【課題を解決するための手段】
【0016】
第1の態様によると、本発明は、体の体腔または中空器官の光線力学的治療において使用するためのカテーテル装置であって、カテーテル装置が、長手方向軸を有し、体腔または中空器官内に挿入するためにある、遠位端部分を含み、遠位端部分が、体腔または中空器官内で拡張し、それにより体腔または中空器官の外壁を膨張させるための拡張および位置決めバルーンと、カテーテル装置が使用中であるときに、体腔または中空器官内にあるように遠位端部分上に配置される光源と、を含み、光源が、遠位端の第1の領域から長手方向軸の方向に沿って遠位方向に前方に光を投影することと、遠位端の第2の領域から長手方向軸の外方に光を投影することであって、第2の領域が、少なくとも部分的に拡張および位置決めバルーン内にある、投影することと、遠位端の第3の領域から体腔また中空器官内へのカテーテル装置の進入点の周りに光を投影することであって、第3の領域が、体腔また中空器官内へのカテーテル装置の進入点に、第2の領域よりも近い、投影することと、を行うように配置されている、複数の発光要素を含み、遠位端部分がまた、遠位端を体腔また中空器官内に保持するための第2のバルーンを含み、第2のバルーンが、拡張および位置決めバルーンから離間しており、拡張および位置決めバルーンの中心よりもカテーテル装置の近位端に近い場所上に中心が置かれている、カテーテル装置を提供している。
【0017】
上で提案されている配置を用いると、光源が装置内に含まれるため、装置の外側に専門医用の機器を必要としない。代わりに、電源のみが必要であり、カテーテル装置と共にこれを容易に提供し得る。有利に、体内の発光体は、バッテリにより給電されたときであっても、必要な治療の強度および時間を提供することができ、先行技術の光ファイバーに基づく装置と比較して、提案されたシステムの有益性をさらに増加させることが発見された。驚くべきことに、中空器官または体腔内の発光要素の使用は、過度に高い温度を生じず、体の治療のために安全な温度を超えて体組織を加熱しないシステム、例えば、43℃未満を維持するシステムを容易に提供することができることが発見された。いくつかの例において、単に、関心の体腔または中空器官内への利用可能な吸熱および可能である体の残りの部分への放熱に基づいて、これらの安全な温度を維持することができる。代替的または追加的に、例えば、体の外側との液体の交換を通したカテーテル装置の手段により、熱を任意に除去し得、かつ/または例えば、拡張および位置決めバルーンを拡張させるための体温未満の流体の使用により、治療前に冷却を提供し得る。
【0018】
WO2015/006309において、主に、光ファイバーシステムを介して伝達された光という観点から装置が考察されており、LED等の発光体の体内での使用の可能性についても述べられているが、本明細書に記載されているような改良についてのいかなる考察もなされていない。本装置またはWO2015/006309は、光伝達要素を標的組織から最小距離に位置決めするために、拡張のための1個のバルーンを含み得る。しかしながら、上に記載されている第1の態様の装置は、特定の目的を有する異なる領域での発光要素の特定の配置の使用を通して、かつ拡張および位置決めバルーンが少なくとも部分的に発光要素の第2の領域を含み、体腔または中空器官内に装置を保持するために別個の第2のバルーンが提供されている、2つのバルーンの使用によるこの組み合わせを介して、WO2015/006309の装置とは有意な点で異なっている。
【0019】
提案されている装置を用いると、拡張および位置決めバルーンは、有利に、体腔または中空器官内の装置の正しい位置決めおよび体組織と発光要素との間の好適な距離を可能にし、別個の第2のバルーンは、拡張および位置決めバルーンの拡張により、または拡張によらずに、遠位端を体腔または中空器官内に保持することができる。したがって、提案されている装置は、下により詳細に考察されているように、治療、光増感剤の注入、光線力学的治療等の前または後の、体腔または中空器官の洗い流しのために等、第2のバルーンのみが膨張されているか、または両方のバルーンが膨張されていることを含む、種々のモードで動作され得る。拡張および位置決めバルーンは、中空器官または体腔の拡張形状に対して装置を中心に置くように配置される場合があり、そのため、中空器官または体腔の内側の全ての部分に対する必要とされる最小限の光量および任意にそれらの全ての部分にわたる均一な光量が存在し得る。拡張および位置決めバルーンはまた、発光要素と体組織との間に十分な距離を確実にし、過熱および/または過量の光を防止する、安全装置として機能し得る。
【0020】
したがって、提案されている装置は、光のより良好な分配を通したPDTの改善ならびに使用の容易さの改善および患者への不便の低減を提供することができると考えられている。事実、カテーテルの使用において、かつ例えば膀胱の治療のための泌尿器クリニックでの外来診察の場で、従来型の訓練を受けた医療人員が装置を使用し得ることが可能になる。上記のように、一般的な麻酔ではなくむしろ、局所的な麻酔のみを必要とする。
【0021】
「遠位」という用語は、体内への装置の挿入の方向でもある、医師(または装置を使用する他の医療人員)から離れた方向を指す。それゆえ、「近位」の方向は、医師に向かった方向および装置の反対側に向かった遠位端への方向である。遠位端は、典型的に、光源を有する略円筒状の本体と、装置の他の部分と共に円筒状本体内にまたは上に配置された拡張および位置決めバルーンとを有し得る。提案されている装置の遠位端の長手方向軸は、典型的に、カテーテルの長手方向軸と整列しており、したがって、膀胱が治療されているときに、体腔または中空器官、例えば尿道内にカテーテル装置が挿入される管状体構造から略接線方向に延在する。しかしながら、カテーテル装置は、可動型カテーテル装置であり得、かつ/または関心の体腔器官へのアクセスを改善するための湾曲端を有し得ることに留意するべきである。この場合、遠位端の長手方向軸は、カテーテルの長手方向軸とは異なり得る。例えば、前立腺を通した男性の膀胱へのアクセスを容易にするために、クーデ式カテーテル型配置を使用してもよい。
【0022】
第1の態様によると、光源の複数の発光要素は、遠位端の第1の領域から長手方向軸の方向に沿って遠位方向に前方に光を投影することと、遠位端の第2の領域から長手方向軸の外方に光を投影することと、遠位端の第3の領域から体腔または中空器官内へのカテーテル装置の進入点の周りに光を投影することと、を行うように配置されている。例示的な実装において、複数の発光要素は、第1の領域、第2の領域、および/または第3の領域に配置された1つ以上の発光要素(複数可)を含み得る。第1、第2、および/または第3の領域から放出された光は、必要な領域(複数可)に光を配向し、必要な方向(複数可)に光を投影するように配置されたレンズおよび/またはリフレクタ等の光誘導装置を有する遠位端上の他の場所に配置された発光要素により生成され得る。好ましい例において、下にさらに説明されるように、複数の発光要素は、第1の領域、第2の領域、および第3の領域の各々に、少なくとも1つの発光要素を含み、各領域に配置された発光要素(複数可)は、当該領域から光を提供する。
【0023】
「体腔/中空器官」という用語は、滑らかでない表面またはひだを有するそのような空洞/器官を指す。これは、膣、胃、腸、膀胱、および胆膀胱を含み、好ましくは、膀胱を指す。「体腔/中空器官」という用語は、好ましくは、血管を除外するものと理解されるべきであり、それゆえ、好ましい実施形態において、装置は、血管の治療のためのものではない。
【0024】
この装置は、膀胱の治療において特に使用されるものであると想定されている。提案されている装置は、PDT内の膀胱壁を膨張させるための液体(例えば、生理食塩水)の必要性をなくし、ならびに光の分配および膀胱の治療の容易さを改善する。それゆえ、好ましい実施形態において、装置は、膀胱の治療のためのものである。生理食塩水は、バルーンと膀胱壁との間の摩擦を緩和することができるが、生理食塩水が膀胱の膨張のためには必要とされないことから、生理食塩水を冷却のためかまたは潤滑のために膀胱(または他の身体器官)へと注入してもよい。
【0025】
カテーテル装置の一部分として提供され、体内で使用される光源の使用ならびに専門医の訓練および/または体の外側にある機器の必要性の結果的な回避は、患者と接触する全ての部分が使い捨てである1回の使用として、カテーテル装置を設計することができることを意味している。したがって、好ましい実装において、カテーテル装置は、使い捨ての1回の使用の装置である。これは、上に記載されている特徴を有する装置の遠位端部分のみならず、下にさらに詳細に記載されているような、電源、制御電気回路、ならびに/または流体継手および流体推進装置等のカテーテル装置の近位端の一部分にも当てはまり得る。
【0026】
光源は、一般に、電力が体の外側にある電源からカテーテルに沿って電線を介して伝達される状態で、電気的に給電される。好ましくは、光源は、体の外側でバッテリまたは低圧電源により給電される。
【0027】
複数の発光要素は、関心のPDTに対して必要な強度および波長で光を生成することができる任意の好適な発光要素であり得る。先行技術で知られている光増感剤による吸収スペクトルは、文献上入手可能であり、例えば、PpIXの吸収スペクトル、5−ALA等の前駆体または5−ALAエステル等の5−ALAの誘導体の細胞内変換の結果である光増感剤は、例えば、US6645230、
図9に開示されている。N.Yavariら、Can J Urol 18(4)、2011年、5778−5786は、種々の光増感剤および光増感剤の前駆体の主な活性化波長についての概説を表1に提供している。5−ALA等の前駆体または5−ALAエステル等の5−ALAの誘導体について、300〜800nm、例えば、400〜700nmおよび500〜700nmの範囲の光の波長による照射が、特に有用であると発見されており、それゆえ、発光要素は、これらの波長での光に対して選択され得る。
【0028】
赤色光(600〜670nm)は、組織内に良く貫通することが知られており、したがって、PDT手技における赤色光の使用は、より深い組織層内の異常、例えば、腫瘍組織を破壊するのに有用であり得る。表在性病変の破壊のために、光線力学的診断または青信号(500〜560nm)において使用される青色光(400〜500nm)を使用してもよい。
【0029】
代替的に、異なる波長が、表在性かつより深い病変を効率的に破壊するのに使用され得る。例えば、白色光の照射は、5−ALAの前駆体または5−ALAエステル等の5−ALAの誘導体を有する膀胱PDTにおいて使用されている(例えば、A.Johanssonら、Proc.of SPIE Vol.7380,73801S1−S9、2009年、またはR.Waidelichら、Urology 2003年61(2)、332−337参照)。
【0030】
膀胱の治療および同様のPDT計画の場合、赤色光は、最も多く使用されると予想されるため、発光要素は、600〜670nmの範囲の波長、例えば、約635nmの波長を有する光を生成するように配置され得る。
【0031】
光源は、10〜35mW/cm
2の範囲のフルエンス率、例えば、おそらく約15〜25mW/cm
2のフルエンス率等の100mW/cm
2以下、および任意に、50mW/cm
2以下のフルエンス率を有する関心の中空器官または体腔の壁に光を投影し得る。10J/cm
2〜100J/cm
2の光量を提供するように治療の時期を設定してもよい。これらの種類のフルエンス率および光量は、膀胱および同様の器官に対して有効なPDTを提供する。
【0032】
好ましい実施形態において、発光ダイオード(LED)が、光源の発光要素として使用されている。LEDは、安全で有用なPDTのために必要とされ、ならびに十分に小さい大きさで利用可能である種類の波長および強度に対する安価で有効な光源を提供することができる。一例において、0.3mm
2以下の設置面積を有するLEDが使用されている。可撓性印刷回路基板(PCB)と組み合わせて、少なくともアレイの中心部分に対してこの種の小さいLEDを使用することで、十分に可撓性である装置を体内の必要な位置内へと操作することが可能になる。例えば、男性の膀胱を治療するための装置の場合、遠位端を、前立腺の周りで操作しなければならない。代替的に、発光コンデンサ、磁場誘起ポリマーエレクトロルミネセント光、または他の同様の技術等の他の発光要素を使用することができる。カテーテル装置の動作のために重要なものは、光の波長および強度、光源に複数の小さい発光要素を有する能力、および過度の熱の回避である。装置は、必須の能力を提供している、いかなる発光要素も使用することができるが、今のところLEDは、費用面のためだけでも好ましい。
【0033】
好ましくは、発光要素は、各々、球状区分の形状を有する容量にわたって光を放出し、例えば、その頂点で140°の角度を有する球状区分が典型的である。光を集中させるか、または拡散させるためのレンズもしくは散乱粒子による被覆があり得る。光源の発光要素は、各々、各発光要素からの光が隣接する発光要素からの光と重なるように、3つの領域の各々における追加的な発光要素に隣接して留置され得る。
【0034】
発光要素は、遠位方向に前方に光を投影するために第1の領域に配置された第1の遠位部分、カテーテル装置の遠位端の長手方向軸から外方に光を投影するために第2の領域に配置された第2の中心部分、および体腔または中空器官内へのカテーテル装置の進入点の周りに光を投影するために第3の領域に配置された第3の近位部分のうちのいくつかまたは全部を含む、複数の部分を有するアレイ内に配置され得る。好ましくは、第3の領域は、拡張および位置決めバルーンの外側にあり、第2の領域は、拡張および位置決めバルーンの少なくとも部分的に内側に、または完全に内側にある。第1の領域は、拡張および位置決めバルーンの外側にあってもよく、好ましくは、第3の領域に対してバルーンの反対側にある。
【0035】
発光要素のアレイの3つの部分のうちの1つ以上がまた、好ましくは他の方向に光を投影し得る。具体的には、アレイの種々の部分から投影された光は、重なり得るか、または少なくとも、体腔もしくは中空器官の壁の内側表面全体にわたって延在するように完全な量の光の投影を形成する。したがって、複数の発光要素は、当然ながらカテーテルの本体が存在し、自然な照明が不可能であり、かつ必要ともされない体腔または中空器官に対する開口の方向は除いて(例えば、膀胱が治療される尿道の断面にわたって)、影または非照明領域を有しない略球状表面上に体腔または中空器官内からの光を投影するように配置され得る。
【0036】
アレイの第1の遠位部分は、遠位方向に前方に、また、遠位端の長手方向軸上に中心が置かれ、遠位方向に直径で広がる、少なくとも円錐状または球状区分を囲む容量で、光を投影するように配置され得る。アレイの第1の部分は、長手方向軸に垂直に外方に、任意に近位方向に向かって後方に、すなわち、球状区分がなくなった球体の形状を含む容量にわたって、一部の光を投影することを含む、遠位端の長手方向軸上に中心が置かれる球体のより大きい部分にわたって光を投影し得る。したがって、第1の部分により投影された光中の影は、遠位端の長手方向軸上に中心が置かれ、近位方向に直径で広がる、円錐状(または球状区分)であり得る。
【0037】
アレイの第2の中心部分は、遠位端の長手方向軸から外方に、すなわち、軸に対して垂直に延在している方向に、光を投影するように配置され得る。第2の部分は、軸に対して垂直でも、かつ遠位方向および近位方向に沿って前方かつ後方に延在する量でも、光を投影するように配置され得、それにより円筒体のいずれかの端に円錐状の影/非照明領域を有する遠位端の長手方向軸上に中心が置かれ、長手方向軸上に中心が置かれる円筒体または球体の形態の量を照明し得る。
【0038】
アレイの第3の近位部分は、第2の部分と同様の方法であるが、第2の領域よりも中空器官または体腔の入口に近い第3の領域から、光を投影するように配置され得る。第3の部分は、円筒体のいずれかの端に2つの円錐状の影/非照明領域を有し、長手方向軸上に中心が置かれる円筒体または球体を囲む量で、光を投影し得る。上に述べられているように、カテーテルの一部分に対してカテーテル装置が、体腔または中空器官の入口を形成する管状体構造を通過する必要が常にあるため、照明が可能でない体腔または中空器官に対する開口に、影が常に存在する。第2の領域での場所を含む第2の部分、および第2の領域よりも進入点に近い第3の領域での場所を含む追加的な第3の部分の使用により、カテーテルの本体からの「影」の効果を最小にし、中空器官または体腔の効果を内側表面の内側の完全かつ有効な照明を達成することができる。
【0039】
いくつかの状況において、第2の領域の延長部分および第3の領域の延長部分は、2つの領域が合致するようなものであり得ると理解される。したがって、発光要素のアレイは、第2および第3の領域にわたって延在している第2および第3の部分の組み合わせを含み得る。しかしながら、第2の領域と第3の領域との間に分離がある場合に、必要な強度での光の均一な分配を達成することができ、次に、例えば、下により詳細に考察されるように、流体出口に対する空間および/または拡張および位置決めバルーンに対する接続点に関して、装置の構造における利点を提供し得ると考えられる。
【0040】
アレイの第1の部分は、カテーテル装置の遠位端の先端にある場合があり、好ましくは、遠位方向に面する先端にある少なくとも1つの発光要素、ならびに任意に、先端の周りに配置され、遠位端の長手方向軸の方向から外方に、すなわちこれに対して垂直に面する、かつ/または長手方向軸に対する垂線と遠位方向との間の角度の方向に面する、追加の発光要素を含む。遠位方向に面する先端に発光要素のクラスタがある場合がある。第1の部分にある発光要素の全部が、各発光要素からの光が、第1の部分にある1つ以上の隣接する発光要素からの光と重なるように配置されることが好ましい。
【0041】
アレイの第2の部分は、完全に拡張および位置決めバルーン内にあり得、好ましくは、第2の領域は、拡張および位置決めバルーンの中心にわたって、かつ/または装置が使用中であるときに体腔または中空器官の中心にある場所にわたって、延在している。アレイの第2の部分は、遠位端の長手方向軸の周りで、かつそれに沿って、例えば、長手方向軸上に中心が置かれる円筒形状の周りで、離間された複数の発光要素を含み得る。例示的な実装において、発光要素の複数のリングがあり、各リング内に少なくとも3つの発光要素があり、少なくとも3つのリングが、遠位端の長手方向軸に沿って互いに隣接して留置されている。例えば、各々が4つの発光要素から製造された4つのリングがあってもよい。第2の部分にある発光要素の全部が、各発光要素からの光が第2の部分にある1つ以上の隣接する発光要素からの光と重なるように配置されることが好ましい。
【0042】
好ましい配置において、アレイの第2の部分は、発光要素を保持する可撓性印刷回路基板を備え、可撓性印刷回路基板は、中心部分の発光要素を保持する略円筒形状を形成するために、円筒状の様態で巻包されている。可撓性印刷回路基板上の発光要素は、中心部分の円筒形状の周りに螺旋を形成するように配置され得る。
【0043】
アレイの第3の部分は、第2の部分と同様の形態を有し得るが、典型的に、遠位端の長手方向軸に沿った方向に、より小さい延長部分を有する。それゆえ、アレイの第3の部分は、遠位端の長手方向軸の周りに、かつそれに沿って、例えば、長手方向軸上に中心が置かれる円筒形状の周りに離間している複数の発光要素を含み得る。例示的な実装において、リング内に少なくとも3つの発光要素を有する発光要素の少なくとも1つのリング、および遠位端の長手方向軸に沿って互いに隣接して留置された少なくとも1つ以上のリングがある。例えば、各々が4つの発光要素から製造された2つのリングがあり得る。第3の部分にある発光要素の全部が、各発光要素からの光が第3の部分にある1つ以上の隣接する発光要素からの光と重なるように配置されることが好ましい。
【0044】
カテーテル装置が膀胱の治療のためにある例示的な実施形態において、近位部分は、有利に、先行技術の装置では不可能である膀胱の三角部の有効な照明を提供することができる。したがって、膀胱の治療に対するカテーテル装置は、遠位端の第3の領域に配置された第3の部分を含む光源を有し得、使用中、第3の領域は、三角部の壁を照明するために、膀胱の三角部に隣接して、かつ/またはその中に置かれる。
【0045】
発光要素のアレイの各部分に対する電力は、同じ電源から供給され得、好ましくは、一対のワイヤを使用して、発光要素の全部に対して電力を提供する。光源は、発光要素の全部を電源に連結するための回路を含み得る。発光要素は、単に直列に連結され得るが、好ましくは、電圧を低く保つために並列接続を用い、1つの不良のLEDが全ての電流を消費する可能性を回避するために直列接続を用いる状態で、並列接続および直列接続の両方が回路に使用される。発光要素の全てが同一である場合、これは、発光要素の各々から同じ光の強度を生じる。しかしながら、異なる発光要素からの異なる強度の光、具体的には、異なる領域内の発光要素を可能にすることが有利であり得る。したがって、いくつかの例において、光の強度の必要な分配を得るために、異なる種類の発光要素、または同じ種類であるが異なる強度で光を提供する発光要素が使用されている。いくつかの例において、発光要素を電源に連結する回路は、アレイの3つの領域/3つの部分に対して、3つの電力チャネル(例えば、LEDドライバ回路)を有し得る。これは、必要な光の分配を達成するための各チャネルの個々の同調を可能にする。発光要素を電源に連結させるための回路は、遠位端の発光要素に連結された外部の発光要素を含む場合があり、そのため、遠位端の発光要素が照明されるときはいつでも、外部の発光要素も照明される。例えばLEDであり得るこの外部の発光要素は、進行中の光線力学的治療についての単純な指標を提供することができる。
【0046】
拡張および位置決めバルーンは、発光要素と膀胱壁との間の最小距離を提供する。それゆえ、これは、最大光量を制限し、最大光量の信頼できる高程度の均一性を確実にする。拡張および位置決めバルーンおよび任意に第2のバルーンは、バルーンのいくつかまたは全部の領域に対する受動的フィルタとして機能し得、それゆえ、膀胱壁に投影された光の均一性を助けるために、これらの領域内の光の通過を制限し得る。拡張および位置決めバルーンまたは第2のバルーンのうちの少なくとも1つは、光減衰媒体を備えるバルーン表皮を有し、そのため、バルーンの拡張のレベルに基づく光量の調整を可能にするために、バルーン表皮を通過する光の減衰が、バルーンの拡張のレベルに応じて変化する。このように、バルーンの拡張のレベルは、バルーンの外側にある体組織に対する光量を調整することができる。これは、発光要素とバルーンの外側表面との間の距離により判定され得る、発光要素からの体組織の最小距離に関する方法で、光量の自動的な制御を提供することができる。物体により受容された光量は、光源から物体への距離に逆自乗関係で変化する。小さい体腔または中空器官の場合、例えば、平均的な膀胱よりも小さい場合、発光要素と体組織との間の距離が非常に短く、光の全部がバルーン表皮を通して伝達される場合に過度の光量が受容される危険があり得る。光減衰媒体を有するバルーン表皮を使用することにより、より大きい拡張での光の量と比較して、より小さい拡張でバルーンを通過し得る光の量を制限することができ、この危険が回避される。光源および光減衰媒体に対する好適な較正により、ある範囲の膀胱の大きさを治療するために装置を設定し、膀胱の大きさとは無関係である既知の一定の照射量を膀胱壁に送達することが可能である。
【0047】
光減衰媒体は、バルーンの材料内か、またはバルーンの表面上にあってもよい。光減衰媒体は、製造中にバルーン表皮の材料内に混合され得るか、またはバルーン表皮の表面上に被覆され得る顔料もしくは染料を含んでもよい。代替的または追加的に、光減衰媒体は、マイクロ粒子、ナノ粒子等の粒子、またはマイクロファイバー等のファイバーを含んでもよい。したがって、光減衰媒体は、そのような粒子による光の反射または屈折による光減衰効果を生成し得る。一例において、粒子は、バルーンが弛緩したときに、粒子間の間隙が小さいか、または粒子が重なるようにであるが、バルーンが拡張したときに、粒子間の間隙の大きさが増すように、バルーン表皮内に配列されている。別の可能性は、光減衰媒体が金ナノ粒子等のプラズモン粒子を含むことである。そのような粒子は、表面上の電子が表面プラズモン共鳴(SPR)として知られている集団振動を受ける、一定の波長での光との強い相互作用を有する。これは、光の吸収および散乱を制御する際に使用され得る。
【0048】
拡張および位置決めバルーンは、その非拡張形態にあるときに遠位端の一部分に沿った、かつその周りのシースであってもよい。いくつかの例示的な実装において、このシースは、第2の領域を含み、したがって、発光要素のアレイの第2の部分を完全または部分的に含み得る。シースは、単一の層として置かれ得るか、または少なくとも部分的に、シースがそれ自体に後退する1つ以上の外転した折り重なり(複数可)を含む複数の層に存在し得る。折り重なったシースは、拡張中のバルーンの弾性の小さい変形を有するより大きいバルーンを可能にすることができる。いくつかの事例において、バルーンは、使用中、弾性的にも塑性的にも拡張する場合があり、この例において、バルーンは、収縮前よりも使用後に収縮したときに、より大きい場合がある。したがって、バルーンの非拡張形態は、拡張前および後で異なり得る。一例において、バルーンは、拡張前、単一の層のシースであり得るが、使用後に収縮したとき、遠位端の周りに少なくとも部分的に複数の層を形成し得る。遠位端は、バルーン表皮の二重の厚さを、全体的な断面が増加しない状態で先端の周りで保持することができるように、拡張および位置決めバルーン内よりも先端でより狭い断面を有し得る。体腔または中空器官からの遠位端の引き抜き中、バルーンの任意の弛緩した材料が、先端に向かってスライドし、バルーンの折り重なった区分を収容することができる先端手段でのより狭い断面を可能にすると同時に、遠位端の断面全体を最大直径内に保つと理解される。
【0049】
拡張および位置決めバルーンの拡張形状は、好ましくは、その内側表面に対して滑らかな壁を生成するように、関連する体腔または中空器官の拡張のために配置されている。拡張および位置決めバルーンは、例えば、拡張したとき、扁球または長球を含む、略回転楕円形状を有し得る。拡張および位置決めバルーンの拡張形状は、カテーテル装置の遠位端に接合するその外部端に中空を有し得る。したがって、拡張および位置決めバルーンは、遠位端の長手方向軸に沿った遠位方向および/または近位方向に外方に膨張するように配置される場合があり、そのため、拡張および位置決めバルーンは、拡張していないときよりも拡張したときに、長手方向軸の方向に沿ってより大きい延長部分を有する。この点を考慮すると、拡張および位置決めバルーンは、一端または両端に圧痕を有する回転楕円体の形態、例えば、ホーントーラスもしくはスピンドルトーラスを含む環状形状、ならびに楕円もしくは円ではない他の形状に基づく同様の環状体であり得る、リンゴと同様の形状を採り得る。
【0050】
有利に、発光要素のアレイの第1の部分を含み得る第1の領域は、拡張および位置決めバルーンの遠位端でバルーンの外側に配置され得る。この場合、拡張および位置決めバルーンは、好ましくは、拡張したとき、遠位端に遠位中空を有し、第1の領域は、遠位中空内にある。これは、第1の領域が、カテーテル装置の遠位端を越えて体内オリフィスもしくは中空器官の壁に向かって直接光を放出することができ、第1の領域の発光要素が、遠位端の先端上ならびに壁の非常に近位にあり得ると同時に、拡張および位置決めバルーンが先端および/または発光要素の壁との接触を防止する機能を果たすことを意味している。したがって、拡張および位置決めバルーンは、拡張したとき、好ましくは、少なくとも第1の領域と同じ位遠い遠位端および/または遠位端の先端の長手方向軸の方向に沿って延在する。これらの部分は比較的堅い場合があり、それゆえ、壁の組織に損傷を与える可能性があるため、また、発光要素が熱を放出して、壁の組織に対する損傷の別の危険を生じ得るため、発光要素および/または遠位端の先端の体腔または中空器官の壁との接触を回避することが重要であり得る。
【0051】
拡張および位置決めバルーンの大きさおよび容量は、関心のある体腔または中空器官に依存する。膀胱の治療の場合、拡張および位置決めバルーンは、40mm〜100mm、例えば、約60mmの拡径および/または高さを有する回転楕円もしくは環状形状に拡張するように配置され得る。これは、膀胱壁が、バルーンが必ずしも膀胱の全体を充填させていない状態で拡張することを可能にし、そのため、例えば、膀胱を洗浄もしくは洗い流すための、かつ/または光増感剤もしくは光増感剤の前駆体等の膀胱内に医薬組成物を運搬するための、身体機能の結果として、膀胱内の尿の蓄積および膀胱内への、かつ膀胱の周りの流体の移動のための余地が依然としてある。
【0052】
第2のバルーンは、有利に、カテーテル装置が挿入される管状体構造を通した流体の流れを防止するために、かつカテーテル装置の遠位端を体腔または中空器官内に適所に固定するために、体腔または中空器官内へのカテーテル装置の進入点で拡張するためのフォーリーバルーンであってもよい。遠位端の第3の領域は、部分的にまたは完全にフォーリーバルーン内にあり得、それにより使用中であるときに、第3の領域が、体腔もしくは中空器官内へのカテーテル装置の進入点に対して既知の位置に配置されることを確実にし得る。これは、第3の領域内のアレイの第3の部分にある発光要素から投影された光が、進入点の周りで体腔または中空器官の壁を容易に照明することを意味している。膀胱の治療の場合、フォーリーバルーンの使用はよく知られており、膀胱治療のためのカテーテル装置のフォーリーバルーンは、従来型のフォーリーバルーンと同様の形態であり得る。例えば、カテーテル装置が膀胱と共に使用するためにあるとき、フォーリーバルーンは、15mm〜25mmの直径、例えば、およそ20mmの直径を有し得る。
【0053】
フォーリーバルーンならびに拡張および位置決めバルーンの形状または場所は、両方のバルーンが拡張したとき、遠位端の長手方向軸に向かって2つのバルーン間の流体の流れのための空間もしくはチャネルがあるようなものであり得る。一例において、これは、完全に拡張したときであっても、バルーン間の距離がバルーンにより架橋され得ないことを確実にすることにより達成することができる。代替的に、1つまたは両方のバルーンは、2つのバルーンが完全に拡張し、別のバルーンに接触したときであっても、バルーンに取り付けられた起伏のある形状もしくは外部要素を備える場合があり、空間もしくはチャネルが、遠位端の長手方向軸に向かうバルーン間の流体の流れに対して維持される。
【0054】
バルーン(複数可)の材料は、医療的使用に好適であり、発光要素から放出される治療に必要な波長に対して適切な程度の透過性を有する、任意の弾性材料であり得る。好ましくは、バルーンの材料は、完全に弾性であり、したがって、拡張した後に、その元の拡張していない大きさおよび形状に戻る。ラテックス、シリコン、PVC、またはゴムをバルーンの材料に使用することができる。有利に、バルーンおよびカテーテルは、同じ材料から製造され得る。同じ材料から製造されたカテーテルおよびバルーンを有することが、それらを共に結合させるのが容易になるため、有益である。
【0055】
バルーン(複数可)は、浸漬によりマンドレル上に形成され得、次に後に、遠位端の本体に結合され得る。バルーン(複数可)は、それらの非拡張形態にあるとき、遠位端の本体の周りでシースの形態を採り得る。これは、単純な円筒状に環状のシースであり得るか、または拡張した後のバルーンの意図した形状を反映するために、より複雑な形状であり得る。一例において、拡張および位置決めバルーンは、減少する直径を有する2つの区分により側面に置かれた第1の直径での中心円筒状区分と、第1の直径よりも小さい第2の直径での2つの端とを有する可変直径を有する管の形態を採る非拡張形状を有する。直径は、減少する直径を有する2つの区分において直線状に減少し得る。
【0056】
好ましくは、カテーテル装置の遠位端は、拡張および位置決めバルーン内に、かつ存在するとき、同様にフォーリーバルーン内に、少なくとも1つの流体入口/出口を備える。バルーン(複数可)は、カテーテル装置を介してバルーン内に流体を注入することにより拡張され得る。流体は、例えば、生理食塩水であってもよい。バルーン内に発光要素があるとき、流体は、任意に、光拡散成分、例えば、溶解した成分または粒子の懸濁液を含み得る。しかしながら、流体による光の一般的な拡散は、必要とされる光の均一な分配を達成する必要はなく、したがって、典型的に、流体は、関心の光の波長に対して透過的であると想定される。例示的な実施形態において、カテーテル装置は、流体も供給し、かつその(または各)バルーンから流体も除去するための単一の流体流路を有する。これは、遠位端の本体上に必要とされる空間を最小にし、ならびにバルーン(複数可)への流体搬送のためにカテーテル内に必要とされる内腔の数を最小にする。代替的に、1つまたは両方のバルーンの対応する一対の内腔と共に、1つの入口開口および1つの出口開口があってもよい。これは、PDTのために必要とされる照明中に発光要素により生成された熱を除去するために、バルーン(複数可)を通した流体の循環を可能にし得る。
【0057】
好ましくは、遠位端の本体は、中空器官または体腔の内側と連通するための流体入口および流体出口を備える。これは、例えば、膀胱を洗い流すためのバルーン(複数可)の外側にある中空器官または体腔内の流体の循環を可能にし、ならびに流体を中空器官または体腔から排出するか、または流体を中空器官または体腔内に注入することを可能にする。
【0058】
例えば、膀胱内で使用中であるとき、膀胱から尿および/または血液を排出する必要がある場合がある。血液が光を吸収するため、血液の存在は、PDT手技に影響を与える場合があり、したがって、流体、例えば、生理食塩水を膀胱内に注入し、その後膀胱を空にすることにより、血液から膀胱(または他の器官)を洗う必要があり得る。さらに、拡張および位置決めバルーンが拡張される前に、液体、例えば、緩衝剤または生理食塩水を器官に提供することが有益であり得る。液体は、バルーンの拡張中に器官の膨張中のスペーサとして機能し、潤滑効果を提供することができる。上記のように、提案されている装置と共に、器官の膨張のために生理食塩水または同様の流体を使用する必要はない。
【0059】
カテーテル装置は、概して、カテーテル装置の遠位端から近位端まで延在している細長いカテーテルを含む。この細長いカテーテル本体は、種々の出口へと、かつそこから流体を搬送するための、任意に、光源に電力を提供するための電線の通過のための、内腔を含み得る。代替的に、カテーテル本体は、流体の通過のための内腔と、カテーテル本体の壁に埋め込まれたワイヤとを含み得る。後者の配置は、より小さい直径のカテーテル本体を可能にし得、体腔または中空器官を体の外側に接続する構造、例えば、膀胱の場合、尿道、の直径が狭い場合、患者の不快感を減少させる。光源に電力を提供するためのワイヤと同様に、カテーテル本体はまた、さらに、ワイヤ、例えば、下で考察されているような遠位端でセンサに連結されたワイヤを担持してもよい。カテーテル本体はまた、カテーテル装置の遠位端に照明がある指標として患者の内側から外側に光を伝達するために光ファイバーを担持してもよい。
【0060】
カテーテル本体の外径は、概して、その使用に依存し得、当該技術分野の同様のカテーテル:胃(すなわち、食道、最終的に胃内に挿入される)等のかなり大きい器官内で使用されるカテーテル、と比較可能であり、カテーテルは、尿道を通して膀胱内に挿入された場合よりも大きい外径を有し得る。好ましくは、外径は、挿入される体の一部分(食道、尿道)内に適合し、かつ内部に含まれる構成要素および内腔を収容するのに十分小さい。
【0061】
好ましい実施形態において、カテーテル本体は、一般に、医療的使用に、具体的にはカテーテル本体に好適な、可撓性プラスチックまたはポリマー材料を含む。適切な材料は、シリコン、ラテックス、ゴム、ポリウレタン、およびこれらの材料の組み合わせを含み得る。その使用に応じて、カテーテル本体は、接触する体腔/中空器官もしくは他の体組織、例えば、尿道の細菌感染を防止するための防腐剤被覆、または鎮痛剤被覆、例えば、リドカインもしくは同様の局所麻酔による被覆を有し得る。
【0062】
カテーテル本体の近位端は、カテーテル装置の1つ以上の外部要素、例えば、電源、バルーン(複数可)の拡張のための、かつ/または体内オリフィスもしくは中空器官内に流体を注入するための、1つ以上の流体貯留部(複数可)、体内オリフィスもしくは中空器官から洗浄された流体を受容するための容器、および/またはコントローラに連結され得る。カテーテル装置の外部要素は、装置の使用中、患者の体の外側に維持される。
【0063】
装置は、バルーン(複数可)の拡張のための1つ以上の流体貯留部(複数可)を含んでもよく、これらの流体貯留部(複数可)は、有利に、バルーン(複数可)内に流体を送達するためのシリンジまたは輸液バッグ等の他の手動で作動可能な装置の形態を採る。輸液バッグを使用する場合、クリップ/クランプを使用してバッグから体内への流体の流れを止め、クリップ/クランプを除去することにより有効にすることができる。流体は、重力により膀胱内に流れる。これらは、従来型のフォーリーバルーンの典型的な配置である。結果として、フォーリーバルーンおよび任意の臨床の場で目的のために好適な機器を装着した従来型のカテーテルを使用するための必要な訓練を受けた者が、装置を操作することができる。
【0064】
体内オリフィスもしくは中空器官内に流体を注入するための流体貯留部は、点滴型配置を通してカテーテル装置を供給するバッグの形態を採り得るか、または代替的に、シリンジを使用することができる。これは、体内オリフィスもしくは中空器官を洗い流すための流体を提供し得、かつ/または光増感剤もしくは光増感剤の前駆体を注入するのにも使用され得る。
【0065】
カテーテル装置は、拡張および位置決めバルーン内の、かつ/または第2のバルーン内の圧力が閾値レベルを超えている場合に、指標および/または圧力の解放を提供するために、カテーテル本体の近位端に提供された圧力作動装置を含み得る。例えば、拡張および位置決めバルーンおよび/または第2のバルーン内よりも大きい剛性を有し、同じ源の流体に接続された安全バルーンがある場合があり、そのため、拡張および位置決めバルーンおよび/または第2のバルーン内が一定の閾値を超える圧力を受けた場合に、安全バルーンが膨張し、超過圧力状態についての視覚的な指標を提供する。代替的または追加的に、圧力逃がし弁があってもよく、過度の圧力があるときにシステムから流体を排出することを可能にし得る。安全バルーンまたは受動的圧力逃がし弁等の受動的システムは、圧力が過度に高いときに警報もしくは圧力解放がトリガされ得ることを確実にするための信頼できる方法を提供することができる。この種の受動的システムは、装置の遠位端内に追加的なセンサもしくは電子機器を必要とせずに、非常に単純な方法で体内の圧力を監視することを可能にし、これが、1回の使用に好適である「使い捨て」装置の製造を助け得る。さらなる代替例において、または加えて、カテーテル装置は、下に述べられるコントローラに連結された圧力センサ等の圧力センサを含む場合があり、上記のように、これは、遠位端内に余分な構成要素を追加し、電子機器の複雑さを増すという欠点を有する可能性がある。
【0066】
1つの例示的な実装において、外部要素のうちの1つは、装置の電源を含むコントローラである。コントローラは、光源を制御し、装置の操作に関する指標を提供するためのマイクロコントローラまたはマイクロプロセッサ等の制御回路を含み得る。好ましい実施形態において、制御回路は、設定時間経過後および/または設定時間の間、光源の作動を提供するように配置されたタイマーを備える。
【0067】
加えて、制御回路は、パルス照明を提供するように配置されてもよい。これは、マイクロプロセッサ内の関数発生器を提供することにより達成することができる。パルス光は、組織の許容できない加熱が生じないことを確実にするという点で有利であり得る。加えて、照明に間隔を与えることで、組織酸素化およびPDTの効果を高める。プロトポルフィリンに変換されたPDTに対して5−ALA等の光増感剤の前駆体またはそれらの誘導体を使用する場合、反復照明により治療され得る生存細胞内のプロトポルフィリンおよび酸素の再蓄積を可能にする。パルスの周波数および長さを、治療計画の必要条件に従って選択し、制御回路内に設定することができる。制御回路は、プログラム可能であってもよく、ユーザがそれをプログラムすることを可能にし得る。これは、照明の長さおよび照明パターンを個々の治療に合うように調節することを可能にする。好ましい実施形態において、制御回路は、ユーザがプログラム不能であり、下に述べられるような、装置を始動させるための特徴および装置の性能に対する指標のみを含む。
【0068】
好ましくは、制御回路は、装置の操作についての指標を提供するための表示システムをさらに備える。例えば、表示は、PDTについての経過時間および/または残り時間を示し得る。表示の1つの単純な形態は、LED等の指標光のセットである。
【0069】
制御回路の別の任意の特徴は、装置が正しく操作されているか、または不良が生じているかどうかをユーザに報告するための光または音エミッタ等の1つ以上の性能指標である。この特徴に関して、カテーテル装置の遠位端は、好ましくは、装置の性能に関するパラメータ、例えば、光量、温度および/または圧力を測定するための1つ以上のセンサを含み得る。
【0070】
体腔または中空器官の壁の温度についての指標を得るために、装置の遠位端の温度を測定し得る。例えば、バルーン(複数可)の内側もしくは外側の流体の温度、遠位端の本体の温度、または発光要素を保持するPCBの温度は、これを体腔もしくは中空器官の壁の温度に関連付ける計算、および測定された温度が、体腔または中空器官の壁の潜在的に過度な温度、例えば、43℃を超える温度を示した場合に提供される警報により測定され得る。しかしながら、患者の体温と43℃との間の温度は、光線力学的療法を加速させるため、有益である。結果として、光源からの熱生成を体温以下に制限することは、必要でもなく有益でもない。
【0071】
圧力センサを使用して、予想外の圧力の変化を生じるであろう潜在的な漏出または破裂の指標を提供するために、1つまたは両方のバルーン内の圧力を測定し得る。追加的な圧力センサが、バルーン(複数可)の外側の膀胱の流体内の圧力を測定する場合があり、バルーンの内側の圧力とバルーンの外側の圧力との間の差が、バルーンの破損があったかどうかを判定するのに使用される。圧力センサ(複数可)がバルーンの破損を示す示度数を提供している場合に、制御回路により警報を提供し得る。
【0072】
有利に、カテーテル装置は、1回の使用のために設計されており、当該1回の使用後に処分するように設計されている。好ましくは、装置は、1回の使用を促進し、かつ/または繰り返しの使用を防止する1つ以上の特徴を含む。例えば、電源は、1回の使用に対してのみ十分である電力を提供するように配置されている場合があり、すなわち、そのため、電源は、必要な治療が完了した後に消耗する。電源は、再充電されないように配置される場合があり、かつ/または制御回路は、電源を再充電するためのアクセスを有しない場合がある。制御回路は、そのプログラミングの特徴の手段により、例えば、光源の1回のみの作動を可能にすることにより、再使用を防止するように配置される場合があり、かつ/またはトリガされたときに電気回路もしくはソフトウエアを破壊する作動停止機構を含み得る。
【0073】
本発明はまた、PDT治療のためのカテーテル装置および光増感剤もしくはその前駆体をキットの形態で含むとき、上で考察されているような第1の態様もしくはその好ましい実施形態のカテーテル装置にまで及ぶ。好適な光増感剤および光増感剤の前駆体を下に考察する。
【0074】
バルーンの壁にわたって接続された抵抗計は、バルーンの破損を特定する追加的または代替的な方法を提供し得る。バルーンの壁が破裂したとき、バルーンの壁全体の抵抗が低下する。この特徴は、それ自体が新規かつ発明的であると考えられ、したがって、追加的な態様において、本発明は、体の体腔または中空器官の治療において使用するためのカテーテル装置を提供しており、カテーテル装置は、体腔または中空器官内に挿入するためにある遠位端部分を備え、遠位端部分は、体腔または中空器官内で拡張し、それにより体腔または中空器官の外壁を膨張させるための拡張および位置決めバルーンと、バルーンの壁にわたる電気抵抗を測定するための抵抗計であって、バルーンの破裂についての指標を提供することができる、抵抗計と、を含む。そのような装置は、第1の態様と関連して本明細書に記載されている特徴のうちのいずれかまたは全部と有用に組み合わされ得る。抵抗計は、抵抗値の低下に反応してバルーンの破裂を示す警報を提供するコントローラに接続され得る。
【0075】
第2の態様から見られるように、本発明は、体腔または中空器官の光線力学的治療における第1の態様のカテーテル装置の使用を含む方法を提供している。本方法は、上に記載されている好ましい特徴のうちのいずれかまたは全部を有する装置の使用を含み得る。
【0076】
本方法は、概して、適切な延長部分に対するカテーテル装置を関心の体腔または中空器官内へと挿入することと、拡張および位置決めバルーンを使用して体腔または中空器官を拡張させることと、体腔または中空器官の内側表面を光源からの光により照射することと、を含む。
【0077】
好ましい実施形態において、本方法は、そのような光線力学的治療を必要とする患者に、光増感剤または光増感剤の前駆体を投与することを含む。そのような投与は、全身投与、すなわち、非経口投与、例えば、筋肉内投与または静脈内投与であり得る。好ましくは、本方法は、任意に、光増感剤もしくは光増感剤の前駆体を注入するためにカテーテル装置の内腔を使用した体腔もしくは中空器官への局所的投与、例えば、カテーテル装置の挿入前か、またはカテーテル装置が挿入されている間の、体腔もしくは中空器官内への光増感剤もしくは光増感剤の前駆体の注入を含む。
【0078】
代替的に、拡張可能な構造または体腔もしくは中空器官の内側表面を含むカテーテル装置の他の部分の接触により、光増感剤もしくは光増感剤の前駆体を、体腔もしくは中空器官に適用し得る。好適な光増感剤または光増感剤の前駆体の詳細と共に、例示的な手技を下により詳細に記載する。
【0079】
好ましくは、本方法は、可溶形態での組成物として光増感剤もしくは光増感剤の前駆体を提供し、好ましくはカテーテルにより体腔または中空器官に溶解組成物としての投与を提供することを含む。この場合、カテーテル装置は、第2のバルーンを使用して、光増感剤または光増感剤の前駆体を投与するためにカテーテル装置を介して体腔または中空器官内に流体を注入する間に、体腔または中空器官内に適所に遠位端を保持するように配置され得る。拡張および位置決めバルーンは、このプロセス中、その収縮状態であってもよい。
【0080】
本方法は、溶解組成物を調製するための溶剤、および有利に、1回の使用の装置であり得るカテーテル装置と共に、密封包装体、例えば、密封ガラス製バイアルに組成物を供給することを含み得る。
【0081】
溶解組成物は、必要な感光効果を達成するために適切に体内に維持されることが可能であり得る。光増感剤を含む組成物が、カテーテル装置を介して体腔または中空器官内に注入された場合、当該体腔または中空器官は、拡張および位置決めバルーンを使用した注入後すぐに拡張し得、PDTは、体腔または中空器官の内側表面を光源からの光により照射することを実行し得る。光増感剤の前駆体を含む組成物が、非経口的に投与されるか、または体腔または中空器官内に注入された場合、当該前駆体は、最初に、PDTが実行され得る前に、活性光増感剤、例えば、プロトポルフィリンに変換される必要がある。それゆえ、そのような化合物の投与と照射の開始(培養時間)との間に遅延を有することが好ましい。培養時間は、一般に、10分〜2時間または30分〜1時間等、5分〜最大12時間であり、その後、PDTは、体腔または中空器官の内側表面を光源からの光により照射することを実行し得る。
【0082】
第3の態様において、本発明は、体腔または中空器官の光線力学的治療の方法を提供しており、本方法は、当該治療が必要な患者に、光増感剤もしくは光増感剤の前駆体を投与することと、第1の態様による装置を関心の体腔または中空器官内に挿入することと、拡張および位置決めバルーンを使用して体腔または中空器官を拡張させることと、体腔または中空器官の内側表面を光源からの光により照射することと、を含む。本方法は、上に記載されている好ましい特徴のうちのいずれかまたは全部を有する装置の使用を含み得る。本方法は、体腔または中空器官内に流体を注入する間に、装置を適所に保持し、体腔または中空器官を封止するために、例えば、治療前もしくは後に体腔または中空器官を洗い流し、かつ/または感光組成物もしくは光増感剤の前駆体を注入するために、第2のバルーンを使用することを含み得る。
【0083】
PDTにおけるカテーテル装置の使用に関する方法は、光増感剤もしくはその前駆体の新たな医療的使用を提供しており、したがって、本発明の別の態様は、5−ALA、5−ALAの誘導体、または光線力学的療法の方法において使用するためのそれらの医薬的に許容可能な塩を含む組成物を提供しており、本方法は、そのような光線力学的療法が必要な患者に組成物を投与することと、第1の態様による装置を関心の体腔または中空器官内に挿入することと、拡張および位置決めバルーンを使用して体腔または中空器官を拡張することと、体腔または中空器官の内側表面を光源からの光により照射することと、を含む。