(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0021】
(遊技機10)
本明細書では、各説明箇所において、方向についての定義等が示されていない場合には、遊技機10の方を向いて位置している遊技者から見て、遊技機10から遊技者の手前側に向かう方向を「前」方向とし、その逆方向を「後」方向とする。また、同様に、「左」や「右」等の左右方向及び「上」や「下」等の上下方向も、遊技者から見た場合の左方向や右方向、又は上方向や下方向を意味する。同様に、各部材の説明においても、方向についての定義等が示されていない場合には、各部材を、遊技機10の所定位置に固定した場合における遊技者から見た方向を意味する。
【0022】
本実施の形態に係る遊技機10としてのスロットマシンを、以下、主として、
図1〜
図3を参照しながら説明する。本実施の形態に係る遊技機10としてのスロットマシンは、前面に開口を有し、互いに対向する左側板11aと右側板11bと、左側板11aと右側板11bとの上端間にわたされる天板11cと下端間にわたされる底板11dと、左側板11a、右側板11b、天板11c及び底板11dからなる四角枠状の背面側に配置される背板11eと、により構成される四角箱状に形成された筐体11と、ヒンジ機構(図示せず)を用いて、この筐体11の開口を開閉自在に閉塞する前扉(図示せず)とを備えている。
【0023】
また、背板11eには、スロットマシンを列設した島設備に備えられ、ホッパーユニット70内のメダルが少なくなった場合にメダルを補給するメダル補給装置(図示せず)の補給シュートが差し込まれる補給用孔部11fが形成されている。
【0024】
(メイン基板ケース50)
筐体11内部の奥側の上部には、メイン基板ケース50を備える。メイン基板ケース50は、本実施の形態では、背板11eに固定され、遊技を進行させて遊技状態を制御するメイン制御基板(図示せず)を内部に備える。
【0025】
(サブ基板ケース60)
筐体11内部の正面から向かって左側には、サブ基板ケース60を備える。サブ基板ケース60は、本実施の形態では、左側板11aに固定され、メイン制御基板からの情報(コマンド)を受けて、遊技の進行に応じた演出を制御し、主に遊技内容に関する情報を遊技者に報知する演出を行うための制御を行うサブ制御基板(図示せず)を内部に備える。
【0026】
ここで、メイン制御基板及びサブ制御基板は、CPU、ROM、RAM、I/Oポートを備えたマイクロコンピュータにより構成される。CPUは、タイマ割込などの割込機能を持ち、ROMに記憶されたプログラムを実行して、種々の処理を行う。ROMは、CPUが実行するプログラムや各種テーブル等の固定的なデータを記憶し、RAMは、CPUがプログラムを実行する際の一時的な記憶領域、例えば遊技機10の状態を記憶するための記憶領域や、役抽選の抽選結果を記憶するための記憶領域として使用される。
【0027】
(ホッパーユニット70)
筐体11の底板11dには、メダルを貯留することができるとともに、メダルを払い出すことができるホッパーユニット70を備える。
このホッパーユニット70には、メダルセレクタ(図示せず)から流下した正規のメダルを貯留するメダルタンクと、その駆動によりメダルをメダル払出口(図示せず)に向けて払い出すホッパーモータと、ホッパーユニット70の出口に設けられ、メダル払出口に払い出されたメダルを1枚ずつ検出する払出センサと、ホッパーユニット70のメダルタンクから溢れたメダルを収納するための補助タンクの近傍に設けられ、補助タンク内のメダルが満杯になったことを検出してメイン制御基板へ信号を出力するオーバーフローセンサとが設けられている。
【0028】
(電源ユニット80)
筐体11の底板11dには、電源投入又は電源遮断のための操作が可能な電源スイッチ81を有すると共に各部品に電力を供給するための電源ユニット80を備える。
電源ユニット80には、電源スイッチ81の他、役抽選の設定値を変更する設定変更処理のための設定キースイッチ82が設けられている。
【0029】
(リールユニット100)
筐体11の上部側の取り付け位置には、リールユニット100を備える。
リールユニット100は、部品の一例であり、3個のリールスタンド120と、3個のリール駆動モータ130と、この各リール駆動モータ130によってそれぞれ回転させられる合計3個の回転リール150(正面から向かって左側の左回転リール151、中央の中回転リール152、右側の右回転リール153)と、リール駆動モータ130及び回転リール150を保持するユニットホルダ110とを有する。
【0030】
また、リールユニット100には、回転リール150の回転位置が基準となる位置(基準位置)であることを検出するためリール位置センサ(図示せず)が設けられている。このリール駆動モータ130は、メイン制御基板(図示せず)から出力されるリール駆動モータ130を駆動するための駆動信号に基づき駆動する。さらに、リールユニット100には、回転リール150上の図柄を照らすためのバックランプ(図示せず)が設けられている。
【0031】
リールスタンド120は、回転リール150を回転可能に保持し、ステンレスなどの金属板を折り曲げ加工して形成され、上板部111の前側端部及び下板部112の前側端部にそれぞれ設けられたねじ止め部114によって、ユニットホルダ110に固定されている。
具体的には、リールスタンド120の上下方向の端部に1か所ずつ貫通穴(ねじ止め部114)が形成され、上板部111の前側端部に形成されたねじ穴(ねじ止め部114)にリールスタンド120の上側の貫通穴(ねじ止め部114)を貫通したねじをねじ止めするとともに、下板部112の前方端部に形成されたねじ穴(ねじ止め部114)にリールスタンドの下側の貫通穴(ねじ止め部114)を貫通したねじをねじ止めすることで、リールスタンド120はユニットホルダ110に固定されている。
【0032】
リール駆動モータ130は、回転リール150毎に設けられ、各回転リール150を回転させるものであり、リールスタンド120に対して、ねじ止めにより、固定されている。
【0033】
回転リール150は、リール駆動モータ130の回転軸にてリール駆動モータ130と連結されており、リール駆動モータ130の回転軸の回転に伴い、回転リール150が回転するように組み付けられている。
【0034】
ユニットホルダ110は、
図1〜
図3に示すように、回転リール150の上方に配置された上板部111と、回転リール150の下方に配置された下板部112と、上板部111及び下板部112を上下方向に連結する連結部117と、ユニットホルダ110の前面側にわたって設けられ下板部112から下方に向けて突出する突部113と、を備えている。
【0035】
ユニットホルダ110は、ポリカーボネートなどの樹脂により、上板部111、下板部112、連結部117が一体的に形成された枠形状体であり、その内部に左回転リール151,中回転リール152,右回転リール153の各回転リール150を収納可能となっている。
【0036】
なお、ユニットホルダ110は、上板部111、下板部112、連結部117が一体的に形成された場合に限定されず、上板部を構成する部材、下板部を構成する部材、連結部を構成する部材をそれぞれ設け、組み立てることで形成するようにしても良い。
【0037】
また、リールユニット100の連結部117を構成する左壁200と右壁210とは、
図3、
図5−1、
図5−2に示すように、取り付け位置に載置された場合の遊技機10の後側に位置し、左壁200と右壁210との間の距離が短い第1壁部(第1左壁部201,第1右壁部211)と、取り付け位置に載置された場合の遊技機10の前側に位置し、第1壁部(第1左壁部201,第1右壁部211)よりも左壁200と右壁210との間の距離が長い第2壁部(第2左壁部202,第2右壁部212)とを備える。
すなわち、ユニットホルダ110の両側は、遊技機10の後側に位置する第1壁部(第1左壁部201,第1右壁部211)と前側に位置する第2壁部(第2左壁部202,第2右壁部212)との2段になるように形成されている。
【0038】
リールユニット100は、
図3に示すように、下板部112から遊技機10の後方側に突出し、後述する中板300の保持部370に備えられる係止孔381,391に挿入される係合部220を備える。
係合部220は、左保持部380の係止孔381に挿入される左係合部230と右保持部390の右係止孔391に挿入される右係合部240を備える。
【0039】
ここで、ユニットホルダ110の素材は、上述したように、ポリカーボネートなどの樹脂であるが、これは、後述する中板300の保持部370と同じ素材(硬度が同程度の素材)である。
そのため、係合部220と保持部370とが擦れた場合であってもどちらか一方のみが摩耗することを防止している。
【0040】
なお、係合部220は、左係合部230と右係合部240との2個を備える場合に限定されず、後述する保持部370と同数であれば良く、保持部が1個の場合は、係合部220も1個で良い。
また、本実施の形態では、係合部220は、下板部112と一体的に形成されているが、これに限定されず、下板部112にねじなどにより取り付けられても良い。
【0041】
(中板300)
筐体11の上下方向の略中央には、
図1に示すように、中板300を備える。
中板300は、板状部材の一例であり、筐体11の内部の左右方向にわたって設けられ、当該筐体11の内部を上下方向に仕切る板状のものである。
中板300は、ステンレスなどの金属板を折り曲げ加工して形成されたものである。そして、中板300の左右方向の両端には、上向きに折り曲げ加工が施された折り曲げ片310が形成され、折り曲げ片310が筐体11の左側板11aと右側板11bとの内側にねじ止めされることで、中板300が筐体11の内部に固定されている。
【0042】
本実施の形態では、上述したリールユニット100は、中板300の板上に載置されることにより取り付け位置に取り付けられる。
【0043】
中板300には、ガイド部330と保持部370と切欠部360とを備える。
ガイド部330は、取り付け位置へ向けて移動されるリールユニット100が当該取り付け位置への移動経路を維持できるようにするものである。
【0044】
また、ガイド部330は、中板300の左右方向のリールユニット100の左右方向の大きさよりも大きい所定の距離離れた位置にそれぞれ左ガイド部340と右ガイド部350とが設けられる。そして、左ガイド部340と右ガイド部350とは、一対のガイド部330として機能し、左ガイド部340がリールユニット100の左壁200に、右ガイド部350がリールユニット100の右壁210にそれぞれ対応してガイドする。
【0045】
すなわち、ガイド部330は、リールユニット100を中板300の前側に仮置きし、その後、取り付け位置へ摺動させる際に、仮置きした位置から取り付け位置までの移動経路から左側や右側に大きく逸れてしまうことを防止するものであり、移動経路から左側に逸れる場合は左ガイド部340がリールユニット100に接触し、右側に逸れる場合は右ガイド部350がリールユニット100に接触する。
【0046】
ガイド部330は、中板300の上面部の一部を筐体11の内部の前後方向の折り曲げ線Lに沿って、上向きに折り曲げられることで形成される。
そのため、ガイド部330を構成する部材は、中板300と同じステンレスなどの金属である。
【0047】
保持部370は、左ガイド部340と右ガイド部350との間を仮置きした位置から移動し、取り付け位置にあるリールユニット100を保持するものである。
また、保持部370は、後述するが、リールユニット100の係合部220が挿入されることで、リールユニット100を保持するようにしている。
【0048】
保持部370は、中板300の板上にねじなどにより取り付けられることで形成される。
また、保持部370を形成する素材はガイド部330を形成する素材よりも硬度が低い素材である。
すなわち、ガイド部330を形成する素材はステンレスなどの金属であるが、保持部370を形成する素材はポリカーボネートやABSなどの樹脂である。
このように構成することで、保持部370の交換を容易にし、リールユニット100の取り付け構造全体の製品寿命が長くなるように形成することが可能となる。
【0049】
また、保持部370は、開口した係止孔381,391と、係止孔381,391の両端側に設けられ、挿入された係合部220の左方向への移動を規制する左内壁382,392と、右方向への移動を規制する右内壁383,393と、左内壁382,392と右内壁383,393との上端間にわたされ、特にねじ116により中板300に固定される前のリールユニット100の前傾を規制する天板部384,394とを備える。
【0050】
ここで、係止孔381,391は、前面に開口し、仮置きした位置から取り付け位置へ移動してきたリールユニット100の係合部220が挿入される孔である。
なお、保持部370は、左内壁382,392と、右内壁383,393と、天板部384,394とを備えれば、形状を問わない。また、本実施の形態では、保持部370は、係止孔381,391の前面側だけでなく後面側も開口しているが、これに限定されず、後面側は塞がれていても良い。
【0051】
また、保持部370は、中板300の左右方向の中心位置から、それぞれ左右方向に特定の距離離れた位置に左保持部380と右保持部390とが設けられる。左保持部380はリールユニット100の左係合部230に対応し、当該左保持部380には左係合部230が挿入され、右保持部390はリールユニット100の右係合部240に対応し、当該右保持部390には右係合部240が挿入される。
【0052】
そして、係止孔381,391に係合部220が挿入された取り付け位置にあるリールユニット100が左方向へ大きく移動しようとしても係止孔381,391の左内壁382,392と係合部220の左端とが接触することでリールユニット100の左方向へ移動が規制される。
また、取り付け位置にあるリールユニット100が右方向へ大きく移動しようとしても係止孔381,391の右内壁383,393と係合部220の右端とが接触することでリールユニット100の右方向へ移動が規制される。
このように、保持部370は、取り付け位置に到達したリールユニット100が左右方向に大きく移動してしまうことを規制する固定部として機能する。
【0053】
切欠部360は、中板300の後方であって、背板11eの補給用孔部11fと連接する位置に設けられ、補給用孔部11fから差し込まれる補給シュートをホッパーユニット70まで通過させるものである。
また、
図5−1、
図5−2に示すように、切欠部360は左保持部380と右保持部390との間に位置するように形成されている。
このため、リールユニット100が遊技機10の内部に取り付けられた後において、作業者が背板11eの後方から補給用孔部11f及び切欠部360による空間を介して保持部370の状態を確認することができ、リールユニット100の取り付け不良を発見し易くすることができる。
【0054】
(リールユニット100の組み付け)
つぎに、
図4、
図5を用いて、遊技機10の製造工場において行われるリールユニット100の筐体11への組み付けについて説明する。
図4は、リールユニット100と中板300とを右側からみた図である。
図4(a)はリールユニット100を取り付ける前の状態を示し、
図4(b)はリールユニットが取り付け位置へ移動したときの状態を示す。
【0055】
リールユニット100が中板300上に組み付けられるときには、
図4(a)、
図4(b)の順に示すように組み付けられる。
まず、
図4(a)に示すように、リールユニット100の下板部112の下面を中板300の上面と上下方向において概ね一致するようにリールユニット100を移動させる。
その後、リールユニット100を、背板11e側(後方)へ向けて中板300の上面に沿って移動させる。
【0056】
そし、
図4(b)に示すように、リールユニット100が取り付け位置へ到達すると、リールユニット100の突部113と中板300の前側端部とが接触する。
リールユニット100が取り付け位置に移動すると、突部113に設けられた貫通穴であるユニット固定用ねじ止め部115を貫通したねじ116が中板300の前側端部に設けられたねじ穴320にねじ止めされて、リールユニット100は中板300に固定される。
【0057】
図5は、ユニットホルダ110の連結部117及び下板部112と、中板300のガイド部330及び保持部370とを、上側からみた図である。なお、図面の見やすさを確保する観点から、図中において断面のハッチングは省略している。
図5−1(a)はリールユニット100を取り付ける前の状態を示し、
図5−1(b)はリールユニット100を
図5−1(a)の状態から背板11e側(後方)へ向けて移動させたときの図であり、
図5−2(c)はリールユニット100を
図5−1(b)の状態から更に背板11e側(後方)へ向けて移動させ、リールユニット100が取り付け位置へ到達したときの図である。
【0058】
まず、
図5−1(a)に示すように、リールユニット100の連結部117を構成する左壁200と右壁210との間の左右方向における中心を中板300のガイド部330の間の左右方向における中心と概ね一致するようにリールユニット100を移動させる。
このとき、左係合部230の左右方向における中心と左保持部380の左内壁382と右内壁383との間の左右方向における中心、及び、右係合部240の左右方向における中心と右保持部390の左内壁392と右内壁393との間の左右方向における中心とは、概ね一致する位置関係となる。
【0059】
また、リールユニット100の第1壁部(第1左壁部201,第1右壁部211)と中板300のガイド部330との間には距離Y1a,Y1bが生じるように各部が配置されている。
【0060】
つぎに、
図5−1(b)に示すように、リールユニット100の係合部220の後端が中板300の保持部370の前端と前後方向において一致する位置までリールユニット100を移動させると、リールユニット100の第2壁部(第2左壁部202,第2右壁部212)の後端が中板300のガイド部330の前端と前後方向において一致するようにリールユニット100と中板300とを形成している。
【0061】
換言すると、リールユニット100の係合部220の後端が中板300の保持部370の前端同士を繋いだ仮想線L1上に到達すると、リールユニット100の第2壁部(第2左壁部202,第2右壁部212)の後端が中板300のガイド部330の前端同士を繋いだ仮想線L2上に到達する。
かかる位置に到達すると、作業者は係合部220が保持部370に挿入される位置まで到達したことが分かり、係合部220と保持部370との位置合わせを行うこととなる。
【0062】
また、このとき、リールユニット100の第2壁部(第2左壁部202,第2右壁部212)と中板300のガイド部330との間には距離Y2a,Y2bが生じるように各部が配置されている。
また、リールユニット100の第1壁部(第1左壁部201,第1右壁部211)と中板300のガイド部330との間には距離Y1a,Y1bが生じるように各部が配置されている。
【0063】
また、かかる
図5−1(b)に示す係合部220が係止孔381,391に挿入される前においては、第2壁部(第2左壁部202,第2右壁部212)がガイド部330と対向しないように配置されている。すなわち、第2壁部(第2左壁部202,第2右壁部212)は、連結部117の前側を構成している。
【0064】
さらに、
図5−2(c)に示すように、リールユニット100が取り付け位置へ到達すると、左保持部380に左係合部230が入り込んだ状態となる。また、左保持部380の左内壁382と左係合部230との間、及び、左保持部380の右内壁383と左係合部230との間に、それぞれ距離X1,X2が生じるように各部が配置されている。
ここで、左保持部380の左内壁382と右内壁383と間の左右方向の中心と左係合部230の左右方向の中心とを一致させると、左保持部380の左内壁382と左係合部230との間の距離X1と左保持部380の右内壁383と左係合部230との間の距離X2とがほぼ同じになる。
【0065】
また、かかる
図5−2(c)に示すように、係合部220が係止孔381,391に挿入されると、第2壁部(第2左壁部202,第2右壁部212)がガイド部330と対向するように配置されている。
【0066】
同様に、
図5−2(c)に示すように、リールユニット100が取り付け位置へ到達すると、右保持部390に右係合部240が入り込んだ状態となる。また、右保持部390の左内壁392と右係合部240との間、及び、右保持部390の右内壁393と右係合部240との間に、それぞれ距離X1,X2が生じるように各部が配置されている。
ここで、右保持部390の左内壁392と右内壁393と間の左右方向の中心と右係合部240の左右方向の中心とを一致させると、右保持部390の左内壁392と右係合部240との間の距離X1と右保持部390の右内壁393と右係合部240との間の距離X2とがほぼ同じになる。
【0067】
また、左保持部380の左内壁382と左係合部230との間の距離X1と右保持部390の左内壁392と右係合部240との間の距離X1とはほぼ同じになるように配置され、左保持部380の右内壁383と左係合部230との間の距離X2と右保持部390の右内壁393と右係合部240との間の距離X2とはほぼ同じになるように配置される。
【0068】
また、右保持部390の左内壁392と右内壁393と間の左右方向の中心と右係合部240の左右方向の中心とを一致させると、第1左壁部201と中板300の左ガイド部340との間の距離Y1aと、第1右壁部211と中板300の右ガイド部350との間の距離Y1bとがほぼ同じになる。また、第2左壁部202と中板300の左ガイド部340との間の距離Y2aと、第2右壁部212と中板300の右ガイド部350との間の距離Y2bとがほぼ同じになる。
【0069】
また、かかる距離X1は、距離Y1a及び距離Y2aに比べて小さく、距離X2は、距離Y1b及び距離Y2bに比べて小さく、なるように各部が配置されている。
これは、回転リール150が回転するとリールユニット100が振動し、係合部220が保持部370の内壁間を移動することが考えられるが、係合部220が保持部370の内壁間を移動したとしてもリールユニット100の連結部117を構成する左壁200と右壁210とがガイド部330と接触しないように配慮されているためである。
【0070】
すなわち、リールユニット100の連結部117を構成する左壁200と右壁210とがガイド部330と接触すると、樹脂で形成された連結部117を構成する左壁200と右壁210とが金属製で形成されたガイド部330によって損傷してしまい、リールユニット100の美観が損なわれることや、リールユニット100の強度が低下する等の問題が発生するため、これらの問題の発生を低減されるため、距離X1,X2は距離Y1及び距離Y2に比べて小さくなるように形成されている。
また、距離X1,X2は距離Y1及び距離Y2に比べて小さくなるように形成されているため、リールユニット100が取り付け位置に配置されると、リールユニット100の前側が大きく左右に移動することが抑制されるため、ねじ116をねじ穴320にねじ止めする際の位置合わせが容易になり、リールユニット100を中板300に固定する作業を容易なものとすることができる。
【0071】
また、
図5−1、
図5−2に示すように、距離Y1aは、距離Y2aに比べて大きく、距離Y1bは、距離Y2bに比べて大きくなるように各部が配置されている。
上述したように、リールユニット100を遊技機10の内部に取り付ける際には、まず、リールユニット100の下板部112の下面を中板300の上面と上下方向において概ね一致するようにリールユニット100を移動させる必要があるが、この段階での位置合わせはリールユニット100が中板300に載置される前から行われるものであるため、作業者は左右方向の位置合わせだけでなく上下方向の位置合わせも考慮して行う必要があり、リールユニット100を中板300の左右のガイド部330の内側に位置させるのが難しい作業となる。
そこで、距離Y1はなるべく大きくなるようにして、リールユニット100を中板300の左右のガイド部330の内側に位置させる作業が容易なものとなるようにしている。
【0072】
一方、リールユニット100が中板300上を後方へ向けて移動し、リールユニット100の係合部220の後端が中板300の保持部370の前端と前後方向において一致する位置(
図5−1(b)参照)に到達した後、取り付け位置(
図5−2(c))に到達するまでの間では、ガイド部330に第2壁部(第2左壁部202,第2右壁部212)が対向し、ガイド部330と左壁200との距離と、ガイド部330と右壁210との距離が、ガイド部330に第1壁部(第1左壁部201,第1右壁部211)が対向していたときに比べて小さくなる(距離Y2<距離Y1)ように各部が形成されている。
【0073】
これは、ガイド部330と左壁200との距離と、ガイド部330と右壁210との距離が大きいまま(距離Y1のまま)であると、保持部370に係合部220を入りこませる作業がかえって困難なものとなってしまうため、保持部370に係合部220を入りこませる作業の段階においてはこの作業が容易なものとなるようにガイド部330と左壁200との距離と、ガイド部330と右壁210との距離を狭く(距離をY2とする)しているからである。
保持部370に係合部220を入りこませる作業は、作業者が、保持部370と係合部220との位置合わせを行い、その後にリールユニット100を後方へ向けて移動させるというものである。
【0074】
ここで、保持部370と係合部220との位置合わせは、作業者がリールユニット100の左壁200、右壁210、及びガイド部330を同時に視認して、左壁200とガイド部330との距離と右壁210とガイド部330との距離とがほぼ等しくなるようにリールユニット100を位置させることで行われる。
その際、ガイド部330と左壁200との距離とガイド部330と右壁210との距離が大きいまま(距離Y1のまま)であると両者の距離を等しくすることが困難となるが、保持部370と係合部220との位置合わせを行う際には、ガイド部330の近くにガイド部330との距離が第1壁部(第1左壁部201,第1右壁部211)に比べて狭い第2壁部(第2左壁部202,第2右壁部212)が位置することになる。
【0075】
このため、作業者がリールユニット100の左壁200、右壁210、及びガイド部330を同時に視認し易くなり、左壁200とガイド部330との距離と右壁210とガイド部330との距離とがほぼ等しくなるようにリールユニット100を位置させることが容易になり、保持部370と係合部220との位置合わせを容易にできるようになる。
【0076】
また、距離Y2は距離Y1に比べて小さくなるように形成されているため、保持部370に係合部220が挿入されると、リールユニット100の前側が大きく左右に移動することが抑制されるため、ねじ116をねじ穴320にねじ止めする際の位置合わせが容易になり、リールユニット100を中板300に固定する作業を容易なものとすることができる。
【0077】
(リールユニットの突部と係合部とによる機能)
図6に、リールユニット100を右側方からみたときの図を示す。
図6(a)はリールユニット100を床面に置く直前の状態(ユニットホルダ110の下板部112が床面と平行となった状態)を示し、
図6(b)はリールユニット100を床面に置いたときの状態を示す。
図6(b)に示すように、リールユニット100を床面に置くと、突部113と係合部220とが床面に接触することにより、
図6(a)の状態に比べリールユニット100が突部113と床面との接触点Pを中心として後方に傾動した状態となる。
【0078】
このようにリールユニット100が傾動すると上板部111が後方に移動することになり、作業者がリールユニット100の上方からリールユニット100を見下ろしたときに、作業者の視点を基準とした回転リール150の表面に対する視野が広くなり、回転リール150の表面に表示されている図柄を視認し易くなる。このため、リールユニット100を筐体11に組み付ける作業をする際に、リールユニット100の不具合に気が付きやすく、又、リールユニット100を取り違えて間違ったリールユニット100を組み付けることなどがなく、作業がし易くなる。
【0079】
(遊技の流れの説明)
本実施の形態に係る遊技機10は、マックスベットスイッチやシングルベットスイッチ等の操作又はメダル投入により所定枚数のメダルを投入することにより遊技の開始を可能とするものである。そして、スタートスイッチの押下操作により、回転リールの回転を開始させて遊技が開始されるとともに、複数の役のいずれかに当選か又はハズレかの役抽選が行われる。そして、当該遊技機10は、各回転リールに対応するストップスイッチの操作タイミング及び役抽選の結果に基づいて、回転リールの回転を役抽選の結果に適合するように停止させる。当該遊技機は、停止時の図柄の組み合わせによって、当選した役を構成する図柄の組み合わせが所定の有効ライン上に停止した場合に、入賞等となり、所定枚数のメダルを払い出す等の所定の利益を遊技者に付与する。これにより、1回の遊技が終了するものである。
【0080】
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。
【0081】
例えば、上述した実施の形態では、部品の一例として、リールユニット100を用いて説明したが、これに限定されず、ホッパーユニット70や、ディスプレイ装置(図示せず)、可動役物(図示せず)などの他の部品であっても良い。
【0082】
また、リールユニット100などの部品の一例は、中板300の板上に載置される場合に限定されず、背板11eなどに取り付けられるようにしても良い。
この場合には、ガイド部330や保持部370は背板11eに備えられることとなる。
【0083】
また、保持部370を形成する素材の硬度がガイド部330を形成する素材の硬度より低いのであれば、ガイド部330及び保持部370が金属であるか樹脂であるかを問わない。
【0084】
以上のように、本発明では、以下の効果を奏する。
本発明によれば、リールユニット100が取り付け位置に配置された後にリールユニット100が振動したとしても、リールユニット100が摩耗する割合を低減させることが可能な遊技機10を提供することができる。
【0085】
本発明によれば、さらに、リールユニット100と擦れる可能性のある保持部370が樹脂であることから、リールユニット100が摩耗する割合を低減させることが可能な遊技機10を提供することができる。
【0086】
本発明によれば、さらに、保持部370よりも大きく、交換の大変なリールユニット100の摩耗を低減させることが可能な遊技機10を提供することができる。
【0087】
本発明によれば、さらに、リールユニット100が取り付け位置にあるときに、リールユニット100の振動などにより取り付け位置へ向かう方向と直交する方向への移動した場合であっても、ガイド部330に当接する前に当該ガイド部330よりも硬度の低い保持部370に当接し、リールユニット100の摩耗を防止することが可能な遊技機10を提供することができる。
【0088】
本発明によれば、さらに、リールユニット100の左壁200と左壁200に対応する左ガイド部340との距離と、リールユニット100の右壁210と右壁210に対応する右ガイド部350との距離と、を大きくするようにして、ガイド部330の間にリールユニット100を仮置きしやすくすると共に、リールユニット100が取り付け位置にあるときにリールユニット100の振動などにより左右方向に移動した場合であっても、ガイド部330に当接する前に当該ガイド部330よりも硬度の低い保持部370に当接し、リールユニット100の摩耗を防止することが可能な遊技機10を提供することができる。
【0089】
本発明によれば、さらに、リールユニット100の第1壁部(第1左壁部201,第1右壁部211)とガイド部330との距離を大きくするようにして、ガイド部330の間にリールユニット100を仮置きしやすくするとともに、係合部が係止部に挿入されると、第2壁部(第2左壁部202,第2右壁部212)とガイド部330との距離が小さくなるようにして、リールユニット100の前側が大きく動くことにより係合部220が係止孔381,391に挿入された状態で大きく動いてしまい当該係合部220や係止孔381,391に強い負荷がかかるということを抑制することが可能な遊技機10を提供することができる。
すなわち、リールユニット100の壁の間の距離の異なる第1壁部(第1左壁部201,第1右壁部211)と第2壁部(第2左壁部202,第2右壁部212)とを備えることで、リールユニット100を仮置きする際には、ガイド部330との間が広くなるようにすると共に、係合部220が係止孔381,391に挿入された後には、ガイド部330との間が狭くなるようにすることで、仮にリールユニット100の前側が大きく動いたとしても係合部220や保持部370に強い負荷がかかることによる破損などの不都合が発生することを抑制することができる。
【0090】
本発明によれば、さらに、別部材を設けることなくガイド部330を設けることができるので部品点数が少ないという利点を享受しつつ、中板300の板上の取り付け位置にリールユニット100を載置する際に、中板300の板上の仮置きした位置から取り付け位置へ移動させるまでに移動経路から逸れることを防止しつつ、保持部370に向けて移動させることが可能な遊技機10を提供することができる。
【解決手段】取り付け位置へ向けて移動される部品が当該取り付け位置への移動経路を維持できるようにするガイド部と、取り付け位置にある部品を保持するための保持部と、を備え、ガイド部と保持部とは互いに素材が異なり、保持部を形成する素材はガイド部を形成する素材よりも硬度が低い素材であることを特徴とする。