特許第6860263号(P6860263)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6860263
(24)【登録日】2021年3月30日
(45)【発行日】2021年4月14日
(54)【発明の名称】ヘリポート
(51)【国際特許分類】
   E04H 6/44 20060101AFI20210405BHJP
   E04B 1/34 20060101ALI20210405BHJP
   B64F 1/12 20060101ALI20210405BHJP
   B64C 27/04 20060101ALI20210405BHJP
   E01F 3/00 20060101ALI20210405BHJP
【FI】
   E04H6/44
   E04B1/34 Z
   B64F1/12
   B64C27/04
   E01F3/00
【請求項の数】9
【外国語出願】
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2018-218449(P2018-218449)
(22)【出願日】2018年11月21日
(62)【分割の表示】特願2015-561473(P2015-561473)の分割
【原出願日】2014年2月28日
(65)【公開番号】特開2019-82104(P2019-82104A)
(43)【公開日】2019年5月30日
【審査請求日】2018年12月21日
(31)【優先権主張番号】61/773,544
(32)【優先日】2013年3月6日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515243729
【氏名又は名称】エックスティーアイ エアー トランジット,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】XTI AIR TRANSIT,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】ブロディ, デイヴィッド, イー.
【審査官】 土屋 保光
(56)【参考文献】
【文献】 特開平03−169983(JP,A)
【文献】 特開昭55−059218(JP,A)
【文献】 特開2002−303055(JP,A)
【文献】 国際公開第87/001754(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0062636(US,A1)
【文献】 米国特許第04974795(US,A)
【文献】 特許第2600489(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04H 6/44
E04B 1/34
B64C 27/04
B64F 1/12
E01F 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
地上レベル部、屋上レベル部、および前記地上レベル部と前記屋上レベル部との間に延びる複数の側面部を有する建築物と、
前記建築物の側面部から外方に片持ち式に突出した少なくとも1つのヘリパッド・プラットフォームと、
格納庫開口部から前記建築物の側面部の中へ延びる少なくとも1つの航空機格納庫と、を備えたヘリポートであって、
前記少なくとも1つのヘリパッド・プラットフォームは、ヘリパッドを規定する少なくとも一組のヘリパッド・マークを含み、
前記ヘリパッドは、前記建築物の前記側面部から少なくとも実質的に片持ち式に突出し、前記少なくとも1つのヘリパッド・プラットフォームは、垂直離着陸式の航空機の離着陸を可能にするような方式で前記建築物に対して配置されており、
前記少なくとも1つのヘリパッド・プラットフォームは、航空機が前記少なくとも1つのヘリパッド・プラットフォームから前記格納庫開口部を経由して前記少なくとも1つの航空機格納庫内へ移動可能なように、前記少なくとも1つの航空機格納庫に接続されている、ヘリポート。
【請求項2】
前記格納庫開口部は、少なくとも1つの格納式カバーを含み、前記格納庫開口部が選択的に開閉できるようになっている、請求項1に記載のヘリポート。
【請求項3】
管制塔設備を含む前記屋上レベル部をさらに備える、請求項1に記載のヘリポート。
【請求項4】
前記建築物は、各々が別個の屋上レベル部で終端する複数の積層区画を含み、前記屋上レベル部のうちの少なくとも2つが、前記地上レベル部から異なる距離で配置されている、請求項1に記載のヘリポート。
【請求項5】
前記別個の屋上レベル部のうちの少なくとも1つの上に少なくとも1つのヘリパッドをさらに備える、請求項4に記載のヘリポート。
【請求項6】
格納庫開口部から前記建築物の側面部の中へ延びる少なくとも1つの航空機格納庫をさらに備え、前記格納庫開口部は、前記積層区画のうちの少なくとも1つの屋上レベル部と位置合わせされている、請求項5に記載のヘリポート。
【請求項7】
前記格納庫開口部は、少なくとも1つの格納式カバーを含み、前記格納庫開口部が選択的に開閉できるようになっている、請求項6に記載のヘリポート。
【請求項8】
前記ヘリポートは、前記建築物から外方に片持ち式に突出した複数のヘリパッド・プラットフォームを含み、前記複数のヘリパッド・プラットフォームのうちの少なくとも2つが、前記屋上レベル部から異なる垂直距離のところで前記建築物から延びている、請求項1に記載のヘリポート。
【請求項9】
前記複数のヘリパッド・プラットフォームのうちの少なくとも2つが、前記建築物の異なる角部から延びている、請求項8に記載のヘリポート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]この出願は、2013年3月6日に出願された、ヘリポート(HELIPORT)と題する米国特許仮出願第61/773,544号の本出願であり、この仮出願は、本明細書にあたかも全部が記述されているかの如くに組み入れられる。
【背景技術】
【0002】
[0002]ヘリパッドは、ヘリコプター及びその他の垂直離着陸式の航空機(「ヘリコプター」と総称される)の離着陸用に設計された領域又はプラットフォームである。そのような航空機は様々な比較的平坦な面上で動作することができるが、製造されたヘリパッド及び指定された離着陸領域は、ヘリコプター及び他のそのような航空機が安全に動作することができる、障害物から離れた、はっきりとマークされた硬い表面を提供する。ヘリパッドは、海底採掘油プラットフォーム、通信社、病院、大企業、及び自治体を含む多くの商業的産業において普通の場所となってきており、これらは全て、ヘリパッドをその主たる事業構造物に関連付けることが多い。例えば、ヘリパッドは、病院、消防署、高層商業建築物などの周囲の地面又は屋上の広い空地に配置されることが多い。それほど一般的ではないが、ヘリパッドは、コンドミニアムのような多層住宅用構造物の屋上に配置することもできる。
【0003】
[0003]ヘリポートは、ヘリコプター及びその他の垂直離着陸式の航空機のみが使用するのに適した小規模設備である。ヘリポートは、典型的には、1つ以上の地上レベルのヘリパッドを含むものであり、燃料、灯火、風向指示器、及び格納庫といった限られた設備を有することができる。建築物の中層階から外方に片持ち式に突出したヘリパッドを有するヘリポート又はその他の多層構造物又は建築物は存在しない。世界中の多くの大都市において、ヘリポートは、市内で又は市外地域へと迅速に移動する必要がある乗客に役立っている。ヘリポートは、空港を設置することができる場所よりも町又は市の中心部の近くの場所に設置できる点で、空港に優る利点を有する。確かに、ヘリポートは、固定翼航空機が必要とする滑走路がないので必要とされる稼働領域はより小さい。稼働しているヘリポート及び個々のヘリパッドの数は、市によって異なる。ヘリポートを使用する人々は、通常、職場又は自宅といった中間目的地又は最終目的地に到達するために送迎便(car service)又は自家用車によってヘリポートとの間を行き来しなければならない。このことは、特にある個人が毎週何回もヘリコプターによって旅行する必要がある場合、その個人の時間を著しく遅滞させかねない。しばしば、限られた数のヘリポート、個々のヘリパッド、並びに周辺の市の渋滞及び交通量は、頻繁に利用するユーザにとってのヘリポートの使用及び潜在的な有効性を制限することになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
[0004]多層階の商業用及び住宅用都市空間を、その他の場合にはそうした商業用及び住宅用空間内の顧客から遠隔の無関係な地上レベルに単独で配置されるであろうヘリパッド、及び主要ヘリポートの完全なサービスと、組み合わせる方法が必要とされる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
[0005]この概要は、詳細な説明でさらに後述される概念の抜粋を単純化した形態で紹介するために提供される。この概要及び前述の背景は、特許請求される主題の重要な態様又は本質的な態様を識別することを意図したものではない。さらに、この概要は、特許請求される主題の範囲を定めるに際しての補助としての使用を意図していない。
【0006】
[0006]本技術のヘリポートは、多数の異なる実施形態及び構成で提供される。少なくとも1つの実施形態において、ヘリポートは、ヘリポートの全設置面積を占める地上レベルを含む。幾つかの実施形態において、ヘリポートは、多重セグメントの(multi-segmented)又は積層した(tiered)建築構造物を含む。積層体(tiers)は、地上レベルから上方に延びて積層体の屋上で終端する。屋上は、1つ以上のヘリパッドを含むことができる広い空き領域を含むことができる。屋上の後方部分において、格納庫が、住宅用空間及び商業用又はオフィス空間、例えば会議室などを含む建築構造物の隣接する部分の中へ後方に延びることができる。幾つかの実施形態において、開口部は、ヘリコプターを収容するのに十分なサイズの格納庫である。格納庫は、航空機の整備及び保守並びに格納のための設備を含むことが想定される。種々の実施形態において、少なくとも1つの積層セグメントは、他の隣接する積層セグメントより背が高い。従って、より背が高い積層セグメントは、異なる構成の管制塔を有する屋上を含むことができる。この積層屋上は、ヘリパッド、航空機保守システムなどを含むこともできる。
【0007】
[0007]種々の実施形態において、ヘリポートには、ヘリポート建築物の側面部から外方に片持ち式に突出した1つ以上のプラットフォームを設けることができる。建築物のこれらの側面部は、地上レベル部といずれかの積層体の屋上部との間に延びることができる。幾つかの実施形態において、プラットフォームは、ヘリポートの側面部から外方に片持ち式に突出してヘリパッドを形成する。特定の実施形態において、プラットフォーム又はヘリパッドは、建築物の一対の隣接する側面部(角部)から同時に外方に片持ち式に突出することができる。各プラットフォームは、1つ以上のヘリパッドを含むことができる。格納庫を各プラットフォームに関連付けることができる。隣接する住宅用及び/又は商業用空間を各プラットフォームに関連付けることができる。格納庫内で、航空機の整備及び保守を行うことができ、航空機を任意の期間にわたって格納することができる。
【0008】
[0008]他の実施形態において、本技術のヘリポートには、地上レベルと、地上レベルから上方に延びる少なくとも2つの別個のタワーとが設けられる。幾つかの実施形態において、1つのタワーは、隣接するタワーより背が高いものとすることができる。背が高い方のタワーは、1つ以上のヘリパッドと管制塔とを有する屋上を含むことができる。2つのタワー間の空地に、複数のプラットフォームをさしわたすことができる。各々のプラットフォームは、少なくとも1つのヘリパッドを含むことができる。各々のプラットフォームの端部は、対向するタワーの片方又は両方に配置することができる格納庫から外方に延びることができる。対向するタワー間にキャットウォークが延びていてもよい。少なくとも1つの実施形態において、キャットウォークは、1つのタワーの屋上より下方のレベルから、対向するタワーの屋上へ延びるものとすることができる。
【0009】
[0009]別の実施形態において、ヘリポートは、地上レベルの中央部分から上方に伸びる主タワーを含む。主タワーは、地上レベルと主タワーの屋上との間に延びる。主タワーの屋上は、ヘリポートの最も高い部分になるように配置され、これは管制塔にとって望ましい位置を提供する。複数のプラットフォーム及びヘリパッドが主タワーの側面から外方に延びることができる。ヘリパッド・プラットフォームは、主タワーの側面から外方に片持ち式に突出し、各々に1つ以上のヘリパッドが設けられる。各プラットフォームの後端部分は、主タワーの外周内に配置された格納庫に関連付けることができる。隣接する住宅用及び/又は商業用空間を、各プラットフォームに、及び/又は各ヘリパッドに関連付けることができる。様々な実施形態において、ヘリポートは、地上レベルから上方に延びるが主タワーの側面部に結合されてそこから外方に延びる、1つ以上の周辺タワーを含むことができる。周辺タワーは、様々の異なる高さで設けることができる。周辺タワーの屋上には、各々、1つ以上のヘリパッドを設けることができる。各々の周辺タワーの屋上は、その後方部分で、建築物の外周又は外壁内に存在する格納庫、住宅用空間、及び/又は商業用空間で終端することができる。
【0010】
[0010]本技術のヘリポートの別の実施形態は、地上レベル部の対向する両端部から上方に延びる少なくとも2つのタワーから形成される。幾つかの実施形態において、第1のタワー及び第2のタワーは、互いに水平方向に離間し、互いに僅かに遠ざかる角度で上方に延びる。第1のタワーの屋上部及び第2のタワーの屋上部は、少なくとも1つ以上のヘリパッドをその上に含むのに十分な空地を含むことができる。中央ヘリパッド・プラットフォームは、対向する両端部において第1のタワー及び第2のタワーに、第1のタワーの屋上部及び第2のタワーの屋上部に隣接して、但しその下方で、結合され、タワー間の空地にさしわたされる。様々な実施形態において、管制塔が、中央ヘリパッド・プラットフォームから上方に延びる。中央プラットフォームの下面は、観測プラットフォームを含む。ヘリポートの実施形態は、第1のタワー及び第2のタワーの片方又は両方の側面部から外方に片持ち式に突出した複数のヘリパッド・プラットフォームを含む。各々のプラットフォームは、少なくとも1つのヘリパッドを含むことができる。格納庫並びに建築物の住宅用又は商業用部分をプラットフォームに関連付けることができる。
【0011】
[0011]本技術のヘリポートのさらなる実施形態は、地上レベル部から上方に延びる、水平方向に離間した複数のタワーから形成される。少なくとも1つの実施形態において、第1のタワー及び第2のタワーは、互いに離間するが近接するように配置される。複数のヘリパッド・プラットフォームが、第1のタワーと第2のタワーとの間の空地にさしわたされる。様々な実施形態において、ヘリポートは、地上レベル部から上方に延びる少なくとも1つの付加的なタワーを含む。いずれかのタワーの側面部から外方に片持ち式に突出する1つ以上のプラットフォームを設けることができる。プラットフォームの多くは、少なくとも1つのヘリパッドを含む。プラットフォームの末端部は、タワーの側面部から自由に延びてもよく、又は、プラットフォームの下で両端部分がタワーの側面部と結合される1つ以上の支持部を含んでもよい。建築物の格納庫及び住宅用又は商業用部分を、いずれかのヘリパッド・プラットフォームに関連付けることができる。管制塔は、ヘリポートの地上レベル部から又はいずれかのタワー屋上部の1つから上方に延びるように配置することができる。
【0012】
[0012]本システム及び方法のこれら及びその他の態様は、本明細書の詳細な説明及び図面を考慮した後、明らかになるであろう。しかしながら、発明の範囲は、発行された特許請求の範囲によって定められるべきものであり、所与の主題が、背景に記されたいずれか又は全ての論点に対処しているかどうか、又はこの概要で挙げられたいずれかの特徴又は態様を含むかどうかによって定められるべきものではないことを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0013】
[0013]好ましい実施形態を含む本発明の非限定的かつ非網羅的な実施形態が以下の図面を参照して説明され、ここで、特段の断りのない限り、種々の図を通じて同様の参照数字は同様の部分を指す。
図1】本技術のヘリポートの1つの実施形態の斜視図を示す。
図2図1に示すヘリポートの正面図を示す。
図3図1に示すヘリポートの側面図を示す。
図4図1に示すヘリポートの平面図を示す。
図5】本技術のヘリポートの別の実施形態の斜視図を示す。
図6図5に示すヘリポートの正面図を示す。
図7図5に示すヘリポートの側面図を示す。
図8図5に示すヘリポートの平面図を示す。
図9】本技術のヘリポートのさらなる実施形態の斜視図を示す。
図10図9に示すヘリポートの正面図を示す。
図11図9に示すヘリポートの側面図を示す。
図12図9に示すヘリポートの平面図を示す。
図13】本技術のヘリポートの別の実施形態の斜視図を示す。
図14図13に示すヘリポートの正面図を示す。
図15図13に示すヘリポートの側面図を示す。
図16図13に示すヘリポートの部分等角図を示す。
図17図13に示すヘリポートの平面図を示す。
図18】本技術のヘリポートの別の実施形態の正面図を示す。
図19図18に示すヘリポートの側面図を示す。
図20図19に示される側の反対側から見た、図18に示すヘリポートの別の側面図を示す。
図21図18に示すヘリポートの平面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[0035]実施形態を、本明細書の一部を形成し、例証として特定の例示的な実施形態を示す添付の図面を参照して、以下、より詳細に説明する。これらの実施形態は、当業者が本発明を実施することを可能にするのに十分詳細に開示される。しかしながら、実施形態は、多くの異なる形態で実装することができ、ここで述べる実施形態に限られるものと解釈すべきではない。従って、以下の詳細な説明は、限定的な意味で解釈すべきではない。
【0015】
[0036]本技術によれば、ヘリポートは、多数の異なる実施形態及び構成で提供することができる。ヘリポートの種々の実施形態は、全て1つ以上の多層階建築物内で、商業用及び住宅用空間に複数のヘリパッドを組み込む。このような建築物に関連付けられるヘリパッドは、従来の屋上構造物上に配置することもでき、隣接する地上領域に配置することもでき、又は、地上レベル部と屋上レベル部との間で建築物の側面から外方に延びることもできる。異なる実施形態において、ヘリパッドは、建築物の側面から片持ち式に突出することができ、又は隣接する建築構造物の対面する側面間に延びるプラットフォーム上に配置することもできる。
【0016】
[0037]図1図4を参照すると、ヘリポート100は、セグメントに分割された多層建築物から構成される。地上レベル部102は、ヘリポート100の全設置面積を占めるように描かれている。地上レベル部102は単一階層のみを含むように描かれているが、地上レベル部102は複数の階層を占めることができること、及び、地上レベル部102用の構成は無限であることが想定される。地上レベル部102は実際の地上レベルで終端しない場合もあることもまた想定される。幾つかの実施形態において、地上レベル部102は、地表面よりもずっと下まで延びることができ、商業用、住宅用又はユーティリティ用の空間(例えば駐車場)などによって占めることができる様々な地下レベルを提供することができる。地上レベル部102は、それ以外に、構造物の地上レベルにおいて見られる、食品、小売店、受付、建築物のセキュリティ及びレクリエーション領域のための商業的空間を含む共通サービスを提供することができる。
【0017】
[0038]ヘリポート100は、地上レベル部102の上方に連続して立ち上がっている。図示した実施形態において、ヘリポート100は、地上レベル部102から上方に延びる多重セグメント又は積層した建築構造物を含む。第1の積層セグメント104は、地上レベル部102から上方に延びて第1の積層体屋上部106で終端する。前述の地上レベル部の場合と同様に、本明細書におけるいずれの「屋上レベル部」も、その構成に応じて、いずれかの建築物又はタワーの上階層の1つ以上を含むことができる。これは、一般的に言えば、建築物又はタワーの頂部の屋上面のみを含むのではない。第1の積層体の屋上部106は、航空機の離着陸を補助する1つ以上の様々なヘリパッド・マークを有する1つ以上のヘリパッド108を含むことができる広い空き領域を含むことができる。幾つかの実施形態において、ヘリパッド108は、各ヘリパッド108によって占有される領域を指示する2つ以上の同心円を含むようにマーク付けされる。各ヘリパッド108内の最も内側の円は、灯火又はその他の発光性及び非発光性マーク(これは塗料などを含むことができる)を用いて形成され又は別様に指示することができる。この内側円は、タッチダウン及びリフトオフ領域(TLOF)領域110を指示する。少なくとも1つの付加的な円が、TLOF110を囲んで延びることができ、同様の灯火又はその他の視覚インジケータでマーク付けされる。この第2の外側円は、最終進入及び離陸領域(FATO)112として知られている。TLOF110及びFATO112を示すのに用いられる灯火は、高架式又は埋込み式とすることができる。灯火は、国際民間航空機関及び連邦航空局によって推奨されているように白色とすることができることが想定される。かつての標準であり、依然として多くの場所で好まれている黄色又は琥珀色を、白色灯の代わりに又は白色灯と共に用いることができることもまた想定される。しかしながら、ヘリポートの所有者、管轄区域、及び地理的位置に応じて、多大な色の多様性があることが理解される。全ての灯火は、伝統的な白熱灯の変種することができ、輝度制御付き発光ダイオードの使用が好ましい。TLOF及びFATO灯火はまた、表面照明灯(図示せず)によってマーク付けされることもできる。照明された風見用吹き流し(図示せず)がほとんどの管轄区域で要求されるので、こうした装置をヘリパッド108の近くに配置することができる。ヘリポート100及び隣接する構造物の向きに応じた好ましい進入方向を示すために、進入灯(lead-in light)の列(図示せず)でヘリパッド108をマーク付けすることもできる。ヘリパッド108の使用に応じて望ましい又は必要であると考えられるときには、視覚的勾配案内システム(HAPI、PAPI等)もまたヘリパッド108に関連付けることができ、それらの位置をマーク付けすることができる。パイロットによる、自動化地上管制装置を介した全てのヘリパッド灯火の無線制御もまた、ヘリパッド108に関連付けることができる。
【0018】
[0039]第1の積層体屋上部106の頂部後方部分において、格納庫114が、第1の積層セグメント104から後方に、建築構造物の隣接部の中へ延びることができる。幾つかの実施形態において、格納庫114は、様々な型式のヘリコプターを収容するのに十分なサイズの開口部を含むことが想定される。具体的には、この開口部は、少なくとも2階層の高さとすることができ、開放されたままにすることもでき、又は、様々な格納式の若しくは別の方式の閉鎖可能なベイドアのうちの1つを用いて選択的に閉鎖可能なものとすることもできる。格納庫114は、航空機の整備、保守及び格納のための設備を含むことが想定される。そのような設備は、給油サービスを含むことができ、燃料は、格納庫の敷地内(locally)に貯蔵されるか、又は敷地外の貯蔵タンク設備からパイプラインにより格納庫に供給される。格納庫114内の航空機の継続的な維持及び整備のための、基本的及び先進的な航空機整備設備もまた想定される。ヘリパッド108上で「準備態勢」にある必要のない1機以上の航空機の一時的又は長期的な格納のために、格納庫114内に空き格納領域を設けることができる。その他の装備、例えば、航空機をヘリパッド108と格納庫114との間で行き来させて配置するためのヘリ運搬装置、軽量牽引カート、汎用牽引カート、及び様々なサイズの航空機牽引車及び牽引トラクタなどの航空機再配置システムを格納庫114内に格納することができる。所有者、テナント及び建築物内のその他の個人は、建築物の各フロアから、同じフロア又は他のフロアの格納庫にアクセスすることができ、各フロアから直接ヘリパッドにアクセスすることができる。各フロアは、住宅用、商業用、小売用、ヘリパッド用の使用を含む1つの目的又は複数の目的のために用いることができる。
【0019】
[0040]引き続き図1図4を参照すると、ヘリポート100は、地上レベル部102から上方に延びて第2の積層体屋上部118で終端する第2の積層セグメント116を含むことができる。図1図4に示すような幾つかの実施形態において、第2の積層セグメント116は、第1の積層セグメント104より高く延びることができ、その結果、第2の積層体屋上部118が第1の積層体屋上部106より高い高度に配置されるようになっている。第2の積層セグメント116を第1の積層セグメント104に対して横方向に延びるように配置して、それらが共通の後方部分から角度を成して外方に延びるようにすることができる。第1の積層セグメント104の場合と同様に、第2の積層セグメント116は、1つ以上のヘリパッド108を収容する広い空き領域をその第2の積層体屋上部118上に含むことができる。ヘリパッド108は、前述のように構成することができ、付属品を装備することができる。同様に、格納庫120を、第2の積層体屋上部118の後方部に関連付けることができる。格納庫120は、格納庫114に関して説明したのと同様の方法で構造化され、その他に付属品を装備することができる。第1の積層セグメント104と第2の積層セグメント116とを異なる方向に向けることで、航空機が重大な妨害を生じることなく同時に離着陸できるようにそれぞれのヘリパッド108を互いに十分に離れた位置に配置することになることが想定される。さらに、第1の積層体屋上部106と第2の積層体屋上部118とが、互いに異なる角度方向で互い違いの高度にあることで、航空機の離着陸のための風及び天候条件が切り替わる際に利点を与えることができる。いずれかの屋上の外周の付近で作業する個人及び乗務員に対して必要な安全策を講じるために、第1の積層体屋上部106及び第2の積層体屋上部118の一方又は両方の外周に手すり122を関連付けることができる。
【0020】
[0041]引き続き図1図4を参照すると、ヘリポート100には、地上レベル部102から上方に延びて第3の積層屋上部126で終端する第3の積層セグメント124を設けることができる。図から分かるように、第3の積層セグメント124は、第1の積層セグメント104又は第2の積層セグメント116より背が高い。従って、第3の積層屋上部126は、第1の積層体屋上部106及び第2の積層体屋上部118より高い高度に配置される。第3の積層セグメント124は、第1の積層セグメント104、第2の積層セグメント116、及び地上レベル部102の一部分の各々を貫通する中央コアから上方に延びる。第3の積層屋上部126がヘリポート100の最も高いプラットフォームであるという事実により、管制塔128を第3の積層屋上部126に関連付けることができる。様々な実施形態において、管制塔128は、第3の積層屋上部126から上方に延びる複数の異なる構成で設けることができる。図示した実施形態において、管制塔128は、管制塔の要員にヘリポート100の周囲の地平線の360度の視野を与える窓を有する、概ね円形の外周を有する。管制塔128は、ヘリポート100並びにその隣接する人工構造物及び天然構造物に対する位置が規定するところにより、一階建ての構造物として設けることもでき、又は、第3の積層屋上部126の表面の上方に数階層延びることもできることが想定される。管制塔128内に関連付けられるシステムは、ローカル管制又は航空管制、地上管制、及び飛行データ/管制承認伝達(Clearance Delivery)に利用可能な、各ヘリパッドのレーダー表示及びライブモニタ表示を含むことが想定される。管制塔128内の特定の構成にかかわらず、ローカル及び区域の航空管制設備並びに他の空港及びヘリポートと連係するのに十分な設備が設けられることが想定される。第3の積層屋上部126は、前述のようにヘリパッド108を含むこともできる。同様に、第3の積層体屋上部126で作業する個人の安全のために、第3の積層体屋上部126の外周に手すり122を配置することもできる。
【0021】
[0042]図1図4をさらに参照すると、ヘリポート100には、ヘリポート建築物の側面部から外方に片持ち式に突出した1つ以上のプラットフォーム130を設けることができる。建築物のこれら側面部は、地上レベル部102と第3の積層体屋上部126との間に延びることができる。しかしながら、側面部は、単に、第1の積層体屋上部106又は第2の積層体屋上部118の一方又は両方と第3の積層体屋上部126との間に延びることもできる。このような建築物側面の下部がどこから始まるかにかかわらず、側面部は、第1の積層体屋上部106、第2の積層体屋上部118、又は第3の積層体屋上部126のいずれか1つで終端する。図1図4に示すような幾つかの実施形態において、プラットフォーム130は、ヘリポート100の側面部から外方に片持ち式に突出する。図示したような特定の実施形態において、プラットフォームは、一対の隣接する側面部から外方に片持ち式に突出することができる。このように、「側面部」は、建築物の一対の側面部及び/又は角部を含むことができる。このように、プラットフォーム130の末端部分は、角度を成してヘリポート100の側面から離れるように延びる。このことが、プラットフォーム130上の活動に対する、ヘリポート100の側面による直接的な視覚的又は聴覚的関与を制限する。各プラットフォーム130は、本明細書において前述したように、少なくとも1つのヘリパッド108を含むことが想定される。個人及び装備がヘリパッド108の周囲を移動することを可能にするように、少なくとも20フィートの幅を有する歩道が各ヘリパッド108のFATO11から外方に延びることができる。手すり122は、プラットフォーム130の縁部から上方に延びて、プラットフォーム130の全周縁部を囲んで延びることができる。格納庫132及び住宅用又は商業用空間又はユニット132を、各プラットフォーム130に関連付けることができる。格納庫132に、格納庫114及び120と同様に装備を施すことができる。このように、航空機をプラットフォーム130から格納庫132の中に移動させること、及び離陸のために戻すことができる。格納庫内で、航空機の整備及び保守を行うことができ、任意の期間にわたって航空機を格納することができる。格納庫132はまた、複数階の高さの天井高を有するように設けることができ、開放側面を設けることができ、この開放側面は、格納式ドア、窓といった少なくとも1つの格納式カバーで選択的に閉鎖可能なものとすることができる。格納庫と同じ階層若しくはフロア、及び/又は格納庫の上若しくは下のフロアの一部は、格納庫への直接アクセスを有する住宅用又は商業用の空間又はユニットとすることができる。
【0022】
[0043]図5図8を参照すると、本技術のヘリポートの別の実施形態が示される。詳細には、ヘリポート200には、地上レベル部202が設けられ、これは地上レベル部102に関して説明したのと同様の方法で設けることができる。従って、地上レベル部202は、所望の用途に応じてほぼ任意の所望の階数で地面の上又は下に延びることができる。地上レベル部202は、商業又は住宅の業務のために用いることができることが想定される。他の用途として、セキュリティ、地下駐車場、及び一般受付領域を挙げることができる。
【0023】
[0044]ヘリポート200は、地上レベル部202から上方に延びる少なくとも2つの別個のタワーから形成することができる。図示した実施形態において、第1のタワー204は、地上レベル部202の上におよそ70階層延びている。第1のタワー204は、ヘリポート200の所望の範囲及び使用法に応じて、任意の階数を有するように設けることができる。第2のタワー206は、地上レベル部202の反対側の端部に配置され、そこから上方に延びる。図示した実施形態において、第2のタワーは、地上レベル部202の上におよそ65階層延びている。従って、第1のタワー204は、第2のタワー206の最上レベルの上方におよそ5階層延びていることになる。第1のタワー204及び第2のタワー206は、互いに離間するように配置される。ヘリポート200の所望の要求に応じて、2つのタワー間に空地を設けることができる。しかしながら、図示した例において、タワー間の空間は、およそ120から150フィートになるように設けられている。
【0024】
[0045]第1のタワー204には、第1のタワー屋上部208が設けられる。同様に、第2のタワー202には、第2のタワー屋上部210が設けられる。第1のタワー屋上部208及び第2のタワー屋上部210は、少なくとも1つ以上のヘリパッド108をその上に含むのに十分な空地を含むことが想定される。第1のタワー屋上部208及び第2のタワー屋上部210の一方又は両方の上のヘリパッド108は、ヘリポート100のヘリパッド108に関して説明したのと同様の方法で設けることができる。同様に、そこで作業を行う要員に対する安全策を講じるために、第1のタワー屋上部208及び第2のタワー屋上部210の外周を囲んで手すり212が延びるものとすることができる。第1のタワー屋上部208の高さの利点を考慮して、管制塔214をその上に設けることができる。管制塔214は、管制塔128に関して説明したのと同様の機能を行うことが想定される。従って、管制塔214に、ヘリポート管制、地上管制及びローカル管制又は航空管制を監視するための同様のシステム及び装備を設けることができる。管制塔128に関して説明したように、管制塔214は、多くのサイズ及び構成で設けることができる。しかしながら、図示した円形構成は、360度の視野を提供し、必要な航空管制サービスを提供するのに十分な第1のタワー屋上部208から上方の高さを提供する。
【0025】
[0046]図5図8をさらに参照すると、ヘリポート200には、第1のタワー204と第2のタワー206との間の空地にさしわたされた複数のプラットフォーム216を設けることができる。従って、第1のタワー204と第2のタワー206との間に延びる各々のプラットフォーム216は、およそ120から150フィートの長さを有することになる。各々のプラットフォーム216は、ヘリポート200の意図される用途に応じて、およそ60〜70フィートの幅を有する。各々のプラットフォーム216は、本明細書において前述したヘリパッド108に従って構造化され付属品が装備された、少なくとも1つのヘリパッド208含む。そこで作業する要員の安全を確保するために、各々のプラットフォーム216の側縁に沿って手すり218が延びるものとすることができる。
【0026】
[0047]各々のプラットフォーム216の端部は、第1のタワー204又は第2のタワー206の一方又は両方に配置することができる格納庫220から外方に延びることができる。ヘリポート100に関連付けられた格納庫に関して説明したように、ヘリポート200に関連付けられた格納庫220は、任意の数の航空機サポート、保守、整備、又は格納サービスを含むことができる。格納庫220は、任意の期間にわたる格納並びに保守等のために用いることができる。格納庫220に対する開口部は、数階層の高さになるように設けることができ、開放されたままにすることもでき、又は、格納式ドア若しくはその他の同様の構造によって選択的に閉鎖可能なものとすることもでき、格納庫及びヘリパッドに隣接する、又は格納庫若しくはヘリパッドの上若しくは下のフロアにある、住宅用又は商業用の占有ユニットと組み合わせることができる。キャットウォーク222が、第1のタワー204と第2のタワー206との間に延びることができる。図示された実施形態において、キャットウォーク222は、第1のタワー204から第2のタワー屋上部210に延びる。このように、第2のタワー屋上部210の頂上に配置されたヘリパッド108へのアクセスが容易に与えられる。
【0027】
[0048]図9図12に関して、本ヘリポート技術の第3の実施形態が示される。詳細には、ヘリポート300は、地上レベル部302から上方に延びるように描かれている。地上レベル部302は、地上レベル部102及び202に関して説明したのと同様の方法で設けることができる。従って、地上レベル部302は、地面の上又は下に数階層延びて、所望通りに商業用、住宅用及びユーティリティ空間を提供することができる。主タワー304は、地上レベル部302の中央部から上方に延びる。主タワー304は、円形の周縁を有するように描かれているが、主タワー304は、ヘリポート300の意図される使用に応じて、ほとんどあらゆる所望の形状を有するように設けることができる。主タワー304は、地上レベル部302と主タワー屋上部306との間に延びる。主タワー屋上部306は、ヘリポート300の最も高い部分になるように配置される。従って、主タワー屋上部306は、管制塔308にとって望ましい位置を提供する。管制塔308は、管制塔128及び214に関して前述したのと同様の方法で設けることができる。しかしながら、十分なヘリポート管制、地上管制、ローカル管制又は航空管制を提供することができるように、十分なシステム及び設備が管制塔308に関連付けられることが想定される。制御タワー308には、区域及びローカルの航空交通管制設備と効率的に通信するのに十分なシステムを設けることもできる。主タワー屋上部306の周縁には、屋上周りで作業を行う要員を保護するために、その表面から上方に延びる手すり310を設けることができる。
【0028】
[0049]複数のプラットフォーム312が、主タワー304の側面から外方に延びることができる。詳細には、プラットフォーム312は、主タワー304の側面から外方に片持ち式に突出する。ヘリポート100に関連付けられたプラットフォーム130に関して前述したように、プラットフォーム312には各々、1つ以上のヘリパッド108を設けることができる。これらのヘリパッド108は、ヘリポート100及びヘリポート200に関して前述したように構成され、付属品を装備することができる。各プラットフォーム312の後方端部は、主タワー304の中へ延びる格納庫314に関連付けることができる。格納庫314は、格納式ドア又はその他の同様の構造によって選択的に閉鎖可能なものとすることができる数階層の高さの開口部を有するように設けることができ、格納庫及びヘリパッドに隣接する、又は格納庫若しくはヘリパッドの上若しくは下のフロアにある、住宅用又は商業用の占有ユニットと組み合わせることができる。しかしながら、格納庫314のうちの1つ以上を開放環境条件のまま残しておくことができることも想定される。格納庫314には、ヘリポート100及び200に関連付けられた格納庫に関して説明したような設備が設けられる。詳細には、格納庫314は、ヘリパッド108を使用することができる航空機に必要な整備、保守及び格納設備を提供することができる。ヘリパッド108に隣接して作業を行う要員に対する安全策を講じるために、手すりが、格納庫314の開口部から外方に延びてプラットフォーム312の周縁部を囲んで延びることができる。
【0029】
[0050]図示したような様々な実施形態において、ヘリポート300は、地上レベル部302から上方に延びるが主タワー304の側面部に結合されてそこから外方に延びる1つ以上の周辺タワー318を含むことができる。図示されるように、周辺タワー318は、地上レベル部302から上方に延びるとき、様々な異なる高さで設けることができる。各々の周辺タワー318に、周辺タワー屋上部320が設けられる。周辺タワー屋上部320の各々に、前述のように1つ以上のヘリパッド108を設けることができる。さらに、各々の周辺タワー屋上部320は、その後方部分において、格納庫322で終端することができ、格納庫322は、格納庫314に関して説明したように構造化され、設けることができる。
【0030】
[0051]図13図17を参照すると、本技術のヘリポートの別の実施形態が示される。詳細には、ヘリポート400には、地上レベル部102、202及び302に関して説明したのと同様の方法で設けることができる地上レベル部402が設けられる。従って、地上レベル部402は、所望の用途に応じてほぼ任意の所望の階数で地面の上又は下に延びることができる。地上レベル部402は、商業又は住宅の業務のために用いることができることが想定される。他の用途として、セキュリティ、地下駐車場、及び一般受付領域を挙げることができる。
【0031】
[0052]図示した例示的な実施形態において、ヘリポート400は、地上レベル部402の対向する端部から上方に延びる少なくとも2つのタワーから形成することができる。図示した実施形態において、第1のタワー404及び第2のタワー406は、互いに僅かに遠ざかる角度で上方に延びている。第1のタワー404及び第2のタワー406は、互いに離間して、地上レベル部402の近くでは互いに近づくように、かつ、第1のタワー屋上部408及び第2のタワー屋上部410の近くでは互いに遠ざかるように配置される。第1のタワー404と第2のタワー406との間の空地のサイズ及び構成は、ヘリポート400の所望の要求に従って設けることができる。
【0032】
[0053]第1のタワー屋上部408及び第2のタワー屋上部410は、積層状であるように描かれている。しかしながら、屋上は、各々、単一レベルとして、又は、複数レベルを有する様々な積層構成で設けることができることが想定される。第1のタワー屋上部408及び第2のタワー屋上部410は、少なくとも1つ以上のヘリパッド108をその上に含むのに十分な空地を含むことが想定される。第1のタワー屋上部408及び第2のタワー屋上部410の一方又は両方の上のヘリパッド108は、上述のヘリポートにおけるヘリパッド108に関して説明したのと同様の方法で設けることができる。同様に、その上で作業を行う要員に対する安全策を講じるために、第1のタワー屋上部408及び第2のタワー屋上部410の両方の外周を囲んで手すり(図示せず)が延びるものとすることができる。第1のタワー屋上の高さの利点を考慮して、管制塔をいずれかの屋上に設けることができる。
【0033】
[0054]中央プラットフォーム412は、両端部において、第1のタワー屋上部408及び第2のタワー屋上部410に隣接して、但しその下方で、第1のタワー404及び第2のタワー406に結合され、タワー間の空地にさしわたされる。様々な実施形態において、管制塔414は、第1のタワー屋上部408と第2のタワー屋上部410との中間で中央プラットフォーム412から上方に延びるように配置される。しかしながら、幾つかの実施形態は、管制塔414を、第1のタワー屋上部408又は第2のタワー屋上部410のいずれかから上方に延びるように配置することができることが想定される。管制塔414は、他の管制塔について上述したのと同様の機能を行う。従って、管制塔414に、ヘリポート管制、地上管制、及びローカル管制又は航空管制を監視するための同様のシステム及び装備が設けられることになる。前述の管制塔に関して説明したように、管制塔414は、多くのサイズ及び構成で設けることができる。しかしながら、図示した円形構成は、360度の視野を提供し、必要な航空管制サービスを提供するのに十分な中央プラットフォーム412から上方の高さを提供する。第1のタワー404と第2のタワー406との間の空地に境を接する中央プラットフォーム412の下面は、観測プラットフォーム416を含む。観測プラットフォーム416は、多くのサイズ及び構成で設けることができる。しかしながら、図示された円形構成は、360度の視野を提供し、これを補助的な又は主たる航空管制サービスを提供するために用いることができる。他の実施形態において、空地の内側から観測プラットフォーム416によって提供される視野は、観測プラットフォーム416に多数の商業用及び住宅用用途をもたらすことができる。
【0034】
[0055]図13〜17を参照すると、ヘリポート400には、第1のタワー404及び/又は第2のタワー406の側面部から外方に片持ち式に突出する複数のプラットフォーム418を設けることができる。建築物のこれらの側面部は、地上レベル402と、第1のタワー屋上部408又は第2のタワー屋上部410との間に延びることができる。各プラットフォーム418は、本明細書において前述したように、少なくとも1つのヘリパッド108を含むことが想定される。個人及び装備がヘリパッド108の周囲を移動することを可能にするように、少なくとも20フィートの幅を有する歩道が各ヘリパッドのFATOから外方に延びることができる。図示されていない手すりが、プラットフォーム418の縁部から上方に延びて、プラットフォーム418の全周縁部を囲んで延びることができる。プラットフォーム418の末端部は1つ以上の支持部420と結合することができ、この支持部は、反対側の端部がプラットフォーム418の下方で第1のタワー404又は第2のタワー406に結合される。支持部420のサイズ、数、及び構成は、関連付けられたプラットフォーム418の構成及び意図される用途によって規定される。その他のヘリパッド108を、図示したように、地上レベル402上に、又はこれに隣接して配置することができる。
【0035】
[0056]格納庫422を各プラットフォーム418に関連付けることができる。格納庫422に、上述の格納庫と同様の装備を施すことができる。このように、航空機をプラットフォーム418から格納庫422の中に移動させること、及び離陸のために戻すことができる。格納庫内で、航空機の整備及び保守を行うことができ、航空機を短期又は長期の作業のために格納することができる。格納庫422はまた、複数階の高さの天井高を有するように設けることができ、開放側面を設けることができ、この開放側面は、格納式ドア、窓といった少なくとも1つの格納式カバーで選択的に閉鎖可能なものとすることができる。
【0036】
[0057]図18〜21を参照すると、本技術のヘリポートのさらなる実施形態が示される。詳細には、ヘリポート500には、本明細書において他の地上レベル部に関して説明したのと同様の方法で設けることができる地上レベル部が設けられる。従って、地上レベル部502は、所望の用途に応じてほぼ任意の所望の階数で地面の上又は下に延びることができる。地上レベル部502は、商業又は住宅の業務のために用いることができることが想定される。他の用途として、公共交通機関(鉄道、自動車又はその他)設備、セキュリティ、地下駐車場、及び一般受付領域を挙げることができる。
【0037】
[0058]図示した例示的な実施形態において、ヘリポート500は、地上レベル部502から上方に延びる複数の水平方向に離間したタワーから形成される。図示した実施形態において、第1のタワー504及び第2のタワー506は、互いに近接して配置される。複数のプラットフォーム508が、第1のタワー504と第2のタワー506との間の空地にさしわたされる。第1のタワー504と第2のタワー506との間に延びる各々のプラットフォーム508は、意図される用途に応じて多様な長さ及び幅を有する。例えば、開放又は閉鎖設計の小さめのプラットフォーム508は、第1のタワー504と第2のタワー506との間の歩行者の徒歩通行のために設けることができる。より大きい開放プラットフォーム508は、本明細書で前述したヘリパッド108に従って構造化され、付属品が装備される、1つ以上のヘリパッドを支持するように設けることができる。図示された実施形態において、ヘリポート500は、各々が地上レベル部502から上方に延びる第3のタワー510、第4のタワー512、及び第5のタワー514を含む。タワーは、地上レベル部502の上方で互いに分離するように示されている。しかしながら、1つ以上のプラットフォームを、プラットフォーム508に関して説明したのと同様の方法でタワーを地上レベル部502の上方で互いに結合するように設けることができることが想定される。
【0038】
[0059]引き続き図18図21を参照すると、ヘリポート500の実施形態に、いずれかのタワーの側面部から外方に片持ち式に突出する1つ以上のプラットフォーム516を設けることができる。タワーの側面部は、地上レベル502と個々のタワーのいずれかに関連付けられたタワー屋上部との間に延びることができる。各プラットフォーム516は、本明細書において前述したように少なくとも1つのヘリパッド108を含むことが想定される。個人及び装備がヘリパッド108の周囲を移動することを可能にするように、少なくとも20フィートの幅を有する歩道が各ヘリパッド108のFATOから外方に延びることができる。図示されない手すりが、プラットフォーム516の縁部から上方に延びて、プラットフォーム516の全周縁部を囲んで延びることができる。プラットフォーム516の末端部は、タワーの側面部から自由に延びることができ(図示されているように)、又は1つ以上の支持部を含むことができ、この支持部は、反対側の端部がプラットフォーム516の下方でタワーの側面部に結合される。その他のヘリパッド108を、図示したように、地上レベル部502上に、又はこれに隣接して配置することができる。
【0039】
[0060]格納庫518を各プラットフォーム516に関連付けることができる。格納庫518には、上述の格納庫と同様の装備を施すことができる。このように、航空機をプラットフォーム516から格納庫518の中に移動させること、及び離陸のために戻すことができる。格納庫内で、航空機の整備及び保守を行うことができ、航空機を短期又は長期の作業のために格納することができる。格納庫518はまた、複数階の高さの天井高を有するように設けることができ、開放側面を設けることができ、この開放側面は、格納式ドア、窓といった少なくとも1つの格納式カバーで選択的に閉鎖可能なものとすることができることができる。
【0040】
[0061]種々の実施形態において、管制塔520は、地上レベル部502から上方に延びるように配置される。しかしながら、幾つかの実施形態は、管制塔520をいずれかのタワー屋上部の1つから上方に延びるように配置することができることが想定される。管制塔520は、他の管制塔について上述したのと同様の機能を行う。従って、管制塔520には、ヘリポート管制、地上管制、及びローカル管制又は航空管制を監視するための同様のシステム及び装備が設けられることになる。前述の管制塔に関して説明したように、管制塔520は、多くのサイズ及び構成で設けることができる。
【0041】
[0062]本技術を、ある特定の構造、材料及び方法ステップに具体化した言葉で説明してきたが、添付の特許請求の範囲で定義される発明は、必ずしも説明した具体的な構造、材料、及び/又はステップに限定されないことを理解されたい。むしろ、具体的な態様及びステップは、特許請求される発明を実施する形態として説明されている。本発明の多くの実施形態を本発明の精神及び範囲から逸脱することなく実施することができるので、本発明は、以下に添付される特許請求の範囲に存する。特段の断りのない限り、明細書(特許請求の範囲以外)で用いられる、寸法、物理的特性等を表すような全ての数又は表現は、全ての事例において「およそ」という用語で修飾されているものと理解される。特許請求の範囲に均等論を適用することを制限しようとするものではないが、最小限、明細書又は特許請求の範囲において挙げられる「およそ」という用語によって修飾された各数値パラメータは、少なくとも、挙げられた有効桁数を考慮して、通常の丸め技術を適用することによって解釈すべきである。さらに、本明細書で開示される全ての範囲は、全ての部分範囲又はそこに包摂される任意の全ての個別の値を挙げる請求項を包含し、その請求項に対して裏付けを与えるものと理解されたい。例えば、明言された1から10の範囲は、最小値1と最大値10との間にある及び/又はそれを含めた任意の全ての部分範囲又は個別の値、すなわち、1以上の最小値で始まり、10以下の最大値で終わる全ての部分範囲(例えば、5.5から10、2.34から3.56、など)、又は1から10の任意の値(例えば、3、5.8、9.9994、など)を挙げる請求項を含み、その請求項に対して裏付けを与えるものと考えるべきである。
【符号の説明】
【0042】
108…ヘリパッド、400…ヘリポート、402…地上レベル部、404…第1のタワー、406…第2のタワー、408…第1のタワー屋上部、410…第2のタワー屋上部、412…中央プラットフォーム、418…プラットフォーム。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21