【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の1つの主題は、以下を含む包囲された絶縁性パネルである:
−耐圧縮性多孔性材料及び多孔性材料を気密的に包囲しているバリヤ包材を含む、矩形シートの形態の真空絶縁パネル、及び、
−幅及び長さを有する少なくとも1つの固定ストリップであって、その長さは、真空絶縁パネルの周囲長よりも大きく、各々の固定ストリップは、真空絶縁パネルの4つの連続している面の少なくとも一部分の周囲に包材を形成し、そして共に結合されてアタッチメントフラップを形成することができる2つの自由端を含み、その固定ストリップ又は各々の固定ストリップは、真空絶縁パネルに強固に取り付けられている、固定ストリップ。
【0012】
1つの例示の実施形態によると、包囲された絶縁性パネルはアタッチメントフラップを壁に機械的に固定させることができる固定手段をさらに含む。これらの固定手段は、例えば、アタッチメントフラップにおける穿孔を含む。
【0013】
1つの例示の実施形態によると、固定ストリップはバリヤ包材を構成し、そして多孔性材料を気密的に包囲している。
【0014】
この場合に、固定ストリップは、真空絶縁パネルの6つの面の周囲で包材を形成している。
【0015】
他方、別の例示の実施形態によると、固定ストリップは、真空絶縁パネルのバリヤ包材を包囲することができる。
【0016】
1つの例によると、固定ストリップは、ガラス繊維から製造され、又は、ガラス繊維をベースとしている。
【0017】
1つの例によると、固定ストリップは、接着結合又は熱結合により真空絶縁パネルに固定されている。
【0018】
1つの例によると、固定ストリップの幅は、真空絶縁パネルの幅と実質的に等しい。
【0019】
1つの例によると、包囲された絶縁性パネルは、真空絶縁パネルの幅よりも小さい幅を各々有する少なくとも2つの固定ストリップを含む。
【0020】
1つの例によると、包囲された絶縁性パネルは、ライニングシート、特に圧縮性発泡体のシートを含み、これらは固定ストリップにより同様に包囲されている。
【0021】
固定ストリップは、任意の適切な材料又は材料の組み合わせのフィルムから構成されていてよく、特に織布又は不織布材料、例えばポリプロピレンポリマーなどのポリマーから構成されていてよい。フィルムはまた、異なる材料の数層の層から構成されていてもよい。
【0022】
本発明の別の主題は、上記のような包囲された絶縁性パネルを取り付け、場合により固定するための以下を含むキットである:
−耐圧縮性多孔性材料及び多孔性材料を気密的に包囲しているバリヤ包材を含む、矩形シートの形態の真空絶縁パネル、及び、
−幅及び長さを有する少なくとも1つの固定ストリップであって、その長さは、真空絶縁パネルの周囲長よりも大きく、各々の固定ストリップは、2つの自由端を保持しつつ、真空絶縁パネルの4つの連続している面の少なくとも一部分の周囲に包材を形成するように適応しており、自由端は一緒に結合してアタッチメントフラップを形成することができる、少なくとも1つの固定ストリップ。
【0023】
1つの例示の実施形態によると、キットは固定ストリップを真空絶縁パネルに強固に取り付け、包囲された絶縁性パネルを形成することができる手段をさらに含む。これらの手段は、例えば、接着剤又はフックアンドループテープを含む。
【0024】
1つの例によると、キットは、壁にアタッチメントフラップを機械的に固定することができる固定手段をさらに含み、特に、限定するわけではないが、少なくともフック、釘、スクリュー、ステープル、リベット又は接着剤を含む。
【0025】
1つの例によると、キットは、ライニングシートをさらに含み、特に圧縮性発泡体のシートを含む。
【0026】
このライニングシートは、固定ストリップにより同様に包囲されることが意図されていてもよく、又は、パネルが固定される壁からパネルを離して保持するために、1つ以上の包囲された絶縁性パネルの内側面に対して配置されること意図がされていてもよい。
【0027】
本発明の別の主題は上記のような包囲された絶縁性パネルを複数含む、建物の壁をライニングするシステムであって、以下のシステム:
包囲された絶縁性パネルは、パネルの少なくとも1つの層で並べられて列を形成し、
包囲された絶縁性パネルの各々は、壁に対面する内側面及び該内側面の反対側にある外側面を含み、
包囲された絶縁性パネルの各々のアタッチメントフラップは、機械的固定手段を用いて壁に固定され、
上方列の各パネルは、その直下にあるパネルのアタッチメントフラップを覆い、上方パネルの下方面は下方パネルの上方面と隣接して組み立てられる。
【0028】
本発明の別の主題は上記のような包囲された絶縁性パネルにより建物の壁をライニングする方法であって、特に上記のようなライニングシステムを形成するための方法であり、下記の工程を含む方法:
−機械的固定手段を用いて壁に第一の包囲された絶縁性パネルのアタッチメントフラップを固定すること、
−他のパネルのアタッチメントフラップを固定して、絶縁性パネルの隣接したアセンブリを形成すること、ここで、各々のパネルはその直下にあるパネルの固定フラップを覆うように配置されている。
【0029】
1つの例示の実施形態によると、本発明に係る方法は、下記の事前工程をさらに含む:
−各真空絶縁パネル上に、真空絶縁パネルの周囲長よりも長い長さを有する少なくとも1つの固定ストリップを取り付け、それにより、固定ストリップは、真空絶縁パネルの4つの連続している面の少なくとも一部分の周囲に包材を形成し、ストリップの末端で2つの自由端を保持すること、及び、
−ストリップの末端を一緒にしてアタッチメントフラップを形成し、包囲された絶縁性パネルを形成すること。
【0030】
1つの例示の実施形態によると、包囲された絶縁性パネルの各々は、壁に対面する内側面及び該内側面の反対側にある外側面を含み、包囲された絶縁性パネルの内側面は、接着剤の層を用い及び/又はスペーサピース若しくは圧縮性発泡体のシートを用いて、壁から離して保持されそして実質的に垂直に配置される。
【0031】
1つの例示の実施形態によると、本方法は、組み立てられた包囲された絶縁性パネルの外側面にモルタルの層を適用することをさらに含む。
【0032】
この場合には、固定ストリップがガラス繊維布帛などのモルタル耐性材料から製造されていると、特に有利である。
【0033】
本発明に係る絶縁性システムは、多くの利点を提供する:非常に薄くかつ非常に良好な絶縁を提供するVIPを使用することが可能になる。組み立て及び固定の方法はサーマルブリッジを形成しそうな構成要素の使用を回避する。実装が容易で、安価である。この組み立て及び固定方法は、VIPを壁に設置している際にVIPに損傷を与える危険性を低減する。この方法はまた、他のタイプの絶縁性パネルに使用することができる。
【0034】
このシステムは、その実施形態において極めて融通性がある:絶縁性パネル、特にVIPに対する固定包材の固定は製造時に工場で行うことができる。これは、
図4に図示される代替形態において行われたものである。包材が絶縁性パネルの周囲に熱結合されず、接着結合され又はフックアンドループテープなどの何らかの他の手段により取り付けられるシステムでは、パネルの周囲への包材の取り付けは、工場又は建築現場で行われることができる。
【0035】
本記載はまた、建物の壁をライニングするための要素を取り付け、そして固定するためのキットに関し、
−矩形シートの形態の少なくとも1つの絶縁性パネルを含み、このキットは、以下をさらに含むことを特徴とする:
−パネルの周囲長よりも大きい長さの材料のフィルムから構成された少なくとも1つの固定ストリップであって、各々の固定ストリップは、絶縁性パネルの4つの連続している面の少なくとも一部分の周囲に包材を形成しており、かつ共に結合されてアタッチメントフラップを形成できる2つの自由端を有する、固定ストリップ
−固定ストリップを絶縁性パネルに強固に取り付け、包囲された絶縁性パネルを形成することができる手段。
【0036】
本記載はまた、建物の壁をライニングするためのシステムに関し、
−矩形シートの形態の絶縁性パネルであって、このパネルはパネルの少なくとも1つの層で並べられて列を形成している絶縁性パネル、
を含み、このシステムは、さらに以下を含む:
−シートの周囲長よりも大きい長さの材料のフィルムから構成された固定ストリップ、ここで、各々の固定ストリップは、絶縁性パネルの4つの連続している面の少なくとも一部分の周囲に包材を形成しており、かつ共に結合されてアタッチメントフラップを形成している2つの自由端を含み、固定ストリップは、絶縁性パネルに取り付けられ、これらのパネルに強固に固定され、包囲された絶縁性パネルを形成し、各々の包囲された絶縁性パネルは、壁に対面する内側面及び該内側面の反対側にある外側面を含み、
各々の包囲された絶縁性パネルのアタッチメントフラップは、機械的固定手段により壁に固定されており、
パネルは、上方列の各パネルがその直下にあるパネルのアタッチメントフラップを覆い、上方パネルの下方面は下方パネルの上方面と隣接して組み立てられるように配置され、
包囲された絶縁性パネルは実質的に垂直に配置されている。
【0037】
本記載はまた、絶縁性パネルを供給することを含む、建物の壁をライニングする方法に関し、この方法は下記の工程を含むことを特徴とする:
−各絶縁パネルの4つの連続している面の少なくとも一部分の上で、該パネルの周囲長よりも大きい長さの材料のフィルムから構成された少なくとも1つの固定ストリップを各絶縁性パネル上に取り付けて、フィルムの末端で2つの自由端を残すこと、
−フィルムの末端を一緒にしてアタッチメントフラップを形成し、包囲された絶縁性パネルを形成すること、
−第一の包囲された絶縁性パネル1のアタッチメントフラップを、機械的固定手段を用いて壁に固定すること、
−絶縁性パネルの隣接アセンブリを形成するようにして、他のパネルのアタッチメントフラップを固定すること、ここで、各パネルはその直下にあるパネルのアタッチメントフラップを覆うように配置されている。
【0038】
いくつかの好ましい実施形態によると、本記載はまた、下記の要素(特に、上述された本発明に係る包囲された絶縁性パネル、キット、システム及び方法と適合性がある)に関する。
【0039】
壁へのアタッチメントフラップの機械的固定を可能にする手段をさらに含む、上記のタイプのキット。
【0040】
絶縁性パネルが矩形シートの形態であり、耐圧縮性多孔性材料及び該多孔性材料を包囲しているバリヤ包材を含み、該バリヤ包材が気密性でありそして内部真空を維持することができる、上記のタイプのライニングキット、システム及び方法。
【0041】
固定ストリップが、シートの6面の周囲に包材を形成する、上記のタイプのライニングキット、システム及び方法。
【0042】
固定ストリップが、ガラス繊維布帛から製造され、又は、ガラス繊維布帛をベースとする、上記のタイプのライニングキット、システム及び方法。
【0043】
固定ストリップが、接着結合又は熱結合により絶縁性パネルに固定されている、上記のタイプのライニングキット、システム及び方法。
【0044】
固定ストリップが、留め具(fastener)によって絶縁性パネル及び壁に固定されている、上記のタイプのライニングキット、システム及び方法。
【0045】
アタッチメントフラップが、アタッチメントフラップを壁に固定することを可能にする穿孔を含む、上記のタイプのライニングキット、システム及び方法。
【0046】
固定ストリップが、絶縁性パネルに強固に取り付けられ、包囲された絶縁性パネルを形成する、上記のタイプのキット。このときに、キットの意味するところはライニングのために使用準備された、このように包囲された絶縁性パネルのアセンブリである。
【0047】
固定ストリップが、絶縁性パネルの幅(L)と実質的に等しい幅(l)である、上記のタイプのライニングキット、システム及び方法。
【0048】
包囲された絶縁性パネルの側面が、補強ストリップにより覆われる、上記のタイプのライニングキット、システム及び方法。
【0049】
固定ストリップが、絶縁性パネルの幅(L)よりも小さい幅(l)である、上記のタイプのライニングキット、システム及び方法。
【0050】
各パネルが少なくとも2つの固定ストリップと連携されている、上記のタイプのライニングキット、システム及び方法。
【0051】
壁に実質的に平行にパネルを固定することを可能にするサイズの少なくとも1つのスペーサピースをさらに含み、該スペーサピースは離散した点、ラス又はシートの形態であり、パネルとの局所的、直線的の又は表面の接触を提供することができる、上記のタイプのライニングキット、システム及び方法。
【0052】
圧縮性発泡体のシートをさらに含む、上記のタイプのライニングキット、システム及び方法。
【0053】
包囲された絶縁性パネルが、1つの面の下方部分に切り取られた部分を有する、上記のタイプのライニングキット、システム及び方法。
【0054】
機械的固定手段が、壁への固定及び上記の一つの又は各固定ストリップの絶縁性パネルへの固定の両方を提供する、上記のタイプのライニングシステム及び方法。
【0055】
包囲された絶縁性パネルの内側面が、壁に接着結合される、上記のタイプのライニングキット及び方法。
【0056】
包囲された絶縁性パネルの内側面が、接着剤の層を用い、かつ/又はスペーサピース若しくは圧縮性発泡体のシートを用いて壁から離して保持されそして実質的に垂直に配置される、上記のタイプのライニングシステム及び方法。
【0057】
1つの同一の列の連続する2つのパネルの側面が隣接して組み立てられる、上記のタイプのライニングシステム及び方法。
【0058】
外装をさらに含む、システム。
【0059】
外装の使用をさらに含む、上記のタイプのライニング方法。
【0060】
包囲された絶縁性パネルそれぞれの外側面が、ガラス繊維から製造されている、上記のタイプのライニングシステム及び方法。
【0061】
外装をさらに含み、その表面は、組み立てられた包囲された絶縁性パネルの外側面に適用されたモルタルの層を含む、上記のタイプのライニングシステム。
【0062】
外装の使用をさらに含み、その表面は、組み立てられた包囲された絶縁性パネルの外側面に適用されたモルタルの層を含む、上記のタイプのライニング方法。
【0063】
その表面が、自己支持性ライニングである、上記のタイプのライニングシステム及び方法。
【0064】
絶縁性パネルの内側面上に圧縮性発泡体のシートをさらに含む、ライニングシステム。
【0065】
絶縁性パネルの内側面上に圧縮性発泡体のシートをさらに含む、上記のタイプのライニング方法。
【0066】
包囲された絶縁性パネルの内側面及び壁の間に圧縮性発泡体のシートをさらに含む、ライニングシステム。
【0067】
包囲された絶縁性パネルの内側面及び壁の間に圧縮性発泡体のシートをさらに含む、上記のタイプのライニング方法。
【0068】
包囲された絶縁性パネルが、機械的固定手段を収納するためのキャビティを含む、上記のタイプのライニングシステム及び方法。
【0069】
包囲された絶縁性パネルが、列(R
1,R
2)で配置され、各下方の列(R
1)の直ぐ上の列(R
2)を固定する前に各下方の列(R
1)を固定することを含む、上記のタイプの方法。
【0070】
壁が上面を含む壁であり、壁の上面にアタッチメントフラップを固定することによりパネルの最後の列が壁に取り付けられる、上記のタイプの方法。