特許第6860546号(P6860546)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6860546
(24)【登録日】2021年3月30日
(45)【発行日】2021年4月14日
(54)【発明の名称】アキュムレータ
(51)【国際特許分類】
   F15B 1/12 20060101AFI20210405BHJP
【FI】
   F15B1/12
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2018-500030(P2018-500030)
(86)(22)【出願日】2017年2月2日
(86)【国際出願番号】JP2017003819
(87)【国際公開番号】WO2017141718
(87)【国際公開日】20170824
【審査請求日】2019年8月21日
(31)【優先権主張番号】特願2016-26285(P2016-26285)
(32)【優先日】2016年2月15日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000101879
【氏名又は名称】イーグル工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098729
【弁理士】
【氏名又は名称】重信 和男
(74)【代理人】
【識別番号】100163212
【弁理士】
【氏名又は名称】溝渕 良一
(74)【代理人】
【識別番号】100204467
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 好文
(74)【代理人】
【識別番号】100148161
【弁理士】
【氏名又は名称】秋庭 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100156535
【弁理士】
【氏名又は名称】堅田 多恵子
(74)【代理人】
【識別番号】100195833
【弁理士】
【氏名又は名称】林 道広
(72)【発明者】
【氏名】上村 真也
(72)【発明者】
【氏名】松井 克実
【審査官】 北村 一
(56)【参考文献】
【文献】 実開平04−084803(JP,U)
【文献】 実開昭48−108210(JP,U)
【文献】 実開平04−117901(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F15B 1/00− 1/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シェルの内側にブラダを配設してシェルの内部空間をガス室と液体室とに区画するアキュムレータであって、
前記シェルの内周部にその周縁部が配設される外径側ブラダと、
前記外径側ブラダの内側に内径側に突出して形成される周縁部が配設される内径側ブラダと、
前記外径側ブラダの周縁部と前記内径側ブラダの周縁部とを内径側から前記シェルの内周部と対向して保持するホルダと、を備え、
前記外径側ブラダの前記周縁部は、その外径側に外側環状突部を備え、前記内径側ブラダの前記周縁部は、その内径側に前記ホルダに当接する内側環状突部を備え、
前記外径側ブラダの前記周縁部は、断面略矩形で内径側に突出して肉厚に形成された環状の部分であり、
前記外径側ブラダの前記周縁部は、その内径側に内側環状突部をさらに備えることを特徴とするアキュムレータ。
【請求項2】
前記内径側ブラダは、ガス透過率の低い材料からなり、前記外径側ブラダは、耐液性を有する材料からなり、前記ブラダの内径側にガス室が配置され、前記ブラダの外径側に液体室が配置されることを特徴とする請求項1に記載のアキュムレータ。
【請求項3】
前記内径側ブラダの前記周縁部は、その外径側に外側環状突部をさらに備えることを特徴とする請求項1または2に記載のアキュムレータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シェルの内側にブラダを配設してシェルの内部空間をガス室と液体室とに区画するアキュムレータに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、シェルの内周面にブラダの周縁部を密着させてシェルの内部空間をガス室と液体室とに区画するブラダ型のアキュムレータがある。ガス室と液体室とに区画するブラダの密封性を確保するために、ガス側に配設されるブラダの材料として、ガスの遮蔽性の良い材料を使用し、液体室側に配設されるブラダの材料として、耐液性の良い材料を使用した2材からなるブラダ構造を有するアキュムレータが提案されている。(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平2−128801号公報(第1図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1にあっては、2材からなるブラダの周縁部において、遮蔽材料(内径側ブラダ)と耐液性材料(外径側ブラダ)とを十分に密着させることができず、ガスがガス遮蔽材料と耐液性材料との合わせ目からガス遮蔽材料と耐液性材料との間に侵入し、該侵入したガスが、ガスに対する遮蔽性の低い耐液性材料を通過して、液体室にリークしてしまったり、ガス遮蔽材料と耐液性材料との間に留まり、アキュムレータとしての機能を損なうという問題がある。
【0005】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、ブラダ同士の合わせ目の密封性に優れるアキュムレータを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、本発明のアキュムレータは、
シェルの内側にブラダを配設してシェルの内部空間をガス室と液体室とに区画するアキュムレータであって、
前記シェルの内周部にその周縁部が配設される外径側ブラダと、
前記外径側ブラダの内側に内径側に突出して形成される周縁部が配設される内径側ブラダと、
前記外径側ブラダの周縁部と前記内径側ブラダの周縁部とを内径側から前記シェルの内周部と対向して保持するホルダと、を備え、
前記外径側ブラダの前記周縁部は、その外径側に外側環状突部を備え、前記内径側ブラダの前記周縁部は、その内径側に前記ホルダに当接する内側環状突部を備えることを特徴としている。
この特徴によれば、ホルダの径方向圧縮力により内径側ブラダの周縁部の内側環状突部、並びに外径側ブラダの周縁部の外側環状突部が径方向に圧縮され、大きな締め代を確保でき、延いてはブラダ同士の合わせ目の密封性を向上することができる。
【0007】
前記内径側ブラダは、ガス透過率の低い材料からなり、前記外径側ブラダは、耐液性を有する材料からなり、前記ブラダの内径側にガス室が配置され、前記ブラダの外径側に液体室が配置されることを特徴としている。
この特徴によれば、ガス室側にガス透過率の低い材料(液体室側よりもガス透過率の低く、劣化し難い材料)からなるブラダを配し、液体室側に耐液性を有する材料(液体により劣化、膨潤し難い材料)を用いることで、ガスが透過せず、また、液体により劣化のしないブラダを達成すると共に、各々のブラダにより各々の流体を他方の流体室に漏れ出ない構造とすることができる。
【0008】
前記内径側ブラダの前記周縁部は、その外径側に外側環状突部をさらに備えることを特徴としている。
この特徴によれば、流体粒子の小さいガスに対し、内側環状突部と外側環状突部とを設けることでよりガスの漏出防止をすることができ、液体室、或いは、2つのブラダの間へのガスの侵入防止をすることができる。
【0009】
前記内径側ブラダの内側環状突部は、前記外径側ブラダの外側環状突部或いは、前記内径側ブラダの外側環状突部と対向する位置に設けられることを特徴としている。
この特徴によれば、内径側ブラダの内側環状突部と外径側ブラダの外側環状突部或いは、内径側ブラダの外側環状突部とは、互いに押圧して大きな締め代を確保でき、シェルとブラダ間、ブラダ同士の間の密封性を確保することができる。
【0010】
前記外径側ブラダの前記周縁部は、前記内径側ブラダの前記周縁部によって入れ子状に囲まれることを特徴としている。
この特徴によれば、外径側ブラダの周縁部は、内径側ブラダの周縁部によって入れ子状に囲まれるので、外径側ブラダと内径側ブラダとの密封性を確保することができる。
【0011】
前記外径側ブラダの前記周縁部は、その内径側に内側環状突部をさらに備えることを特徴としている。
この特徴によれば、外径側ブラダの周縁部は、内径側ブラダの外側環状突部によってさらに大きな締め代を確保でき、外径側ブラダと内径側ブラダとの密封性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施例1におけるアキュムレータの一部側断面図である。
図2】(a)は外径側ブラダと内径側ブラダの周縁部を示す図、(b)は図1のA部拡大図である。
図3】実施例2におけるアキュムレータの一部側断面図である。
図4】(a)は外径側ブラダと内径側ブラダの周縁部を示す図、(b)は図2のB部拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明に係るアキュムレータを実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。
【実施例1】
【0014】
実施例1に係るアキュムレータにつき、図1及び図2を参照して説明する。先ず図1の符号10は、本発明の適用されたアキュムレータである。図1に示されるように、アキュムレータ10は、シェル20と、シェル20の内周部20bに配設され、シェル20の内部空間をガス室Gと液体室Rとに区画するブラダ30と、ブラダ30の周縁部30aを内径側からシェル20と対向して保持するホルダ40と、を主に備える。
【0015】
図1に示されるように、シェル20は金属製で、後述するホルダ40が係合する段差部を有するように半球状部21と22とを形成し、内部に略球状の空室を有する球状体として形成されている。半球状部21の底部には開口部21aが形成され、該開口部21aには液体ポート23が溶接して固定されている。一方、開口部21aに対向する半球状部22の底部には、ガスプラグ24が着脱可能に配設されている。
【0016】
ブラダ30は可撓性を有する膜状体で、自然状態でシェル20の内周部20bに対向して配置される外径側ブラダ31と、外径側ブラダ31の内径側に配設される内径側ブラダ32と、からなる2層構造からなり、外径側ブラダ31は、オイル等の液体に接しても、該液体によって劣化し難い密封性の高いゴム、樹脂膜等の耐液性材料からなる。また、内径側ブラダ32は、窒素等のガスに接しても劣化し難く、ガスが透過しない遮蔽性の高いゴム、樹脂膜等のガス遮蔽材料からなる。ブラダ30の周縁部30aは、外径側ブラダ31の周縁部31aと内径側ブラダ32の周縁部32aとから構成され、周縁部31aと周縁部32aは、それぞれシェル20の内周部20bと当接して、シェル20の内部空間はガスが満たされるガス室Gとオイル等の液体に満たされる液体室Rとに密封状に区画されている。
【0017】
図1及び図2(a)に示されるように、外径側ブラダ31は、断面略矩形で内径側に突出して肉厚に形成される環状の周縁部31aと、該環状の周縁部31aの下端部31eから全周に亘って椀状に延設される膜体部31fとからなる。周縁部31aの外周部31bには、全周に亘って外周部31bから径方向外側に向かって突出する環状突部31gが形成され、該環状突部31gがシェル20の内周部20bと当接して液体を密封する。
【0018】
内径側ブラダ32は、断面略コ字状に形成される環状の周縁部32aと、該環状の周縁部32aの下端部32eから全周に亘って椀状に延設される膜体部32fからなる。また、周縁部32aは、外径側ブラダ31の周縁部31aの上端部31cを全周に亘って覆う上端部32c、周縁部31aの内周部31dを全周に亘って覆う内周部32d、及び周縁部31aの下端部31eを全周に亘って覆う下端部32eからなる。そして、内径側ブラダ32の断面略コ字状の周縁部32aは、断面略矩形の外径側ブラダ31の周縁部31aを内周側から入れ子状に覆って配設される。さらに、内径側ブラダ32の周縁部32aの上端部32cの外周部には、該上端部32cの全周に亘って径方向外側に向かって形成される環状突部32gが形成され、該環状突部32gがシェル20の内周部20bと当接してガスを密封している。さらに、内径側ブラダ32の周縁部32aの内周部32dには、全周に亘って該内周部32dから径方向内側に向かって突出する環状突部32hが形成され、該環状突部32hは、シェル20の内周部20bと後述するホルダ40によって押圧保持されることにより、外径側ブラダ31の周縁部31a及び内径側ブラダ32の周縁部32aは、径方向に圧縮され、大きな締め代を確保でき密封性を高めることができる。
【0019】
また、図1及び図2(b)に示されるように、ブラダ30の周縁部30aには、該周縁部30aの内径側からシェル20の内周部20bに向かって押圧保持するホルダ40が配設される。ホルダ40は断面略L字形に形成され、径方向に延設される環状のフランジ部40aと、該フランジ部40aの内径部から軸方向に延設される環状の延設部40bからなる。ホルダ40の延設部40bは、ブラダ30の周縁部30aの内周部32d(図2(a)参照)より大径に形成されており、ホルダ40をブラダ30の周縁部30aの内周部に嵌合し、さらに該ホルダ40をシェル20の内周部20bに嵌合すると、ブラダ30の周縁部30aは、ホルダ40とシェル20の内周部20bとの間で圧縮される。このとき、外径側ブラダ31の周縁部31aの環状突部31g及び内径側ブラダ32の周縁部32aの環状突部32gは、径方向にさらに圧縮され、大きな締め代を確保でき密封性を高めることができる。
【0020】
外径側ブラダ31の環状突部31gは、シェル20の内周部20bに強く密着して液体を密封し、内径側ブラダ32の環状突部32hも、シェル20の内周部20bに強く密着してガスを密封するので、液体及びガスは、環状突部31gと環状突部32gとの間に浸入することなく、液体及びガスの密封性を保つことができる。
【0021】
さらに、ブラダ30の周縁部30aの内周部、すなわち内径側ブラダ32の内周部30dには環状突部32hをさらに備えるので、該環状突部32hをホルダ40とシェル20の内周部20bとの間で圧縮すると、ブラダ30の周縁部30aにはさらに大きな圧縮力が発生し、外径側ブラダ31の環状突部31g及び内径側ブラダ32の環状突部32gは、シェル20の内周部20bにさらに強く密着して、さらに密封性を高めることができる。この際、外径側ブラダ31の周縁部31aの環状突部31gと、内径側ブラダ32の周縁部32aの環状突部32hとを対向する位置に形成することにより、さらに大きな締め代を確保できる。
【実施例2】
【0022】
次に、実施例2に係るアキュムレータ50につき、図3及び図4を参照して説明する。尚、前記実施例と同一構成で重複する構成を省略する。図3に示されるように、アキュムレータ50は、シェル60と、シェル60の内周部60bに配設され、シェルの内部空間をガス室Gと液体室Rとに区画するブラダ70と、一端にガスを抽入する開口を有し、該ブラダ70の周縁部70aを内径側からシェル60の内周部60bと対向して押圧保持するガスポート61(本発明のホルダ)と、該ガスポート61を軸方向に抜け止め支持するプラグ62と、を主に備える。
【0023】
図3に示されるように、シェル60は金属製で、その上端部が開放され、内部に空室を有する有底状の円筒部材からなり、シェル60の底部には孔部60aが形成され液体ポート等が密封状に接続される。シェル60の上部端部の内周面には雌ネジ部63が形成され、該雌ネジ部63に雄ネジ部を有するプラグ62が螺合され、ガスポート61が支持される。
【0024】
図3及び図4に示されるように、ブラダ70は可撓性を有し、自然状態で有底の円筒状の膜状体で、自然状態でシェル60の内周部60bに対向して配置される外径側ブラダ71と、外径側ブラダ71の内径側に配設される内径側ブラダ72とからなる2層構造であり、外径側ブラダ71は、オイル等の液体に接しても、該液体によって劣化し難い密封性の高いゴム、樹脂膜等の耐液性材料からなる。また、内径側ブラダ72は、ガスによって劣化し難く、ガスを透過しない遮蔽性の高いゴム、樹脂膜等のガス遮蔽材料からなる。ブラダ70の周縁部70aは、外径側ブラダ71の周縁部71aと、内径側ブラダ72の周縁部72aとから構成され、外径側ブラダ71の周縁部71aは、シェル60の内周部60bと当接し、内径側ブラダ72の周縁部72aは、外径側ブラダ71の内周部に当接して、空室はガスが満たされるガス室Gとオイル等の液体に満たされる液体室Rとに密封状に区画されている。
【0025】
外径側ブラダ71は、断面略矩形で肉厚に形成される環状の周縁部71b、71cと、該周縁部71b、71cを接続する環状部71dと、周縁部71cの下端部から全周に亘って延設される有底状の筒状部71fとからなる。また、周縁部71b、71cの外周部には、それぞれ全周に亘って径方向外側に向かって突出する環状突部71g、71eが形成され、さらに、周縁部71b、71cの内周部には、それぞれ全周に亘って径方向内側に向かって突出する環状突部71h、71jが形成される。そして、周縁部71b、71cは、ガスポート61とシェル60の内周部60bとの間で圧縮され、外径側ブラダ71の周縁部71b、71cはガスポート61とシェル60の内周部60bに密着して密封される。特に、周縁部71b、71cの外周部に形成された環状突部71g、71e、内周部に形成された環状突部71h、71jが、ガスポート61とシェル60の内周部60bとの間で径方向に圧縮され、大きな締め代を確保できるので、外径側ブラダ71の周縁部71b、71cは、ガスポート61とシェル60にさらに強く密着して、密封性を高めることができる。
【0026】
図3及び図4に示されるように、内径側ブラダ72は、断面略矩形で肉厚に形成される環状の周縁部72bと、該周縁部72bの下端部から全周に亘って延設される有底状の筒状部72fとからなる。また、環状の周縁部72bの外周部には、それぞれ全周に亘って径方向外側に向かって突出する2条の環状突部72g、72eが形成され、さらに、周縁部72bの内周部には、全周に亘って径方向内側に向かって突出する1条の環状突部72hが形成される。
【0027】
内径側ブラダ72の周縁部72bは、その内周部を金属製のガスポート61によって押圧保持され、周縁部72bの内周部は、金属製のガスポート61との間に発生する面圧によってシールされる。一方、周縁部72bの外周部は、ゴム製の周縁部72bとゴム製の外径側ブラダ71の筒状部71fとの間に発生する面圧によってシールされる。しかし、ゴムとゴムとの接触により発生する面圧は、ゴムと金属との接触により発生する面圧に比較して低くなるため、ゴム製の周縁部72bとゴム製の筒状部71fとの間の密封性が低下してしまう。そこで、周縁部72bの外周部に2条の環状突部72g、72eを設け、さらに周縁部72bcの内周部に1条の環状突部72hを設け、該環状突部72g、72e、72h及び筒状部71fをシェル60と金属製のガスポート61との間で圧縮することによって、ゴム製の周縁部72bとゴム製の筒状部71fとの間に大きな面圧を発生させることができ、内径側ブラダ72の周縁部72bと外径側ブラダ71の筒状部71fとの間を確実にシールすることができる。
【0028】
また、図4(b)に示されるように、ガスポート61の外周部には環状凸部61a、61b、61cが形成され、該環状凸部61a、61b、61cは、外径側ブラダ71の凹部73a、73b、及び内径側ブラダ72の端部73cと互いに嵌合、密着させ、ラビリンスを形成することによって、さらにガスと気体との密封性を向上させることができる。
【0029】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0030】
たとえば、実施例1において、ブラダ30の周縁部30aは、その外径側に環状突部31g、内径側に環状突部32hを設けていたが、内径側ブラダ32の環状突部32hに対向する位置の外径側に、さらに環状突部を設け、ブラダ30の周縁部30aをさらに径方向に圧縮して大きな締め代を与えて、密封性を向上させてもよい。この際、さらに設ける環状突部は、外径側ブラダ31または内径側ブラダ32の一方に設けてもよいし、両方に設けてもよい。
【0031】
実施例1及び2においては、外径側ブラダの周縁部と内径側ブラダの周縁部との間は、両者の間に発生する面圧によってシールしていたが、さらに外径側ブラダの周縁部と内径側ブラダの周縁部とを接着剤等によって接着し、面圧と接着を併用してもよい。
【符号の説明】
【0032】
10 アキュムレータ
20 シェル
20b 内周部
30 ブラダ
31 外径側ブラダ
31a 外径側ブラダの周縁部
31g 外側環状突部
32 内径側ブラダ
32a 周縁部
32g 外側環状突部
32h 内側環状突部
40 ホルダ
50 アキュムレータ
60 シェル
60b 内周部
61 ガスポート(ホルダ)
70 ブラダ
71 外径側ブラダ
71a 周縁部
71g 外側環状突部
71e 外側環状突部
71h 内側環状突部
71j 内側環状突部
72 内径側ブラダ
72a 周縁部
72e 外側環状突部
72g 外側環状突部
72h 内側環状突部
G ガス室
R 液体室
図1
図2
図3
図4