(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の他の特徴、態様、および利点は、後に続く詳細な説明を読めば直ぐに明らかとなろう。
【0025】
用語「ケラチン物質」は、(体、顔、そして眼周辺の)皮膚、毛髪、睫毛、眉、体毛、爪、唇、または粘膜を意味することが意図される。
【0026】
用語「生理的に許容可能な」は、皮膚および/またはその外皮と適合することを意味することが意図され、これは、好感の持てる色、匂い、および感触を有し、そして消費者にこの組成物を使うのを思い留まらせがちな、少しも容認できない不快感(ヒリヒリ感、緊縮性、または赤み)を生じさせない。
【0027】
用語「XからY」は、境界XおよびYも含む値の範囲を意味することが意図される。
【0028】
用語「予防する」または「予防」は、本発明に従えば、所定の現象、すなわち、本発明に従えば、ケラチン物質の老化の徴候の発生のリスクを引き下げ、または発生を遅らせることを意味することが意図される。
【0029】
メロシアニン
本発明に従えば、本発明に従うメロシアニン化合物は、以下の式(1)または式(2)
【化2】
(式中、
R
1およびR
2は、互いに独立して、水素;C
1〜C
22アルキル基、C
2〜C
22アルケニル基、またはC
2〜C
22アルキニル基であり、これらの基は、少なくとも1つのヒドロキシル基で置換されていてもよいし、あるいは少なくとも1つの−O−で中断されていてもよく;あるいはR
1およびR
2は、これらを連結する窒素原子と一緒に、場合によっては−O−または−NH−で中断されていてもよい−(CH
2)
n−環を形成し;
R
3は、−(C=O)OR
6基;または−(CO)NHR
6基であり;
R
6は、C
1〜C
22アルキル基、C
2〜C
22アルケニル基、C
2〜C
22アルキニル基、C
3〜C
22シクロアルキル基、またはC
3〜C
22シクロアルケニル基であり、前記基は、1つまたは複数のOHで置換されていてもよく;
R
4およびR
5は、水素であり;あるいはR
4およびR
5は、
1つのC
1〜C
4アルキル基で置換されていてもよいし、かつ/または1つもしくは複数の−O−で、もしくは−NH−で中断されていてもよい−(CH
2)
n−環を形成し;
nは、2から7の数であり;
R
7およびR
8は、互いに独立して、水素;C
1〜C
22アルキル基、C
2〜C
22アルケニル基、C
2〜C
22アルキニル基であり、前記基は、1つもしくは複数のOで中断されていてもよいし、かつ/または1つもしくは複数のOHで置換されていてもよく;C
3〜C
22シクロアルキル基あるいはC
3〜C
22シクロアルケニル基であり、前記基は、1つまたは複数の−O−で中断されていてもよく;
あるいはR
7およびR
8は、これらを連結する窒素と一緒に、1つまたは複数の−O−で中断されていてもよい−(CH
2)
n−環を形成し;
R
9およびR
10は、水素であり;あるいはR
9およびR
10は、
1つのC
1〜C
4アルキルで置換されていてもよいし、かつ/または−O−もしくは−NH−で中断されていてもよい−(CH
2)
n−環を形成し;
Aは、−O−;または−NHであり;
R
11は、C
1〜C
22アルキル基;C
2〜C
22アルケニル基;C
2〜C
22アルキニル基;C
3〜C
22シクロアルキル基、もしくはC
3〜C
22シクロアルケニル基であり、前記基は、1つもしくは複数のOで中断されていてもよく;またはC
3〜C
22シクロアルキル基もしくはC
3〜C
22シクロアルケニル基で置換されているC
1〜C
22アルキル基もしくはC
2〜C
22アルケニル基であり、前記C
3〜C
22シクロアルキル基またはC
3〜C
22シクロアルケニル基は、1つまたは複数の−O−で中断されていてもよい)
に相当する。
【0030】
好ましくは、式(1)または式(2)の化合物は、以下の特徴を有する:
(I)R
1、R
2、またはR
6基の少なくとも1つが、ヒドロキシルで置換されており;
(II)R
1の1つがヒドロキシエチルを示すならば、R
2は、水素も、メチルも、エチルも、ヒドロキシエチルも示さず;R
1が水素を示すならば、R
2は、1−ヒドロキシ−3−メチルブタ−2−イルでなく;
(III)R
6が1つまたは複数のOHで置換されているならば、R
1またはR
2の1つが、C
4〜C
22アルキル基であり;あるいはR
1およびR
2は、これらが連結する窒素と一緒に、ピペリジルまたはモルホリニル基を形成し;
(IV)R
7、R
8、またはR
11基のうちの少なくとも1つが、1つまたは複数の−O−で中断されている。
【0031】
好ましい化合物は、式(1)または(2)式のものであり、式中:
R
1およびR
2は、互いに独立して、水素、C
4〜C
12アルキル基;もしくはC
3〜C
12ヒドロキシアルキル基であり;またはR
1もしくはR
2の少なくとも1つが、C
3〜C
12ヒドロキシアルキルであり、R
3、R
4、およびR
5は、先に示されるのと同じ意味を有する。
【0032】
好ましい化合物はまた、式(1)のものであり、式中:
R
6は、C
1〜C
12アルキル基であり、これは、1つまたは複数のヒドロキシルで置換されていてもよい。
【0033】
最も優先される化合物もまた、式(1)のものであり、式中:
R
6は、C
1〜C
12アルキル基であり、これは、1つまたは複数のヒドロキシルで置換されていてもよく;
R
1またはR
2基の1つが、C
4〜C
22アルキル基であり;あるいはR
1およびR
2は、これらを連結する窒素と一緒に、−O−および/または−NH−で中断されていてもよい−(CH
2)
n−環を形成し;そして
R
4およびR
5、ならびにnは、先に示されるのと同じ意味を有する。
【0034】
好ましい化合物は、式(2)のものであり、式中:
R
11は、−(CH
2)
m−O−R
12基であり、式中
R
12は、C
1〜C
12アルキル基;またはC
1〜C
6アルコキシ−C
1〜C
6アルキル基であり;
mは、1から5の数であり;そして
R
7、R
8、R
9、R
10、およびAは、先に示されるのと同じ意味を有する。
【0035】
さらに優先される化合物は、式(1)または式(2)のものであり、式中:
一方では、R
1およびR
2は、そして他方では、R
7およびR
8は、それぞれ、これらがそれぞれ連結する窒素原子と一緒に、ピペリジル基またはモルホリニル基を形成する。
【0036】
好ましい化合物はまた、式(1)および式(2)のものであり、式中:
R
4およびR
5、ならびにR
9およびR
10は、それぞれ、6個の炭素原子を含有する炭素ベースの環を形成する。
【0037】
最も優先される化合物は、式(1)のものであり、式中:
R
1およびR
2は、互いに独立して、水素;もしくはC
1〜C
22アルキル基;もしくはC
1〜C
22ヒドロキシアルキル基であり;またはR
1およびR
2は、これらが連結する窒素と一緒に、ピペリジルもしくはモルホリニル基を形成し;
R
3は、−(C=O)OR
6基;または−(CO)NHR
6基であり;
R
6は、C
1〜C
22アルキル基であり、これは、1つまたは複数の−OHで置換されていてもよく;
R
4およびR
5は、水素であり;またはR
4およびR
5は、一緒に結合して、6個の炭素原子を含有する炭素ベースの環を形成する。
【0038】
最も優先される化合物は、式(1)のものであり、式中:
R
1およびR
2は、互いに独立して、水素またはC
1〜C
22ヒドロキシアルキルであり;R
1基およびR
2基の少なくとも1つが、C
1〜C
22ヒドロキシアルキル基であり;
R
3は、−(C=O)OR
6基;または−(C=O)NHR
6基であり;
R
6は、C
1〜C
22アルキル基であり;
R
4およびR
5は、水素であり;またはR
4およびR
5は、一緒に結合して、6個の炭素原子を含有する炭素ベースの環を形成する。
【0039】
最も優先される化合物は、式(2)のものであり、式中:
R
7およびR
8は、互いに独立して、水素またはC
1〜C
8アルキル基であり、これは、1つまたは複数の−O−で中断されていてもよく;
Aは、−O−または−NHであり;
R
11は、C
1〜C
22アルキルであり;そして
R
9およびR
10は、水素であり;またはR
9およびR
10は、一緒に結合されて、6個の炭素原子を含有する炭素ベースの環を形成する。
【0040】
最も優先される化合物は、式(2)のものであり、式中:
R
7およびR
8は、これらが連結する窒素原子と一緒に、モルホリニルまたはピペリジル基を形成し;
Aは、−O−または−NHであり;
R
11は、C
1〜C
22アルキル基であり、これは、1つまたは複数の−O−で中断されていてもよく;そして
R
9およびR
10は、水素であり;またはR
9およびR
10は、一緒に結合されて、6個の炭素原子を含有する炭素ベースの環を形成する。
【0041】
さらに優先される化合物は、式(2)のものであり、式中:
R
11は、−(CH
2)
m−O−R
12基であり、式中、
R
12は、C
1〜C
4アルキル基;またはC
1〜C
4アルコキシ−C
1〜C
4アルキル基であり;
mは、1から3の数であり;そして
R
7およびR
8は、互いに独立して、水素;または1つもしくは複数のOで中断されていてもよいC
1〜C
12アルキル基であり;あるいはR
7およびR
8は、これらが連結する窒素原子と一緒に、モルホリニルまたはピペリジル基を形成し;
R
9およびR
10は、水素であり、または一緒に、6個の炭素原子を含有する炭素ベースの環を形成し;そして
Aは、−O−または−NHである。
【0042】
本発明のメロシアニン化合物は、E/E−、E/Z−、またはZ/Z幾何異性体の形態であってよい。
【0043】
アルキル鎖、シクロアルキル鎖、アルケニル鎖、アルキリデン鎖、またはシクロアルケニル鎖は、直鎖状であっても、分枝状であっても、単環式であっても、多環式であってもよい。
【0044】
C
1〜C
22アルキル基として、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、2−ペンチル、3−ペンチル、2,2−ジメチルプロピル、n−ヘキシル、n−オクチル、1,1,3,3−テトラメチルブチル、2−エチルヘキシル、ノニル、デシル、n−オクタデシル、エイコシル、またはドデシルがある。
【0045】
置換されているアルキル基として、例えば、メトキシエチル、エトキシプロピル、2−エチルヘキシル、ヒドロキシエチル、クロロプロピル、N,N−ジエチルアミノプロピル、シアノエチル、フェネチル、ベンジル、p−tert−ブチルフェネチル、p−tert−オクチルフェノキシエチル、3−(2,4−ジ−tert−アミルフェノキシ)プロピル、エトキシカルボニルメチル−2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル、または2−フリルエチルがある。
【0046】
ヒドロキシ置換されているアルキル基として、例えば、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、ヒドロキシブチル、ヒドロキシペンチル、ヒドロキシヘキシル、ヒドロキシヘプチル、ヒドロキシオクチル、ヒドロキシノニル、またはヒドロキシデシルがある。
【0047】
C
2〜C
22アルケニル基として、例えば、直鎖状のC
2〜C
12アルケニル鎖、または優先的に、分枝状のC
3〜C
12アルケニルがある。C
2〜C
22アルケニルとして、例えば、ビニル、アリル、2−プロペン−2−イル、2−ブテン−1−イル、3−ブテン−1−イル、1,3−ブタジエン−2−イル、2−シクロブテン−1−イル、2−ペンテン−1−イル、3−ペンテン−2−イル、2−メチル−1−ブテン−3−イル、2−メチル−3−ブテン−2−イル、3−メチル−2−ブテン−1−イル、1,4−ペンタジエン−3−イル、2−シクロペンテン−1−イル、2−シクロヘキセン−1−イル、3−シクロヘキセン−1−イル、2,4−シクロヘキサジエン−1−イル、1−p−メンテン−8−イル、4(10)−ツジェン−10−イル、2−ノルボルネン−1−イル、2,5−ノルボルナジエン−1−イル、7,7−ジメチル−2,4−ノルカラジエン−3−イル、またはヘキセニル、オクテニル、ノエニル、デセニル、もしくはドデセニルの種々の異性体がある。
【0048】
C
3〜C
12シクロアルキル基として、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、もしくはトリメチルシクロヘキシル、または優先的にシクロヘキシルがある。
【0049】
本発明に従うメロシアニンの例を、表Aにおいて一覧にする:
【0054】
本発明の特に好ましい一形態に従えば、以下の式(3):
【化3】
(式中、
Aは、−O−または−NHであり;
Rは、C
1〜C
22アルキル基、C
2〜C
22アルケニル基、C
2〜C
22アルキニル基、C
3〜C
22シクロアルキル基、またはC
3〜C
22シクロアルケニル基であり、前記基は、1つまたは複数のOで中断されていてもよい)
に相当するメロシアニンのファミリ、および、そのE/E−またはE/Z−幾何異性体の形態が用いられることとなる。
【0055】
本発明のメロシアニン化合物は、そのE/E−またはE/Z−幾何異性体の形態であってよい。
【化4】
【0056】
さらに優先される式(3)の化合物は、式中:
Aが、−O−であり;Rが、C
1〜C
22アルキルであり、これは、1つまたは複数のOで中断されていてもよい、ものである。
【0057】
式(3)の化合物のうち、以下の群から選択されるもの、および、それらのE/E−またはE/Z−幾何異性体の形態が特に用いられることとなる:
【0060】
本発明の特に好ましい一態様に従えば、化合物2−エトキシエチル(2Z)−シアノ{3−[(3−メトキシプロピル)アミノ]シクロヘキサ−2−エン−1−イリデン}エタノエート(25)が、そのE/Eおよび/またはE/Z幾何構造で用いられることとなる。
【0061】
E/Z形態は、以下の構造を有する:
【化5】
【0062】
E/E形態は、以下の構造を有する:
【化6】
【0063】
本発明に従うメロシアニンは、本発明に従う組成物中に、組成物の総質量に対して、0.1質量%から10質量%、優先的に0.2質量%から5質量%の範囲の濃度で存在してよい。
【0064】
式(1)および式(2)の、そして特に式(3)の化合物は、例えば、J.Org.Chem.USSR(英語版)26(8),p.1562f(1990);J.Heterocycl.Chem.33(3),p.763−766(1996);Khimiya Geterotsiklicheskikh Soedinenii 11,p.1537−1543(1984);Khimiya Geterotsiklicheskikh Soedinenii 3,p.397−404(1982);Chem.Heterocycl.Comp.(英語版)24(8),914−919(1988)に、そしてSynthetic Communications Vol.33,No.3,2003,p367−371に記載されるような既知のプロセスに従って調製され得る。
【0065】
本発明で用いられる化合物の合成は、米国特許出願公開第2003/0181483A1号明細書、国際公開第0234710号パンフレット、Eur.J.Org.Chem.2003,2250−2253、J.Med.Chem.1996,39,1112−1124、およびJ.Org.Chem.,Vol.37,No.8,1972,1141−1145にも、以下のように記載されている。
【化7】
【0066】
CH酸ビニログ性(vinylogen)化合物が、アミドアセタールと反応する。
【0067】
文献J.Heterocyclic Chem.,27,1990,1143−1151において、アミノアクリル酸エステルまたはアミノアクリルニトリルが、エトキシメチレンシアノアセテートとエタノール中で反応して、本発明の対応する化合物を形成する。
【0068】
一方でR
4およびR
5が、または他方でR
9およびR
10が一緒に、それぞれ、6個の炭素原子を含有する炭素環を形成する式(1)または式(2)の化合物は、国際公開第2007/071582号パンフレット、IP.com Journal(2009),9(5A),29−30 IPCOM000182396D、表題「Process for producing 3−amino−2−cyclohexan−1−ylidene compounds」、および米国特許第A4749643号明細書、第13欄第66行〜第14欄第57行に、そしてこの点に関して引用される参考文献に記載されるプロトコルに従って、調製され得る。
【0069】
N−置換アミド
本発明に従うアミドは、好ましくは、以下の式(4):
【化8】
(式中:
R
1基は、飽和または不飽和の、脂肪族、脂環式、または環状の、場合によっては官能化されている、両端を含む1から8個の炭素原子、好ましくは1から4個の炭素原子を含有する、一価の炭化水素ベースの基を表し;
R
2、R
3、およびR
4基は、同一であっても異なってもよく、飽和または不飽和の、脂肪族、脂環式、または環状の、場合によっては官能化されている、両端を含む1から30個の炭素原子、好ましくは1から22個の炭素原子を含有する、一価の炭化水素ベースの基を表し;
kは、0または1であり;
iは、0から2の整数であり;
jは、0または1であり;
但し:
j=1である場合、kは0であり、そして
j=0である場合、i=0、かつk=1であり、そしてR
1は、不飽和環状炭化水素ベースの基、例えばアリール基、例えばフェニルまたはナフチルを表し、これは、場合によっては、特にアルキル、例えばトリル基で置換されていてよい:)
あるいは式(4)のアミドから選択され、(式中:
R
1は、直鎖状もしくは分枝状のC
1〜C
4アルキル基;直鎖状もしくは分枝状のC
2〜C
4アルケニル基、またはアリール基を表し;
R
2は、水素原子、または直鎖状もしくは分枝状のC
1〜C
6アルキル基を表し;
R
3は、水素原子、または直鎖状もしくは分枝状のC
1〜C
6アルキル基を表し;
R
4は、直鎖状もしくは分枝状のC
1〜C
10アルキル基、直鎖状もしくは分枝状のC
2〜C
10アルケニル基、またはステロール残基を表し;
但し:
j=1である場合、kは0であり、そして
j=0である場合、i=0、かつk=1であり、そしてR
1は、不飽和環状炭化水素ベースの基、例えばアリール基、例えばフェニルまたはナフチルを表し、これは、場合によっては、特にアルキル、例えばトリル基で置換されていてよい)
の化合物から選択される。
【0070】
脂肪族飽和炭化水素ベース基の例として、特に、直鎖状または分枝状の、置換されている、または置換されていないC
1〜C
30、好ましくはC
1〜C
22のアルキル基、特にメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル、n−アミル、イソアミル、ネオペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、tert−オクチル、デシル、ラウリル、およびオクタデシル基が言及され得る。
【0071】
飽和環状炭化水素ベース基の例として、特に、場合によっては、特にアルキル基で置換されていてよいシクロペンチル基およびシクロヘキシル基が言及され得る。
【0072】
不飽和脂肪族炭化水素ベース基の例として、特に、直鎖状または分枝状の、置換されている、または置換されていないC
2〜C
30、好ましくはC
2〜C
22のアルケニル基またはアルキニル基、特にビニル、アリル、オレイル、およびリノレイル基が言及され得る。
【0073】
不飽和環状炭化水素ベース基の例として、特に、場合によっては、特にアルキル、例えばトリル基で置換されていてよいアリール基、例えばフェニルおよびナフチルが言及され得、そして不飽和脂環式基の例として、特に、ベンジル基およびフェニルエチル基が言及され得る。
【0074】
用語「官能化された基」は、特に、その化学構造において、主鎖内そして二次結合上の双方に、特にエステル、エーテル、アルコール、アミン、アミド、およびケトン型の、好ましくはエステル型の1つまたは複数の官能基を含む基であることが意図される。
【0075】
式(4)の優先アミドは、式中:
R
1が、直鎖状もしくは分枝状のC
1〜C
4アルキル基;直鎖状もしくは分枝状のC
2〜C
4アルケニル基、またはアリールもしくはベンジル基、例えばトリル、フェニル、もしくはキシリルを表し;
R
2が、水素原子、または直鎖状もしくは分枝状のC
1〜C
6アルキル基、好ましくは直鎖状もしくは分枝状のC
1〜C
6アルキル基を表し;
R
3が、水素原子、または直鎖状もしくは分枝状のC
1〜C
6アルキル基を表し;
R
4が、直鎖状もしくは分枝状のC
1〜C
10アルキル基、直鎖状もしくは分枝状のC
2〜C
10アルケニル基、またはステロール残基を表すものから選択される。
【0076】
先で示される式(4)において、R
1(CO)−基は、好ましくは酢酸、トルイル酸、およびカプリン酸からなる群から選択される酸のアシル基である。これらの酸は、ヒドロキシル基を含有してもよい。
【0077】
式(4)において、jが1である場合、アミノ酸エステルの−N(R
2)CH(R
3)(CH
2)q(CO)−部分は、好ましくは、以下のアミノ酸:グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、トレオニン、プロリン、ヒドロキシプロリン、β−アラニン、N−ブチル−β−アラニン、アミノ酪酸、アミノカプロン酸、サルコシン、またはN−メチル−β−アラニンに相当するものから選択される。
【0078】
式(4)において、jが1である場合、基OR
4に相当するアミノ酸エステルの部分は、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、tert−ブタノール、イソブタノール、3−メチル−1−ブタノール、2−メチル−1−ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、オクタノール、2−エチルヘキサノール、デカノール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、ベヘニルアルコール、ホホバアルコール、2−ヘキサデシルアルコール、2−オクチルドデカノールアルコール、およびイソステアリルアルコールによって形成される群から選択されるアルコールから得られてよい。
【0079】
本発明に従う式(4)のアミドは、それ自体知られている。いくつかが、特に、味の素株式会社による特許出願欧州特許第1044676号明細書および欧州特許第0928608号明細書中に、その調製方法と共に記載されている。他にも、化粧品業界において、駆虫剤として、例えばN−アセチルN−ブチルアミノプロピオネートまたはN,N−ジエチルトルアミドとして知られている。
【0080】
特に好ましい式(4)の化合物のうち、以下の式:
【化9】
を有するN−アセチルN−ブチルアミノプロピオネート、例えば、商標名Repellent R3535でMerck社によって販売される製品;
および以下の式:
【化10】
を有するN,N−ジエチルトルアミド、例えば、商標名DEETで昭和電工株式会社によって販売される製品
が言及され得る。
【0081】
先で定義されたアミドは、本発明に従う組成物中に、組成物の総質量に対して、好ましくは0.1質量%から95質量%、特に0.5%質量%から50質量%、より優先的に1質量%から20質量%の範囲の濃度で存在する。
【0082】
油性相
本発明に従う組成物は、少なくとも1つの油性相を含む。
【0083】
本発明の目的のために、用語「油性相」は、少なくとも1つの油、ならびに、本発明の組成物の製剤化に用いられる脂溶性の成分および親油性の成分ならびに脂質の全てを含む相を意味することが意図される。
【0084】
用語「油」は、周囲温度(20〜25℃)かつ大気圧(760mmHg)にて液体形態であるあらゆる脂質を意味することが意図される。
【0085】
油性相は、メロシアニンスクリーニング剤ならびに、場合によっては、親油性の追加のスクリーニング剤およびN,N−二置換アミドに加えて、本発明に従って、少なくとも1つの揮発性もしくは非揮発性の炭化水素ベースの油、ならびに/または1つの揮発性のシリコーン油および/もしくは非揮発性のシリコーン油、ならびに/または1つの揮発性のフルオロ油および/もしくは非揮発性のフルオロ油を含んでよい。
【0086】
本発明の目的のために、用語「シリコーン油」は、少なくとも1つのケイ素原子、特に少なくとも1つのSi−O基を含む油を意味することが意図される。
【0087】
用語「炭化水素ベースの油」は、主に、水素原子および炭素原子、ならびに場合によっては1つまたは複数のヘテロ原子、特に窒素および酸素を含有する油を意味することが意図される。ゆえに、当該油は、特に、1つまたは複数の、カルボキシ、エステル、エーテル、ヒドロキシル官能基を含有してよい。
【0088】
用語「フルオロ油」は、少なくとも1つのフッ素原子を含む油を意味することが意図される。
【0089】
本発明の目的のために、用語「揮発性油」は、皮膚またはケラチン繊維と接触して直ぐに、1時間未満で、周囲温度かつ大気圧にて蒸発することができる油を意味することが意図される。本発明の揮発性油は、周囲温度にて液体であり、そして周囲温度、かつ、特に0.13Paから40000Pa(10
−3から300mmHg)に及ぶ、特に1.3Paから13000Pa(0.01から100mmHg)に及ぶ、特に1.3Paから1300Pa(0.01から10mmHg)に及ぶ大気圧にて蒸気圧がゼロでない、揮発性の化粧用油である。
【0090】
用語「非揮発性油」は、周囲温度かつ大気圧にて少なくとも数時間、皮膚またはケラチン繊維上に残り、そして特に、蒸気圧が10
−3mmHg(0.13Pa)未満である油を意味することが意図される。
【0091】
炭化水素ベースの油
特に、本発明に従って用いられ得る非揮発性の炭化水素ベースの油として、以下が言及され得る:
(i)植物起源の炭化水素ベースの油、例えばグリセリドトリエステル;これは一般に、脂肪酸の、そしてグリセロールのトリエステルであり、この脂肪酸は、鎖長がC
4からC
24まで変化に富んでよく、これらの鎖は、飽和していることも不飽和であることも、そして直鎖状であることも分枝状であることも可能である;これらの油として、特に、小麦麦芽油、ヒマワリ油、ブドウ種子油、胡麻油、トウモロコシ油、アプリコット油、ヒマシ油、シア油、アボカド油、オリーブ油、ダイズ油、スイートアーモンド油、パーム油、ナタネ油、綿実油、ヘイゼルナッツ油、マカダミア油、ホホバ油、アルファルファ油、ポピー油、カボチャ油、マロー油、クロフサスグリ油、マツヨイグサ油、ミレット油、オオムギ油、キノア油、ライムギ油、サフラワー油、ククイノキ油、トケイソウ油、およびマスクローズ油;またはカプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、例えば、Stearineries Duboisによって販売されるもの、またはMiglyol 810(登録商標)、812(登録商標)、および818(登録商標)の名でDynamit Nobelによって販売されるもの;
(ii)10から40個の炭素原子を有する合成エーテル;
(iii)鉱物起源または合成起源の直鎖状または分枝状の炭化水素、例えば石油ゼリー、ポリデセン、水素化ポリイソブテン、例えばParleam、スクアラン、およびそれらの混合物;
(iv)合成エステル、例えば式RCOOR’の油;式中、Rは、1から40個の炭素原子を含有する直鎖状脂肪酸残基または分枝状脂肪酸残基を表し、R’は、特に分枝状の、1から40個の炭素原子を含有する炭化水素ベースの鎖を表し、R+R’が≧10である条件にあり、例えば、パーセリン油、(オクタノン酸セトステアリル)、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、安息香酸アルキルC
12〜C
15、例えば、Finsolv TN(登録商標)もしくはWitconol TN(登録商標)の商標名でWitco社によって、またはTegosoft TN(登録商標)の商標名でEvonik Goldschmidt社によって販売される製品、安息香酸2−エチルフェニル、例えば、X−Tend 226(登録商標)の名でISP社によって販売される市販の製品、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、アジピン酸ジイソプロピル、イソノナン酸イソノニル、エルカ酸オレイル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、イソステアリン酸イソステアリル、セバシン酸ジイソプロピル、例えば、Dub Disの名でStearinerie Dubois社によって販売される製品、アルコールまたはポリアルコールのオクタノエート、デカノエート、またはリシノレエート、例えばプロピレングリコールジオクタノエート;水酸化エステル、例えば乳酸イソステアリルまたはリンゴ酸ジイソステアリル;およびペンタエリトリトールエステル;シトレートまたはタルトレート、例えばジ(直鎖状C
12〜C
13アルキル)タルトレート、例えば、Cosmacol ETI(登録商標)の名でEnichem Augusta Industriale社によって販売されるもの、およびジ(直鎖状C
14〜C
15アルキル)タルトレート、例えば、Cosmacol ETL(登録商標)の名で同企業によって販売されるもの;あるいはアセテート;
(v)周囲温度にて液体であり、かつ12から26個の炭素原子を含む炭素鎖が、分枝状かつ/または不飽和である脂肪族アルコール、例えばオクチルドデカノール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、2−ヘキシルデカノール、2−ブチルオクタノール、または2−ウンデシルペンタデカノール;
(vi)C
12〜C
22の高級脂肪酸、例えばオレイン酸、リノール酸、またはリノレン酸;
(vii)カーボネート、例えばジカプリリルカーボネート、例えばCetiol CC(登録商標)の名でCognis社によって販売される製品;
ならびにそれらの混合物がある。
【0092】
本発明に従って用いられ得る非揮発性の炭化水素ベースの油のうち、特にグリセリドトリエステル、特にカプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、合成エステル、そして特にイソノナン酸イソノニル、エルカ酸オレイル、安息香酸アルキルC
12〜C
15、安息香酸2−エチルフェニル、および脂肪族アルコール、特にオクチルドデカノールが優先されることとなる。
【0093】
本発明に従って用いられ得る揮発性の炭化水素ベースの油として、特に、8から16個の炭素原子を含有する炭化水素ベースの油、特に、分枝状C
8〜C
16アルカン、例えば石油起源のC
8〜C
16イソアルカン(イソパラフィンとしても知られている)、例えばイソドデカン(2,2,4,4,6−ペンタメチルヘプタンとしても知られている)、イソデカンまたはイソヘキサデカン、IsoparまたはPermethylの商標名で販売される油、分枝状C
8〜C
16エステル、ネオペンタン酸イソヘキシル、およびそれらの混合物が言及され得る。
【0094】
また、Cognisの国際公開第2007/068371号パンフレットまたは国際公開第2008/155059号パンフレットに記載されるアルカン(少なくとも1つの炭素によって異なる別個のアルカンの混合物)が言及され得る。当該アルカンは、脂肪族アルコールから得られ、これはそれ自体、ココナッツ油またはパーム油から得られる。Cognis社の国際公開第2008/155059号パンフレットの実施例1および実施例2において得られるn−ウンデカン(C
11)およびn−トリデカン(C
13)の混合物が言及され得る。また、Parafol 12−97およびParafol 14−97(登録商標)の各リファレンスでSasolによって販売されるn−ドデカン(C
12)およびn−テトラデカン(C
14)、ならびにそれらの混合物が言及され得る。
【0095】
他の揮発性の炭化水素ベースの油、例えば石油蒸留物、特にShell Solt(登録商標)の名でShell社によって販売されるものが用いられてもよい。一実施形態に従えば、揮発性の溶媒は、8から16個の炭素原子を有する揮発性の炭化水素油およびその混合物から選択される。
【0096】
b)シリコーン油
非揮発性のシリコーン油は、特に、不揮発性ポリジメチルシロキサン(PDMS)、シリコーン鎖から突き出ており(pendent)、かつ/もしくはシリコーン鎖の末端にあるアルキル基もしくはアルコキシ基であって、2から24個の炭素原子をそれぞれ有する基を含むポリジメチルシロキサン、またはフェニル化シリコーン、例えばフェニルトリメチコン、フェニルジメチコン、フェニル(トリメチルシロキシ)ジフェニルシロキサン、ジフェニルジメチコン、ジフェニル(メチルジフェニル)トリシロキサン、もしくは(2−フェニルエチル)トリメチルシロキシシリケートから選択され得る。
【0097】
言及され得る揮発性のシリコーン油の例として、揮発性の直鎖状または環状のシリコーン油、特に
粘度が≦8センチストーク(8×10
−6m
2/s)であり、特に、2から7個のケイ素原子を有するものが挙げられ、当該シリコーンは、場合によっては、1から10個の炭素原子を有するアルキル基またはアルコキシ基を含む。本発明で用いられ得る揮発性のシリコーン油として、特に、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、ヘプタメチルヘキシルトリシロキサン、ヘプタメチルオクチルトリシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、およびドデカメチルペンタシロキサン、ならびにそれらの混合物が言及され得る。
【0098】
また、一般式(I):
【化11】
(式中、Rは、2から4個の炭素原子を含むアルキル基を表し、その1つまたは複数の水素原子は、フッ素原子または塩素原子で置換されていてよい)
の揮発性の直鎖状アルキルトリシロキサン油が言及され得る。
【0099】
一般式(I)の油のうち、以下が言及され得る:
3−ブチル−1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチルトリシロキサン、
3−プロピル−1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチルトリシロキサン、および
3−エチル−1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチルトリシロキサン、
これらは、式(I)の油に相当し、Rは、それぞれ、ブチル基、プロピル基、またはエチル基である。
【0100】
フルオロ油
揮発性のフルオロ油、例えばノナフルオロメトキシブタン、デカフルオロペンタン、テトラデカフルオロヘキサン、ドデカフルオロペンタン、およびそれらの混合物もまた用いられ得る。
【0101】
本発明に従う油性相は、油と混合され、または油中に溶解した、他の脂質を含んでもよい。
【0102】
油性相中に存在し得る別の脂質として、例えば、以下があり得る:
8から30個の炭素原子を含む脂肪酸、例えばステアリン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、およびオレイン酸から選択される脂肪酸;
ワックス、例えば、ラノリン、蜜蝋、カルナウバワックスもしくはキャンデリラワックス、パラフィンワックス、亜炭ワックス、ミクロクリスタリンワックス、セレシンもしくはオゾケライト、または合成ワックス、例えばポリエチレンワックスもしくはFischer−Tropschワックスから選択されるワックス;
シリコーンゴム(ジメチコノール)から選択されるゴム;
ペースト状の化合物、例えばポリマーシリコーン化合物または非ポリマーシリコーン化合物、グリセロールオリゴマーのエステル、プロピオン酸アラキジル、脂肪酸トリグリセリド、およびそれらの誘導体;
ならびにそれらの混合物。
【0103】
優先的に、油性相全体は、この同じ相中に溶解することができる組成物の全親油性物質を含み、組成物の総質量に対して、5質量%から95質量%、優先的に10質量%から80質量%を表す。
【0104】
水性相
本発明に従う組成物はまた、少なくとも1つの水性相を含んでもよい。
【0105】
水性相は、水、および場合によっては他の水溶性または水混和性の有機溶媒を含有する。
【0106】
本発明での使用に適した水性相は、例えば、天然の湧き水、例えばLa Roche−Posay由来の水、Vittel由来の水、もしくはVichy由来の水、またはフローラルウォーターから選択される水を含んでよい。
【0107】
本発明での使用に適した水溶性または水混和性の溶媒は、短い鎖のモノアルコール、例えばC
1〜C
4モノアルコール、例えばエタノールまたはイソプロパノール;ジオールまたはポリオール、例えばエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、2−エトキシエタノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、グリセロール、およびソルビトール、ならびにそれらの混合物を含む。
【0108】
好ましい実施形態に従えば、特に、エタノール、プロピレングリコール、グリセロール、およびそれらの混合物が用いられ得る。
【0109】
本発明の特定の一形態に従えば、水性相全体は、この同じ相中に溶解することができる組成物の全親水性物質を含み、組成物の総質量に対して、5質量%から95質量%、優先的に10質量%から80質量%を表す。
【0110】
添加剤
a)追加のUVスクリーニング剤:
本発明に従う組成物はまた、親水性、親油性、もしくは不溶の有機UVスクリーニング剤、および/または1つもしくは複数の鉱物色素から選択される1つまたは複数の追加のUVスクリーニング剤を含有してもよい。これは優先的に、少なくとも1つの親水性、親油性、または不溶の有機UVスクリーニング剤で構成されることとなる。
【0111】
用語「親水性UVスクリーニング剤」は、UV放射線をスクリーニングするあらゆる化粧用または皮膚科用の有機化合物または無機化合物を意味することが意図され、これは、液体水性相中で分子の形態で完全に溶解され得、または液体水性相中でコロイド状の形態で(例えばミセル形態で)溶解され得る。
【0112】
用語「親油性スクリーニング剤」は、UV放射線をスクリーニングするあらゆる化粧用または皮膚科用の有機化合物または無機化合物を意味することが意図され、これは、液体脂肪相中で分子の形態で完全に溶解され得、または液体脂肪相中でコロイド状の形態で(例えばミセル形態で)溶解され得る。
【0113】
用語「不溶のUVスクリーニング剤」は、UV放射線をスクリーニングするあらゆる化粧用または皮膚科用の有機化合物または無機化合物を意味することが意図され、これは、水中の溶解性が0.5質量%未満であり、かつ大部分の有機溶媒、例えば流動パラフィン、脂肪族アルコールベンゾエート、および脂肪酸トリグリセリド、例えば、Dynamit Nobel社によって販売されるMiglyol 812(登録商標)中の溶解性が0.5質量%未満である。この溶解性は、70℃にて判定されて、周囲温度に戻した後に懸濁液中に過剰の固体が存在する平衡時の溶媒における、溶液中の製品の量と定義される。これは、ラボで容易に評価され得る。
【0114】
追加の有機UVスクリーニング剤は、特に、ケイ皮化合物;アントラニレート化合物;サリチル酸化合物(salicylic compound);ジベンゾイルメタン化合物;ベンジリデンカンファー化合物;ベンゾフェノン化合物;β,β−ジフェニルアクリレート化合物;トリアジン化合物;ベンゾトリアゾール化合物;ベンザルマロネート化合物、特に、米国特許第5624663号明細書に引用されるもの;ベンズイミダゾール誘導体;イミダゾリン化合物;欧州特許669323号明細書および米国特許第2463264号明細書に記載されるビスベンザゾリル化合物;p−アミノ安息香酸(PABA)化合物;米国特許第5237071号明細書、米国特許第5166355号明細書、英国特許第2303549号明細書、独国特許第19726184号明細書、および欧州特許第893119号明細書に記載されるメチレンビス(ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール)化合物;欧州特許第0832642号明細書、欧州特許第1027883号明細書、欧州特許第1300137号明細書、および独国特許第10162844号明細書に記載されるベンゾキサゾール化合物;スクリーニングポリマーおよびスクリーニングシリコーン、例えば、特に、国際公開第93/04665号パンフレットに記載されるもの;α−アルキルスチレンベースのダイマー、例えば独国特許第19855649号明細書に記載されるもの;欧州特許第0967200号明細書、独国特許第19746654号明細書、独国特許第19755649号明細書、欧州特許出願公開第A−1008586号明細書、欧州特許第1133980号明細書、および欧州特許第133981号明細書に記載される4,4−ジアリールブタジエン化合物、ならびにそれらの混合物から選択される。
【0115】
有機光防護剤の例として、以下にINCI名で示されるものが言及され得る:
【0116】
ケイ皮化合物:
特に、Parsol MCX(登録商標)の商標名でDSM Nutritional Productsによって販売されるメトキシケイ皮酸エチルヘキシル、
メトキシケイ皮酸イソプロピル、
Neo Heliopan E 1000(登録商標)の商標名でSymriseによって販売されるp−メトキシケイ皮酸イソアミル、
メトキシケイ皮酸DEA、
ジイソプロピルケイ皮酸メチル、
ジメトキシケイ皮酸エチルヘキサン酸グリセリル。
【0117】
ジベンゾイルメタン化合物:
特に、Parsol 1789(登録商標)の商標名でDSM Nutritional Productsによって販売される、ブチルメトキシジベンゾイルメタン、
イソプロピルジベンゾイルメタン。
【0118】
para−アミノ安息香酸化合物(para−Aminobenzoic compound):
PABA、
エチルPABA、
エチルPABAジヒドロキシプロピル、
特に、Escalol 507(登録商標)の名でISPによって販売されるジメチルPABAエチルヘキシル、
グリセリルPABA、
Uvinul P 25(登録商標)の名でBASFによって販売されるPEG−25 PABA。
【0119】
サリチル酸化合物:
Eusolex HMS(登録商標)の名でRona/EM Industriesによって販売されるホモサレート、
Neo Heliopan OS(登録商標)の名でSymriseによって販売されるサリチル酸エチルヘキシル、
Dipsal(登録商標)の名でScherによって販売されるサリチル酸ジプロピレングリコール、
Neo Heliopan TS(登録商標)の名でSymriseによって販売されるサリチル酸TEA。
【0120】
β,β−ジフェニルアクリレート化合物:
特に、Uvinul N 539(登録商標)の商標名でBASFによって販売されるオクトクリレン、
特に、Uvinul N 35(登録商標)の商標名でBASFによって販売されるエトクリレン。
【0121】
ベンゾフェノン化合物:
Uvinul 400(登録商標)の商標名でBASFによって販売されるベンゾフェノン−1、
Uvinul D 50(登録商標)の商標名でBASFによって販売されるベンゾフェノン−2、
Uvinul M 40(登録商標)の商標名でBASFによって販売されるベンゾフェノン−3またはオキシベンゾン、
Uvinul MS 40(登録商標)の商標名でBASFによって販売されるベンゾフェノン−4、
ベンゾフェノン−5、
Helisorb 11(登録商標)の商標名でNorquayによって販売されるベンゾフェノン−6、
Spectra−Sorb UV−24(登録商標)の商標名でAmerican Cyanamidによって販売されるベンゾフェノン−8、
Uvinul DS 49(登録商標)の商標名でBASFによって販売されるベンゾフェノン−9、
ベンゾフェノン−12、
Uvinul A Plus(登録商標)の商標名で、またはメトキシケイ皮酸オクチルとの混合物として、Uvinul A Plus B(登録商標)の商標名でBASFによって販売されるn−ヘキシル2−(4−ジエチルアミノ−2−ヒドロキシベンゾイル)ベンゾエート、
例えば国際公開第2007/071584号パンフレットに記載される、1,1’−(1,4−ピペラジンジイル)ビス[1−[2−[4−(ジエチルアミノ)−2−ヒドロキシベンゾイル]フェニル]メタノン](CAS 919803−06−8);この化合物は、有利には、微粒状にされた形態(0.02から2μmの平均サイズ)で(これは、例えば、英国公開特許第A−2303549号明細書および欧州特許出願公開第A−893119号明細書に記載される微粉化プロセスに従って得られ得る)、そして特に水性分散系の形態で、用いられる。
【0122】
ベンジリデンカンファー化合物:
Mexoryl SD(登録商標)の名でChimexによって製造される3−ベンジリデンカンファー、
Eusolex 6300(登録商標)の名でMerckによって販売される4−メチルベンジリデンカンファー、
Mexoryl SL(登録商標)の名でChimexによって製造されるベンジリデンカンファースルホン酸、
Mexoryl SO(登録商標)の名でChimexによって製造されるメト硫酸カンファーベンザルコニウム、
Mexoryl SX(登録商標)の名でChimexによって製造されるテレフタリリデンジカンファースルホン酸、
Mexoryl SW(登録商標)の名でChimexによって製造されるポリアクリルアミドメチルベンジリデンカンファー。
【0123】
フェニルベンズイミダゾール化合物:
特に、Eusolex 232(登録商標)の商標名でMerckによって販売されるフェニルベンズイミダゾールスルホン酸。
【0124】
ビスベンザゾリル化合物:
Neo Heliopan AP(登録商標)の商標名でHaarmann and Reimerによって販売されるフェニルジベンズイミダゾールテトラスルホン酸二ナトリウム。
【0125】
フェニルベンゾトリアゾール化合物:
Silatrizole(登録商標)の名でRhodia Chimieによって販売されるドロメトリゾールトリシロキサン。
【0126】
メチレンビス(ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール)化合物:
メチレンビス(ベンゾトリアゾリル)テトラメチルブチルフェノール、特に固体形態(例えば、Mixxim BB/100(登録商標)の商標名でFairmount Chemicalによって販売される製品)、または微粒状にされた粒子の水性分散系の形態(平均粒子サイズが0.01から5μm、より優先的に0.01から2μm、特に0.020から2μmに及び、構造C
nH
2n+1O(C
6H
10O
5)
xHを有する少なくとも1つのアルキルポリグルコシド界面活性剤を伴い、式中、nは、8から16の整数であり、xは、(C
6H
10O
5)単位の平均重合度であり、1.4から1.6に及び、特に、英国公開特許第A−2303549号明細書に記載され、Tinosorb M(登録商標)の商標名でBASFによって販売される)、または微粒状にされた粒子の水性分散系(平均粒子サイズが0.02から2μm、より優先的に0.01から1.5μm、特に0.02から1μmに及び、少なくとも1つのポリグリセリルモノ(C
8〜C
20)アルキルエステルの存在下で、グリセロール重合度が少なくとも5である)、例えば国際公開第2009/063392号パンフレットに記載される水性分散系の形態。
【0127】
トリアジン化合物:
Tinosorb S(登録商標)の商標名でBASFによって販売されるビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、
特に、Uvinul T 150(登録商標)の商標名でBASFによって販売されるエチルヘキシルトリアゾン、
Uvasorb HEB(登録商標)の商標名でSigma 3Vによって販売されるジエチルヘキシルブタミドトリアゾン、
2,4,6−トリス(ジネオペンチル4’−アミノベンザルマロネート)−s−トリアジン、
2,4,6−トリス(ジイソブチル4’−アミノベンザルマロネート)−s−トリアジン、
2,4−ビス(n−ブチル4’−アミノベンゾエート)−6−(アミノプロピルトリシロキサン)−s−トリアジン、
2,4−ビス(ジネオペンチル4’−アミノベンザルマロネート)−6−(n−ブチル4’−アミノベンゾエート)−s−トリアジン、
米国特許第6225467号明細書、国際公開第2004/085412号パンフレット(化合物6および化合物9参照)、または文献「Symmetrical Triazine Derivatives」,IP.COM IPCOM000031257 Journal,INC West Henrietta,NY,US(2004年9月20日)に記載されるナフタレニル基またはポリフェニル基で置換されている対称性トリアジンスクリーニング剤、特に2,4,6−トリス(ジフェニル)トリアジンおよび2,4,6−トリス(テルフェニル)トリアジン、これはまた、国際公開第06/035000号パンフレット、国際公開第06/034982号パンフレット、国際公開第06/034991号パンフレット、国際公開第06/035007号パンフレット、国際公開第2006/034992号パンフレット、および国際公開第2006/034985号パンフレットでも言及されており、これらの化合物は、有利には、微粒状にされた形態(0.02〜3μmの平均粒子サイズ)(例えば、英国公開特許第A−2303549号明細書および欧州特許出願公開第A−893119号明細書に記載される微粉化プロセスに従って得られ得る)、特に水性分散系の形態で用いられる、
欧州特許第0841341号明細書に記載される、2つのアミノベンゾエート基で置換されたシリコーントリアジン、特に、2,4−ビス(n−ブチル4’−アミノベンザルマロネート)−6−[(3−{1,3,3,3−テトラメチル−1−[(トリメチルシリル)オキシ]ジシロキサニル}プロピル)アミノ]−s−トリアジン。
【0128】
アントラニル酸化合物(anthranilic compound):
Neo Heliopan MA(登録商標)の商標名でSymriseによって販売されるアントラニル酸メンチル。
【0129】
イミダゾリン化合物:
ジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリンプロピオン酸エチルヘキシル。
【0130】
ベンザルマロネート化合物:
ベンザルマロネート官能基を含むポリオルガノシロキサン、例えば、Parsol SLX(登録商標)の商標名でHoffmann−LaRocheによって販売されるPolysilicone−15。
【0131】
4,4−ジアリールブタジエン化合物:
1,1−ジカルボキシ(2,2’−ジメチルプロピル)−4,4−ジフェニルブタジエン。
【0132】
ベンゾキサゾール化合物:
Uvasorb K2A(登録商標)の名でSigma 3Vによって販売される2,4−ビス[5−(1−ジメチルプロピル)ベンズオキサゾール−2−イル(4−フェニル)イミノ]−6−(2−エチルヘキシル)イミノ−1,3,5−トリアジン。
【0133】
優先される有機スクリーニング剤は、以下から選択される:
メトキシケイ皮酸エチルヘキシル
サリチル酸エチルヘキシル、
ホモサレート、
ブチルメトキシジベンゾイルメタン
オクトクリレン、
フェニルベンズイミダゾールスルホン酸、
ベンゾフェノン−3、
ベンゾフェノン−4、
ベンゾフェノン−5、
n−ヘキシル2−(4−ジエチルアミノ−2−ヒドロキシベンゾイル)ベンゾエート、
4−メチルベンジリデンカンファー、
テレフタリリデンジカンファースルホン酸、
フェニルジベンズイミダゾールテトラスルホン酸二ナトリウム、
メチレンビス(ベンゾトリアゾリル)テトラメチルブチルフェノール、
ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、
エチルヘキシルトリアゾン
ジエチルヘキシルブタミドトリアゾン、
2,4,6−トリス(ジネオペンチル4’−アミノベンザルマロネート)−s−トリアジン、
2,4,6−トリス(ジイソブチル4’−アミノベンザルマロネート)−s−トリアジン、
2,4−ビス(n−ブチル4’−アミノベンゾエート)−6−(アミノプロピルトリシロキサン)−s−トリアジン、
2,4−ビス(ジネオペンチル4’−アミノベンザルマロネート)−6−(n−ブチル4’−アミノベンゾエート)−s−トリアジン、
2,4−ビス(n−ブチル4’−アミノベンザルマロネート)−6−[(3−{1,3,3,3−テトラメチル−1−[(トリメチルシリル)オキシ]ジシロキサニル}プロピル)アミノ]−s−トリアジン、
2,4,6−トリス(ジフェニル)トリアジン、
2,4,6−トリス(テルフェニル)トリアジン、
ドロメトリゾールトリシロキサン、
ポリシリコーン−15、
1,1−ジカルボキシ(2,2’−ジメチルプロピル)−4,4−ジフェニルブタジエン、
2,4−ビス[5−(1−ジメチルプロピル)ベンゾオキサゾール−2−イル−(4−フェニル)イミノ]−6−(2−エチルヘキシル)イミノ−1,3,5−トリアジン、
およびそれらの混合物。
【0134】
特に好ましい有機スクリーニング剤は、以下から選択される:
サリチル酸エチルヘキシル、
ホモサレート、
ブチルメトキシジベンゾイルメタン、
オクトクリレン、
n−ヘキシル2−(4−ジエチルアミノ−2−ヒドロキシベンゾイル)ベンゾエート、
テレフタリリデンジカンファースルホン酸、
ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、
エチルヘキシルトリアゾン、
ジエチルヘキシルブタミドトリアゾン、
2,4−ビス(n−ブチル4’−アミノベンザルマロネート)−6−[(3−{1,3,3,3−テトラメチル−1−[(トリメチルシリル)オキシ]ジシロキサニル}プロピル)アミノ]−s−トリアジン、
ドロメトリゾールトリシロキサン
およびそれらの混合物。
【0135】
本発明に従って用いられる無機UVスクリーニング剤は、金属酸化物色素である。より優先的に、本発明の無機UVスクリーニング剤は、平均基本粒子サイズが0.5μm以下、より優先的に0.005から0.5μm、さらに優先的に0.01から0.2μm、より良好には0.01から0.1μm、特に0.015から0.05μmである金属酸化物粒子である。
【0136】
これは特に、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化ジルコニウム、および酸化セリウム、またはそれらの混合物から選択されてよい。
【0137】
そのようなコーティングされた、またはコーティングのない金属酸化物色素は、特に、欧州特許出願公開第A−0518773号明細書に記載されている。言及され得る市販の色素として、Sachtleben Pigments社、テイカ株式会社、Merck社、およびDegussa社によって販売される製品が挙げられる。
【0138】
金属酸化物色素は、コーティングされていてもよいし、コーティングされていなくてもよい。
【0139】
コーティングされた色素は、化合物、例えばアミノ酸、蜜蝋、脂肪酸、脂肪族アルコール、陰イオン界面活性剤、レシチン、脂肪酸のナトリウム、カリウム、亜鉛、鉄、もしくはアルミニウム塩、(チタンまたはアルミニウムの)金属アルコキシド、ポリエチレン、シリコーン、タンパク質(コラーゲン、エラスチン)、アルカノールアミン、酸化ケイ素、金属酸化物、またはヘキサメタリン酸ナトリウムによる、化学的性質、電子的性質、機械化学的性質、および/または機械的性質の1つまたは複数の表面処置を受けた色素である。
【0140】
コーティングされた色素は、特に、以下でコーティングされた酸化チタンである:
シリカ、例えば、池田物産株式会社の製品Sunveil(登録商標)、
シリカおよび酸化鉄、例えば、池田物産株式会社の製品Sunveil F(登録商標)、
シリカおよびアルミナ、例えば、テイカ株式会社の製品Microtitanium Dioxide MT 500 SA(登録商標)およびMicrotitanium Dioxide MT 100 SA、ならびにTioxide社のTioveil、
アルミナ、例えば石原産業株式会社の製品Tipaque TTO−55(B)(登録商標)およびTipaque TTO−55(A)(登録商標)、ならびにSachtleben Pigments社のUVT 14/4、
アルミナおよびステアリン酸アルミニウム、例えばテイカ株式会社の製品Microtitanium Dioxide MT 100 T(登録商標)、MT 100 TX(登録商標)、MT 100 Z(登録商標)、およびMT−01(登録商標)、Croda社の製品Solaveil CT−10 W(登録商標)、Solaveil XT−300(登録商標)、およびSolaveil CT 100(登録商標)、Merck社の製品Eusolex T−AVO(登録商標)、ならびにSachtleben Pigments社の製品UV Titan M 160、
シリカ、アルミナ、およびアルギン酸、例えばテイカ株式会社の製品MT−100 AQ(登録商標)、
アルミナおよびラウリン酸アルミニウム、例えばテイカ株式会社の製品Microtitanium Dioxide MT 100 S(登録商標)、
酸化鉄およびステアリン酸鉄、例えばテイカ株式会社の製品Microtitanium Dioxide MT 100 F(登録商標)、
酸化亜鉛およびステアリン酸亜鉛、例えばテイカ株式会社の製品BR 351(登録商標)、
シリカおよびアルミナ、そしてシリコーン処理、例えばテイカ株式会社の製品Microtitanium Dioxide MT 600 SAS(登録商標)、Microtitanium Dioxide MT 500 SAS(登録商標)、またはMicrotitanium Dioxide MT 100 SAS(登録商標)、
シリカ、アルミナ、およびステアリン酸アルミニウム、そしてシリコーン処理、例えばチタン工業株式会社の製品STT−30−DS(登録商標)、
シリカ、そしてシリコーン処理、例えばSachtleben Pigments社の製品UV−Titan X 195(登録商標)、
アルミナ、そしてシリコーン処理、例えば石原産業株式会社の製品Tipaque TTO−55(S)(登録商標)、またはSachtleben Pigments社の製品UV Titan M 262(登録商標)、
トリエタノールアミン、例えばチタン工業株式会社の製品STT−65−S、
ステアリン酸、例えば石原産業株式会社の製品Tipaque TTO−55(C)(登録商標)、
ヘキサメタリン酸ナトリウム、例えばテイカ株式会社の製品Microtitanium Dioxide MT 150 W(登録商標)、
オクチルトリメチルシランで処理されたTiO
2(T 805(登録商標)の商標名でDegussa Silices社によって販売される)、
ポリジメチルシロキサンで処理されたTiO
2(70250 Cardre UF TiO2SI3(登録商標)の商標名でCardre社によって、そしてUV Titan M 195の商標名でSachtleben Pigments社によって販売される)、
ポリジメチルヒドロゲノシロキサンで処理されたアナタース/ルチルTiO
2(Microtitanium Dioxyde USP Grade Hydrophobic(登録商標)の商標名でColor Techniques社によって販売される)、
トリエチルヘキサノインで、ステアリン酸アルミニウムで、そしてアルミナでコーティングされたTiO
2(Solaveil CT−200−LQ−(WD)の商標名でCrodaによって販売される)、
ステアリン酸アルミニウムで、アルミナで、そしてシリコーンでコーティングされたTiO
2(Solaveil CT−12W−LQ−(WD)の商標名でCrodaによって販売される)、
ラウロイルリジンでコーティングされたTiO
2(LL 5 Titanium Dioxyde CR 50の名で大東化成工業株式会社によって販売される)、
C9〜15フルオロアルコールリン酸で、そして水酸化アルミニウムでコーティングされたTiO
2(PFX−5 TiO2 CR−50の名で大東化成工業株式会社によって販売される)。
【0141】
また、少なくとも1つの遷移金属、例えば鉄、亜鉛、またはマンガン、特にマンガンでドープされたTiO
2色素が言及され得る。好ましくは、前記ドープされた色素は、油性の分散系の形態である。油性の分散系中に存在する油は、好ましくは、カプリン酸/カプリル酸のものが挙げられるトリグリセリドから選択される。酸化チタン粒子の油性の分散系は、1つまたは複数の分散剤、例えばソルビタンエステル、例えばイソステアリン酸ソルビタン、またはグリセロールのポリオキシアルキレン化脂肪酸エステル、例えばクエン酸TRI−PPG−3ミリスチルエーテルおよびポリリシノレイン酸ポリグリセリル−3を含んでもよい。好ましくは、酸化チタン粒子の油性の分散系は、グリセロールのポリオキシアルキレン化脂肪酸エステルから選択される少なくとも1つの分散剤を含む。特に、クエン酸TRI−PPG−3ミリスチルエーテルおよびポリリシノレイン酸ポリグリセリル−3およびイソステアリン酸ソルビタンの存在下での、カプリン酸/カプリル酸トリグリセリド中の、マンガンでドープされたTiO
2粒子(INCI名:二酸化チタン(および)クエン酸TRI−PPG−3ミリスチルエーテル(および)リシノレイン酸ポリグリセリル−3(および)イソステアリン酸ソルビタンを有する)の油性の分散系が言及され得、例えば、Optisol TD50(登録商標)の商標名でCroda社によって販売される製品がある。
【0142】
コーティングのない酸化チタン色素は、例えば、Microtitanium Dioxide MT 500 BまたはMicrotitanium Dioxide MT 600 B(登録商標)の商標名でテイカ株式会社によって、P 25の名でDegussa社によって、Transparent titanium oxide PW(登録商標)の名でWackherr社によって、UFTR(登録商標)の名で三好化成株式会社によって、ITS(登録商標)の名で株式会社トーメンによって、そしてTioveil AQの名でTioxide社によって販売される。
【0143】
コーティングのない酸化亜鉛色素は、例えば以下のものである:
Z−Coteの名でSunsmart社によって販売されるもの;
Nanox(登録商標)の名でElementis社によって販売されるもの;
Nanogard WCD 2025(登録商標)の名でNanophase Technologies社によって販売されるもの。
【0144】
コーティングされた酸化亜鉛色素は、例えば以下のものである:
Zinc Oxide CS−5(登録商標)の名でToshibi社によって販売されるもの(ポリメチルヒドロゲノシロキサンでコーティングされたZnO);
Nanogard Zinc Oxide FN(登録商標)の名でNanophase Technologies社によって販売されるもの(Finsolv TN(登録商標)、安息香酸アルキルC12〜C15中の40%の分散系として);
Daitopersion Zn−30(登録商標)およびDaitopersion Zn−50(登録商標)の名で大東化成工業株式会社によって販売されるもの(シクロポリメチルシロキサン/オキシエチレン化ポリジメチルシロキサン中の分散系、シリカおよびポリメチルヒドロゲノシロキサンでコーティングされた30%または50%の酸化亜鉛を含有);
NFD Ultrafine ZnO(登録商標)の名でダイキン工業株式会社によって販売されるもの(リン酸ペルフルオロアルキルでコーティングされたZnO、およびシクロペンタシロキサン中の分散系としての、パーフルオロアルキルエチルに基づくコポリマー);
SPD−Z1(登録商標)の名で信越化学工業株式会社によって販売されるもの(シリコーングラフト化アクリルポリマーでコーティングした、シクロジメチルシロキサン中に分散したZnO);
Escalol Z100(登録商標)の名でISP社によって販売されるもの(メトキシケイ皮酸エチルヘキシル/PVP−ヘキサデセンコポリマー/メチコン混合物中に分散した、アルミナ処理されたZnO);
Fuji ZnO−SMS−10(登録商標)の名で冨士色素株式会社によって販売されるもの(シリカおよびポリメチルシルセスキオキサンでコーティングされたZnO);
Nanox Gel TN(登録商標)の名でElementis社によって販売されるもの(ヒドロキシステアリン酸重縮合体を有する安息香酸アルキルC
12〜C
15中で55%の濃度にて分散したZnO)。
【0145】
コーティングのない酸化セリウム色素は、例えば、Colloidal Cerium Oxide(登録商標)の名でRhone−Poulenc社によって販売されるものであってよい。
【0146】
コーティングのない酸化鉄色素は、例えば、Nanogard WCD 2002(登録商標)(FE 45B(登録商標))、Nanogard Iron FE 45 BL AQ、Nanogard FE 45R AQ(登録商標)、およびNanogard WCD 2006(登録商標)(FE 45R(登録商標))の名でArnaud社によって、またはTY−220(登録商標)の名でMitsubishi社によって販売される。
【0147】
コーティングされた酸化鉄色素は、例えば、Nanogard WCD 2008(FE 45B FN)(登録商標)、Nanogard WCD 2009(登録商標)(FE 45B 556(登録商標))、Nanogard FE 45 BL 345(登録商標)、およびNanogard FE 45 BL(登録商標)の名でArnaud社によって、またはTransparent Iron Oxide(登録商標)の名でBASF社によって販売される。
【0148】
また、金属酸化物の、特に二酸化チタンの、そして二酸化セリウムの混合物が言及され得、Sunveil A(登録商標)の名で池田物産株式会社によって販売されるシリカでコーティングされた二酸化チタンおよび二酸化セリウムの等質量混合物、および、Sachtleben Pigments社によって販売される製品M 261(登録商標)等の、アルミナ、シリカ、およびシリコーンでコーティングされた、またはSachtleben Pigments社によって販売される製品M 211(登録商標)等の、アルミナ、シリカ、およびグリセロールでコーティングされた、二酸化チタンおよび二酸化亜鉛の混合物が挙げられる。
【0149】
本発明に従えば、コーティングされた、またはコーティングのない酸化チタン色素が、特に好ましい。
【0150】
本発明に従う追加のUVスクリーニング剤は、好ましくは、本発明に従う組成物中に、組成物の総質量に対して、0.1質量%から60質量%、特に5質量%から30質量%の範囲の含有量で存在する。
【0151】
b)他の添加剤:
本発明に従う組成物はまた、特に有機溶媒、イオン性または非イオン性の増粘剤、軟化剤、湿潤剤、乳白剤、安定化剤、皮膚軟化剤、シリコーン、泡止め剤、芳香剤、保存剤、陰イオン、陽イオン、非イオン、双性イオン、もしくは両性の界面活性剤、活性剤、充填剤、ポリマー、推進剤、塩基性化剤もしくは酸性化剤、または化粧品分野および/もしくは皮膚科分野で一般的に用いられる他のあらゆる成分から選択される、従来の化粧用アジュバントを含んでもよい。
【0152】
有機溶媒のうち、先で定義されるC
1〜C
4モノアルカノール以外のアルコール、特に短鎖のC
2〜C
8ポリオール、例えばグリセロールまたはジオール、例えばカプリリルグリコール、1,2−ペンタンジオール、プロパンジオール、ブタンジオール、グリコール、およびグリコールエーテル、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、またはジエチレングリコールが言及され得る。
【0153】
増粘剤として、カルボキシビニルポリマー、例えばCarbopols(登録商標)(カルボマー)およびPemulens、例えばPemulen TR1(登録商標)およびPemulen TR2(登録商標)(アクリレート/C10〜C30アルキルアクリレートコポリマー);ポリアクリルアミド、例えば、Sepigel 305(登録商標)(CTFA名:ポリアクリルアミド/C
13〜14イソパラフィン/Laureth 7)またはSimulgel 600(CTFA名:アクリルアミド/アクリロイルジメチルタウリンナトリウムコポリマー/イソヘキサデカン/ポリソルベート80)の名でSEPPIC社によって販売される架橋コポリマー;場合によっては架橋かつ/または中和されている、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ポリマーおよびコポリマー、例えば、Hostacerin AMPS(登録商標)(CTFA名:ポリアクリロイルジメチルタウリンアンモニウム)の商標名でHoechst社によって販売される、またはSimulgel 800(登録商標)(CTFA名:ポリアクリロイルジメチルタウリンナトリウム/ポリソルベート80/オレイン酸ソルビタン)の商標名でSEPPIC社によって販売されるポリ(2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸);2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸の、そしてアクリル酸ヒドロキシエチルのコポリマー、例えばSEPPIC社によって販売されるSimulgel NS(登録商標)およびSepinov EMT 10(登録商標);セルロース誘導体、例えばヒドロキシエチルセルロース;多糖、特にゴム、例えばキサンタンゴム;水溶性または水分散性のシリコーン誘導体、例えばアクリルシリコーン、ポリエーテルシリコーン、および陽イオンシリコーン、ならびにそれらの混合物が言及され得る。
【0154】
言及され得る酸性化剤は、例えば、鉱酸または有機酸、例えば塩酸、正リン酸、または硫酸、カルボン酸、例えば酢酸、酒石酸、クエン酸、および乳酸、ならびにスルホン酸である。
【0155】
塩基性化剤のうち、言及され得る例として、水性アンモニア、アルカリ金属炭酸塩、アルカノールアミン、例えばモノ−、ジ−、そしてトリエタノールアミンおよびそれらの誘導体、水酸化ナトリウム、または水酸化カリウムが挙げられる。
【0156】
好ましくは、化粧用組成物は、アルカノールアミン、特にトリエタノールアミン、および水酸化ナトリウムから選択される1つまたは複数の塩基性化剤を含む。
【0157】
直接エマルジョンの場合、本発明に従う組成物のpHは一般に、おおよそ3から12、好ましくはおおよそ5から11、特に6から8.5である。
【0158】
ケラチン物質、例えば皮膚、唇、頭皮、毛髪、睫毛、または爪をケアする活性剤のうち、言及され得る例として、以下が挙げられる:
ビタミンおよびその誘導体または前駆体(単独で、または混合物として);
抗酸化剤;
フリーラジカルスカベンジャ;
汚染防止剤;
セルフタンニング剤;
アンチグリケーション剤;
鎮静剤;
デオドラント;
精油;
NO−シンターゼインヒビタ;
真皮または表皮の巨大分子の合成を誘発し、かつ/またはそれらの分解を防止する剤;
線維芽細胞増殖を刺激する剤;
ケラチン生成細胞増殖を刺激する剤;
筋弛緩薬;
清涼剤;
張力剤、
艶消し剤;
脱色剤;
色素沈着促進剤;
角質溶解剤;
剥離剤;
モイスチャライザ;
抗炎症剤;
抗菌剤;
減量剤;
細胞のエネルギー代謝に作用する剤;
駆虫剤;
サブスタンスPまたはCGRPアンタゴニスト;
脱毛阻止剤;
アンチリンクル剤;
アンチエイジング剤。
【0159】
当業者であれば、皮膚、毛髪、睫毛、眉、または爪に及ぶ所望の効果に従って、前記活性剤を選択するであろう。
【0160】
勿論、当業者であれば、上述の任意選択の追加の化合物および/またはその量を、本発明に従う組成物に本質的に付随する有利な特性が、想定される付加によって悪影響を受けない、または実質的に受けないように注意して選択するであろう。
【0161】
呈示形態
本発明に従う組成物は、当業者に周知の技術に従って調製され得る。当該組成物は特に、単純または複雑なエマルジョン(O/W、W/O、O/W/O、またはW/O/W)、例えばクリーム、乳液、またはクリーム状のゲルの形態であってよい。
【0162】
当該組成物は、無水形態、例えば油の形態であってもよい。用語「無水組成物」は、1質量%未満の水、または0.5質量%未満の水を含有する、特に水を含まない組成物を意味することが意図され、水は、組成物の調製中に加えられず、混合成分によって提供される残留水に相当する。当該組成物は、場合によっては、エアロゾルの形態でパックされていてもよく、そしてムースまたはスプレーの形態であってよい。
【0163】
水中油または油中水のエマルジョンの形態の組成物の場合、用いられ得る乳化プロセスは、パドルまたはインペラ、ローター−ステーター、およびHPHのタイプのものである。
【0164】
ポリマー含有量が低い(油/ポリマー比>25)安定したエマルジョンを得るために、分散系を濃縮相に調製してから、分散系を水性相の残りの部分で希釈することが可能である。
【0165】
HPH(50から800バー)を介して、100nmくらい小さくてよい滴サイズの安定した分散系を得ることも可能である。
【0166】
エマルジョンは一般に、両性、陰イオン、陽イオン、または非イオンの乳化剤から選択される、単独で、または混合物として用いられる少なくとも1つの乳化剤を含む。乳化剤は、得られるべきエマルジョン(W/OエマルジョンまたはO/Wエマルジョン)に従って、適切に選択される。
【0167】
言及され得るW/O乳化界面活性剤の例として、ソルビタンの、グリセロールの、ポリオールの、または糖のアルキルエステルまたはエーテル;シリコーン界面活性剤、例えばジメチコンコポリオール、例えばシクロメチコンの、そしてジメチコンコポリオールの混合物(DC 5225 C(登録商標)の名でDow Corning社によって販売される)、およびアルキルジメチコンコポリオール、例えばラウリルメチコンコポリオール(Dow Corning 5200 Formulation Aidの名でDow Corning社によって販売される);セチルジメチコンコポリオール、例えばAbil EM 90R(登録商標)の名でGoldschmidt社によって販売される製品、ならびにセチルジメチコンコポリオールの、イソステアリン酸ポリグリセリル(4mol)の、そしてラウリン酸ヘキシルの混合物(Abil WE O9(登録商標)の名でGoldschmidt社によって販売される)が挙げられる。有利には、ポリオールアルキルエステルを含む群から選択され得る1つまたは複数の共乳化剤が加えられてもよい。
【0168】
また、非シリコーン乳化界面活性剤、特に、ソルビタン、グリセロール、ポリオール、または糖のアルキルエステルまたはエーテルが言及され得る。
【0169】
特に言及され得るポリオールアルキルエステルとして、ポリエチレングリコールエステル、例えばジポリヒドロキシステアリン酸PEG−30、例えばArlacel P135(登録商標)の名でICI社によって販売される製品が挙げられる。
【0170】
言及され得るグリセロールおよび/またはソルビタンエステルの例として、イソステアリン酸ポリグリセリル、例えばIsolan GI 34(登録商標)の名でGoldschmidt社によって販売される製品;イソステアリン酸ソルビタン、例えばArlacel 987(登録商標)の名でICI社によって販売される製品;イソステアリン酸ソルビタンおよびグリセロール、例えばArlacel 986(登録商標)の名でICI社によって販売される製品、ならびにそれらの混合物が挙げられる。
【0171】
O/Wエマルジョンについて、言及され得る非イオン乳化界面活性剤の例として、脂肪酸の、そしてグリセロールのポリオキシアルキレン化(特に、ポリオキシエチレン化かつ/またはポリオキシプロピレン化)エステル;脂肪酸の、そしてソルビタンのオキシアルキレン化エステル;脂肪酸のポリオキシアルキレン化(特に、ポリオキシエチレン化かつ/またはポリオキシプロピレン化)エステル(場合によっては、例えばArlacel 165の名でICI社によって販売されるステアリン酸PEG−100/ステアリン酸グリセリル混合物等の、脂肪酸の、そしてグリセロールのエステルと組み合わされる);脂肪族アルコールのオキシアルキレン化(オキシエチレン化かつ/またはオキシプロピレン化)エーテル;糖のエステル、例えばステアリン酸スクロース;または脂肪アルコールの、そして糖のエーテル、特に、アルキルポリグルコシド(APG)、例えばデシルグルコシドおよびラウリルグルコシド(例えば、Plantaren 2000(登録商標)およびPlantaren 1200(登録商標)の名でそれぞれHenkel社によって販売される)、セトステアリルグルコシド(場合によってはセトステアリルアルコールとの混合物として)(例えば、Montanov 68(登録商標)の名でSEPPIC社によって、Tegocare CG90(登録商標)の名でGoldschmidt社によって、そしてEmulgade KE3302(登録商標)の名でHenkel社によって販売される)、ならびにアラキジルグルコシド(例えばアラキジルおよびベヘニルアルコールの、そしてアラキジルグルコシドの混合物の形態)(Montanov 202(登録商標)の名でSEPPIC社によって販売される)が挙げられる。本発明の特定の一実施形態に従えば、先に定義されるアルキルポリグルコシドの、対応する脂肪族アルコールとの混合物は、例えば国際公開第92/06778号パンフレットに開示されるように、自己乳化型組成物の形態であり得る。
【0172】
組成物がエマルジョンである場合、このエマルジョンの水性相は、知られているプロセスに従って調製される非イオン性の小胞性の分散系を含んでよい(Bangham,Standish and Watkins,J.Mol.Biol.13,238(1965)、仏国特許第2315991号明細書および仏国特許第2416008号明細書)。
【0173】
本発明に従う組成物は、多数の処置、特に、皮膚、唇、および頭皮を含む毛髪の美容的処置、特に皮膚、唇、および/もしくは毛髪を保護し、かつ/もしくはケアするための、およびは皮膚および/もしくは唇をメイクアップするための美容的処置における用途を見出す。
【0174】
本発明の別の主題は、先で定義される本発明に従う組成物の、皮膚、唇、爪、毛髪、睫毛、眉、および/または頭皮の美容的処置のための製品、特にケア製品、日焼け止め製品、およびメイクアップ製品の製造のための使用で構成される。
【0175】
本発明に従う化粧用組成物は、例えば、メイクアップ製品として用いられてよい。
【0176】
本発明の別の主題は、ケラチン物質をケアし、かつ/またはメイクアップする非治療的な美容的方法で構成され、これは、前記ケラチン物質の表面に、先で定義される本発明に従う少なくとも1つの組成物を塗布する工程からなる。
【0177】
本発明に従う化粧用組成物は、例えば、顔および/または体用のケア製品および/または日焼け止め製品として用いられてよく、硬さは、液体から半液体、例えば乳液、多かれ少なかれ滑らかなクリーム、クリーム状のゲル、またはペーストである。化粧用組成物は、場合によっては、エアロゾル形態でパックされていてもよく、そしてムースまたはスプレーの形態であってよい。
【0178】
本発明に従って気化可能な流体ローションの形態の、本発明に従う組成物は、細かい粒子の形態で、加圧装置によって皮膚または毛髪に塗布される。本発明に従う装置は、当業者に周知であり、そして、非エアロゾルポンプまたは「アトマイザ」、推進剤を含むエアロゾルコンテナ、および圧縮空気を推進剤として用いるエアロゾルポンプを備える。これらの装置は、米国特許第4077441号明細書および米国特許第4850517号明細書に記載されている。
【0179】
本発明に従うエアロゾル形態でパックされる組成物は一般に、従来の推進剤、例えばハイドロフルオロ化合物、ジクロロジフルオロメタン、ジフルオロエタン、ジメチルエーテル、イソブタン、n−ブタン、プロパン、またはトリクロロフルオロメタンを含有する。これらは好ましくは、組成物の総質量に対して、15質量%から50質量%の範囲の量で存在する。
【0180】
アセンブリ
別の態様に従えば、本発明はまた、以下を含む化粧用アセンブリに関する:
i)1つまたは複数のコンパートメントを区切るコンテナであって、クロージング部材によって閉じられており、かつ場合によってはシールされていないコンテナ;ならびに
ii)前記コンパートメントの内側に入れられている、本発明に従うメイクアップ組成物および/またはケア組成物。
【0181】
コンテナは、例えば、ポットまたはケースの形態であってよい。
【0182】
クロージング部材は、蓋の形態であってよく、前記メイクアップ組成物および/またはケア組成物を収容するコンテナに対する平行移動(translation)によって、または枢動によって移動することができるように載せられたキャップを含む。
【0183】
後に続く実施例は、本発明の実例となる役目を果たすが、事実上限定されない。これらの実施例では、組成物の成分の量は、組成物の総質量に対する質量パーセンテージとして与えられる。
【実施例】
【0184】
実施例A1:化合物(14)の調製
【化12】
122.23グラムの3−[(3−メトキシプロピル)アミノ]−2−シクロヘキセン−1−オンを、硫酸ジメチルで、または代わりに硫酸ジエチルでアルキル化して、75.45gのシアノ酢酸エチルで、おおよそ等モルの割合で、塩基の、そして場合によっては溶媒の存在下で、処理する。
【0185】
以下の塩基/溶媒組合せを用いる。
【0186】
【表7】
【0187】
アルキル化反応の完了を、例えば、TLC、GC、またはHPLC等の方法によってモニタすることができる。
162.30gの化合物(14)が、褐色の油の形態で得られる。
結晶化の後、生成物が、黄色がかった結晶の形態で得られる。
融点:92.7℃。
【0188】
実施例A2:化合物(15)の調製
【化13】
101.00グラムの3−[(3−メトキシプロピル)アミノ]−2−シクロヘキセン−1−オンを、硫酸ジメチルで、または代わりに硫酸ジエチルでアルキル化して、86.00gの2−シアノ−N−(3−メトキシプロピル)アセトアミドで、おおよそ等モルの割合で、塩基の、そして場合によっては溶媒の存在下で、処理する。以下の塩基/溶媒組合せを用いる。
【0189】
【表8】
【0190】
粗生成物(15)が、暗褐色の油の形態で得られる。
【0191】
シリカゲルカラムクロマトグラフィ(溶離液:99/1 トルエン/メタノール)の後、81.8グラムの生成物が、黄色がかった結晶の形態で得られる。
融点:84.7〜85.3℃。
【0192】
実施例A3:化合物(27)の調製
【化14】
13.09グラムの3−[(3−メトキシプロピル)アミノ]−2−シクロヘキセン−1−オンを、硫酸ジメチルで、または代わりに硫酸ジエチルでアルキル化して、10.12gのシアノ酢酸イソブチルで、塩基の、そして場合によっては溶媒の存在下で、処理する。
【0193】
以下の塩基/溶媒組合せを用いる。
【0194】
【表9】
【0195】
15.97グラムの粗生成物(27)が、暗褐色の油の形態で得られる。
【0196】
シリカゲルカラムクロマトグラフィ(溶離液:トルエン/アセトン)の後、13.46グラムの生成物が、黄色がかった結晶の形態で得られる。
融点:96.3℃。
【0197】
実施例A4:化合物(25)の調製
【化15】
148.4グラムの3−[(3−メトキシプロピル)アミノ]−2−シクロヘキセン−1−オンを、硫酸ジメチルで、または代わりに硫酸ジエチルでアルキル化して、130.00gのシアノ酢酸2−エトキシエチルで、有機塩基の、そして溶媒の存在下で処理する。
【0198】
以下の塩基/溶媒組合せを用いる。
【0199】
【表10】
【0200】
製剤の実施例
溶解性を評価するプロトコル:
油性溶液中でのメロシアニンの溶解性を、肉眼的に、そして顕微鏡的に評価する。周囲温度にて、溶液が半透明(clear and translucent)であるように眼に見えるならば、そして光学顕微鏡または偏光顕微鏡(対物レンズ×20から×40)下で少しも可視結晶を示さないならば、メロシアニンは可溶であるとみなす。溶液が調製された日に、そしてその後経時的に、溶解性を周囲温度にて評価する。この期間、溶液を周囲温度、そして4℃にて保存する。
【0201】
【表11】
【0202】
実施例3および実施例4
【0203】
【表12】
【0204】
油調製方法:
実施例1および実施例4に記載する組成物を、以下のように調製する:スクリーニング剤および油を、コンテナ中に逐次導入してから、磁気スターラーによって撹拌して、メロシアニンが溶解するまで、90℃にて10分から1時間加熱する。
【0205】
これらの結果は、本発明に従うアミド化合物が、追加のUVスクリーニング剤の存在下ですら、メロシアニンの溶解性を維持することを可能にすることを示す。