(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記予め定められたイベントが、前記生体信号記録装置の起動時における前記生体信号記録装置の電源電圧の判定であることを特徴とする請求項1に記載の生体信号記録装置。
前記予め定められたイベントが、前記生体信号データの記録の最初の開始時の直近に実行した前記生体信号記録装置の電源電圧の判定であることを特徴とする請求項1に記載の生体信号記録装置。
前記制御手段は、前記記録開始指示が検出されるごとに、前記経過時間が前記予め定められた時間以上と判定されず、かつ、既に記録された前記生体信号データの記録時間または記録回数が予め定められた閾値未満であれば、前記生体信号データの記録を開始するように前記記録手段を制御することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の生体信号記録装置。
生体信号記録装置が有するコンピュータを、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の生体信号記録装置の取得手段および制御手段として機能させるためのプログラム。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明をその例示的な実施形態に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る生体信号記録装置の一例としての、携帯型睡眠評価装置(以下、単に睡眠評価装置と呼ぶ)100の機能構成例を示すブロック図である。なおここで説明する睡眠評価装置はいわゆる簡易ポリグラフ検査装置であり、被検者の睡眠を評価するための生体信号を計測し、生体信号データを記録する。本明細書において生体信号とは、生体の状態や活動を表す信号を意味する。生体信号は、心電図信号や筋電図信号のように直接電気信号として検出される信号と、体温、呼吸、脈、いびきなど、生体の状態や活動をセンサなどによって装置が取り扱いできる形式に変換した信号とを含む。
【0014】
(構成)
本実施形態に係る睡眠評価装置100において、SpO
2センサ101は、動脈血酸素飽和度(SpO
2)を例えば被検者の指先で計測する透過式のセンサである。カニューレ102は、被検者の鼻孔近傍に開口を有し、接続された圧力センサ106によって、被検者の鼻呼吸波形やいびき音を検出するために用いられる。胸部・腹部センサ103は、被検者の呼吸努力運動を検出するためのセンサである。
【0015】
心電図電極104は例えば単極または双極2チャンネルの心電図信号を検出するための電極である。加速度センサ105は、被検者の体位(例えば、右側臥位、左側臥位、仰臥位、伏臥位、および立位)を判定したり、体動を検出したりするためのセンサである。
【0016】
メモリ107は、制御部110が作業用に用いるメモリであり、例えば計測した生体信号のデータを一時的に蓄積するバッファとして、また表示部108のビデオメモリとして用いられる。不揮発性メモリ113は、計測した生体信号のデータを記録するための、取り外し不能な内蔵記録媒体であり、本実施形態ではNAND型フラッシュメモリである。表示部108は例えば液晶ディスプレイ(LCD)を有し、装置の動作状況、計測波形、ユーザ情報、GUIなどを表示する。
【0017】
制御部110は、例えば1つ以上のプログラマブルプロセッサ(以下CPU)、書き換え可能なROM、およびRAMを有する。制御部110は、ROMに記憶されたプログラムをRAMにロードしてCPUで実行することにより、睡眠評価装置100の各部の動作を制御し、睡眠評価装置100の機能を実現する。ROMにはCPUが実行するプログラムのほか、各種の設定値、GUIデータなどが記憶される。なお、CPUは不揮発性メモリ113に記憶されたプログラムをメモリ107に読み込んで実行してもよい。
【0018】
制御部110は、睡眠評価装置100の総記録可能時間、記録済み時間および/または残り記録可能時間、1回あたりの最長記録可能時間、最大記録可能回数、記録済み回数および/または残り記録可能回数といった記録動作に関する値を、制御部110内のRAMまたはメモリ107に保持し、記録動作に伴って更新する。
【0019】
入力部109は、ユーザ(医療従事者および被検者)が各種の指示や設定を入力するために用いる入力機器の総称である。入力部109は、例えばスイッチ、ボタン、ダイヤル、タッチパネル等、物理的な操作を必要とする入力機器はもちろん、音声認識によって指示を認識する構成の入力機器など、物理的な操作を必要としない入力機器を含むことができる。入力部109を通じて入力された指示は制御部110で検出され、制御部110は指示に応じた動作を実行する。
【0020】
なお、スピーカ等の発音手段を設け、装置の動作状態やエラー発生、操作手順などを音声などによってユーザに報知するように構成してもよい。
【0021】
記録部111は制御部110の制御に従い、計測した生体信号のデータを着脱可能な記録媒体の一例であるメモリカード(MC)1110に記録したり、メモリカード1110に記録されたデータを読み出したりする。後述するように、本実施形態の睡眠評価装置100は、計測した生体信号のデータを、不揮発性メモリ113とメモリカード1110との両方に記録することができる。メモリカード1110はNAND型フラッシュメモリを用いている。
【0022】
外部I/F112はパーソナルコンピュータなどの外部装置と有線もしくは無線通信するためのインタフェースである。接続可能な外部機器の種類や外部機器との通信プロトコルに特に制限は無い。
電源部114は一次電池または二次電池を有し、制御部110をはじめとした各部に電源を供給する。制御部110は、電源部114の電源電圧(電池電圧)を計測することができる。
【0023】
(記録動作)
次に、本実施形態の睡眠評価装置における生体信号データの記録動作について説明する。なお、ここでは記録時の全体的な動作を説明することを目的としているため、予め各種のセンサ101、103〜105およびカニューレ102が被検者の所定部位に装着されており、かつ記録開始条件を満たしているものとする。
【0024】
入力部109から記録開始指示が入力されると、制御部110は記録開始日時をメモリ107に書き込み、生体信号の計測および生体信号データの記録動作を開始する。制御部110は、各種のセンサ101,103〜106から得られる生体信号に対して例えばA/D変換やフィルタ処理など予め定められた処理を適用し、生体信号データを生成する。制御部110は生成した生体信号データを、メモリ107に順次書き込んでゆく。
【0025】
カニューレ102に接続された圧力センサ106は、鼻カニューレまたは口鼻カニューレからの気流を電気信号へ変換する。制御部110は、この電気信号に増幅処理およびフィルタ処理を適用し、圧力センサ106から得られる信号を周波数成分によってマスク圧の変化を示す信号、呼吸波形を示す信号、気管音(いびき)を示す信号に分離する。なお、カニューレが鼻カニューレであれば鼻呼吸波形が、口の近傍にも開口を有する口鼻カニューレであれば口鼻呼吸波形が得られる。
【0026】
例えば、制御部110は、圧力センサ106から得られる電気信号について500Hz程度を遮断周波数とするローパスフィルタを適用して増幅した信号を基本信号として求める。そして、制御部110は、基本信号に対してさらに2〜3Hzを遮断周波数とするローパスフィルタを適用した信号をマスク圧の信号として求める。また、制御部110は、基本信号に対して0.01〜0.1Hzを遮断周波数とするハイパスフィルタと2〜3Hzを遮断周波数とするローパスフィルタを適用した信号を呼吸信号として求める。さらに、制御部110は、基本信号に対して0.01〜0.1Hzを遮断周波数とするハイパスフィルタと150〜200Hzを遮断周波数とするローパスフィルタを適用した信号を気管音信号として求める。なお、これらは圧力センサ106の信号から各種の信号を分離する方法の一例であり、フィルタの周波数特性を変更したり、他の方法を用いたりしてもよい。
【0027】
また、制御部110は、マスク圧の変化を示す信号(マスク圧信号)、呼吸波形を示す信号(呼吸信号)、気管音(いびき)を示す信号(気管音信号)の呼吸関連信号を、それぞれ電圧値から圧力値[cmH
2O]に変換して記録する。
また、呼吸努力波形は胸部・腹部センサから得られる。なお、本実施形態では胸骨上窩波形は計測していないが、胸骨上窩波形を取得するように構成してもよい。
【0028】
制御部110は、生体信号データを順次メモリ107に書き込むとともに、生体信号データの解析処理を行う。解析処理では、無呼吸や低呼吸区間の有無、継続期間および回数、体位とその変化、SpO
2の所定%(例えば2〜4%)以上の低下の有無、継続期間および回数、脈拍数(最大、最小、平均)などを取得する。制御部110は例えば、無呼吸は10秒以上呼吸が停止した状態、低呼吸は、換気の明らかな低下(正常呼吸の振幅から30%以上の減少した状態が10秒以上)に加え、SpO
2が3〜4%以上低下した状態として検出することができる。なお、解析処理については公知の方法を用いて行うことができるため、これ以上の詳細については説明を省略する。なお、生体信号データの解析処理は外部機器で実行するようにしてもよい。
【0029】
制御部110は、メモリ107に蓄積された生体信号データについて、予め定められた単位時間(第1の時間)分ずつ所定の順序で不揮発性メモリ113にデータファイルとして記録する。制御部110はまた、メモリカード1110への記録が設定されている場合には、生体信号データを記録部111に供給し、生体信号データをデータファイルとしてメモリカード1110にも記録する。制御部110はまた、解析結果のデータについては、第1の時間より長い所定時間(第2の時間)分の生体信号データを記録するごとに不揮発性メモリ113(設定に応じてさらにメモリカード1110)に記録する。なお、制御部110は、不揮発性メモリ113とメモリカード1110とに、同じ形式のデータファイルとして生体信号データや解析結果のデータを記録する。
【0030】
制御部110はまた、記録中、表示部108に記録中である旨の表示や、記録時間、予定の記録終了日時、センサなどの取り付け状態や一部の計測値などを表示することができる。
【0031】
制御部110は記録終了条件を満たしたと判定されるまで上述した計測処理、解析処理、および記録処理を継続して実行する。制御部110は、例えば記録時間が設定された自動記録終了時間(例えば8時間)に達した場合、入力部109を通じた記録終了指示の入力を検出した場合、残り記録可能時間が0になった場合、記録済み時間が総記録可能時間に達した場合、装置に関する異常を検出した場合などに記録終了条件を満たしたと判定することができる。
【0032】
(記録可否判定動作)
次に、
図2に示すフローチャートを用い、本実施形態の睡眠評価装置100の記録可否判定動作について、起動時からの一連の動作とともに説明する。
図2のフローチャートは、睡眠評価装置100の起動時に開始される。なお、本実施形態の睡眠評価装置100は、電源部114に電池が装着されると起動するものとするが、入力部109の操作によって起動する構成であってもよい。
【0033】
S101で制御部110は、起動画面を表示部108に表示させるなどの起動処理において、電源部114の電圧(電池電圧)を計測する。制御部110は計測精度を向上させるため、計測を複数回行い、計測値の平均を電池電圧として求めてもよい。そして制御部110は、電池電圧が予め定められた閾値以上であるか否かを判定し、閾値以上と判定されればS105へ、閾値以上と判定されなければS103へ、処理を進める。ここで、電池電圧の閾値は、正常な記録動作を保証する期間に応じて定めることができる。閾値の定め方については後で詳細に説明する。制御部110はまた、電池電圧を判定した日時を表す情報をメモリ107に保存する。
【0034】
S103で制御部110は、電池電圧が不足していると判定し、エラー終了処理を実行して動作を終了する。この際、制御部110は、電池電圧が不足していることをユーザに報知するメッセージなどを表示部108に表示させてもよい。
【0035】
S105で制御部110は、記録待機画面を表示部108に表示させ、処理をS107に進める。記録待機画面は例えば、記録を開始するための操作方法を説明するメッセージ、次の記録が何回目の記録であるか、設定されている自動記録終了時間が何時間かなどの情報を含むことができる。
【0036】
S107で制御部110は、入力部109を通じたメニュー移行指示が検出されたか否かを判定し、検出されたと判定されればS123へ、検出されたと判定されなければS109へ、処理を進める。
【0037】
S109で制御部110は、入力部109を通じた記録開始指示が検出されたか否かを判定し、検出されたと判定されればS133へ、検出されたと判定されなければS111へ、処理を進める。
【0038】
S111で制御部110は、S105で記録待機画面を表示してから所定時間経過したか否かを判定し、経過したと判定されればS113へ処理を進め、経過したと判定されなければS107へ処理を戻す。
【0039】
S113で制御部110は、睡眠評価装置100の動作モードを記録モードから省電力モードに移行させる。省電力モードは、所謂スリープモードであり、例えば入力部109に対する操作の検出など、予め定められたイベントの検出機能だけを維持することにより、電池の消耗を抑制する動作モードである。具体的には、表示部108への電源供給を停止するなど、電源を供給する部分を減らしたり、制御部110の動作スピード(CPUの動作クロック)を低下させたりすることができるが、これらに限定されない。そして、制御部110は処理をS115に進め、入力部109に対する操作が検出されるまで待機する。
【0040】
S115で入力部109に対する操作が検出されると、制御部110は処理をS117に進め、動作モードを記録モードに復帰させるとともに、記録待機画面を表示部108に表示させ、処理をS119に進める。
【0041】
S119で制御部110は、入力部109を通じた記録開始指示が検出されたか否かを判定し、検出されたと判定されればS133へ、検出されたと判定されなければS121へ、処理を進める。
【0042】
S121で制御部110は、S117で記録待機画面を表示してから所定時間経過したか否かを判定し、経過したと判定されればS113へ、経過したと判定されなければS119へ処理を戻す。
【0043】
S123で制御部110は、メニュー画面を表示部108に表示させ、処理をS125に進める。
S125で制御部110は、入力部109を通じた記録モード移行指示が検出されたか否かを判定し、検出されたと判定されればS127へ、検出されたと判定されなければS129へ、処理を進める。
【0044】
S127で制御部110は、S101と同様にして電池電圧の計測および判定を行い、電池電圧が予め定められた閾値以上と判定されればS117へ、閾値以上と判定されなければS103へ、処理を進める。制御部110はまた、電池電圧を判定した日時を表す情報をメモリ107に保存する。
【0045】
S125で制御部110は、入力部109を通じて記録モード移行指示以外の指示が検出されたか否かを判定し、検出されたと判定されればS131へ処理を進め、検出されたと判定されなければS125へ処理を戻す。記録モード移行指示以外の指示に特に制限はないが、例えば設定画面の呼び出し指示、メモリカードの初期化指示などであってよい。
【0046】
S131で制御部110は、S129で検出した指示に応じた処理を実行し、処理をS123に戻す。
【0047】
記録開始指示が検出されると、S133で制御部110は、検出した指示に応じた記録処理の開始可否を判定する。本実施形態で制御部110は、生体信号の記録を最初に開始する前の予め定められたイベントから、記録開始指示が検出されるまでの経過時間が、予め定められた時間以上の場合には記録不可と判定してS135へ、経過時間が予め定められた時間以上でなければ記録可と判定してS137へ、処理を進める。
【0048】
本実施形態では、生体信号の記録を最初に開始する前の予め定められたイベントを、生体信号の最初の記録時の直近に実行した電池電圧の判定処理とする。
図2に示す例であれば、起動時における電池電圧の判定(S101)または、メニュー画面から記録モードへの移行指示が検出された際の電池電圧の判定(S127)である。したがって、制御部110はこれらの判定処理の実行時には実行日時の情報をメモリ107に記憶しておく。しかしながら、電池電圧の判定処理以外のイベント、例えば装置の起動時のような他のイベントであってもよい。
【0049】
S135で制御部110は、S103と同様にエラー処理を実行して動作を終了する。
S137で制御部110は、生体信号の計測および記録処理を実行する。S137における動作は、上述した通りである。
【0050】
S139で制御部110は記録終了条件を満たしたか否かを判定し、満たしたと判定されれば計測および記録処理を終了してS141へ処理を進め、満たしたと判定されなければS137に処理を戻して計測、解析、および記録処理を継続して実行する。
【0051】
S141で制御部110は、生体信号の記録済み回数、記録済み時間、および設定されている記録時間に基づいて、生体信号の記録がさらに可能であるか否かを判定し、可能と判定されればS113に処理を戻し、可能と判定されなければ動作を終了する。なお、S141における新規記録の可否決定時に、S133と同様の判定を実施してもよい。この場合、記録終了時にイベントからの経過時間が閾値以上であれば新規記録不可と判定し、処理をS135に進めればよい。また、記録回数や記録時間に基づく判定よりも、イベントからの経過時間に基づく判定を優先する。
【0052】
このように、本実施形態によれば、記録開始指示に応じた生体信号の記録可否を、最初に記録を開始する前の予め定められたイベントからの経過時間に応じて判定するようにした。判定は電源電圧(電池電圧)の計測値に基づかないため、電圧が安定していない電源を用いる場合であっても判定結果がばらつかない。また、経過時間を閾値と比較するだけで記録可否の判定が可能であるため、電源電圧を複数回計測して平均値を求めるといった処理が不要であり、判定に要する演算量や時間が少なくてすむ。
【0053】
特に、予め定められたイベントを、最初に記録を開始する直近に実行された電源電圧の判定処理とした場合、電源電圧がチェックに合格した時点からの経過時間に基づいて記録可否の判定を行うことになるため、例えば省電力モードでの待機時間が長くなった場合には記録を行わないという制御が可能になる。また、予め定められたイベントを、装置の起動時とすれば、起動時からの待機時間を考慮した記録可否の判定が可能である。なお、上述したように、起動時は電池装着時であり、新品もしくは満充電の電池を装着するのが一般的な運用であることを考えれば、実質的に電源電圧がチェックに最初に合格した時点からの経過時間を考慮した記録可否の判定と見なすことができる。
【0054】
ここで、具体例について説明する。例えば、睡眠評価装置100の仕様として、総記録可能時間が24時間であり、24時間記録1回、12時間記録2回、8時間記録3回のいずれかが選択可能であるとする。そして、予め定められたイベントから72時間以上経過している場合には新規の記録を許可しないように制御するものとする。この閾値は、例えば予め定められたイベントからの経過時間が閾値になる直前に、最も消費電力の大きな記録動作(この例では24時間記録)が開始されても記録が正常に終了できることが保証できる値として決定する。
【0055】
したがって、24時間記録1回の設定がなされている場合、記録開始指示がS109またはS119で検出された際に、S101またはS127のうち直近に実行された電圧判定処理の日時からの経過時間が72時間未満であれば記録が開始され、72時間以上であれば記録は行われない。
【0056】
また、12時間記録2回の設定がなされている場合、最初の記録開始指示がS109またはS119で検出された際に、S101またはS127のうち直近に実行された電圧判定処理の日時からの経過時間が72時間未満であれば記録が開始され、72時間以上であれば記録は行われない。記録が行われた場合、S141で新規記録の可否が決定されるが、ここではまだ2回目の記録が可能であるため、S113に移行する。また、最初にS141を実行した時点ではイベントからの経過時間が閾値時間未満であったとする。
【0057】
その後、2回目の記録開始指示がS109またはS119で検出された際に、S101またはS127のうち直近に実行された電圧判定処理の日時からの経過時間が72時間未満であれば記録が開始され、72時間以上であれば記録は行われない。ここで、2回目の記録指示が検出された時点における経過時間の判定で用いられるイベントの発生日時は、最初の記録開始指示が検出された時点における経過時間の判定で用いられたイベントの発生日時と同じである。
【0058】
2回目の記録が実行された場合、S141の判定において、総記録可能時間(24時間)分の記録が行われている(あるいは設定された時間分の記録が完了している)ため、新規記録は不可と判定される。S141の判定時にイベントからの経過時間が閾値時間未満であっても新規記録は不可と判定される。
8時間記録3回の設定がなされている場合の判定処理は12時間記録2回の設定の場合と同様であるため、説明を省略する。
【0059】
以上説明したように本実施形態によれば、睡眠評価装置のように起動時から記録開始までの待機時間や、かつ記録間の待機時間が不定な生体信号記録装置において、新規の記録動作を開始可能か否かを、最初の記録を開始する前のイベントからの経過時間に基づいて判定するようにした。そのため、新規の記録動作の開始可否を、簡便な構成で、かつ待機時間を考慮して判定することができ、電池のような電圧が必ずしも安定でない電源を用いる睡眠評価装置において特に有用である。
【0060】
なお、本発明に係る生体信号記録装置は、一般的に入手可能な、スマートフォンやタブレット端末のような汎用情報処理装置に、
図2に示したフローチャートの動作を実行させるプログラム(アプリケーションソフトウェア)として実現することもできる。従って、このようなプログラムおよび、プログラムを格納した記憶媒体(CD−ROM、DVD−ROM等の光学記録媒体や、磁気ディスクのような磁気記録媒体、半導体メモリカードなど)もまた本発明を構成する。