハロゲン化C1〜6アルキル及びC1〜6アルコキシC1〜6アルキルからなる群から選択され、
は、水素、C1〜6アルキル、ハロゲン化C1〜6アルキル及びC1〜6アルコキシからなる群から選択され、
、R及びRは互いに独立に水素、C1〜6アルキル及びハロゲン化C1〜6アルキルからなる群から選択される、
化合物、その薬学的に許容される塩及び立体異性体。
【請求項9】
請求項8に記載の化合物、その薬学的に許容される塩及び立体異性体であって、
は、
【化10】
であり、環Aは、任意にR1aで置換されていてもよい、6〜12員飽和オルトヘテロシクリル、6〜12員飽和架橋ヘテロシクリル及び6〜12員飽和スピロヘテロシクリルからなる群から選択され、R1aは、水素、ハロゲン、C1〜6アルキル、−SR、−S(O)R、−S(O)NR、−S(O)及び−S(O)NRからなる群から選択され、
は、水素、C1〜6アルキル、ハロゲン化C1〜6アルキル及びC1〜6アルコキシC1〜6アルキルからなる群から選択され、
は、水素、C1〜6アルキル、ハロゲン化C1〜6アルキル及びC1〜6アルコキシからなる群から選択され、
、R及びRは互いに独立に水素、C1〜6アルキル及びハロゲン化C1〜6アルキルからなる群から選択される、
化合物、その薬学的に許容される塩及び立体異性体。
【請求項10】
請求項1に記載の化合物、その薬学的に許容される塩及び立体異性体であって、
は、任意にR2aで置換されているフェニルであり、R2aは、水素、ハロゲン及びC1〜4アルキルからなる群から選択され、
は水素又はC1〜4アルキルであり、
、R、R、R及びRは互いに独立に水素又はC1〜4アルキルであり、
mは0、1、2又は3であり、
nは0、1、2又は3であり、
は、任意にR1aで置換されている、
【化11】
からなる群から選択され、R1aは、水素、ハロゲン及びC1〜4アルキルからなる群から選択される、
化合物、その薬学的に許容される塩及び立体異性体。
【請求項11】
請求項10に記載の化合物、その薬学的に許容される塩及び立体異性体であって、
は、任意にR1aで置換されている、
【化12】
からなる群から選択され、R1aは、水素、ハロゲン及びC1〜4アルキルからなる群から選択される、
化合物、その薬学的に許容される塩及び立体異性体。
【請求項12】
前記化合物が、
【化13】


【化14】


からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物、その薬学的に許容される塩及び立体異性体。
【請求項13】
請求項1から12のいずれか一項に記載の化合物、その薬学的に許容される塩及び立体異性体を含む医薬組成物であって、1種以上の薬学的に許容される担体を含む、医薬組成物。
【請求項14】
IDO異常によって媒介される疾患を処置するための医薬組成物であって、請求項1から12のいずれか一項に記載の化合物、その薬学的に許容される塩及び立体異性体を含み、前記医薬組成物が1種以上の薬学的に許容される担体を含む、医薬組成物。
【請求項15】
IDO異常によって媒介される疾患を処置するための請求項14に記載の医薬組成物であって、前記IDO異常によって媒介される疾患が感染症、神経系疾患、癌又は非癌性増殖性疾患である、医薬組成物。
【請求項16】
IDO異常によって媒介される疾患を処置するための請求項15に記載の医薬組成物であって、前記感染症が、インフルエンザウイルス、C型肝炎ウイルス、ヒトパピローマウイルス、サイトメガロウイルス、E−Bウイルス、ポリオウイルス、水痘帯状疱疹ウイルス、コクサッキーウイルス又はヒト免疫不全ウイルスの感染に起因するものを含み、前記神経系疾患がアルツハイマー病及び欝病を含み、前記癌が肺癌、扁平上皮癌、膀胱癌、胃癌、卵巣癌、腹膜癌、乳癌、乳房の腺管癌、頭頚部癌、子宮内膜癌、子宮体癌、直腸癌、肝癌、腎癌、腎盂癌、食道癌、食道腺癌、神経膠腫、前立腺癌、甲状腺癌、女性生殖器系癌、上皮内癌、リンパ腫、神経線維腫症、骨癌、皮膚癌、脳腫瘍、結腸癌、精巣癌、消化管間質腫瘍、口腔癌、咽頭癌、多発性骨髄腫、白血病、非ホジキンリンパ腫、大腸絨毛腺腫、黒色腫、細胞腫及び肉腫を含み、前記非癌性増殖性疾患が骨髄増殖性疾患及びリンパ増殖性疾患を含む、医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療技術の分野に属し、インドールアミン2,3−ジオキシゲナーゼ(IDO)阻害剤の化合物、その薬学的に許容される塩及び立体異性体、その製薬処方及び組成物、並びにインドールアミン2,3−ジオキシゲナーゼ(IDO)異常によって媒介される疾患を処置するための医薬品の製造におけるその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
トリプトファン(Trp)は、インビボでの必須アミノ酸であり、タンパク質、ナイアシン及び5−ヒドロキシトリプタミン(セロトニン)の神経伝達物質をインビボで生合成するのに使用される。インドールアミン2,3−ジオキシゲナーゼ(IDO)は、フェロヘムを含む細胞内単量体酵素であり、ヒト及び動物の多数の組織及び細胞中に広範に分布する。IDOは、キヌレニンを生成するL−トリプトファン中のインドール環の酸化的開裂の第1ステップを触媒することができ、このステップは、開裂反応の速度に重要なステップである。IDOは正常状態では低レベルで発現され、IDOの異常に高い発現は、生体の病態において検出され得る。IDOは、神経系疾患(特にアルツハイマー病及び欝病)の病態形成において極めて重要な役割を果たす。IDOは、更に免疫寛容の機能も有する。腫瘍細胞又は抗原提示細胞上のIDOは、腫瘍抗原に対するT細胞の免疫寛容を誘導し得る。さらに、IDOは、慢性感染症、HIV感染症、AIDS、自己免疫疾患などの病態形成にも関与する。その結果、IDOは、創薬の重要な標的として確認され、IDO阻害剤の開発が至急必要である。
【0003】
IDOは、脳機能に影響し、それによって主に以下の2つの機序に従って神経系疾患を発生させる。(1)炎症応答中に、トリプトファン代謝は、循環トリプトファン濃度を低下させ、したがって5−ヒドロキシトリプタミンを減少させ、最後に欝病を発生させる。(2)キヌレニン経路を介してトリプトファン代謝を触媒することによって、キヌレニン及び神経毒性キノリン酸を蓄積させ、それによって神経系疾患を発生させる。したがって、IDO阻害剤は、アルツハイマー病、欝病などの神経系疾患の処置において広範な可能性を有する。
【0004】
IDOは、抗腫瘍免疫療法における極めて重要な低分子調節性標的になった。IDOは、主に以下における免疫系を調節する:(1)局所的トリプトファン欠乏は、IDOの高い発現のために細胞中で起こることがあり、T細胞はトリプトファン欠乏に極めて敏感であるので、T細胞増殖が低濃度のトリプトファン下でG1期に留まる。(2)IDOに依存したトリプトファン分解は、キヌレニンを増加させ、それは酸素ラジカルによって媒介されるT細胞アポトーシスを誘導する。(3)樹状細胞中のIDO発現の上方制御は、局所的トリプトファンを分解することによって局所的制御性T細胞(Treg)媒介性免疫抑制を高め、腫瘍特異抗原に対する体の末梢性免疫寛容を促進する。
【0005】
現在、IDO関連疾患を処置又は防止する一連のIDO低分子阻害剤が国内及び国外で開発されている。例えば、特許文献1は、局所的細胞外トリプトファン及びトリプトファン代謝産物の濃度の変化を含めて、T細胞性免疫を変えるためのIDO阻害剤1−メチル−DL−トリプトファン、4−(3−ベンゾフラン)−DL−アラニン、4−(3−ベンゾチオフェン)−DL−アラニン及び6−ニトロ−L−トリプトファンの使用を報告した。
【0006】
IDO阻害効果を有する幾つかの具体的化合物も特許文献2に報告された。特許文献3では、癌及び感染症の処置に使用される一種のIDO阻害剤が報告された。
【0007】
しかし、既存のインドールアミン2,3−ジオキシゲナーゼ(IDO)阻害剤は一般に阻害効力が低く、インドールアミン2,3−ジオキシゲナーゼ(IDO)阻害剤薬物は入手不可能であった。開発中の薬物のうち、代表的なIDO阻害剤はEpacadostat(II、活発な開発中)及びNLG−919(I、活発な開発中)である。それらの構造式は以下の通りである。
【0008】
【化1】
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】国際公開第99/29310号
【特許文献2】国際公開第2004/094409号
【特許文献3】米国特許出願公開第2004/0234623号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、良好な薬物形成性を有し、アルツハイマー病、白内障、細胞免疫活性化関連感染症、自己免疫疾患、AIDS、癌、欝病又は異常なトリプトファン代謝を防止及び/又は処置するための薬物を調製するのに使用することができる、一連の新規であり高度に有効なIDO阻害剤を研究することを目的とする。
【0011】
本発明によって解決すべき技術的問題は、IDOに対して優れた阻害活性を有し、IDO異常によって媒介される疾患を処置するために使用することができる、新規なIDO阻害剤を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、以下の技術的解決策を提供する。
1.式Iの化合物、その薬学的に許容される塩及び立体異性体であって、
【0013】
【化2】
【0014】
式中、
【0015】
【化3】
【0016】
は、シス異性体、トランス異性体又はシス異性体とトランス異性体の混合物であり、
X及びYは互いに独立にCH又はNであり、
ZはO又はSであり、
は、任意にR1aで置換されている、シクロアルキル、ヘテロシクリル及びヘテロアリールからなる群から選択され、R1aは、水素、ハロゲン、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、ハロゲン化C1〜6アルキル、−CN、−NO、−OR、−C(O)R、−C(O)OR、−OC(O)R、−C(O)NR、−OC(O)NR、−NR、−NRC(O)R、−NRC(O)NR、−NRC(O)OR、−SR、−S(O)R、−S(O)NR、−S(O)、−S(O)NR、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール及びアリールからなる群から選択され、
は、任意にR2aで置換されている、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール及びアリールからなる群から選択され、R2aは、水素、ハロゲン、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、ハロゲン化C1〜6アルキル、−CN、−NO、−OR、−C(O)R、−C(O)OR、−OC(O)R、−C(O)NR、−OC(O)NR、−NR、−NRC(O)R、−NRC(O)NR、−NRC(O)OR、−SR、−S(O)R、−S(O)NR、−S(O)、−S(O)NR、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール及びアリールからなる群から選択され、
は、水素、C1〜6アルキル及びシクロアルキルからなる群から選択され、
は、水素、C1〜6アルキル、ハロゲン化C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシC1〜6アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール及びアリールからなる群から選択され、
は、水素、C1〜6アルキル、ハロゲン化C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール及びアリールからなる群から選択され、
、R及びRは互いに独立に水素、C1〜6アルキル、ハロゲン化C1〜6アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール及びアリールからなる群から選択され、
mは0、1、2、3、4又は5であり、
nは0、1、2、3、4又は5である。
【0017】
2.実施形態1に記載の化合物、その薬学的に許容される塩及び立体異性体であって、
式中、
【0018】
【化4】
【0019】
は、シス異性体、トランス異性体又はシス異性体とトランス異性体の混合物であり、
X及びYは互いに独立にCH又はNであり、
ZはO又はSであり、
は、任意にR1aで置換されている、3〜14員シクロアルキル、3〜14員ヘテロシクリル及び5〜14員ヘテロアリールからなる群から選択され、R1aは、水素、ハロゲン、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、ハロゲン化C1〜6アルキル、−CN、−NO、−OR、−C(O)R、−C(O)OR、−OC(O)R、−C(O)NR、−OC(O)NR、−NR、−NRC(O)R、−NRC(O)NR、−NRC(O)OR、−SR、−S(O)R、−S(O)NR、−S(O)、−S(O)NR、3〜8員シクロアルキル、3〜8員ヘテロシクリル、5〜8員ヘテロアリール及び6〜14員アリールからなる群から選択され、
は、任意にR2aで置換されている、3〜8員シクロアルキル、3〜14員ヘテロシクリル、5〜14員ヘテロアリール及び6〜14員アリールからなる群から選択され、R2aは、水素、ハロゲン、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、ハロゲン化C1〜6アルキル、−CN、−NO、−OR、−C(O)R、−C(O)OR、−OC(O)R、−C(O)NR、−OC(O)NR、−NR、−NRC(O)R、−NRC(O)NR、−NRC(O)OR、−SR、−S(O)R、−S(O)NR、−S(O)、−S(O)NR、3〜8員シクロアルキル、3〜8員ヘテロシクリル、5〜8員ヘテロアリール及び6〜14員アリールからなる群から選択され、
は、水素、C1〜6アルキル及び3〜8員シクロアルキルからなる群から選択され、
は、水素、C1〜6アルキル、ハロゲン化C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシC1〜6アルキル、3〜8員シクロアルキル、3〜8員ヘテロシクリル、5〜8員ヘテロアリール及び6〜14員アリールからなる群から選択され、
は、水素、C1〜6アルキル、ハロゲン化C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、3〜8員シクロアルキル、3〜8員ヘテロシクリル、5〜8員ヘテロアリール及び6〜14員アリールからなる群から選択され、
、R及びRは互いに独立に水素、C1〜6アルキル、ハロゲン化C1〜6アルキル、3〜8員シクロアルキル、3〜8員ヘテロシクリル、5〜8員ヘテロアリール及び6〜14員アリールからなる群から選択され、
mは0、1、2、3、4又は5であり、
nは0、1、2、3、4又は5である。
【0020】
3.以下の式IIの構造を有する、実施形態2に記載の化合物、その薬学的に許容される塩及び立体異性体であって、
【0021】
【化5】
【0022】
式中、
【0023】
【化6】
【0024】
は、シス異性体、トランス異性体又はシス異性体とトランス異性体の混合物であり、
は、任意にR1aで置換されている、3〜12員ヘテロシクリル及び5〜12員ヘテロアリールからなる群から選択され、R1aは、水素、ハロゲン、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、ハロゲン化C1〜6アルキル、−CN、−NO、−OR、−C(O)R、−C(O)OR、−OC(O)R、−C(O)NR、−OC(O)NR、−NR、−NRC(O)R、−NRC(O)NR、−NRC(O)OR、−SR、−S(O)R、−S(O)NR、−S(O)、−S(O)NR、3〜8員シクロアルキル、3〜8員ヘテロシクリル、5〜8員ヘテロアリール及び6〜14員アリールからなる群から選択され、
は、任意にR2aで置換されている、6〜14員アリール及び5〜12員ヘテロアリールからなる群から選択され、R2aは、水素、ハロゲン、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、ハロゲン化C1〜6アルキル、−CN、−NO、−OR、−C(O)R、−C(O)OR、−OC(O)R、−C(O)NR、−OC(O)NR、−NR、−NRC(O)R、−NRC(O)NR、−NRC(O)OR、−SR、−S(O)R、−S(O)NR、−S(O)、−S(O)NR、3〜8員シクロアルキル、3〜8員ヘテロシクリル、5〜8員ヘテロアリール及び6〜14員アリールからなる群から選択され、
は水素又はC1〜6アルキルであり、
は、水素、C1〜6アルキル、ハロゲン化C1〜6アルキル及びC1〜6アルコキシC1〜6アルキルからなる群から選択され、
は、水素、C1〜6アルキル、ハロゲン化C1〜6アルキル及びC1〜6アルコキシからなる群から選択され、
、R及びRは互いに独立に水素、C1〜6アルキル及びハロゲン化C1〜6アルキルからなる群から選択され、
mは0、1、2又は3であり、
nは0、1、2又は3である。
【0025】
は、更に好ましくは、任意にR1aで置換されている、3〜8員ヘテロシクリル、5〜6員ヘテロアリール、6〜12員オルトヘテロシクリル、6〜12員架橋ヘテロシクリル及び6〜12員スピロヘテロシクリルからなる群から選択され、R1aは上で定義したとおりである。
【0026】
は、更に好ましくは、任意にR1aで置換されている、4〜6員飽和ヘテロシクリル、8員飽和オルトヘテロシクリル及び7〜8員飽和架橋ヘテロシクリル及び7員飽和スピロヘテロシクリルからなる群から選択され、R1aは、水素、ハロゲン、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、ハロゲン化C1〜6アルキル、−CN、−NO、−OR、−C(O)R、−C(O)OR、−OC(O)R、−C(O)NR、−OC(O)NR、−NR、−NRC(O)R、−NRC(O)NR、−NRC(O)OR、−SR、−S(O)R、−S(O)NR、−S(O)及び−S(O)NRからなる群から選択され、
は、水素、C1〜6アルキル、ハロゲン化C1〜6アルキル及びC1〜6アルコキシC1〜6アルキルからなる群から選択され、
は、水素、C1〜6アルキル、ハロゲン化C1〜6アルキル及びC1〜6アルコキシからなる群から選択され、
、R及びRは互いに独立に水素、C1〜6アルキル及びハロゲン化C1〜6アルキルからなる群から選択される。
【0027】
好ましくは、Rは、
【0028】
【化7】
【0029】
であり、環Aは3〜12員モノ、オルト、スピロ又は架橋ヘテロシクリルであり、
は6〜14員アリールである。
【0030】
好ましくは、Rは、
【0031】
【化8】
【0032】
であり、環Aは、3〜8員モノヘテロシクリル、6〜12員オルトヘテロシクリル、6〜12員架橋ヘテロシクリル及び6〜12員スピロヘテロシクリルからなる群から選択され、
はフェニルである。
【0033】
好ましくは、Rは、
【0034】
【化9】
【0035】
であり、環Aは、4〜6員飽和ヘテロシクリル、8員飽和オルトヘテロシクリル、7〜8員飽和架橋ヘテロシクリル及び7員飽和スピロヘテロシクリルからなる群から選択され、
はフェニルである。
【0036】
4.実施形態3に記載の化合物、その薬学的に許容される塩及び立体異性体であって、
式中、Rは、
【0037】
【化10】
【0038】
であり、T及びTは互いに独立にCR4’、NR又はOからなる群から選択され、t及びtは互いに独立に0、1、2又は3であり、tとtは同時に0に等しいことはなく、Rは任意にR1aで置換されており、R1aは、水素、ハロゲン、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、ハロゲン化C1〜6アルキル、−CN、−NO、−OR、−C(O)R、−C(O)OR、−OC(O)R、−C(O)NR、−OC(O)NR、−NR、−NRC(O)R、−NRC(O)NR、−NRC(O)OR、−SR、−S(O)R、−S(O)NR、−S(O)、−S(O)NR、5〜7員シクロアルキル、5〜7員ヘテロシクリル、5〜7員ヘテロアリール及びフェニルからなる群から選択され、R及びR4’は互いに独立に水素又はC1〜6アルキルであり、
は、任意にR2aで置換されているフェニルであり、R2aは、水素、ハロゲン及びC1〜6アルキルからなる群から選択され、
は、水素、C1〜6アルキル、ハロゲン化C1〜6アルキル及びC1〜6アルコキシC1〜6アルキルからなる群から選択され、
は、水素、C1〜6アルキル、ハロゲン化C1〜6アルキル及びC1〜6アルコキシからなる群から選択され、
、R及びRは互いに独立に水素、C1〜6アルキル及びハロゲン化C1〜6アルキルからなる群から選択される。
【0039】
5.実施形態4に記載の化合物、その薬学的に許容される塩及び立体異性体であって、
式中、Rは、
【0040】
【化11】
【0041】
であり、t及びtは互いに独立に0、1、2又は3であり、tとtは同時に0に等しいことはなく、Rは任意にR1aで置換されており、R1aは、水素、ハロゲン、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、ハロゲン化C1〜6アルキル、−CN、−NO、−OR、−C(O)R、−C(O)OR、−OC(O)R、−C(O)NR、−OC(O)NR、−NR、−NRC(O)R、−NRC(O)NR、−NRC(O)OR、−SR、−S(O)R、−S(O)NR、−S(O)及び−S(O)NRからなる群から選択され、R及びR4’は互いに独立に水素又はC1〜6アルキルであり、
は、水素、C1〜6アルキル、ハロゲン化C1〜6アルキル及びC1〜6アルコキシC1〜6アルキルからなる群から選択され、
は、水素、C1〜6アルキル、ハロゲン化C1〜6アルキル及びC1〜6アルコキシからなる群から選択され、
、R及びRは互いに独立に水素、C1〜6アルキル及びハロゲン化C1〜6アルキルからなる群から選択される。
【0042】
好ましくは、Rは、
【0043】
【化12】
【0044】
であり、t及びtは互いに独立に0、1、2又は3であり、tとtは同時に0に等しいことはなく、Rは任意にR1aで置換されており、R1aは、水素、ハロゲン及びC1〜6アルキルからなる群から選択され、
は、任意にR2aで置換されているフェニルであり、R2aは、水素、ハロゲン及びC1〜6アルキルからなる群から選択され、
は水素又はC1〜6アルキルであり、
mは0、1又は2であり、
nは0、1、2、3、4又は5である。
【0045】
6.実施形態3に記載の化合物、その薬学的に許容される塩及び立体異性体であって、
式中、Rは、
【0046】
【化13】
【0047】
であり、環Aは、任意にR1aで置換されている、6〜12員オルトヘテロシクリル、6〜12員架橋ヘテロシクリル及び6〜12員スピロヘテロシクリルからなる群から選択され、R1aは、水素、ハロゲン、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、ハロゲン化C1〜6アルキル、−CN、−NO、−OR、−C(O)R、−C(O)OR、−OC(O)R、−C(O)NR、−OC(O)NR、−NR、−NRC(O)R、−NRC(O)NR、−NRC(O)OR、−SR、−S(O)R、−S(O)NR、−S(O)、−S(O)NR、5〜7員シクロアルキル、5〜7員ヘテロシクリル、5〜7員ヘテロアリール及びフェニルからなる群から選択され、
は、任意にR2aで置換されているフェニルであり、R2aは、水素、ハロゲン及びC1〜6アルキルからなる群から選択され、
は、水素、C1〜6アルキル、ハロゲン化C1〜6アルキル及びC1〜6アルコキシC1〜6アルキルからなる群から選択され、
は、水素、C1〜6アルキル、ハロゲン化C1〜6アルキル及びC1〜6アルコキシからなる群から選択され、
、R及びRは互いに独立に水素、C1〜6アルキル及びハロゲン化C1〜6アルキルからなる群から選択される。
【0048】
7.実施形態6に記載の化合物、その薬学的に許容される塩及び立体異性体であって、
式中、Rは、
【0049】
【化14】
【0050】
であり、環Aは、任意にR1aで置換されている、6〜12員飽和オルトヘテロシクリル、6〜12員飽和架橋ヘテロシクリル及び6〜12員飽和スピロヘテロシクリルからなる群から選択され、R1aは、水素、ハロゲン、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、ハロゲン化C1〜6アルキル、−CN、−NO、−OR、−C(O)R、−C(O)OR、−OC(O)R、−C(O)NR、−OC(O)NR、−NR、−NRC(O)R、−NRC(O)NR、−NRC(O)OR、−SR、−S(O)R、−S(O)NR、−S(O)及び−S(O)NRからなる群から選択され、
は、水素、C1〜6アルキル、ハロゲン化C1〜6アルキル及びC1〜6アルコキシC1〜6アルキルからなる群から選択され、
は、水素、C1〜6アルキル、ハロゲン化C1〜6アルキル及びC1〜6アルコキシからなる群から選択され、
、R及びRは互いに独立に水素、C1〜6アルキル及びハロゲン化C1〜6アルキルからなる群から選択される。
【0051】
8.実施形態3に記載の化合物、その薬学的に許容される塩及び立体異性体であって、
は、任意にR1aで置換されている5〜6員ヘテロアリールであり、R1aは、水素、ハロゲン、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、ハロゲン化C1〜6アルキル、−CN、−NO、−OR、−C(O)R、−C(O)OR、−OC(O)R、−C(O)NR、−OC(O)NR、−NR、−NRC(O)R、−NRC(O)NR、−NRC(O)OR、−SR、−S(O)R、−S(O)NR、−S(O)、−S(O)NR、5〜7員シクロアルキル、5〜7員ヘテロシクリル、5〜7員ヘテロアリール及びフェニルからなる群から選択され、
は、任意にR2aで置換されているフェニルであり、R2aは、水素、ハロゲン及びC1〜6アルキルからなる群から選択され、
は、水素、C1〜6アルキル、ハロゲン化C1〜6アルキル及びC1〜6アルコキシC1〜6アルキルからなる群から選択され、
は、水素、C1〜6アルキル、ハロゲン化C1〜6アルキル及びC1〜6アルコキシからなる群から選択され、
、R及びRは互いに独立に水素、C1〜6アルキル及びハロゲン化C1〜6アルキルからなる群から選択される。
【0052】
9.実施形態3に記載の化合物、その薬学的に許容される塩及び立体異性体であって、
は、任意にR1aで置換されている、
【0053】
【化15】
【0054】
からなる群から選択され、R1aは、水素、ハロゲン、C1〜4アルキル、ハロゲン化C1〜4アルキル、−CN、−NO、−OR、−C(O)R、−C(O)OR、−OC(O)R、−C(O)NR、−OC(O)NR、−NR、−NRC(O)R、−NRC(O)NR、−NRC(O)OR、−S(O)及び−S(O)NRからなる群から選択され、
は、任意にR2aで置換されているフェニルであり、R2aは、水素、ハロゲン及びC1〜4アルキルからなる群から選択され、
は水素又はC1〜4アルキルであり、
、R、R、R及びRは互いに独立に水素又はC1〜4アルキルであり、
mは0、1、2又は3であり、
nは0、1、2又は3である。
【0055】
は、好ましくは、任意にR1aで置換されている、
【0056】
【化16】
【0057】
からなる群から選択され、R1aは、水素、ハロゲン、C1〜4アルキル、ハロゲン化C1〜4アルキル、−CN、−NO、−OR、−C(O)R、−C(O)OR、−OC(O)R、−C(O)NR、−NR、−NRC(O)R、−S(O)及び−S(O)NRからなる群から選択され、
、R、R、R及びRは互いに独立に水素又はC1〜4アルキルである。
【0058】
好ましくは、Rは、任意にR1aで置換されている、
【0059】
【化17】
【0060】
からなる群から選択され、R1aは、水素、ハロゲン及びC1〜4アルキルからなる群から選択される。
【0061】
好ましくは、任意にRは、R1aで置換されている、
【0062】
【化18】
【0063】
からなる群から選択され、R1aは、水素、ハロゲン及びC1〜4アルキルからなる群から選択される。
【0064】
以下の化合物、その薬学的に許容される塩及び立体異性体が本願において提供される。
【0065】
【表1】
【表2】
【表3】
【0066】
本発明の別の技術的解決策は、1種以上の薬学的に許容される担体を場合によっては含むことができ、任意の薬学的に許容される剤形にすることができる、式I及び式IIの化合物、薬学的に許容されるその塩、並びにその立体異性体を含む、医薬組成物を提供する。医薬組成物は、経口、非経口、直腸、肺投与などの任意の適切な投与方法によって、こうした処置を必要とする患者又は対象に投与することができる。経口投与の場合、医薬組成物を錠剤、カプセル剤、丸剤、顆粒剤などの従来の固体製剤、又は経口液剤、経口懸濁液剤などの経口液体製剤、シロップ剤などに調製することができる。経口製剤を調製するときには、適切な充填剤、結合剤、崩壊剤、潤滑剤などを添加することができる。非経口投与の場合、医薬組成物は、注射液剤、注射用無菌散剤及び注射用濃縮液剤を含めて、注射剤として調製することができる。注射剤を調製するときには、先行技術における従来法によってそれを製造することができる。注射剤は、追加の剤なしで調製することができ、又は薬物の性質に応じて適切な添加剤と一緒に調製することができる。直腸投与の場合、医薬組成物を坐剤などとして処方することができる。肺投与の場合、医薬組成物を吸入剤、噴霧剤などとして処方することができる。
【0067】
本発明の別の技術的解決策は、IDO異常によって媒介される疾患、特に癌関連腫瘍特異的免疫抑制を処置するための医薬品の製造における、式I及び式IIの化合物、薬学的に許容される塩、並びにその立体異性体の使用を提供する。
【0068】
IDO異常によって媒介される疾患は、感染症、神経系疾患、癌又は非癌性増殖性疾患である。感染症としては、インフルエンザウイルス、C型肝炎ウイルス(HCV:hepatitis C virus)、ヒトパピローマウイルス(HPV)、サイトメガロウイルス(CMV)、E−Bウイルス(EBV)、ポリオウイルス、水痘帯状疱疹ウイルス、コクサッキーウイルス又はヒト免疫不全ウイルス(HIV:human immunodeficiency virus)の感染に起因するものが挙げられる。神経系疾患としては、アルツハイマー病、欝病が挙げられる。癌としては、肺癌、扁平上皮癌、膀胱癌、胃癌、卵巣癌、腹膜癌、乳癌、乳房の腺管癌、頭頚部癌、子宮内膜癌、子宮体癌、直腸癌、肝癌、腎癌、腎盂癌、食道癌、食道腺癌、神経膠腫、前立腺癌、甲状腺癌、女性生殖器系癌、上皮内癌、リンパ腫、神経線維腫症、骨癌、皮膚癌、脳腫瘍、結腸癌、精巣癌、消化管間質腫瘍、口腔癌、咽頭癌、多発性骨髄腫、白血病、非ホジキンリンパ腫、大腸絨毛腺腫、黒色腫、細胞腫及び肉腫が挙げられる。非癌性増殖性疾患とは、免疫機能不全又は高い免疫グロブリンレベルを示す、免疫器官、免疫組織又は免疫細胞の異常な過形成に起因するもの(良性又は悪性を含む)、例えば、骨髄増殖性疾患及びリンパ増殖性疾患を指す。
【発明を実施するための形態】
【0069】
本発明では「ハロゲン」とは、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など、好ましくはフッ素原子又は塩素原子を指す。
【0070】
本明細書では「ハロゲン化」は、置換基中の任意の炭素原子が1個以上の同じ又は異なるハロゲンで置換され得ることを意味する。「ハロゲン」は上で定義したとおりである。
【0071】
本発明では「C1〜6アルキル」とは、メチル、エチル、n−プロピル又はイソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、2−メチルブチル、ネオペンチル、1−エチルプロピル、n−ヘキシル、イソヘキシル、4−メチルペンチル、3−メチルペンチル、2−メチルペンチル、1−メチルペンチル、3,3−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、1,1−ジメチルブチル、1,2−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチル、2,3−ジメチルブチル、2−エチルブチル、1−メチル−2−メチルプロピルなどの1〜6個の炭素原子を有するアルカン部分から1個以上の水素原子を除去することによって誘導される線状又は分枝アルキルを指す。「C1〜4アルキル」は、1〜4個の炭素原子を含む上記例を意味する。
【0072】
本発明では「C2〜6アルケニル」とは、ビニル、1−プロペニル、2−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、1,3−ブタジエニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、1,3−ペンタジエニル、1,4−ペンタジエニル、1−ヘキセニル、1,4−ヘキサジエニルなど、少なくとも1個の炭素−炭素二重結合を含む2〜6個の炭素原子を有するオレフィン部分から1個以上の水素原子を除去することによって誘導される線状又は分枝アルケニルを指す。
【0073】
本発明では「C2〜6アルキニル」とは、エチニル、プロピニル、2−ブチニル、2−ペンチニル、3−ペンチニル、4−メチル−2−ペンチニル、2−ヘキシニル、3−ヘキシニルなど少なくとも1個の炭素−炭素三重結合を含む2〜6個の炭素原子を有するアルキン部分から1個以上の水素原子を除去することによって誘導される線状又は分枝アルキニルを指す。
【0074】
本発明では「C1〜6アルコキシ」とは、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、tert−ブトキシ、n−ペンチルオキシ、ネオペンチルオキシ、n−ヘキシルオキシなど、上で定義した「C1〜6アルキル」が酸素原子を介して親分子部分に結合した基、すなわち、「C1〜6アルキル−O−」基を指す。「C1〜4アルコキシ」とは、1〜4個の炭素原子を有する上記例、すなわち、「C1〜4アルキル−O−」基を指す。
【0075】
本発明では「縮合環」とは、オルト、スピロ又は架橋結合によって結合された2個以上の環状構造を連結することによって形成される多環式環構造を指す。オルト環状構造とは、2個の隣接する環原子を互いに共有する(すなわち、1個の結合を共有する)2個以上の環構造によって形成される縮合環構造を指す。架橋環状構造とは、2個の非隣接環原子を互いに共有する2個以上の環状構造によって形成される縮合環構造を指す。スピロ環状構造とは、1個の環原子を互いに共有する2個以上の環構造によって形成される縮合環構造を指す。
【0076】
本発明の「シクロアルキル」は、飽和、部分飽和又は不飽和であり得るが、芳香族ではない、単環式シクロアルキル基又は縮合シクロアルキル基を含めて、3〜14員シクロアルキル基であり得る。単環式シクロアルキル基は、3〜8員シクロアルキル基又は5〜7員シクロアルキル基とすることができ、その例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、1,4−シクロヘキサジエニル、シクロヘプテニル、1,4−シクロヘプタジエニル、シクロオクテニル、1,5−シクロオクタジエニルなどが挙げられるが、それらに限定されない。縮合シクロアルキル基としては、オルトシクロアルキル基、架橋シクロアルキル基、スピロシクロアルキル基が挙げられ、飽和、部分飽和又は不飽和であり得るが、芳香族ではない。
【0077】
オルトシクロアルキル基は、6〜12員オルトシクロアルキル基、7〜10員オルトシクロアルキル基とすることができ、その例としては、ビシクロ[3.1.1]ヘプチル、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル、ビシクロ[2.2.2]オクチル、ビシクロ[3.2.2]ノナニル、ビシクロ[3.3.1]ノナニル及びビシクロ[4.2.1]ノナニルが挙げられるが、それらに限定されない。
【0078】
スピロ環式基は6〜12員スピロ環式基、7〜11員スピロ環式基とすることができ、その例としては、以下が挙げられるが、それらに限定されない。
【0079】
【化19】
【0080】
架橋環式基は6〜12員架橋環式基、7〜11員架橋環式基とすることができ、その例としては、以下が挙げられるが、それらに限定されない。
【0081】
【化20】
【0082】
本発明では「ヘテロシクリル」又は「ヘテロシクリル」は、炭素原子又は硫黄原子がオキソで置換された、例えば、炭素原子がC(O)、S(O)又はS(O)で置換された場合を含めて、少なくとも1個の環炭素原子がO、S及びNから選択されるヘテロ原子で置換された、好ましくは1〜3個のヘテロ原子を含む、非芳香族環式基を意味する。
【0083】
「ヘテロシクリル」は、3〜14員ヘテロシクリル又は3〜12員ヘテロシクリルとすることができ、モノヘテロシクリル又は縮合ヘテロシクリルを含む。モノヘテロシクリルは、3〜8員ヘテロシクリル、3〜8員飽和ヘテロシクリル、3〜6員ヘテロシクリル、4〜6員ヘテロシクリル、5〜7員ヘテロシクリル、5〜6員ヘテロシクリル、5〜6員酸素含有ヘテロシクリル、5〜6員窒素含有ヘテロシクリル、5〜6員飽和ヘテロシクリル、5〜7員飽和ヘテロシクリルなどとすることができる。その例としては、アジリジニル、2H−アジリジニル、ジアジリジニル、3H−ジアジリニル、アゼチジニル、1,4−ジオキサニル、1,3−ジオキサニル、1,3−ジオキソリル、1,4−ジオキサジエニル、テトラヒドロフラニル、ジヒドロピロリル、ピロリジニル、イミダゾリジニル、4,5−ジヒドロイミダゾリル、ピラゾリジニル、4,5−ジヒドロピラゾリル、2,5−ジヒドロチエニル、テトラヒドロチオフェニル、4,5−ジヒドロチアゾリル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、ヘキサヒドロピリミジニル、ヘキサヒドロピリダジニル、4,5−ジヒドロオキサゾリル、4,5−ジヒドロイソオキサゾリル、2,3−ジヒドロイソオキサゾリル、2H−1,2−オキサジニル、6H−1,3−オキサジニル、4H−1,3−チアジニル、6H−1,3−チアジニル、2H−ピラニル、2H−ピラン−2−オン、3,4−ジヒドロ−2H−ピラニル、1,1−ジオキソテトラヒドロチオピラニル、1,1−ジオキソテトラヒドロチオフェニル、チエタン1,1−ジオキシドなどが挙げられるが、それらに限定されない。
【0084】
縮合ヘテロシクリルとしては、オルトヘテロシクリル、スピロヘテロシクリル、架橋ヘテロシクリルが挙げられ、飽和、部分飽和又は不飽和であり得るが、芳香族ではない。
【0085】
オルトヘテロシクリルは、6〜12員オルトヘテロシクリル、7〜10員オルトヘテロシクリル、6〜12員飽和オルトヘテロシクリル、7〜8員飽和オルトヘテロシクリル及び8員飽和オルトヘテロシクリルとすることができ、その例としては、3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキシル、3,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプチル、3,8−ジアザビシクロ[4.2.0]オクチル、3,7−ジアザビシクロ[4.2.0]オクチル、オクタヒドロピロロ[3,4−c]ピロリル、オクタヒドロピロロ[3,4−b]ピロリル、オクタヒドロピロロ[3,4−b][1,4]オキサジニル、オクタヒドロ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジニル、2,3−ジヒドロベンゾフラン−2−イル、2,3−ジヒドロベンゾフラン−3−イル、インドリン−1−イル、インドリン−2−イル、インドリン−3−イル、2,3−ジヒドロベンゾチエン−2−イル、オクタヒドロ−1H−インドリル、オクタヒドロベンゾフラニル、オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロリル、ヘキサヒドロシクロペンタ[c]フラニル、2,2−ジオキソヘキサヒドロシクロペンタ[c]チエニルが挙げられるが、それらに限定されない。
【0086】
スピロヘテロシクリルは、6〜12員スピロヘテロシクリル、7〜11員スピロヘテロシクリル、6〜12員飽和スピロヘテロシクリル、7員飽和スピロヘテロシクリルとすることができ、その例としては、以下が挙げられるが、それらに限定されない。
【0087】
【化21】
【0088】
架橋ヘテロシクリルは、6〜12員架橋ヘテロシクリル、7〜11員架橋ヘテロシクリル、6〜12員飽和架橋環式基及び7〜8員飽和架橋環式基とすることができ、その例としては、以下が挙げられるが、それらに限定されない。
【0089】
【化22】
【0090】
アリール基は、6〜8員単環式アリール基及び8〜14員縮合アリール基を含めた芳香族炭素環式基を意味する。6〜8員単環式アリール基は、例えば、フェニル、シクロオクタテトラエニルなどである。8〜14員縮合アリール基は、例えば、ナフタレン、フェナントレンなどである。
【0091】
本発明では「ヘテロアリール」は、5〜14員ヘテロアリールとすることができ、炭素原子又は硫黄原子が酸化された、例えば、炭素原子がC(O)、S(O)又はS(O)2で置換された場合を含めて、少なくとも1個の環炭素原子がO、S、Nから選択されるヘテロ原子で置換された、好ましくは1〜3個のヘテロ原子を含む、芳香族環式基を意味する。ヘテロアリール基としては、モノヘテロアリール及び縮合ヘテロアリールが挙げられる。モノヘテロアリール基は、5〜7員ヘテロアリール基、5〜6員ヘテロアリール基とすることができ、その例としては、フリル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ピリジル、ピリジノニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピラゾリル、ピロリル、テトラゾリル、チアジアゾリル、チアゾリル、チエニル、トリアゾリル及びトリアジニルが挙げられるが、それらに限定されない。縮合ヘテロアリール基は、8〜12員オルトヘテロアリール基、9〜10員オルトヘテロアリール基とすることができ、その例としては、ベンゾイミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾオキサジアゾリル、ベンゾチアゾリル、シンノリニル、オキサゾリル、インドリル、イソキノリル、ナフチリジニル、プリニル及びキノリルが挙げられるが、それらに限定されない。
【0092】
本明細書では「薬学的に許容される塩」とは、式I又は式IIの化合物の薬学的に許容される酸及び塩基の付加塩を指す。酸性官能基(−COOH、−OH、−SOHなど)が化合物中に存在する場合、「薬学的に許容される塩」としては、アルカリ金属又はアルカリ土類金属と一緒に形成される塩、アンモニウム塩、及び窒素含有有機アルカリと一緒に形成される塩を含めて、適切な無機又は有機カチオン(アルカリ)と一緒に形成される塩が挙げられる。アルカリ官能基(−NHなど)が化合物中に存在する場合、「薬学的に許容される塩」としては、無機又は有機酸と一緒に形成される塩を含めて、適切な無機又は有機アニオン(酸)と一緒に形成される塩が挙げられる。こうした「薬学的に許容される塩」としては、塩酸、リン酸、臭化水素酸、硫酸、亜硫酸、ギ酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、硝酸、安息香酸、クエン酸、酒石酸、マレイン酸、ヨウ化水素酸、アルカン酸(酢酸、HOOC−(CH−COOH(nは0〜4である)など)などの酸から誘導される塩、ナトリウム、カリウム、カルシウム、アンモニウムなどの塩基から誘導される塩が挙げられるが、それらに限定されない。
【0093】
本発明では「立体異性体」という用語は、鏡像異性体が式I又は式IIの化合物中の不斉炭素原子のために生成され得る、シス−トランス異性体が化合物中の炭素−炭素二重結合又は環状構造のために生成され得る、互変異性体が化合物中のケトン又はオキシムのために生成され得ることを意味する。式I又は式IIの化合物の鏡像異性体、ジアステレオマー、ラセミ異性体、シス−トランス異性体、互変異性体、幾何異性体及びエピマー並びにそれらの混合物のすべてが本発明の範囲に含まれる。
【0094】
例えば、
【0095】
【化23】
【0096】
が存在する場合、
【0097】
【化24】
【0098】
が生成され得る。
【0099】
【化25】
【0100】
が存在する場合、
【0101】
【化26】
【0102】
が生成され得る。
【0103】
実施形態
EA:酢酸エチル
PE:石油エーテル
DMA:N,N−ジメチルアセトアミド
THF:テトラヒドロフラン
DCM:ジクロロメタン
TEA:トリエタノールアミン
TFA:トリフルオロ酢酸
調製例1:4−アミノ−N−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−N’−ヒドロキシ−1,2,5−オキサジアゾール−3−ホルムアミジンの合成
【0104】
【化27】
【0105】
ステップ1:4−アミノ−N’−ヒドロキシ−1,2,5−オキサジアゾール−3−ホルムアミジンの合成
【0106】
【化28】
【0107】
原料マロノニトリル(50.0g、0.76mol、1.0当量)を四口瓶に添加し、加熱溶解させ(約50℃)、水(0.5L)を添加し、氷水浴中で約10℃に冷却した。亜硝酸ナトリウムを分割添加した(57.72g、0.83mol、1.1当量)。添加後、塩酸(6N、8.5mL)を10℃以下で滴下し、次いで温度が氷水浴中で一定になるまで混合物を0.5時間撹拌した。上記反応溶液をAと称した。HNOH・HCl(158.4g、2.28mol、3.0当量)を水(255mL)に溶解し、水酸化カリウム(127.9g、2.28mol、3.0当量)の水溶液(255mL)をそれに添加した。添加後、混合物を室温(25℃)で10分間撹拌し、上記反応溶液をBと称した。反応溶液Aを氷水浴で0℃〜10℃に冷却し、反応溶液Bを反応溶液Aに滴下した。滴下後、温度が一定になるまで混合物を0.5時間氷水浴中で撹拌し、氷水浴を除去し、混合物を12時間加熱還流させた。反応終了後、塩酸(6N、120mL)を氷水浴(0℃)中で滴下し、pHを7に調節し、撹拌を40分間続け、次いで反応溶液を吸引濾過し、濾過ケークを水洗し、減圧乾燥させて、目的化合物を得た(101g、収率:93.5%)。
【0108】
ステップ2:4−アミノ−N−ヒドロキシ−1,2,5−オキサジアゾール−3−メチルイミドイルクロリドの合成
【0109】
【化29】
【0110】
4−アミノ−N’−ヒドロキシ−1,2,5−オキサジアゾール−3−ホルムアミジン(101g、0.71mol、1.0当量)を反応フラスコに添加し、水(1.4L)と一緒に撹拌し、撹拌しながらHCl(6N、350mL)及びAcOH(710mL)を添加し、加熱し(42℃〜45℃)、溶液が透明になるまで撹拌し、NaCl(124.5g、2.13mol、3.0当量)を添加し、NaNO(48.3g、0.70mol、0.98当量)の水溶液(168mL)を氷水浴下で撹拌しながら3.5時間滴下した。次いで、混合物を氷水浴中で1.5時間撹拌し、撹拌しながら約1時間徐々に室温(25℃)に加温した。反応溶液を吸引濾過した。濾過ケークを水洗し、減圧乾燥させて、4−アミノ−N−ヒドロキシ−1,2,5−オキサジアゾール−3−メチルイミドイルクロリドを得た(粗製36.78g、収率:32%)。
【0111】
ステップ3:4−アミノ−N−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−N’−ヒドロキシ−1,2,5−オキサジアゾール−3−ホルムアミジンの合成
【0112】
【化30】
【0113】
4−アミノ−N−ヒドロキシ−1,2,5−オキサジアゾール−3−メチルイミドイルクロリド(36.78g、0.23mol、1.0当量)を水(318mL)に溶解し、撹拌しながら60℃に加熱した。3−ブロモ−4−フルオロアニリン(47.50g、0.25mol、1.1当量)を60℃で撹拌しながら約10分間添加した。NaHCO(29.40g、0.35mmol、1.5当量)の水溶液(318mL)を20分間滴下した。添加終了後、混合物を60℃で30分間撹拌し、室温に冷却し、反応溶液を吸引濾過し、濾過ケークを水洗し、減圧乾燥させ、水で終夜スラリー化し、翌日に吸引濾過して、灰色固体を得、それを乾燥させて目的生成物を得た。(61.21g、収率:84.2%)。
【0114】
【数1】
【0115】
調製例2:4−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−3−(4−ニトロ−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−5(4H)−オンの合成
【0116】
【化31】
【0117】
ステップ1:3−(4−アミノ−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)−4−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−1,2,4−オキサジアゾール−5(4H)−オンの合成
【0118】
【化32】
【0119】
4−アミノ−N−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−N’−ヒドロキシ−1,2,5−オキサジアゾール−3−ホルムアミジン(5.0g、15.8mmol、1.0当量)を酢酸エチル(65mL)に溶解し、カルボニルジイミダゾール(3.85g、23.7mmol、1.5当量)を添加し、混合物を60℃で加熱し、0.5時間反応させた。反応を終了までTLCでモニターした。反応溶液を室温に冷却し、1mol/L塩酸(65mL×2)で洗浄し、有機相を混合し、分離し、濃縮乾固した。生成した粗生成物をメチルtert−ブチルエーテルを用いてスラリー化し、吸引濾過して、3−(4−アミノ−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)−4−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−1,2,4−オキサジアゾール−5(4H)−オンを得た(3.53g、収率:65%)。
【0120】
ステップ2:4−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−3−(4−ニトロ−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−5(4H)−オンの合成
【0121】
【化33】
【0122】
3−(4−アミノ−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)−4−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−1,2,4−オキサジアゾール−5(4H)−オン(264mg、0.8mmol、1.0当量)をトリフルオロ酢酸(5mL)に溶解し、過酸化水素(3mL、30%)を添加し、45℃で18時間反応させた。反応を終了までTLCでモニターした。反応溶液を室温に冷却し、気泡が発生しなくなるまで飽和炭酸水素ナトリウム溶液を氷水浴中で添加し、EA(3×30mL)を添加して抽出した。生成した混合物を、無水硫酸ナトリウムを用いて脱水し、吸引濾過し、濾液を濃縮して粗製材料を得、それをシリカゲルカラムクロマトグラフィ(PE:EA=10:1〜2:1)によって精製して、4−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−3−(4−ニトロ−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−5(4H)オンを得た(189.9mg、収率:66%)。
【0123】
【数2】
【0124】
調製例で調製された4−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−3−(4−ニトロ−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−5(4H)−オンを以下の実施例に使用することができる。
【0125】
実施例1:N−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−N’−ヒドロキシ−4−((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−1,2,5−オキサジアゾール−3−ホルムアミジン(化合物1)の合成
【0126】
【化34】
【0127】
【化35】
【0128】
4−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−3−(4−ニトロ−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−5(4H)−オン(189.9mg、0.51mmol、1.0当量)をTHF(15mL)に溶解し、テトラヒドロ−2H−ピラン−4−アミン(103.2mg、1.02mmol、2.0当量)及び2mol/L水酸化ナトリウム溶液(1.5mL)を添加し、30分間撹拌した。反応を終了までTLCでモニターした。溶液をpH2〜3に1mol/L塩酸溶液で調節し、EA(3×20mL)を添加して抽出し、生成した有機相を混合した。生成した混合物を、無水硫酸マグネシウムを用いて脱水し、濾過し、濃縮して、粗生成物を得、それをシリカゲルカラムクロマトグラフィ(PE:EA=10:1〜1:1)に供して、N−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−N’−ヒドロキシ−4−((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−1,2,5−オキサジアゾール−3−ホルムアミジンを得た(61.3mg、収率:30%)。
【0129】
【数3】
【0130】
実施例2:N−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−4−((1,1−ジオキソテトラヒドロ−2H−チオピラン−4−イル)アミノ)−N’−ヒドロキシ−1,2,5−オキサジアゾール−3−ホルムアミジン(化合物2)の合成
【0131】
【化36】
【0132】
ステップ1:4−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−3−(4−((1,1−ジオキソテトラヒドロ−2H−チオピラン−4−イル)アミノ)−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−5(4H)オンの合成
【0133】
【化37】
【0134】
4−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−3−(4−ニトロ−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−5(4H)−オン(250.4mg、0.67mmol、1.0当量)をDMA(4mL)に溶解し、4−アミノテトラヒドロ−2H−チオピラン−1,1−ジオキシド(200.8mg、1.35mmol、2.0当量)を添加し、撹拌しながら1時間氷浴中で反応させた。反応を終了までTLCでモニターした。生成した混合物に水(30mL)及びEA(3×30mL)を添加して抽出し、生成した有機相を混合した。生成した混合物を、無水硫酸マグネシウムを用いて脱水し、濾過し、濃縮して、粗生成物を得、それをシリカゲルカラムクロマトグラフィ(PE:EA=10:1〜1:1)に供して、4−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−3−(4−((1,1−ジオキソテトラヒドロ−2H−チオピラン−4−イル)アミノ)−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−5(4H)オンを得た(78.9mg、収率:25%)。
【0135】
ステップ2:N−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−4−((1,1−ジオキソテトラヒドロ−2H−チオピラン−4−イル)アミノ)−N’−ヒドロキシ−1,2,5−オキサジアゾール−3−ホルムアミジンの合成
【0136】
【化38】
【0137】
4−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−3−(4−((1,1−ジオキソテトラヒドロ−2H−チオピラン−4−イル)アミノ)−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−5(4H)オン(78.9mg、0.17mmol、1.0当量)をTHF(10mL)に溶解し、2mol/L水酸化ナトリウム溶液(2mL)を添加し、撹拌しながら30分間反応させた。反応を終了までTLCでモニターした。溶液をpH2〜3に1mol/L塩酸溶液で調節し、EA(3×20mL)を添加して抽出し、生成した有機相を混合した。生成した混合物を、無水硫酸マグネシウムを用いて脱水し、濾過し、濃縮して、粗生成物を得、それをシリカゲルカラムクロマトグラフィ(PE:EA=10:1〜1:1)に供して、N−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−4−((1,1−ジオキソテトラヒドロ−2H−チオピラン−4−イル)アミノ)−N’−ヒドロキシ−1,2,5−オキサジアゾール−3−ホルムアミジンを得た(26mg、収率:35%)。
【0138】
【数4】
【0139】
実施例3:N−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−N’−ヒドロキシ−4−((1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル)アミノ)−1,2,5−オキサジアゾール−3−ホルムアミジン(化合物3)の合成
【0140】
【化39】
【0141】
ステップ1:4−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−3−(4−((1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル)アミノ)−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−5(4H)−オンの合成
【0142】
【化40】
【0143】
(化合物4を調製するステップ2で得られた)4−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−3−(4−(ピペリジン−4−イル−アミノ)−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−5(4H)−オン(161.9mg、0.382mmol)をDCM(3mL)に溶解し、トリエチルアミン(116.0mg、1.146mmol、3.0当量)を添加し、塩化メタンスルホニル(62.3mg、0.573mmol、1.5当量)を滴下した。混合物を1時間反応させた。反応を終了までTLCでモニターした。生成した混合物に水(10mL)及びEA(3×15mL)を添加して抽出し、生成した有機相を混合した。生成した混合物を、無水硫酸マグネシウムを用いて脱水し、濾過し、ロータリエバポレータで濃縮して、4−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−3−(4−((1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル)アミノ)−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−5(4H)−オンの粗生成物を得た(170.0mg、収率:88.5%)。
【0144】
ステップ2:N−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−N’−ヒドロキシ−4−((1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル)アミノ)−1,2,5−オキサジアゾール−3−ホルムアミジンの合成
【0145】
【化41】
【0146】
4−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−3−(4−((1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル)アミノ)−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−5(4H)−オン(160.0mg、0.32mmol、1.0当量)をTHF(2mL)に溶解し、水酸化ナトリウム水溶液(10%)(3mL)を添加し、撹拌しながら30分間室温で反応させた。反応を終了までTLCでモニターした。反応混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液で中和し、EA(20mL×3)を添加して抽出し、生成した有機相を混合した。生成した混合物を、無水硫酸マグネシウムを用いて脱水し、濾過し、濾液を濃縮して、粗生成物を得、それをシリカゲルカラムクロマトグラフィ(溶離剤:DCM:MeOH=80:1、60:1)に供して、N−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−N’−ヒドロキシ−4−((1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル)アミノ)−1,2,5−オキサジアゾール−3−ホルムアミジンを得た(35.0mg、収率:23%)。
【0147】
【数5】
【0148】
実施例4:N−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−N’−ヒドロキシ−4−((1−(スルファモイルピリジン−4−イル)アミノ)−1,2,5−オキサジアゾール−3−ホルムアミジン(化合物4)の合成
【0149】
【化42】
【0150】
ステップ1:tert−ブチル4−((4−(4−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)アミノ)ピペリジン−1−ホルマートの合成
【0151】
【化43】
【0152】
4−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−3−(4−ニトロ−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−5(4H)−オン(500.0mg、1.34mmol、1.0当量)をTHF(5mL)に溶解し、tert−ブチル4−アミノピペリジン−1−カルボキシラート(536.4mg、2.68mmol、2.0当量)及びトリエチルアミン(738.7mg、7.3mmol、5.4当量)を添加し、75℃に加熱し、撹拌しながら終夜反応させた。反応を終了までTLCでモニターした。反応混合物に水(15mL)及びEA(3×20mL)を添加して抽出し、生成した有機相を混合した。生成した混合物を、無水硫酸マグネシウムを用いて脱水し、濾過し、濾液を濃縮して、粗生成物を得、それをシリカゲルカラムクロマトグラフィ(PE:EA=10:1〜1:1)に供して、tert−ブチル4−((4−(4−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)アミノ)ピペリジン−1−ホルマートを得た(400.0mg、収率:56.9%)。
【0153】
ステップ2:4−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−3−(4−(ピペリジン−4−イル−アミノ)−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−5(4H)−オンの合成
【0154】
【化44】
【0155】
tert−ブチル4−((4−(4−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)アミノ)ピペリジン−1−ホルマート(400mg、0.76mmol、1.0当量)をDCM(6mL)に溶解し、0℃に冷却し、トリフルオロ酢酸(3mL)を添加し、室温に加温して2時間反応させた。反応を終了までTLCでモニターした。反応溶液を減圧濃縮して、4−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−3−(4−(ピペリジン−4−イル−アミノ)−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−5(4H)−オンを得(380mg、収率:100%として計算)、それを次のステップにそのまま使用した。
【0156】
ステップ3:tert−ブチル((4−((4−(4−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)アミノ)ピペリジン−1−イル)スルホニル)カルバマートの合成
【0157】
【化45】
【0158】
tert−ブタノール(34.1mg、0.46mmol、1.2当量)をDCM(3mL)に溶解し、0℃に冷却し、クロロスルホニルイソシアナート(65.1mg、0.46mmol)を滴下し、0℃で1.5時間反応させた。0℃未満に前もって冷却した4−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−3−(4−(ピペリジン−4−イル−アミノ)−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−5(4H)−オン(161.9mg、0.382mmol、1.0当量)、TEA(116mg、3当量)及びDCM(4mL)の混合物に反応溶液を徐々に滴下した。生成した混合物を2時間0℃で撹拌して反応させた。反応を終了までTLCでモニターした。反応混合物に撹拌しながら水(20mL)を添加し、酢酸エチル(20mL×3)を添加して抽出した。有機相を分離し、混合し、無水硫酸マグネシウムを用いて脱水し、濾過し、濾液を濃縮して、tert−ブチル((4−((4−(4−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)アミノ)ピペリジン−1−イル)スルホニル)カルバマートの粗生成物を得た(240mg、収率:100%として計算)。
【0159】
ステップ4:4−((4−(4−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)アミノ)ピペリジン−1−スルファミドの合成
【0160】
【化46】
【0161】
tert−ブチル((4−((4−(4−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)アミノ)ピペリジン−1−イル)スルホニル)カルバマート(230.3mg)をDCM(4mL)に溶解し、0℃に氷浴中で冷却し、TFA(2mL)を添加し、室温に加温して、2時間撹拌しながら反応させた。反応を終了までTLCでモニターした。反応溶液を減圧濃縮して、4−((4−(4−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)アミノ)ピペリジン−1−スルホンアミドを得(200mg粗製、収率:100%として計算)、それを次のステップに精製せずにそのまま使用した。
【0162】
ステップ5:N−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−N’−ヒドロキシ−4−((1−(スルファモイルピペリジン−4−イル)アミノ)−1,2,5−オキサジアゾール−3−ホルムアミジンの合成
【0163】
【化47】
【0164】
4−((4−(4−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)アミノ)ピペリジン−1−スルホンアミド(192.15mg、粗製)をTHF(3mL)に溶解し、水酸化ナトリウム水溶液(10%)(6mL)を添加し、撹拌しながら1時間室温で反応させた。反応を終了までTLCでモニターした。反応混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液で中和し、EA(20mL×3)を添加して抽出し、生成した有機相を分離し、混合した。生成した混合物を、無水硫酸マグネシウムを用いて脱水し、濾過し、濾液を濃縮して、粗生成物を得、それをシリカゲルカラムクロマトグラフィ(溶離剤:DCM:MeOH=100:1〜80:1)に供して、N−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−N’−ヒドロキシ−4−((1−(スルファモイルピペリジン−4−イル)アミノ)−1,2,5−オキサジアゾール−3−ホルムアミジンを得た(30.0mg、収率:16.5%)。
【0165】
【数6】
【0166】
実施例5:N−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−N’−ヒドロキシ−4−(ピペリジン−4−イル−アミノ)−1,2,5−オキサジアゾール−3−ホルムアミジン(化合物5)の合成
【0167】
【化48】
【0168】
ステップ1:tert−ブチル4−((4−(N−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−N’−ヒドロキシアミジノ)−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)アミノ)ピペリジン−1−ホルマートの合成
【0169】
【化49】
【0170】
4−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−3−(4−ニトロ−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−5(4H)−オン(500.0mg、1.34mmol、1.0当量)をTHF(5mL)に溶解し、tert−ブチル4−アミノピペリジン−1−カルボキシラート(536.4mg、2.68mmol、2.0当量)及びトリエチルアミン(738.7mg、7.3mmol、5.4当量)を添加し、75℃に加熱し、撹拌しながら終夜反応させた。反応を終了までTLCでモニターした。反応混合物に水(15mL)及びEA(3×20mL)を添加して抽出し、生成した有機相を混合した。生成した混合物を無水硫酸マグネシウムを用いて脱水し、濾過し、濃縮して、粗生成物を得、それをシリカゲルカラムクロマトグラフィ(PE:EA=10:1〜1:1)に供して、tert−ブチル4−((4−(N−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−N’−ヒドロキシアミジノ)−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)アミノ)ピペリジン−1−ホルマートを得た(226.0mg、収率:33.9%)。
【0171】
ステップ2:N−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−N’−ヒドロキシ−4−(ピペリジン−4−イル−アミノ)−1,2,5−オキサジアゾール−3−ホルムアミジンの合成
【0172】
【化50】
【0173】
tert−ブチル4−((4−(N−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−N’−ヒドロキシアミジノ)−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)アミノ)ピペリジン−1−ホルマート(100.0mg、0.2mmol、1.0当量)をDCM(2mL)に溶解し、0℃に冷却し、トリフルオロ酢酸(1mL)を添加し、次いで室温に2時間加温した。反応を終了までTLCでモニターした。反応混合物をpH7に飽和炭酸水素ナトリウム溶液で調節し、EA(3×10mL)を添加して抽出し、生成した有機相を混合した。生成した混合物を、無水硫酸ナトリウムを用いて脱水して、粗生成物を得、それをシリカゲルカラムクロマトグラフィ(EA:MeOH=30:1、20:1、10:1)に供して、N−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−N’−ヒドロキシ−4−(ピペリジン−4−イル−アミノ)−1,2,5−オキサジアゾール−3−ホルムアミジンを得た(20.0mg、収率:25.0%)。
【0174】
【数7】
【0175】
実施例6:N−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−N’−ヒドロキシ−4−((2−(メチルスルホニル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール−5−イル)アミノ)−1,2,5−オキサジアゾール−3−ホルムアミジン(化合物8)の合成
【0176】
【化51】
【0177】
ステップ1:tert−ブチル5−((4−(4−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)アミノ)ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール−2(1H)−カルボキシラートの合成
【0178】
【化52】
【0179】
4−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−3−(4−ニトロ−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−5(4H)−ケトン(543.0mg、1.5mmol、1.0当量)をTHF(6.0mL)に溶解し、tert−ブチル5−アミノヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール−2(1H)−カルボキシラート(575.3mg、2.2mmol、1.5当量)及びトリエチルアミン(819.6mg、8.1mmol、5.4当量)を添加し、撹拌しながら1.0時間反応させた。反応を終了までTLCでモニターした。反応混合物に水15.0mL及び酢酸エチル6.0mLを添加し、分離させた。水相を酢酸エチル(2×6.0mL)で抽出した。有機相を混合し、飽和塩水(15.0mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを用いて脱水し、濾過し、濃縮して、tert−ブチル5−((4−(4−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)アミノ)ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール−2(1H)−カルボキシラートを得た(810.6mg、収率:100%)。
【0180】
ステップ2:4−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−3−(4−((オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール−5−イル)アミノ)−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−5(4H)−オンの合成
【0181】
【化53】
【0182】
tert−ブチル5−((4−(4−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)アミノ)ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール−2(1H)−カルボキシラート(581.0mg、1.1mmol、1.0当量)を、DCM(6.0mL)に溶解し、トリフルオロ酢酸(3.0mL)を添加し、室温で2.0時間撹拌した。反応を終了までTLCでモニターした。反応溶液を濃縮乾固させ、飽和炭酸水素ナトリウム(10.0mL)を添加して中性pHにし、酢酸エチル(3×5.0mL)を添加して抽出した。有機相を混合し、飽和塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを用いて脱水し、濾過し、濃縮して、4−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−3−(4−((オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール−5−イル)アミノ)−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−5(4H)−オンを得た(278.9mg、収率:56.2%)。
【0183】
ステップ3:4−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−3−(4−((2−(メチルスルホニル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール−5−イル)アミノ)−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−5(4H)−オンの合成
【0184】
【化54】
【0185】
4−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−3−(4−((オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール−5−イル)アミノ)−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−5(4H)−オン(230.1mg、0.51mmol、1.0当量)をジクロロメタン(4.0mL)に溶解し、トリエチルアミン(154.8mg、1.53mmol、3.0当量)を添加し、塩化メタンスルホニル(87.2mg、0.76mmol、1.5当量)を徐々に滴下し、室温で2.0時間撹拌した。反応を終了までTLCでモニターした。反応溶液に水10.0mLを添加し、酢酸エチル(5.0mL×3)で抽出した。有機相を飽和塩水(15.0mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを用いて脱水し、濾過して、4−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−3−(4−((2−(メチルスルホニル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール−5−イル)アミノ)−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−5(4H)−オンを得た(250.7mg、収率:92.9%)。
【0186】
ステップ4:N−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−N’−ヒドロキシ−4−((2−(メチルスルホニル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール−5−イル)アミノ)−1,2,5−オキサジアゾール−3−ホルムアミジンの合成
【0187】
【化55】
【0188】
4−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−3−(4−((2−(メチルスルホニル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール−5−イル)アミノ)−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−5(4H)−オン(250.7mg、0.47mmol、1.0当量)をTHF(6.0mL)に溶解し、水酸化ナトリウム溶液(10%、3mL)を添加し、撹拌しながら30分間室温で反応させた。反応を終了までTLCでモニターした。反応混合物に飽和塩化アンモニウム溶液15.0mLを添加し、EA(8.0mL×3)を添加して抽出した。生成した有機相を混合し、飽和塩水(15.0mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを用いて脱水し、濾過し、濃縮し、沈殿させて、粗生成物を得、それをシリカゲルカラムクロマトグラフィ(DCM:MeOH=200:1〜100:1)に供して、N−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−N’−ヒドロキシ−4−((2−(メチルスルホニル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロル−5−イル)アミノ)−1,2,5−オキサジアゾール−3−ホルムアミジンを得た(65.7mg、収率:27.8%)。
【0189】
【数8】
【0190】
実施例7:N−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−N’−ヒドロキシ−4−((2−スルファミドオクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール−5−イル)アミノ)−1,2,5−オキサジアゾール−3−ホルムアミジン(化合物9)の合成
【0191】
【化56】
【0192】
ステップ1:tert−ブチル((5−((4−(4−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)アミノ)ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール−2(1H)−イル)スルホニル)カルバマートの合成
【0193】
【化57】
【0194】
スルホニルクロリドイソシアナート(104.7mg、0.74mmol、1.2当量)及びtert−ブタノール(54.8mg、0.74mmol、1.2当量)をジクロロメタン(8.0mL)に溶解し、0℃に氷浴中で冷却し、トリエチルアミン(154.8mg、1.53mmol、3.0当量)を添加し、この温度で1.0時間撹拌し、ジクロロメタンに溶解した4−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−3−(4−((オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール−5−イル)アミノ)−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−5(4H)−オン(278.9mg、0.62mmol、1.0当量)2.0mLを徐々に滴下し、室温で1.5時間撹拌した。反応を終了までTLCでモニターした。反応溶液に飽和塩化アンモニウム溶液(15.0mL)を添加し、酢酸エチル(8.0mL×3)で抽出した。有機相を飽和塩水(15.0mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを用いて脱水し、濾過し、濃縮して、tert−ブチル((5−((4−(4−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)アミノ)ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール−2(1H)−イル)スルホニル)カルバマートを得た(234.2mg、収率:59.9%)。
【0195】
ステップ2:5−((4−(4−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)アミノ)ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール−2(1H)−スルファミドの合成
【0196】
【化58】
【0197】
tert−ブチル5−((4−(4−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)アミノ)ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール−2(1H)−カルバマート(234.2mg、0.37mmol、1.0当量)をDCM(4.0mL)に溶解し、トリフルオロ酢酸(3.0mL)を添加し、室温で2.0時間撹拌した。反応溶液を終了までTLCでモニターした。反応溶液を濃縮して、粗製250.0mg、収率100%を得た。
【0198】
ステップ3 N−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−N’−ヒドロキシ−4−((2−(スルフィニルオクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール−5−イル)アミノ)−1,2,5−オキサジアゾール−3−ホルムアミジンの合成
【0199】
【化59】
【0200】
5−((4−(4−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)アミノ)ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール−2(1H)−スルファミド(250.0mg、0.47mmol、1.0当量)をTHF(10.0mL)に溶解し、水酸化ナトリウム溶液(10%、5mL)を添加し、撹拌しながら40分間室温で反応させた。反応を終了までTLCでモニターした。反応混合物に飽和塩化アンモニウム溶液20.0mLを添加し、EA(8.0mL×3)を添加して抽出した。生成した有機相を混合し、飽和塩水(15.0mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを用いて脱水し、濾過し、濃縮して、粗生成物を得、それをシリカゲルカラムクロマトグラフィ(DCM:MeOH=200:1〜100:1)に供して、N−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−N’−ヒドロキシ−4−((2−(スルファミドオクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール−5−イル)アミノ)−1,2,5−オキサジアゾール−3−ホルムアミジンを得た(30.2mg、収率:12.7%)。
【0201】
【数9】
【0202】
実施例8:4−((2−オキサスピロ[3.3]ヘプタン−6−イル)アミノ)−N−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−N’−ヒドロキシ−1,2,5−オキサジアゾール−3−カルボキサミジン(化合物12)の合成
【0203】
【化60】
【0204】
ステップ1:3−(4−((2−オキサスピロ[3.3]ヘプタン−6−イル)アミノ)−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)−4−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−1,2,4−オキサジアゾール−5(4H)−オンの合成
【0205】
【化61】
【0206】
4−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−3−(4−ニトロ−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−5(4H)−オン(329.9mg、0.88mmol、1.0当量)をテトラヒドロフラン(8mL)に溶解し、トリエチルアミン(538.3mg、5.32mmol、6.0当量)及び2−オキサスピロ[3.3]ヘプタン−6−アミン塩酸塩(265.3mg、1.77mmol、2.0当量)を室温で添加し、次いで75℃に加熱して、撹拌しながら終夜還流させた。反応を終了までTLCでモニターした。反応混合物を冷却し、飽和塩化アンモニウム溶液(50.0mL)を添加し、ジクロロメタン(150mL×3)を添加して抽出した。生成した有機相を、無水硫酸ナトリウムを用いて脱水し、濾過し、濃縮して、粗生成物を得、それをシリカゲルカラムクロマトグラフィ(200〜300メッシュシリカゲル;石油エーテル:酢酸エチル=10:1〜8:1〜6:1)に供して、3−(4−((2−オキサスピロ[3.3]ヘプタン−6−イル)アミノ)−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)−4−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−1,2,4−オキサジアゾール−5(4H)−オンを得た(170.4mg、収率:44.1%)。
【0207】
ステップ2:4−((2−オキサスピロ[3.3]ヘプタン−6−イル)アミノ)−N−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−N’−ヒドロキシ−1,2,5−オキサジアゾール−3−ホルムアミジンの合成
【0208】
【化62】
【0209】
3−(4−((2−オキサスピロ[3.3]ヘプタン−6−イル)アミノ)−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)−4−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−1,2,4−オキサジアゾール−5(4H)−オン(169.4mg、0.38mmol、1.0当量)をテトラヒドロフラン(4mL)に溶解し、撹拌しながら10%水酸化ナトリウム溶液(2.5mL)を室温で滴下し、次いで室温で1時間撹拌した。反応を終了までTLCでモニターした。反応混合物に水(40mL)を添加し、ジクロロメタン(100mL×3)で抽出した。生成した有機相を、無水硫酸ナトリウムを用いて脱水して、粗生成物を得、それをシリカゲルカラムクロマトグラフィ(200〜300メッシュシリカゲル;石油エーテル:酢酸エチル=10:1〜1:1)に供して、4−((2−オキサスピロ[3.3]ヘプタン−6−イル)アミノ)−N−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−N’−ヒドロキシ−1,2,5−オキサジアゾール−3−ホルムアミジンを得た(80.3mg、収率:51.2%)。
【0210】
【数10】
【0211】
実施例9:N−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−4−((2,2−ジオキソ−2−チアスピロ[3.3]ヘプタン−6−イル)アミノ)−N’−ヒドロキシ−1,2,5−オキサジアゾール−3−ホルムアミジン(化合物13)の合成
【0212】
【化63】
【0213】
ステップ1:4−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−3−(4−((2,2−ジオキソ−2−チアスピロ[3.3]ヘプタン−6−イル)アミノ)−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−5(4H)−オンの合成
【0214】
【化64】
【0215】
4−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−3−(4−ニトロ−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−5(4H)−オン(200.0mg、0.54mmol、1.0当量)をTHF(2mL)に溶解し、6−アミノ−2−チアスピロ[3.3]ヘプタン−2,2−ジオキシド(174.1mg、1.08mmol、2.0当量)及びジイソプロピルエチルアミン(209.4mg、1.62mmol、3.0当量)を添加し、0℃で2時間撹拌した。反応を終了までTLCでモニターした。生成した混合物に水(15mL)及びEA(3×20mL)を添加して抽出し、生成した有機相を混合した。生成した混合物を、無水硫酸マグネシウムを用いて脱水し、濾過し、濃縮して、粗生成物を得、それをシリカゲルカラムクロマトグラフィ(DCM:MeOH=200:1〜100:1)に供して、4−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−3−(4−((2,2−ジオキソ−2−チアスピロ[3.3]ヘプタン−6−イル)アミノ)−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−5(4H)−オンを得た(240.0mg、収率:92.3%)。
【0216】
ステップ2:N−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−4−((2,2−ジオキソ−2−チアスピロ[3.3]ヘプタン−6−イル)アミノ)−N’−ヒドロキシ−1,2,5−オキサジアゾール−3−ホルムアミジンの合成
【0217】
【化65】
【0218】
4−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−3−(4−((2,2−ジオキソ−2−チアスピロ[3.3]ヘプタン−6−イル)アミノ)−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−5(4H)−オン(230.0mg、0.47mmol)をTHF(2mL)に溶解し、水酸化ナトリウム水溶液(10%)(3mL)を添加し、撹拌しながら40分間室温で反応させた。反応を終了までTLCでモニターした。反応混合物に水を添加し、EA(20mL×3)で抽出し、生成した有機相を分離し、混合した。生成した混合物を、無水硫酸ナトリウムを用いて脱水し、濾過し、濾液を濃縮して、粗生成物を得、それをシリカゲルカラムクロマトグラフィ(溶離剤:DCM:MeOH=200:1、100:1、80:1)に供して、N−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−4−((2,2−ジオキソ−2−チアスピロ[3.3]ヘプタン−6−イル)アミノ)−N’−ヒドロキシ−1,2,5−オキサジアゾール−3−ホルムアミジンを得た(110.0mg、収率:50.8%)。
【0219】
【数11】
【0220】
実施例10:N−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−N’−ヒドロキシ−4−((テトラヒドロフラン−3−イル)アミノ)−1,2,5−オキサジアゾール−3−ホルムアミジン(化合物14)の合成
【0221】
【化66】
【0222】
ステップ1:4−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−3−(4−(テトラヒドロフラン−3−イル)アミノ)−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−5(4H)−オンの合成
【0223】
【化67】
【0224】
4−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−3−(4−ニトロ−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−5(4H)−オン(213.9mg、0.58mmol、1.0当量)をTHF(2.0mL)に溶解し、テトラヒドロフラン−3−アミン(100.0mg、1.15mmol、2.0当量)及びトリエチルアミン(314.2mg、3.1mmol、5.4当量)を添加し、75℃で終夜還流させた。反応を終了までTLCでモニターした。水(8mL)及び酢酸エチル(4mL)を反応溶液に添加した。水相を分離し、EA(2×4.0mL)で抽出した。生成した有機相を分離し、混合し、飽和塩水(10.0mL)で洗浄した。生成した混合物を、無水硫酸ナトリウムを用いて脱水し、濾過し、濃縮して、粗生成物を得、それをシリカゲルカラムクロマトグラフィ(PE:EA=10:1)に供して、4−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−3−(4−(テトラヒドロフラン−3−イル)アミノ)−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−5(4H)−オンを得た(102.0mg、収率:42.7%)。
【0225】
ステップ2:N−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−N’−ヒドロキシ−4−((テトラヒドロフラン−3−イル)アミノ)−1,2,5−オキサジアゾール−3−ホルムアミジンの合成
【0226】
【化68】
【0227】
4−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−3−(4−(テトラヒドロフラン−3−イル)アミノ)−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−5(4H)−オン(102.0mg、0.24mmol、1.0当量)をTHF(3.0mL)に溶解し、水酸化ナトリウム溶液(10%、1.5mL)を添加し、撹拌しながら30分間室温で反応させた。反応を終了までTLCでモニターした。反応混合物に飽和塩化アンモニウム溶液10.0mLを添加し、EA(4mL×3)を添加して抽出した。生成した有機相を混合し、飽和塩水(10.0mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを用いて脱水し、濾過し、濃縮して、粗生成物を得、それをシリカゲルカラムクロマトグラフィ(DCM:MeOH=200:1〜100:1)に供して、N−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−N’−ヒドロキシ−4−((テトラヒドロフラン−3−イル)アミノ)−1,2,5−オキサジアゾール−3−ホルムアミジンを得た(29.6mg、収率:32.0%)。
【0228】
【数12】
【0229】
実施例11:N−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−4−((1,1−ジオキソ−テトラヒドロチオフェン−3−イル)アミノ)−N’−ヒドロキシ−1,2,5−オキサジアゾール−3−ホルムアミジン(化合物15)の合成
【0230】
【化69】
【0231】
ステップ1:4−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−3−(4−((1,1−ジオキソ−テトラヒドロチオフェン−3−イル)アミノ)−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−5(4H)−オンの合成
【0232】
【化70】
【0233】
4−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−3−(4−ニトロ−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−5(4H)−オン(300.0mg、0.81mmol、1.0当量)をDMA(4mL)に溶解し、3−アミノテトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキシド塩酸塩(276.7mg、1.61mmol、2.0当量)を添加し、撹拌しながら1時間氷浴中で反応させた。反応を終了までTLCでモニターした。生成した混合物に水(30mL)及びEA(3×30mL)を添加して抽出し、生成した有機相を混合した。生成した混合物を、無水硫酸マグネシウムを用いて脱水し、濾過し、濃縮して、粗生成物を得、それをシリカゲルカラムクロマトグラフィ(PE:EA=10:1〜1:1)に供して、4−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−3−(4−((1,1−ジオキソ−テトラヒドロチオフェン−3−イル)アミノ)−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−5(4H)オンを得た(165.1mg、収率:44.6%)。
【0234】
ステップ2:N−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−4−((1,1−ジオキソ−テトラヒドロチオフェン−3−イル)アミノ)−N’−ヒドロキシ−1,2,5−オキサジアゾール−3−ホルムアミジンの合成
【0235】
【化71】
【0236】
4−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−3−(4−((1,1−ジオキソ−テトラヒドロチオフェン−3−イル)アミノ)−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−5(4H)オン(165.1mg、0.36mmol、1.0当量)をTHF(15mL)に溶解し、水酸化ナトリウム溶液(2mol/L、2mL)を添加し、撹拌しながら30分間反応させた。反応を終了までTLCでモニターした。溶液をpH2〜3に1mol/L塩酸溶液で調節し、EA(3×20mL)を添加して抽出し、生成した有機相を混合した。生成した混合物を無水硫酸マグネシウムを用いて脱水し、濾過し、濃縮して、粗生成物を得、それをシリカゲルカラムクロマトグラフィ(PE:EA=10:1〜1:1)に供して、N−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−4−((1,1−ジオキソ−テトラヒドロチオフェン−3−イル)アミノ)−N’−ヒドロキシ−1,2,5−オキサジアゾール−3−ホルムアミジンを得た(48.5mg、収率:31%)。
【0237】
【数13】
【0238】
N−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−4−((1,1−ジオキソ−テトラヒドロチオフェン−3−イル)アミノ)−N’−ヒドロキシ−1,2,5−オキサジアゾール−3−ホルムアミジンの化合物15(30mg)をキラルHPLCカラムによって分割した。第1のピークの画分を収集し、凍結乾燥させて、白色固体(8.3mg、ee値100%)を得、以下、15−P1と記述する。第2のピークの画分を収集し、凍結乾燥させて、白色固体(9.66mg、ee値99.7%)を得、以下、15−P2と記述する。15−P1及び15−P2の構造は独立に化合物24及び25に対応する。
【0239】
【化72】
【0240】
(化合物24)及び
【0241】
【化73】
【0242】
(化合物25)。
【0243】
実施例12:N−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−N’−ヒドロキシ−4−((2−(メチルスルホニル)−2−アザスピロ[3.3]ヘプタン−6−イル)アミノ)−1,2,5−オキサジアゾール−3−ホルムアミジン(化合物16)の合成
【0244】
【化74】
【0245】
ステップ1:tert−ブチル6−((4−(4−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)アミノ)−2−アザスピロ[3.3]ヘプタン−2−カルボキシラートの合成
【0246】
【化75】
【0247】
4−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−3−(4−ニトロ−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−5(4H)−オン(372mg、1mmol、1.0当量)及びtert−ブチル6−アミノ−2−アザスピロ[3.3]ヘプタン−2−カルボキシラート(448mg、2.11mmol、2.0当量)をTHF(20mL)に溶解し、トリエチルアミン(303mg、3mmol、3.0当量)を添加し、混合物を75℃に加温して、2時間反応させた。反応を終了までTLC(PE:EA=2:1)でモニターした。水(50mL)を添加して反応を停止し、混合物をEA(50mL×2)で抽出した。生成した有機相を混合し、無水硫酸ナトリウムを用いて脱水し、濾過し、濃縮して、粗生成物を得、それをシリカゲルカラムクロマトグラフィ(PE:EA=10:1〜2:1)に供して、目的化合物を得た(500mg、収率:93%)。
【0248】
ステップ2:3−(4−((2−アザスピロ[3.3]ヘプタン−6−イル)アミノ)−1,2,5−オキソジアゾール−3−イル)−4−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−1,2,4−オキサジアゾール−5(4H)−オンの合成
【0249】
【化76】
【0250】
tert−ブチル6−((4−(4−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)アミノ)−2−アザスピロ[3.3]ヘプタン−2−カルボキシラート(500mg、0.93mmol)をDCM(10mL)に溶解し、TFA(2mL)を添加し、撹拌しながら室温で2時間反応させた。反応を終了までTLC(DCM:MeOH=10:1)でモニターした。反応溶液をそのまま濃縮し、DCM(50mL)に溶解させた。溶解混合物を減圧濃縮した。ステップを2回繰り返して、目的化合物を得た(790mg粗製、収率100%)。
【0251】
ステップ3:4−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−3−(4−((2−(メチルスルホニル)−2−アザスピロ[3.3]ヘプタン−6−イル)アミノ)−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−5(4H)−オンの合成
【0252】
【化77】
【0253】
3−(4−((2−アザスピロ[3.3]ヘプタン−6−イル)アミノ)−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)−4−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−1,2,4−オキサジアゾール−5(4H)−オン(200mg、粗製)をDCM(5mL)に溶解し、トリエチルアミン(162mg、0.16mmol)を添加した。塩化メタンスルホニル(71mg、0.532mmol)を徐々に添加し、室温で2時間撹拌した。原料が完全に反応するまで、反応をTLC(DCM:MeOH=10:1)でモニターした。混合物を濃縮して粗製物を得、それをシリカゲルカラムクロマトグラフィ(DCM:MeOH=10:1)に供して、生成物を得た(90mg、収率:74.2%)。
【0254】
ステップ4:N−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−N’−ヒドロキシ−4−((2−(メチルスルホニル)−2−アザスピロ[3.3]ヘプタン−6−イル)アミノ)−1,2,5−オキサジアゾール−3−ホルムアミジンの合成
【0255】
【化78】
【0256】
4−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−3−(4−((2−(メチルスルホニル)−2−アザスピロ[3.3]ヘプタン−6−イル)アミノ)−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−5(4H)−オン(90mg、0.175mmol、1.0当量)をTHF(2mL)に溶解し、NaOH水溶液(2mol/L、0.5mL)を添加して、2時間室温で反応させた。原料が完全に反応するまで、反応をTLC(DCM:MeOH=10:1)でモニターした。反応混合物を水(10mL)に注ぎ、DCM(30mL×3)で抽出した。生成した有機相を混合し、濾過し、濃縮し、乾燥して、粗生成物(80mg)を得、それにDCM(3mL)を添加し、1時間スラリー化した。生成した混合物を濾過し、乾燥して、N−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−N’−ヒドロキシ−4−((2−(メチルスルホニル)−2−アザスピロ[3.3]ヘプタン−6−イル)アミノ)−1,2,5−オキサジアゾール−3−ホルムアミジンを得た(53mg、収率:62%)。
【0257】
【数14】
【0258】
実施例13:N−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−N’−ヒドロキシ−4−((2−スルファモイル−2−アザスピロ[3.3]ヘプタン−6−イル)アミノ)−1,2,5−オキサジアゾール−3−ホルムアミジン(化合物17)の合成
【0259】
【化79】
【0260】
ステップ1:tert−ブチル((6−((4−(4−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)アミノ)−2−アザスピロ[3.3]ヘプタン−2−イル)スルホニル)カルバマートの合成
【0261】
【化80】
【0262】
tert−ブタノール(45mg、0.6mmol、1.2当量)をDCM(10mL)に溶解し、0℃に冷却し、クロロスルホニルイソシアナート(77.8mg、0.55mmol、1.1当量)を滴下し、0℃で1.5時間反応させた。0℃未満に前もって冷却した、3−(4−((2−アザスピロ[3.3]ヘプタン−6−イル)アミノ)−1,2,5−オキソジアゾール−3−イル)−4−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−1,2,4−オキサジアゾール−5(4H)−オン(化合物16を調製するステップ2で得られた、218mg、0.50mmol、1.0当量)、TEA(125mg、1.5mmol、3当量)及びDCM(5mL)の混合物に反応溶液(1.15mL)を徐々に滴下した。生成した混合物を2時間0℃未満で撹拌して反応させた。反応を終了までTLCでモニターした。反応混合物に撹拌しながら水を添加し、DCM(20mL×3)を添加して抽出した。有機相を分離し、混合し、無水硫酸マグネシウムを用いて脱水し、濾過し、濾液を濃縮して、粗生成物を得、それをシリカゲルカラムクロマトグラフィ(溶離剤:DCM:MeOH=10:1)に供して、tert−ブチル6−((4−(4−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)アミノ)−2−アザスピロ[3.3]ヘプタン−2−イル)スルホニル)カルバマートを得た(120mg、収率:38.9%)。
【0263】
ステップ2:6−((4−(4−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)アミノ)−2−アザスピロ[3.3]ヘプタン−2−スルホンアミドの合成
【0264】
【化81】
【0265】
tert−ブチル6−((4−(4−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)アミノ)−2−アザスピロ[3.3]ヘプタン−2−イル)スルホニル)カルバマート(100mg)をDCM(2mL)に溶解し、TFA(0.5mL)を添加して、室温で30分間反応させた。反応を終了までTLCでモニターした。反応溶液を減圧濃縮し、乾燥させて、6−((4−(4−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)アミノ)−2−アザスピロ[3.3]ヘプタン−2−スルホンアミドを得(120mg粗製、収率:100%)、それを次のステップに精製せずにそのまま使用した。
【0266】
ステップ3 N−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−N’−ヒドロキシ−4−((2−スルファモイル−2−アザスピロ[3.3]ヘプタン−6−イル)アミノ)−1,2,5−オキサジアゾール−3−ホルムアミジンの合成
【0267】
【化82】
【0268】
6−((4−(4−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)アミノ)−2−アザスピロ[3.3]ヘプタン−2−スルホンアミド(120mg、粗製)をTHF(2mL)に溶解し、NaOH水溶液(2mmol/L、0.5mL)を添加し、室温で2時間反応させた。原料が完全に反応するまで、反応をTLC(DCM:MeOH=10:1)でモニターした。反応溶液を水(10mL)に注ぎ、DCM(30mL×3)で抽出した。生成した有機相を混合し、無水硫酸ナトリウムを用いて脱水し、濾過し、濃縮して、粗製物を得、それをシリカゲルカラムクロマトグラフィ(DCM:MeOH=10:1)に供し、精製して、N−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−N’−ヒドロキシ−4−((2−(スルファモイル)−2−アザスピロ[3.3]ヘプタン−6−イル)アミノ)−1,2,5−オキサジアゾール−3−ホルムアミジンを得た(25mg、3つのステップの収率:31.4%)。
【0269】
【数15】
【0270】
実施例14:N−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−N’−ヒドロキシ−4−((2−スルファモイル−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5−イル)アミノ)−1,2,5−オキサジアゾール−3−ホルムアミジン(化合物18)の合成
【0271】
【化83】
【0272】
ステップ1:tert−ブチル5−((4−(4−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)アミノ)−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキシラートの合成
【0273】
【化84】
【0274】
4−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−3−(4−ニトロ−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−5(4H)−オン(701mg、1.884mmol、1.0当量)をTHF(45mL)に溶解し、tert−ブチル5−アミノ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキシラート(780mg、3.67mmol、2当量)を添加し、TEA(1029mg、10.174mmol、5.4当量)を添加し、反応物を70℃で2時間加熱した。反応を終了までTLCでモニターした。反応溶液を室温に冷却し、1mol/L塩酸でpH=2に調節し、EA(20mL×3)で抽出した。有機相を分離し、混合し、無水硫酸ナトリウムを用いて脱水し、吸引濾過した。濾液を濃縮し、カラムクロマトグラフィ(溶離剤:DCM:MeOH=100:1)に供して、tert−ブチル5−((4−(4−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)アミノ)−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキシラートを得た(粗製、1072mg)。
【0275】
ステップ2:3−(4−((2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5−イル)アミノ)−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)−4−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−1,2,4−オキサジアゾール−5(4H)−オンの合成
【0276】
【化85】
【0277】
tert−ブチル5−((4−(4−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)アミノ)−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキシラート(1072mg、粗製)をTHF(10mL)に溶解し、0℃に冷却し、トリフルオロ酢酸(3.5mL)を添加し、室温に加温して30分間反応させた。反応を終了までTLCでモニターした。反応溶液を減圧濃縮し、乾燥して、3−(4−((2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5−イル)アミノ)−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)−4−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−1,2,4−オキサジアゾール−5(4H)−オン(872mg)を得、それを次のステップにそのまま使用した。
【0278】
ステップ3:tert−ブチル((5−((4−(4−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)アミノ)−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル)スルホニル)カルバマートの合成
【0279】
【化86】
【0280】
tert−ブタノール(1.02g、118.0mmol、1.2当量)をDCM(10mL)に溶解し、0℃に冷却し、クロロスルホニルイソシアナート(1.87g)を滴下し、0℃で1.5時間反応させた。0℃未満に前もって冷却した、中間体3−(4−((2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5−イル)アミノ)−1,2,5−オキソジアゾール−3−イル)−4−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−1,2,4−オキサジアゾール−5(4H)−オン(580mg、1.327mmol、1.0当量)、TEA(671.4mg、5当量)及びDCM(5mL)の混合物に、反応溶液(1.15mL)を徐々に滴下した。生成した混合物を1時間0℃未満で撹拌して反応させた。反応を終了までTLCでモニターした。反応混合物に撹拌しながら水(20mL)を添加し、DCM(20mL×3)を添加して抽出した。有機相を分離し、混合し、無水硫酸マグネシウムを用いて脱水し、濾過し、濾液を濃縮して、粗生成物を得、それをシリカゲルカラムクロマトグラフィ(溶離剤:DCM:MeOH=100:1)に供して、tert−ブチル((5−((4−(4−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)アミノ)−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル)スルホニル)カルバマートを得た(621mg、収率:75.9%)。
【0281】
ステップ4:5−((4−(4−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)アミノ)−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−スルホンアミドの合成
【0282】
【化87】
【0283】
tert−ブチル((5−((4−(4−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)アミノ)−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル)スルホニル)カルバマート(621mg)をDCM(4mL)に溶解し、TFA(2mL)を添加して、室温で30分間反応させた。反応を終了までTLCでモニターした。反応溶液を減圧濃縮して、5−((4−(4−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)アミノ)−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−スルホンアミド(600mg)を得、それを次のステップにそのまま使用した。
【0284】
ステップ5 N−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−N’−ヒドロキシ−4−((2−(スルファモイル)−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5−イル)アミノ)−1,2,5−オキサジアゾール−3−ホルムアミジンの合成
【0285】
【化88】
【0286】
5−((4−(4−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)アミノ)−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−スルホンアミド(400mg、粗製)をTHF(4mL)に溶解し、2N水酸化ナトリウム水溶液(4mL)を添加し、撹拌しながら30分間室温で反応させた。反応を終了までTLCでモニターした。反応混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液で中和し、EA(20mL×3)を添加して抽出し、生成した有機相を分離し、混合した。生成した混合物を、無水硫酸ナトリウムを用いて脱水し、濾過し、濾液を濃縮して、粗生成物を得、それをシリカゲルカラムクロマトグラフィ(溶離剤:DCM:MeOH=150:1)に供して、N−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−N’−ヒドロキシ−4−((2−(スルファモイル)−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5−イル)アミノ)−1,2,5−オキサジアゾール−3−ホルムアミジンを得た(49mg、3つのステップの収率:15%)。
【0287】
【数16】
【0288】
実施例15:N−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−N’−ヒドロキシ−4−((2−(メチルスルホニル)−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5−イル)アミノ)−1,2,5−オキサジアゾール−3−ホルムアミジン(化合物19)の合成
【0289】
【化89】
【0290】
ステップ1:4−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−3−(4−((2−(メチルスルホニル)−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5−イル)アミノ)−1,2,5−オキサジアゾールピリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−5(4H)−オンの合成
【0291】
【化90】
【0292】
3−(4−((2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5−イル)アミノ)−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)−4−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−1,2,4−オキサジアゾール−5(4H)−オン(化合物18を調製するステップ2で得られた)(290mg、0.663mmol、1.0当量)をジクロロメタン(2mL)に溶解し、TEA(268mg、2.653mmol、4当量)及び塩化メタンスルホニル(75.9mg、0.663mmol、1.0当量)を添加した。生成した混合物に水を添加し、撹拌し、DCM(20mL×3)で抽出した。有機相を分離し、混合した。生成した混合物を、無水硫酸ナトリウムを用いて脱水し、濾過し、濾液を濃縮して、粗生成物を得、それを薄層クロマトグラフィ(DCM:MeOH=15:1)に供して、4−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−3−(4−((2−(メチルスルホニル)−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5−イル)アミノ)−1,2,5−オキサジアゾールピリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−5(4H)−オンを得た(267mg、収率:78.1%)。
【0293】
ステップ2:N−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−N’−ヒドロキシ−4−((2−(メチルスルホニル)−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5−イル)アミノ)−1,2,5−オキサジアゾール−3−ホルムアミジンの合成
【0294】
【化91】
【0295】
4−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−3−(4−((2−(メチルスルホニル)−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5−イル)アミノ)−1,2,5−オキサジアゾールピリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−5(4H)−オン(257mg)をTHF(2mL)に溶解し、2N水酸化ナトリウム水溶液(2mL)を添加し、撹拌しながら30分間室温で反応させた。反応を終了までTLCでモニターした。反応混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液で中和し、DCM(20mL×3)を添加して抽出し、生成した有機相を分離し、混合した。生成した混合物を、無水硫酸ナトリウムを用いて脱水し、濾過し、濾液を濃縮して、粗生成物を得、それをシリカゲル調製カラムクロマトグラフィ(溶離剤:DCM:MeOH=20:1)に供して、N−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−N’−ヒドロキシ−4−((2−(メチルスルホニル)−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5−イル)アミノ)−1,2,5−オキサジアゾール−3−ホルムアミジンを得た(110mg、収率:45%)。
【0296】
【数17】
【0297】
実施例16:4−((8−オキサビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イル)アミノ)−N−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−N’−ヒドロキシ−1,2,5−オキサジアゾール−3−ホルムアミジン(化合物22)の合成
【0298】
【化92】
【0299】
ステップ1:3−(4−((8−オキサビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イル)アミノ)−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)−4−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−1,2,4−オキサジアゾール−5(4H)−オンの合成
【0300】
【化93】
【0301】
4−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−3−(4−ニトロ−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−5(4H)−オン(200mg、0.538mmol、1.0当量)をTHF(15mL)に溶解し、8−オキサビシクロ[3.2.1]オクタン−3−アミン塩酸塩(175.9mg、1.075mmol、2.0当量)及びトリエチルアミン(293.7mg、2.903mmol、5.4当量)を添加し、70℃に加熱し、2時間反応させた。反応を終了までTLCでモニターした。混合物を1mol/L HClでpH2に調節し、撹拌しながら水(10mL)及びEA(20mL)を添加した。有機相を分離し、無水硫酸ナトリウムを用いて脱水し、濃縮して、粗生成物を得、それをシリカゲルカラムクロマトグラフィ(PE:EA=5:1)に供して、(8−オキサビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イル)アミノ)−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)−4−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−1,2,4−オキサジアゾール−5(4H)−オンを得た(120mg、収率:49%)。
【0302】
ステップ2:4−((8−オキサスピロ[3.2.1]オクタン−3−イル)アミノ)−N−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−N’−ヒドロキシ−1,2,5−オキサジアゾール−3−ホルムアミジンの合成
【0303】
【化94】
【0304】
3−(4−((8−オキサビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イル)アミノ)−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)−4−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−1,2,4−オキサジアゾール−5(4H)−オン(120mg、0.265mmol、1.0当量)をTHF(1mL)に溶解し、2mol/L NaOH溶液を添加した。2時間撹拌後、TLCは、反応が終了したことを示した。反応混合物に飽和NHCl溶液(4mL)を添加し、DCM(20mL)で抽出した。TLCは、生成物が水相に存在しないことを示した。有機相を混合し、脱水し、濃縮し、薄層クロマトグラフィ(DCM:MeOH=20:1)で精製して、4−((8−オキサビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イル)アミノ)−N−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−N’−ヒドロキシ−1,2,5−オキサジアゾール−3−ホルムアミジンを得た(80mg、収率:71%)。
【0305】
【数18】
【0306】
実施例17:N−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−4−((1,1−ジオキソチエタン−3−イル)アミノ)−N’−ヒドロキシ−1,2,5−オキサジアゾール−3−ホルムアミジン(化合物26)の合成
【0307】
【化95】
【0308】
化合物26を実施例2の調製法によって調製した。
【0309】
【数19】
【0310】
生物学的実験例
実験例1:HeLa細胞評価法
試験試料:本発明の対応する例において調製された化合物
I.実験の材料及び機器
HeLa細胞系統(ATCCから購入、Cat.No.CCL−2、4965442)
組換えヒトIFN−γ(rhIFN−γ、Peprotechから購入、Cat.No.300−02)
MEM細胞培地(Invitrogenから購入、Cat.No.11095098)
ウシ胎仔血清(Invitrogenから購入、Cat.No.10099−141、Lot.No.8153379)
6.1Nトリクロロ酢酸(Sigmaから購入、Cat.No.T0699)
II.試験手順
細胞平板培養:HeLa細胞懸濁液を新しいMEM細胞培地から調製し、96ウェル細胞培養プレートに5000細胞/ウェルで添加し、5%二酸化炭素で37℃で終夜培養した。
【0311】
化合物の調製:化合物をDMSO中で2mMに処方し、化合物をDMSOで5倍希釈して、6〜9つの濃度勾配の化合物希釈母液(200×)を得、10×希釈溶液を比例して細胞培地又は培養液を用いて調製した。
【0312】
投与インキュベーション:細胞を終夜培養した後、対応する化合物希釈母液(10×)10μL及び500ng/mL rhIFN−γ10μLを各ウェルに添加し、各ウェルの最終体積は100μLであった。負の対照ウェルは、100μLの0.5%DMSO細胞培地及びHeLa細胞を含んだ。rhIFN−γ50ng/mLを負の対照ウェルに充填し、正の対照として使用した。バックグラウンド対照ウェルは、細胞培地100μLを含んだ。インキュベーションを37℃恒温器中で48時間行い、細胞形態を倒立顕微鏡で観察した。
【0313】
検出:上清80μLをCorning3894プレートに添加し、6.1Nトリクロロ酢酸10μLを各ウェルに添加した。プレートを2分間振盪し、50℃恒温器に入れて30分間反応させ、2500rpmで10分間遠心分離した。上清70μLをCorning3635UVプレートに移し、反応溶液70μLを添加し、混合物を2分間振盪して、反応混合物を均一にした。480nmにおけるOD値を、EnSpire(PE)を用いて測定した。
【0314】
III.試験結果
【0315】
表1 本発明の化合物の細胞学的試験
【表4】
【0316】
本発明の化合物は優れたHeLa細胞活性を有することがわかる。
【0317】
実験例2:IDO1酵素学評価法
試験試料:本発明の対応する例において調製された化合物
I.実験の材料及び機器
IDO−1(CPによって提供された、ロット番号:20160706)
カタラーゼ(Sigmaから購入、Cat.No.C9322−5G)
L−トリプトファン(Sigmaから購入、Cat.No.93659−10G)
アスコルビン酸塩(Sigmaから購入、Cat.No.11140−250G)
メチレンブルー(Sigmaから購入、Cat.No.M9140−100G)
DMSO(Sigmaから購入、Cat.No.D2650)
96ウェルプレート(Sigmaから購入、Cat.No.3635)
II.試験手順
化合物の調製:化合物をDMSOで1mM化合物母液に処方し、化合物をDMSOで3倍希釈して、9つの濃度勾配の化合物濃度希釈母液(100×)を得た。
【0318】
投与阻害:100×化合物希釈母液2μLを96ウェルプレートに添加し、酵素溶液(IDO−1)100μLを添加し、10分間室温でインキュベーションした。100%DMSOを負の対照として使用し、NLG−919を正の対照として使用した。インキュベーションを基質混合物(L−トリプトファン、アスコルビン酸塩、メチレンブルー及びカタラーゼ)100μLと一緒に行った。
【0319】
検出:321nmにおける動的ODデータを、Spectramaxを用いて検出した。
【0320】
計算:阻害率を以下の式に従って計算した。曲線勾配を、Spectramaxプログラムを用いてフィットさせ、IC50を、GraphPad Prism5.0を用いてフィットさせた。
【0321】
【数20】
【0322】
III.試験結果
【0323】
表2 本発明の化合物の酵素学試験
【表5】
【0324】
本発明の化合物は優れたIDO酵素学活性を有することがわかる。
【0325】
実施例3:化合物のラットPK評価
Solutol:ポリエチレングリコール15−ヒドロキシルステアラート
DMA:N,N−ジメチルアセトアミド
試験試料:本発明の対応する例において調製された化合物
動物投与及び試料採取:胃内投与:化合物2及び13を10%DMA+10%(30%Solutol)+80%生理食塩水に溶解して、溶液を調製した。化合物15を10%DMA+10%PEG400+80%生理食塩水に溶解して、溶液を調製した。SDラットに用量5.0mg/kgで胃内投与した。採血時間は、15分、30分、1時間、2時間、4時間、6時間、8時間及び24時間であった。
【0326】
静脈内投与:化合物2及び13を10%DMA+10%(30%Solutol)+80%生理食塩水に溶解して、溶液を調製した。化合物15を10%DMA+10%PEG400+80%生理食塩水に溶解して、溶液を調製した。SDラットに用量1mg/kgで静脈内投与した。採血時間は、5分、15分、30分、1時間、2時間、4時間、6時間、8時間及び24時間であった。
【0327】
動物を固定し、各時点の10分前に尾を水浴中で加熱し、血液約100μLを尾静脈から採取し、次いで血液をEDTA−K2を含む抗凝固管に入れた。血液試料を8000rpmで6分間4℃で遠心分離して、血漿試料を得、血漿試料は、採血の30分以内に調製しなければならない。血漿試料を冷凍庫に−80℃で試験まで貯蔵した。
【0328】
試料分析法:
試験するべき試料を冷蔵庫(−80℃)から取り出し、室温で溶融させ、5分間ボルテックス撹拌した。血漿試料20μLを正確にピペットで1.5mL遠心管に取り、内部標準溶液200μLを50ng/mLの濃度で添加し、十分混合した。混合物を5分間(12000rpm)ボルテックス撹拌し、5分間(12000rpm)遠心分離した。水150μL/ウェルを前もって充填した96ウェルプレートに上清50μLを正確にピペットで取り、5分間ボルテックス撹拌して、十分混合した。注入体積は20μLであり、LC−MS/MSを行った。
【0329】
データ処理法:
試験試料の濃度を、AB製Analyst1.6.3を用いて出力した。平均、標準偏差、変動係数及び他のパラメータをMicrosoft Excelによって計算した(Analyst1.6.3からの直接出力については計算しない)。PKパラメータを、Pharsight Phoenix6.1ソフトウェアNCAを用いて計算する(Tmaxは中央値である)。
【0330】
結果:
【0331】
表3 本発明の化合物のラットにおけるPK試験
【表6】
【0332】
上記結果から分かるように、本発明の化合物は、優れた薬物動態学的性質を有する。
【図面の簡単な説明】
【0333】
図1】結果を示すグラフである。
図1