(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1制御ユニットは、第1端子電圧と前記第2端子電圧との間の電圧差が前記誤差範囲内にある場合、前記第1入力ノードを前記第1出力ノードに接続するように制御し、前記第2入力ノードを前記第2出力ノードに接続するように制御する、ことを特徴とする請求項1に記載の調整デバイス。
前記第1制御ユニットは、前記第1端子電圧を前記第2端子電圧と比較して比較信号を出力する比較デバイスを備える、ことを特徴とする請求項2に記載の調整デバイス。
前記第1制御ユニットは、前記比較信号に従って、前記第1端子電圧と前記第2端子電圧との間の電圧差が誤差範囲内であるか否かを識別するプロセッサを備える、ことを特徴とする請求項3に記載の調整デバイス。
前記第2制御ユニットは、前記電流が電流最小目標値よりも目標範囲外の量だけ大きいと識別した場合に、前記スイッチをオンにする、ことを特徴とする請求項6に記載のバッテリ自動バランシングシステム。
前記第2制御ユニットは、前記の複数のバッテリ自動調整デバイスの各々において前記電流検出デバイスに接続されており、前記電流最大目標値及び前記電流最小目標値を計算する、ことを特徴とする請求項7に記載のバッテリ自動バランシングシステム。
【発明を実施するための形態】
【0009】
添付の図面を参照して本発明を説明する。類似又は同様の要素を示すために、図面を通して同様の符号が用いられている。図面は、縮尺通りに示されておらず、本発明を単に例示するために提供されている。本発明のいくつかの態様を、例示的なアプリケーションを参照して以下に説明する。本発明の完全な理解を提供するために、多くの特定の詳細、関係及び方法が示されていることを理解されたい。しかし、当業者であれば、1つ以上の特定の詳細無しに又は他の方法を用いて本発明を実施することができることを容易に認識するであろう。他の例では、本発明が曖昧になるのを防ぐために、周知の構造又は動作を詳細に示していない。いくつかの動作が異なる順序で、及び/又は、他の動作や事象と同時に発生し得るので、本発明は、示された動作や事象の順序によって限定されない。さらに、本発明による方法を実施するために、示された全ての動作や事象が必要とされているわけではない。
【0010】
以下の説明は、本発明の実施形態である。本発明の目的は、本発明の全般的な原理を例示することであり、特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0011】
本発明は、主に、複数のバッテリセットでアクティブバランスを実行し、1つのバランス方法論は、電流共有のメカニズムである。一般に、電力システムは、電源デバイスと、変圧器と、を含む。電力システムの変圧器は、絶縁変圧器であってもよいが、本発明はこれに限定されない。例として絶縁変圧器を取り上げる。電源デバイスは、通常、絶縁変圧器の一次側に接続されており、バッテリセットは、通常、絶縁変圧器の二次側に接続されている。さらに、殆どのバッテリセットは、寄生インピーダンス(parasitic impedances)と、キャパシタと、他のパラメータと、を有する。アクティブバランスの電流共有メカニズムをバッテリセットに対して完全に機能させるために、本発明は、主に、変圧器の二次側の電流エラーを用いて、バッテリセットをバランシングする。
【0012】
本発明において、バッテリは、鉛蓄電池、リチウム電池、ニッケル金属ハイブリッド電池又は亜鉛マンガン電池等であるが、本発明はこれらに限定されない。
【0013】
図1は、本発明の一実施形態による、調整デバイス100を示す図である。
図1に示すように、調整デバイス100は、変圧器300に接続されており、変圧器300は、電源デバイス700に接続されている。変圧器300は、一次巻線(primary winding)L1と、二次巻線(secondary winding)L2と、を含む。変圧器300の一次巻線L1は、電源デバイス700に接続されており、電源デバイス700から変圧器300の二次巻線L2に電力を運ぶ。調整デバイス100は、変圧器300の二次巻線L2によって、電源デバイス700から出力された電力を受け取る。調整デバイス100は、電源デバイス700からの電力を用いて、第1バッテリセットBT1及び第2バッテリセットBT2を充電する。以下、調整デバイス100の動作について詳細に説明する。
【0014】
図1に示すように、調整デバイス100は、コモンモードチョーク102と、スイッチングデバイス104と、第1制御ユニット106と、を含む。コモンモードチョーク102は、入力側102aと、出力側102bと、を含む。コモンモードチョーク102の入力側102aは、変圧器300を介して電源デバイス700に接続されており、電源デバイス700により出力された電力を受け取る。コモンモードチョーク102の出力側102bは、第1端子102cと、第2端子102dと、を含み、第1端子102c及び第2端子102dは、スイッチングデバイス104に接続されている。スイッチングデバイス104は、第1入力ノード104aと、第2入力ノード104bと、第1出力ノード104cと、第2出力ノード104dと、第3出力ノード104eと、を含む。スイッチングデバイス104の第1入力ノード104aは、コモンモードチョーク102の第1端子102cに接続されており、スイッチングデバイス104の第2入力ノード104bは、コモンモードチョーク102の第2端子102dに接続されている。スイッチングデバイス104の第1出力ノード104cは、第1バッテリセットBT1に接続されており、スイッチングデバイス104の第2出力ノード104dは、第2バッテリセットBT2に接続されており、スイッチングデバイス104の第3出力ノード104eは、フロートされている(又は、アイドル接点で)。この結果、スイッチングデバイス104の第1出力ノード104cの電圧は、第1バッテリセットBT1の電圧レベル(第1端子電圧V1)であり、スイッチングデバイス104の第2出力ノード104dの電圧は、第2バッテリセットBT2の電圧レベル(第2端子電圧V2)である。
【0015】
特に、実際の用途では、変圧器300とコモンモードチョーク102との間に、例えばキャパシタ、整流回路、整流器等の整流デバイス(rectifying device)(図示省略)がある。整流デバイスは、変圧器300によって出力された電力を、安定したDC電源に変換して、コモンモードチョーク102に提供する。コモンモードチョーク102は、整流デバイスによって変換されたDC電源を、スイッチングデバイス104によって、第1バッテリセットBT1及び第2バッテリセットBT2に提供する。本発明の説明を簡潔にするために、
図1において整流デバイスを示していない。
【0016】
上述したように、調整デバイス100の第1制御ユニット106は、比較デバイス106aと、プロセッサ106bと、を含む。
図1に示すように、スイッチングデバイス104の第1出力ノード104c及び第1バッテリセットBT1は、第1制御ユニット106の比較デバイス106aに共通に接続されており、スイッチングデバイス104の第2出力ノード104d及び第2バッテリセットBT2は、第1制御ユニット106の比較デバイス106aに共通に接続されている。この結果、比較デバイス106aは、第1出力ノード104cの第1端子電圧V1と、第2出力ノード104dの第2端子電圧V2と、を受け取ることができる。第1制御ユニット106の比較デバイス106aは、第1出力ノード104cの第1端子電圧V1と、第2出力ノード104dの第2端子電圧V2と、を比較する。比較デバイス106aは、比較結果に応じて、比較信号S1をプロセッサ106bに出力する。これにより、第1制御ユニット106のプロセッサ106bは、比較デバイス106aによって出力された比較信号S1に基づいて、第1端子電圧V1と第2端子電圧V2との間の電圧差が誤差範囲内にあるか否かを判別し、スイッチングデバイス104への制御信号S2及び制御信号S3を生成することができる。
【0017】
第1制御ユニット106のプロセッサ106bは、スイッチングデバイス104の第1入力ノード104aを第1出力ノード104c又は第2出力ノード104dに選択的に接続するように制御する制御信号S2を出力する。第1制御ユニット106のプロセッサ106bは、スイッチングデバイス104の第2入力ノード104bを第2出力ノード104d又は第3出力ノード104eに選択的に接続するように制御する制御信号S3を出力する。
【0018】
いくつかの実施形態において、第1制御ユニット106のプロセッサ106bは、比較信号S1に基づいて、第1端子電圧V1が第2端子電圧V2よりも誤差範囲外の量だけ高いことを識別すると、スイッチングデバイス104の第1入力ノード104aを第2出力ノード104dに接続するように制御する制御信号S2を出力する。また、第1制御ユニット106のプロセッサ106bは、比較信号S1に基づいて、第2端子電圧V2が第1端子電圧V1よりも誤差範囲外の量だけ高いことを識別すると、スイッチングデバイス104の第2入力ノード104bを第3出力ノード104eに接続するように制御する制御信号S3を出力する。この実施形態において、第1端子電圧V1が第2端子電圧V2よりも誤差範囲外の量だけ高い場合とは、第1バッテリセットBT1のバッテリ電力が、第2バッテリセットBT2のバッテリ電力よりも大きいことを示している。同様に、第2端子電圧V2が第1端子電圧V1よりも誤差範囲外の量だけ高い場合とは、第2バッテリセットBT2のバッテリ電力が、第1バッテリセットBT1のバッテリ電力よりも大きいことを示している。
【0019】
上述したように、第1端子電圧V1と第2端子電圧V2との間の電圧差が誤差範囲内にない場合、第1制御ユニット106のプロセッサ106bは、第1バッテリセットBT1及び第2バッテリセットBT2が不平衡状態にあると判別する。つまり、第1バッテリセットBT1のバッテリ電力が第2バッテリセットBT2のバッテリ電力よりも大きい場合、調整デバイス100は、電源デバイス700を制御して第2バッテリセットBT2を充電し、電源デバイス700が第1バッテリセットBT1を充電するのを停止する。このとき、第1制御ユニット106のプロセッサ106bは、制御信号S2を出力することによって、スイッチングデバイス104の第1入力ノード104aをスイッチングデバイス104の第2出力ノード104dに接続するように制御する。また、プロセッサ106bは、制御信号S3を出力することによって、スイッチングデバイス104の第2入力ノード104bを第2出力ノード104dに継続的に接続するように制御する。
【0020】
第2バッテリセットBT2のバッテリ電力が第1バッテリセットBT1のバッテリ電力よりも大きい場合、調整デバイス100は、電源デバイス700を制御して第1バッテリセットBT1を充電し、電源デバイス700が第2バッテリセットBT2を充電するのを停止する。このとき、第1制御ユニット106のプロセッサ106bは、スイッチングデバイス104の第1入力ノード104aをスイッチングデバイス104の第1出力ノード104cに接続するように制御する。また、第1制御ユニット106のプロセッサ106bは、スイッチングデバイス104の第2入力ノード104bをスイッチングデバイス104の第3出力ノード104eに接続するように制御する。特に、本実施形態では、スイッチングデバイス104の第3出力ノード104eがフロート(アイドル接点)されるように構成されているが、本発明は、これに限定されない。
【0021】
上記の実施形態では、第1端子電圧V1と第2端子電圧V2との間の電圧差が誤差範囲内にある場合、第1制御ユニット106のプロセッサ106bは、第1バッテリセットBT1及び第2バッテリセットBT2が平衡状態を適切に維持していると判別する。第1バッテリセットBT1及び第2バッテリセットBT2が依然として適切な平衡状態を維持しているので、第1制御ユニット106は、制御信号S2,S3を介して、スイッチングデバイス104の第1入力ノード104aを第1出力ノード104cに接続するように制御するとともに、スイッチングデバイス104の第2入力ノード104bを第2出力ノード104dに接続するように制御する。この結果、調整デバイス100を通過することによって、電源デバイス700は、第1バッテリセットBT1及び第2バッテリセットBT2を均等に充電することができる。
【0022】
図2は、本発明の別の実施形態による、調整デバイス100の動作を示す図である。いくつかの他の実施形態では、調整デバイス100は、電気自動車の電力システムだけでなく、電力バックアップシステムにも適用することができる。
図2に示すように、電力バックアップシステム900は、調整デバイス100と、第1バッテリセットBT1と、第2バッテリセットBT2と、を含むことができる。以下に、
図1及び
図2を同時に参照して、本実施形態について説明する。通常の状態では、電源デバイス700は、十分な電力を負荷800に供給し、同時に電力バックアップシステム900を充電することができる。電力バックアップシステム900の充電工程において、調整デバイス100の動作方法は、
図1に示した動作と同じであるため、繰り返さない。電源デバイス700が十分な電力を負荷800に正常に供給できない場合、電力バックアップシステム900の第1バッテリセットBT1及び第2バッテリセットBT2は、負荷800への電力の供給を開始する。
【0023】
第1バッテリセットBT1及び第2バッテリセットBT2の放電工程において、第1制御ユニット106の比較デバイス106aは、第1端子電圧V1と第2端子電圧V2とを比較し、スイッチングデバイス104を制御するために、比較結果を第1制御ユニット106のプロセッサ106bに出力する。第1制御ユニット106がスイッチングデバイス104を制御する方法は、
図1に示した方法と同じであるため、繰り返さない。
【0024】
第1バッテリセットBT1及び第2バッテリセットBT2の放電工程において、第1バッテリセットBT1のバッテリ電力が第2バッテリセットBT2のバッテリ電力よりも大きい場合、調整デバイス100は、第2バッテリセットBT2が電力を負荷800に供給するのを停止し、第1バッテリセットBT1に、電力を継続的に負荷800に供給させる必要がある。このとき、第1制御ユニット106のプロセッサ106bは、比較信号S1に応じて、対応する制御信号S2を出力することによって、第1入力ノード104aをスイッチングデバイス104の第1出力ノード104cに接続するように制御する。また、第1制御ユニット106のプロセッサ106bは、制御信号S3を出力することによって、第2入力ノード104bをスイッチングデバイス104の第3出力ノード104eに接続するように制御する。第1バッテリセットBT1のバッテリ電力及び第2バッテリセットBT2のバッテリ電力が平衡状態に達すると、プロセッサ106bは、対応する制御信号S2,S3をそれぞれ出力することによって、第1入力ノード104aを第1出力ノード104cに接続するように制御するとともに、第2入力ノード104bを第2出力ノード104dに接続するように制御する。
【0025】
一方、第2バッテリセットBT2のバッテリ電力が第1バッテリセットBT1のバッテリ電力よりも大きい場合、調整デバイス100は、第1バッテリセットBT1が電力を負荷800に供給するのを停止し、第2バッテリセットBT2に、電力を継続的に負荷800に供給させる必要がある。このとき、第1制御ユニット106のプロセッサ106bは、比較信号S1に応じて、制御信号S2を出力し、第1入力ノード104aをスイッチングデバイス104の第2出力ノード104dに接続するように制御する。また、第1制御ユニット106のプロセッサ106bは、制御信号S3を出力し、第2入力ノード104bをスイッチングデバイス104の第2出力ノード104dに接続するように制御する。第1バッテリセットBT1のバッテリ電力及び第2バッテリセットBT2のバッテリ電力が平衡状態に達すると、プロセッサ106bは、制御信号S2を出力して、第1入力ノード104aを第1出力ノード104cに接続するように制御するとともに、制御信号S3を出力して、第2入力ノード104bを第2出力ノード104dに接続するように制御する。
【0026】
上記の各実施形態において、調整デバイス100の第1制御ユニット106は、バッテリセットのバランスをとるための重要な役割を果たす。これにより、以下の開示では、第1制御ユニット106の動作方法を継続して詳細に説明する。
【0027】
図3は、本発明の一実施形態による、第1制御ユニット106を示す図である。
図3に示すように、第1制御ユニット106は、比較デバイス106aと、プロセッサ106bと、を含む。比較デバイス106aは、抵抗R1〜R4と、演算増幅器OPAと、を含む。
図1及び
図3を参照して、第1制御ユニット106の構造を説明する。抵抗R1は、第1端子電圧V1に接続されており、さらに、抵抗R4と、演算増幅器OPAの正極端子とに接続されている。抵抗R2は、第2端子電圧V2に接続されており、さらに、抵抗R3と、演算増幅器OPAの負極端子とに接続されている。抵抗R4は、抵抗R1と、演算増幅器OPAの出力端子とに接続されている。さらに、演算増幅器OPAは、正の電源端子+Vccと負の電源端子−Vccとに接続されている。特に、本実施形態において、抵抗R1〜R4の抵抗は同一であるが、本発明は、これに限定されない。
【0028】
上述した比較デバイス106aの例示的な回路によれば、比較デバイス106aによって出力される比較信号S1を以下のように導出することができるが、これに限定されない。
S1=ΔV=V2−V1
【0029】
結果として、第1制御ユニット106の比較デバイス106aは、第1端子電圧V1と第2端子電圧V2との間の電圧差ΔVを計算するための減算器(subtractor)とみなすことができる。第1制御ユニット106のプロセッサ106bは、比較信号S1に従って、第1端子電圧V1と第2端子電圧V2との間の電圧差ΔVが誤差範囲内にあるかどうかを識別することができる。
【0030】
比較信号S1が正電圧である場合、プロセッサ106bは、第2端子電圧V2が第1端子電圧V1よりも高いと識別することができる。同様に、比較信号S1が負電圧である場合、プロセッサ106bは、第1端子電圧V1が第2端子電圧V2よりも高いと識別することができる。また、プロセッサ106bは、比較信号S1の絶対値に従って、第1端子電圧V1と第2端子電圧V2との間の電圧差ΔVが誤差範囲内にあるか否かを識別することができる。
【0031】
誤差範囲は、プロセッサ106bによって実行される以下の方法によって計算することができる。つまり、電圧差ΔVを第1端子電圧V1で除算するか、電圧差ΔVを第2端子電圧V2で除算する。いくつかの他の実施形態では、プロセッサ106bが、第1端子電圧V1が第2端子電圧V2よりも高いと識別した場合、プロセッサ106bは、誤差範囲を計算するために、電圧差ΔVを第1端子電圧V1で除算することを採用する。プロセッサ106bは、第2端子電圧V2が第1端子電圧V1よりも高いと識別した場合、誤差範囲を計算するために、電圧差ΔVを第2端子電圧V2で除算することを採用する。また、プロセッサ106bは、誤差範囲が5%よりも大きいと識別した場合、第1バッテリセットBT1及び第2バッテリセットBT2が不平衡状態にあると識別する。プロセッサ106bは、制御信号S2,S3を出力して、スイッチングデバイス104を制御する。プロセッサ106bは、誤差範囲が5%よりも小さいと判別した場合、第1バッテリセットBT1及び第2バッテリセットBT2が理想的な平衡状態にあると識別する。
【0032】
上述した各実施形態は、2つのバッテリセットをバランシングする調整デバイス100のみを示している。しかし、実際の用途では、異なる負荷が異なる電力要件を有するので、複数の調整デバイス100を有するバッテリ自動バランシングシステムが開発されている。以下に、バッテリ自動バランシングシステムの動作方法を詳細に説明する。
【0033】
図4は、本発明の一実施形態による、バッテリ自動バランシングシステム200を示す図である。
図4に示すように、バッテリ自動バランシングシステムは、少なくとも2つのバッテリ自動調整デバイスA,Bと、第2制御ユニット204と、を含むことができる。特に、この実施形態では、
図4のバッテリバランシングシステム200に2つのバッテリ自動調整デバイスA,Bのみが示されているが、実際の用途の需要に基づいて、3つ以上のバッテリ自動調整デバイスをバッテリバランシングシステム200に配置することができる。本発明の動作の説明を簡潔にするために、以下の各実施形態は、例として2つのバッテリ自動調整デバイスA,Bを有するバッテリ自動バランシングシステムを使用するが、本発明は、これに限定されない。
【0034】
図4において、各バッテリ自動調整デバイスA(又は、B)は、
図1に示すスイッチSW1(又は、SW2)と、電流検出デバイス202a(又は、202b)と、バッテリ調整ユニット100a(又は、100b)と、を含む。バッテリ自動調整デバイス(A,B)の全てのハードウェア(調整デバイス100a,100bを含む)、スイッチ(SW1,SW2)、電流検出デバイス(202a,202b)、モジュール、ソフトウェア、ファームウェアは、同じ仕様及び設計を有し、これらは全て同じ製造者によって製造され、供給される。また、バッテリ自動バランシングシステム200に適用されるバッテリセットBT1〜BT4は、同じ設計及び仕様を有し、同じ製造者によって製造される。この結果、バッテリ自動バランシングシステム200の動作を最適化することができる。
【0035】
また、バッテリ自動バランシングシステム200の第2制御ユニット204は、プロセッサ、コントローラ、チップ又は中央処理装置(CPU)等であってもよいが、本発明は、これに限定されない。
【0036】
図4において、バッテリ自動バランシングシステム200のスイッチSW1は、第1端子p1と、第2端子p2と、制御端子p3と、を含む。スイッチSW1の第1端子p1は、変圧器400によって電源デバイス700に接続されており、第1端子p1は、電源デバイス700から電力を受け取ることができる。スイッチSW1の第2端子p2は、負荷(
図4には示されていない)に接続されている。スイッチSW1の制御端子p3が第2制御ユニット204に接続されているので、第2制御ユニット204は、スイッチSW1の状態(オン又はオフ)を制御することができる。
【0037】
この実施形態では、変圧器400は、一次巻線L1と、二次巻線L2,L4と、を含む。変圧器400の一次巻線L1は、電源デバイス700に接続されている。二次巻線L2は、バッテリ自動調整デバイスAに接続されており、二次巻線L4は、バッテリ自動調整デバイスBに接続されている。変圧器400において、二次巻線L2及び二次巻線L4は同じ巻線であるため、バッテリ自動調整デバイスA及びバッテリ自動調整デバイスBは、同じ電力を受け取る。
【0038】
図1及び
図4を参照されたい。電流検出デバイス202aは、第1接点C1と、第2接点C2と、を含む。電流検出デバイス202aの第1接点C1は、スイッチSW1の第2端子p2及び負荷(図示省略)に接続されている。電流検出デバイス202aの第2接点C2は、調整デバイス100aのコモンモードチョーク102の入力側102aに接続されている。第1バッテリセットBT1及び第2バッテリセットBT2に用いられる調整デバイス100aの接続方法は
図1に詳細に示されているので、ここでは繰り返さない。よって、電源デバイス700によって供給される電力(例えば、電流等)は、スイッチSW1、電流検出デバイス202a及び調整デバイス100aを通過して、第1バッテリセットBT1及び第2バッテリセットBT2を充電することができる。また、電流検出デバイス202aは、電源デバイス700からの電流に従って、電流検出信号S4を第2制御ユニット204に送信する。第2制御ユニット204は、電流検出信号S4に従って、スイッチSW1をオン又はオフにする。
【0039】
バッテリ自動調整デバイスBの接続方法は、バッテリ自動調整デバイスAと同じであるため、ここでは繰り返さない。電流検出デバイス202bは、電流検出信号S5を第2制御ユニット204に送信する。第2制御ユニット204は、電流検出信号S5に従って、スイッチSW2をオン又はオフにする。
【0040】
いくつかの実施形態では、バッテリ自動バランシングシステムの第2制御ユニット204は、電流検出信号S4を電流検出信号S5と比較して、スイッチSW1,SW2をオン又はオフに制御する。第2制御ユニット204は、電流検出信号S4,S5間の電流差が目標範囲(約16mA)内にあると識別した場合、スイッチSW1,SW2をオフに制御する。このとき、バッテリセットBT1,BT2及びバッテリセットBT3,BT4は、電力を負荷に均等に供給する。
【0041】
第2制御ユニット204は、電流検出信号S4が電流検出信号S5よりも目標範囲(約16mA)外の量だけ大きいと識別した場合、バッテリ自動調整デバイスA,B間に不平衡状態があると識別する。バッテリ自動調整デバイスAによって出力される電力は、バッテリ自動調整デバイスBによって出力される電力よりも大きい。このとき、第2制御ユニット204は、スイッチSW1をオンにし、スイッチSW2をオフにする。その結果、バッテリ自動調整デバイスAによって出力される電力は、変圧器400の二次巻線L2を通過することによって、変圧器400の一次巻線L1に送られる。第2制御ユニット204は、電流検出信号S4,S5間の電流差が目標範囲(約16mA)内にあると識別した場合、スイッチSW1,SW2をオフ状態に回復する。
【0042】
同様に、第2制御ユニット204は、電流検出信号S5が電流検出信号S4よりも目標範囲(約16mA)外の量だけ大きいと識別した場合、バッテリ自動調整デバイスBによって出力される電力が、バッテリ自動調整デバイスAによって出力される電力よりも大きいと識別する。このとき、第2制御ユニット204は、スイッチSW1をオフにし、スイッチSW2をオンにする。その結果、バッテリ自動調整デバイスBによって出力される電力は、変圧器400の二次巻線L4を通過することによって、変圧器400の一次巻線L1に送られる。第2制御ユニット204は、電流検出信号S4,S5間の電流差が目標範囲(約16mA)内にあると識別した場合、スイッチSW2をオフ状態に回復する。
【0043】
いくつかの他の実施形態では、第2制御ユニット204は、電流検出信号S4が電流検出信号S5よりも目標範囲(約16mA)外の量だけ大きいと識別した場合、バッテリ自動調整デバイスA,B間に不平衡状態があると識別する。バッテリ自動調整デバイスBによって出力される電力は、バッテリ自動調整デバイスAによって出力される電力よりも小さい。このとき、第2制御ユニット204は、スイッチSW2をオンにし、スイッチSW1をオフにする。その結果、電源デバイス700は、変圧器400の一次巻線L1によって、電力を変圧器400の二次巻線L4に供給することができる。その結果、バッテリ自動調整デバイスBは、変圧器400によって、電源デバイス700からの電力を受け取ることができる。第2制御ユニット204は、電流検出信号S4,S5間の電流差が目標範囲(約16mA)内にあると識別した場合、スイッチSW2をオフ状態に回復する。
【0044】
上述したように、同様に、第2制御ユニット204は、電流検出信号S5が電流検出信号S4よりも目標範囲(約16mA)外の量だけ大きいと識別した場合、バッテリ自動調整デバイスAによって出力される電力が、バッテリ自動調整デバイスBによって出力される電力よりも小さいと識別する。このとき、第2制御ユニット204は、スイッチSW1をオンにし、スイッチSW2をオフにする。その結果、電源デバイス700は、変圧器400の一次巻線L1によって、電力を変圧器400の二次巻線L2に供給することができる。その結果、バッテリ自動調整デバイスAは、変圧器400によって、電源デバイス700からの電力を受け取ることができる。第2制御ユニット204は、電流検出信号S4,S5間の電流差が目標範囲(約16mA)内にあると識別した場合、スイッチSW1をオフ状態に回復する。
【0045】
図5は、本発明の別の実施形態による、バッテリ自動バランシングシステム500を示す図である。この実施形態では、バッテリ自動バランシングシステム500は、3つ以上のバッテリ自動調整デバイスA〜Dを有する。特に、
図5に示すバッテリ自動調整デバイスA〜Dの数は一例として用いられており、本発明は、これに限定されない。各バッテリ自動調整デバイスA〜Dは、スイッチと、電流検出デバイスと、調整デバイスと、を有する。
図5に示すように、バッテリ自動調整デバイスAは、一例として用いられている。バッテリ自動調整デバイスAは、スイッチSW1と、電流検出デバイス202aと、調整デバイス100aと、を含む。他のバッテリ自動調整デバイスB〜Dは、バッテリ自動調整デバイスAと同じである。
【0046】
図4及び
図5を参照されたい。特に、バッテリ自動バランシングシステム500は、第2制御ユニット204(図示省略)も含む。バッテリ自動バランシングシステム500の第2制御ユニット204は、電流検出デバイス202a〜202dに接続されており、電流検出デバイス202a〜202dによって出力される電流検出信号を受信する。さらに、バッテリ自動バランシングシステム500の第2制御ユニット204は、スイッチSW1〜SW4をオン又はオフに制御するために、スイッチSW1〜SW4の制御端子(図示省略)に接続されている。図面を簡潔にするために、
図5は、バッテリ自動バランシングシステム500の第2制御ユニット204と、第2制御ユニット204、スイッチSW1〜SW4及び電流検出デバイス202a〜202dの接続方法と、を示していない。
【0047】
バッテリ自動調整デバイスA〜Dの接続態様を
図4に示している。
図5のバッテリ自動調整デバイスAを例にとると、スイッチSW1、電流検出デバイス202a及び調整デバイス100aの接続態様は、
図4のバッテリ自動調整デバイスAと同じである。一方、
図5において、バッテリ自動調整デバイスAは、バッテリモジュールB1に接続されており、バッテリモジュールB1は、
図4の第1バッテリセットBT1及びバッテリセットBT2の図を簡略化したものである。他のバッテリモジュールB2〜B4は、バッテリモジュールB1と同じである。これにより、本実施形態において、バッテリ自動調整デバイスA〜Dの動作の説明を省略する。
【0048】
図5において、スイッチSW1は、バッテリ自動調整デバイスAの第1端子p1と、第2端子p2と、制御端子(図示省略)と、を含む。スイッチSW1の第1端子p1は、変圧器600によって電源デバイス700に接続されている。スイッチSW1の第2端子p2は、負荷800及び電流検出デバイス202aに接続されている。また、負荷800は、バッテリモジュールB4の負極Nに接続されている。その結果、通常動作時には、バッテリモジュールB1〜B4は、同時に、電力を負荷800に供給する。第2制御ユニット204は、スイッチSW1〜SW4をオフにする。
【0049】
いくつかの実施形態では、第2制御ユニット204は、以下の表1に示すように、電流検出デバイス202a〜202dを用いて、電流検出デバイス202a〜202dを通過する電流の電流値を得ることができる。
【表1】
【0050】
第2制御ユニット204は、電流検出デバイス202a〜202dの電流値を計算すると、電流最大目標値を決定する。表1に示すように、第2制御ユニットは、電流検出デバイス202cの電流を最大電流と判別した場合、電流検出デバイス202cの電流(220mA)を電流最大目標値とする。同時に、第2制御ユニット204は、電流最大目標値を、他の電流検出デバイス202a,202b,202dの電流と比較する。
【0051】
第2制御ユニット204は、電流最大目標値が他の電流検出デバイスを流れる電流よりも目標範囲(約16mA)外の量だけ大きいと判別した場合、スイッチをオンにする。表1に示すように、第2制御ユニット204は、電流検出デバイス202cの電流を電流最大目標値(220mA)として使用する。その後、第2制御ユニット204は、電流検出デバイス202a及び電流検出デバイス202bの電流が電流最大目標値(220mA)よりも小さく、電流差が目標範囲(16mA)を超えている、ことを識別する。これにより、第2制御ユニット204は、スイッチSW1及びスイッチSW2をオンにすることによって、電源デバイス700が電力をバッテリ自動調整デバイスA及びバッテリ自動調整デバイスBに供給することができる。このとき、第2制御ユニット204は、電流検出デバイス202dの電流が電流最大目標値よりも小さいと識別する。しかし、電流検出デバイス202dと電流最大目標値との間の電流差が16mA以下であるため、第2制御ユニット204は、スイッチSW4をオフにする。
【0052】
上述したように、第2制御ユニット204は、電流検出デバイス202aの電流と電流最大目標電流との間の電流差が目標範囲内(16mA未満)であると識別した場合、スイッチSW1をオフにする。同様に、電流検出デバイス202bの電流と電流最大目標電流とが目標範囲内(16mA未満)にある場合、第2制御ユニット204は、スイッチSW2をオフにする。
【0053】
いくつかの他の実施形態では、第2制御ユニット204は、電流検出デバイス202a〜202dの電流値を計算する場合に、電流最小目標値を決定する。表1に示すように、第2制御ユニット204は、電流検出デバイス202bの電流を最低電流として識別した場合、電流検出デバイス202bの電流(180mA)を電流最小目標値とする。同時に、第2制御ユニット204は、電流最小目標値を他の電流検出デバイス202a,202c,202dの電流と比較する。
【0054】
表1に示すように、第2制御ユニット204は、電流検出デバイス202c及び電流検出デバイス202dの電流が電流最小目標値よりも大きく、電流差が目標範囲(16mA)を超えていると識別する。これにより、第2制御ユニット204は、スイッチSW3及びスイッチSW4をオンにし、変圧器600を通過することによってバッテリ自動調整デバイスC及びバッテリ自動調整デバイスDを放電させる。このとき、第2制御ユニット204は、電流検出デバイス202aの電流が電流最小目標値よりも大きいと識別する。しかし、電流検出デバイス202aの電流と電流最小目標値との電流差が16mA以下であるため、第2制御ユニット204は、スイッチSW1をオフにする。
【0055】
上述したように、第2制御ユニット204は、電流検出デバイス202cの電流と電流最小目標値との間の電流差が目標範囲内(16mA未満)であると識別した場合、スイッチSW3をオフにする。同様に、電流検出デバイス202dの電流と電流最大目標電流とが目標範囲内(16mA未満)にある場合、第2制御ユニット204は、スイッチSW4をオフにする。
【0056】
本発明において、電流検出デバイス202a〜202dは、同じ仕様及び設計を有し、同じサプライヤによって供給される。また、電流検出デバイス202a〜202dは、電流センサやホールセンサ(hall sensors)等であってもよいが、本発明は、これに限定されない。
【0057】
以上をまとめると、調整デバイス100は、スイッチングデバイス104を用いて、バッテリセットの平衡状態を制御する。さらに、バッテリ自動バランシングシステム内のスイッチの動作を一致させることにより、本発明は、電力システムにおけるバッテリのバランシングをより効率的にすることができる。
【0058】
本発明の様々な実施形態を説明したが、これらは例としてのみ示されており、これらに限定されないことを理解されたい。本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、開示された実施形態に対して様々な変更を加えることができる。よって、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲に従って定義されるべきである。
【0059】
本明細書で用いられる用語は、特定の実施形態を説明することを目的としており、本発明を限定することを意図していない。本明細書で使用されているように、「一」、「1つの」、「この」という単数形は、文脈が他のことを明確に示さない限り、複数形も含むことが意図されている。さらに、「含む」、「有する」やこれらの変化形が、詳細な説明及び/又は特許請求の範囲に用いられており、このような用語の意味は、「備える」という用語と同様に包括的であることを意図している。