特許第6860517号(P6860517)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6860517
(24)【登録日】2021年3月30日
(45)【発行日】2021年4月14日
(54)【発明の名称】超電導磁石装置
(51)【国際特許分類】
   H01F 6/04 20060101AFI20210405BHJP
   H01F 6/00 20060101ALI20210405BHJP
   H01L 39/16 20060101ALI20210405BHJP
   H01L 39/04 20060101ALI20210405BHJP
   H01B 12/02 20060101ALI20210405BHJP
【FI】
   H01F6/04
   H01F6/00 180
   H01L39/16ZAA
   H01L39/04
   H01B12/02
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2018-50308(P2018-50308)
(22)【出願日】2018年3月19日
(65)【公開番号】特開2019-165034(P2019-165034A)
(43)【公開日】2019年9月26日
【審査請求日】2020年1月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】317015294
【氏名又は名称】東芝エネルギーシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111121
【弁理士】
【氏名又は名称】原 拓実
(74)【代理人】
【識別番号】100118474
【弁理士】
【氏名又は名称】寺脇 秀▲徳▼
(74)【代理人】
【識別番号】100141911
【弁理士】
【氏名又は名称】栗原 譲
(72)【発明者】
【氏名】久保 洋一
(72)【発明者】
【氏名】大谷 安見
(72)【発明者】
【氏名】小柳 圭
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 寛史
(72)【発明者】
【氏名】岩井 貞憲
【審査官】 久保田 昌晴
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−332559(JP,A)
【文献】 特表平08−505493(JP,A)
【文献】 特開2003−142744(JP,A)
【文献】 特表2016−505308(JP,A)
【文献】 特開2017−204552(JP,A)
【文献】 特開2017−038748(JP,A)
【文献】 特開平07−142242(JP,A)
【文献】 特開2016−131231(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01F 6/00−6/06
H01L 39/04、39/16
H01B 12/00−12/16
H02H 9/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
断熱真空容器内に収納される超電導コイルと、
この超電導コイルに熱的に接続され高温超電導体により構成された永久電流スイッチと、
励磁電源に対して前記超電導コイルと永久電流スイッチを並列に接続する電流リードと、を有する超電導磁石装置であって、
前記永久電流スイッチは冷却装置に直接あるいは超電導コイルを介して冷却される構造とし、前記永久電流スイッチは温度上昇させるための加熱手段が設けられ、
前記超電導コイルと永久電流スイッチは永久電流スイッチ冷却板で接続され、この永久電流スイッチ冷却板は、超電導コイル側の永久電流スイッチ冷却板を永久電流スイッチ側の永久電流スイッチ冷却板よりも熱抵抗を小さくしていることを特徴とする超電導磁石装置。
【請求項2】
前記永久電流スイッチ冷却板は、前記超電導コイルと前記永久電流スイッチを接続する低熱伝導率材料部の熱伝導率よりも高い熱伝導率をもつ高熱伝導率材料部を、接続に用いる低熱伝導率材料部の前記超電導コイルの接続部に配置されていることを特徴とする請求項1記載の超電導磁石装置。
【請求項3】
前記永久電流スイッチ冷却板は、超電導コイル側の高熱伝導率材料部と、この高熱伝導率材料部に接続され高熱伝導率材料部よりも低い熱伝導率をもつ永久電流スイッチ側の低熱伝導率材料部から成ることを特徴とする請求項1記載の超電導磁石装置。
【請求項4】
前記永久電流スイッチ冷却板前記超電導コイルとの接続部の伝熱経路断面積が、前記永久電流スイッチ冷却板と前記永久電流スイッチとの接続部の伝熱経路断面積よりも狭いことを特徴とする請求項3記載の超電導磁石装置。
【請求項5】
前記永久電流スイッチ冷却板は、アルミニウム、インジウム、銀、銅およびその合金から選択されることを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項記載の超電導磁石装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、超電導による永久電流が流れる閉回路を形成する永久電流スイッチを備える超電導磁石装置に関する。
【背景技術】
【0002】
超電導技術の向上に伴い、例えば磁気共鳴画像診断装置(MRI)や、超電導磁気エネルギー貯蔵装置(SMES)などの超電導磁石装置が実用化されている。これらの超電導磁石装置には、超電導線を巻回してなる超電導コイルが使用されており、超電導状態を維持するため、超電導コイルは極低温下で保持するように構成されている。
【0003】
超電導コイルに対して外部から電流を供給した後に、超電導状態になった超電導コイルを閉ループ回路の一部として構成しておくことにより、超電導状態になった閉ループ回路では電気抵抗ゼロの状態で電流が流れ続けることになるので、外部電源不要で超電導コイルに磁場を発生させ続けることができる。
【0004】
超電導コイルに対して、常伝導転移時には電流を供給し、超電導状態では、超電導コイルとの間で電気抵抗ゼロの閉ループ回路を構成するものとして永久電流スイッチ(PCS)が用いられている。
【0005】
永久電流スイッチを超電導コイルと並列に配置して閉ループ回路を構成するとともに、閉ループ回路に外部電源から電流を供給できるように構成する。そして、永久電流スイッチの電気抵抗を大きくした常伝導状態において、外部電源から超電導コイルに電流を通電して、超電導コイルが定格状態になるまで通電する。定格状態になった後で、永久電流スイッチおよび永久電流スイッチを常伝導状態から超電導状態に切替えることにより、永久電流スイッチと超電導コイルとで構成された閉ループ回路は電気抵抗がゼロの状態となり、超電導コイルにおいて磁場を発生させ続けることができる。
【0006】
超電導コイルを構成する超電導線には、一般に銅マトリクス線が用いられる。一方、常伝導状態時において永久電流スイッチでの電気抵抗を大きくするために、永久電流スイッチを構成する超電導線にはCuNiマトリクス線などが用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第3766448号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
超電導磁石装置において、永久電流スイッチにより電気回路をOFFからONへ切り替える際の冷却時には、冷凍機により永久電流スイッチを常電導温度から超電導温度まで温度を下げる必要があり、冷却には時間を要する。一方、冷却時間短縮のために永久電流スイッチと冷凍機とを接続する伝熱経路の伝熱量を大きくし過ぎると、永久電流スイッチのヒータON時に超電導コイルへ伝達される熱により、超電導コイルの温度上昇および冷凍機の冷却性能の低下を招くことになる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記実施形態に係る超電導磁石装置は、断熱真空容器内に収納される超電導コイルと、この超電導コイルに熱的に接続され高温超電導体により構成された永久電流スイッチと、励磁電源に対して前記超電導コイルと永久電流スイッチを並列に接続する電流リードと、を有する超電導磁石装置であって、前記永久電流スイッチは冷却装置に直接あるいは超電導コイルを介して冷却される構造とし、前記永久電流スイッチは温度上昇させるための加熱手段が設けられ、前記超電導コイルと永久電流スイッチは永久電流スイッチ冷却板で接続され、この永久電流スイッチ冷却板は、超電導コイル側の永久電流スイッチ冷却板を永久電流スイッチ側の永久電流スイッチ冷却板よりも熱抵抗を小さくしていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の実施形態は、上述した課題を解決するためになされたものであり、永久電流スイッチを常電導温度から超電導温度まで温度を下げて電気回路をOFFからONへ切り替える際の永久電流スイッチの冷却時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施例1を示す超電導磁石装置の概略縦断面図。
図2図1に示した永久電流スイッチ冷却板を拡大して示す拡大斜視図。
図3】実施例1における低温端近傍に高熱伝導率材料を付加した場合の冷却時間を示すグラフ。
図4】実施例2の要部を示す永久電流スイッチ冷却板の拡大斜視図。
図5】実施例3の要部を示す永久電流スイッチ冷却板の拡大斜視図。
図6】実施例4の要部を示す永久電流スイッチ冷却板の拡大斜視図。
図7】実施例4の変形例の要部を示す永久電流スイッチ冷却板の拡大斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係る超電導磁石装置の実施例について、図面を参照して説明する。
【0013】
(実施例1)
図1は、永久電流スイッチ(PCS)10を備えた永久電流モードが可能な超電導磁石装置20を概略縦断面図で示している。
【0014】
図1において、極低温冷凍機コールドヘッド1は断熱真空容器2に取り付けられて1段冷却部で輻射シールド板3、また2段冷却部で超電導コイル冷却板4を介して高温超電導線で構成された超電導コイル5を極低温に冷却している。電流は図示されていない外部電源から真空導入端子6に接続供給され、断熱真空容器2内において電流リード7を介して超電導コイル5、PCS10に通電できる構成としている。
【0015】
超電導コイル5と永久電流スイッチ加熱ヒータ(PCS加熱ヒータ)11は、電源に対して並列に接続されている。そして電流リード7の低温側先端に、超電導コイル5から超電導コイル接続線8が、またPCS10側からの永久電流スイッチ(PCS)接続線9が並列接続されている。なお電流リード7は図示していないが、冷凍機の1段冷却部、2段冷却部に絶縁のうえ熱的に接続し、冷却されており、超電導コイル5、PCS10の温度上昇を抑えている。また、1段、2段冷却部の間の電流リード7には、通常、高温超電導体が用いられ、大電流、低抵抗、断熱を兼ねた設計としている。 高温超電導体により構成されたPCS10は、冷却された超電導コイル5に熱的に永久電流スイッチ(PCS)冷却板12を介して超電導コイル5の温度と同レベルに冷却できる構成となっている。このPCS冷却板12は、PCSを超電導状態(抵抗0)から常伝導状態(常伝導抵抗を持つ)にするために温度上昇させる永久電流スイッチ(PCS)加熱ヒータ11が具備され、PCS加熱ヒータ11は図示していないがヒータ用外部電源により、超電導コイル接続線8を介して通電され、所定の発熱により、所定の温度まで温度上昇させる構成としている。
【0016】
PCS加熱ヒータ11は温度上昇後、PCS10を超電導コイル5と同レベルにまで冷却し、超電導コイル5とPCS10との閉ループ(連結のための電流リード7、超電導接続線8も閉ループ内に構成されている)により、永久電流モードとなるが、PCS10に対する、この一連の冷却、温度上昇、再冷却において、前記のようにコイル温度上昇、再冷却時間の短縮を考慮したPCS冷却板12の設計が必要となる。
【0017】
このPCS冷却板12は、PCS加熱ヒータ11印加時に超電導コイル5の温度上昇の上限値となる最大熱侵入量Qmax以下に抑えつつ、PCS10の温度をPCS10の臨界温度以上になるように、以下(1)式で示されるPCS冷却板12を用いている。
【0018】
max=(S/L)×∫λdT …(1)
【0019】
ここで、SはPCS冷却板12の断面積、LはPCS冷却板12の長さ、λはPCS冷却板12の熱伝導率、積分は温度に関するもので、下限値はPCS10の昇温時の温度、上限値は超電導コイル5側の温度である。
【0020】
上記(1)式で、許される最大のS/Lが決まる。したがって、その後の再冷却時間は、このS/Lの最大値となるPCS冷却板12を用いれば最短となるが、それ以上短い時間で再冷却することはできない。超電導コイル温度の温度上昇は極力抑えるのが通常の設計であり、安全率を考慮すると、さらにS/Lの小さいPCS冷却板12とする必要があり、その場合は再冷却時間が増加してしまう。
【0021】
そこで、PCS冷却板(コイル側のPCS冷却板)13とPCS冷却板(PCS側のPCS冷却板)14とで熱抵抗の違いを設定することで、超電導コイルの温度上昇を抑えつつ、再冷却時間を短縮する設計としている。
【0022】
ここで、実際の効果を示す具体例での検討結果を示す。
【0023】
図2は、本発明の実施の形態に係る高温端(PCS)10と、低温端(超電導コイル)5とを接続する永久電流スイッチ(PCS)冷却板12の一例を示す拡大斜視図である。
【0024】
永久電流スイッチ(PCS)冷却板12における伝熱経路となる低熱伝導率材料部21には、高温端10の接続面23および、低温端5の接続面24において、それぞれ高温端10と低温端5が接続されている。また、低熱伝導率材料部21の低温端接続面24近傍には低熱伝導率材料部21の材料よりも熱伝導率の高い材料から形成される高熱伝導率材料部22が配置されている。
【0025】
本実施形態において、例えば、PCS10を永久電流スイッチ(PCS)加熱ヒータ(以下ヒータと省略する。)11により10Kまで加熱して常電導状態として電気回路をOFFし、その後、極低温冷凍機コールドヘッド1により4Kまで冷却して超電導状態として電気回路をONして動作させる場合、冷却初期状態では図2の高温端10の接続面23の温度は10K、低温端5の接続面24の温度は4Kとなる。
【0026】
また、低熱伝導率材料部21の材料に銅、高熱伝導率材料部22の材料にインジウム(In)を用い(インジウムの熱伝導率は、10K時には銅(Cu)の20倍、5K時には銅の75倍程度)、PCS10の動作上限温度10Kにおける伝熱量を0.1Wとした場合に、質量約10kgのPCS10を10Kから4Kまで冷却するために要する時間の計算結果を図3にグラフで示す。また、この図3中に、インジウムを付加せず、銅のみを用いた従来例を示す熱伝導の場合を比較して示す。
【0027】
図3の銅のみの場合(従来例)、および、銅とインジウムを組み合わせた場合(本実施例)の、10Kにおける伝熱量は共に0.1Wであるが(断面積の調整により0.1Wに設定)、銅のみの場合よりも銅とインジウムを組み合わせた場合の方が、短時間で冷却可能となる。尚、本実施例1は材料の熱伝導率の違いにより得られる効果であるが、低温端近傍の熱抵抗が高温端近傍の熱抵抗よりも小さい場合にこのような効果が得られることを意味する。即ち、上記材料でさらに低温端近傍の伝熱経路断面積が、高温端近傍の伝熱経路断面積よりも広い場合においては、より良い効果を得ることができる。
【0028】
よって、永久電流スイッチを常電導温度から超電導温度まで温度を下げて電気回路をOFFからONへ切り替える際の冷却時間を短縮することができる。
【0029】
なお、熱伝導率の違いにより低熱伝導率材料部21の材料に銀(Ag)を採用した場合には高熱伝導率材料部22の材料にアルミニウム(Al)、In、Cuおよびその合金を採用し、低熱伝導率材料部21の材料にAlを採用した場合には高熱伝導率材料部22の材料にIn、Cuおよびその合金を採用することが可能である。
【0030】
(実施例2)
次に、図4を用いて実施例2を説明する。
【0031】
なお、実施例1と同一の構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。図4は本発明の実施の形態に係る伝導冷却の高温端と低温端とを異なる複数の材料で接続する場合の例を示す斜視図である。
【0032】
本実施例2のように高温端10にはPCS冷却板25として低熱伝導率材料部21を接続し、低温端5には高熱伝導率材料部22を接触させ、低熱伝導率材料部21と高熱伝導率材料部22とを接続した構造とする。
【0033】
ここで、実施例1と同様に、低熱伝導率材料部21に銅、高熱伝導率材料部22にインジウムを用いる場合、インジウムの熱伝導率は、銅の熱伝導率(10K時には銅の20倍、5K時には銅の75倍程度)と比較してかなり高いから、実施例1のインジウムを付加した部分においては熱伝導率の高いインジウムでの熱伝導が支配的となり、同部分における銅は殆ど熱伝導に寄与しない。そのため、実施例1と実施例2は、ほぼ同程度の冷却時間短縮効果が得られることになる。
【0034】
また、低熱伝導率材料部21と高熱伝導率材料部22との間に、熱伝導率が低熱伝導率材料部21よりも高く、高熱伝導率材料部22よりも低い別の材料を介在させてもよく、さらに低熱伝導率材料部21と高熱伝導率材料部22について上記実施例1の他の材料の組み合わせを採用しても良い。
【0035】
(実施例3)
次に、図5を用いて実施例3を説明する。
【0036】
なお、実施例1、2と同一の構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。図5は本発明の実施の形態に係る伝導冷却の高温端と低温端とを異なる複数の材料で接続する場合の例を示す斜視図である。
【0037】
図5において、PCS冷却板26は図4に加えて高熱伝導率材料部22の側面に並列に第2高熱伝導率材料部27が配置されている。
【0038】
この第2高熱伝導率材料部27は、第2高熱伝導率材がインジウムのように柔らかい材料の場合には、並列して支えとなる高熱伝導率材料(例えば銅など)22を設けた場合を示している。この場合、低熱伝導率材料部21と高熱伝導率材料部22は一体で同一の材料で構成することも可能である。
【0039】
よって、この構成によれば実施例1,2と同等の効果が得られ、さらにPCS冷却板26の強度を向上させることができる。
【0040】
(実施例4)
次に、図6および図7を用いて実施例4を説明する。
【0041】
なお、実施例4において実施例1から3と同一の構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0042】
図6は本発明の実施の形態に係るPCS冷却板28の高温端接続面23から低温端接続面24に徐々に伝熱経路断面積を狭くする構成となっている。
【0043】
この構成によって、低温端接続面24の伝熱経路断面積を高温端接続面23の伝熱経路断面積よりも広くすることで、低温端近傍の熱抵抗が高温端近傍の熱抵抗よりも小さくなり、実施例1と比較してより冷却時間短縮の効果を得ることができる。
【0044】
また、図7に示すPCS冷却板28は、端部を一定の伝熱経路断面積とし、中間部において高温端接続面23から低温端接続面24に徐々に伝熱経路断面積を狭くする構成となっている。
【0045】
この構成によって、図6と同様の効果を得ることができ、さらには端部が一定の幅であることから超電導コイルとPCSの接続作業を容易にすることができる。
【0046】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。
【0047】
これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、組み合わせを行うことができる。
【0048】
これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0049】
1…極低温冷凍機コールドヘッド
2…断熱真空容器
3…輻射シールド板
4…超電導コイル冷却板
5…超電導コイル(低温端)
6…電流導入端子
7…電流リード
8…超電導コイル接続線
9…永久電流スイッチ(PCS)接続線
10…永久電流スイッチ(PCS)(高温端)
11…永久電流スイッチ(PCS)加熱ヒータ
12…永久電流スイッチ(PCS)冷却板
13…永久電流スイッチ冷却板(コイル側のPCS冷却板)
14…永久電流スイッチ冷却板(PCS側のPCS冷却板)
20…超電導磁石装置
21…低熱伝導率材料部
22…高熱伝導率材料部
23…高温端接続面
24…低温端接続面
25、26、28、29…永久電流スイッチ(PCS)冷却板
27…第2高熱伝導率材料部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7