特許第6860346号(P6860346)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6860346駆動シャフト上の力によって起動される電動ドライバ及び関連のキット、構成要素、及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6860346
(24)【登録日】2021年3月30日
(45)【発行日】2021年4月21日
(54)【発明の名称】駆動シャフト上の力によって起動される電動ドライバ及び関連のキット、構成要素、及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/88 20060101AFI20210412BHJP
   B25B 21/00 20060101ALI20210412BHJP
【FI】
   A61B17/88
   B25B21/00 530Z
   B25B21/00 540Z
【請求項の数】14
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2016-552558(P2016-552558)
(86)(22)【出願日】2015年2月17日
(65)【公表番号】特表2017-514538(P2017-514538A)
(43)【公表日】2017年6月8日
(86)【国際出願番号】US2015016119
(87)【国際公開番号】WO2015123660
(87)【国際公開日】20150820
【審査請求日】2018年1月15日
(31)【優先権主張番号】61/940,741
(32)【優先日】2014年2月17日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/945,325
(32)【優先日】2014年2月27日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】320009510
【氏名又は名称】アロー インターナショナル インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(72)【発明者】
【氏名】モーガン ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ミラー ラリー ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】ティクマイヤー ロバート ダブリュー
(72)【発明者】
【氏名】キルコイン クリス
【審査官】 木村 立人
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2008/0221580(US,A1)
【文献】 特表2013−516335(JP,A)
【文献】 特表2013−545538(JP,A)
【文献】 実公昭37−20988(JP,Y1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/16
A61B 17/34
A61B 17/56 ― 17/92
B25B 21/00 ― 21/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置であって、
遠位端と近位端とを有するハウジングと、
前記ハウジングに配置されたモータと、
前記近位端から離れる方向に前記ハウジングの前記遠位端から外向きに延びるとともに、骨の内側部分へのアクセスを提供するように構成された骨内デバイスに結合された駆動シャフトと、
前記モータの起動が前記駆動シャフトの回転を生じるように前記モータ及び前記駆動シャフトに結合されたギアボックスと、
前記モータに給電するように構成されたバッテリと、
機械的ロックアウトであって、前記ハウジングの前記近位端の方向の前記駆動シャフト上への閾値力の印加時に前記機械的ロックアウトが前記駆動シャフト及びギアボックスが前記ハウジングの前記近位端に向けて摺動することを防止し、それによって前記駆動シャフト及びギアボックスが前記モータと前記バッテリの間の電気回路を閉じることを防止するように、前記機械的ロックアウトが、前記駆動シャフトの少なくとも一部分の近くで前記ハウジングの中に取外し可能に挿入されるように構成されたタブを含む、前記機械的ロックアウトと、
を含み、
前記ギアボックスは、前記ハウジングに摺動可能に配置されるとともに、前記骨内デバイスを通した前記ハウジングの前記近位端の方向の前記駆動シャフト上への前記閾値力の印加時に、前記駆動シャフト及びギアボックスが前記ハウジングの前記近位端に向けて摺動し、それによって前記モータと前記バッテリ間の前記電気回路が閉じるように構成される、
ことを特徴とする装置。
【請求項2】
前記駆動シャフトは、前記ハウジングの前記遠位端の方向に付勢されることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記バッテリと前記モータとに結合され、前記ハウジングの前記近位端と前記ギアボックスの少なくとも一部分との間に配置されたスイッチ、
を更に含み、
前記スイッチは、前記駆動シャフト上への前記閾値力の印加時に前記回路を閉じるように構成される、
ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記スイッチは、前記モータと前記ハウジングの前記近位端との間に配置されることを特徴とする請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記スイッチは、ベースと前記ベースに対して軸線方向に移動可能なプランジャとを含むことを特徴とする請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記モータ及びギアボックスは、互いに固定軸線方向関係で結合され、かつ前記ハウジング内で一緒に摺動可能であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の装置。
【請求項7】
前記モータ及びギアボックスは、前記ハウジングの前記遠位端の方向に付勢されることを特徴とする請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記モータと前記ハウジングの前記遠位端との間に配置されたバネを更に含むことを特徴とする請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記ハウジングは、前記遠位端と前記近位端の間を延びる主要部分と、前記主要部分の長手軸に対して非平行角度で前記主要部分から横方向に延びるハンドル部分とを定めることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の装置。
【請求項10】
前記駆動シャフトの少なくとも一部分が、等辺多角形断面形状を有することを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の装置。
【請求項11】
前記駆動シャフトの前記少なくとも一部分は、5角形断面形状を有することを特徴とする請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記機械的ロックアウトは、針カバーを含むことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記電気回路の2つの導電部分の間で前記ハウジングの中に取外し可能に挿入されて装置が殺菌中に通電されることを防止するように構成されたストリップを含む電気的ロックアウト、
を更に含み、
前記機械的ロックアウトは、前記電気的ロックアウトに結合される、
ことを特徴とする請求項1または請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記電気回路の2つの導電部分の間で前記ハウジングの中に取外し可能に挿入されて装置が殺菌中に通電されることを防止するように構成されたストリップを含む電気的ロックアウト、
を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔関連出願への相互参照〕
本出願は、2014年2月17日出願の米国仮特許出願第61/940,741号及び2014年2月27日出願の米国仮特許出願第61/945,325号に対する優先権を主張するものであり、その内容全体は、引用によって本明細書に組み込まれている。
【0002】
本発明は、一般的に電動ドライバに関し、より具体的には、限定ではないが、駆動シャフト上の力によって起動される電動ドライバ(例えば、骨内デバイスを患者の骨の中に挿入するための)に関する。
【背景技術】
【0003】
骨内デバイスを挿入するための電動ドライバの例は、米国特許出願公開第2008/0221580号として公開された米国特許出願第12/025,580号明細書に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許出願公開第2008/0221580号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のドライバ及びキットの実施形態は、ユーザが骨内(IO)デバイスを患者の骨の中に挿入することを補助するように構成することができる。
【0006】
本発明の装置又はドライバの一部の実施形態は、遠位端と近位端とを有するハウジングと、ハウジングに配置されたモータと、近位端から離れる方向にハウジングの遠位端から外向きに延びる駆動シャフトと、モータの起動が駆動シャフトの回転を生じることになるようにモータにかつ駆動シャフトに結合されたギアボックスと、モータに給電するように構成されたバッテリとを含み、ギアボックスは、ハウジングに摺動可能に配置され、かつハウジングの近位端の方向の駆動シャフト上への閾値力の印加時に駆動シャフト及びギアボックスがハウジングの近位端に向けて摺動し、それによってモータとバッテリ間の電気回路を閉じることになるように構成される。一部の実施形態において、駆動シャフトは、ハウジングの遠位端の方向に付勢される(例えば、ギアボックスとハウジングの遠位端との間に配置されたバネにより)。
【0007】
本発明のドライバの一部の実施形態は、バッテリとモータとに結合され、ハウジングの近位端とギアボックスの少なくとも一部分との間に配置されたスイッチを更に含み、スイッチは、駆動シャフト上への閾値力の印加時に回路を閉じるように構成される。一部の実施形態において、スイッチは、モータとハウジングの近位端との間に配置される。一部の実施形態において、スイッチは、ベースとベースに対して軸線方向に移動可能なプランジャとを含む。一部の実施形態において、モータ及びギアボックスは、互いに固定軸線方向関係で結合され、かつハウジング内で一緒に摺動可能である。一部の実施形態において、モータ及びギアボックスは、ハウジングの遠位端の方向に付勢される(例えば、モータとハウジングの遠位端との間に配置されたバネにより)。
【0008】
本発明のドライバの一部の実施形態において、ハウジングは、遠位端と近位端の間を延びる主要部分と、主要部分の長手軸に対して非平行角度で主要部分から横方向に延びるハンドル部分とを定める。一部の実施形態において、駆動シャフトの少なくとも一部分は、等辺多角形の断面形状を有する。一部の実施形態において、駆動シャフトの少なくとも一部分は、5角形の断面形状を有する。
【0009】
本発明のドライバの一部の実施形態は、電気回路の2つの導電部分の間でハウジングの中に取外し可能に挿入されて本発明の装置が殺菌中に通電されることを防止するように構成されたストリップを含む電気的ロックアウトを更に含む。一部の実施形態において、ストリップは、ポリマー(例えば、マイラー)を含む。
【0010】
本発明のドライバの一部の実施形態は、機械的ロックアウトを更に含み、機械的ロックアウトは、ハウジングの近位端の方向の駆動シャフト上への閾値力の印加時に機械的ロックアウトが、駆動シャフト及びギアボックスがハウジングの近位端に向けて摺動することを防止し、それによって駆動シャフト及びギアボックスがモータとバッテリ間の電気回路を閉じることを防止するように駆動シャフトの少なくとも一部分の近くでハウジングの中に取外し可能に挿入されるように構成されたタブを含む。一部の実施形態において、機械的ロックアウトは、針カバーを含む。一部の実施形態は、電気回路の2つの導電部分の間でハウジングの中に取外し可能に挿入されて本発明の装置が殺菌中に通電されることを防止するように構成されたストリップを含む電気的ロックアウトを更に含み、機械的ロックアウトは、電気的ロックアウトに結合される。
【0011】
本発明のキットの一部の実施形態は、本発明の装置の実施形態と、ドライバの駆動シャフトに結合されるように構成されたコネクタを含む骨内デバイスとを含む。一部の実施形態において、コネクタは、駆動シャフトの遠位端を受け入れるように構成された凹部を含む。一部の実施形態において、骨内デバイスは、ハブと、ハブから離間した遠位端までハブから延びるカニューレと、コネクタから離間した遠位端までコネクタから延びるトロカールとを含み、カニューレは、カニューレの中に挿入されるように構成され、コネクタは、トロカールをカニューレに対して固定関係で保持するようにハブに結合される。一部の実施形態において、コネクタは、ルアーロックコネクタによってハブに結合されるように構成される。一部の実施形態において、コネクタは、トロカールの一部分を取り囲む雌ネジ部分を含み、ハブは、カニューレの遠位端から離れて延びる雄ネジ部分を含み、雄ネジ部分は、雌ネジ部分に結合されてコネクタをハブに結合するように構成される。
【0012】
本方法の一部の実施形態は、本発明の装置の実施形態の駆動シャフトに結合された骨内(IO)デバイスの遠位端を患者上の望ましい挿入部位に配置する段階と、ドライバの駆動シャフトがハウジングに対してハウジングの近位端に向けて摺動し、かつドライバのモータを起動して駆動シャフト及びIOデバイスを回転させるように、ドライバのハウジングを通じてIOデバイスの遠位端に力を印加する段階とを含む。一部の実施形態において、力は、IOデバイスが患者の骨の中に挿入されるまで印加される。一部の実施形態において、望ましい挿入部位は、患者の上腕骨の近位部分、患者の脛骨の近位部分、患者の大腿骨の遠位部分、患者の鎖骨、患者の腸骨稜、又は患者の踵骨にわたって配置される。一部の実施形態において、望ましい挿入部位は、患者の胸骨にわたって配置される。
【0013】
本発明の装置又はドライバの一部の実施形態は、遠位端と近位端とを有するハウジングと、ハウジングに配置されたモータと、近位端から離れる方向にハウジングの遠位端から外向きに延びる駆動シャフトと、モータの起動が駆動シャフトの回転を生じることになるようにモータにかつ駆動シャフトに結合されたギアボックスと、モータに給電するように構成されたバッテリと、機械的ロックアウトとを含み、機械的ロックアウトは、ハウジングの近位端の方向の駆動シャフト上への閾値力の印加時に機械的ロックアウトが、駆動シャフト及びギアボックスがモータとバッテリ間の電気回路を閉じることを防止するように、駆動シャフトの少なくとも一部分の近くでハウジングの中に取外し可能に挿入されるように構成されたタブを含む。一部の実施形態において、機械的ロックアウトは、針カバーを含む。
【0014】
本発明の装置又はドライバの一部の実施形態は、遠位端と近位端とを有するハウジングと、ハウジングに配置されたモータと、近位端から離れる方向にハウジングの遠位端から外向きに延びる駆動シャフトと、モータの起動が駆動シャフトの回転を生じることになるようにモータにかつ駆動シャフトに結合されたギアボックスと、モータに給電するように構成されたバッテリと、電気回路の2つの導電部分の間でハウジングの中に取外し可能に挿入されて装置が殺菌中に通電されることを防止するように構成されたストリップを含む電気的ロックアウトとを含む。
【0015】
用語「結合される」は、必ずしも直接的ではなく、かつ必ずしも機械的ではないが、接続されるとして定義され、「結合される」2つの品目は、互いに単体である場合がある。用語「a」及び「an」は、本発明の開示において明らかにそれ以外のことを要しない限り、1又は2以上として定義される。用語「実質的に」は、当業者によって理解されるように、指定されたものの必ずしも全体ではないが大部分として定義される(かつ指定されたものを含み、例えば、実質的に90度は、90度を含み、実質的に平行は、平行を含む)。あらゆる開示する実施形態において、用語「実質的に」、「近似的に」、及び「約」は、指定されたもの「の「ある百分率」内で」で置換することができ、百分率は、.1、1、5、及び10パーセントを含む。
【0016】
更に、ある一定の方法で構成されたデバイス又はシステムは、少なくともその方法で構成されるが、それはまた、具体的に説明したもの以外の方法でも構成することができる。
【0017】
用語「comprise」(及び「comprises」及び「comprisesing」のようなcompriseのあらゆる形態)、「have」(及び「has)」及び「having」のようなhaveのあらゆる形態」、「include」(及び「includes」及び「including」のようなincludeのあらゆる形態)、及び「contain」(及び「contains」及び「containing」のようなcontainのあらゆる形態)は、非限定的な連結動詞である。その結果、1又は2以上の要素を「comprises」、「has」、「includes」、又は「contains」する装置は、これらの1又は2以上の要素を保有するが、これらの要素のみを保有することに限定されない。同様に、1又は2以上の段階を「comprises」、「has」、「includes」、又は「contains」する方法は、これらの1又は2以上の段階を保有するが、これらの1又は2以上の段階のみを保有することに限定されない。
【0018】
装置、システム、及び方法のうちのいずれかのあらゆる実施形態は、説明される段階、要素、及び/又は特徴のうちのいずれかをcomprise/include/contain/haveするのではなく、これらから構成するか又は本質的にこれらから構成することができる。すなわち、特許請求の範囲のいずれにおいても、用語「から構成される」又は「から本質的に構成される」は、与えられた特許請求の範囲を他に非限定的な連結動詞を用いたものから変更するために、上記に列挙された非限定的な連結動詞のいずれかで置換することができる。
【0019】
一実施形態の1又は複数の特徴は、説明されないか又は図示されない場合であっても、本発明の開示又は実施形態の性質によって明示的に禁じられない限り、他の実施形態に適用される場合がある。
【0020】
上述の実施形態及び他のものに関連付けられた一部の詳細を以下に説明する。
【0021】
以下の図面は、限定ではなく例示として示している。簡潔で明確にするために、与えられた構造のいずれの特徴も、構造が出現するあらゆる図内で常にラベル付けされるとは限らない。同一の参照符号は、必ずしも同一の構造を示すとは限らない。そうではなく、同じ参照符号を使用して類似の特徴又は類似の機能を有する特徴を示すことがあり、非同一参照符号も同様に使用されることがある。図中に示されている本発明の補助デバイス、カプラアセンブリ、ドライバ、骨内(IO)デバイス、及びこれらの構成要素の実施形態は、少なくとも図示の実施形態に対してある縮尺で描かれている。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明のドライバの第1の実施形態の斜視図である。
図2】本発明のドライバの第1の実施形態の斜視図である。
図3A図1及び2のドライバの切欠き斜視図である。
図3B図1及び2のドライバの側面図である。
図4A】本発明のドライバのうちの1つを使用して患者の骨の中に、すなわち、患者の血管系の中に挿入することができ、かつ本発明のキットのある一定のものに含めることができる骨内針セット又は穿通器アセンブリの一例の分解組み立て及び部分切欠き側面図である。
図4B】本発明の電動ドライバの実施形態と解除可能に係合することができる図4AのIO針セットのコネクタレセプタクルの部分斜視図である。
図5】ドライバに結合された図4A及び4BのIO針セットを有する本発明のドライバの第2の実施形態の側面図である。
図6】ドライバに結合された図4A−4BのIO針セットを有する本発明のドライバの第2の実施形態の側面図である。
図7図5−6のドライバを側面断面図である。
図8図5−6のドライバの切欠き斜視図である。
図9A】より人間工学的なハンドルを有する本発明のドライバの別の実施形態の様々な図である。
図9B】より人間工学的なハンドルを有する本発明のドライバの別の実施形態の様々な図である。
図9C】より人間工学的なハンドルを有する本発明のドライバの別の実施形態の様々な図である。
図10A図9A−9Cのドライバと共に使用される機械的ロックアウトの斜視図である。
図10B図9A−9Cのドライバと組み合わせた図10Aの機械的ロックアウト及び電気的ロックアウトの側面図である。
図10C図9A−9Cのドライバと組み合わせた図10Aの機械的ロックアウト及び電気的ロックアウトの斜視図である。
図11図9A−9Cのドライバと組み合わせた図10B及び10Cのロックアウトの断面図である。
図12A図9A−9Cのドライバと共に使用される機械的ロックアウトの第2の実施形態の斜視図である。
図12B図9A−9Cのドライバと組み合わせた図12Aの機械的ロックアウト及び電気的ロックアウトの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の電動ドライバの実施形態は、本発明の開示の教示が組み込まれたIOデバイスを選択されたターゲット区域又はターゲット部位の中に(例えば、10秒以内で)挿入するのに使用することができる。
【0024】
血管系アクセスは、多くの重病、慢性症状、及び緊急時急性症状の治療に不可欠である場合がある。それにもかかわらず、多くの患者は、静脈内(IV)アクセスを得るか又はそれを維持する機能がないことにより、有効な治療を得るのに非常に困難な体験をしている。骨内(IO)空間は、患者の血管系及び体循環への直接の導管を提供する。従って、IOアクセスは、一般的に、広範な薬品、他の薬剤、及び/又はIV流体を投与するのに有効な経路である。迅速なIOアクセス又は緊急時血管アクセス(EVA)は、従来のIVアクセスが困難又は不可能である場合に、救命薬品、他の薬剤、及び/又は流体を投与するのに血管アクセスを必要とするほとんど全ての重篤救急患者に対して非常に明るい見通しを提供する。
【0025】
骨髄は、典型的に、緻密骨で取り囲まれた骨内空間又は空洞内に配置された血液、造血細胞、及び結合組織を含む。脛骨のような長骨は、典型的に、黄色骨髄及び脂肪又は結合組織で満たされた細長い中心空洞を有する。このような空洞は、「髄腔」、「骨髄腔」、及び/又は「骨内空間」とも呼ばれる場合がある。
【0026】
前面又は背面の近くに配置された緻密骨は、「前緻密骨」又は「前骨皮質」と呼ばれる場合がある。背面又は前面から遠くに配置された緻密骨は、「後緻密骨」又は「後骨皮質」と呼ばれる場合がある。
【0027】
患者の血管系とのアクセスを確立するためのIOデバイスのための挿入部位の例は、患者の膝に近い脛骨上端、患者の肩に近い上腕頭、及び患者の胸骨を含む。複数の骨内挿入部位及び隣接する骨髄内の関連のターゲット区域の利用可能性は、戦場での負傷者又は他の多数の負傷者の症状の緊急治療のような用途において特に重要であることが判明している。本発明の開示の教示を使用して、広範な挿入部位及びターゲット区域における骨内アクセスを得ることができる。
【0028】
IOアクセスは、従来のIV部位をみつけてそれを使用することができるまで緊急事態中の一時的な流体及び/又は薬品治療のための「ブリッジ」として使用することができる。従来のIV部位は、IOアクセスを通して提供される流体及び/又は薬剤が患者を安定させて患者の血管系の静脈及び他の部分を拡張することができるので、多くの場合に利用可能になる。本発明の開示の教示が組み込まれたIOデバイス及び関連の手順は、IVアクセスが困難であるか又は他に不可能である場合の状況において、薬剤及び流体を投与するのに標準的な治療になることができる。
【0029】
骨内アクセスは、従来のIV部位の利用可能性を実質的に低くするか又はそれを排除する慢性症状を伴う「ルーチン」手順として使用することができる。このような慢性症状の例は、限定するものではないが、透析患者、集中治療室内の患者、及び/又はてんかん患者を含むことができる。本発明の開示の教示が組み込まれた骨内デバイス及び関連する装置は、てんかん重積状態のような困難な事例において患者の血管系へのIOアクセスを提供して医療関係者に非常に大事な薬剤及び/又は流体を投与する機会を与えるのに迅速かつ安全に使用ことができる。このような急性及び慢性症状の更なる例は、本明細書記載の説明の最後の近くに説明されている。
【0030】
本発明の開示の教示が組み込まれた装置及び方法は、約15ミリメートルの長さを有するカニューレ(例えば、15ゲージ)を有する第1のIO針セットを使用して、約3キログラムから39キログラムの間の重さがある患者に対して血管アクセスを確立することを含むことができる。約25ミリメートルの長さを有するカニューレ(例えば、15ゲージ)を有する第2のIO針セットを使用して、約40キログラム及びそれより重い重さがある患者に対して血管アクセスを確立することができる。他の実施形態において、約25ミリメートルの長さを有するカニューレ(例えば、15ゲージ)を有する単一サイズのIO針セットを使用して、3キログラム及びそれより重い重さがある患者に対して血管アクセスを確立することができる。
【0031】
用語「ドライバ」は、本出願において、穿通器アセンブリ、カテーテル、IO針、及び/又はIO針セットのような骨内(IO)デバイスを患者の血管系の選択された部分の中に挿入するのに十分な電動ドライバのいずれかのタイプを含むように使用することができる。様々な技術は、IOデバイスを本発明の開示の教示が組み込まれたドライバと解除可能に係合させるか又はそれに取り付けることに満足に使用することができる。広範なコネクタ及び関連するコネクタレセプタクル、取付具、及び/又は様々な寸法及び構成を有する接続部の他のタイプは、IOデバイスをドライバと解除可能に係合させるのに満足に使用することができる。本発明の開示の教示が組み込まれたバッテリ式ドライバを使用して、選択されたターゲット区域の中に骨内デバイスを10秒以内で挿入することができる。本発明の開示の教示が組み込まれたドライバの低減された大きさ及び重量は、救急車における、医療施設での緊急時救急カートにおける、及び/又は遠隔場所で延長期間にわたって展開された軍事職員のバックパックに搬送されることにおける使用に適合することができる。
【0032】
用語「流体」は、本出願において、限定するものではないが、血液、水、食塩溶液、IV溶液、血漿、流体のいずれかの混合物のような流体、粒子状物質、溶解薬剤、及び/又は骨髄の生検及び/又は吸引、及び/又は骨髄又は他のターゲット部位との流体の連通に関連する薬品を含むように使用することができる。用語「流体」はまた、本出願において、ターゲット部位から抜き取ることができる骨髄及び/又は細胞のような粒子状物質を含有するいずれかの体液及び/又は流体を含むように使用することができる。
【0033】
用語「挿入部位」は、本出願において、骨内デバイスを骨及び関連する骨髄の中に挿入又はドリル穿孔することができる骨上の場所を説明するのに使用することができる。挿入部位は、一般的に、皮膚及び軟組織で覆われている。用語「ターゲット区域」は、人間の生体物質のような生体物質上又は内のいずれかの場所を指す。
【0034】
用語「骨内(IO)デバイス」は、本出願において、限定するものではないが、いずれかの中空針、中空ドリルビット、穿通器アセンブリ、骨穿通器、カテーテル、カニューレ、トロカール、スタイレット、内側穿通器、外側穿通器、IO針、生検針、吸引針、IO針セット、生検針セット、及び/又は骨の骨内空間又は内側部分にアクセスするか又はそれへのアクセスを提供するように作動可能な吸引針セットを含むように使用することができる。このようなIOデバイスは、少なくとも部分的には、304ステンレス鋼のような金属合金、及び/又は針及び類似の医療デバイスに関連する他の生体適合材料から形成することができる。
【0035】
一部の用途に関して、IO針又はIO針セットは、コネクタの第1の端部から延びるトロカール又はスタイレットとのコネクタを含むことができる。コネクタの第2の端部は、本発明の開示の教示が組み込まれた電動ドライバと解除可能に係合するように作動可能である場合がある。IO針又はIO針セットはまた、ハブの第1の端部から延びる中空カニューレ又はカテーテルを有するハブを含むことができる。ハブの第2の端部は、開口部及び取り付けられた中空カニューレを通ってトロカールを挿入することを可能にする大きさの開口部を含むことができる。ハブの第2の端部は、コネクタの第1の端部と解除可能に係合するように作動可能である場合がある。上述のように、コネクタの第2の端部は、電動ドライバと解除可能に係合することができる。広範なコネクタ及びハブを本発明の開示の教示が組み込まれたIOデバイスと共に使用することができる。本発明の開示は、図4A及び4Bに示されているコネクタ180又はハブ200に限定されない。
【0036】
図4A及び4Bに示されているIOデバイスは、従来技術のデバイスであり、このデバイスの説明は、本発明のドライバ及びキットの実施形態と矛盾なく使用することができるタイプのデバイス及び構成要素に関する背景を読者に与えるために示されている。
【0037】
ここで、図面、より具体的には、図1−3Bを参照すると、本発明の装置又は電動ドライバの一実施形態が、この図面において示されて参照符号10で示されている。電動ドライバ10は、骨及び関連する骨髄に隣接する望ましい挿入部位に骨内デバイスを挿入するのに満足に使用することができる。電動ドライバ10は、本発明の特徴のうちの1又は2以上を含むことができる。本発明の特徴の1又は2以上の追加及び/又は代替のものは、図5から8の電動ドライバ10a内に又はそれと共に含めることができる。
【0038】
図示の実施形態において、電動ドライバ10は、ハウジング14、モータ18、駆動シャフト22、及びギアボックス26を含む。ハウジング14は、遠位端30及び近位端34を有しており、モータ18は、駆動シャフトの遠位端38がハウジングの遠位端30から離間するように駆動シャフト22が近位端34から離れる方向にハウジングの遠位端30から外向きに延びる状態で、ハウジングに配置される。図示の実施形態において、ギアボックス26は、モータの起動が駆動シャフト(以下でより詳細に説明する好ましいギアボックス)の回転を生じることになるようにモータ18及び駆動シャフト22に結合される。この実施形態において、ドライバ10はまた、モータ18に給電する(例えば、バッテリ40とモータ18の間の電気的伝達を通して、例えば、配線、回路、及び/又は同様のものを通して)ように構成されたバッテリ(例えば、図示の2つのバッテリ40)を含む。図示の実施形態において、バッテリ40は、様々な供給業者及び販売業者から市販されている2つの9ボルトバッテリを含む。他の実施形態は、本発明の開示に説明される機能を可能にするいずれかの好ましいバッテリ及び/又はバッテリの組合せを含むことができる。
【0039】
図示の実施形態において、ドライバ10は、モータを起動するのに使用中にユーザの指を用いて握られるか又は他に押し下げられるように構成された「トリガ」を含まない。これに代えて、この実施形態において、ギアボックス26は、ハウジング14内に摺動可能に配置され、方向42(ハウジングの近位端34に向いた)の駆動シャフト22上への閾値力(例えば、少なくとも駆動シャフトを移動する程度の大きさの力)の印加時に駆動シャフト及びギアボックスがハウジングの近位端に向けて摺動し、それによってモータとバッテリ間の電気回路が閉じる(従って、モータを起動して駆動シャフトを回転させる)ように構成される。例えば、図示の実施形態において、ドライバ10はまた、バッテリ及びモータに結合された(例えば、ワイヤ又は他の導体を通して)スイッチ46を含み(例えば、図示のように、本体50及びこの本体に対して軸線方向に移動可能なピストン54を有する)、スイッチは、ハウジングの近位端34とギアボックス26の少なくとも一部分との間に配置される。この実施形態において、スイッチ46は、回路(例えば、駆動シャフト上への閾値力の印加時のバッテリとモータの間の)を閉じるように構成される。この実施形態において、モータ18及びギアボックス26は、互いに対して固定軸線方向関係で結合され、ハウジング内で一緒に摺動可能である(例えば、軸線58に沿って)。この実施形態において、スイッチ46は、モータ18とハウジングの近位端34の間に配置される。
【0040】
一部の実施形態において、ギアボックス26(及び駆動シャフト22)は、駆動シャフト上への閾値力がない場合に、回路が開いたままになってモータが起動されないように遠位端30の方向に付勢される(例えば、ギアボックスとハウジングの遠位端の間に配置されたバネ62により)。例えば、この実施形態において、モータ18及びギアボックス26は、スイッチの本体50(及び/又は例えばスイッチの本体を取り付けるか又は他に例えば軸線方向移動などに対して支持するハウジング14の1又は2以上のタブ又は他の部材66)とモータ18の間に配置されたバネ62によってハウジングの遠位端30の方向に一緒に付勢される。この実施形態において、ハウジング14は、モータ18を支持し(例えば、軸線58に対する水平方向変位に対して)、モータが軸線58に沿って軸線方向に摺動することを可能にする1又は2以上の内部タブ又は部材70(例えば、軸線58と同軸アラインメントでモータ18を支持するように構成された)を含む。図示の実施形態において、ハウジング14はまた、方向42でのモータ18(並びにギアボックス26及び駆動シャフト22)の摺動可能な移動の深さを制限するように構成された1又は2以上の内部タブ又は部材74を含む。この実施形態において、タブ74が方向42でのモータ18の移動を物理的に制限するように、タブ74は、バネ62の反対側に配置され、モータ18の近位端の断面周囲内に延びている。他の実施形態において、ハウジング14(タブ又は部材70及び/又は74を含む)は、本発明の開示に説明される作動(例えば、モータ18、ギアボックス26、及び/又は駆動シャフト22の軸線方向変位が制限可能に許可され、モータ18、ギアボックス26、及び/又は駆動シャフト22の水平方向変位が実質的に制限されるような)を可能にするあらゆる構造又は構成で設けることができる。
【0041】
バネ62は、1重量ポンド毎インチ(lbf/in)から6重量ポンド毎インチの間のバネ定数を用いて構成することができる。様々な実施形態において、バネ62は、異なる用途に対して異なるように構成することができる。例えば、小児科に使用されるように構成された本発明のドライバの実施形態において、バネは、1lbf/inから4lbf/inの間(例えば、2lbf/inから3lbf/in)のバネ定数を用いて構成することができ、大人の脛骨及び/又は上腕骨に挿入されるように構成された本発明のドライバの実施形態において、バネは、2lbf/inから6lbf/inの間(例えば、3lbf/inから5lbf/in)のバネ定数を用いて構成することができ、大人の胸骨に挿入されるように構成された本発明のドライバの実施形態において、バネは、1lbf/inから4lbf/inの間(例えば、2lbf/inから3lbf/in)のバネ定数を用いて構成することができる。
【0042】
本発明の開示の教示が組み込まれ電動ドライバと共に使用するのに満足できるモータ及びギアアセンブリは、様々な供給業者から得ることができる。このようなモータ及びギアアセンブリは、典型的に、各モータの一端が関連するギアアセンブリの隣接する端部に固定して取り付けられた「セット」として注文される。様々な寸法及び/又は構成を有する駆動シャフトは、モータの反対側のギアアセンブリから延びることができる。ギアアセンブリは、場合によっては「減速ギア」又は「遊星ギア」と呼ばれることがある。関連するハウジングの寸法及び/又は構成は、関連するモータ及びギアアセンブリを収容することができるように変更することができる。
【0043】
ドライバ10は、モータ18、ギアボックス26、及び駆動シャフト22が軸線方向に一緒に摺動可能であるように構成され、その一方、他の実施形態は、モータがハウジングに対して固定軸線方向位置で保持され、ギアボックス及び駆動シャフトがモータに対して摺動するように(例えば、モータから延びるスタブシャフトに沿って)、又はモータ及びギアボックスがハウジングに対して固定軸線方向位置で保持され、駆動シャフトがモータ及びギアボックスに対して摺動してモータを起動して駆動シャフトを回転させるように構成することができる。一部の実施形態において、モータは、ギアボックスが省略されてモータが駆動シャフトを直接に駆動することができるのに十分な速度及びトルクで回転するように構成される。
【0044】
図示の実施形態において、ハウジング14は、遠位端30と近位端34の間を延びる主要部分78、及び主要部分78から非平行角度84(例えば、30度(30°)と60度(60°)の間)で横方向に延びるハンドル部分82(例えば、中心の長手軸86を有する)を定め、一部の実施形態において、この角度は、主要部分の軸線58に対して90度(90°)まで又はそれよりも大きい。この実施形態において、ハウジング14は、小型ピストルの全体的な構成を有するように説明することができる(例えば、ハウジング14がピストルグリップに類似)。図示のように、ハンドル部分82は、バッテリ40を受け入れる大きさの細長い中空容器として説明することができる。ハウジング14は、比較的強度がありかつ頑丈なポリマー材料から形成することができる。一部の用途に関しては、ハウジング14は、図示のように、ハウジングに配置されたドライバ10の特定の構成要素を用いて流体密封シールを形成するように一緒に接合された2つの半体で形成することができる。一部の実施形態において、バッテリ40は、ハウジング14から取り外すことができない。例えば、ハウジングの2つの半体は、一般的に、ハウジングに損傷を与えることなくハウジングを再び開く(例えば、バッテリを取りかえるために)ことができないように一緒に接着又は他に結合(例えば、溶接)することができる。他の実施形態において、バッテリ40は、取り替え及び/又は再充電のために取外し可能にすることができる。
【0045】
図示の実施形態において、ハウジング14の遠位端30は、この遠位端30を通って延びる駆動シャフト22の一部分を有する開口部90を含む。図示の実施形態において、ドライバ10はまた、駆動シャフト22の周りでギアボックス26とハウジング14の遠位端30の間に配置されて開口部90をシールするOリング(例えば、弾力性のあるポリマー又はゴムOリング)94を含む。一部の実施形態において、駆動シャフト22の少なくとも一部分(例えば、遠位端38)は、等辺多角形の断面形状を有する。例えば、図示の実施形態において、遠位端38の末端をなす駆動シャフトの一部分は、5つの面98で定められた5角形の断面形状を有する。一部の実施形態において、図示のような面98は、軸線58に対する角度(例えば、軸線58に対して3度(3°)±2度(2°)の角度)で先細にされ及び/又はそのように配置することができる。一部の実施形態において、磁石を駆動シャフトの遠位端38上及び/又はその内部に配置することができる(又は他に例えば遠位端38は磁性のものとすることができる)。また、駆動シャフトの遠位端30の図示の構成以外の様々な寸法及び/又は構成を有する取付具及び/又はコネクタは、本発明の開示の教示が組み込まれた電動ドライバと共に満足に使用することができる(例えば、図示の実施形態において、駆動シャフト22の遠位端38は、IO針セット160を取外し可能に固定するように構成されるが、他の実施形態において、駆動シャフト22は、他のIO針セット160を取外し可能に固定し、関連するいずれかの構造を含むように構成することができる)。
【0046】
図示の実施形態において、駆動シャフト22は、環状溝102を含み、この環状溝102は、駆動シャフト22が方向42で完全に押圧された場合に、Oリング94が、溝102の中に収縮し、駆動シャフト22がこの駆動シャフト22の延びた位置に戻ることを防止するようにOリング94を受け入れるように構成される。この実施形態は、ドライバ10が単一使用ドライバとして構成することができる方法の僅かに一例である(例えば、バッテリが、単一IOデバイスを挿入するのに十分に給電するが、第2のIOデバイスを挿入するのに十分に給電できない場合のような例えば費用かからないバッテリの使用を可能にする一方、再利用を防止して有効性及び患者の安全性を維持するように)。他の実施形態において、スイッチ46は、例えば、単一使用後にスイッチの機能を終了させるヒューズ又は所定期間(例えば、10秒)後にスイッチの機能を終了させる単一タイマー回路などを用いて第2の起動を防止し、単一IOデバイスを挿入するのに十分であるが、第2のIOデバイスを駆動シャフト22に結合して第2のIOデバイスを挿入することを試みるのに十分ではない場合の単一使用スイッチとして構成することができる。他の実施形態において、バネ62は、折り畳み式部材を含むこと、及び/又は他に圧縮後不可逆的に降伏するように構成することができる。更に別の実施形態において、折り畳み式内部支持部材(例えば、折り畳み式内部タブ又は突起部66、70、及び/又は74)による同様の単一使用構造を提供することができる(例えば、単独で又は上記に加えて)。更に別の実施形態において、ドライバは、ユーザが、単一ドライバを用いてIOデバイスを挿入するその深さを調整し、及び/又はそれを再挿入することができるように、IOデバイスの閾値数(例えば、3、4、5、又はそれよりも多い)までであるがそれを超えない回数の挿入及び/又は再挿入するのに十分な電力を有するように構成される。他の実施形態において、ドライバ10は、ハウジング14に組み込まれたタブ又はスナップを押圧することによってバッテリ40の取り外しを可能にするように構成することができる。これらのタブ又はスナップは、ハンドル部分82の各側面上の1つのタブ又はスナップのようなハンドル部分82に位置することができる。タブ又はスナップを押圧することは、バッテリ40をドライバ10bから、例えば、ハンドル部分82の底面又は裏面から解除させ、ドライバを将来使用される場合に作動不能にすることができる。
【0047】
対応する先細開口部、又はコネクタレセプタクルを有する骨内(IO)デバイスは、駆動シャフト22の遠位端38と解除可能に係合することができる。例えば、延びている遠位端38は、ドライバ10と共に使用することができるIOデバイス又は穿通器アセンブリ160の一例が示されている図4A及び4Bに示されているコネクタ(例えば、180)内の先細開口部(例えば、186)と解除可能に係合することができる。
【0048】
図4A及び4Bに示されている穿通器アセンブリ160は、コネクタ180、関連するハブ200、外側穿通器210、及び内側穿通器220を含むことができる。穿通器アセンブリ160は、カニューレ、中空チューブ、又は中空ドリルビットのような外側穿通器、及びスタイレット又はトロカールなど内側穿通器を含むことができる。様々なタイプのスタイレット又はトロカールを外側穿通器内に配置することができる。一部の用途に関しては、外側穿通器又はカニューレ210は、全体的に細長いチューブとして説明することができ、このチューブは、チューブ内で内側穿通器又はスタイレット220を受け入れる大きさである。内側穿通器220の一部分は、外側穿通器210を通って延びる長手方向通路内に配置することができる。内側穿通器220の外径及び長手方向通路184の内径は、外側穿通器210内に内側穿通器220を摺動可能に配置することができるように選択することができる。
【0049】
開口部186内の金属ディスク170は、駆動シャフト22(又は他に例えば磁性駆動シャフト22)の遠位端38上に配置された磁石にコネクタ180を取外し可能に取り付けることに使用されるように配置することができる。内側穿通器220の端部223は、この端部223と金属ディスク170の間に絶縁又は非導電材料を配置して、金属ディスク170から離間させることができる。一部の実施形態において、金属ディスク170は、磁性のものとすることができ、駆動シャフト22の遠位端38及び/又は駆動シャフト22は、コネクタ180の磁性金属ディスクに取外し可能に取り付けるように構成された金属材料を含むことができる。
【0050】
外側穿通器210の先端211及び/又は内側穿通器220の先端222は、骨及び関連する骨髄に貫入するように作動可能である場合がある。先端211及び/又は222の構成は、外傷を最小限にして骨又は他の体腔に貫入するように選択することができる。内側穿通器220の第1の端部又は先端222は、台形形状とすることができ、1又は2以上の切断面を含むことができる。一実施形態において、外側穿通器210及び内側穿通器220は、関連する製造工程中、1つのユニットとして一緒に研磨することができる。適合するフィットを提供することにより、それぞれの先端211及び222が、単一ドリリングユニットとして作用することが可能になり、それによって穿通器アセンブリ160の一部分が骨及び関連する骨髄の中に挿入される時に、挿入が助長されかつ損傷が最小になる。外側穿通器210及び/又は内側穿通器220は、ステンレス鋼、チタン、及び/又は骨に貫入するのに好ましい強度及び耐久性のある他の材料から形成することができる。
【0051】
ハブ200は、関連する穿通器が、選択された挿入部位にある患者の皮膚、軟組織、及び隣接する骨の中に挿入されている間、穿通器アセンブリ160を安定化させるのに使用することができる。ハブ200の第1の端部201は、関連するコネクタ180と解除可能に係合するか又はそれに取り付けるように作動可能である場合がある。ハブ200の第2の端部202は、外側穿通器210に関連する挿入部位に適合した大きさ及び構成を有することができる。ハブ200と外側穿通器210との組合せは、場合によっては、「穿通器セット」又は「骨内針」と呼ばれることがある。
【0052】
コネクタ180及び取り付けられる内側穿通器220は、ルアータイプ取付具、ネジ切りされた接続部、及び/又はハブ200の第1の端部201上に形成された他の好ましい取付具によって互いに解除可能に係合することができる。外側穿通器210は、ハブ200の第2の端部202から延びている。
【0053】
一部の用途に関して、コネクタ180は、第1の端部181及び第2の端部182によって部分的に定められたほぼ円筒形のチューブとして説明することができる。コネクタ180の外部は、端部181に隣接して拡大かつ先細の部分を含むことができる。複数の長手方向隆起部190が、コネクタ180の外部上に形成されて、オペレータが、駆動シャフトとの取り付け中に関連する穿通器アセンブリ160を把持することを可能にすることができる。長手方向隆起部190はまた、外側穿通器210が骨及び関連する骨髄の中に挿入された時に、ハブ200からの係合を解除するようにコネクタ180を把持することを可能にする。
【0054】
コネクタ180の第2の端部182は、開口部185内でハブ200の第1の端部201を受け入れる大きさの開口部185を含むことができる。ネジ山188が、コネクタ180の第2の端部に隣接する開口部185内に形成することができる。ネジ山188は、ハブ200の第1の端部201に隣接するネジ切りされた取付具208にコネクタ180を取外し可能に取り付けることに使用することができる。
【0055】
ハブ200の第1の端部201は、ネジ切りされたコネクタ及び/又はこの端部の外部上に形成された他の好ましい取付具を含むことができる。第1の端部201は、コネクタ180の第2の端部又はボックス端部182と解除可能に係合することに適合したほぼ円筒形のピンタイプ構成を有することができる。
【0056】
一部の用途に関して、ハブ200の端部202は、フランジの一般的な構成を有することができる。保護カバー又は針キャップ234の一端を受け入れる大きさの傾斜スロット又は溝204を端部202内に形成することができる。スロット又は溝204を使用して、針カバー234(図5に図示)を穿通器アセンブリ160と解除可能に係合させることができる。
【0057】
一部の用途に関して、穿通器アセンブリは、単一中空穿通器のみを含むことができる。他の用途に関しては、穿通器アセンブリは、カニューレ、中空針、又は中空ドリルビットのような外側穿通器、及びスタイレット、トロカール、又は外側穿通器内に配置された他の取外し可能デバイスのような内側穿通器を含むことができる。穿通器210は、単一中空穿通器又はカニューレの一例である。
【0058】
穿通器の大きさは、関連する穿通器アセンブリに意図された用途に応じて異なるものとすることができる。穿通器は、小児患者の場合は比較的小さく、大人の場合は中程度の大きさであり、大柄の大人の場合は大きいとすることができる。例示的に、穿通器は、5mmから30mmの長さの範囲にあることができる。穿通器の直径は、18ゲージから10ゲージの範囲にあることができる。特定の用途に使用される穿通器の長さ及び直径は、装置を適用することができる骨の大きさに依存する場合がある。穿通器は、関連する穿通器の挿入に意図された臨床目的に応じた広範な構成で提供することができる。例えば、患者の骨髄に薬剤及び/又は流体を投与するのに1つの構成が存在し、骨髄及び/又は血液を患者から採取するのに別の構成が存在する場合がある。他の構成は、骨及び/又は組織生検に適する場合がある。
【0059】
一部の用途に関して、コネクタ180は、第1の端部181及び第2の端部182によって部分的に定められたほぼ円筒形の構成を有すると説明することができる。コネクタ180の外部は、端部181に隣接して拡大かつ先細の部分を含むことができる。複数の長手方向隆起部190が、コネクタ180の外部上に形成されて、オペレータが駆動シャフトとの取り付け中に関連する穿通器アセンブリ160を把持することを可能にすることができる。長手方向隆起部190はまた、外側穿通器210が骨及び関連する骨髄の中に挿入された時に、ハブ200からの係合を解除するようにコネクタ180を把持することを可能にする。
【0060】
コネクタ180の第1の端部181は、開口部186内で駆動シャフト22の一部分を受け入れる大きさの開口部186を含むことができる。複数のウェブ136が、コネクタレセプタクル186から半径方向に外向きに延びることができる。ウェブ136は、互いに協働して第1の端部181に隣接する複数の開口部138を形成することができる。開口部186及び開口部138は、互いに協働してこれらの開口部内でそれぞれのコネクタの一部分(明示せず)を受け入れるように作動可能なコネクタレセプタクルの各部分を形成することができる。
【0061】
ここで、図5から8を参照すると、図5及び6は、ドライバ(例えば、IO針セットのレセプタクル又は凹部186内に配置された駆動シャフト22の遠位端38を有する)に結合されたIO針セット160(図4A及び4B)を有する本発明のドライバの第2の実施形態10aの側面図を示しており、図7は、ドライバ10aを側面断面図に示しており、図8は、ドライバ10aの切欠き斜視図である。ドライバ10aは、ドライバ10aのハウジング14aが、ピストルグリップ設計で構成されていない(例えば、駆動シャフトの回転軸線58に対して非平行角度で配置されたハンドル部分を含まない)という主な例外を除いて、実質的にドライバ10と同様である。従って、同様の参照符号を用いて、同様である及び/又は依然として同一であり得る構成要素及びアセンブリ(例えば、ドライバ10の駆動シャフト22及びドライバ10aの駆動シャフト22)を示し、異なる参照符号を用いて、必然的に異なる構成要素及びアセンブリ(例えば、ドライバ10及びドライバ10a、並びにハウジング14及びハウジング14a)を示している。
【0062】
上述のように、ドライバ10aは、主としてハウジング14aのハンドル部分82aが主要部分78aに対して非平行角度で配置されておらず、これに代えて、ハンドル部分82aが主要部分78aと平行である(更に、図示の実施形態において、主要部分78aと同軸である)点において、ドライバ10と異なっている。この実施形態において、ドライバ10aは、近位端110を有するスイッチマウント106、近位端110から離間した棚部114、及び遠位端122に延びてステップ126を含む1対のステップモータガイド118を含む。図示の実施形態において、棚部114は、スイッチ46の本体50に結合されるように構成され、近位端110は、ドライバ10aが組み立てられた場合に、バッテリ40と接してスイッチ本体の軸線方向移動を防止するように構成される。この実施形態において、モータガイド118は、モータ18の平面の側面と平行に延び、ステップ126は、ハウジング14aに対してモータ18の軸線方向移動を制限する(例えば、ドライバ10のタブ74に関して上述したものと同様に)。この実施形態において、ハウジング14aは、開放近位端34aを含み、末端キャップ130は、開放近位端(例えば、図示の)を閉じ込めるように構成される。図示の実施形態において、末端キャップ130は、ハウジング14a内の対応する開口部の中に延びて、ハウジング14aからの末端キャップ130の切り離しに抵抗するように構成されたとげ付きタブ134を含む。一部の実施形態において、これに加えて又はこれに代えて、末端キャップ130は、末端キャップ130及び/又はハウジング14aに損傷を与えることなく末端キャップ130をハウジング14aから取り外すことができないように、接着剤、溶接、及び/又は同様のものを用いてハウジング14aに結合される。
【0063】
作動において、IO針セット160(例えば、カニューレ210及びトロカール220の上に配置されて環状溝204内で受け入れられ、次に、使用される針セットを位置決めする前に取り除かれる針カバー234を有する)は、駆動シャフト22に結合することができる。次に、ドライバの駆動シャフトは、ハウジングに対してハウジングの近位端34に向けて摺動し(図5図6の間の寸法144における変化で図示)、ドライバのモータを起動して(例えば、スイッチ46の作動を通して)駆動シャフト及びIOデバイスを回転させるように、IO針セットの遠位端が、患者に対して望ましい挿入部位142に配置され、ドライバのハウジングを通じた力をIOデバイスの遠位端に印加することができる。図示の針セットは、ユーザがハウジングに対して挿入部位の方向に印加する力に応答して、皮質骨154の層による力をIOデバイス及び駆動シャフトに印加することができるように皮膚146及び軟組織150に穴を開けることができる。これに代えて、近位端34に向けて駆動シャフト22を移動するのに必要な閾値力は、皮膚に穴を開ける前又は軟組織150の全てに貫入する前には駆動シャフト22が移動し始める程度に小さいとすることができる(例えば、バネ62は、十分に弱いとすることができる)。ドライバ10aを参照して説明したが、ドライバ10の機能は、挿入部位の方向にハウジング14に閾値力を印加することによってスイッチ46の作動を通してモータの起動が引き起こされ、従って、駆動シャフト及びIOデバイスの回転が引き起こされる点において実質的に類似である。
【0064】
本発明のキットの実施形態は、本発明のドライバ(例えば、10及び10a)及びIOデバイス(例えば、160)の実施形態を含むことができる。本発明のキットの一部の実施形態は殺菌されている。
【0065】
図9A−9Cは、ドライバ10bの別の実施形態の様々な図である。ドライバ10bは、主な例外を除いて多くの点でドライバ10と実質的に類似であるが、これらの例外は、(1)ハンドル部分82bが、改良された人間工学的形状であること、(2)ハウジング14bが、ドライバ10bの取り扱い時にドライバ10bの偶発的な起動を防止して安全性を高めるための機械的ロックアウトを受け入れるように構成されたスロット300を含むこと、及び(3)ハウジング14bが、ドライバ10bの取り扱い時に安全性を高めるための電気的ロックアウトを受け入れるように構成されたハンドル部分82b内のスロット304を含むことである。この実施形態において、スロット300は、機械的ロックアウトをハウジング14bの中に挿入して駆動シャフト22の後方移動を防止することにより、ドライバ10bを起動する電気回路を閉じることを防止することを可能にするようにサイズ設定及び位置決めされる。同様に、図示の実施形態において、スロット304は、電気的ロックアウトをハウジング14bの中に挿入して電気回路を閉じることによってドライバ10bに通電することを防止する(例えば、殺菌、こん包、搬送、又は同様のことの間、ドライバの起動を防止する)ことを可能にするようにサイズ設定及び位置決めされる。
【0066】
ここで、図10Aから10Cを参照すると、図10Aは、図9A−9Cのドライバ10bと共に使用される機械的ロックアウト400の第1の実施形態の斜視図である。この実施形態において、機械的ロックアウト400は、ドライバ10bに結合されて、ドライバ10bの偶発的な起動を防止するように(例えば、殺菌又は搬送中のようなドライバ10bの取り扱い時に安全性を高めるように)構成される。図10B及び10Cは、それぞれ、図9A−9Cのドライバ10bと組み合わせた図10Aの機械的ロックアウト400及び電気的ロックアウト500の実施形態の側面図及び斜視図である。図示の機械的ロックアウト400は、この機械的ロックアウトのタブ404が駆動シャフト22の少なくとも一部分の近くでハウジング14b内のスロット300の中に取外し可能に挿入された状態で、ドライバ10bと解除可能に係合する。
【0067】
例えば、図11に示されているタブ404は、スロット300の中に延び、駆動シャフト22の小径部(例えば、図示の凹部内)の周りに延びてそれを受け入れて、駆動シャフト22及びギアボックス26の後方移動を物理的に妨げるような形状である。他の実施形態において、スロット300は、ハウジング14bの近位端34bに最も近いハウジング14b内に位置し、依然として後方移動を物理的に妨げて偶発的な起動を防止することができる。例えば、スロット300は、ギアボックス26の一部分(例えば、全て)又はモータ18の一部分(例えば、全て)に隣接して位置することができる。図11に図示の実施形態において、駆動シャフト22上にハウジング14bの近位端34bの方向に閾値力を印加すると、機械的ロックアウト400は、駆動シャフト22及びギアボックス26がハウジング14bの近位端34bに向けて摺動することを防止することにより、駆動シャフト22及びギアボックス26がモータ18とバッテリ40の間の電気回路を閉じることを防止する。この実施形態において、機械的ロックアウト400は、針カバー408も含む。
【0068】
図11は、ドライバ10bと組み合わせた図10B及び10Cのロックアウトの断面図である。図11は、殺菌中のようなドライバ10bの取り扱い時に安全性を高めるための電気的ロックアウト500の一実施形態を示している。電気的ロックアウト500は、電気回路の2つの導電部分の間でハンドル部分82b内のハウジング14b内のスロット304の中に取外し可能に挿入されてドライバ10bが殺菌中に通電されることを防止するための可撓性ストリップ504を含む。この実施形態において、ストリップ504は、マイラーのようなポリマー及び/又は他の非導電材料を含むことができる。電気的ロックアウト500は、本発明の機械的ロックアウト(例えば、機械的ロックアウト400又は機械的ロックアウト400a)のいずれかの実施形態と組み合わせてドライバ10bと共に使用することができる。図示の電気的ロックアウト500は、機械的ロックアウト400に結合することができる。この結合は、例えば、機械的ロックアウト400を取り外す際にストリップ504及び電気的ロックアウト500を単一の引きで取り外すことができるように、ストリップ504を機械的ロックアウト400に、例えば、機械的ロックアウト400の近位端に取り付けることによって達成することができる。
【0069】
図12Aは、ドライバ10bの偶発的な起動を防止するのに(例えば、殺菌又は搬送中、又は針セット160をドライバ10bに付加する時のようなドライバ10bの取り扱い時に安全性を高めるのに)ドライバ10bと共に使用される機械的ロックアウト400aの第2の実施形態の斜視図である。機械的ロックアウト400aは、機械的ロックアウト400と同様であるが、針カバーを含まない。図12Bは、ドライバ10bと組み合わせた図12Aの機械的ロックアウト400a及び電気的ロックアウト500の側面図である。他の実施形態において、機械的ロックアウト400aはまた、電気的ロックアウトを伴わずにドライバ10bと共に使用することができる。図12Bに示されている機械的ロックアウト400aは、ドライバ10bと解除可能に係合する。機械的ロックアウト400aは、タブ404aを含み、かつ図11と同様であり、タブ404aは、駆動シャフト22の少なくとも一部分の近くでハウジング14b内のスロット300の中に取外し可能に挿入することができる。図11と同様に、駆動シャフト22上にハウジング14bの近位端34bの方向に閾値力を印加すると、機械的ロックアウト400aは、駆動シャフト22及びギアボックス26がハウジング14bの近位端34bに向けて摺動することを防止することより、駆動シャフト22及びギアボックス26がモータ18とバッテリ40の間の電気回路を閉じることを防止する。
【0070】
上述の明細書及び実施例は、例示的実施形態の構造及び使用法の完全な説明を提示するものである。ある一定の実施形態についてある程度詳細に又は1又は2以上の個々の実施形態を参照して上記で説明したが、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなく開示の実施形態に対して多くの変更を行うことができる。従って、本方法及びシステムの様々な例示的実施形態は、開示する特定の形態に限定されるものではない。そうではなく、これらの実施形態は、特許請求の範囲内の全ての変更例及び代替例を含み、図示のもの以外の実施形態は、図示の実施形態の特徴の一部又は全てを含むことができる。例えば、要素は、省略するか又は一体型構造として組み合わせることができ、及び/又は接続部は、置換することができる。更に、適切な場合には、上述の実施例のいずれの態様も、説明した他の実施例のいずれかの態様と組み合わされて相当するか又は異なる特性及び/又は機能を有し、同じか又は異なる課題に対処する別の実施例を形成することができる。同様に、上述の利益及び利点は、一実施形態に関連する場合があり、又はいくつかの実施形態に関連する場合があることは理解されるであろう。
【0071】
特許請求の範囲は、手段−プラス又は段階−プラス−機能の限定をそのような限定がそれぞれ「のための手段」又は「のための段階」という語句を用いて与えられた特許請求の範囲に明示的に説明されていない限り含むようには意図されず、かつ含むように解釈すべきではない。
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図9C
図10A
図10B
図10C
図11
図12A
図12B