(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明は、以下に記載される実施形態に限定されず、添付の特許請求の範囲の全範囲に及ぶ。すなわち、本発明は様々な形で実施することができ、例示の目的で記載されている記載された実施形態に限定されると解釈されるべきではない。
【0025】
単数形の用語は、別段に明記されない限り、複数形を含み得る。
【0026】
別の構造物の上部/下部、または別の構造物の上/下に形成されていると記載されている場合は、構造物同士が接している場合と、さらにそれの間に第3の構造物が配置されている場合も含むものとする。
【0027】
時間関係を説明する際に、例えば、イベントの時間的順序が「後」、「後続」、「次」、「前」などとして説明される場合、別段に明記されない限り、本開示は連続的および非連続的イベントを含むと解釈されるべきである。例えば、「ちょうど」、「即時」、または「直接」などの表現が使用されていない限り、説明は連続的ではない場合を含むと解釈されるべきである。
【0028】
本明細書では「第1」、「第2」などの用語を使用して様々な要素を説明することがあるが、これらの要素はこれらの用語によって限定されない。これらの用語は、単にある要素を別の要素と区別するために使用されている。例えば、添付の特許請求の範囲から逸脱することなく、第1の要素を第2の要素と呼ぶことができ、同様に、第2の要素を第1の要素と呼ぶことができる。
【0029】
異なる実施形態の特徴は、互いに部分的にまたは全体的に結合されるかまたはそれらと組み合わされてもよく、互いに様々に相互運用されてもよい。いくつかの実施形態は、互いに独立して実行されてもよく、または共依存関係で一緒に実行されてもよい。
【0030】
許容できる品質のホログラフィック再構成は、元の対象物に関する位相情報のみを含む「ホログラム」から形成できることが分かった。このようなホログラフィック記録は位相限定ホログラムと称されることがある。いくつかの実施形態は、単なる例として、位相限定ホログラフィに関する。すなわち、いくつかの実施形態において、空間光変調器は位相遅延分布のみを入射光に適用する。いくつかの実施形態では、各ピクセルによって適用される位相遅延はマルチレベルである。すなわち、各ピクセルは、離散的な数の位相レベルのうちの1つに設定され得る。離散的な数の位相レベルは、はるかに大きな位相レベルの組または「パレット」から選択することができる。
【0031】
いくつかの実施形態では、コンピュータ生成ホログラムは、再構成のための対象物のフーリエ変換である。これらの実施形態では、ホログラムは対象物のフーリエ領域表現または周波数領域表現であると言える。
図1は、反射型SLMを使用して位相限定フーリエホログラムを表示し、例えばスクリーンまたは拡散板などの受光面上の再生フィールドでホログラフィック再構成を生成する実施形態を示す。
【0032】
光源110、例えばレーザまたはレーザダイオードは、コリメートレンズ111を介してSLM140を照射するように配置されている。コリメートレンズにより、光のほぼ平面の波面がSLMに入射することができる。波面の方向は法線方向からずれている(例えば、透明層の平面に対する真の垂直方向から2度または3度外れている)。他の実施形態では、ほぼ平面の波面は、例えばビームスプリッタを使用して垂直入射で提供される。
図1に示す例では、光源からの光がSLMのミラー状の背面で反射し、位相変調層と相互作用して出射波面112を形成するように配置がなされる。出射波面112は、受光面125、例えば拡散板またはスクリーンに焦点を結ぶフーリエ変換レンズ120を含む光学系に適用される。
【0033】
フーリエ変換レンズ120は、SLMから位相変調された光のビームを受光し、周波数−空間変換を実行して受光面125でホログラフィック再構成を生成する。
【0034】
光はSLMの位相変調層(すなわち位相変調素子のアレイ)全体に入射する。位相変調層から出射した変調光は再生フィールド全体に配光される。特に、このタイプのホログラフィでは、ホログラムの各ピクセルが全体の再構成に寄与する。すなわち、再生フィールド上の特定の点と特定の位相変調素子との間に一対一の相関はない。
【0035】
これらの実施形態では、空間でのホログラフィック再構成の位置(深さ)は、フーリエ変換レンズの屈折力(焦点力)によって決定される。
図1に示す実施形態では、フーリエ変換レンズは物理レンズである。すなわち、フーリエ変換レンズは光学フーリエ変換レンズであり、フーリエ変換は光学的に行われる。任意のレンズもフーリエ変換レンズとして機能することができるが、レンズの性能はそれが実行するフーリエ変換の精度を制限する。当業者は、レンズを使用して光フーリエ変換を実行する方法を理解している。しかしながら、他の実施形態では、フーリエ変換は、ホログラフィックデータにレンズ効果データを含めることによって計算的に実行される。すなわち、ホログラムは、レンズを表すデータと、対象物を表すデータとを含む。結果として生じるホログラフィック再構成の光が、あたかもSLMの後のビーム経路にレンズが存在するかのように進むように、レンズを表すホログラフィックデータを計算する方法が、コンピュータ生成ホログラムの分野で知られている。レンズを表すホログラフィックデータは、ソフトウェアレンズ、ホログラムのレンズ部品、またはレンズデータと称されることがある。位相限定ホログラフィックレンズは、例えば、その屈折率および空間的に変化する光路長により、レンズの各点によって引き起こされる位相遅延を計算することによって形成され得る。例えば、凸レンズの中心における光路長は、レンズの端部における光路長よりも長い。振幅限定ホログラフィックレンズは、フレネルゾーンプレートによって形成することができる。物理的フーリエレンズを必要とせずにフーリエ変換を実行することができるように、レンズを表すホログラフィックデータ(レンズ部品)を対象物を表すホログラフィックデータと組み合わせる方法もまたコンピュータ生成ホログラムの技術分野で知られている。いくつかの実施形態では、レンズ効果データは単純なベクトル加算によってホログラフィックデータと組み合わされる。いくつかの実施形態では、フーリエ変換を実行するために、物理レンズがソフトウェアレンズと共に使用される。あるいは、他の実施形態では、ホログラフィック再構成が遠視野で行われるように、フーリエ変換レンズは完全に省略される。さらなる実施形態では、ホログラムは、追加的または代替的に、格子データ、すなわち、再生フィールド内の画像の位置に影響を与えるために、ビームステアリングなどの格子の機能を実行するように構成されたデータを含み得る。また、コンピュータ生成ホログラムの分野では、そのようなホログラフィックデータを計算し、それを対象物を表すホログラフィックデータと組み合わせる方法が知られている。例えば、位相限定ホログラフィック格子は、ブレーズド格子の表面上の各点によって引き起こされる位相遅延をモデル化することによって形成することができる。振幅限定ホログラフィック格子を対象物を表す振幅限定ホログラムに単純に重ね合わせて、振幅限定ホログラムの角度操作を提供することができる。
【0036】
2D画像のフーリエホログラムは、Gerchberg−Saxtonアルゴリズムなどのアルゴリズムを使用することを含む、いくつかの方法で計算することができる。Gerchberg−Saxtonアルゴリズムが、空間領域(2D画像などの)の振幅情報からフーリエ領域の位相情報を導出するために使用されてもよい。すなわち、対象物に関連する位相情報は、空間領域内のみの情報である振幅、すなわち強度から「回復する」ことができる。したがって、対象物の位相限定フーリエ変換を計算することができる。
【0037】
いくつかの実施形態では、コンピュータ生成ホログラムは、Gerchberg−Saxtonアルゴリズムまたはその変形を使用して振幅情報から計算される。光ビームの平面A、Bそれぞれにおける強度断面I
A(x、y)、I
B(x、y)が既知であり、I
A(x、y)とI
B(x、y)とが単一のフーリエ変換で関係付けられているとき、Gerchberg Saxtonアルゴリズムは、位相回復問題を考察する。強度断面が与えられたとき、平面A、Bそれぞれにおける位相分布Ψ
A(x、y)とΨ
B(x、y)の近似法が得られる。Gerchberg Saxtonアルゴリズムは、反復的プロセスに従うことによりこの問題の解を求める。
【0038】
Gerchberg Saxtonアルゴリズムは、I
A(x、y)とI
B(x、y)を表すデータセット(振幅と位相)を、空間領域とフーリエ(スペクトル)領域との間で繰り返し変換しながら、空間およびスペクトルの拘束条件を反復的に適用する。空間およびスペクトルの拘束条件は、それぞれI
A(x、y)とI
B(x、y)である。空間またはスペクトル領域における拘束条件は、データセットの振幅に組み入れられる。一連の反復を通して、対応する位相情報が回復される。
【0039】
いくつかの実施形態において、ホログラムは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる英国特許第2,498,170号明細書または第2,501,112号明細書に記載されているようなGerchberg−Saxtonアルゴリズムに基づくアルゴリズムを使用して計算される。
【0040】
いくつかの実施形態によれば、Gerchberg−Saxtonアルゴリズムに基づくアルゴリズムは、既知の振幅情報T[x、y]を生み出すデータセットのフーリエ変換の位相情報Ψ[u、v]を回復する。振幅情報T[x、y]はターゲット画像(例えば写真)を表す。位相情報Ψ[u、v]は、画像平面におけるターゲット画像を表すホログラフィック表現を生成するために使用される。
【0041】
強度と位相はフーリエ変換で本質的に結合しているため、変換された強度(と位相)は、算出されたデータセットの精度に関する有用な情報を含む。このように、このアルゴリズムは、振幅と位相の情報のフィードバックを提供する。
【0042】
本開示のいくつかの実施形態によるGerchberg−Saxtonアルゴリズムに基づく例示的なアルゴリズムを、
図2を参照しながら以下に説明する。アルゴリズムは反復的かつ収束的である。アルゴリズムは、入力画像を表すホログラムを生成するように構成されている。アルゴリズムは、振幅限定ホログラム、位相限定ホログラム、または完全に複合のホログラムを決定するために使用されてもよい。本明細書に開示された例は、単なる例として位相限定ホログラムの生成に関する。
図2Aは、アルゴリズムの最初の反復を示しており、アルゴリズムのコアを表している。
図2Bは、アルゴリズムの後続の反復を示す。
【0043】
この説明の目的のために、振幅および位相情報は別々に検討されるが、それらは本質的に組み合わされて複合複素データセットを形成する。
図2Aを参照すると、アルゴリズムのコアは、第1の複素データを含む入力と第4の複素データを含む出力とを有すると考えることができる。第1の複素データは、第1の振幅成分201と第1の位相成分203とを含む。第4の複素データは、第4の振幅成分211と第4の位相成分213とを含む。この例では、入力画像は2次元である。したがって、振幅情報および位相情報は、遠視野画像における空間座標(x、y)の関数およびホログラム領域に対する(u、v)の関数である。すなわち、各平面における振幅および位相は、各平面における振幅および位相分布である。
【0044】
この最初の反復において、第1の振幅成分201はホログラムが計算されている入力画像210である。この最初の反復において、第1の位相成分203は、単にアルゴリズムの開始点として使用されるランダム位相成分230である。処理ブロック250は、第1の複素データのフーリエ変換を実行して、第2の振幅成分(図示せず)および第2の位相情報205を有する第2の複素データを形成する。この例では、第2の振幅成分は廃棄され、処理ブロック252によって第3の振幅成分207に置き換えられる。他の例では、処理ブロック252は、異なる関数を実行して第3の振幅成分207を生成する。この例では、第3の振幅成分207は光源を表す分布である。第2の位相成分205は処理ブロック254によって量子化されて第3の位相成分209を生成する。第3の振幅成分207および第3の位相成分209は第3の複素データを形成する。第3の複素データは、逆フーリエ変換を実行する処理ブロック256に入力される。処理ブロック256は、第4の振幅成分211および第4の位相成分213を有する第4の複素データを出力する。第4の複素データは、次の反復のための入力を形成するために使用される。すなわち、n回目の反復の第4の複素データは、(n+1)回目の反復の第1の複素データセットを形成するために使用される。
【0045】
図2Bは、アルゴリズムの第2および後続の反復を示す。処理ブロック250は、前の反復の第4の振幅成分211から導出される第1の振幅成分201と、前の反復の第4の位相成分に対応する第1の位相成分213とを有する第1の複素データを受信する。
【0046】
この例では、以下に説明するように、第1の振幅成分201は、前の反復の第4の振幅成分211にから出される。処理ブロック258は、前の反復の第4の振幅成分211から入力画像210を減算して、第5の振幅成分215を形成する。処理ブロック260は、第5の振幅成分215を利得係数αでスケールし、それを入力画像210から減算する。これは数学的には次の式で表される。
R
n+1[x、y]=F’{exp(iΨ
n[u、v])}
Ψ
n[u、v]=∠F{η・exp(i∠R
n[x、y])}
η=T[x、y]−α(|R
n[x、y]|−T[x、y])
ここで、
F’は逆フーリエ変換、
順フーリエ変換の場合はF、
Rは再生フィールド、
Tはターゲット画像、
∠は角度情報、
Ψは角度情報の量子化バージョン、
εは新しいターゲットの大きさ、ε≧0であり、
αは利得因子で約1である。
【0047】
利得因子αは、固定でも可変でもよい。例では、利得因子αは、入力するターゲット画像データのサイズおよび速度に基づいて決定される。
【0048】
処理ブロック250、252、254、および256は、
図2Aを参照して説明したように機能する。最後の反復では、入力画像210を表す位相限定ホログラムΨ(u、v)が出力される。位相限定ホログラムΨ(u、v)は、周波数領域またはフーリエ領域における位相分布を含むと言える。
【0049】
他の例では、第2の振幅成分は破棄されない。代わりに、入力画像210が第2の振幅成分から減算され、その振幅成分の倍数が入力画像210から減算されて第3の振幅成分307が生成される。他の例では、第4の位相成分は完全にはフィードバックされず、その切り替えに比例する部分、例えば最後の2回の反復だけがフィードバックされる。
【0050】
いくつかの実施形態では、画像データを受信し、アルゴリズムを使用してリアルタイムでホログラムを計算するように構成されたリアルタイムエンジンが提供される。いくつかの実施形態では、画像データは一連の画像フレームを含むビデオである。他の実施形態では、ホログラムは予め計算され、コンピュータメモリに格納され、SLM上に表示するために必要に応じて呼び出される。すなわち、いくつかの実施形態では、所定のホログラムの保存場所が提供される。
【0051】
しかしながら、いくつかの実施形態は、単なる例として、フーリエホログラフィおよびGerchberg−Saxton型アルゴリズムに関する。本開示は、フレネルホログラフィと、ポイントクラウド法に基づくものなどの他の技術によって計算されたホログラムにも等しく適用可能である。
【0052】
本開示は、多数の異なる種類のSLMのうちの任意の1つを使用して実装され得る。SLMは、空間変調された光を反射または透過で出力することができる。いくつかの実施形態では、SLMはシリコン基板上の液晶(LCOS)SLMであるが、本開示はこの種類のSLMに限定されない。
【0053】
LCOS装置は小さな開口部内に位相限定要素の大きなアレイを表示することができる。小さな要素(典型的には約10ミクロン以下)は実用的な回折角(数度)をもたらすので、光学系は非常に長い光路を必要としない。LCOS SLMの小さな開口部(数平方センチメートル)を適切に照射することは、より大きな液晶装置の開口部に対するよりもより容易である。LCOS SLMはまた、大きな開口率を有し、ピクセル間にデッドスペースがほとんど存在しない(ピクセルを駆動する回路がミラーの下に埋設されているため)。これは再生フィールドにおける光学ノイズを低減するための重要な課題である。シリコンバックプレーンを用いることは、ピクセルが光学的に平坦であるという利点を有し、これは位相変調装置にとって重要である。
【0054】
適切なLCOS SLMを、
図3を参照して、単なる例として以下に説明する。LCOSデバイスは単結晶シリコン基板302を用いて形成される。それは、基板の上面に間隙301aで離間されて配置された、正方形の平面アルミニウム電極301の2Dアレイを有する。各電極301は、基板302に埋設された回路302aを介してアドレス指定可能である。各電極はそれぞれの平面ミラーを形成する。電極アレイ上に配向層303が配置され、配向層303上に液晶層304が配置されている。第2の配向層305は、液晶層304が配置され、また例えばガラスの平面透明層306が第2の配向層305上に配置されている。透明層306と第2の配向層305との間には例えばITOの単一の透明電極307が配置されている。
【0055】
正方形電極301のそれぞれは、透明電極307の上を覆う領域および介在する液晶材料と共に、制御可能な位相変調素子308を画定し、これは通常ピクセルと称される。有効ピクセル領域、すなわちフィルファクタは、光学的に活性なピクセル全体の内で、ピクセル301a間のスペースを考慮した割合である。透明電極307に関して各電極301に印加される電圧を制御することによって、それぞれの位相変調素子の液晶材料の特性が変化することができ、これにより入射光に可変遅延が与えられる。この効果として、波面に位相限定変調が与えられ、すなわち振幅の影響は起こらない。
【0056】
記載されたLCOS SLMは空間変調された光を反射で出力するが、本開示は透過型LCOS SLMにも同様に適用可能である。反射型LCOS SLMは、信号線、ゲート線およびトランジスタが鏡面の下にあるという利点を有し、それは高いフィルファクタ(典型的には90%を超える)および高い解像度をもたらす。反射型LCOS空間光変調器を使用することの別の利点は、透過型装置が使用された場合よりも必要な液晶層の厚さを半分にできることである。これにより、液晶のスイッチング速度(動画像の投影のキーポイント)が大幅に向上する。
【0057】
図4は、実施形態によるホログラフィック投影システム400を示す。ホログラフィック投影システム400は、USB制御信号用の第1の入力401、入力電力用の第2の入力402、およびHDMI用の第3の入力403を含む。ホログラフィック投影システム400は、レーザコントローラ410、LCOSドライバ420、電力用変圧器430、周囲光センサ440、受光面450、例えば拡散板またはスクリーン、光センサ460、レーザ470およびSLM 480を含む。
【0058】
ホログラフィック投影システム400へのUSB制御信号のための第1の入力401は、レーザコントローラ410の第1の入力によって受け取られる。レーザコントローラ410はさらに、電力用変圧器430からの第1の電力431、LCOSドライバ420からの同期信号421、周囲光センサ440からの周囲光信号441、および光センサ460からの光検出信号461を受信するように構成される。レーザドライバ出力411はレーザ470に接続されている。
【0059】
ホログラフィック投影システム400への電力のための第2の入力402が、電力用変圧器430の入力によって受け取られる。電力用変圧器430は、第1の電力431をレーザコントローラ410に供給する第1の出力と、第2の電力432を拡散板450に供給する第2の出力と、第3の電力433をLCOSドライバ420に供給する第3の出力とを含む。いくつかの実施形態では、拡散板は電力を供給されず、第2の電力432は省略されてもよい。
【0060】
ホログラフィック投影システム400へのHDMIのための第3の入力403は、LCOSドライバ420の第1の入力によって受け取られる。LCOSドライバ420は、上述のように、電力用変圧器430から第3の電力433を受け取るようにさらに構成される。LCOSドライバは、同期信号421をレーザコントローラ410に、制御信号422(光変調データを含む)をSLM480に出力するように構成される。
【0061】
レーザ470は、レーザドライバ出力411に従ってSLM480を照射するように構成される。SLMの各ピクセルは入射光の一部を受光する。SLM480は、受信光を空間変調するために制御信号422に従って制御される。制御信号422は、ホログラムを表す命令を含む。すなわち、制御信号422はホログラフィックデータを含む。SLMの各ピクセルは、入射光の対応する部分を独立して変調するために個々にアドレス指定される。ピクセルは集合的にホログラフィックパターンを表す。したがって、光変調パターンまたは分布が受信波面に適用される。いくつかの実施形態では、位相遅延分布が波面に適用される。SLMはホログラムを「表示する」と言える。
【0062】
SLMからの空間変調された光は受光面450に画像を形成し、再生フィールドを提供する。画像はホログラフィック再構成である。ホログラフィック再構成は、ホログラフィック再構成平面上のホログラフィック再生領域内に形成される。ホログラフィック再構成は、
図3には示されていないフーリエ変換レンズなどの光学系を必要とすることがある。
【0063】
あるいは、制御信号422は、物理光学を必要とせずに再構成を実行するように構成された追加のホログラフィックデータをさらに含むことができる。
【0064】
図5は、実施形態によるホログラフィック投影システムのレーザドライバ510を示す。レーザドライバ510は、USB制御信号用の第1の入力501を受信するように構成されたマイクロコントローラ520を備える。本開示は、単なる例としてUSB制御信号に言及しており、任意の信号規格を使用することができる。レーザドライバ510はさらに、LCOSドライバからの同期信号521、周囲光センサからの周囲光信号541(ADC543を介して)、および光センサからの光検出信号561を受信する(ADC563を介して)ように構成される。レーザドライバ出力511はDAC530の入力に接続されている。DAC530の出力はレーザドライバ550の入力に接続されている。レーザドライバ550の出力はレーザ570のドライブに接続されている。レーザドライバ550は、電流フィードバック560をマイクロコントローラ520のADC580に供給する。
【0065】
図6は、実施形態によるホログラフィック投影システムのLCOSドライバ620を示す。LCOSドライバ620は、HDMI受信機チップ650、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)660、および複数の局所変圧器670a〜670fを備える。HDMI受信機チップ650は、ホログラフィック投影システムの第3の入力603を受信するように構成された入力と、FPGA660の入力に接続された出力とを有する。FPGA660の出力はLCOS680に接続されている。
【0066】
画像は、
視認者が視認するための情報を含む1次画像領域と、1次画像領域とは異なる、例えば1次画像領域から離間した2次画像領域とを有する。いくつかの実施形態では、画像の任意の残りの領域をノイズダンプとして使用することができる。1次画像領域は、速度または位置を示す情報などの拡張現実情報を含むことができる。光センサ460は、2次画像領域の光パワーを測定するように配置されている。すなわち、光センサ460は、2次画像領域に対応する受光面450の部分によって乱反射(または透過)された光、またはその部分への進行を妨げられた光を受光するように構成されている。光センサは、受光面の前方または受光面の後方に配置することができる。図示されていないいくつかの実施形態では、光センサを受光面の後方に配置して、ノイズを低減するスペックル除去効果を提供する。光センサは、光路に対して受光面の前または後に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、2次画像領域は、主に
視認者を対象としていない情報を含む。いくつかの実施形態では、光センサ460は、それが1次画像領域からいかなる光も受光しないように配置される。
【0067】
本発明者らは、ホログラフィック投影システムを用いて、ホログラム内に追加の情報を計算的に符号化することが可能であり、これはフィードバックをシステムに提供する目的専用であり得ることを認識した。このフィードバックは、改善されたホログラフィック再構成を提供するために使用され得る。いくつかの実施形態では、フィードバックは投影システムのパラメータをリアルタイムで制御するために使用される。
【0068】
本発明者らは、ホログラフィック投影システムでは、画像の明るさは表示される画像内容の量に依存することを見い出した。具体的には、より多くの内容が画像に表示されている場合、輝度が低下するにつれて画像の明るさが低下することが分かる。これは、従来のディスプレイ技術とは異なり、入力光が画像全体にわたって回折ホログラフィックプロセスによって分割されるためである(これは呼び出され、光を受光する再生フィールドの一部である)。情報内容の量と光パワーとの間には反比例関係があると考えることができる。例えば、1領域単位のホログラフィック画像は、10領域単位で形成された画像よりも10倍明るくなる。ホログラフィックプロセスのこれらの結果のために、1次画像領域の明るさに関する情報は、光の一部を2次画像領域に導き、2次画像領域の光パワーを監視することによって提供され得る。これは、2次画像領域の光パワーが画像の放射束(Js
−1m
2)または輝度(cdm
−2)、したがって明るさ(照射される再生フィールドの部分)を直接表すためである。これは、2次画像領域が固定領域である場合、または2次画像領域の領域が考慮される場合に特に当てはまる。有利には、本開示のコンピュータ生成ホログラムによって、1次画像領域に悪影響を与えたり、1次画像領域に表示された情報のユーザの視界を不明瞭にしたりすることなく、光を2次画像領域に容易に向けることができる。
【0069】
したがって、いくつかの実施形態では、例えば上で具体的に説明したように、ホログラフィック投影システムはユーザに情報を表示するように構成される。投影システムは、受光面、例えばスクリーンまたは拡散板と、第1の波長で第1の光を出力するように構成された第1の光源とを備える。第1の空間光変調器は、第1の光源から第1の光を受光し、第1の空間光変調器上に表される第1のコンピュータ生成ホログラムに従って空間変調光を出力して、受光面上に第1の画像を形成するように構成される。第1の画像は、ユーザに関する情報を含む1次画像領域と、1次画像領域とは異なる2次画像領域とを含む。例えば、2次画像領域は1次画像領域から離間していてもよい。第1の検出器は、第1の画像の2次画像領域の光パワーを検出するように構成されている。
【0070】
ホログラムは、1次画像領域および2次画像領域に光を向ける情報を含み得る。1次画像領域に向けられた光は組み合わされて、ユーザにとって有用な情報またはデータを形成する。2次画像領域はスポットまたは他の形状の光を含んでもよいが、任意の好ましい光パターンが2次画像領域に向けられてもよい。
【0071】
いくつかの実施形態では、第1のコンピュータ生成ホログラムは、画像の1次領域を表す第1のホログラム部品を含む。第1のコンピュータ生成ホログラムはまた、2次画像領域に向けられた光パターンを表す第2のホログラム部品を含み得る。2次画像領域は、投影システムに有用なフィードバックを提供する目的で提供されてもよい。そのために、いくつかの実施形態では、2次画像領域はホログラフィック投影システムのための制御情報を含む。「制御情報」という用語は、内容が、ユーザまたは画像の観察者ではなく投影システムによって使用されることを反映するために使用される。すなわち、制御情報は、ユーザまたは観察者に有用な視覚的情報を提供しなくてもよい。
【0072】
有利には、本開示のホログラフィック技術は、制御情報(2次画像領域)を、ユーザを対象とする任意の内容から離して配置することを可能にする。したがって、制御情報は、ユーザの視界を妨げないように、観察者を対象とする内容から物理的に離れていてもよい。
【0073】
図7は、いくつかの実施形態による、1次画像領域710および2次画像領域720を含む画像700の一例を示す。
【0074】
いくつかの実施形態では、2次画像領域は、1次画像領域から空間的に離れており、例えば1次画像領域の周囲に配置されている。すなわち、2次画像領域は、1次画像領域の外側または離れた位置、例えばホログラフィック再生フィールドの周囲または端部付近に配置される。したがって、2次画像領域は、1次画像領域から離間してもよく、例えば1次画像領域と隣接し、1次画像領域と共通の境界を有し、または1次画像領域と2次画像領域との間の介在画像または非画像領域でさらに離間してもよい。
【0075】
いくつかの実施形態では、第1のコンピュータ生成ホログラムは、画像の数学的変換、任意選択で、フーリエ変換またはフレネル変換に対応する。すなわち、いくつかの実施形態では、第1のコンピュータ生成ホログラムはフーリエホログラムまたはフレネルホログラムである。これらの実施形態では、第1のコンピュータ生成ホログラムは、フーリエレンズ効果機能を果たすように構成された第2のホログラム部品を含むことができる。しかしながら、他の実施形態では、コンピュータ生成ホログラムは、光線追跡法またはポイントクラウド法に基づくものなどの他の数学的技法によって計算される。
【0076】
2次画像領域の光パワーの測定値を使用して、改善されたホログラフィック再構成を提供することができる。具体的には、いくつかの実施形態では、ホログラフィック投影システムは、2次画像領域の検出された光パワーに応答して第1の光源によって出力される光の光パワーを変えて、例えば画像明るさの閉ループフィードバック制御を提供するように構成される光コントローラをさらに含む。例えばレーザコントローラである光コントローラへのこのフィードバックにより、光源によって発せられた光パワー、したがってホログラフィック画像の明るさを、検出された光パワーに基づいて制御することが可能になる。2次画像領域の光パワーは1次画像領域の明るさを直接表しており、これは単位エリア当たりの光パワーに関係していると考えられる。
【0077】
ホログラフィを使用して画像を投影する結果として、画像の明るさは表示される内容の量に依存すると考えられている。これは、動的に変化する画像の表示中に画像の明るさに目に見える変化をもたらす可能性がある。いくつかの実施形態では、この問題は、2次画像領域の光パワーの測定に基づいて、閉ループフィードバック制御の使用によって対処される。具体的には、負の誤り訂正フィードバックループのパラメータとして、2次画像領域の所望の光パワーをそのように設定することによって、1次画像領域内の明るさを実質的に一定に維持するように、フィードバックを使用することができる。いくつかの実施形態では、光コントローラは、2次画像領域の検出された光パワーに応答して、1次画像領域の光パワーを実質的に一定の値に維持するように構成される。
【0078】
1次画像領域の明るさは、2次画像領域の基準光パワーを使用することによって維持することができる。具体的には、1次画像領域の明るさは、2次領域の光パワーが基準値にあるレベルに維持されてもよい。いくつかの実施形態では、光コントローラは、2次画像領域の検出された光パワーが基準光パワーよりも大きい場合、光源から出力される光の光パワーを減少させ、および/または2次画像領域の検出された光パワーが基準光パワーよりも小さい場合、光源から出力される光の光パワーを増加させるように構成される。
【0079】
2次画像の基準光パワーは、2次画像領域のエリアおよび場合によっては知覚波長スケーリングなどの他の要因を考慮に入れる計算によって、例えば輝度に関して測定される所望の明るさに対応するように、任意の手段によって決定され得る。例えば、基準光パワーはシステム内で配線されて、ユーザによって事前に決定されるか、またはユーザによって選択されてもよい。いくつかの実施形態では、基準光パワーは、例えば画像明るさを長時間一定に維持するために、より早い時点での2次画像領域の光パワーによって決定される。
【0080】
いくつかの実施形態では、基準値に関するフィードバック制御は、負のフィードバックループを含んでもよく、例えば、光コントローラは基準光パワーから検出光パワーを減算することによって得られる値に比例して出力される光の光パワーを変化させ、比例した制御項を提供する。この差を乗算してフィードバック信号を明るさ、例えば輝度に関連する単位に変換するために利得係数が使用されてもよい。微分および積分項などの他の制御項または他の、例えば非線形の項もまた使用され得る。いくつかの実施形態では、フィードバック制御はヒステリシスの要素を組み込んでもよく、例えば、検出された光パワーが基準光パワーよりも第1の閾値量を下回る場合、光出力の光パワーは増加し得、検出された光パワーが第2の閾値量よりも多く基準光パワーを超えている場合、減少し得る。
【0081】
いくつかの実施形態では、光パワーフィードバックに基づく利得係数Gが光源の駆動入力に適用され、1次画像領域の光パワーは利得係数を変えることによって変えられる。いくつかの実施形態では、利得係数は以下の式によって決定される。
【数1】
【0082】
ここで、T=画像の所望の最大輝度(cd/m
2)、P=2次画像領域の第1の波長における輝度(cd/m
2)(例えば、よく知られているように、検出された光パワーを2次画像領域のエリアによって除算することによって、またJs
−1m
−2からcdm
−2に変換するためのスケーリングによって得られる)、x=画像に使用される階調総数、およびy=2次画像領域の光の階調。例えば、画像は256階調を含むことができ、階調0は黒であり、階調255は白であってもよい。「階調」への言及は、画像の特定のカラー、またはその欠如を意味するのではなく、むしろ所与の画像エリア、例えば、デジタル画像のピクセルについての離散化されたレベルの明るさ(輝度、強度など)を指す。
【0083】
光検出器からの放射/光パワー(Js
−1)または放射強度(Js
−1sr
−1)測定値を輝度に変換する方法は知られている。ディスプレイ業界では、所望の最大輝度(cd/m
2)を指定できることも知られている。したがって、利得Gは、表示される画像内容の量または画像、特に1次画像領域のエリア範囲にかかわらず、ディスプレイが所望の最大輝度を提供することを保証するために使用され得る。
【0084】
いくつかの実施形態において、第1の検出器は、検出された光の光パワーに対して非線形の電気的応答を提供するように構成される。有利なことに、これは、1:10,000などの高いダイナミックレンジを提供するために、レーザドライバで使用されるADCおよびDACが8ビットを超える必要がない可能性があることを意味する。いくつかの実施形態では、第1の検出器は非線形電子回路を含む。いくつかの実施形態では、非線形電子回路は対数増幅器を備える。いくつかの実施形態では、非線形電子回路は、自動利得制御または切替可能利得抵抗を含む増幅器を備える。他の実施形態において、非線形応答は、異なる感度を有する複数の光検出器を含む検出器を使用することによって提供される。
【0085】
本発明者らは、複合カラーホログラフィック投影システムでは、画像の色温度(またはカラーバランス)は、各成分カラーに含まれる画像内容の量、または各成分カラー画像の画像エリアに依存することを見い出した。すなわち、情報内容の量または画像エリアの量と光パワーとの間の逆の関係は独立して各カラーに拡大する。したがって、赤の内容の量またはエリアが青および/または緑に対して減少する場合、複合カラー画像はより赤く見える。つまり、画像内の赤のエリアが減少すると、画像内の赤のエリアがより明るくなる。同様に、青の内容の量またはエリアが赤および/または緑に対して減少する場合、複合画像はより青く見えることがある。本発明者らは、これが複合カラー画像の知覚カラーバランスまたは色温度に影響を与えることを確認した。これは、従来のディスプレイ技術とは異なり、各カラーの入力光が上述のように回折ホログラフィックプロセスによって画像エリア全体に均等に分割され、各カラーの光の光出力が、他のカラーの光の光パワーと無関係であるためである。したがって、情報内容は絶えず変化しているので、画像の色温度は絶えず変化している可能性がある。しかしながら、1次画像領域のカラーバランスに関する情報は、各カラーの光の一部を2次画像領域に導き、2次画像領域内の各カラーの光パワーを監視することによって提供され得る。これは、上述したように、2次画像領域の光パワーが1次画像の明るさを表すためである。有利には、本開示によるホログラフィによって、1次画像領域に悪影響を与えたり、1次画像領域に表示された情報のユーザの視界を不明瞭にしたりすることなく、各カラーの光を2次画像領域に容易に向けることができる。2次画像領域は各カラーについて同じであってもよく、または別々のそれぞれの2次画像領域が1つ、いくつかまたはすべてのカラーについて使用されてもよい。
【0086】
図8は、実施形態による複合カラーホログラフィック投影システム800を示す。
図8は、
図4にほぼ対応しており、当業者は、
図4の説明が
図8にどのように及ぶかを理解するであろう。
図8は、2つの追加のレーザ470’および470’’、2つの追加のSLM480’および480’’ならびに対応する追加の光路および電路を示す。例えば、レーザ470は赤色であり得、レーザ470’は緑色であり得、レーザ470’’は青色であり得る。同様に、SLM470は赤色画像の形成に割り当てられ、SLM480’は緑カラー画像の形成に割り当てられ、SLM480’’は青色画像の形成に割り当てられる。複合カラー画像を再構成するために、異なるコンピュータ生成ホログラムが3つのSLM上に表される。対応する光路は読者には明らかであろう。単一カラー画像の1次画像領域は、受光面上でほぼ一致している。各カラー画像は、前述のように1次画像領域と2次画像領域とを含む。2次画像領域は一致してもしなくてもよい。
図8は、単なる例として3つのカラーチャネルを示している。本開示は、3つのカラーチャネルに限定されず、任意の複数のカラーチャネル、および以下に説明されるようなフレームシーケンシャルカラーの技術に等しく適用可能である。
【0087】
図9および
図10は、
図5および
図6に対応し、赤、緑および青などの3つの単一カラーチャネルを使用して複合カラーを提供するのに必要な追加の部品、電気チャネルおよび光チャネルを示す。やはり、3つのカラーチャネルは単なる例として示されており、本開示は任意の複数の単一カラーチャネルに等しく適用可能である。当業者は、複合カラーを提供するために、
図5および
図6の説明が
図9および
図10にどのように及ぶかを理解するであろう。
【0088】
したがって、例えば上述のように構成されたいくつかの実施形態では、上述のようなホログラフィック投影システムはさらに、第2の波長を有する第2の光を出力するように構成される第2の光源を備え、第2の波長は第1の光源によって出力される第1の光の波長と異なる。第2の空間光変調器は、第2の光源から第2の光を受光し、第2の空間光変調器上に表される第2のコンピュータ生成ホログラムに従って第2の空間変調光を出力して、受光面上に第2の画像を形成するように構成される。第2の画像は、ユーザに関する情報を含む1次画像領域と、2次画像領域とを含む。第2の画像の1次画像領域は第1の画像の1次画像領域と実質的に一致して複合画像を形成する。第2の検出器は、第2の画像の2次画像領域の光パワーを検出するように構成されている。
【0089】
第1および第2の画像の2次画像領域は実質的に一致していてもよく、それぞれの光はそれぞれ異なる波長を有し、したがって検出器のための適切なフィルタまたは波長応答を用いて検出器によって別々に検出できる。しかしながら、第1および第2の画像の2次領域の一致は要件ではなく、領域は空間的に離れている、例えば重なり合う、互いに隣接している、またはさらに離れていてもよい。
【0090】
第1の画像および/または第2の画像の2次画像領域の光パワーの測定値を使用して、改善されたホログラフィック再構成を提供することができる。具体的には、いくつかの実施形態では、光コントローラは、画像の2次画像領域の検出された光パワーおよび/または第2の画像の2次画像の検出された光パワーに応じて、第1の光源によって出力された第1の光の光パワーおよび/または第2の光源によって出力された第2の光の光パワーを変更して、複合画像のカラーバランスを変更するようにさらに構成される。2つより多いカラーチャネル、例えば3つのカラーチャネルを有する実施形態では、この構成は、例えば上述のようにすべてのカラーチャネルの明るさを実質的に独立して一定に維持することによって、すべてのカラーチャネルに対して複製できる。
【0091】
したがって、複合カラーホログラフィック画像のカラーバランスを動的に調整することを可能にする、光コントローラ、例えばレーザコントローラへのフィードバックが提供される。これは、各2次画像領域の光パワーが、回折ホログラフィックプロセスにより、対応する1次画像領域の光パワーを直接表すために可能であると考えられる。例えば、赤色画像の2次画像領域の光パワーが低下する場合、赤色光源への駆動パワーは増加する可能性がある。例えば、緑色画像の2次画像領域の光パワーが増加する場合、緑色光源への駆動パワーは減少する可能性がある。そのようなプロセス、例えば上述のような負のフィードバックプロセスは、各光源によって出力される光パワーを継続的に監視し、独立して調整するために使用されてもよい。
【0092】
ホログラフィを使用して複数の単一カラー画像を投影する結果は、フレームごとに動的に変化するカラー画像の表示中に、複合画像のカラーバランスが目に見えるように変化する可能性があることである。しかしながら、この問題は、各2次画像領域の光パワーの測定に基づく閉ループパワーフィードバックが1次画像領域において実質的に一定のカラーバランスを維持するために使用されるいくつかの実施形態において対処される。すなわち、いくつかの実施形態では、光コントローラは、各2次画像領域の検出された光パワーに応答して、1次画像領域のカラーバランスを実質的に一定の値に維持するように構成される。
【0093】
レーザドライバおよび光フィードバックセンサに関連する部品の違いにより、いわゆる白色点は装置ごとに異なる。この白色点の差は、1つまたは複数の波長で2次画像領域に向けられるパワーの量を変えることによって補償することができ、したがって2次画像領域から発する応答光の光パワーを変えることができる。例えば、2次画像領域により多くの赤色パワーを人為的に加えることは、結果としてフィードバックされる増加した赤色光パワーのために、画像における赤色パワーの全体的な減少をもたらす。ホログラムは公称階調数、例えば256階調に制限されないため、白色点の微調整が可能である。
【0094】
いくつかの実施形態では、第2の利得係数G’が第2の光源の駆動入力に適用され、1次画像領域のカラーバランスは第2の利得係数を変えることによって変えられる。いくつかの実施形態では、第2の利得係数は以下の式によって決定される。
【数2】
【0095】
ここで、T’=第2の画像の第2の波長における所望の最大輝度、P’は第2の画像の2次画像領域の第2の波長における輝度、x’=第2の画像で使用される階調の総数、y’=第2の画像の2次画像領域の光の階調である。
【0096】
いくつかの実施形態において、第2の検出器は、第2の波長の光の光パワーに対して非線形の電気的応答を提供するように構成される。有利なことに、これは、1:10,000などの高いダイナミックレンジを提供するために、レーザドライバで使用されるADCおよびDACが8ビットを超える必要がないことを意味する。いくつかの実施形態では、第2の検出器は非線形電子回路を含む。いくつかの実施形態では、非線形電子回路は対数増幅器を備える。いくつかの実施形態では、非線形電子回路は、自動利得制御または切替可能利得抵抗を含む増幅器を備える。他の実施形態では、非線形応答は、異なる感度を有する複数の光検出器を使用することによって提供される。
【0097】
複合カラーに関するいくつかの実施形態では、各カラーに対する検出器が提供される。すなわち、いくつかの実施形態では、検出器構成は、空間的に分離された複数の単一カラー検出器を含む。しかしながら、他の実施形態では、検出器構成はRGBセンサまたはCMYセンサを含む。すなわち、いくつかの実施形態では、第1の検出器と第2の検出器は同じ複合カラー検出器の一部である。これらの実施形態では、複合カラー検出器の出力は、第1の波長に対応する第1の検出信号、および第2の波長に対応する第2の検出信号などを含むことが理解されよう。
【0098】
図11は、第1の検出器1110、第2の検出器1120および第3の検出器1130を含む例を示す。第1の検出器1110は、第1の波長(例えば赤)の光に感応する。第2の検出器1120は、第2の波長(例えば緑色)の光に感応する。第3の検出器1130は、第3の波長(例えば、青)の光に感応する。第1、第2および第3の検出器はそれぞれ実質的に1次元形状を有する。これらの実施形態では、各検出器はスリット形状を有するものとして説明することができる。いくつかの実施形態では、それぞれの画像の2次画像領域は実質的に一致する。
図11は、実質的に一致する2次画像領域を示す。2次画像領域は、光の複合カラースポット1150を形成する。当業者は、検出器が当該技術分野において既知の異なる形態をとることができ、3つの異なる波長での検出を提供するために必要とされる狭帯域フィルタを含み得ることを認識するであろう。例えば、3つの広帯域フォトダイオードが、各複合カラー(例えば、RGB)に対して3つの対応する単一カラーフィルタと共に使用されてもよい。いくつかの実施形態では、ホログラフィックプロセスを使用して、2次画像領域を対応する空間的に分離された検出器上に空間的に分離することができる。
【0099】
いくつかの実施形態では、各検出器(より具体的には、検出器の検出エリアまたは検出エリアを制限する開口部)は、画定された形状、例えば1次元形状を有する。画定された形状は、それぞれの2次画像領域の形状に対応し得る。いくつかの実施形態では、各検出器−2次画像領域対は、対応する、例えば1次元形状を有する。すなわち、検出器の検出エリアの形状および/またはサイズは、対応する2次画像領域のものと実質的に等しいかまたは対応する。例えば、赤色光検出器の検出エリアの形状および/またはサイズは、赤色画像の対応する2次画像領域のものと実質的に等しい。
【0100】
有利には、この形状は、改善された画像の光学的位置合わせを可能にする。2次画像領域と検出器とが完全に位置合わせされている(すなわち一致している)場合、検出器からの信号は最大になることが理解されよう。画像はコンピュータ生成されるため、1次画像領域と2次画像領域の相対位置は明確に画定されている。したがって、2次画像領域からの検出器からの信号を監視することによって、システム内の1次画像領域(無論、ユーザのための情報を含む)の光学的位置合わせを評価することが可能である。
【0101】
さらに、画像はコンピュータ生成されるので、あるエリアにわたって画像を移動させ、検出器からの信号が最大になるときを決定することによって、システムが光学的に位置合わせされるときを決定することが可能である。すなわち、いくつかの実施形態では、ホログラフィックコントローラは、光学的位置合わせプロセスを実行するように構成され、スクリーン上の画像の位置を変更することと、画像の複数の位置で第2画像領域の光パワーを検出して、検出された光パワーが、位置合わせされた位置で最大である位置を見つけることとを含む。
【0102】
検出器(または開口部)および2次画像領域の画定された形状は、パワー/位置フィードバック、したがって達成可能な調整の方向精度を知らせることが理解されよう。例えば、実質的に1次元またはスリット形状は、それに沿ったものよりも形状/スリットにわたってより良い精度を提供するであろう。したがって、要件に応じて、ドット、円形、円盤、正方形、ダイヤモンド形、菱形、十字形などの他の形状を検出器の活性エリアおよび2次画像領域に使用することができる。カラー画像の部品の位置合わせの目的で、2次画像領域が互いに一致する場合には位置合わせが容易になり、検出器の活性エリアも一致する場合にはさらに容易になることも理解されよう。最後に、位置合わせの利点はカラー成分画像の相互の位置合わせに対して最も明白であるが、開示された位置合わせ技術は単一カラー画像にも同様に適用可能であり、検出器の位置および構成によって画定された基準フレームに対して画像を正確な位置に位置決めする。
【0103】
いくつかの実施形態では、コンピュータ生成ホログラムは、光学格子効果を提供する部品を含み、画像は格子のパラメータを変えることによって移動される。コンピュータ生成ホログラフィの当業者は、画像を表すホログラフィックデータと、レンズ効果および/または角度操作などの光学機能を提供するホログラフィックデータとを組み合わせる方法を知っている。例えば、そのようなホログラフィックデータは単純なベクトル加算によって組み合わせることができる。いくつかの実施形態では、コンピュータ生成ホログラムは、格子機能を実行するように構成された第3のホログラム部品を含み、画像の位置は、第3のホログラム部品の格子機能を変えることによって光学的位置合わせプロセス中に変わる。いくつかの実施形態では、光学的位置合わせプロセスは、例えば、水平走査および/または垂直走査によって、2次画像領域の最大検出光パワーを生じさせる格子機能を決定することをさらに含む。当業者は、複合画像内のすべての単一カラー画像の位置を合わせるため、または基準フレームに対して単一画像の位置を合わせるために上記方法をどのように拡張できるかを理解するであろう。
【0104】
さらに、x軸およびy軸上の最良の空間位置を見つけるための走査に加えて、あるいは独立して、レンズ機能をホログラムに追加しながらパワーを監視することによって、所望の、例えば最適な焦点面を決定することが可能である。これは、以下に説明するように、光のコヒーレント干渉のために機能する。所望の焦点面において、建設的および破壊的な干渉は最小にされる。
【0105】
図12は、焦点面1240上に第1の画像点1225および第2の画像点1235を形成するように構成された空間光変調器1210を示し、第1の画像点1225と第2の画像点1235は隣接している。本発明者は、第1の画像点1225は、最小の第1のビームウエスト1220に形成されていると見なされ得ることを見い出した。同様に、第2の画像点1235は、最小の第2のビームウエスト1230に形成されていると見なすことができる。
図12から分かるように、焦点面1240付近の領域1250では、第1のビームウエスト1220と第2のビームウエスト1230との間に重なりがない。本発明者は、領域1250の外側では、ライトフィールドにノイズが多いことを見い出した。これは、光が空間的に変調され(例えば位相変調され)、したがって領域1250の第1のビームウエスト1220と第2のビームウエスト1230との間の重なりが局所的な建設的および破壊的干渉を引き起こすためである。この建設的および破壊的干渉は、ライトフィールド内にフリンジや明るくされた/暗くされた領域などの特徴をもたらす。領域1250において、発明者はこの干渉が実質的に排除されることを見い出した。したがって、領域1250は、空間光検出器などの光検出器を使用して、ライトフィールドが「最もきれい」である(空間光変調器1210に光学的に平行な)平面を決定するために探索され得る。いくつかの実施形態では、この平面は、例えば平面内の受光面上に形成された画像によって判断されるように、干渉によって引き起こされるライトフィールド内の局所パターンが最小化される平面を決定することによって識別される。
【0106】
例えば、ホログラフィック再構成における特徴は、焦点が合っていないとき(受光面が焦点/再構成平面内にない)にぼやけ、そうでなければ十分に分離された特徴間の重なりをもたらす。光のコヒーレントな性質を考えると、この重なりは、例えばコントラストまたは輪郭の鮮明さまたはノイズによって測定されるように、画像内の特徴間の望ましくない干渉をもたらし、画像の品質を低下させる傾向がある。これは、画像スポットなどの画像特徴間のクロストークとして理解することができ、画像の斑点をもたらす。いくつかの実施形態では、ホログラフィック再構成は、受光面上に画像を形成するための表示ピクセルと同様の画像スポットを含み、焦点が合っていない場合の画像スポットのぼやけは隣接スポットの光を干渉させ、上述の干渉パターンを生じさせる可能性がある。
【0107】
いくつかの実施形態では、受光面から取り込まれた画像によって判断されるように、最大のコントラストまたは鮮明度あるいは最小のノイズを含む平面を識別することによって、正しい平面が見つけられる。焦点面は、ホログラムのレンズ部品を変えることによって、または物理的レンズ構成を動かすことによって動かされる。受光面上の光パターンは、例えばデジタル画像センサまたはカメラを用いて結像される。所望の焦点面は、取り込まれた画像が最大のコントラストもしくは鮮明度または最小のノイズ、あるいは閾値レベルよりも良好なノイズ、鮮明度もしくはコントラストを有する平面として見い出される。
【0108】
いくつかの実施形態では、画像センサを使用するのではなく、上述のフォトダイオードまたは光電子増倍管などのスポットセンサまたは検出器が代わりに、例えば上述の2次画像領域で使用される。これらの実施形態では、コントラスト、鮮明度またはノイズの測定値は、スポットセンサにわたって画像領域、例えば2次画像領域のすべてまたは一部を走査し、画像領域を走査するとき検出強度の経時的変化を記録することによって得られる。画像領域は、センサを動かすことによって、または格子機能をホログラムと組み合わせ、画像領域を走査するために格子を変えることによって画像領域の再構成を動かすことによって走査することができる。
【0109】
単に例示目的として、比較的広い領域1250が
図12に示されている。実際には、領域1250は数ミリメートルの長さであり得、したがって焦点面の位置決めを対応する精度で可能にする。
【0110】
いくつかの実施形態では、ユーザに情報を表示するためのホログラフィック投影システムは、例えば上記で開示されたように、受光面、光源、および空間光変調器を備える。システムはまた、上に開示された実施形態のいずれかによる検出器を含み得る。検出器に加えて、またはその代わりに、システムは、領域の画質の測定値、すなわち画像の全部または一部、例えば画像のコントラストまたは鮮明度、あるいは画像内のノイズの測定値を検出するように構成された検出器を含む。いくつかの実施形態では、検出器は、画像センサと、画像センサによって取り込まれた信号から画質の測定値を計算するように構成されたプロセッサとを備える。システムはまた、いくつかの実施形態では、画像を画像の平面に垂直に移動させ、画質の測定値に基づいて画像の焦点面を選択するように構成されたコントローラを備えることができる。いくつかの実施形態では、コントローラは、画質の測定値を記録しながら複数の候補焦点面の間で画像を移動させ、画像の焦点面として、他方の候補焦点面に対して画質の測定値が最良の画質を示す候補焦点面を選択するように構成される。例えば、いくつかの実施形態では、コンピュータ生成ホログラムは、レンズ機能を実行するように構成された、例えばレンズデータを含むホログラム部品を含むことができる。コントローラは、レンズ機能またはデータを変更することによって、画像を焦点面に対して垂直に移動させるように構成されてもよい。
【0111】
ユーザに情報を表示するように構成されたホログラフィック投影システムが提供される。投影システムは、受光面、光源、空間光変調器、ホログラフィックコントローラおよび検出器を含む。光源は光を出力するように構成される。空間光変調器は、光源から光を受光し、空間光変調器上に表されるコンピュータ生成ホログラムに従って空間変調光を出力して、受光面上に画像を形成するように構成される。各コンピュータ生成ホログラムは、画像が形成される深度位置に影響を及ぼすためのレンズを表すデータを含むホログラム部品を含む。ホログラフィックコントローラは、レンズを表すデータを変更して深さ位置を変更するように構成される。レンズを表すデータはまたレンズ効果機能と称されてもよい。検出器は、複数の異なる焦点力について、画像の測定領域において画像の品質を決定するように構成される。
【0112】
いくつかの実施形態では、レンズ効果機能の焦点力を変更するように構成されたホログラフィックコントローラ(またはプロセッサ)と、複数の異なる焦点力について、画像の測定領域において画像の品質を決定するように構成された検出器とが提供される。ホログラフィック投影システムは、このようなプロセッサまたはコントローラを含み得る。上述のように、ホログラフィックデータは、例えば画像を表すホログラフィックデータに単純に追加することができるレンズ効果機能を提供するレンズ効果データを含むことができる。レンズデータによって表されるレンズの焦点力または屈折力は、ホログラフィック再構成の焦点面の位置、したがって再構成の深さ位置(画像)を決定する。画像の深度位置は、レンズデータ/機能によってシミュレートされたレンズの焦点距離、したがって焦点力に対応するので、これらの概念はこの説明では交換可能に使用することができることが理解されよう。
【0113】
ホログラフィックコントローラは、空間光変調器から焦点面までの距離がソフトウェアで動的に変更され得るように、レンズ効果機能の焦点力を変更するように構成される。いくつかの実施形態では、検出器は、レンズ効果機能の複数の異なる焦点力についてホログラフィック再構成の品質を評価する。したがって、フィードバックシステムが提供され、レンズ効果機能の最適な焦点力が決定され得る。具体的には、スクリーン上の像が合焦し、ホログラフィック再構成が受光面に形成される焦点力が決定される。
図12から理解され得るように、これは、画像のライトフィールドが「最もきれい」であるときに起こり、例えば、ライトフィールドは最大のコントラストまたは最小のノイズを示す。検出器は画像の品質を評価するように構成されている。
【0114】
いくつかの実施形態では、CCDデバイスまたはカメラなどの空間光検出器を使用して、例えば目視検査または当技術分野で知られている画像処理技術によって画像の品質を評価する。いくつかの実施形態では、画質は品質測定値、例えばノイズ、滑らかさ、鮮明度またはコントラストの測定値として定量化される。
他の実施形態では、検出器は、フォトダイオードなどの空間分解能を持たない低視野検出器である。検出器は積分検出器とすることができる。これらの実施形態では、検出器、例えば、フォトダイオードは、再生フィールド上の画像の空間的広がりよりも小さい視野を有する。いくつかの実施形態において、スクリーン上の検出器の視野は、測定エリアの20%未満、任意選択的に10%未満、さらに任意選択的に5%未満のエリアを有する。いくつかの実施形態では、画像はフォトダイオードにわたって走査され、検出器から受信された時間変化信号は各焦点力で評価される。いくつかの実施形態では、これは、ホログラフィックデータを使用して、画像を受光面の平面内(すなわち、焦点面内または受光面または焦点面に平行な平面内)で移動させることによって達成される。また、上述のように、ホログラフィックデータは、スクリーンの平面内に画像を位置決めするために使用することができる格子機能を提供するデータを含み得る。いくつかの実施形態では、ホログラフィックコントローラは、リアルタイムで格子機能を変えてフォトダイオードにわたって画像をリアルタイムで走査するように構成される。いくつかの実施形態では、画像はスクリーンの平面内を一定の速度で移動される。ホログラフィックコントローラと検出器とを同期させる必要がある場合があることを理解されたい。測定された信号内のある時点を対応する画像位置と関連付ける。画像は、画像平面上の一方向または二方向に移動することができる。非空間検出器から経時的に受信された信号は、例えば各画像内に、ノイズ、コントラストなど、および干渉縞の存在に関する情報を含み、当技術分野で知られているように、画像からこれらの量の1つまたは複数のそれぞれの測定値を抽出するために処理されてもよい。この目的のために、信号の時間縦座標は、任意にまたは時間内の画像位置の同期を使用して空間座標に変換することができる。
【0115】
いくつかの実施形態では、プロセッサは、画像がスクリーンの平面内を移動するときに検出器から受信した信号の変動に基づいて、画質を決定するように構成される。空間光変調器のピクセルは数ミクロンのサイズを有し、したがってスクリーン上の画像はこのフィードバックプロセス中に少しずつ移動され得る。検出器から得られた時変信号から抽出された品質測定値をレンズ効果機能の異なるそれぞれの焦点力と比較することによって、受光面に最も近い焦点面を最良の品質測定値が得られた焦点面として識別することができる。
【0116】
固定位置フォトダイオードなどの単純な検出器を使用して画質を測定するように構成されたシステムが提供される。単純な検出器を使用して画像がスクリーン上に焦点を合わせられることを確実にするためのソフトウェア方法がさらに提供される。画質は目視検査または信号処理によって評価することができる。いくつかの実施形態において、画質は定量化される。本明細書に記載の他の実施形態によると、検出器は、位置を固定され、測定領域と呼ぶことができる再生フィールドの固定サイズのサブ領域の明るさを測定するように構成することができる。
【0117】
要約すると、いくつかの実施形態は、画像が受光面上に焦点を合わせるようにさせるソフトウェアレンズの焦点距離、すなわち受光面が実質的に焦点面にあることを意味する焦点距離を決定する。特に、同じ非空間検出器(またはカラーホログラフィの場合は複数の検出器)を使用して、本明細書に開示されているすべての閉ループ機能を実行することができる。
【0118】
いくつかの実施形態では、画質の測定値は、上記の実施形態のいくつかにおいて言及された2次領域の全部または一部に対して検出されてもよい。他の実施形態では、上記の2次画像領域が使用されているか否かに関係なく、測定値は画像内のどこでも検出されてもよい。
【0119】
説明された実施形態は、2次画像領域内の光を検出するために検出器を使用する。このような検出器の配置の一例を
図13を参照して説明し、検出器1310は受光面125の後ろ(光軸に沿って)に配置されている。レンズ1320は、受光面125と検出器1310との間に配置されている。特に、いくつかの実施形態では、上述のように、受光面125は拡散板であり、レンズ1320は、拡散板によって拡散された光を検出器1310上に集光、例えば焦点を合わせるように作用する。いくつかの実施形態において、レンズは省略されてもよい。いくつかの実施形態では、検出器1310(および存在する場合にはレンズ1320)は、受光面の切り欠きと位置合わせされてもよく、または光軸から離れて、受光面の隣に配置されてもよい。いくつかの実施形態、特にレンズ1320が存在しない実施形態では、検出器1310は受光面125の平面内に、例えば隣接して、または切り欠き内に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、検出器1310(および存在する場合はレンズ1320)は検出器の前に配置されてもよい。検出器は、例えば
図11を参照して上述したように、任意の実施形態について本明細書に記載されているような検出器であり得る。同様に、複数の検出器を有する実施形態では、それぞれを上記のように配置することができる。1つまたは複数の検出器は、場合によっては光検出器、例えば電荷結合素子または光電子増倍管とすることができ、検出器の領域に当たる光の空間分解能を提供するための、例えば画像センサチップの形態の感光素子のアレイを有することができる。
【0120】
いくつかの実施形態では、空間光変調器は位相限定空間光変調器である。これらの実施形態は、振幅を変調することによって光エネルギーが失われないため有利である。
【0121】
したがって、効率的なホログラフィック投影システムが提供される。しかしながら、本開示は、振幅限定空間光変調器または振幅および位相変調器でも同様に実装することができる。ホログラムは対応して位相限定、振幅限定、または完全に複合であることが理解されよう。
【0122】
いくつかの実施形態では、光源はレーザである。いくつかの実施形態では、受光面はスクリーンまたは拡散板である。本開示のホログラフィック投影システムは、改良型ヘッドアップディスプレイ(HUD)またはヘッドマウントディスプレイを提供するために使用され得る。いくつかの実施形態では、HUDを提供するために車両に設置されたホログラフィック投影システムを備える車両が提供される。車両は、自動車、オートバイ、電車、飛行機、ボート、または船であり得る。
【0123】
実施形態群は大部分が別々に開示されているが、任意の実施形態または実施形態群の任意の特徴は、任意の実施形態または実施形態群の任意の他の特徴または特徴の組み合わせと組み合わせることができる。すなわち、本開示に開示されている特徴のすべての可能な組み合わせおよび順列が想定される。
【0124】
ホログラフィック再構成の品質は、ピクセル化空間光変調器を使用することの回折特性の結果である、いわゆる0次問題によって影響を受ける可能性がある。そのような0次光は「ノイズ」と見なすことができ、例えば鏡面反射光、およびSLMからの他の不要な光を含む。
【0125】
フーリエホログラフィの例では、この「ノイズ」がフーリエレンズの焦点に焦点合わせされ、ホログラフィック再構成の中心に明るい点が生じる。0次光は単純に遮断される可能性があるが、これは明るい点を暗い点で置き換えることを意味する。いくつかの実施形態は、平行化された0次光のみを除去するための角度選択可能なフィルタを含む。実施形態はまた、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、欧州特許第2,030,072号に記載されている0次を管理する方法を含む。
【0126】
本明細書で説明されるいくつかの実施形態は空間光変調器上のフレームごとに1つのホログラムを表示することを含むが、本開示はこれに関して決して限定されず、2つ以上のホログラムがSLM上に同時に表示され得る。例えば、実施形態は、「タイリング」の技術を実施し、この技術では、SLMの表面エリアが多数のタイルに細分され、それぞれのタイルが元のタイルの位相分布と類似または同一の位相分布に設定される。したがって、各タイルの表面エリアは、SLMの割り当てられた全エリアが1つの大きな位相パターンとして用いられた場合よりも小さい。タイルにおける周波数成分の数が少なくなるほど、またそれぞれタイルの数が大きくなるほど画像が生成されたとき再構成される画像エリアはより離間している。画像は0次回折次数内で生成され、1次およびそれ以降の次数は画像と重なり合わないように十分遠くに位置し、空間フィルタによって遮断されることが好ましい。
【0127】
上述のように、この方法によって生成されるホログラフィック再構成(タイリング有無にかかわらず)は、画像ピクセルと呼ぶことができるスポットを含むことができる。用いられるタイルの数が多くなればなるほど、これらのスポットは小さくなる。無限正弦波のフーリエ変換の例を挙げると、単一の周波数が生成される。これは最適な出力である。実際には、1つのタイルのみが用いられる場合、これは正弦波の1つの周期の入力に対応し、0値が正弦波の端点から無限まで正負方向に延在する。フーリエ変換から1つの周波数を生成する代わりに、主周波数成分をその両側の一連の隣接する周波数成分と共に生成する。タイリングの使用により、これらの隣接する周波数成分の大きさが低減され、その直接的な結果として、隣接する画像ピクセル間で発生する(建設的または破壊的な)干渉が少なくなり、それにより画質が向上する。いくつかの実施形態では断片的なタイルを使用することも可能ではあるが、好ましくは、各タイルが完全なタイルである。
【0128】
本明細書に開示される例では、3つの異なるカラー光源および3つの対応するSLMが複合カラーを提供するために使用される。これらの例は、空間分離カラー、「SSC」と称されることがある。本開示に含まれる変形例では、各カラーの異なるホログラムが同じSLMの異なる領域に表示され、次いで組み合わされて複合カラー画像を形成する。しかしながら、当業者は、本開示の少なくともいくつかの装置および方法が、複合カラーホログラフィック画像を提供する他の方法にも等しく適用可能であることを理解するであろう。
【0129】
これらの方法の1つは、Frame Sequential Colour、「FSC」として知られている。FSCシステムでは、3つのレーザ(赤、緑および青)が用いられ、各レーザは、ビデオの各フレームを生成するために単一のSLMにおいて連続して点灯される。カラーは、人間の観察者が3つのレーザの組み合わせから多色画像を見るのに十分速い速度で循環される(赤、緑、青、赤、緑、青など)。各ホログラムは、それ故、カラー仕様である。例えば、1秒当たり25フレームのビデオでは、最初のフレームは赤レーザを1秒の1/75の間点灯し、次に緑レーザを1秒の1/75の間点灯し、最後に青レーザを1秒の1/75の間点灯することにより生成される。その後、次のフレームが赤レーザから続けて生成される。FSCベースの実施形態では、位置または波長によって各カラーについてそれぞれの(または単一の)2次画像領域からの光を分離することに加えて、検出器が十分な時間的分解能を有する場合、分離は成分カラー画像の時間的分離を利用することによって達成できる。
FSC方法の利点は、SLM全体が各カラーに使用されることである。これは、SLM上のすべてのピクセルが各カラー画像に使用されるため、生成される3つのカラー画像の品質が低下しないことを意味する。しかしながら、FSC法の欠点は、各レーザが3分の1の時間しか使用されないため、生成される全体の画像がSSC法によって生成される対応する画像と比べて約3倍明るくならないことである。この欠点は、レーザを過度に動作させること、またはより強力なレーザを用いることにより潜在的に解決可能であろうが、これはより多くの電力を必要とし、コスト高となり、システムがコンパクトでなくなるであろう。
【0130】
SSC方法の利点は、3つのすべてのレーザが同時に点灯されるため、画像がより明るいことである。しかしながら、空間の制約上1つのみのSLMを用いることが求められる場合、SLMの表面積が3つの等しい部分に分割され、実質的に3つの別々のSLMとして動作させることができる。この欠点は、各単一カラー画像に利用可能なSLM表面積の減少により、各単一カラー画像の品質が低下することである。したがって、多色画像の品質が低下する。利用可能なSLM表面積の減少は、使用可能なSLMのピクセルが少なくなることを意味し、それ故に画像の品質が低下する。画像の品質は、その解像度が減少するために低下する。
【0131】
実施例は可視光でSLMを照射することを記載しているが、当業者は、例えば本明細書に開示されるように、光源およびSLMが赤外線または紫外線を向けるために等しく使用され得ることを理解するであろう。例えば、当業者は、情報をユーザに提供する目的で赤外線および紫外線を可視光に変換するための技術を知っているであろう。例えば、本開示は、この目的のために蛍光体および/または量子ドット技術を使用することにまで及ぶ。
【0132】
本明細書に記載の方法およびプロセスは、コンピュータ可読媒体上で具現化することができる。「コンピュータ可読媒体」という用語は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、バッファメモリ、フラッシュメモリ、およびキャッシュメモリなど、データを一時的または永続的に格納するように構成された媒体を含む。「コンピュータ可読媒体」という用語はまた、マシンによって実行される命令を格納することができる任意の媒体、または複数の媒体の組み合わせを含み、1つまたは複数のプロセッサによって実行されるときに命令がマシンに、本明細書に記載された方法のいずれか1つまたは複数を、全体的または部分的に実施させると解釈される。
【0133】
「コンピュータ可読媒体」という用語は、クラウドベースのストレージシステムも包含する。「コンピュータ可読媒体」という用語は、ソリッドステートメモリチップ、光ディスク、磁気ディスクまたはそれらの任意の適切な組み合わせの例示的な形態の1つまたは複数の有形かつ非一時的なデータリポジトリ(例えばデータボリューム)を含むが、これらに限定されない。いくつかの例示的実施形態では、実行のための命令はキャリア媒体によって伝達されてもよい。そのようなキャリア媒体の例には、一時的媒体(例えば、命令を伝達する伝搬信号)が含まれる。
【0134】
添付の特許請求の範囲から逸脱することなく、様々な修正および変形をなし得ることが当業者には明らかであろう。本開示は、添付の特許請求の範囲およびそれらの均等物の範囲内のすべての修正形態および変形形態を網羅する。
【0136】
1.ユーザに関する情報を表示するように構成されたホログラフィック投影システムであって、投影システムが、
受光面と、
光を出力するように構成された光源と、
光源から光を受光し、空間光変調器上に表されるコンピュータ生成ホログラムに従って空間変調光を出力して、受光面上に画像を形成するように構成された空間光変調器と
を含む、
ホログラフィック投影システム。
【0137】
2.画像が、ユーザに関する情報を含む1次画像領域と、1次画像領域とは異なる2次画像領域と、
画像の2次画像領域の光パワーを検出するように構成された検出器と
を含む、
項目1に記載のホログラフィック投影システム。
【0138】
3.2次画像領域の検出された光パワーに応答して、光源によって出力される光の光パワーを変えるように構成される光コントローラをさらに含む、
項目2に記載のホログラフィック投影システム。
【0139】
4.光コントローラは、2次画像領域の検出された光パワーに応答して、画像の1次画像領域の明るさを実質的に一定の値に維持するように構成される、
項目3に記載のホログラフィック投影システム。
【0140】
5.光コントローラは、2次画像領域の検出された光パワーが基準光パワーよりも大きい場合、光源から出力される光の光パワーを減少させ、および/または2次画像領域の検出された光パワーが基準光パワーよりも小さい場合、光源から出力される光の光パワーを増加させるように構成される、
項目3または4に記載のホログラフィック投影システム。
【0141】
6.基準光パワーは、より早い時点での2次画像領域の光パワーによって決定される、
項目5に記載のホログラフィック投影システム。
【0142】
7.光コントローラは、光源の駆動入力に利得係数Gを適用することによって、光源から出力される光の光パワーを変更するように構成され、
【数3】
ここでTは画像の所望の最大輝度(cd/m
2)、Pは2次画像領域の輝度、xは画像に使用される階調総数、yは2次画像領域の光の階調である、
項目3から6に記載のホログラフィック投影システム。
【0143】
8.検出器が、画像の2次画像領域の光パワーに対して非線形の電気的応答を提供するように構成されている、
項目1から7のいずれか一項に記載のホログラフィック投影システム。
【0144】
9.ユーザに情報を表示するように構成されたホログラフィック投影システムであって、投影システムは、
受光面と、
第1の波長で第1の光を出力するように構成された第1の光源と、
第1の光源から第1の光を受光し、第1の空間光変調器上に表される第1のコンピュータ生成ホログラムに従って空間変調光を出力して、受光面上に第1の画像を形成するように構成された第1の空間光変調器であって、画像は、ユーザに関する情報を含む1次画像領域と、1次画像領域とは異なる2次画像領域とを含む、第1の空間光変調器と、
第1の画像の第2画像領域の光パワーを検出するように構成された第1の検出器と、
第2の波長で第2の光を出力するように構成された第2の光源であって、第2の波長は、光源によって出力された光の第1の波長とは異なる、第2の光源と、
第2の光源から第2の光を受光し、第2の空間光変調器上に表される第2のコンピュータ生成ホログラムに従って空間変調光を出力して、受光面上に第2の画像を形成するように構成された第2の空間光変調器であって、第2の画像が、ユーザに関する情報を含む1次画像領域と、1次画像領域とは異なる2次画像領域とを含み、第2の画像の1次画像領域は第1の画像の1次画像領域と実質的に一致して複合画像を形成する、第2の空間光変調器と、
第2の画像の第2画像領域の光パワーを検出するように構成された第2の検出器と
を含む、
ホログラフィック投影システム。
【0145】
10.第1の画像の2次画像領域の検出された光パワーおよび第2の画像の2次画像の検出された光パワーに応答して、第1の光源によって出力された第1の光の光パワーおよび/または第2の光源によって出力された第2の光の光パワーを変更して、複合画像のカラーバランスを変更するように構成された光コントローラを含む、
項目9に記載のホログラフィック投影システム。
【0146】
11.光コントローラは、第1の画像の2次画像領域の検出された光パワーおよび第2の画像の2次画像領域の検出された光パワーに応答して、複合画像のカラーバランスを実質的に一定の値に維持するように構成される、
項目10に記載のホログラフィック投影システム。
【0147】
12.光コントローラは、それぞれの利得係数Gを、第1および第2の光源の一方または両方の駆動入力に適用することによって、第1および第2の光源の一方または両方によって出力される光の光パワーを変更するように構成され、
【数4】
Tはそれぞれの画像の所望の最大光パワー、Pはそれぞれの検出器によって検出された光パワー、xはそれぞれの画像で使用される階調の総数、yはそれぞれの画像の2次画像領域の光の階調である、
項目10または11に記載のホログラフィック投影システム。
【0148】
13.第1および第2の検出器の一方または両方が、それぞれの光パワーに対して非線形応答を提供するように構成されている、
項目3から12に記載のホログラフィック投影システム。
【0149】
14.第1の検出器と第2の検出器とを含む複合カラー検出器を備える、
項目9から13に記載のホログラフィック投影システム。
【0150】
15.各コンピュータ生成ホログラムは、対応する画像を表す第1のホログラム部品を含む
項目1から14のいずれか一項に記載のホログラフィック投影システム。
【0151】
16.各画像の2次画像領域は、ホログラフィック投影システムのための制御情報を含む
項目1から15のいずれか一項に記載のホログラフィック投影システム。
【0152】
17.各2次画像領域が1次画像から離間している、例えば対応する1次画像領域の周囲に配置されている、
項目1から16のいずれか一項に記載のホログラフィック投影システム。
【0153】
18.画像または各画像が、ユーザに関する情報を含む1次画像領域と2次画像領域と、
画像の2次画像領域に出入りし、検出器によって受光される光の光パワーを検出するように構成される検出器であって、検出器の活性光検出領域および2次画像領域は、対応する形状、任意選択的に1次元またはスリット形状を有する、検出器と
を含む、
項目1から17のいずれか一項に記載のホログラフィック投影システム。検出器は項目1から17に関して同じでも異なっていてもよく、2次領域は同じでも異なっていてもよい。
【0154】
19.スクリーン上の画像の位置を変更することと、画像の複数の位置で受光した光の光パワーを検出することとを含む光学的位置合わせプロセスを実行するように構成されたホログラフィックコントローラをさらに備える、
項目18に記載のホログラフィック投影システム。
【0155】
20.コンピュータ生成ホログラムは、格子機能を果たすように構成されたホログラム部品を含み、画像の位置は、格子機能を変えることによって光学的位置合わせプロセス中に変えられる、
項目19に記載のホログラフィック投影システム。
【0156】
21.光学的位置合わせプロセスが、最大検出光パワーを生じさせる格子機能を決定することをさらに含む、
項目20に記載のホログラフィック投影システム。
【0157】
22.コンピュータ生成ホログラムが、画像を表すホログラム部品を含む、
項目1から21のいずれか一項に記載のホログラフィック投影システム。
【0158】
23.2次画像領域が、前記ホログラフィック投影システムのための制御情報を含む、
項目1から22のいずれか一項に記載のホログラフィック投影システム。
【0159】
24.2次画像領域または各2次画像領域が1次画像領域またはそれぞれの1次画像領域の周囲にある、例えば対応する1次画像領域の周囲に配置されて1次画像から離間しているなどである、
項目1から23のいずれか一項に記載のホログラフィック投影システム。
【0160】
25.各コンピュータ生成ホログラムが、焦点力に関連し、かつ焦点力を有するレンズを通して空間変調光を通過させることに対応するレンズ効果機能を実行するように構成されたホログラム部品であって、コントローラは、焦点力を複数の値に設定して、対応する焦点面に複数のそれぞれの画像を形成するように構成される、ホログラム部品と、
焦点力の複数の異なる値のそれぞれについて、画像の測定領域において画像の光を検出するように構成された検出器であって、コントローラは、検出器から受信された信号からの焦点力の各値について画像の品質の測定値を決定するようにさらに構成される、検出器と
を備える、
項目1から24のいずれか一項に記載のホログラフィック投影システム。検出器は、前の項目に関して同じものでも異なるものでもよい。
【0161】
26.品質の測定値が、画像のコントラストまたは鮮明度の測定値あるいは画像内のノイズの測定値である、
項目25に記載のホログラフィック投影システム。
【0162】
27.画像は、ユーザに関する情報を含む1次画像領域と2次画像領域とを含み、画像の測定領域は画像の2次画像領域である、
項目25または26に記載のホログラフィック投影システム。2次画像領域は、前の項目のものと同じでもよい。
【0163】
28.ホログラフィックコントローラが、検出器が画像の光を検出して信号を生成する間に、受光面と平行な平面内で画像を移動させるようにさらに構成される、
項目25から27に記載のホログラフィック投影システム。
【0164】
29.コントローラは、画像が受光面と平行に移動するときに、画像センサから受信した信号の変動に基づいて画質の測定値を決定するように構成されている、
項目28に記載のホログラフィック投影システム。
【0165】
30.ホログラフィックコントローラは、画質の測定値に基づいて複数の焦点力の値から焦点力の値を選択して焦点力を設定するように構成されている、
項目25から29に記載のホログラフィック投影システム。
【0166】
31.選択された焦点力が、複数の焦点力のうちの他の候補焦点力に対する最良の画質に対応する、
項目30に記載のホログラフィック投影システム。
【0167】
32.2次画像領域は、ホログラフィック投影システムのための制御情報を含む、
項目27から31に記載のホログラフィック投影システム。
【0168】
33.2次画像領域は、1次画像領域の周囲にある、
項目27から32に記載のホログラフィック投影システム。
【0169】
34.画像は、受光面における空間変調光の干渉によって形成される、
項目1から33のいずれか一項に記載のホログラフィック投影システム。
【0170】
35.画像がホログラフィック再構成である、
項目1から34のいずれか一項に記載のホログラフィック投影システム。
【0171】
36.コンピュータ生成ホログラムが、画像の数学的変換、任意選択で、フーリエ変換またはフレネル変換に対応する、
項目1から35のいずれか一項に記載のホログラフィック投影システム。
【0172】
37.コンピュータ生成ホログラムがフーリエまたはフレネルホログラムである、
項目1から36のいずれか一項に記載のホログラフィック投影システム。
【0173】
38.コンピュータ生成ホログラムが、フーリエレンズ効果機能を実行するように構成されたホログラム部品を含む、
項目1から37のいずれか一項に記載のホログラフィック投影システム。
【0174】
39.空間光変調器が、光源からの光の位相を空間的に変調するように構成されている、
項目1から38のいずれか一項に記載のホログラフィック投影システム。
【0175】
40.空間光変調器が、光源からの光の振幅を空間的に変調するように構成されている、
項目1から39のいずれか一項に記載のホログラフィック投影システム。
【0176】
41.光源がレーザである、
項目1から40のいずれか一項に記載のホログラフィック投影システム。
【0177】
42.空間光変調器が、シリコン基板上の液晶「LCoS」空間光変調器である、
項目1から41のいずれか一項に記載のホログラフィック投影システム。
【0178】
43.受光面が拡散板である、
項目1から42のいずれか一項に記載のホログラフィック投影システム。
【0179】
44.検出器がフォトダイオードまたはフォトダイオードアレイである、
項目1から43いずれか一項に記載のホログラフィック投影システム。
【0180】
45.投影システムがヘッドアップディスプレイまたはヘッドマウントディスプレイである、
項目1から44いずれか一項に記載のホログラフィック投影システム。