(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6860256
(24)【登録日】2021年3月30日
(45)【発行日】2021年4月14日
(54)【発明の名称】梁柱構造部材の耐衝撃性を試験する装置
(51)【国際特許分類】
G01N 3/30 20060101AFI20210405BHJP
G01M 7/08 20060101ALI20210405BHJP
【FI】
G01N3/30 N
G01N3/30 P
G01M7/08 C
【請求項の数】10
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2020-150752(P2020-150752)
(22)【出願日】2020年9月8日
【審査請求日】2020年9月8日
(31)【優先権主張番号】201911171380.4
(32)【優先日】2019年11月26日
(33)【優先権主張国】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519295166
【氏名又は名称】▲広▼州大学
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】特許業務法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】焦 楚杰
(72)【発明者】
【氏名】権 長青
【審査官】
瓦井 秀憲
(56)【参考文献】
【文献】
特開2010−071819(JP,A)
【文献】
特開2004−271216(JP,A)
【文献】
特開2011−075307(JP,A)
【文献】
特開平09−234700(JP,A)
【文献】
中国特許出願公開第104006942(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 3/30
G01M 7/00
G01M 7/08
G01M 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
動的載荷部と、構造部材載置部と、検出分析装置と、を備え、動的載荷部は、発射装置と、弾丸と、入射ロッドと、衝撃ヘッドと、を含み、入射ロッドの一端は、発射装置の発射口に正対され、他端には、衝撃ヘッドが取り付けられ、試験を行う場合には、構造部材載置部に構造部材が載置され、衝撃ヘッドが構造部材の側面に密着させ、発射装置は、弾丸を発射して入射ロッドに衝突し、検出分析装置は、弾丸速度を検出する弾丸速度測定装置と、入射ロッドの応力変化状況を検出する入射ロッド応力検出システムと、構造部材変形状況及び応力変化状況を検出する構造部材変形検出システムと、データ処理システムとを含む、ことを特徴とする梁柱構造部材の耐衝撃性能を試験する装置。
【請求項2】
構造部材載置部は、作業プラットフォームと、先端反力フレームと、後端反力フレームと、先端反力フレームに当接して配置された第1支持台と、先端反力フレームと後端反力フレームとの間に配置された第2支持台と、第2支持台と後端反力フレームとの間に配置された軸方向静力付勢装置と、を備え、先端、後端反力フレーム、および支持台は、いずれも作業プラットフォームに固定され、第1、第2支持台には、前後方向に沿って同一水平直線に位置する構造部材を載置するための載置位が設けられており、
前記軸方向静力付勢装置は、ジャッキと、ばねと、を備え、検出部は、軸方向静力付勢装置で構造部材に印加される軸方向静力の大きさを測定するためのセンサをさらに備え、ジャッキ、センサ、ばねは、前後方向に沿って同一水平直線に順次に固定接続されており、試験を行う場合には、ジャッキの後端が後端反力フレームに当接され、ばねの先端が載置位に載置された構造部材の後端端面に当接されている、ことを特徴とする請求項1に記載の梁柱構造部材の耐衝撃性能を試験する装置。
【請求項3】
構造部材載置部は、地面に固定されたガイドレールステージをさらに備え、作業プラットフォームは、前後並進アセンブリを介してガイドレールステージに配置されている、ことを特徴とする請求項2に記載の梁柱構造部材の耐衝撃性能を試験する装置。
【請求項4】
衝撃ヘッドが構造部材に接続される端面は、構造部材の弧面または平面に密着する形状であり、衝撃ヘッドは、入射ロッドの一端に着脱可能に取り付けられている、ことを特徴とする請求項1に記載の梁柱構造部材の耐衝撃性能を試験する装置。
【請求項5】
衝撃ヘッドの材料は、入射ロッドの材料と同じである、ことを特徴とする請求項1に記載の梁柱構造部材の耐衝撃性能を試験する装置。
【請求項6】
実験を行う場合には、衝撃ヘッドと構造部材、衝撃ヘッドと入射ロッドとの接触箇所にグリースを塗布する、ことを特徴とする請求項1に記載の梁柱構造部材の耐衝撃性能を試験する装置。
【請求項7】
入射ロッドの発射装置発射口に正対している一端端面には、波形整形器が設けられている、ことを特徴とする請求項1に記載の梁柱構造部材の耐衝撃性能を試験する装置。
【請求項8】
梁構造部材に垂直方向等分布荷重または垂直集中力を印加するための載荷装置をさらに備える、ことを特徴とする請求項1に記載の梁柱構造部材の耐衝撃性能を試験する装置。
【請求項9】
前記検出分析装置は、構造部材が試験における形態変化過程を記録する高速カメラをさらに備える、ことを特徴とする請求項1に記載の梁柱構造部材の耐衝撃性能を試験する装置。
【請求項10】
前記検出分析装置は、構造部材の亀裂を動的に追跡位置決めするAEセンサをさらに備える、ことを特徴とする請求項1に記載の梁柱構造部材の耐衝撃性能を試験する装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、構造部材耐衝撃性能試験技術分野に関するもので、特に、梁柱構造部材の耐衝撃性を試験する装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ホプキンソンロッド法試験装置(SHPB)は、原理簡単、操作便利、試験結果精度が高いという利点があることに鑑み、近年、ホプキンソンロッド法試験装置(SHPB)を用いて材料の動態性能を研究することがすでに主流の試験方法となっている。現在、構造部材の衝撃作用下での動的応答を研究する試験装置は、主に落錘衝突試験機であるが、落錘の繰り返し衝撃による衝撃力時刻歴曲線に現れた高周波振動および落錘自体の慣性が衝撃負荷に与えた影響が試験結果の処理と分析に不利という問題も指摘されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】中国特許出願公開第107165273号明細書
【0004】
本発明は、建築構造技術分野に属し、次の手順に従って作られた防爆防衝撃の組立式梁柱ノードの設計方法を開示する。詳細には、第1プレキャスト型枠、第2プレキャスト型枠、柱封口鋼型枠、梁封口鋼型枠を作るステップと、第1プレキャスト型枠を操作枠に取り付けて固定するステップと、位置決めノードの鉄筋骨格を第1プレキャスト型枠に組み立てるステップと、柱底部封口鋼型枠及び4つの梁封口鋼型枠を取り付けるステップと、初回のUHPC打設ステップと、第2プレキャスト型枠を取り付けるステップと、2回目のUHPC打設ステップと、柱頂部封口鋼型枠を取り付けるステップと、養生室に送り込んで45℃で初回の養生を行うステップと、養生室を90℃に昇温して蒸気養生を行うステップと、養生室から移出されたプレキャストノードに対して標準養生を開始するステップと、標準養生を経た後のプレキャストノードを現場に搬送して所定位置に組み立てた後、現場の一体梁柱構造に接続して完全な枠構造を形成し、その後、コンクリートを打設することにより一体化にするステップと、を含んだ。尚、本発明は、防爆防衝撃の組立式梁柱に用いられるものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記従来の問題点を解決するための手段として、梁柱構造部材に対する横方向衝撃試験を実施できる梁柱構造部材の耐衝撃性を試験する装置を提供することを目的とする。該装置は、落錘衝突試験機に比べて、構造部材を繰り返し衝撃する現象が生じず、試験データ結果がより高い信頼性を有する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を実現するために、本発明の用いる技術方案は、以下のとおりである。
【0007】
梁柱構造部材の耐衝撃性能を試験する装置であって、動的載荷部と、構造部材載置部と、検出分析装置と、を備え、動的載荷部は、発射装置と、弾丸と、入射ロッドと、衝撃ヘッドと、を含み、入射ロッドの一端は、発射装置の発射口に正対され、他端には、衝撃ヘッドが取り付けられている。試験を行う場合には、構造部材載置部に構造部材が載置され、衝撃ヘッドが構造部材の側面に密着させている。発射装置は、弾丸を発射して入射ロッドに衝突する。検出分析装置は、弾丸速度を検出する弾丸速度測定装置と、入射ロッドの応力変化状況を検出する入射ロッド応力検出システムと、構造部材変形状況及び応力変化状況を検出する構造部材変形検出システムと、データ処理システムと、を含んだ。
【0008】
本発明の動的載荷部は、SHPB装置であって、透過ロッドと緩衝ロッドと、を撤去したが、入射ロッドは、衝撃ヘッドを介して構造部材載置部に載置された構造部材に連結され、構造部材に対して横方向衝撃試験を行うものである。前記弾丸速度測定装置は、平行光源と、速度測定回路と、を含む従来の速度測定装置である。前記入射ロッド応力検出システムは、入射ロッドに配置された歪みゲージと、動ひずみ計と、スマート測定分析装置と、を含む従来の応力試験システムである。前記構造部材変形検出システムは、構造部材の軸方向に直交する構造部材に取り付けられた歪みゲージと、構造部材の軸方向に沿って歪みゲージと、変位計と、歪み採集器と、を含む従来の構造部材変形検出システムである。このような構成によれば、構造部材に対して試験を行う場合には、弾丸の長さを制御することで、構造部材を繰り返し衝撃する現象を回避することができる。さらに、本発明は、入射ロッド及び構造部材から採集した2組のデータを組み合わせて分析することで、より高い信頼性を有する試験データ結果を得ることができる。
【0009】
構造部材載置部は、作業プラットフォームと、先端反力フレームと、後端反力フレームと、先端反力フレームに当接して配置された第1支持台と、先端反力フレームと後端反力フレームとの間に配置された第2支持台と、第2支持台と後端反力フレームとの間に配置された軸方向静力付勢装置と、を備え、先端、後端反力フレーム、および支持台は、いずれも作業プラットフォームに固定され、第1、第2支持台には、前後方向に沿って同一水平直線に位置する構造部材を載置するための載置位が設けられていることが望ましい。
【0010】
前記軸方向静力付勢装置は、ジャッキと、ばねと、を備える。検出部は、軸方向静力付勢装置で構造部材に印加される軸方向静力の大きさを測定するためのセンサをさらに備える。ジャッキ、センサ、ばねは、前後方向に沿って同一水平直線に順次に固定接続されている。試験を行う場合には、ジャッキの後端が後端反力フレームに当接され、ばねの先端が載置位に載置された構造部材の後端端面に当接されている。このような構成によれば、構造部材に軸方向圧力作用を加えることができ、また、ジャッキの左右移動により構造部材への偏心圧力を加える作用を実現することができる。
【0011】
また、構造部材載置部は、地面に固定されたガイドレールステージをさらに備え、作業プラットフォームは、前後並進アセンブリを介してガイドレールステージに配置されている。前記前後並進アセンブリは、前後方向に沿ってガイドレールと、作業プラットフォームの底部に固定されてガイドレールと協働する可動部材と、を含むことが望ましい。このような構成によれば、前後に作業プラットフォームを並進させることができ、構造部材の側面の異なる位置に対する衝撃を与えることを実現し、構造部材の異なる衝撃位置における抗横方向衝撃性能を検討する。
【0012】
また、衝撃ヘッドと構造部材とが接続された一端端面の形状は、構造部材の弧面または平面に密着させているものに設置され、衝撃ヘッドは、入射ロッドの一端に着脱可能に取り付けられていることが望ましい。このような構成によれば、断面形状、寸法の異なる構造部材に適応することができ、試験結果の正確性を保証することを助ける。尚、衝撃ヘッドの着脱可能取付方式は、衝撃ヘッドの交換を容易にする。
【0013】
また、弾丸、衝撃ヘッドの材料は、いずれも入射ロッドの材料と同じであることが望ましい。このような構成によれば、波動インピダンスの一致性を確保することができる。
【0014】
また、実験を行う場合には、衝撃ヘッドと構造部材、衝撃ヘッドと入射ロッドとの接触箇所にグリースを塗布することが望ましい。このような構成によれば、端面摩擦効果が実験結果に与える影響を小さくしている。
【0015】
また、入射ロッドの発射装置発射口に正対している一端端面には、波形整形器が設けられていることが望ましい。このような構成によれば、応力波波形の制御により異なる試験の要求を満たすことができる。
【0016】
また、梁柱構造部材の耐衝撃性を試験する装置であって、梁構造部材に垂直方向等分布荷重または垂直集中力を印加するための載荷装置をさらに備えることが望ましい。このような構成によれば、構造部材に垂直方向等分布荷重、任意位置の垂直集中力を加えることができ、構造部材の軸方向荷重、縦方向等分布荷重と横方向衝撃荷重の複合作用下での試験要求を満たすことができ、構造部材に対して多種の荷重状況下での横方向衝撃試験を実現することができる。
【0017】
また、検出装置は、構造部材が試験における形態変化過程を記録する高速カメラをさらに備えることが望ましい。このような構成によれば、横方向衝撃による構造部材の形態変化過程を記録することができる。
【0018】
また、検出装置は、構造部材の亀裂を動的に追跡位置決めするAEセンサをさらに備えることが望ましい。このような構成によれば、構造部材の亀裂を動的に追跡・位置決めすることができ、破壊過程における音響放出エネルギー-ピーク周波数関連図を分析し、構造部材の多種の荷重作用による破壊パターン、損傷劣化メカニズムを検討することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明は、以下の有益の効果を有する。
【0020】
本発明は、落錘衝突試験機に比べて、構造部材に対して試験を行う際には、弾丸の長さを制御することで、構造部材を繰り返し衝撃する現象を回避することができる。さらに、本発明は、入射ロッド及び構造部材から採集した2組のデータを組み合わせて分析することで、より高い信頼性を有する試験データ結果を得ることができる。
【0021】
本発明は、発射装置を用いて弾丸を駆動して入射ロッドに衝突させた後、応力パルスを発生させて入射ロッド内に伝播し、衝撃ヘッドを介して一部分のエネルギーが構造部材に伝達放散し、残りのエネルギーを反射波の形式で入射ロッドに戻す。入射ロッド上の歪みゲージに記録された波形、構造部材上の歪みゲージの信号を組み合わせて分析することで、部材の耐横方向衝撃性能を検討する。本発明は、縦方向等分布荷重、垂直集中力、軸方向荷重と横方向衝撃荷重の複合作用下での構造部材の動的応答を測定することができ、境界拘束条件、偏心距離、軸方向比、垂直荷重、衝撃位置、衝撃エネルギーなどが梁柱構造部材の耐横方向衝撃性能に与える影響も試験することができ、AEセンサと高速カメラを用いて構造部材の亀裂に対して動態追跡と位置決めを行い、微視面から構造部材の複雑な負荷作用下での破壊パターン、損傷劣化メカニズム、変形特性及び残留支持能力をさらに検討することができる。本発明は、操作が簡便で、より高い信頼性を有する試験データ結果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】梁柱構造部材の耐衝撃性を試験する装置の構造を示す模式図である。
【
図2】軸方向静力作用を考慮した試験状態を示す模式図である。
【
図3】垂直方向等分布荷重作用を考慮した試験状態を示す模式図である。
【
図4】垂直集中力作用を考慮した試験状態を示す模式図である。
【
図5a】円台形衝撃ヘッドを正面方向から見た構造を示す模式図である。
【
図5b】円台形衝撃ヘッドの断面を示す模式図である。
【
図6a】円弧内凹形衝撃ヘッドを正面方向から見た構造を示す模式図である。
【
図6b】円弧内凹形衝撃ヘッドの断面を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、実施例を参照して、本発明について詳細に説明する。
【0024】
動的載荷部と、構造部材載置部と、検出分析装置と、を備える梁柱構造部材の耐衝撃性能を試験する装置であって、
動的載荷部は、発射装置と、弾丸と、入射ロッドと、衝撃ヘッドと、を含み、入射ロッドの一端は、発射装置の発射口に正対され、他端には、衝撃ヘッドが取り付けられている。試験を行う場合には、構造部材載置部に構造部材が載置され、衝撃ヘッドが構造部材の側面に密着させている。発射装置は、弾丸を発射して入射ロッドに衝突する。
衝撃ヘッドと構造部材とが接続された一端端面の形状は、断面形状、寸法の異なる構造部材に対応できるように、例えば、矩形断面の構造部材を試験できる円台形衝撃ヘッドに設計され、円形断面の構造部材を試験できる円弧内凹形衝撃ヘッドに設計されている。衝撃ヘッドは、衝撃ヘッドの交換を容易にするために入射ロッドの一端に着脱可能に取り付けられている。波動インピーダンスの一致性を確保するために、弾丸、衝撃ヘッドの材料は、いずれも入射ロッドの材料と同じである。端面摩擦効果が実験結果に与える影響を小さくするために、実験を行う時、衝撃ヘッドと構造部材、衝撃ヘッドと入射ロッドとの接触箇所にグリースを塗布する。入射ロッドの発射装置発射口に正対する一端端面には、波形整形器が設けられ、応力波波形を制御することで異なる試験の要求を満たすことができる。
【0025】
構造部材載置部は、作業プラットフォームと、先端反力フレームと、後端反力フレームと、先端反力フレームに当接して配置された第1支持台と、先端反力フレームと後端反力フレームとの間に配置された第2支持台と、第2支持台と後端反力フレームとの間に配置された軸方向静力付勢装置と、を備える。先端、後端反力フレーム、および支持台は、いずれも作業プラットフォームに固定され、第1、第2支持台には、前後方向に沿って同一水平直線に位置する構造部材を載置するための載置位が設けられている。前記軸方向静力付勢装置は、ジャッキと、ばねと、を備える。検出部は、軸方向静力付勢装置で構造部材に印加される軸方向静力の大きさを測定するためのセンサをさらに備える。ジャッキ、センサ、ばねは、前後方向に沿って同一水平直線に順次に固定接続されている。試験を行う場合には、ジャッキの後端が後端反力フレームに当接され、ばねの先端が載置位に載置された構造部材の後端端面に当接されている。軸方向静力付勢装置は、構造部材に軸方向圧力作用を加えることができ、また、ジャッキの左右移動により構造部材への偏心圧力を加える作用を実現することができる。
【0026】
構造部材載置部は、地面に固定されたガイドレールステージをさらに備え、作業プラットフォームは、前後並進アセンブリを介してガイドレールステージに配置されている。前記前後並進アセンブリは、前後方向に沿ってガイドレールと、作業プラットフォームの底部に固定されてガイドレールと協働する可動部材と、を含んだ。前後に作業プラットフォームを並進させることで、構造部材の側面の異なる位置に対する衝撃を与えることを実現し、構造部材の異なる衝撃位置における抗横方向衝撃性能も検討することができる。
【0027】
検出分析装置は、弾丸速度を検出する弾丸速度測定装置と、入射ロッドの応力変化状況を検出する入射ロッド応力検出システムと、構造部材変形状況及び応力変化状況を検出する構造部材変形検出システムと、データ処理システムと、を含んだ。前記弾丸速度測定装置は、平行光源と、速度測定回路と、を含む従来の速度測定装置である。前記入射ロッド応力検出システムは、入射ロッドに配置された歪みゲージと、動ひずみ計と、スマート測定分析装置と、を含む従来の応力試験システムである。前記構造部材変形検出システムは、構造部材に取り付けられた構造部材の軸方向に直交する歪みゲージと、構造部材の軸方向に沿っている歪みゲージと、変位計と、歪み採集器と、を含む従来の構造部材変形検出システムである。
【0028】
横方向衝撃による構造部材の形態変化過程を記録するために、検出装置は、構造部材が試験における形態変化過程を記録する高速カメラをさらに備える。
【0029】
構造部材の亀裂を動的に追跡・位置決めし、破壊過程における音響放出エネルギー-ピーク周波数関連図を分析し、構造部材の多種の荷重作用による破壊パターン、損傷劣化メカニズムを検討するために、検出装置は、構造部材の亀裂を動的に追跡位置決めするAEセンサをさらに備える。
【0030】
梁柱構造部材の耐衝撃性を試験する装置であって、梁構造部材に垂直方向等分布荷重または垂直集中力を印加するための載荷装置をさらに備える。この載荷装置は、構造部材に垂直方向、任意位置の垂直集中力を加えることができる従来の載荷装置である。該装置は、構造部材の軸方向荷重、縦方向等分布荷重と横方向衝撃荷重の複合作用下での試験要求を満たすことができ、構造部材に対して多種の荷重状況下での横方向衝撃試験を実現することができる。
【0031】
本発明の一実施形態による梁柱構造部材の耐衝撃性を試験する装置は、主に梁柱構造部材の耐衝撃性能を試験する用に用いられる。
【0032】
実験を行う場合には、入射ロッド上の歪みゲージに記録された入射波と反射波に基づいて、構造部材の横方向衝撃過程におけるエネルギー消費メカニズムを定量的に分析する;歪みゲージと変位計を介して構造部材から収集したデータと入射ロッド上の歪みゲージの波形信号を組み合わせて、構造部材の横方向衝撃性能を総合的に分析する。
【0033】
実験要求によって、異なる長さの弾丸を用いて異なる速度で入射ロッドに衝突し、弾丸と入射ロッドの波動インピダンスが同じであるため、入射ロッドは、弾丸の全エネルギーを獲得し、そのエネルギーを構造部材に伝達する。構造部材は、変形により入射ロッドから送られてきいたエネルギーの一部分を蓄積し、他の部分は入射ロッドに反射する。入射ロッド上の歪みゲージで採取した電圧信号をひずみ値に変換し、さらに、ひずみ値を応力波形に変換し、入射波と反射波から入射エネルギーと反射エネルギーを得ることができ、その後、構造部材が吸収したエネルギーを算出することができ、構造部材上の歪みゲージが収集した情報に組み合わせて、構造部材の横方向衝撃下でのエネルギー消費メカニズムを総合的に分析する。
【0034】
E
a(t)=E
i(t)-E
r(t) (1)
V
ε,i(t)=σ
i(t)・ε
i(t) (2)
V
ε,r (t)=σ
r(t)・ε
r(t) (3)ここで:
E
a(t)--構造部材吸収したエネルギー;
E
i(t)一入射エネルギー;
E
r(t)--反射エネルギー;
V
ε,i(t)--入射ひずみエネルギー;
V
ε,r(t)--反射ひずみエネルギー;
σ
i(t)--入射応力;
ε
i(t)--入射ひずみ;
σ
r(t)--反射応力;
ε
r(t)--反射ひずみ。
【0035】
上記実施例は、本発明の好ましい実施形態であるが、本発明の実施形態は、上記実施例に制限されず、本発明の精神及び原理から逸脱することなく行われる他の変更、修正、置換、組み合わせ及び簡略化は、いずれも同等の置換方法であるべきであり、すべて本発明の特許請求の範囲内として保護されるべきものである。
【符号の説明】
【0036】
1 発射装置
2 弾丸
3 入射ロッド
4 衝撃ヘッド
5 作業プラットフォーム
6 先端反力フレーム
7 後端反力フレーム
8 第1支持台
9 第2支持台
10 ジャッキ
11 ばね
12 センサ
13 歪みゲージ
14 構造部材の軸方向に直交する歪みゲージ
15 構造部材の軸方向に沿っている歪みゲージ
16 変位計
17 ガイドレール
18 ガイドレールステージ
19 下向きの等分布荷重
20 下向きの集中力
21 構造部材
22 平行光源
23 波形整形器。
【要約】 (修正有)
【課題】梁柱構造部材に対する横方向衝撃試験を実施でき、信頼性があり、操作が簡単な梁柱構造部材の耐衝撃性試験装置を提供する。
【解決手段】本発明は、動的載荷部と構造部材載置部と検出分析装置とを備える。動的載荷部は、発射装置1、弾丸2、入射ロッド3、衝撃ヘッド4を含む。構造部材載置部に構造部材21が載置され、衝撃ヘッドが構造部材の側面に密着する。検出分析装置は、弾丸速度測定装置と、入射ロッドの応力変化状況を検出する入射ロッド応力検出システムと、構造部材変形状況及び応力変化状況を検出する構造部材変形検出システムと、データ処理システムと、を含む。
【選択図】
図1