(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
ポリスチレン系樹脂押出発泡板は、機械強度と断熱性に優れており、断熱材などの建築用材料として用いられている。また、ポリスチレン系樹脂押出発泡板においては、臭素系難燃剤などの難燃剤が添加されることで、難燃性を付与したものが提案されてきた。これによって、ポリスチレン系樹脂押出発泡板として、機械強度と断熱性に優れ、且つ、難燃性にも優れたものが得られることとなり、建築用材料などの用途としてより一層広範囲に使用されるようになってきた。
【0003】
ポリスチレン系樹脂押出発泡板は、一般に次のような製造方法で製造される。押出機中でポリスチレン系樹脂、難燃剤及び物理発泡剤を加熱混練して、発泡性樹脂溶融物が形成される。そして、発泡性樹脂溶融物は、押出機の先端に付設されたダイを通して押出され、成形具などにより板状に賦形されて板状のポリスチレン系樹脂発泡体が形成される。この板状に賦形された発泡体は、所定の形状及び寸法に切削され、これにより、ポリスチレン系樹脂押出発泡板が形成される。
【0004】
ポリスチレン系樹脂押出発泡板の製造方法において、発泡剤としては、従前ではジクロロフルオロメタン等の塩素原子を持つフッ化炭化水素、水素原子を含有する塩化フッ化炭化水素、分子中に塩素原子を持たないフッ化炭化水素等の特定フロンや代替フロンが用いられてきた。しかしながら、これらフロン類がオゾン層を破壊する原因や地球温暖化の原因となりうる点で、フロン類を発泡剤として利用することが環境上の観点から問題となっていた。そこで、これらフロン類に変えて、プロパン、ノルマルブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタンなどの脂肪族炭化水素や、シクロペンタンなどの脂環式炭化水素を発泡剤として使用することが検討された。これらの炭化水素類は、ポリスチレン系樹脂の押出発泡に好適なものであり、ポリスチレン系樹脂に対する透過速度が空気より極めて遅く、長期にわたって製造時の断熱性を維持することが可能なものである。
【0005】
また、従来は、発泡剤として、塩化メチルなどの塩化アルキルを併用することが検討されてきた。塩化メチルは、ポリスチレン系樹脂を発泡させやすく、上記炭化水素類と併用することで、所望される見掛け密度の押出発泡板を得ることが容易であった。さらに、塩化メチルはポリスチレン系樹脂に対する透過速度が速く、発泡板の製造後早期に逸散することから、得られた押出発泡板の寸法を早期に安定させることができた。しかしながら、塩化メチルも管理面という観点から代替が望まれている。
【0006】
こうしたことを踏まえ、発泡剤として、フロン類や塩化メチルに代えて、炭化水素類と、二酸化炭素や水などといった環境に優しい発泡剤とを併用して、ポリスチレン系樹脂押出発泡板を製造することが検討された。
【0007】
例えば、特許文献1には、発泡剤として、フロン類や塩化アルキル等の代わりに、イソブタン、シクロペンタン、二酸化炭素等の発泡剤を用いて、質量平均分子量(Mw)が100,000≦Mw≦180,000のポリスチレン系樹脂に、Mwが195,000≦Mw≦350,000のポリスチレン系樹脂を5質量%以上混合して押出発泡板を製造する技術が開示されている。
【0008】
また、特許文献2には、上記したような炭化水素類と水を発泡剤として用いつつ、ポリスチレン系樹脂として、特定の多分岐ポリスチレン系樹脂が使用されることによって、ポリスチレン系樹脂押出発泡板を製造する方法が提案されている。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の製造方法は、ポリスチレン系樹脂押出発泡板の製造方法である。このポリスチレン系樹脂押出発泡板の製造方法には、発泡性溶融樹脂組成物を押出発泡し、板状に賦形する工程が含まれる。
【0016】
(発泡性溶融樹脂組成物)
発泡性溶融樹脂組成物は、ポリスチレン系樹脂、物理発泡剤及び難燃剤を押出機にて混練することで形成される。なお、以下、本明細書において、発泡性溶融樹脂組成物に含まれるポリスチレン系樹脂を、説明の便宜上、ポリスチレン系樹脂Kと呼ぶことがある。
【0017】
(ポリスチレン系樹脂)
本発明において、ポリスチレン系樹脂とは、スチレンに由来する構成単位を50重量%以上含む熱可塑性樹脂を意味し、例えば、ポリスチレン(汎用ポリスチレン:GPPS)、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)等が挙げられる。また、ポリスチレン系樹脂は、ジビニルベンゼンや多官能性マクロモノマーなどの分岐化剤に由来する構成単位を含んでもよい。
【0018】
(ポリスチレン系樹脂K)
ポリスチレン系樹脂Kは、特定の分子量及び収縮因子を有する2種類のポリスチレン系樹脂を含む混合物である。本明細書において、ポリスチレン系樹脂Kに含まれる2種類のポリスチレン系樹脂を、ポリスチレン系樹脂Aとポリスチレン系樹脂Bと呼ぶ。
【0019】
(ポリスチレン系樹脂A)
ポリスチレン系樹脂Aは、GPC−MALS法により測定される値で10万以上30万未満となる重量平均絶対分子量を有し、且つ、0.90以上1.0以下となる収縮因子の重量平均値を有する。
【0020】
ポリスチレン系樹脂Aの重量平均絶対分子量が10万以上30万以下の範囲にあることで、ポリスチレン系樹脂Kの流動性を適度に高めることができる。この効果に鑑みれば、ポリスチレン系樹脂Aの重量平均絶対分子量が15万以上29万以下であることが好ましく、18万以上28万以下であることがより好ましい。
【0021】
ポリスチレン系樹脂Aの収縮因子の重量平均値が0.90以上1.0以下の範囲にある。収縮因子が0.90以上1.0以下ということは、ポリスチレン系樹脂Aが分岐構造を有しないか、又は分岐構造を有していても分岐が少ないことを意味する。このようなポリスチレン系樹脂Aとしては、市販されている汎用ポリスチレンや、魚箱などに使用されているポリスチレン系樹脂発泡粒子成形体のリサイクル原料、さらに、ポリスチレン系樹脂押出発泡板のリサイクル原料などを使用することができる。ポリスチレン系樹脂Aの収縮因子の重量平均値の下限は0.92であることが好ましく、0.95であることがより好ましい。リサイクル原料とは、使用済みとなった製品や製造工程から排出されるくずなどを回収し、新製品の原料とすることができるように処理されたものを示す。
【0022】
(ポリスチレン系樹脂B)
ポリスチレン系樹脂Bは、GPC−MALS法により測定される値で30万以上45万以下となる重量平均絶対分子量を有し、且つ、0.90未満となる収縮因子の重量平均値を有する。ポリスチレン系樹脂Bは、ポリスチレン系樹脂Aよりも収縮因子の重量平均値が小さく、ポリスチレン系樹脂Aよりも分岐構造に富む構造になっている。
【0023】
本発明の所期の目的を達成するためには、ポリスチレン系樹脂Bの重量平均絶対分子量は、35万以上43万以下であることが好ましい。
【0024】
また、ポリスチレン系樹脂Bの収縮因子の重量平均値は0.89以下であることが好ましく、0.88以下であることがより好ましい。収縮因子の重量平均値の下限は特に制限されるものではないが、発泡性の観点から、その下限は0.60であることが好ましく、0.70であることがより好ましく、0.80であることがさらに好ましい。
【0025】
上記分子量及び収縮因子を満足するポリスチレン系樹脂Bとしては、多官能性多分岐状マクロモノマーの存在下でスチレン系単量体を重合してなる多分岐状ポリスチレン系樹脂の中でも流動性に優れるものが挙げられ、例えば、DIC社製の多分岐状ポリスチレン、製品名「ハイブランチ HP−600ANJ」などが例示できる。
【0026】
(重量平均絶対分子量)
ポリスチレン系樹脂Aの重量平均絶対分子量及び収縮因子の重量平均値は、GPC−MALS法により測定される値である。GPC−MALS法は、GPC(Gel Permeation Chromatography)及びMALS(Multi Angle Light Schattering)を用いた分子量の特定方法である。GPC−MALS法は、ゲル濾過クロマトグラフィー用の装置と多角度光散乱検出器とを組み合わせた測定系により実施することができる。
【0027】
本明細書において、重量平均絶対分子量とは、ポリマーの真の重量平均分子量である。一方、従来の検出器として紫外分光光度計(UV)を用いたGPC法により測定される重量平均分子量とは、既知の分子量を有する直鎖ポリスチレンを標準ポリマーとして用いて求められる相対的な重量平均分子量であり、本明細書においては、直鎖PS換算重量平均分子量ともいう。直鎖PS換算重量平均分子量は、そのポリマー本来の分子量を正確には表しておらず、ポリマー中に分岐構造が存在する場合には、分子量(絶対分子量)が同じであれば、直鎖PS換算重量平均分子量は重量平均絶対分子量に比べて相対的に小さな値となる。
【0028】
(重量平均絶対分子量及び収縮因子の重量平均値の特定)
ポリスチレン系樹脂の重量平均絶対分子量Mw’及び収縮因子の重量平均値gwが、GPC−MALSを用いて特定される。MALS(多角度光散乱検出器)により試料液(ポリスチレン系樹脂を用いて調製された試料液)に照射されたレーザー光によるレイリー散乱によって生じる散乱光強度を特定することができる。そして散乱光強度と散乱角度との関係に基づき、ポリスチレン系樹脂の回転半径(R
b)の二乗の値及び絶対分子量が特定される。したがって、このとき、ポリスチレン系樹脂A、Bのそれぞれの回転半径とその二乗の値及びそれぞれの絶対分子量が特定されることとなる。また、上記した標準ポリマーとなる直鎖ポリスチレンの回転半径(R
l)の二乗(R
l2)の値についても、MALSを用いてポリスチレン系樹脂A、Bと同様に特定される。
【0029】
収縮因子gは、下記式(1)に示すように、同一絶対分子量における、ポリスチレン系樹脂の回転半径(R
b)の二乗と、直鎖ポリスチレンの回転半径(R
l)の二乗の比として求められる。
【0031】
収縮因子の重量平均値gwは、GPC−MALS法を用いて次のように特定することができる。GPCによりポリスチレン系樹脂の試料液の溶出クロマトグラムを得る。そして、溶出クロマトグラムの任意の区間iにおいて、MALSにより区間iにおけるポリスチレン系樹脂の絶対分子量M
iと収縮因子g
iが特定される。区間iにおけるポリスチレン系樹脂の濃度c
iは、市販の濃度検出器等を適宜用いて特定される。
【0032】
これらの値から収縮因子の重量平均値gwは下記式(2)により求められる。
【0034】
また、ポリスチレン系樹脂の重量平均絶対分子量Mw’は下記式(3)により求められる。
【0036】
(直鎖PS換算重量平均分子量)
直鎖PS換算重量平均分子量は、例えば、標準ポリマーとして直鎖ポリスチレンを用いたゲル濾過クロマトグラフィー法(GPC法)により、ポリスチレン系樹脂A、Bのそれぞれについて特定することができる。
【0037】
(ポリスチレン系樹脂Aとポリスチレン系樹脂Bの配合量)
ポリスチレン系樹脂Kにおけるポリスチレン系樹脂Aとポリスチレン系樹脂Bの配合量については、ポリスチレン系樹脂Aとポリスチレン系樹脂Bの合計を100重量部とした場合に、ポリスチレン系樹脂に含まれるポリスチレン系樹脂Aの配合量が40重量部以上70重量部以下であり、ポリスチレン系樹脂Bの配合量30重量部以上60重量部以下である。ポリスチレン系樹脂Kにおいてポリスチレン系樹脂Bの配合量がこのような範囲にあることで、機械強度に優れたポリスチレン系樹脂押出発泡板を安定して製造することができるようになる。この効果をより向上させる観点からは、ポリスチレン系樹脂Aとポリスチレン系樹脂Bの合計を100重量部とした場合に、ポリスチレン系樹脂Kに含まれるポリスチレン系樹脂Aの配合量が45重量部以上65重量部以下であり、ポリスチレン系樹脂Bの配合量35重量部以上55重量部以下であることが好ましい。
【0038】
(物理発泡剤)
発泡性溶融樹脂組成物に含まれる物理発泡剤は、二酸化炭素、水、ジメチルエーテル及びエタノールからなる群から選択される1種類以上の早期散逸性発泡剤と、炭素数3以上5以下の炭化水素とを含むものである。
【0039】
(物理発泡剤の添加量)
発泡性溶融樹脂組成物に含まれる物理発泡剤の添加量は、1kgのポリスチレン系樹脂Kに対して0.8mol以上2.0mol以下であることが好まく、ポリスチレン系樹脂K1kgに対して1.0mol以上1.7mol以下であることがより好ましい。物理発泡剤の添加量が0.8mоl以上であることで、建築用断熱材として要求される所望の見掛け密度に発泡性溶融樹脂組成物を発泡させることができる。物理発泡剤の添加量が2.0mоl以下であることで、発泡体の外観不良を生じる虞を低減させることができるようになる。
【0040】
(早期散逸性発泡剤)
物理発泡剤として、二酸化炭素、水、ジメチルエーテル及びエタノールからなる群から選択される1種類以上の早期散逸性発泡剤を用いられることにより、環境負荷の低減が可能となると共に、押出発泡板から早期に散逸していくため、難燃性などの特性を阻害することなく、見掛け密度が低く、外観の良好な押出発泡板を得ることが可能となる。
【0041】
(炭素数3以上5以下の炭化水素)
物理発泡剤に含まれる炭素数3以上5以下の炭化水素としては、炭素数3のプロパン、炭素数4のn−ブタン、イソブタン(2−メチルプロパン)、炭素数5のn−ペンタン、イソペンタン(2−メチルブタン)、ネオペンタン(2,2−ジメチルプロパン)、シクロペンタン等の飽和炭化水素が好適に例示される。また、炭素数3以上5以下の炭化水素としては、ハロゲンを分子中に含んでいてもオゾン破壊係数が0で、地球温度化係数も極めて低い、炭素数3の1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、2,3,3,3−テトラフルオロプロペン、1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン等のフッ素化不飽和炭化水素も例示される。なお、これら炭素数3以上5以下の炭化水素は、単独でまたは2種以上を併用することもできる。炭素数3以上5以下の炭化水素の中では、特にイソブタンが好ましい。炭素数3以上5以下の炭化水素は、ポリスチレン系樹脂に対する透過速度が空気より遅く長期に亘って押出発泡板中に残存し、かつ空気よりも熱伝導率が低いので、得られる押出発泡板は良好な断熱性を有するものとなる。また、炭素数3〜5の飽和炭化水素は、ポリスチレン系樹脂を可塑化するため、ポリスチレン系樹脂A及びポリスチレン系樹脂Bの配合割合等とも関連して、発泡性溶融樹脂組成物の溶融粘弾性を発泡適性の良好な範囲に調整することができる。従って、物理発泡剤に炭素数3〜5の炭化水素を含めると、低い見掛け密度の押出発泡板を比較的容易に得ることができる。
【0042】
(物理発泡剤の配合割合)
物理発泡剤の全量を100mol%とした場合に、物理発泡剤には、炭素数3以上5以下の炭化水素が30mol%以上60mol%以下の割合で含まれ、早期散逸性発泡剤が40mol%以上70mol%以下の割合で含まれていることが好ましい。この割合で、早期散逸性発泡剤、炭素数3以上5以下の炭化水素が含まれていることで、断熱性に優れながらも、難燃性にも優れる押出発泡板を得ることができる。
【0043】
(難燃剤)
発泡性溶融樹脂組成物には臭素系難燃剤が配合されている。
【0044】
臭素系難燃剤としては、例えば、ヘキサブロモシクロドデカン、テトラブロモビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールA−ビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)、テトラブロモビスフェノールA−ビス(2−ブロモエチルエーテル)、テトラブロモビスフェノールA−ビス(アリルエーテル)、テトラブロモビスフェノール−A−ビス(2,3−ジブロモ−2−メチルプロピルエーテル)、テトラブロモビスフェノール−F−ビス(2,3−ジブロモ−2−メチルプロピルエーテル)、テトラブロモビスフェノール−F−ビス(2,3−ジブロモ−2−メチルプロピルエーテル)、テトラブロモビスフェノールS、テトラブロモビスフェノールS−ビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)、テトラブロモビスフェノール−S−ビス(2,3−ジブロモ−2−メチルプロピルエーテル)、テトラブロモシクロオクタン、トリス(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレート、トリブロモフェノール、デカブロモジフェニルオキサイド、トリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェート、N,2−3−ジブロモプロピル−4,5−ジブロモヘキサヒドロフタルイミド、ペンタブロモトルエン、臭素化ポリスチレン、臭素化エポキシ樹脂、スチレンーブタジエン共重合体の臭素化物、臭素化ビスフェノールエーテル誘導体などが挙げられる。これらの化合物は単独又は2種以上を混合して使用できる。
【0045】
難燃剤の配合量は、ポリスチレン系樹脂K100重量部当たり少なくとも0.5重量部以上であることが好ましい。難燃剤の配合量の上限は、押出発泡時における気泡の形成を阻害しないと共に機械的物性の低下を抑制するという観点から概ね10重量部である。なお、難燃剤の配合量は1〜9重量部がより好ましく、2〜8重量部が更に好ましい。
【0046】
(添加剤)
発泡性溶融樹脂組成物には、上記したポリスチレン系樹脂K、物理発泡剤、難燃剤の他に添加剤が含まれていてもよい。添加剤としては、気泡調整剤、熱安定剤、難燃助剤、輻射抑制剤、着色剤などをあげることができる。
【0047】
気泡調整剤としては、タルク、カオリン、マイカ、シリカ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、クレー、酸化アルミニウム、ベントナイト、ケイソウ土等の無機物が例示される。また、気泡調整剤は2種以上組合せて用いることもできる。なお、気泡調整剤の配合量は、ポリスチレン系樹脂K100質量部に対して0.01〜7.5質量部であることが好ましく、0.1〜5質量部であることがより好ましい。
【0048】
熱安定剤としては、エポキシ系化合物、フェノール系化合物、ヒンダードアミン系化合物、ホスファイト系化合物から選択される1又は2以上の熱安定剤が挙げられる。なお、熱安定剤の総配合量は、難燃剤100質量部に対して0.01〜30質量部であることが好ましい。
【0049】
難燃助剤としては、ジフェニルアルカン、ジフェニルアルケン、ポリアルキルベンゼンから選ばれる少なくとも1種の難燃助剤が挙げられる。これらを配合することで、得られる発泡体の酸素指数(材料の燃焼を維持するために必要な酸素の最低濃度)を向上させることができる。なお、難燃助剤の配合量は、難燃剤100質量部に対して1〜20質量部であることが好ましく、2〜10質量部であることがより好ましい。
【0050】
輻射抑制剤としては、例えば、輻射抑制効果を有する微粉末状のものが挙げられ、具体的には、酸化チタン等の金属酸化物、アルミニウム粉等の金属粉、カーボンブラック、黒鉛等のカーボン、セラミック等を例示することができる。これらは、1種又は2種以上組み合わせて用いることができる。輻射抑制剤の添加量は、ポリスチレン系K樹脂100重量部に対し、0.5〜5重量部であることが好ましく、1〜4重量部であることがより好ましい。
【0051】
(ポリスチレン系樹脂押出発泡板の製造方法)
本発明のポリスチレン系樹脂押出発泡板の製造方法は次のように実施される。
【0052】
ポリスチレン系樹脂及び難燃剤と、必要に応じて気泡調整剤、熱安定剤、難燃助剤等の添加剤を押出機に供給して、加熱、混練し、更に物理発泡剤を押出機中に圧入し、混練して得られた発泡性溶融樹脂組成物をフラットダイなどのダイを通して高圧の押出機内より低圧域(通常は大気中)に押出して発泡させると共に、ダイの出口に配置された成形型(平行又は入口から出口に向かって緩やかに拡大するよう設置された上下2枚のポリテトラフルオロエチレン樹脂等からなる板で構成される賦形装置や成形ロール等の成形具)を通過させることによって板状に賦形して板状のポリスチレン系樹脂発泡体(原板)を作製し、さらに、この原板を切削加工することにより幅及び長さを調整して、ポリスチレン系樹脂押出発泡板を製造することができる。
【0053】
なお、通常は、原板の切削くずや、原板のスクラップなどは、ペレット化され、ポリスチレン系樹脂押出発泡板の製造用の原料(リサイクル原料)として使用される。
【0054】
(ポリスチレン系樹脂押出発泡板)
これまで、発泡剤として、塩化アルキルを用いずに、炭化水素類と、二酸化炭素や水などの早期散逸性発泡剤とを併用した場合には、従来のポリスチレン系樹脂押出発泡板と比較して機械強度と断熱性と難燃性に関して同じ程度又はより優れたポリスチレン系樹脂押出発泡板が安定的に得られていなかった。このことは、ポリスチレン系樹脂押出発泡板として、20kg/m
3以上50kg/m
3以下の見掛け密度を有し、且つ、800mm以上の幅を有しているものを得ようとする場合に特に顕著であった。この点、本発明の製造方法によれば、上述のように構成される発泡性溶融樹脂組成物が用いられて押出発泡成形方法が実施されることで、次のようなポリスチレン系樹脂押出発泡板が形成される。
【0055】
すなわち、本発明の製造方法によれば、ポリスチレン系樹脂押出発泡板として、20kg/m
3以上50kg/m
3以下の見掛け密度を有し、且つ、800mm以上の幅を有しているものを安定して好適に得ることができる。
【0056】
本発明の製造方法によれば、ポリスチレン系樹脂押出発泡板の見掛け密度が20kg/m
3以上50kg/m
3以下であり、幅が800mm以上であることで、ポリスチレン系樹脂押出発泡板として建築用断熱材などの断熱用途や軽量盛土などの土木用途に好適に使用できるものを得ることができるという効果が得られる。なお、こうした用途への適合性を考慮すれば、ポリスチレン系樹脂押出発泡板の見掛け密度が22kg/m
3以上40kg/m
3以下であることが好ましい。ポリスチレン系樹脂押出発泡板の幅が800mm以上1200mm以下であることが好ましい。
【0057】
(見掛け密度の特定方法)
ポリスチレン系樹脂押出発泡板の見掛け密度は、JIS A9511:2006Rに記載の「5.6 密度」に基づき測定することができる。
【0058】
本発明の製造方法によれば、ポリスチレン系樹脂押出発泡板の独立気泡率が80%以上であるものを得ることができる。ポリスチレン系樹脂押出発泡板の独立気泡率が80%以上であることで、ポリスチレン系樹脂押出発泡板は、特に機械的強度や断熱性に優れたものとなり、建築用断熱材用途や土木用途に好適に使用できる。なお、かかる観点から、ポリスチレン系樹脂押出発泡板の独立気泡率が90%以上であることが好ましい。
【0059】
(独立気泡率の特定方法)
押出発泡板の独立気泡率は、ASTM−D2856−70の手順Cに従って特定することができる。東芝ベックマン株式会社の空気比較式比重計930型を使用して測定(押出発泡板から25mm×25mm×20mmのサイズに切断されたカットサンプルをサンプルカップ内に収容して測定した。)された押出発泡板(カットサンプル)の真の体積Vxを用い、下記式(4)により独立気泡率S(%)を計算された。複数のサンプルについて独立気泡率S(%)を計算することで、各サンプルの独立気泡率S(%)として複数の値が測定できる。そしてそれらの値の平均値として押出発泡板の独立気泡率を求めることができる。
【0061】
ただし、上記式(4)中、Vxは、上記方法で測定される押出発泡板(カットサンプル)の真の体積、即ち、押出発泡板(カットサンプル)を構成する樹脂の容積と、押出発泡板(カットサンプル)内の独立気泡部分の気泡全容積との和(cm
3)、Vaは、押出発泡板(カットサンプル)の外形寸法から求められる発押出発泡板(カットサンプル)の見掛けの体積(cm
3)、Wは、押出発泡板(カットサンプル)の重量(g)、ρは、押出発泡板(カットサンプル)を脱泡して求められる押出発泡板を構成している樹脂組成物の密度(g/cm
3)である。
【0062】
(ポリスチレン系樹脂押出発泡板の性質)
本発明の製造方法で得られるポリスチレン系樹脂押出発泡板は、塩化アルキルを発泡剤として利用して得られる従来のポリスチレン系樹脂押出発泡板と比較しても機械強度と断熱性と難燃性に関して同じ程度又はより優れたものである。さらに、本発明の製造方法で得られるポリスチレン系樹脂押出発泡板は、外観も優れたものである。
【0063】
(機械強度)
ポリスチレン系樹脂押出発泡板の機械強度は、圧縮強さと曲げ強さで特定することができる。
【0064】
(圧縮強さ)
ポリスチレン系樹脂押出発泡板の圧縮強さは、JIS A9511:2006Rに記載の「5.9 圧縮強さ」に基づき測定することができる。
【0065】
本発明の製造方法で得られるポリスチレン系樹脂押出発泡板は、圧縮強さが10N/cm
2以上であることが好ましい。
【0066】
(曲げ強さ)
ポリスチレン系樹脂押出発泡板の曲げ強さは、JIS A9511:2006Rに記載の「5.10 曲げ強さ」に基づき特定することができる。
【0067】
本発明の製造方法で得られるポリスチレン系樹脂押出発泡板は、曲げ強さが17N/cm
2以上であることが好ましい。
【0068】
(断熱性)
なお、ポリスチレン系樹脂押出発泡板の断熱性は、熱伝導率で特定することができる。
【0069】
(熱伝導率)
熱伝導率は、JIS A9511:2006Rに記載の「5.7 熱伝導率」に基づきJIS A1412−2により測定することができる。
【0070】
本発明の製造方法で得られるポリスチレン系樹脂押出発泡板は、熱伝導率が0.040W/(m・K)以下であることが好ましく、0.034W/(m・K)であることがより好ましく、0.028W/(m・K)であることがさらに好ましい。
【0071】
(難燃性)
本発明の製造方法で得られるポリスチレン系樹脂押出発泡板は、JIS A9511:2006Rに記載の「5.13.1 測定方法A」に基づく燃焼性の測定において、3秒間以内に炎が消える、残じんがない、且つ、燃焼限界指示線を超えて燃焼しない、という3つの条件を満たすものであることが好ましい。
【0072】
ポリスチレン系樹脂押出発泡板が、上記したような圧縮強さ、曲げ強さ、難燃性及び難燃性の条件を満たすことで、建築用断熱材用途や土木用途により一層好適に使用できるものとなる。
【実施例】
【0073】
以下、実施例を用いて本発明をさらに詳細に説明する。
【0074】
実施例1及び実施例2
ポリスチレン系樹脂押出発泡板の製造装置として、第一押出機(口径150mmの押出機)の押出口側に第二押出機(口径200mmの押出機)を直列に連結させたタンデム式の押出機と、第二押出機の押出口に取り付けられたダイに形成されたダイリップの先端に、ポリテトラフルオロエチレン樹脂製の板を上下に所定の間隔をあけて平行に設けて形成された賦形装置とを備えた製造装置が準備された。なお、ダイとしては、吐出口が幅440mm、間隙3mm(長方形横断面)であるようなダイリップを有するものが準備された。
【0075】
ポリスチレン系樹脂として、表1に示すもの(PS1からPS6)が準備された。表1の略称に対応するポリスチレン系樹脂は、表2、表3でも同じ略称を用いて示す。また、臭素系難燃剤、物理発泡剤として、表2、表3に示す臭素系難燃剤、物理発泡剤が準備された。物理発泡剤としては、炭素数3から5の炭化水素と、これよりも発泡板からの散逸速度が速い早期散逸性物理発泡剤が準備された。臭素系難燃剤としては、テトラブロモビスフェノールA−ビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)40重量%とテトラブロモビスフェノール−A−ビス(2,3−ジブロモ−2−メチルプロピルエーテル)60重量%との複合難燃剤(表2、3中、BrBPAとの略称標記)が準備された。なお、表2、3中、臭素系難燃剤、気泡調整剤の欄の数字は、ポリスチレン系樹脂K100重量部に対する重量部であり、添加量を示す。
【0076】
表2に示すポリスチレン系樹脂A、ポリスチレン系樹脂B、臭素系難燃剤及び気泡調整剤としてのタルク(松村産業製、商品名:ハイフィラー(商標)#12)が、表2に示す配合で第一押出機に供給され、設定温度220℃で加熱し混練され、第一押出機の先端側にて、表2に示す物理発泡剤が圧入されてさらに混練され、発泡性樹脂溶融物が形成された。得られた発泡性樹脂溶融物は、第二押出機において、表2に示す発泡樹脂温度まで徐々に冷却された。なお、発泡樹脂温度は、第二押田機器の押出口とダイの間にて測定された。発泡性樹脂溶融物がダイから大気圧中に押し出されて、発泡を進めながら賦形装置を通過することにより板状に成形され、押出発泡板の原板を得た。そして、原板を切削加工することにより幅及び長さを調整して、直方体状のポリスチレン系樹脂押出発泡板(厚み50mm、幅910mm、長さ1820mm)が得られた。得られた押出発泡板について各種の物性が測定され、評価がなされた。なお、得られた押出発泡板を製造直後から温度23℃、相対湿度50%の恒温恒湿室にて保管し、製造日の3日後に、各種測定及び評価を行なった。各種の物性測定及び評価の結果を表2に示す。
【0077】
また、実施例1で得られた押出発泡板及び原板の切削屑をリサイクル用の押出機にて溶融しリペレット化して、ポリスチレン系樹脂(表1中のPS5)を得た。リペレットは、得られた発泡板を押出機に供給可能な大きさに破砕し、その破砕物及び原板の切削屑を内径90mm、L/D=50の単軸押出機に供給して最高温度220℃で溶融混練し、その溶融樹脂を吐出量250kg/hrでストランド状に押出し、ペレット状にカットすることによって行なった。
【0078】
実施例3から実施例8
ポリスチレン系樹脂Kを形成するポリスチレン系樹脂A及びポリスチレン系樹脂Bの組み合わせとして、表1に示すポリスチレン系樹脂から、表2に示すような組み合わせが選択された。さらに、表2に示すような物理発泡剤、臭素系難燃剤等を用い、表2に示す条件で押出発泡を行った。これらの点の他は、実施例1と同様にして、ポリスチレン系樹脂押出発泡板が得られた。それぞれの実施例(実施例3から8)において得られた押出発泡板について、実施例1と同様に、得られた押出発泡板を製造直後から温度23℃、相対湿度50%の恒温恒湿室にて保管し、製造日の3日後に、各種測定及び評価がなされた。それぞれの実施例3から8における各種の物性測定及び評価の結果を表2に示す。
【0079】
比較例1から比較例8、及び参考例
ポリスチレン系樹脂Kに変えて、表3に示すポリスチレン系樹脂Lを採用した。ポリスチレン系樹脂Lには、比較例1から8、参考例のそれぞれにおいて表3に示すポリスチレン系樹脂A及びポリスチレン系樹脂Cの組み合わせが選択された。ここに、ポリスチレン系樹脂Cは、ポリスチレン系樹脂A及びポリスチレン系樹脂B以外のポリスチレン系樹脂を示すものとする。表3に示すポリスチレン系樹脂Lに加えて、表3に示すような物理発泡剤、臭素系難燃剤を用い、表3に示す条件で押出発泡を行った。これらの点の他は、実施例1と同様にして、ポリスチレン系樹脂押出発泡板が得られた。なお、参考例では、早期散逸性発泡剤として塩化メチルを用いた。比較例1から8及び参考例それぞれにおいて得られた押出発泡板について、実施例1と同様に、得られた押出発泡板を製造直後から温度23℃、相対湿度50%の恒温恒湿室にて保管し、製造日の3日後に、各種測定及び評価がなされた。それぞれの比較例1から8、参考例における各種の物性測定及び評価の結果を表3に示す。
【0080】
(各種の物性測定及び評価の方法)
表1のポリスチレン系樹脂、実施例1から8、比較例1から8、及び参考例に関し、上記した各種の物性測定及び評価の方法は下記のように実施された。
【0081】
(ポリスチレン換算分子量)
直鎖ポリスチレンを標準物質としたゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)法により、ポリスチレン系樹脂の重量平均分子量(Mw)を測定した。東ソー社製のHLC−8320GPC EcoSECを用いて、溶離液:テトラヒドロフラン(THF)、流量:0.6ml/分、試料濃度:0.1wt%という条件で測定を実施した。カラムについては、TSKguardcolumn SuperH−H×1本、TSK−GEL SuperHM−H×2本を直列に接続して測定に用いた。そして、スチレン系樹脂をテトラヒドロフラン(THF)に溶解させ、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)で分子量を測定した。測定値を標準ポリスチレン(直鎖)で校正して、ポリスチレン系樹脂の重量平均分子量(Mw)を求めた。
【0082】
(絶対分子量及び収縮因子)
GPC−MALS(多角度光散乱検出器)法により、ポリスチレン系樹脂の重量平均絶対分子量(Mw’)を測定した。島津製作所社製Prominence LC−20AD(2HGE)/WSシステム、Wyatt Technology社製の多角度光散乱検出器 DAWN HELEOS IIを用いて、溶離液:テトラヒドロフラン(THF)、流量1.0ml/minという条件で測定を実施した。カラムについては、東ソー社製TSKgel HHR−H×1本、TSKgel GMHHR×2本、を直列に接続して測定に用いた。測定の解析は、Wyatt社の解析ソフト ASTRAにより行い、これによりポリスチレン系樹脂の重量絶対平均分子量(Mw’)、収縮因子の重量平均値が求められた。
【0083】
(厚みと見掛け密度)
発泡板を幅方向に5等分して、それらの幅方向中央部の厚みを測定し、それぞれの厚みの算術平均値を発泡板の厚みとした。
【0084】
JIS A9511:2006Rに記載の「5.6 密度」に基づき発泡板の見掛け密度を求めた。なお、得られた発泡板の幅方向の中央部、両端部付近の計3箇所から、厚みはそのままとし、100mm×100mmの直方体の試料を各々切り出して試験片とした。
【0085】
(独立気泡率)
押出発泡板の独立気泡率は、既述したように、ASTM−D2856−70の手順Cに従って測定された。
【0086】
(熱伝導率)
JIS A9511:2006Rに記載の「5.7 熱伝導率」に基づきJIS A1412−2により、押出発泡板の熱伝導率[W/(m・K)]を測定した。
【0087】
(難燃性)
JIS A9511:2006Rに記載の「5・13・1 測定方法A」に基づき燃焼性の試験を行い、次に示すような、燃焼時間、残じん、及び、燃焼限界指示線についての評価基準に基づき、押出発泡板の難燃性を評価した。
【0088】
・燃焼時間
○:3秒以内である。
×:3秒を超える。
【0089】
・残じん
○:なし。
×:あり。
【0090】
・燃焼限界指示線
○:超えない。
×:超える。
【0091】
(圧縮強さ及び曲げ強さ)
押出発泡板の幅方向に異なる3か所が選択され、各箇所からサンプルが切り出された。サンプルの切り出し位置は、押出発泡板の幅方向の幅方向の中央部、両端部が選択された。幅方向の中央部、両端部から切り出されたサンプルは、それぞれ「中」、「端(1)」「端(2)」とされた。なお、「端(1)」「端(2)」のサンプルは、押出発泡板の幅方向の端面を基準として125mm内側に向かった位置(中央部によった位置)にて切り出された。
【0092】
それぞれのサンプルを用いて、JIS A9511:2006Rに記載の「5.9 圧縮強さ」に基づき圧縮強さ(N/cm
2)が測定され、JIS A9511:2006Rに記載の「5.10 曲げ強さ」に基づき曲げ強さ(N/cm
2)が測定された。なお、圧縮強さは、「中」、「端(1)」「端(2)」の平均の値と、その平均の値に対する「中」の対比(「中」/平均)についても算出された。
【0093】
(外観良否)
製造された押出発泡板からランダムに10枚の押出発泡板が選択された。これらの10枚の押出発泡板を目視し、表面から深さ3mm以上のスポットを有する押出発泡板の枚数を数えた。枚数を表2、表3に示す。また、その枚数に応じて下記のような基準で外観の良し悪しについての評価を行った。
【0094】
○ : 3mm以上のスポットを有するサンプルの枚数が0〜1枚である。
△ : 3mm以上のスポットを有するサンプルの枚数が2〜3枚である。
× : 3mm以上のスポットを有するサンプルの枚数が4〜10枚である。
【0095】
【表1】
【0096】
【表2】
【0097】
【表3】