【文献】
中嶋勝巳, et al.,幹細胞の自動培養システム,生物工学,2014年,Vol.92, No.9,pp.473-478
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
無菌状態に維持された内部空間を有し、該内部空間において細胞を処理するアイソレータと、該アイソレータ内で細胞を処理する際に使用する試薬の入った容器であって、該試薬を使用して不要になった容器を廃棄物として一旦投入してから前記アイソレータの外部へ廃棄するための密閉可能な収容部を有する廃棄ボックスと、前記収容部を除染するための除染手段とを備え、
前記廃棄ボックスは、前記アイソレータと前記収容部とを廃棄物の投入時に連通可能で、かつ、廃棄物の投入後で廃棄前に遮断可能に構成された開閉自在な第1開閉手段と、前記収容部に投入された廃棄物を外部へ廃棄する時に該収容部と該外部とを連通可能で、かつ、廃棄物の廃棄後に遮断可能に構成された開閉自在な第2開閉手段とを備え、
前記除染手段は、前記収容部を除染するための除染流体を前記廃棄ボックスに供給する除染用供給ポートと、供給された除染流体を前記廃棄ボックスから回収するための除染用回収ポートとを備えていることを特徴とする細胞処理装置。
前記第2開閉手段を開放して廃棄物を廃棄する時に、前記収容部内へエアを供給する収容部用エア供給手段を備えていることを特徴とする請求項1に記載の細胞処理装置。
前記第2開閉手段が、前記収容部の下端に形成される開口を開閉可能な板状の蓋体から構成され、前記蓋体を開放して廃棄物を廃棄する時に、該蓋体の収容部側となる面へエアを供給する蓋体用エア供給手段を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の細胞処理装置。
前記廃棄物は、容器本体と、容器本体の開口を閉じて内部を密封するための蓋とを備え、前記廃棄物の廃棄時に、前記蓋をして内部が密封された状態で廃棄するように構成されていることを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか1項に記載の細胞処理装置。
前記容器を前記アイソレータ内に搬入するためのパスボックスを備え、該パスボックスから搬入されて使用された前記容器が、前記廃棄ボックスに投入されることを特徴とする請求項1〜4のうちのいずれか1項に記載の細胞処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の細胞処理装置の一例である培養細胞製品の製造装置(以下、製造装置という)について説明する。尚、以下の説明における前後左右の説明は、左右に関しては
図1及び
図2に示された状態に対応しており、前後に関しては、
図2における下方が「前方」に対応し、同上方が「後方」に対応する(方向は
図2にも記載している)。
【0017】
図1〜
図3に、本実施形態の製造装置が示されている。この製造装置は、細胞培養容器(以下において培養容器という)1を収容する複数台のインキュベータ2と、無菌状態に維持された内部空間を有し、該内部空間においてインキュベータ2から送られた培養容器1に入った細胞を処理するための横長状のアイソレータ(処理装置)3と、培養容器1にて培養された細胞を小分けして投入するために必要となる物品(試薬が入った容器も含む)をアイソレータ3に搬入可能な複数(
図2では2台)のパスボックス4を備えている。培養容器1としては、例えば多層に細胞を培養することができるハイパーフラスコ(コーニングインターナショナル(株)製)を用いることができる。この培養容器1は、容器本体1Aと、容器本体1Aの上端開口を閉じて内部を密封するための蓋1Bとを備える。培養容器1の廃棄時に、蓋1Bをして内部が密封された状態で廃棄されるため、培養容器1内に残っている液が外部へ漏れ出して、後述する収容部27S(
図7参照)内に付着することを抑制できる。各部は
図1に概略的に示す制御装置Xによって制御される。制御装置Xは製造装置に一体的に備えられていてもよいし、製造装置とは別体でケーブルや無線によって接続されたもの(例えばパーソナルコンピュータ)であってもよい。また、制御装置Xが製造装置に一体的に備えられ、オペレータが操作する制御装置Xの操作部(例えばタブレット端末)だけを製造装置と別体にしてもよい。
【0018】
インキュベータ2は、
図1に示すように上下2段に積み重ねた状態で設けられ、
図2に示すようにアイソレータ3の左端1箇所とアイソレータ3の後側の左端部2箇所の合計3箇所に設けられ、全部で6台備えられている。上段及び下段のインキュベータ2,2は、同一構成であり、各インキュベータ2は、ケーシング2A内に多数の培養容器1を収容可能なラック(図示せず)を備えている。ケーシング2Aは、一側面から培養容器1を出し入れすることができるように一側面が開放された箱型形状である。そのケーシング2Aの一側面の開口を閉じる2枚の扉2B,2Cが開閉自在にケーシング2Aに取り付けられている。例えば、内側の扉2Cを、透明な材料で構成することによって、外側の扉2Bを開放するだけで、収容されている培養容器1の収容数や細胞の培養状態を内側の扉2Cで開口を閉じた状態で確認することができる。また、インキュベータ2の内部には、培養雰囲気を調整するための二酸化炭素ガスが供給されるように構成されている。また、インキュベータ2内のラックに収容されている培養容器1は、図示していない送出し機構により、アイソレータ3内に設けられている複数の載置台5上へ送り出されるように構成されている。載置台5は、インキュベータ2に対応して同数の6個配置されている。
【0019】
前記のように、アイソレータ3は横長状(本実施形態では平面視長方形状)であって、アイソレータ3の短手側の側面(本実施形態では左側面)に1組(上下2台)のインキュベータ2が位置し、長手側の側面(本実施形態では後側面)に複数組(本実施形態では2組)のインキュベータ2が位置する。この構成により、培養細胞数を減らすことなく製造装置を小型化できる。
【0020】
アイソレータ3は、インキュベータ2から取り出した培養容器1の増殖度合いを確認すべく培養容器1を観察位置まで移動させるための、2台の第1ロボットアーム6,7を備える観察部8と、観察部8に連設され観察部8で観察された培養容器1のうちの所定数の細胞を有する培養容器1内の細胞を、パスボックス4,4から搬入された多数の製品容器9(例えばバイアル瓶、
図1の拡大図参照)に移し替えるための各種処理を行う、3台の第2ロボットアーム10,11,12を備える処理部13と、移し替えた多数の製品容器9を取り出すための取出口14とを備えている。アイソレータ3の前後壁には、アイソレータ3内にオペレータが手を入れて作業をすることができる多数の作業用グローブ(図示せず)が取り付けられる。
図2に示すように、5台のロボットアーム6,7,10,11,12は、アイソレータ3の長手方向に沿い、左右方向に延びる一直線上に配置されている。
【0021】
左右方向基準で左側の第1ロボットアーム6は、アイソレータ3の短手側の側面(本実施形態では左側面)に位置する1組のインキュベータ2と、長手側の側面(本実施形態では後側面)に位置するうちで左側1組のインキュベータ2とに対応しており、これらインキュベータ2に収容される培養容器1を取り扱うことができる(各ロボットアームの届く範囲(平面視)を
図2に二点鎖線の円で示している)。また、右側の第1ロボットアーム7は、アイソレータ3の長手側の側面に位置するうちで右側1組のインキュベータ2に対応しており、このインキュベータ2に収容される培養容器1を取り扱うことができる。
【0022】
また、左右方向基準で左側の第2ロボットアーム10及び中側の第2ロボットアーム11は、アイソレータ3の長手側の側面(本実施形態では後側面)に位置するうちで左側のパスボックス4に対応しており、このパスボックス4に収容される(または収容されていた)物品及び試薬を取り扱うことができる。
【0023】
また、右側の第2ロボットアーム12は、アイソレータ3の長手側の側面(本実施形態では後側面)に位置するうちで右側のパスボックス4と、製品容器9の搬出用のボックス22とに対応しており、このパスボックス4に収容される(または収容されていた)物品及び試薬、ボックス22に収容される製品容器9を取り扱うことができる。
【0024】
更に、
図2に示した二点鎖線の円が重なり合っていることで示されるように、5台のロボットアーム6,7,10,11,12は、相互に物品の受け渡しが可能な位置関係に配置されている。
【0025】
このように、アイソレータ3内に各ロボットアーム6,7,10,11,12が位置することにより、各ロボットアーム6,7,10,11,12はインキュベータ2、アイソレータ3、パスボックス4、ボックス22の各々に対して、目的に適した動作が可能である。このため、作業効率を向上でき、培養細胞製品を大量生産することに資することができる。
【0026】
本実施形態における第1ロボットアーム6,7及び第2ロボットアーム10,11,12は、同一構成であるため、左端に位置する第1ロボットアーム6についてのみ説明する。第1ロボットアーム6は、多関節型のロボットアームからなり、アイソレータ3のベース部材15に固定される固定部6Aと、固定部6Aの先端部に縦軸回りで回動自在なベース部6Bと、このベース部6Bの先端部に横軸回りで揺動自在な第1アーム6Cと、第1アーム6Cの先端部に横軸回りで揺動自在な第2アーム6Dと、第2アーム6Dの先端部に横軸回りで揺動自在な第3アーム6Eと、第3アーム6Eの先端に対向して取り付けられた一対の把持部6F,6Fとを備えている。一対の把持部6F,6Fは、接近及び離間可能に構成されている。このように多関節型の第1ロボットアーム6,7は、インキュベータ2から送り出された培養容器1を一対の把持部6F,6Fで掴んで(
図1参照)観察位置にある顕微鏡16まで移動させる。第2ロボットアーム10,11,12は、前記培養容器1の他、
図1に示す遠沈管17、調合タンク18等を掴んで各種処理を行うことができるようになっている。
【0027】
観察位置にある顕微鏡16は、2台の第1ロボットアーム6,7の間に配置されている。このように顕微鏡16を配置することによって、左側の第1ロボットアーム6で培養容器1を顕微鏡16まで移動させて細胞を観察し、観察した結果、所定数の細胞を有すると判断された培養容器1を右側の第1ロボットアーム7で掴んで処理部13側へ迅速に移動させることができる。要するに、左側の第1ロボットアーム6は、主として顕微鏡16まで培養容器1を移動させる作業を行い、右側の第1ロボットアーム7は、所定数の細胞を有すると判断された培養容器1を処理部13側へ移動させる作業を行うことによって、作業の迅速化を図ることができる。所定数の細胞を有しているとの判断は、製造装置のオペレータ(人)が目視にて細胞数を数えることによって判断してもよいし、アイソレータ3に設けられたカメラで撮像した画像を解析して自動的に細胞数を算出し、その算出した細胞数によって制御装置Xが自動的に判断してもよい。尚、右側の第1ロボットアーム7に対向位置するインキュベータ2から送り出される培養容器1は、右側の第1ロボットアーム7で掴んで顕微鏡16まで移動させることになる。また、処理部13にも細胞を観察するための顕微鏡25が設置されている。この顕微鏡25の観察ステージに載せる血球計算盤等の対象物は、右端の第2ロボットアーム12が掴んで移動させることになる。
【0028】
また、観察後の培養容器1は、右側の第1ロボットアーム7から処理部13の左端に配置された第2ロボットアーム10に直接渡すことにより搬送されるだけではない。観察後の培養容器1は、例えば第2ロボットアーム10が処理作業中である場合に、搬送装置19によって処理部13の左端の第2ロボットアーム10又は処理部13の左右中央に配置された第2ロボットアーム11が把持できる位置まで搬送される。この搬送装置19は、アイソレータ3の前側壁に沿って設けられ、アイソレータ3の観察部8の右端部から処理部13の左右中央部まで搬送することができる搬送長さに設定されている。従って、右側の第1ロボットアーム7が観察後の培養容器1を搬送装置19の搬送始端部に渡すと、搬送装置19は、2台の第2ロボットアーム10又は11が把持できる位置まで培養容器1を搬送する。
【0029】
この搬送装置19は、観察部8に位置する少なくとも1台のロボットアーム(本実施形態では第1ロボットアーム7)と処理部13に位置する複数のロボットアーム(本実施形態では2台の第2ロボットアーム10,11)とに対応して設けられる。第1ロボットアーム7は第2ロボットアーム10に対して直接物品の受け渡しが可能である。そして搬送装置19は、直接物品の受け渡しができない第1ロボットアーム7と第3ロボットアーム11とに対して物品の受け渡しを可能とする。このため、第2ロボットアーム10が作動中で、第1ロボットアーム7から第2ロボットアーム10を介して第3ロボットアーム11に物品の受け渡しが不可能な場合でも、第1ロボットアーム7から搬送装置19を介して第3ロボットアーム11に物品の受け渡しが可能である。このことから、アイソレータ3内で並行して(複数ルートで)物品を搬送できる。よって、アイソレータ3内での作業効率を向上できるので生産性を向上できる。
【0030】
処理部13には、3台の第2ロボットアーム10,11,12が同一間隔で配置され、その間隔は、2台の第1ロボットアーム6,7同士の間隔よりも小さい間隔に設定され、第2ロボットアーム10,11又は11,12同士で行う各種の処理スピードが速くなるように構成されている。
図4に示すように、各第2ロボットアーム10,11,12の近傍位置でかつ各第2ロボットアーム10,11,12よりも下方位置に、移動不能な固定型の補助アーム20が設置されている。補助アーム20は、固定部材21に固定された固定部20Aと、固定部20Aに接近及び離間可能に取り付けられた一対の把持部20B,20B(
図4では手前しか図示していない)とを備えている。
図4では、例えば、調合タンク18の上端部を第2ロボットアーム10,11,12で掴んでから、補助アーム20の一対の把持部20B,20Bで掴める位置まで移動して補助アーム20の一対の把持部20B,20Bで調合タンク18の下端部を掴むことになる。このようにすれば、一台の第2ロボットアーム10,11,12で、調合タンク18の蓋18Aを開けたり閉じたりすることができる。また、第2ロボットアーム10,11,12には、複数種の容器に備える回転式の蓋を開閉するためのプログラムが記憶されており、第2ロボットアーム10,11,12で複数種の容器に備える回転式の蓋を開閉することができる。このため、製造装置で用いる容器を同一種類の容器に統一しなくても済み、培養細胞製品の製造装置を容易に実現することができる。尚、第1ロボットアーム6,7においても前記プログラムを記憶しておいてもよい。
【0031】
また、処理部13の後側壁には、2つのパスボックス4,4が連設されている。一方(左側)のパスボックス4は、左端に位置する第2ロボットアーム10と中央に位置する第2ロボットアーム11との間から製品容器9、培養容器1、遠沈管17を含む複数種の容器や薬剤が入った容器である調合タンク18等の物品が搬入されるように配置されている。他方(右側)のパスボックス4は、右端に位置する第2ロボットアーム12へ前記物品が搬入されるように配置されている。
【0032】
前記のようにアイソレータ3は横長状であって、アイソレータ3の長手側の側面(本実施形態では後側面)に複数(本実施形態では2つ)のパスボックス4が位置する。この構成により、アイソレータ3に搬入すべき物品量を制限することなく製造装置を小型化できる。
【0033】
取出口14の開口は、右端に位置する第2ロボットアーム12が容易に入り込むことができる程度の大きさに構成されている。取出口14には、開閉自在な電動シャッター(図示せず)が設けられるとともに、取出口14からアイソレータ3の外部へ移動された製品容器9を一旦置いておくための空間を形成するためのボックス22が連設されている。
【0034】
処理部13は、第2ロボットアーム10により、前記第1ロボットアーム7から受け取った培養容器1に収容されている細胞含有液体を遠沈管17に移し替える第1移し替え処理手段と、第2ロボットアーム10により、遠沈管17を遠心分離機26にかけて細胞と液体とを分離させる分離処理手段と、第2ロボットアーム10により、分離処理手段で分離された液体の少なくとも一部を遠沈管17から取り除いてから遠沈管17に保存液(凍結保存液)を投入した状態で遠沈管17内の所定数の細胞を多数の製品容器9に移し替える第2移し替え手段とを備えている。尚、本実施形態の説明における「細胞含有液体」は、単に「細胞を含有する液体」を意味しており、特定の状態の液体に限定されない。
【0035】
また、処理部13は、第1ロボットアーム7により、インキュベータ2から取り出された培養容器1内の培地を交換する培地交換処理手段を備え、培地交換処理手段は、第2ロボットアーム10が第1ロボットアーム7から受け取った培養容器1の蓋を開放して培養容器1内の培地を廃棄し、新たな培地を培養容器1内に供給してから、蓋をして第1ロボットアーム7に戻すように構成されている。
【0036】
前記のような構成を備えている処理部13は、凍結している細胞を起眠して播種するための第1処理、細胞を回収して多数の培養容器に播種する第2処理(継代処理)、継代処理されて培養された培養容器の細胞を回収し回収した細胞を小分けして製品容器9に移し替えて取出口14から搬出する第3処理を行えるようになっている。
【0037】
観察部8の処理部13寄りの位置には、前述の各種処理中に不要になった培養容器1の他、遠沈管17や調合タンク18等の蓋のできる(大きなものが多い)廃棄物を廃棄するための第1廃棄部23を備えている。また、処理部13のボックス22寄りの位置には、不要になったピペットチップ(ピペットに取り付けられる吸い口、図示せず)等の蓋ができず液だれするような物品(小さなものが多いが、チップの中でもディスポチップのような大きなチップもある)を廃棄物として廃棄するための第2廃棄部24を備えている。従って、使用後の遠沈管17や調合タンク18等は、例えば
図2で示すように、左側のパスボックス4からアイソレータ3内に搬入される。そして、搬入された前記遠沈管17や調合タンク18等は、左側の第2ロボットアーム10又は左右方向中央に位置する第2ロボットアーム11によって取り扱われ、左側の第2ロボットアーム10が直接第1廃棄部23に廃棄する、又は左側の第2ロボットアーム10から右側の第1ロボットアーム7へ受け渡されて第1ロボットアーム7が第1廃棄部23に廃棄する。つまり、左側のパスボックス4からアイソレータ3内に搬入されて使用された廃棄物は、アイソレータ3からパスボックス4側へ戻されることなく、第1廃棄部23を通してアイソレータ3の外部へ廃棄される。また、使用後のピペットチップは、例えば
図2で示すように、右側のパスボックス4からアイソレータ3内に搬入され、右側の第2ロボットアーム12によって取り扱われ、第2廃棄部24に廃棄される。つまり、右側のパスボックス4からアイソレータ3内に搬入された使用後の廃棄物は、アイソレータ3からパスボックス4側へ戻されることなく、第2廃棄部24を通してアイソレータ3の外部へ廃棄される。
【0038】
図5に示すように、第1廃棄部23は、廃棄物(ここでは、培養容器1を挙げて説明する)を一旦投入してからアイソレータ3の外部へ廃棄するための密閉可能な収容部27Sを有する廃棄ボックス27と、廃棄ボックス27の下方に配置された上方開放型の廃棄物回収容器28とを備えている。
図5では、廃棄物回収容器28の底板部に、ローラ35Aを取り付けて、廃棄物回収容器28を直接移動できるように構成しているが、ローラを備えた移動自在な台車(図示せず)に廃棄物回収容器28を載置する構成であってもよい。尚、
図5ではローラ35Aを2個しか示していないが、実際には、廃棄物回収容器28の四隅(4箇所)にローラ35Aを備えている。
【0039】
廃棄ボックス27は、収容部27Sを形成するための縦長の筒状体27Aと、筒状体27Aの上端の開口27bを開閉するための第1開閉手段としての第1蓋体27Bと、筒状体27Aの下端の開口27cを開閉するための第2開閉手段としての板状の第2蓋体27Cとを備えている。筒状体27Aの上端及び下端には、第1蓋体27Bの下端及び第2蓋体27Cの上端との間を密閉するためのシール材Z1,Z2を備えている。
【0040】
筒状体27Aには、第1蓋体27B及び第2蓋体27Cが閉じた状態で、アイソレータ3からの廃棄物を投入する前に収容部27Sを除染するための過酸化水素ガス(H
2O
2)を供給するための除染用供給ポート29Aと、収容部27S内へ供給された過酸化水素ガス(H
2O
2)を回収するための除染用回収ポート29Bとを備えている。除染用供給ポート29A及び除染用回収ポート29Bには、
図5〜
図9に示すように、配管29a,29bの一端がそれぞれ接続され、配管29a,29bの他端に過酸化水素発生装置(図示せず)が接続される。これら除染用供給ポート29A、除染用回収ポート29B、配管29a,29b、過酸化水素発生装置(図示せず)で除染手段が構成されている。ここでは、収容部27Sを過酸化水素ガスで除染しているが、オゾン、二酸化塩素ガス、酸化エチレンガスなどで除染することもできる。尚、アイソレータ3に、収容部27Sに除染流体(ここでは過酸化水素ガス)を供給する除染手段とは別の除染手段が配置又は接続され、アイソレータ3内が別の除染手段で除染された状態を維持できるようにしている。また、筒状体27Aには、第1蓋体27Bが開放されてアイソレータ3内に供給される給気を収容部27S側へ引き込んで外部へ排出するための排気ポート43が備えられている。この排気ポート43には、配管44の一端が接続され、配管44の他端が排気ファン(図示せず)に繋がっている排気バルブ(図示せず)に接続されている。
【0041】
また、廃棄ボックス27には、第2蓋体27Cを開放して廃棄物を廃棄する時に、廃棄ボックス27の収容部27S内へエアを供給する収容部用エア供給手段30が接続されている。この収容部用エア供給手段30は、エア供給用ポンプ30Pと、エア供給用ポンプ30Pから第1配管30A、T字継手30B、第2配管30Cを介して接続される収容部用ポート30Dとを備えている。この収容部用ポート30Dが、筒状体27Aに連通接続されている。
【0042】
また、廃棄ボックス27には、第2蓋体27Cを開放して廃棄物を廃棄する時に、第2蓋体27Cの収容部27S側となる面27Dへエアを供給する蓋体用エア供給手段31が接続されている。この蓋体用エア供給手段31は、前述したエア供給用ポンプ30Pと、このエア供給用ポンプ30Pから前述したT字継手30Bから分岐した配管31Aを介して接続される第2蓋体用ポート31Bとを備えている。この第2蓋体用ポート31Bが、筒状体27Aの外側面の下部から水平方向に延出されて開放状態の第2蓋体27Cの上方を覆うように設置された庇32に上方から連通接続されている。
【0043】
第1蓋体27Bは、水平方向にスライド自在に構成され、アイソレータ3から収容部27Sへの廃棄物の受け入れ時には、制御装置Xからの指令信号により、ロボットアーム10が、取っ手27Hを持って第1蓋体27Bをスライドさせて開放操作して(
図6参照)アイソレータ3と収容部27Sとが連通可能となる。そして、廃棄物1の受け入れ後で廃棄前には、ロボットアーム10が、取っ手27Hを持って第1蓋体27Bをスライドさせて閉塞操作して(
図7参照)、アイソレータ3と収容部27Sとが遮断可能となる。また、第2蓋体27Cは、図示していないエアシリンダの伸縮によって水平方向にスライド可能に構成され、収容部27Sに入れた廃棄物1を外部へ廃棄する時には、制御装置Xからの指令信号により、エアシリンダを短縮させることで、第2蓋体27Cをスライドさせて開放操作して(
図8参照)、収容部27Sと外部とが連通可能となる。そして、廃棄物1の廃棄後には、エアシリンダを伸長させることで、第2蓋体27Cをスライドさせて閉塞操作して(
図9参照)、収容部27Sと外部とが遮断可能となる。ここでは、第2蓋体27Cをエアシリンダで開閉操作しているが、油圧シリンダや電動モータ等の他のアクチュエータで開閉操作してもよい。
【0044】
蓋のできる(液だれしない)廃棄物を廃棄する手順について、
図5〜
図9に基づいて説明する。
図5では、廃棄物を廃棄する前において、第1蓋体27Bと第2蓋体27Cとを閉じた状態で、除染用供給ポート29Aから過酸化水素を収容部27Sへ供給し、除染用回収ポート29Bを介して回収することによって、収容部27S内の除染を行う。この除染が完了した状態から、左側の第2ロボットアーム10又は右側の第1ロボットアーム7に廃棄物を廃棄しなさいという指令信号が制御装置Xから出力されると、
図6に示すように、第2ロボットアーム10又は第1ロボットアーム7は、取っ手27Hを掴んで第1蓋体27Bを開放させるとともに、廃棄物1を開口27bへ投入する。このとき、アイソレータ3内に供給されている給気を排気ポート43から収容部27S内へ引き込むとともに排気ポート43を通して外部へ排気することによって、アイソレータ3から収容部27S側へ流れる気流が発生する。これによって、収容部27Sからアイソレータ3内への気流が発生することがなく、アイソレータ3内の無菌状態を維持することができる。尚、収容部用ポート30Dから少量のクリーンエアを収容部27S内へ供給する構成にして、アイソレータ3から収容部27S側へエアが流れ易くしてもよい。廃棄物1を投入した後は、
図7に示すように、第2ロボットアーム10又は第1ロボットアーム7が、取っ手27Hを再度掴んで第1蓋体27Bを閉じる。続いて、
図8に示すように、前記エアシリンダにより、第2蓋体27Cを開放させて廃棄物1を下方の廃棄物回収容器28に落下により廃棄するとともに、収容部用ポート30D及び第2蓋体用ポート31Bからのクリーンエアを収容部27S内及び開放状態の第2蓋体27Cの収容部27S側の面27D(図では上面)に供給する。このとき、排気ポート43からの排気量を、前記のようにアイソレータ3内に供給されている給気を収容部27S内へ引き込む時の排気量よりも少なくすることによって、収容部用ポート30Dから収容部27Sの外部(下方)への気流の流れを邪魔することがないようにしている。また、前記のようにクリーンエアを供給することによって、収容部27S内に外部から汚染された空気が入り込むことや、第2蓋体27Cの収容部27S側の面27Dに外部の汚染された空気が接触することを抑制することができる。廃棄物1の廃棄後は、前記エアシリンダにより、第2蓋体27Cを閉じてから、クリーンエアの供給を停止する(
図9参照)。
【0045】
第2廃棄部24は、
図10に示すように、廃棄物(ここでは、図示していないピペットチップ)を投入するための開口34Aを開閉する開閉蓋34と、開口34Aの下方に配置されて投入された廃棄物を受け止めて回収する回収ボックス36と、回収ボックス36を密閉状態にして除菌するための除菌ボックス37とを備えている。
【0046】
開閉蓋34は、水平方向にスライド自在に構成され、上面に上方に突出する取っ手34Hが設けられている。この取っ手34Hを右側の第2ロボットアーム12(左右中央の第2ロボットアーム11でもよい)が掴んで
図10の2点鎖線で示す開放位置と実線で示す閉じ位置とに開閉扉34を移動させる。
【0047】
回収ボックス36は、上方が開放された有底筒状のボックス本体36Aと、ボックス本体36Aの上端開口部を閉じる蓋部36Bとを備え、蓋部36Bの上端には、前記開口34Aから投入されて落下してきた廃棄物をボックス本体36Aへ誘導する誘導部38を備えている。誘導部38は、上方ほど外拡がり形状になっている受け部38Aと、受け部38Aの下端から下方に延びて蓋部36Bに連通接続される円筒部38Bとを備えている。ボックス本体36Aの側面には、一対の取っ手36T,36T(図では一方のみ図示している)が取り付けられている。
【0048】
除菌ボックス37は、回収ボックス36を出し入れする開口を有する平面視において角型の箱部37Aと、箱部37Aの開口を閉じる縦軸芯回りで開閉自在に箱部37Aに取り付けられた扉37Bとを備えている。
【0049】
箱部37Aの上端には、開口34Aから投入される廃棄物を箱部37Aまで案内するための角型の筒部37Cを備えている。また、箱部37Aの扉37Bとは反対側の側面に、箱部37A内を除染するための過酸化水素ガス(H
2O
2)を供給するための除染用供給ポート39Aと、供給された過酸化水素ガス(H
2O
2)を回収するための除染用回収ポート39Bとが備えられている。また、箱部37A内には、回収ボックス36を載置する載置台40が備えられ、その載置台40の両側部には、箱部37Aの対向する内面の下部に取り付けられた一対の案内レール41,41(
図10では一方のみ図示)にスライド自在に係合するスライドレール42,42(
図10では一方のみ図示)が取り付けられている。従って、扉37Bを開けて載置台40を箱部37Aの外部へスライド移動させることで、回収ボックス36を容易に取り出すことができるようになっている。ここでは、箱部37A内を過酸化水素ガスで除染しているが、オゾン、二酸化塩素ガス、酸化エチレンガスなどで除染することもできる。
【0050】
蓋ができず液だれするような廃棄物を廃棄する手順について説明する。蓋ができず液だれするような廃棄物を廃棄する指令信号を制御装置Xに出力すると、制御装置Xが、除菌ボックス37内が除菌されているかどうかを判断し、除菌されていると判断すると、第2ロボットアーム11又は12に廃棄する指令信号を出力する。第2ロボットアーム11又は12は、指令信号を受け取ると、取っ手34Hを掴んで開閉蓋34を開放操作するとともに、廃棄物を開口34Aから投入する。投入された廃棄物は、筒部37Cを通ってから誘導部38で誘導されて回収ボックス36内へ収容される。廃棄物が収容されると、第2ロボットアーム11又は12は、取っ手34Hを掴んで開放されている開閉蓋34を閉じ操作する。回収ボックス36に所定量の廃棄物が収容されると、オペレータである作業者が扉37Bを開けて載置台40を前方側へ引き出して回収ボックス36を取り出し、他の廃棄箱(図示せず)に移し替える、又は回収ボックス36を密閉した状態で所定位置まで運搬する。尚、ピペットチップには、溶液が残留しているため、回収ボックス36内にピペットチップから漏れ出た溶液が付着しているため、再度回収ボックス36を使用する場合には、除菌や除染処理することになる。
【0051】
尚、本発明に係る培養細胞製品の製造装置は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0052】
前記実施形態では、観察部8に2台のロボットアーム6,7を設け、処理部13に3台のロボットアーム10,11,12を設けたが、観察部8に少なくとも1台のロボットアームを設け、処理部13にも少なくとも1台のロボットアームを設けて実施することができる。
【0053】
また、前記実施形態では、アイソレータ3を横長状のものから構成したが、正方形状や円形状のものから構成してもよい。また、屈曲した形状で構成してもよい。
【0054】
また、前記実施形態では、細胞を観察するために顕微鏡16,25を用いたが、顕微鏡に限定されず、観察対象の細胞をとらえた画像を拡大できる種々の画像拡大装置を用いることができる。画像拡大装置を用いることにより、生(存)細胞数の計数を正確に行うことができる。
【0055】
また、前記実施形態では、第1廃棄部23を1個設けるとともに、第2廃棄部24を1個設けた場合を示したが、第1廃棄部23及び第2廃棄部24のうちの少なくとも一方を複数個設けて実施することもできる。
【0056】
また、前記実施形態では、第2廃棄部24を除染できる構成であったが、除染できない構成であってもよい。この場合、第2廃棄部24に溜まった廃棄物が入った容器を外部へ取り出すことができない構成にし、予定している処理が全て終了したときに、第2廃棄部24をアイソレータ3から取り外して廃棄物を廃棄できる構成にすることになる。このため、第2廃棄部24を複数個備えるようにするか、第2廃棄部24の容量を増大する等の対応をする必要がある。
【0057】
また、前記実施形態では、収容部用エア供給手段30と蓋体用エア供給手段31とを備えた場合を示したが、一方の手段又は両方の手段を省略して実施することもできる。
【0058】
また、前記実施形態では、第1開閉手段27B及び第2開閉手段27C並びに第2廃棄部24の開閉扉34を水平方向に移動するスライド式に構成したが、縦軸回り又は横軸回りで開閉する揺動式に構成してもよい。また、第1開閉手段27B及び開閉扉34をロボットアームが開閉操作する構成の他、アクチュエータによる動力を用いて第1開閉手段27B及び開閉扉34を開閉操作する構成であってもよい。
【0059】
また、前記実施形態では、除染手段をアイソレータ3と収容部27Sのそれぞれに設けた2系統にすることによって、収容部27Sにおいて除染するタイミングを自由に調整することができるようにしたが、除染手段をアイソレータ3内に配置する又はアイソレータ3に接続し、アイソレータ3へ供給される除染流体の一部を分岐させて収容部27Sに供給する構成であってもよい。この場合には、除染手段をアイソレータ3と収容部27Sとに別々に設ける構成に比べて構成の簡素化を図り易い。
【0060】
また、前記実施形態では、細胞を培養し、培養した細胞を小分けして製品化するための培養細胞製品の製造装置を示したが、細胞の培養のみを行う細胞培養装置であってもよいし、培養された細胞を小分けして製品化する製品製造装置であってもよい。
【0061】
前記実施形態に関する構成と作用につき、以下にまとめて記載する。前記実施形態に係る細胞処理装置は、無菌状態に維持された内部空間を有し、該内部空間において細胞を処理するアイソレータ3と、該アイソレータ3内で細胞を処理する際に使用する試薬の入った容器であって、該試薬を使用して不要になった容器を廃棄物1として一旦投入してから前記アイソレータ3の外部へ廃棄するための密閉可能な収容部27Sを有する廃棄ボックス27と、前記収容部27Sを除染するための除染手段とを備え、前記廃棄ボックス27は、前記アイソレータ3と前記収容部27Sとを廃棄物1の投入時に連通可能で、かつ、廃棄物1の投入後で廃棄前に遮断可能に構成された開閉自在な第1開閉手段27Bと、前記収容部27Sに投入された廃棄物1を外部へ廃棄する時に該収容部27Sと該外部とを連通可能で、かつ、廃棄物1の廃棄後に遮断可能に構成された開閉自在な第2開閉手段27Cとを備えていることを特徴とする。
【0062】
かかる構成によれば、細胞を処理している間に、試薬を使用して不要になった容器を廃棄物として、アイソレータ(処理装置)3内を無菌状態に維持したまま、廃棄ボックス27を介して外部へ廃棄することができる。つまり、試薬を使用して不要になった容器を廃棄ボックス27に投入する。この廃棄ボックス27は、除染手段で除染されている状態である。この除染されている状態において第1開閉手段27Bを開放して廃棄物1を廃棄ボックス27内の収容部27Sに投入することによって、アイソレータ3内の無菌状態を維持することができる。廃棄ボックス27内の収容部27Sに廃棄物1を収容すると、廃棄物1を廃棄するまでに、第1開閉手段27Bを閉じることによって、廃棄物1を廃棄ボックス27の収容部27Sに密閉状態にして収容することができる。次に、第2開閉手段27Cを開放状態にすることによって、収容部27Sに収容されている廃棄物1を廃棄ボックス27外へ廃棄することができる。廃棄物1の廃棄後は、第2開閉手段27Cを閉じて次の廃棄物の廃棄まで待機状態となる。
【0063】
また、前記実施形態に係る細胞処理装置においては、前記第2開閉手段27Cを開放して廃棄物1を廃棄する時に、前記収容部27S内へエアを供給する収容部用エア供給手段30を備えていてもよい。
【0064】
かかる構成によれば、第2開閉手段27Cを開放して廃棄物1を廃棄する時、つまり廃棄ボックス27内と廃棄ボックス27外とが連通状態となった時に、収容部用エア供給手段30で収容部27S内へエアを供給することによって、外部から汚染された空気が収容部27S内に入り込むことを抑制することができる。
【0065】
また、前記実施形態に係る細胞処理装置においては、前記第2開閉手段27Cが、前記収容部27Sの下端に形成される開口27cを開閉可能な板状の蓋体から構成され、前記蓋体を開放して廃棄物1を廃棄する時に、該蓋体の収容部側となる面27Dへエアを供給する蓋体用エア供給手段31を備えていてもよい。
【0066】
かかる構成によれば、第2開閉手段27Cの蓋体を開放して廃棄物1を廃棄する時に、蓋体用エア供給手段31で蓋体の収容部側となる面27Dへエアを供給することによって、蓋体の収容部側となる面27Dに外部の汚染された空気が接触することを抑制することができる。
【0067】
また、前記実施形態に係る細胞処理装置においては、前記廃棄物1は、容器本体1Aと、容器本体1Aの開口を閉じて内部を密封するための蓋1Bとを備え、前記廃棄物1の廃棄時に、前記蓋1Bをして内部が密封された状態で廃棄するように構成されていることが好ましい。
【0068】
かかる構成によれば、廃棄物1の廃棄時に、蓋1Bがされて密封された状態であるので、廃棄物1内に残っている液が外部に漏れだして収容部27S内に付着することがなく、収容部27S内が廃棄物1から外部に漏れ出した液によって汚染されることを抑制することができる。
【0069】
また、前記実施形態に係る細胞処理装置においては、前記除染手段が、前記収容部27Sに接続されていてもよい。
【0070】
かかる構成によれば、除染手段が、収容部27Sに接続されているので、除染手段で除染するタイミングを自由に調整することができ、処理効率を高めることができる。
【0071】
また、前記実施形態に係る細胞処理装置においては、前記除染手段が、前記アイソレータ3に配置又は接続されており、前記除染手段から前記アイソレータ3に供給される除染流体の一部を前記収容部27Sに供給するように構成されていてもよい。
【0072】
かかる構成によれば、除染手段からアイソレータ3に供給される除染流体の一部を収容部27Sに供給する構成にすることによって、除染手段をアイソレータ3と収容部27Sとに別々に設ける構成に比べて構成の簡素化を図り易い。
【0073】
また、前記実施形態に係る細胞処理装置においては、前記容器を前記アイソレータ3内に搬入するためのパスボックス4を備え、該パスボックス4から搬入されて使用された前記容器が、前記廃棄ボックス27に投入されることが望ましい。
【0074】
かかる構成によれば、パスボックス4から搬入されて使用された容器が、廃棄ボックス27に投入されてアイソレータ3の外部へ廃棄されるので、廃棄物である容器がパスボックス4側へ戻されることがない。
【0075】
以上の如く、前記実施形態では、処理装置内を無菌状態に維持したまま、廃棄ボックス27を介して外部へ廃棄することができるので、処理を中断しないで済む。よって、処理を効率よく行える細胞処理装置を提供することができる。