(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記はんだ注入工程は、前記把持部による前記はんだ注入ノズルの把持角度を、前記口出ケーブルが挿入された前記穴部に対して斜め上方からはんだを注入する角度に制御するステップを含む、
請求項5に記載の製造装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来、口出端子部および外部接続端子部と口出ケーブルとの接合は、各端子部に口出ケーブルを挿入した組み付け体を、はんだの融点以上の温度に加熱したはんだ槽に浸し、さらには接合不良のないように接合箇所に液体状のはんだを掛け流すという手作業で行っていた。そのため、作業者は、防護服や保護めがねを着用した作業を高温環境下で行っており、好ましい作業とはいえなかった。また、はんだ槽に浸した組み付け体を水に浸けて冷却する工程が必要であるため汚染水が発生する問題や、作業効率が低いといった問題があった。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、安全かつ効率よくインピーダンスボンド用端子を製造することができる技術を提供すること、である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための第1の発明は、
口出端子部および外部接続端子部が口出ケーブルで接続されたインピーダンスボンド用端子の製造装置であって、
前記口出端子部および前記外部接続端子部のうちのどちらかの端子部(以下「対象端子部」という)の穴部に前記口出ケーブルが挿入された組み付け体が、当該対象端子部の穴部を上方に向けた姿勢で保持治具に立設保持された立設状態のワークを載置する載置部と、
前記載置部に載置された前記ワークの前記対象端子部の穴部周辺を非接触に加熱する加熱部と、
前記載置部に載置された前記ワークの前記対象端子部の穴部にはんだを注入するはんだ注入部と、
前記ワークを搬送する搬送ロボットと、
制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、前記搬送ロボットを制御して前記立設状態のワークを前記載置部に載置させる載置工程と、前記はんだ注入部による注入を制御するはんだ注入工程と、前記搬送ロボットを制御して前記ワークを前記載置部から所定の処理済位置に搬送させる移送工程と、を実行する、
製造装置である。
【0007】
第1の発明によれば、口出端子部および外部接続端子部と口出ケーブルとを接合してインピーダンスボンド用端子を製造する製造装置を実現できる。具体的には、口出端子部および外部接続端子部のうちのどちらかの端子部である対象端子部の穴部を上方に向けた姿勢で立設状態としたワークを搬送ロボットを制御することで載置部に載置させる。そして、はんだ注入部による注入を制御することで載置部上の対象端子部の穴部にはんだを注入し、はんだの注入を終えたワークを搬送ロボットを制御することで処理済位置に搬送させることができる。これによれば、はんだ槽に組み付け体を浸ける作業や、その後に組み付け体を水に浸けて冷却する等の作業工程が不要となる。特にはんだ注入の工程を機械化できるため、安全かつ効率よくインピーダンスボンド用端子を製造することが可能となる。
【0008】
また、第2の発明として、
前記保持治具は、前記載置部への載置向きを決めるための被嵌合部を有し、
前記載置部は、
前記ワークを載置する載置面と、
前記載置面上の所定位置に所定向きに前記保持治具が載置された場合に前記被嵌合部に遊嵌する嵌合部と、
を有し、
前記載置工程は、前記被嵌合部が前記嵌合部に嵌まるように前記搬送ロボットによる前記ワークの移動制御を行うことで、前記所定位置に前記所定向きで前記立設状態のワークを載置する工程である、
第1の発明の製造装置を構成してもよい。
【0009】
第2の発明によれば、はんだの注入に先立ち、はんだ注入に好適な位置および姿勢とするために、載置部を構成する載置面上の所定位置に、所定向きでワークを載置することができる。
【0010】
また、第3の発明として、
前記組み付け体は、
前記口出端子部および前記外部接続端子部のうちの一方の端子部が前記対象端子部とされて、当該一方の端子部の穴部に前記口出ケーブルの一端部が挿入され、他方の端子部を組み付けていない第1の組み付け体と、
前記口出端子部および前記外部接続端子部のうちの他方の端子部が前記対象端子部とされて、当該他方の端子部の穴部に前記口出ケーブルの他端部が挿入され、一方の端子部と前記口出ケーブルの一端部とがはんだ付けされた第2の組み付け体と、
の両方を取り得る、
第1又は第2の発明の製造装置を構成してもよい。
【0011】
第3の発明によれば、保持治具によって立設状態のワークとされた組み付け体として第1の組み付け体又は第2の組み付け体の態様を取ることで、載置部における組み付け体の姿勢を、はんだを注入する対象端子部の穴部を上方に向けた姿勢とすることができる。
【0012】
また、第4の発明として、
前記第1の組み付け体は、前記他方の端子部の模擬形状物を有し、前記口出ケーブルの他端部が当該模擬形状物の穴部に挿入されて組み付けられている、
第3の発明の製造装置を構成してもよい。
【0013】
第4の発明によれば、第1の組み付け体を、口出端子部および外部接続端子部のうちの一方の端子部の穴部に口出ケーブルの一端部が挿入され、他方の端子部を模擬した模擬形状物の穴部に口出ケーブルの他端部が挿入された組み付け体とすることができる。
【0014】
また、第5の発明として、
前記はんだ注入部は、はんだ注入ノズルを有し、
前記搬送ロボットは、前記はんだ注入ノズルを把持可能な把持部を有し、
前記はんだ注入工程は、前記搬送ロボットを制御して前記はんだ注入ノズルを前記穴部に接近移動させるステップと、前記はんだ注入部による注入を行うステップと、所定のノズル待機位置に前記はんだ注入ノズルを移動させるステップと、を含む、
第1〜第4の何れかの発明の製造装置を構成してもよい。
【0015】
第5の発明によれば、搬送ロボットによって載置部上の対象端子部の穴部にはんだ注入ノズルを近接移動させ、当該はんだ注入ノズルから対象端子部の穴部へのはんだの注入を行うことができる。
【0016】
また、第6の発明として、
前記はんだ注入工程は、前記把持部による前記はんだ注入ノズルの把持角度を、前記口出ケーブルが挿入された前記穴部に対して斜め上方からはんだを注入する角度に制御するステップを含む、
第5の発明の製造装置を構成してもよい。
【0017】
第6の発明によれば、搬送ロボットの把持角度を制御することによってはんだ注入ノズルを傾け、対象端子部の穴部に対して斜め上方からはんだを注入することができる。対象端子部には口出ケーブルが挿入されているため、斜め上方からのはんだ注入が好適である。
【0018】
また、第7の発明として、
前記加熱部は、前記載置部に前記立設状態に載置された前記ワークを挟むように配置された第1加熱部および第2加熱部を有し、
前記第1加熱部は、前記第2加熱部よりも高さが低い位置に設けられた、
第1〜第6の何れかの発明の製造装置を構成してもよい。
【0019】
第7の発明によれば、載置部上のワークを挟むように配置された第1加熱部および第2加熱部によって、対象端子部の穴部周辺を加熱することができる。また、そのうちの一方の第1加熱部の高さを、他方の第2加熱部よりも低くすることができる。
【0020】
また、第8の発明として、
前記はんだ注入工程は、前記第1加熱部の上方からはんだを注入する、
第7の発明の製造装置を構成してもよい。
【0021】
第8の発明によれば、高さが低い位置に設けられた第1加熱部の上方からはんだを注入することができる。
【0022】
また、第9の発明として、
前記加熱部は、誘導加熱方式であり、
前記制御装置は、前記載置工程の後に前記加熱部による加熱制御を行う加熱工程を実行する、
第1〜第8の何れかの発明の製造装置を構成してもよい。
【0023】
第9の発明によれば、はんだが注入される対象端子部の穴部周辺を誘導加熱方式で加熱することができ、はんだ注入ノズルから対象端子部の穴部に注入されたはんだを溶融させて、穴部の全域に行きわたらせることができる。
【0024】
また、第10の発明として、
前記ワークを検査する検査部、
を更に備え、
前記制御装置は、前記載置工程の前に、前記搬送ロボットを制御して前記立設状態のワークを前記検査部に搬送させ、前記ワークの検査を行う検査工程を実行する、
第1〜第9の何れかの発明の製造装置を構成してもよい。
【0025】
第10の発明によれば、ワークの検査を行った上で、当該ワークを載置部に載置することができる。立設状態の不良が検出されたワークに対するはんだ注入を防止できる。
【0026】
また、第11の発明として、
前記立設状態のワークを複数配置可能な未処理ワーク配置部と、
処理済のワークを複数配置可能な処理済ワーク配置部と、
を更に備え、
前記載置工程は、前記搬送ロボットを制御して前記未処理ワーク配置部から1つのワークを前記載置部に搬送させる工程であり、
前記移送工程は、前記搬送ロボットを制御して前記載置部から前記処理済ワーク配置部へワークを搬送させる工程である、
第1〜第10の何れかの発明の製造装置を構成してもよい。
【0027】
第11の発明によれば、搬送ロボットによって、未処理ワーク配置部のワークを搬送して載置部に載置することができる。また、搬送ロボットによって、載置部において対象端子部の穴部へのはんだの注入を終えた処理済のワークを、載置部から処理済ワーク配置部へと搬送することができる。
【0028】
また、第12の発明は、
口出端子部および外部接続端子部のうちのどちらかの端子部(以下「対象端子部」という)の穴部に口出ケーブルが挿入された組み付け体が、当該対象端子部の穴部を上方に向けた姿勢で保持治具に立設保持された立設状態のワークを載置部に載置させる載置工程と、
前記載置部に載置された前記ワークの前記対象端子部の穴部周辺を非接触に加熱する加熱部により加熱させる加熱工程と、
前記載置部に載置された前記ワークの前記対象端子部の穴部にはんだを注入するはんだ注入部にはんだを注入させる注入工程と、
を含むインピーダンスボンド用端子の製造方法である。
【0029】
第12の発明によれば、第1の発明と同様の効果を奏する製造方法を実現できる。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、以下説明する実施形態によって本発明が限定されるものではなく、本発明を適用可能な形態が以下の実施形態に限定されるものでもない。また、図面の記載において、同一部分には同一の符号を付す。
【0032】
1.インピーダンスボンド用端子について
図1は、インピーダンスボンド用端子10の正面図である。また、
図2は、インピーダンスボンド用端子10の分解正面図であり、
図3は、インピーダンスボンド用端子10の分解側面図である。インピーダンスボンド用端子10は、インピーダンスボンドの両側端子や中性点端子等として用いられるものであり、
図1〜
図3に示すように、口出端子部20と、外部接続端子部30とが口出ケーブル40で接続されて構成される。これらインピーダンスボンド用端子10の各部20,30,40は、何れも所定の金属材料で形成される。なお、
図1等では、口出ケーブル40の本数を2本として図示しているが、1本でもよいし、3本以上であってもよい。
【0033】
口出端子部20は、一端側が棒状に形成されており、インピーダンスボンド本体の対応するコネクタ部に挿通されてインピーダンスボンド本体内にて1次コイルと電気的に接続される。また、口出端子部20は、口出ケーブル40との連結部となる他端側に、口出ケーブル40が挿入される穴部21を有する。
図1等の例では、口出ケーブル40が2本であるため、穴部21も2つ形成されている。
【0034】
外部接続端子部30は、一端側が板状に形成されており、対となる他のインピーダンスボンドやレールと接続される。具体的には、当該板状の部分には1つ又は複数(
図1等では2つ)のボルトの貫通孔33が設けられている。例えば、当該インピーダンスボンド用端子10が両側端子として用いられる場合であれば、接続相手のインピーダンスボンドの両側端子がボルトで固定される。当該インピーダンスボンド用端子10が中性点端子として用いられる場合であれば、レールとの間を接続するインピーダンスボンド導線の端子がボルトで固定される。また、外部接続端子部30は、口出ケーブル40との連結部となる他端側に、口出ケーブル40が挿入される穴部31を有する。本例では、口出ケーブル40が2本であるため、穴部31も2つ形成されている。
【0035】
本実施形態の製造装置100(
図8等を参照)は、以上のように構成されるインピーダンスボンド用端子10の口出端子部20および外部接続端子部30と、これらを接続する口出ケーブル40とをはんだで接合する接合処理を行うことで、インピーダンスボンド用端子10を製造するものである。ここで、口出端子部20と外部接続端子部30とをケーブル接続するのは、接続相手との高低差を吸収するためである。例えば、接続相手のインピーダンスボンドと高さが異なるときでも、口出ケーブル40の柔軟性を利用し、端子の高さを合わせて接続することができる。また、口出ケーブル40は、列車の通過時に生じる振動を吸収する役目も果たす。そのため、口出端子部20と外部接続端子部30との間の接続には、ケーブルを用いる。
【0036】
2.ワークについて
製造装置100は、口出端子部20および外部接続端子部30と口出ケーブル40との接合処理のため、口出端子部20および外部接続端子部30のうちのどちらかの端子部である対象端子部の穴部(穴部21又は穴部31)に口出ケーブル40が挿入された組み付け体が、当該対象端子部の穴部を上方に向けた姿勢で保持治具に立設保持された立設状態のワークを扱う。本実施形態では、組み付け体は、第1の組み付け体および第2の組み付け体の何れかの態様をとる。
図4は、組み付け体の態様が第1の組み付け体60Aであるワーク(以下、「第1のワーク」ともいう)80Aの分解斜視図であり、
図5は、第1のワーク80Aの側面図である。また、
図6は、組み付け体の態様が第2の組み付け体60Bであるワーク(以下、「第2のワーク」ともいう)80Bの分解斜視図であり、
図7は、第2のワーク80Bの側面図である。
【0037】
第1の組み付け体60Aは、口出端子部20が対象端子部とされた組み付け体である。そして、第1のワーク80Aは、当該第1の組み付け体60Aが、対象端子部である口出端子部20の穴部21を上方に向けた姿勢で保持治具70に立設保持されて立設状態とされたものである。具体的には、第1の組み付け体60Aは、口出端子部20の穴部21に口出ケーブル40の一端部が挿入され、外部接続端子部30は組み付けていない組み付け体であって、外部接続端子部30のかわりに模擬形状物50が組み付けられた組み付け体である。
【0038】
模擬形状物50は、一端側において口出ケーブル40が挿入される穴部51を有する。本例では、模擬形状物50は、2本の口出ケーブル40がそれぞれ挿入される2つの穴部51を有する。なお、模擬形状物50の形状は特に限定されないが、その長手方向の長さについては、外部接続端子部30と同程度の長さとされる。第1のワーク80Aの高さを第2のワーク80Bの高さと同程度とするためである。また、本実施形態では、模擬形状物50の材質は、後述する誘導加熱を防ぐため絶縁材料(例えば樹脂製)とする。
【0039】
一方、第2の組み付け体60Bは、外部接続端子部30が対象端子部とされた組み付け体である。そして、第2のワーク80Bは、当該第2の組み付け体60Bが、対象端子部である外部接続端子部30の穴部31を上方に向けた姿勢で保持治具70に立設保持されて立設状態とされたものである。具体的には、第2の組み付け体60Bは、外部接続端子部30の穴部31に口出ケーブル40の他端部が挿入され、口出端子部20と口出ケーブル40の一端部とがはんだ付けされた組み付け体である。より詳細には、第2の組み付け体60Bは、製造装置100による接合処理を終えた第1の組み付け体60Aに対し、その口出ケーブル40の他端部に外部接続端子部30が組み付けられたものである。
【0040】
保持治具70は、円板状の基体部71と、基体部71の上面に起立する円筒状の支柱部73と、支柱部73の上端部を覆う保持台75とを備える。保持台75は、組み付け体の端部部分を挿入可能な形状に形成された開口751を有し、支柱部73の内部空間と連通して組み付け体端部の収容空間を形成する。
【0041】
例えば、
図4又は
図5に示すように、保持治具70によって第1の組み付け体60Aを立設保持し、第1のワーク80Aとするときには、口出端子部20の一端側の棒状部分を開口751から挿入し、収容空間に収容する。これにより、他端側の連結部が保持台75の上面に保持されて、2つの穴部21が上向きに露出した状態となる。
【0042】
一方、
図6又は
図7に示すように、保持治具70によって第2の組み付け体60Bを立設保持し、第2のワーク80Bとするときには、外部接続端子部30の一端側の板状部分を開口751から挿入し、板面を支柱部73の切り欠き溝731に嵌め合わせるように挿入して収容空間に収納する。これにより、他端側の連結部が保持台の上面に保持されて、2つの穴部31が上向きに露出した状態となる。
【0043】
また、保持治具70の基体部71は、板面の四方においてその中心を挟んで互いに対向する位置に、一対の貫通孔711と、一対の被嵌合部713とを有する。具体的には、一対の貫通孔711は、基体部71の板面の正面側と背面側とに設けられ、一対の被嵌合部713は、両側面側に設けられる。そして、一対の被嵌合部713は、基体部71の外周部の該当する位置において、その一部を所定形状に切り欠いた溝部として形成されている。
【0044】
ここで、本実施形態の保持治具70は、第1の組み付け体60Aおよび第2の組み付け体60Bの何れを保持する場合においても、適切な高さに保持できるように寸法形状が設計されている。具体的には、第1の組み付け体60A又は第2の組み付け体60Bが保持治具70に立設保持された状態において、対象端子部の穴部の高さが、第1のワーク80Aと第2のワーク80Bとでほぼ同じ高さになるように設計されている。また、第1の組み付け体60Aおよび第2の組み付け体60Bでは、穴部の数も2つで同じであり、その間隔や穴の径も同じに設計されている。したがって、製造装置100は、対象端子部の穴部にはんだを注入する接合処理にあたり、それが第1のワーク80Aなのか第2のワーク80Bなのかを意識する必要がない。より詳細には、後述するはんだ注入ノズル143のはんだ注入位置(
図11を参照)を、第1のワーク80Aと第2のワーク80Bとで同位置とすることができる。
【0045】
3.製造装置の構成について
図8は、製造装置100の概略構成例を示す平面図である。また、
図9は、製造装置100の機能構成例を示すブロック図である。
図8又は
図9に示すように、製造装置100は、未処理ワーク配置部111と、処理済ワーク配置部113と、エラーワーク配置部115と、搬送ロボット120と、検査部130と、はんだ注入部140と、載置部150と、移動規制部160と、加熱部170と、冷却部180と、操作部190と、装置内の適所に設置された制御装置200と、を備える。
【0046】
未処理ワーク配置部111は、接合処理前の未処理のワーク(第1のワーク80A又は第2のワーク80B)を配置する。未処理ワーク配置部111へのワークの配置は、手動で行われる。すなわち、製造装置100のユーザは、インピーダンスボンド用端子10を構成する口出端子部20や外部接続端子部30、口出ケーブル40の組み付け体に保持治具70を装着し、適宜模擬形状物50を装着して第1のワーク80A又は第2のワーク80Bの状態とした上で、各ワークを未処理ワーク配置部111へと配置する。
【0047】
処理済ワーク配置部113は、所定の処理済位置として、接合処理を終えた処理済のワークを配置する。本実施形態では、口出端子部20と口出ケーブル40の一端部とがはんだ付けされた第1のワーク80Aや、外部接続端子部30と口出ケーブル40の他端部とがはんだ付けされた第2のワーク80Bが配置される。
【0048】
エラーワーク配置部115は、接合処理の途中でエラーとなったワークを配置する。例えば、検査部130での検査で異常と判定されたワークや、その接合処理においてはんだ切れ(糸はんだの残量不足)が生じたワークを配置する。
【0049】
これらの各ワーク配置部111,113,115は、それぞれ複数の配置場所を有し、各配置場所においてワークを配置可能に構成されている。例えば、処理済ワーク配置部113の1つについて
図8中に拡大して示すように、各配置場所には、ワークの配置向きを規定するための一対の突起117が設けられている。そして、各ワーク配置部111,113,115にワーク(第1のワーク80A又は第2のワーク80B)を配置する際には、その基体部71に設けられた一対の貫通孔711を各突起117に挿通させることで、配置向きが所定向きに規定されて配置される。
図8では、ワークの正背方向を突起117の配列方向に沿わせた向きが、配置向きとされる。
【0050】
搬送ロボット120は、例えば、複数の関節(軸)を有する垂直多関節ロボットを用いて実現でき、複数のアーム部が連結されたロボットアーム121と、ロボットアーム121を支持する回転台123と、ロボットアーム121の先端に装着された把持部125とを備えて構成される。回転台123は、鉛直軸回りに回転可能である。また、把持部125は、一対の把持爪127を開閉させることで対象物を把持可能に構成されている。制御装置200は、ロボットアーム121の各アーム部の関節や回転台123に設けられたモータを駆動して把持部125の位置および姿勢を制御するとともに、把持爪127の開閉を制御することによってワークを把持して搬送させ、或いははんだ注入ノズル143を把持して移動させる。
【0051】
はんだ注入部140は、はんだ送り装置141と、はんだ注入ノズル143とを備える。はんだ送り装置141は、不図示のはんだリールから所定量の糸はんだを所定速度で繰り出し、供給路147を介してはんだ注入ノズル143へと供給する。本実施形態では、口出ケーブル40の本数に対応させてはんだ注入ノズル143も2本とされ、各々の供給路147を介して別個に糸はんだが供給される。このはんだ注入ノズル143は、予め定められた所定のノズル待機位置149(実際には、当該ノズル待機位置149に設置されたトレイ等)を待機用の載置場所として載置される。そして、接合処理(はんだの注入)にあたってその根元部145が搬送ロボット120(把持部125)によって把持されて、ノズル待機位置149からノズル注入位置へと移動される。はんだの注入後は、再びノズル待機位置149へと戻される。
【0052】
検査部130は、ワークの検査を行うためのものであり、例えば、
図10に示すように、ワークが載置される台座131と、台座131の上面からの高さが所定の検出高さ位置に設置されてワークの存否を検出するワーク検出センサ133と、を備える。検出高さ位置は、ワークの上端付近の高さに規定される。
【0053】
ワーク検出センサ133には、例えば、透過型の光電センサを用いることができる。具体的には、ワーク検出センサ133は、投光部135と、受光部137とを備える。そして、これら投光部135と受光部137は、台座131にワークが載置されたときに当該ワークの上端部分を挟むように、前述の検出高さ位置において対向配置される。
【0054】
ここで、本実施形態では、第1のワーク80Aと第2のワーク80Bとは同程度の高さを有する。したがって、台座131に第1のワーク80Aが載置された場合であれば模擬形状物50によって、第2のワーク80Bが載置された場合であれば口出端子部20によって、投光部135からの投射光の一部が遮られることとなる。一方で、保持治具70や模擬形状物50を正しく装着していない不正なワークが載置された場合はその高さが検出高さ位置に満たないため、投光部135からの投射光は遮られることなく受光部137で受光される。したがって、前述のような不正なワークが未処理ワーク配置部111に配置されていた場合には、はんだ注入を行う前に検査部130で判別することが可能となる。
【0055】
具体的には、制御装置200は、搬送ロボット120によって未処理ワーク配置部111から搬出したワークを検査部130に搬送し、台座131へと載置する制御と並行して、検査処理を行う。具体的には、ワークを台座131へと載置した前後の受光部137の光量変化をもとに、例えば変化量が所定の閾値以上であれば光量変化有りとして「正常」、閾値を下回っていれば光量変化無しとして「異常」と判定する。
【0056】
載置部150は、立設状態のワーク(第1のワーク80A又は第2のワーク80B)を載置する。
図11は、製造装置100の載置部150の周辺を示す概略正面図であり、
図12は、当該載置部150の周辺を示す概略斜視図である。なお、
図11では、搬送ロボット120によって載置部150に載置されたワーク(
図11の例では第2のワーク80B)を示すとともに、搬送ロボット120によってノズル注入位置に位置付けられたはんだ注入ノズル143を示しており、
図12ではこれらの図示を省略している。
【0057】
本実施形態では、載置部150は、その上面にワークの載置面151が形成されて構成される。また、載置部150は、
図12に示すように、例えばワークを位置決めするための突起として設けられた嵌合部153を有する。この嵌合部153は、載置面151にワークが所定の載置向きで搬入され、保持治具70がその向きで載置面151上の所定位置に載置された場合に、当該保持治具70に設けられた被嵌合部713に遊嵌する。本実施形態では、
図11に示すように、ワークの何れか一方の左右側面(保持治具70において被嵌合部713が設けられた側)を載置部150の正面側に向けた向きが載置向きとされ、ワーク(第1のワーク80A又は第2のワーク80B)は、搬送ロボット120によって当該載置向きで載置部150(載置面151)に載置される。
【0058】
移動規制部160は、
図11又は
図12に示すように、載置部150の上方に設置された、載置部150上のワークの位置ずれを防止するための一対の規制バー161を備える。規制バー161は、載置部150にワークが載置されたときに制御装置200によって駆動され、互いが接近する閉方向へと動いてワークの上端部分の移動を規制する。したがって、載置部150の嵌合部153に保持治具70の被嵌合部713が遊嵌した状態からのワークの位置ずれを防止できる。また、規制バー161は、接合処理を終えると再び駆動され、互いに離間する開方向へと動く。
【0059】
これら載置部150と移動規制部160とによれば、接合処理の間、載置部150上のワークを載置面151の所定位置において載置向きに留め置くことができる。したがって、その間の載置部150上の対象端子部の穴部の位置を定位置とすることができる。本実施形態では、この穴部の位置に基づいてはんだ注入位置が予め定められる。
【0060】
ここで、はんだ注入位置について説明する。はんだ注入位置は、はんだ注入ノズル143の先端部が、載置部150上の対象端子部の穴部の上方近傍の位置となるように定められる。そして、制御装置200は、接合処理時に搬送ロボット120を制御してはんだ注入ノズル143の根元部145を把持し、当該はんだ注入位置にはんだ注入ノズル143を位置付けることによって、はんだ注入ノズル143を対象端子部の穴部に近接移動させる。その際、把持部125によるはんだ注入ノズル143の把持角度を、対象端子部の穴部に対して斜め上方からはんだを注入する角度に制御する。
【0061】
本実施形態では、
図11に示すように、載置部150の側方であって、後述する第1加熱部171が設置される
図11に向かって左側方から、はんだ注入ノズル143を前述の角度で対象端子部の穴部(
図11の例では外部接続端子部30の穴部31)に近づける。より詳細には、穴部と、穴部に挿入されている口出ケーブル40との間の隙間部分にはんだ注入ノズル143を近づける。そうしてはんだ注入ノズル143を対象端子部の穴部に近接移動させたら、はんだの注入を終えるまで搬送ロボット120を待機させる。これによれば、はんだ注入ノズル143から供給された糸はんだを確実に対象端子部の穴部に注入することが可能となる。本例では、2本のはんだ注入ノズル143の先端が、外部接続端子部30の2つの穴部31の上方近傍にそれぞれ位置付けられることとなり、各穴部31に同時にはんだを注入することができる。
【0062】
加熱部170は、載置部150に載置されたワークの対象端子部の穴部周辺を非接触に加熱する。本実施形態では、誘導加熱方式で加熱を行い、電磁誘導を利用した高周波誘導加熱(電磁誘導加熱)によって設置位置近傍に位置する導電体(対象端子部や口出ケーブル40、はんだ)を加熱する。本実施形態では、加熱部170は、その正面側からみて載置部150の左右両側において、載置部150に載置されたワーク(
図11の例では第2のワーク80B)を挟むように配置された第1加熱部171と第2加熱部173とを有する。
【0063】
図11又は
図12に示すように、第1加熱部171および第2加熱部173は、それらが正面側からみてハの字状となるように互いの上端を内側に傾けた姿勢で設置される。加えて、第1加熱部171および第2加熱部173は、載置部150上の対象端子部の穴部周辺を加熱することができる高さにおいて、第1加熱部171の上端が第2加熱部173の上端よりも低くなるように互いの高さが調整されて設置される。第1加熱部171の上端を低く設置するのは、前述のように搬送ロボット120がはんだ注入ノズル143を対象端子部の穴部に近接移動させる際、それと干渉しないようにするためである。
【0064】
より詳細には、第1加熱部171の高さ(上端の位置)は、対象端子部の左斜め上方からはんだ注入ノズル143を近接移動させてその先端部を対象端子部の穴部に近づけられるように、対象端子部の穴部の位置(対象端子部の上端面の高さ)に合わせて調整される。これに対し、第2加熱部173の高さ(上端の位置)は、対象端子部の右斜め上方を覆って穴部周辺を加熱できるように、第1加熱部171のよりも高い位置に調整される。
【0065】
このような第1加熱部171および第2加熱部173の配置によれば、対象端子部の穴部へのはんだの注入時にはんだ注入ノズル143の先端部を当該穴部へと十分に近づけることができる。一方で、対象端子部の左右両側からはんだが注入される穴部周辺を加熱することができるため、はんだ注入ノズル143から穴部に注入された所定量の糸はんだを溶融させて、穴部の全域にはんだを行きわたらせることができる。
【0066】
冷却部180は、対象端子部の穴部周辺を冷却するための空冷装置(ファン)である。はんだ注入が終わり第1加熱部171および第2加熱部173の加熱が終わった後に、制御装置200によって駆動が開始され、ワークの温度が一定温度まで低下後に、動作が停止される。この冷却によって、穴部に入れられたはんだの固形化が促進される。
【0067】
操作部190は、タッチ操作入力手段と画像表示手段とを兼ねるタッチパネルによって実現され、ユーザによる各種操作入力を受け付けるとともに、制御装置200からの表示信号に基づく各種表示を行う。例えば、接合処理の開始を指示する指示操作や、当該接合処理で対象とするワークの種類(以下、「接合対象ワーク種類」という)を選択する選択操作等を受け付ける。また、製造装置100の稼働状況やエラーの発生状況等の必要な情報を適宜表示して、ユーザに提示する。
【0068】
制御装置200は、製造装置100の各部を制御して、インピーダンスボンド用端子10の口出端子部20および外部接続端子部30と口出ケーブル40との接合処理を実現する。具体的には、制御装置200は、(1)搬送ロボット120によるワーク(第1のワーク80A又は第2のワーク80B)の搬送制御やはんだ注入ノズル143の移動制御、(2)ワーク検出センサ133からの検出値に基づく検査処理、(3)規制バー161を開閉駆動する制御、(4)加熱部170を駆動して対象端子部の穴部周辺を第1加熱部171および第2加熱部173に加熱させる制御、(5)はんだ送り装置141を制御してはんだ注入ノズル143から対象端子部の穴部へとはんだを注入する制御、(6)冷却部180を駆動して対象端子部の穴部周辺を冷却させる制御等を行う。また、その他にも、未処理ワーク配置部111、処理済ワーク配置部113、およびエラーワーク配置部115の各配置場所におけるワークの有無を管理する処理や、検査処理結果が異常の場合等のエラー発生時の警告表示処理等を適宜行う。
【0069】
4.製造装置の動作について
図13は、接合処理の流れを説明するためのフローチャートである。
図13に示すように、制御装置200は先ず、操作部190を介してユーザによる接合対象ワーク種類の選択操作を受け付ける(ステップS1)。その後、制御装置200は、搬送ロボット120を制御して、未処理ワーク配置部111の1つの配置場所から、そこに所定の配置向きで配置されているワークを搬出する(ステップS2)。例えば、ワークが配置されている配置場所のうち、搬送ロボット120の側からみて手前側の配置場所を選んでワークを搬出するとよい。
【0070】
そして、制御装置200は、搬送ロボット120を制御してワークを検査部130へと搬送させ、当該ワークを台座131に載置してその検査を行う(ステップS3;検査工程)。具体的には、制御装置200は、台座131にワークを載置した前後での受光部137の光量変化をもとに上記した検査処理を行い、正常/異常の判定を行う。そして、検査処理の結果が異常であれば(ステップS5:YES)、搬送ロボット120を制御して台座131上のワークをエラーワーク配置部115へと搬送させ、当該ワークを空の配置場所へと配置する(ステップS7)。例えば、搬送ロボット120の側からみて奥側の配置場所から順に配置していくとよい。
【0071】
一方、検査処理の結果が正常の場合には(ステップS5:YES)、搬送ロボット120を制御して台座131上のワークを載置部150へと搬送し、その載置面151上の所定位置に所定の載置向きで載置する(ステップS9;載置工程)。そして、制御装置200は、規制バー161を閉方向へ駆動する(ステップS11)。これによって、載置部150の嵌合部153が載置面151に載置された保持治具70の被嵌合部713と遊嵌し、ワークがその状態で載置部150上に留め置かれる。
【0072】
続いて、制御装置200は、加熱部170を駆動して、当該ワークの対象端子部の穴部周辺を第1加熱部171および第2加熱部173で加熱する制御を行う(ステップS13;加熱工程)。
【0073】
続いて、制御装置200は、はんだ注入工程(ステップS15〜ステップS21)を行う。すなわち、制御装置200は先ず、搬送ロボット120を制御してはんだ注入ノズル143をノズル待機位置149から移動させ、はんだ注入位置に位置付けることで、載置部150上の対象端子部の穴部に近接移動させる(ステップS15)。またその際に、制御装置200は、把持部125によるはんだ注入ノズル143の把持角度を、対象端子部の穴部に対して斜め上方からはんだを注入する角度に制御する(ステップS17)。その後、はんだ送り装置141を制御して所定量の糸はんだを所定速度ではんだ注入ノズル143へと供給することで、対象端子部の穴部へのはんだの注入を制御する(ステップS19)。そして、はんだの注入を終えたら、搬送ロボット120を制御してはんだ注入ノズル143をはんだ注入位置から移動させ、ノズル待機位置149へと戻す(ステップS21)。
【0074】
続いて、制御装置200は、加熱部170の駆動を停止させて対象端子部の穴部周辺の加熱を終了するとともに(ステップS23)、冷却部180を駆動して当該穴部周辺を冷却する制御を行う(ステップS25)。
【0075】
その後、制御装置200は、規制バー161を開方向へと駆動した上で(ステップS27)、搬送ロボット120を制御して載置部150のワークを処理済ワーク配置部113へと搬送させ、当該ワークを空の配置場所へと配置する(ステップS29;移送工程)。例えば、搬送ロボット120の側からみて奥側の配置場所から順に配置していくとよい。
【0076】
以上が接合処理の流れであるが、この接合処理は、1つのインピーダンスボンド用端子10に着目すると2回行う。そのために、ユーザは先ず、第1の組み付け体60Aを組み付けて第1のワーク80Aとし、未処理ワーク配置部111に配置する。そして、接合対象ワーク種類を「第1のワーク」とする選択操作を行って、当該第1のワーク80Aについて製造装置100に
図13の接合処理を行わせたら、処理済ワーク配置部113からそれを取り出す。そして、接合処理後の第1の組み付け体60Aから第2の組み付け体60Bを組み付けて第2のワーク80Bとし、未処理ワーク配置部111に配置する。そして、接合対象ワーク種類を「第2のワーク」とする選択操作を行って、当該第2のワーク80Bについて製造装置100に
図13の接合処理を行わせる。これにより、先の接合処理で口出端子部20と口出ケーブル40の一端部とが接合され、後の接合処理で外部接続端子部30と口出ケーブル40の他端部とが接合される。
【0077】
以上説明したように、本実施形態によれば、口出端子部20および外部接続端子部30と口出ケーブル40とを接合してインピーダンスボンド用端子10を製造する製造装置を実現できる。これによれば、はんだ槽に組み付け体を浸ける作業やこれを水に浸けて冷却する等の作業工程が不要となる。特にはんだ注入の工程を機械化できるため、安全かつ効率よくインピーダンスボンド用端子を製造することが可能となる。
【0078】
5.変形例について
なお、本発明を適用可能な形態は上記した実施形態に限定されるものではなく、適宜構成要素の追加・省略・変更を施すことができる。
【0079】
例えば、外部接続端子部30が対象端子部とされた組み付け体を第1の組み付け体とし、これが対象端子部である外部接続端子部30の穴部31を上方に向けた姿勢で保持治具70に立設保持されて立設状態とされたものを第1のワークとしてもよい。そして、口出端子部20が対象端子部とされた組み付け体を第2の組み付け体とし、これが対象端子部である口出端子部20の穴部21を上方に向けた姿勢で保持治具70に立設保持されて立設状態とされたものを第2のワークとしてもよい。具体的には、外部接続端子部30の穴部31に口出ケーブル40の一端部が挿入され、口出端子部20は組み付けていない組み付け体であって、口出端子部20のかわりに模擬形状物50が組み付けられた組み付け体を第1の組み付け体とする。一方、口出端子部20の穴部21に口出ケーブル40の他端部が挿入され、外部接続端子部30と口出ケーブル40の一端部とがはんだ付けされた組み付け体を第2の組み付け体とする。すなわち、製造装置100による接合処理を終えた第1の組み付け体に対し、その口出ケーブル40の他端部に口出端子部20が組み付けられたものを第2の組み付け体とする。
【0080】
また、上記実施形態では、第1のワーク80Aと第2のワーク80Bとでその対象端子部の穴部(口出端子部20の穴部21と外部接続端子部30の穴部31)の高さを同じとして説明したが、両者の穴部21,31の高さが異なる場合には、載置部150に載置されたワークに応じてはんだ注入位置を変更すればよい。第1のワーク80Aに係るはんだ注入位置と、第2のワーク80Bに係るはんだ注入位置とを予め設定しておき、載置部150上のワークに応じたはんだ注入位置にはんだ注入ノズル143を位置付けることで実現できる。