(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
汚染物質捕捉添加剤を流動化し、かつ汚染物質捕捉添加剤および触媒を第2セパレーターに持ち越すのに十分な供給速度でリフティング・ガスを供給するように構成されているリフティング・ガス供給システムを更に含む、請求項1に記載のシステム。
バブリング床、乱流床または高速流動化フロー方式において作動する流速でリフティング・ガスを汚染物質除去ベッセルに供給することを更に含む、請求項7に記載のプロセス。
バブリング床、乱流床または高速流動化フロー方式において作動する流速でリフティング・ガスを汚染物質除去ベッセルに供給することを更に含む、請求項10に記載の方法。
触媒添加ラインを介して未使用の触媒を触媒リジェネレーターに供給し、使用済み触媒取り出しラインを介して使用済み触媒を触媒リジェネレーターから取り出すことを更に含む、請求項10に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本明細書に開示の実施形態は一般に、触媒から汚染物質を除去するプロセスおよび装置に関する。より具体的には、本明細書に開示の実施形態は、流体接触分解(FCC)触媒からの鉄、カルシウムおよびリン等の汚染物質の改良された除去に関する。別の態様において、本明細書に開示の実施形態は、分離、ユニット・インベントリーからの除去および未使用の汚染物質捕捉添加剤の添加の連続的な実施に関する。
【0015】
本明細書における実施形態は、分解触媒から汚染物質捕捉添加剤を分離するのに分級器/セパレーターを用いてよい。このデバイスは、既存のFCCストリッパーまたはリジェネレーター・ベッセルのいずれかに取り付けることができる。上で簡単に説明したように、いくつかの実施形態において、分解触媒から汚染物質捕捉添加剤を分離するシステムは、汚染された分解触媒、汚染された汚染物質捕捉添加剤、未使用の汚染物質捕捉添加剤および流動化ガスを受け取るための1以上の流体接続を有する汚染物質除去ベッセルを含んでよい。汚染物質除去ベッセルにおいて、使用済み触媒を汚染物質捕捉添加剤と接触させてよく、汚染物質捕捉添加剤は、分解触媒より大きい平均粒子サイズおよび/または密度を有してよい。汚染物質除去ベッセルからの塔頂流を、分解触媒およびリフティング・ガスを含む第1ストリームと、汚染物質捕捉添加剤を含む第2ストリームとに分離するためにセパレーターを設けてよい。第2セパレーターで回収された汚染物質捕捉添加剤を汚染物質除去ベッセルに移送するのにリサイクル・ラインを用いてよく、それにより、汚染物質捕捉添加剤が汚染物質除去ベッセルに蓄積することが可能となる。汚染物質除去ベッセルから汚染物質捕捉添加剤を回収するために塔底生成物ラインを設けてよい。
【0016】
本明細書における実施形態に係るシステムによって提供される分離、ユニット・インベントリーからの除去、および未使用の汚染物質捕捉添加剤の添加の連続的な実施は、FCC触媒の失活を実質的に最小限にするのに、または触媒の動的活性を向上させるのに用いてよく、かつ所望の生成物の収率および選択性を向上させるのに用いてよい。このような汚染物質除去システムは、以下に更に説明するように分解プロセスに役立ち得る。
ることができる。
【0017】
本明細書における実施形態に係る触媒から汚染物質を除去するプロセスは、汚染物質を含む触媒を汚染物質除去ベッセルに供給することを含んでよい。触媒は、触媒活性または化合物を所望の最終生成物に転化する性能の低下をもたらす化合物または金属で汚染されていてよい。
【0018】
プロセスは、汚染物質捕捉添加剤を汚染物質除去ベッセルに供給することも含んでよい。有用な汚染物質捕捉添加剤は、汚染物質除去ベッセル内の条件において触媒よりも汚染物質に対する親和性が高い化合物および構造物である。したがって、汚染物質は、汚染物質捕捉添加剤に優先的に吸収または保持され得る。触媒からの汚染物質捕捉添加剤の分離を容易にするために、汚染物質捕捉添加剤は、触媒より大きい平均粒子サイズおよび/または触媒より大きい密度を有してよい。
【0019】
汚染物質除去ベッセルにおいて生じる汚染された触媒と汚染物質捕捉添加剤との混合物をリフティング・ガスで流動化してよい。混合物を流動化することにより触媒と汚染物質捕捉添加剤との密接な接触がもたらされ、それにより、汚染物質が触媒から汚染物質捕捉添加剤に移動する。リフティング・ガスは、汚染物質捕捉添加剤粒子の一部および触媒粒子の両方を流動化するのに十分な速度で汚染物質除去ベッセルに供給してよい。
【0020】
リフティング・ガスは、蒸気、空気もしくは酸素、窒素、または他の流動化ガスを含んでよい。汚染物質除去ベッセル内の条件は、粒子間における汚染物質の移動度を高めるのに十分な温度に維持してよい。汚染物質捕捉添加剤は汚染物質に対してより高い親和性を有するので、触媒と汚染物質捕捉添加剤との間の相互作用の正味の効果は、触媒粒子からの汚染物質の除去である。
【0021】
流動化した粒子混合物は、塔頂流として汚染物質除去ベッセルから取り出してよく、リフティング・ガス、汚染物質捕捉添加剤および今や汚染物質の量が低減した触媒を含んでよい。次いで、塔頂混合物を粒子サイズおよび/または密度に基づいて分離してよい。固形分セパレーターは、サイクロンまたは他のベッセルもしくはデバイスであってよく、固形分およびガスが共通の入口に導入され、粒子は慣性力、重力および遠心力の組合せによってサイズおよび/または密度に基づいて分離され、好ましくは、より小さい及び/又はより低密度の触媒粒子が固形分セパレーターの蒸気出口へと同伴される一方で、より大きい及び/又はより高密度の汚染物質捕捉添加剤は高密度相スタンドパイプ(standpipe)またはディップレッグ(dipleg)を介して汚染物質除去ベッセルに戻る。
【0022】
上述したように、流動化条件を維持して触媒および汚染物質捕捉添加剤の両方を固形分セパレーターに持ち越す(carry over)。分離された汚染物質捕捉添加剤は、汚染された触媒粒子と連続的に接触させるために汚染物質除去ベッセルに戻してよい。汚染物質除去ベッセルにおいて、あるレベルの汚染物質捕捉添加剤がベッセルの底に蓄積してよく、これを連続的または間欠的に取り出して、再生または適切な廃棄へと送ってよい。
【0023】
種々の炭化水素原料が直面し得る汚染物質として、特に、鉄、銅、カルシウム、リン、バナジウム、ニッケルおよびナトリウムの1種以上を挙げることができる。このような汚染物質は、より重質の炭化水素をより軽質の炭化水素に転化するのに用いられるFCC触媒を含む分解触媒等の触媒に悪影響を与える可能性がある。種々の汚染物質が分解触媒を汚染してその活性を低下させ得る。汚染物質はまた、細孔を塞ぐことがあり、または触媒の細孔を通じた拡散性を低下させることがあり、それにより触媒の有効性が阻害され得る。
【0024】
上述したように、汚染物質捕捉添加剤は、汚染物質に対して触媒よりも高い親和性を有するべきである。したがって、用いられる汚染物質捕捉添加剤の特定の種類は、対象とする特定の(1種以上の)汚染物質によって決まり得る。本明細書に開示のいくつかの実施形態において有用な汚染物質捕捉添加剤として、FCC触媒供給業者により製造される市販のバナジウム/ニッケル/鉄捕捉剤(添加剤)を挙げることができる。いくつかの実施形態において、金属捕捉添加剤として、鉄、銅、リン、バナジウム、ニッケル、ナトリウム、カルシウムまたは炭化水素原料に含まれ得る他の汚染金属を効果的に捕捉するカルシウム、スズ、セシウムまたは他の金属の助触媒(promotion)を有する酸化マグネシウムおよび/またはアルミナ系担体を挙げることができる。本発明の焦点は、(主に接触分解に関与する)FCC触媒からこれらの汚染物質を効率的に除去して、ライザー・リアクターにおける悪影響を最小限にすることである。
【0025】
固形分の分離効率を向上させるために、汚染物質捕捉添加剤は、分解触媒より大きい粒子サイズおよび/またはより分解触媒より大きい密度を有してよい。例えば、市販のFCCユニットにおいて従来用いられているY型ゼオライト系FCC分解触媒等の分解触媒は、約20ミクロン〜約200ミクロンの範囲の典型的な粒子サイズを有してよく、約0.60g/cc〜約1.1g/ccの範囲の見掛け嵩密度を有してよい。本明細書の実施形態に係るFCCおよびそれと同族の分解プロセスで用いられるこれらの触媒/添加剤は、1種類の触媒または複数種の触媒の混合物を含んでよい。
【0026】
本明細書の実施形態において有用な汚染物質捕捉添加剤は、用いられる分解触媒/添加剤より大きい粒子サイズ、例えば約20ミクロン〜約350ミクロンの範囲の粒子サイズを有してよい。追加的または代替的に、汚染物質捕捉添加剤は、触媒より大きい嵩密度、例えば約0.7g/cc〜約1.2g/ccの範囲の密度を有してよい。
【0027】
汚染物質捕捉添加剤と触媒とのサイズおよび/または密度の差により、固形分セパレーターにおける分離が容易になり得る。本明細書の実施形態は、触媒から汚染物質捕捉添加剤を分離するのに分級器/セパレーターを用いてよい。このデバイスは、既存のFCCストリッパーまたはリジェネレーター・ベッセルのいずれかに取り付けることができる。
【0028】
汚染物質除去ベッセルにおける運転条件は、バブリング床、乱流床、高速流動化または気流輸送フロー方式において作動する流速(または流量)でリフティング・ガスを汚染物質除去ベッセルに供給することを含み得る。例えば、床は、実際の粒子密度に応じて、(例えば、約0.01〜約1.0m/sの範囲のガス空塔速度における)バブリング/乱流方式において、0.5〜1.2m/sの範囲の空塔ガス速度における従来の乱流方式において、およびより高速の空塔ガス速度における高速流動化または気流輸送方式において作動してよい。
【0029】
本明細書に開示の実施形態は、FCC触媒からの汚染物捕捉添加剤の改良された分離、使用済み/使用した汚染物質捕捉添加剤の除去と、未使用の添加剤の添加とを連続的に実施する機能、金属の影響がわずかである場合に汚染物質移送添加剤からライザー・リアクターおよびリジェネレーターを分離する柔軟性、ならびに汚染物質除去ベッセルにおいて触媒に対する汚染物質移送添加剤の濃度を増加させる能力(この能力は、システム・インベントリーにおいて添加剤濃度が低すぎる場合に特に有用である)を含む多数の利点を提供し得る。本明細書の実施形態において採用される分離デバイスは、他の固形分分離コンセプト(「粒子の沈降速度の差および最小流動化/バブリング速度」等)と比較してより広い運転柔軟性を提供し得る。
【0030】
汚染物質を触媒から汚染物質捕捉添加剤へ移動させる上述のシステムおよび方法は、本明細書のいくつかの実施形態に従って、触媒を再生する触媒リジェネレーターと併せて用いてよい。FCC触媒等の触媒は、使用後に、種々の汚染物質が蓄積していることがある。汚染された分解触媒および汚染物質捕捉添加剤は汚染物質除去ベッセルに供給してよい。汚染物質捕捉添加剤は、触媒より大きい平均粒子サイズおよび/または触媒より大きい密度を有してよい。
【0031】
次いで、触媒および汚染物質捕捉添加剤はリフティング・ガスで流動化して、触媒を汚染物質捕捉添加剤と接触させ、汚染物質を触媒から汚染物質捕捉添加剤へ移動させてよい。汚染物質除去ベッセルは、リフティング・ガスで流動化して、リフティング・ガス、汚染物質捕捉添加剤および汚染物質の量が低減した触媒を含む第1ストリームを汚染物質除去ベッセルから取り出してよい。
【0032】
汚染物質捕捉添加剤は、サイズおよび/または密度に基づいて、第1ストリームから分離して、汚染物質捕捉添加剤を含むリサイクル・ストリームと、リフティング・ガスおよび汚染物質の量が低減した触媒を含む触媒生成物ストリームとを生成してよい。リサイクル・ストリーム中の汚染物質捕捉添加剤は、追加の汚染された触媒と連続的に接触させるために汚染物質除去ベッセルに戻してよい。汚染物質捕捉添加剤を含む第2ストリームを汚染物質除去ベッセルから取り出してもよい。
【0033】
リフティング・ガスおよび汚染物質の量が低減した触媒を含む触媒生成物ストリームを、触媒リジェネレーターに供給してよい。触媒リジェネレーターにおいて、触媒はリフティング・ガスから分離してよく、また、再生に付してもよい。
【0034】
汚染物を触媒から汚染物質捕捉添加剤へ移動させる上述のシステムおよび方法は、本明細書のいくつかの実施形態に従って、炭化水素を分解するシステムと併せて用いてよく、例えば、触媒およびライザー・リアクターを再生する触媒リジェネレーターを含んでよい。炭化水素を分解するプロセスは、例えば、ライザー・リアクターにおいて分解触媒を炭化水素原料と接触させて炭化水素原料中の炭化水素原料をより軽質の炭化水素に転化することを含んでよく、炭化水素原料は、鉄、カルシウムおよびリンからなる群から選択される1種以上の汚染物質を含んでよい。流出液をライザー・リアクターから回収してよく、流出液は炭化水素および汚染された分解触媒を含む。
【0035】
炭化水素を流出液中の汚染された分解触媒から分離して、炭化水素生成物ストリームと、汚染された分解触媒を含む固形分ストリームとを回収してよい。流出液は、ガス/固形分分離を介して分離してよく、触媒を更にストリッピング剤と接触させて更なる炭化水素を除去してよい。炭化水素を分離/除去した後、次いで、汚染された分解触媒を触媒再生ベッセルに移送して再生に付してよい。
【0036】
再生中、汚染された分解触媒の一部を触媒再生ベッセルから取り出して汚染物質除去ベッセルに供給してよい。汚染物質捕捉添加剤を汚染物質除去ベッセルに供給してもよい。汚染物質捕捉添加剤は、触媒より大きい平均粒子サイズおよび/または触媒より大きい密度を有してよい。
【0037】
次いで、触媒および汚染物質捕捉添加剤をリフティング・ガスで流動化して、触媒を汚染物質捕捉添加剤と接触させ、汚染物質を触媒から汚染物質捕捉添加剤へ移動させてよい。汚染物質除去ベッセルをリフティング・ガスで流動化して、リフティング・ガス、汚染物質捕捉添加剤および汚染物質の量が低減した触媒を含む第1ストリームを汚染物質除去ベッセルから取り出してよい。
【0038】
汚染物質捕捉添加剤は、サイズおよび/または密度に基づいて第1ストリームから分離して、汚染物質捕捉添加剤を含むリサイクル・ストリームと、リフティング・ガスおよび汚染物質の量が低減した触媒を含む触媒生成物ストリームとを生成してよい。リサイクル・ストリーム中の汚染物質捕捉添加剤は、更なる汚染された触媒と連続的に接触させるために汚染物質除去ベッセルに戻してよい。汚染物質捕捉添加剤を含む第2のストリームを汚染物質除去ベッセルから回収してもよい。
【0039】
リフティング・ガスおよび汚染物質の量が低減した触媒を含む触媒生成物ストリームは、連続的な再生のために触媒リジェネレーターにフィードバックしてよい。
【0040】
したがって、本明細書の実施形態に係る炭化水素を分解するシステムは、分解触媒を炭化水素原料と接触させて炭化水素原料の少なくとも一部をより軽質の炭化水素に転化するための、ライザー・リアクター等の第1リアクターを含んでよい。システムはまた、より軽質の炭化水素を使用済み分解触媒から分離する第1セパレーターを含んでもよい。
【0041】
分離された使用済み分解触媒をセパレーターから触媒リジェネレーターに戻すために供給ラインを設けてよい。同様に、使用済み分解触媒の一部を触媒リジェネレーターから汚染物質除去ベッセルに移送するために触媒移送ラインを設けてよい。
【0042】
使用済み触媒を分解触媒より大きい平均粒子サイズおよび/または密度を有する汚染物質捕捉添加剤と接触させるのに汚染物質除去ベッセルを用いてよい。汚染物質除去ベッセルから塔頂流を分離するのに第2セパレーターを用いてよい。第2セパレーターは、汚染物質除去ベッセルから塔頂流を分離するのに用いてよい。第2セパレーターは、(i)第2セパレーターにおいて回収された汚染物質捕捉添加剤を汚染物質除去ベッセルに移送するリサイクル・ライン、または(ii)汚染物レベルが低減した触媒を、連続的な再生のために触媒リジェネレーターに送る塔頂生成物ラインに流体的に取り付けられてよい。
【0043】
第2セパレーターは、サイズおよび/または密度の差に基づいて触媒または他の粒子を分離するのに用いてよい。本明細書のいくつかの実施形態において、セパレーターは、最少で1つの入口を有してよく、また、キャリアガスから粒子を分離するための最少で2つの出口を有してよく、また、汚染物質除去ベッセルの内部または外部に配置されてよい。キャリアガスが粒子と共にセパレーターに入ると、キャリアガスおよび粒子の一部が第1出口に集められ、粒子の一部がキャリアガスと共に第2出口に集められるように、慣性力、遠心力および/または重力を粒子に及ぼしてよい。セパレーターにおける力の組合せは、入口濃度に対して出口ストリームの粒子サイズおよび/または密度を大きくするという効果を有し得る。セパレーターは、ベッセル/チャンバの内部において追加のキャリアガス分布または流動化を有してよく、それにより、改良された分級を容易にし得る追加の力を粒子に及ぼしてよい。
【0044】
ここで
図1を参照すると、触媒から汚染物質を除去するシステムの簡略化したフロー図が示されている。触媒リジェネレーター10は、ストリッパー(図示せず)からフロー・ライン12を介して使用済み触媒を受け取ってよく、この使用済み触媒は1種類の触媒または複数種の触媒の混合物を含んでよい。触媒添加ライン14を通じて未使用の触媒をリジェネレーター10に添加してよく、古い触媒をリジェネレーター10から触媒取り出しライン16を介して除去してよい。使用済み触媒の再生および未使用の触媒の活性化は、当該技術分野で知られているように加熱および/または酸化によって行ってよく、その結果、フロー・ライン18を介して煙道ガスが回収される。
【0045】
触媒は、再生ベッセル10からフロー・ライン20を介して連続的または間欠的に除去され、汚染物質除去ベッセル22に移送される。汚染物質捕捉添加剤は、フロー・ライン24を介して汚染物質除去ベッセル22に加えられる。添加された汚染物質捕捉添加剤は、未使用の及び/又は再生された汚染物質捕捉添加剤を含んでよい。汚染物質除去ベッセル22の運転条件下でこれらの金属汚染物質が高い移動度を有することに起因して、汚染物質捕捉添加剤は、触媒と比較して金属汚染物質を優先的に吸収する。
【0046】
リフティング・ガスは、フロー・ライン26を介して汚染物質除去ベッセル22の下部に導入される。リフティング・ガスは、例えば、蒸気、空気もしくは酸素、窒素または他の流動化ガスまたはこれらの混合物であってよい。リフティング・ガスの流れは、汚染物質除去ベッセル内の粒子の床を乱流床、気泡床または高速流動化方式で作動させるのに十分であってよい。
【0047】
リフティング・ガスの流速は、触媒と汚染物質捕捉添加剤の少なくとも一部とを含む固形分を、フロー・ライン30を通じて固形分セパレーター32へと持ち上げるのに十分なものであるべきである。固形分セパレーター32において、汚染物質除去ベッセルに供給される触媒と比較して汚染物質の量が低減した触媒粒子を汚染物質捕捉添加剤粒子から分離してよい。ディップレッグまたはスタンドパイプ34を介して汚染物質捕捉添加剤を汚染物質除去ベッセルに戻してよく、フロー・ライン36を介して触媒を持ち越すことにより触媒をリジェネレーター10に戻してよい。
【0048】
ある量の金属または他の汚染物質の量が蓄積した使用済み汚染物質捕捉添加剤を、フロー・ライン38を介して汚染物質除去ベッセル22の底部から取り出してよい。次いで、取り出した汚染物質捕捉添加剤を再生するか、あるいは適切に廃棄してよい。
【0049】
金属捕捉添加剤をリジェネレーター10ではなく汚染物質除去ベッセル22に直接導入することは、金属捕捉添加剤の環境において局所的に触媒と比べて比較的高い濃度をもたらすのに用いてよい。
【0050】
金属捕捉添加剤の特性は、再生に付されるFCC触媒と比較してより大きい粒子サイズおよび/またはより高い粒子密度を有するように調整することもできる。触媒および金属捕捉添加剤の混合物が運ばれて固形分セパレーター32を通過する場合、より軽い及び/又はより小さいFCC触媒からより重い及び/又はより大きい金属捕捉添加剤が分離されるようにセパレーターを設計する。FCC触媒は優先的にリジェネレーター10に戻り、一方、金属捕捉添加剤の大部分はディップレッグまたはスタンドパイプを通って落下して汚染物質除去ベッセル22に戻り、その結果、ベッセル22内の金属捕捉添加剤の濃度がより高くなる。
【0051】
固形分セパレーター32は、サイクロンまたは他の装置もしくはベッセルであってよく、固形分およびガスが共通の入口に導入され、粒子は慣性力、重力および遠心力の組合せによってサイズおよび/または密度に基づいて分離され、好ましくは、より小さい及び/又はより低密度のFCC触媒粒子がリジェネレーター10に向かう蒸気出口へと同伴される一方で、より大きい及び/又はより高密度の汚染物質捕捉添加剤の大部分は高密度相スタンドパイプまたはディップレッグを介して汚染物質除去ベッセル
22に戻る。本明細書の種々の実施形態において有用な固形分セパレーター32は
図3〜6に関連して以下に説明する。
【0052】
ここで
図2を参照すると、炭化水素原料を分解してより軽質の炭化水素を製造するシステムの簡略化したフロー図が示されており、同様の数字は同様の部品を表している。本明細書の実施形態は、減圧軽油および/または重油残渣等の軽質、中質または重質の炭化水素供給物等の炭化水素供給物を接触分解して、例えば、プロピレンおよびエチレン等の軽質オレフィン、高オクタン価を有する芳香族およびガソリン、または中間留分を高収率で製造するのに用いてよい。この目的を達成するために、汚染物質除去ベッセルは、ライザー・リアクター等の流体接触分解リアクターと一体化される。
【0053】
触媒再生ベッセル10および汚染物質除去ベッセル22の運転は上述したとおりである。触媒再生ベッセル10において、ライザー・リアクターおよび汚染物質除去ベッセルの両方から回収された使用済み触媒を再生する。再生した後、触媒は、フロー・ライン50を介して再生ベッセルからライザー・リアクター3(並流リアクター)に供給してよい。
【0054】
ライザー・リアクター3において、蒸気等のリフティング・ガス1および1種以上の炭化水素供給物2を触媒と接触させて、炭化水素の少なくとも一部を分解し、より軽質炭化水素を形成する。リフト蒸気に加えて、C
4オレフィンおよびナフサ等の供給ストリームを炭化水素供給物2とは別個に注入する準備をしてもよく、
炭化水素供給物2の上流(J−ベンドのライザーのY字部付近等)に注入してよく、または図示されているように
炭化水素供給物2の下流に注入してもよい。ライザー運転の一例として、重質石油残渣供給物を、第1ライザー・リアクター3の底部付近に位置する1以上の
炭化水素供給物2を通じて注入する。重質石油供給物は、J−ベンドを通じて導入された高温の再生された触媒と接触する。触媒は、例えば、Y型ゼオライト系触媒であり得、Y型ゼオライト系触媒は単独で用いてよく、またはZSM−5もしくはZSM−11等の他の触媒と組み合わせて用いてよい。次いで、流出液をライザー・リアクター3から回収してよく、流出液は分解された炭化水素生成物および使用済み触媒留分を含む。
【0055】
供給物を気化する及び/又は供給物の温度を所望のリアクター温度(500℃〜約700℃の範囲等)に上昇させるのに必要な熱、ならびに吸熱(反応熱)に必要な熱は、リジェネレーター10から来る高温の再生された触媒によって供給してよい。ライザー・リアクター3における圧力は通常、約1バール〜約5バールの範囲である。
【0056】
ライザー・リアクターからの流出液(分解された炭化水素および使用済み触媒)を遊離(disengagement)ベッセル8に供給して、分解された炭化水素生成物から使用済み触媒留分を分離する。軽質オレフィン、C
4炭化水素およびナフサ範囲の炭化水素およびより重質の炭化水素を含む分解された炭化水素生成物を分離して、所望の生成物または生成物留分を回収してよい。例えば、分解反応の大部分が完了した後、生成物、転化されていない供給蒸気および使用済み触媒の混合物が、
遊離ベッセル8に収納される2段サイクロンシステムに流入する。2段サイクロンシステムは、蒸気から使用済み触媒を分離する一次サイクロン4を含む。使用済み触媒は、一次サイクロン・ディップレッグを介してストリッパー9内に排出される。一次サイクロン4からの分離された蒸気に同伴された触媒微粒子は、第2段サイクロン6において分離される。集められた触媒は、ディップレッグ7を介してストリッパー9内に排出される。第2段サイクロン6からの蒸気は二次サイクロン出口を通って放出され、次いで、所望のオレフィンを含む生成物を回収するために、リアクター蒸気ライン11を通って主精留器/ガス発生装置(図示せず)に送られる。
【0057】
ディップレッグ5、7を介して回収された使用済み触媒をストリッパー床9においてストリッピングに付して、蒸気ディストリビューター(または蒸気分配器)(図示せず)を介してストリッパー9の底部に導入される蒸気の向流接触によって、侵入型(interstitial)蒸気(触媒粒子間に捕捉された炭化水素蒸気)を除去する。次いで、使用済み触媒は、使用済み触媒スタンドパイプ13およびリフト・ライン15を介してリジェネレーター10に移送される。ディストリビューター17を通して燃焼空気のごく一部を導入して、使用済み触媒の円滑な移送に役立ててよい。
【0058】
コークス化した又は使用済みの触媒は、高密度リジェネレーター床25の中央における使用済み触媒ディストリビューターを通って排出される。リジェネレーター床25の底部に位置する空気ディストリビューター27によって燃焼空気を導入する。次いで、触媒上に析出したコークスを、リジェネレーター10において燃焼空気との反応によって燃焼させる。リジェネレーター10は、例えば、約640℃〜約750℃の範囲の温度および約1バール〜約5バールの範囲の圧力で作動してよい。汚染物質除去ベッセルからの煙道ガスおよびリフティング・ガスと一緒に同伴された触媒微粉は、第1段サイクロン19および第2段サイクロン21において集められてよく、それぞれのディップレッグを通ってリジェネレーター触媒床の中に排出される。第2段サイクロン21の出口から回収された煙道ガスは、下流の廃熱回収および/または動力回収のためにリジェネレーター・プレナムを介して煙道ガスライン18に方向づけられる。
【0059】
いくつかの実施形態において、セパレーター32は、
図3に示すように、粒子を分離するためにU字型の慣性セパレーターであってよい。セパレーターは、頂部に入口70、U字の他端にガス出口
82、およびU字型セパレーターの底部に主固形分出口80を有するU字型に形成してよい。
【0060】
異なるサイズを有する固形分粒子の混合物72をキャリアガス・ストリームと一緒に入口70を通して導入し、1回転以下の回転をさせることにより慣性分離力を固形分にかけて、異なるサイズの固形分粒子を分離する。より大きい又はより重い固形分粒子78は、セクション74/76において、U字型の底部に接続されたスタンドパイプまたはディップレッグ80へと優先的に下方に向かい、一方、より軽い又はより小さい固形分粒子は、ガス・ストリームと共に出口82へと優先的に運ばれ、そこで、小粒子および気体の混合物84を回収してよい。U字型セパレーターの底部における
主固形分出口80(より大きい粒子を流してベッセル22に戻すのに用いられるスタンドパイプまたはディップレッグの入口)は、所望の粒子流速に適合するのに十分な大きさであるべきである。
【0061】
下方のスタンドパイプに入るガスの流速および主ガス・ストリーム出口から出るガスの流速を制御することにより、U字型慣性セパレーターの全体的な分離効率、ならびにより軽い又はより小さい粒子からより重い又はより大きい粒子を分離する選択性を操作することができる。これは、完全に密封されたディップレッグに及び、そこで、ディップレッグを出る唯一のガス・ストリームは、出ていく粒子フローに同伴されるストリームである。
【0062】
いくつかの実施形態において、ガス・スパージャ75または追加の蒸気/不活性ガスを
主固形分出
口80の頂部近傍(スタンドパイプ入口の頂部付近等)に設けてよい。セパレーター内に提供される追加のリフト・ガスは、追加のガスがより軽い固形分粒子をガス出口
82へと優先的に持ち上げ得るので、より軽い又はより小さい固形分粒子からのより重い又はより大きい固形分粒子の分離を更に容易にし得、その結果、より良好な固形分の分級がもたらされる。
【0063】
U字型セパレーターの入口70および出口82における断面積ならびに(領域74、76を含む)U字型セパレーター全体にわたる断面積を調整して、分離効率および選択性を制御する装置内の空塔ガス速度を操作してよい。いくつかの実施形態において、1以上のセパレーター壁の位置が調整可能であってよく、または可動バッフルをセパレーターの1以上の区画内に配置してよく、この可動バッフルは、分離効率および選択性を制御するのに用いてよい。いくつかの実施形態において、システムは、出口82の下流に粒子サイズ分析器を含んでよく、これにより、U字型セパレーターを通る流動形態のリアルタイム調整が可能になり、その結果、所望の分離が達成される。
【0064】
直列接続されたU字型慣性セパレーターまたはU字型慣性セパレーターとサイクロンとの組合せは、より小さい粒子に対するより大きい粒子の、目的とする選択性および目的とする全体的な分離効率を同時に達成するのを可能にする柔軟性を提供し得る。
【0065】
触媒と比較して金属捕捉添加の濃度が相対的に高いこと、ならびに金属捕捉添加剤の流動化およびリサイクルにより、ベッセル22内で触媒が捕捉添加剤と衝突する確率が増大し、それにより金属汚染物質が添加剤表面に捕捉される。このプロセスは、添加剤の添加/取り出しから触媒再生を分離する方法としても機能し、その結果、FCCU運転者に大きな経済的利益がもたらされる。要約すると、本明細書の実施形態のFCCプロセスは、汚染物質除去ベッセル22内に金属捕捉添加剤に富む環境を形成し、その環境は、金属捕捉添加剤の捕捉効率を実質的に増大させ得、かつ処理ユニットへの添加剤の添加量を最小限にし得、それにより、従来の原油が一般的に伴わない鉄、カルシウム、リンおよび他の物質等の金属汚染物質を含むタイトオイルおよびシェールオイルの処理が容易になる。
【0066】
本明細書の実施形態は、触媒または粒子混合物が固形分セパレーターによって分離されること、およびリアクターにおいて混合物中の触媒が有効かつ優先的に濃縮されることを説明している。
図1および
図2に示すように、ベッセル22において濃縮された粒子は、ベッセル22の頂部に近接した固形分セパレーター32から戻されることが示されている。本明細書の実施形態はまた、粒子が固形分セパレーターからフロー・ライン34を介してベッセル22の中央または下部に戻ることを考慮しており、粒子を戻す場所は、他の可能な要因のなかでも特に、混合物中の触媒金属捕捉添加剤の種類、およびリアクター・ベッセル内の所望の触媒/添加剤の勾配によって決まり得る。本明細書の実施形態はまた、触媒がベッセル内の複数の位置に戻ることも考慮している。
【0067】
図3に関連して説明したU字型粒子セパレーターに加えて、
図4〜
図6は、本明細書の実施形態で用いられる種々の追加のセパレーターを示している。
図4を参照すると、触媒または他の粒子をサイズおよび/または密度に基づいて分離するバッフル・チャンバ・セパレーター900は、水平導管等の入口910を含んでよい。次いで、水平導管に含まれる蒸気および粒子は、バッフル914によって偏向される前にチャンバ912に入る。チャンバ912は、第1垂直出口916および第1水平出口918に接続される。バッフル914は、チャンバ912の中央、入口910の近傍、またはチャンバの水平出口918の近傍に位置してよい。バッフルは、バッフルがより多くの又はより少ない触媒粒子を偏向させるのに用い得るように、傾斜していてよく又は移動可能であってよく、また、粒子の特定の混合物に対して構成されていてもよい。
【0068】
本明細書のプロセスは、バッフル・チャンバ・セパレーター900を利用して、炭化水素反応流出液等のキャリアガス中に含まれるより小さい及び/又はより低密度の粒子からより大きいおよび/またはより高密度の粒子を分離してよい。バッフル・チャンバ・セパレーター900は、キャリアガスおよび第1の粒子種から第2の粒子種の少なくとも一部を分離し、第1垂直出口916を介して第2の粒子種を回収し、かつ第1水平出口918を介してキャリアガスおよび第1の粒子種を含む混合物を回収するように構成されてよい。セパレーターはまた、流動化ガスを導入するために、第1垂直出口の内部またはその近傍に配置されるディストリビューター(図示せず)を含んでもよく、それにより、第2の粒子種から第1の粒子種を更に分離することが容易になる。
【0069】
ここで
図5を参照すると、本明細書の実施形態に従って用いられるルーバー型セパレーターが示されている。図示し説明した他のセパレーターと同様に、ルーバー型セパレーター1000は、触媒または他の粒子をサイズおよび/または密度に基づいて分離するのに用いてよい。ルーバー型セパレーター1000は、チャンバ1012に接続された垂直入口1010を含んでよく、このチャンバ1012において、チャンバの1以上の垂直側面
1015は狭いスロット出口1016を備えており、この狭いスロット出口1016をルーバーとも記載することがある。ルーバーの数は、分離すべき所望の粒子混合物等の用途に応じて様々であってよく、ルーバー出口を通過して出ていく蒸気の量を制御するためにルーバーの角度を調整してよい。チャンバ1012もまた、チャンバの底部において第1垂直出口1014に接続されている。
【0070】
本明細書のプロセスは、ルーバー型セパレーター1000を利用して、炭化水素反応流出液等のキャリアガスに含まれるより小さい及び/又はより低密度の粒子からより大きい及び/又はより高密度の粒子を分離してよい。ルーバー型セパレーター1000は、キャリアガスおよび第1の粒子種から第2の粒子種の少なくとも一部を分離し、第1垂直出口1014を介して第2の粒子種を回収し、かつルーバー出口1016を介してキャリアガスおよび第1の粒子種を回収するように構成されてよい。セパレーターはまた、流動化ガスを導入するために、第1垂直出口の内部またはその近傍に配置されるディストリビューター(図示せず)を含んでもよく、それにより、第2の粒子種から第1の粒子種を更に分離することが容易になる。
【0071】
ここで
図6を参照すると、本明細書の実施形態に従って用いられる慣性セパレーター1100が示されている。図示し説明した他のセパレーターと同様に、慣性セパレーター1100は、触媒または他の粒子をサイズおよび/または密度に基づいて分離するのに用いてよい。セパレーターは、チャンバ1112の頂部に、チャンバ1112内へと延在する入口1110を含んでよい。いくつかの実施形態において、チャンバ1112内の入口11の高さまたは配置は調節可能であってよい。セパレーターはまた、1個以上の側方出口1114、1116(1〜8の側方出口等)および垂直出口1118を含んでもよい。セパレーターはまた、流動化ガスを導入するために、垂直出口1118の内部またはその近傍に配置されるディストリビューター(図示せず)を含んでもよい。
【0072】
異なるサイズの固形分粒子または触媒の混合物1172が、キャリアガス・ストリームと共に入口1110を通って導入される。混合物1172中のガスは、圧力差に基づいて優先的に出口1114、1116に向かって方向づけられ、慣性分離力は、チャンバ1112内に延在した入口1110から粒子およびキャリアガスを回転させて出口1114、1116に向かって流すことによって固形分に加えられ、慣性力が異なるサイズ/密度の粒子を分離する。より大きい及び/又はより重い固形分粒子1174は、セクション1118において、セパレーターの底部に接続されるスタンドパイプまたはディップレッグ(図示せず)へと下方に向かい、一方、より軽い及び/又はより小さい固形分粒子1176は、ガス・ストリームと共に出口1114、1116へと優先的に送られ、そこで、小さい粒子およびガスが回収されてよい。
【0073】
本明細書に記載のセパレーターのそれぞれにおいて、下方のスタンドパイプ/分離チャンバに入るガスの流速および主ガス・ストリーム出口から出るガスの流速を制御することにより、より軽い又はより小さい粒子からより重い又はより大きい粒子を分離するためのセパレーターの全体的な分離効率および選択性を操作することができる。これは、完全に密封されたディップレッグに及び、そこで、ディップレッグを出る唯一のガス・ストリームは、出ていく固形分/触媒フローに同伴されるストリームである。
【0074】
いくつかの実施形態において、ガス・スパージャまたは追加の蒸気/不活性ガスを、重い/高密度の粒子の出口部の頂部近傍(スタンドパイプ入口の頂部付近等)に設けてよい。セパレーター内に提供される追加のリフト・ガスは、追加のガスがより軽い固形分粒子をガス出口へと優先的に持ち上げ得るので、より軽い又はより小さい固形分粒子からのより重い又はより大きい固形分粒子の分離を更に容易にし得、その結果、より良好な固形分分級がもたらされる。
【0075】
本明細書に記載の粒子セパレーターは、ベッセルの外部または内部に配置してよい。さらに、いくつかの実施形態において、粒子セパレーターの、大きい及び/又は高密度の粒子の出口は、外部ベッセルと流体接続してよく、それにより、例えば所望の触媒バランスが維持されるように、分離された粒子を所望のリアクターへと選択的にリサイクルまたは供給することを提供してよい。
【0076】
上述したように、本明細書の実施形態は、触媒からの汚染物質の効率的な除去を提供する。本明細書に開示のプロセスの実施形態の上述した利点および特徴の1以上は、軽質オレフィン製造のために炭化水素を接触分解するための改良された又は最適なプロセスを提供し得る。上述したように、本明細書に開示の実施形態は、汚染された触媒と捕捉添加剤との改良された接触、および分解リアクターからの汚染物質除去プロセスの分離を提供し得、それにより、他の利点のなかでも特に、全体的な分解プロセスが向上し得る。
【0077】
本開示は限られた数の実施形態を含むが、本開示の利益を有する当業者は、本開示の範囲から逸脱することなく他の実施形態を考案し得ることを理解するであろう。したがって、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるべきである。