特許第6860679号(P6860679)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6860679
(24)【登録日】2021年3月30日
(45)【発行日】2021年4月21日
(54)【発明の名称】車両の制御装置および車両の制御方法
(51)【国際特許分類】
   B60W 20/10 20160101AFI20210412BHJP
   B60W 10/08 20060101ALI20210412BHJP
   B60W 10/06 20060101ALI20210412BHJP
   B60W 10/02 20060101ALI20210412BHJP
   B60K 6/48 20071001ALI20210412BHJP
   B60K 6/543 20071001ALI20210412BHJP
   B60W 50/06 20060101ALI20210412BHJP
   B60W 50/08 20200101ALI20210412BHJP
   B60W 40/105 20120101ALI20210412BHJP
   B60L 15/20 20060101ALI20210412BHJP
   B60L 50/16 20190101ALI20210412BHJP
【FI】
   B60W20/10ZHV
   B60W10/08 900
   B60W10/06 900
   B60W10/02 900
   B60K6/48
   B60K6/543
   B60W50/06
   B60W50/08
   B60W40/105
   B60L15/20 K
   B60L50/16
【請求項の数】5
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2019-539630(P2019-539630)
(86)(22)【出願日】2018年8月30日
(86)【国際出願番号】JP2018032184
(87)【国際公開番号】WO2019044999
(87)【国際公開日】20190307
【審査請求日】2020年2月7日
(31)【優先権主張番号】特願2017-165521(P2017-165521)
(32)【優先日】2017年8月30日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000231350
【氏名又は名称】ジヤトコ株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】特許業務法人後藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西廣 義祐
(72)【発明者】
【氏名】望月 政治
(72)【発明者】
【氏名】榎本 隆
【審査官】 冨永 達朗
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−214564(JP,A)
【文献】 特開2011−73483(JP,A)
【文献】 特開2009−214563(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60W 20/10
B60K 6/48
B60K 6/543
B60L 15/20
B60L 50/16
B60W 10/02
B60W 10/06
B60W 10/08
B60W 40/105
B60W 50/06
B60W 50/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動軸と、
回転動力の伝達を断続可能な締結要素と、
前記駆動軸に対し、前記締結要素を介して接続されたエンジンと、
前記駆動軸に対し、前記締結要素を介さずに接続された電気モータと、
を備える車両の制御装置であって、
前記締結要素の締結容量を減少させながら、前記電気モータのトルクを増加させる駆動源の切替中に、アクセル開度が所定開度以上となった場合は、前記締結要素の再締結を指示し、前記締結要素の締結容量が増加を開始するまでの間に前記アクセル開度が前記所定開度以上となる前よりも前記電気モータのトルクを増加させた後、前記電気モータを停止させる制御部を有する、
車両の制御装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記アクセル開度が前記所定開度以上となった場合に、前記締結要素の入力要素と出力要素との間の差回転を0に近付ける回転同期を実行し、前記回転同期の達成後、前記締結要素の再締結を指示する、請求項1に記載の車両の制御装置。
【請求項3】
前記所定開度が車速に応じて異なる値を有する、請求項1または2に記載の車両の制御装置。
【請求項4】
前記制御部は、アクセルオンの状態からアクセルオフの状態になった場合は、前記エンジンおよび前記電気モータから前記駆動軸にかかる負荷を増大させる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の車両の制御装置。
【請求項5】
駆動軸と、
回転動力の伝達を断続可能な締結要素と、
前記駆動軸に対し、前記締結要素を介して接続されたエンジンと、
前記駆動軸に対し、前記締結要素を介さずに接続された電気モータと、
を備える車両の制御方法であって、
前記締結要素の締結容量を減少させながら、前記電気モータのトルクを増加させる駆動源の切替中に、アクセル開度が所定開度以上になった場合は、前記締結要素の再締結を指示し、前記締結要素の締結容量が増加を開始するまでの間に前記アクセル開度が前記所定開度以上となる前よりも前記電気モータのトルクを増加させた後、前記電気モータを停止させる、
車両の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動源としてエンジンおよび電気モータを備える車両の制御装置および制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
JP2007−083796Aには、駆動源としてエンジンおよびモータジェネレータを備える車両において、エンジンおよびモータジェネレータの双方により走行する走行モード(HEVモード)からモータジェネレータのみにより走行する走行モード(EVモード)への移行時において、エンジンから駆動軸に伝達されるトルクを減少させながら、モータジェネレータから駆動軸に伝達されるトルクを増加させる制御を実行することが開示されている。ここで、JP2007−083796Aでは、モータジェネレータから駆動軸に伝達されるトルクを増加させるため、モータジェネレータ自体の目標トルクを増加させる一方、エンジンから駆動軸に伝達されるトルクを減少させるため、エンジンと駆動軸との間に介在するクラッチのトルク容量を減少させている。
【発明の概要】
【0003】
JP2007−083796Aに開示されている制御によれば、HEVモードからEVモードへの走行モードの移行時に、駆動源の切替えに伴うショックの発生を抑制することができる。しかし、上記文献では、駆動源の切替中に、換言すれば、エンジンから駆動軸に伝達されるトルクを減少させている最中にアクセルペダルが踏み込まれ、HEVモードへの復帰を要する場合の措置について、何ら言及されていない。
【0004】
本発明は、駆動源の切替中にアクセルペダルが踏み込まれた場合の車両の駆動レスポンスを確保することを目的とする。
【0005】
本発明は、一形態において、駆動軸と、回転動力の伝達を断続可能な締結要素と、駆動軸に対し、締結要素を介して接続されたエンジンと、駆動軸に対し、締結要素を介さずに接続された電気モータと、を備える車両の制御装置を提供する。本形態に係る車両の制御装置は、締結要素の締結容量を減少させながら、電気モータのトルクを増加させる駆動源の切替中に、アクセル開度が所定開度以上となった場合は、締結要素の再締結を指示し、締結要素の締結容量が増加を開始するまでの間、電気モータのトルクを、アクセル開度が所定開度以上となる前よりも増加させる制御部を有する。
【0006】
さらに、他の形態では、駆動軸と、回転動力の伝達を断続可能な締結要素と、駆動軸に対し、締結要素を介して接続されたエンジンと、駆動軸に対し、締結要素を介さずに接続された電気モータと、を備える車両の制御方法を提供する。締結要素の締結容量を減少させながら、電気モータのトルクを増加させる駆動源の切替中に、アクセル開度が所定開度以上になった場合は、締結要素の再締結を指示する。そして、締結要素の締結容量が増加を開始するまでの間、電気モータのトルクを、アクセル開度が所定開度以上となる前よりも増加させる。
【0007】
上記形態によれば、駆動源の切替中に、運転者のチェンジオブマインド等によりアクセルペダルが踏み込まれた場合に、ショックの発生を抑制しつつ、車両の駆動レスポンスを確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本発明の一実施形態に係る車両駆動系の全体的な構成を示す概略図である。
図2図2は、同上実施形態に係る駆動源切替制御(エンジン走行からEV走行への切替え)の基本的な流れを示すフローチャートである。
図3図3は、同上駆動源切替制御の、エンジン走行への復帰に係る処理の内容を示すフローチャートである。
図4図4は、本発明の一実施形態に係る運転領域マップの傾向を示す説明図である。
図5図5は、同上実施形態に係る駆動源切替制御による車両駆動系の動作を示す説明図である。
図6図6は、比較例に係る車両駆動系の動作を示す説明図である。
図7図7は、アクセルオフの状態に移行した場合の車両駆動系の動作を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
【0010】
(車両駆動系の構成)
図1は、本発明の一実施形態に係る車両駆動系Pの全体構成を概略的に示している。
【0011】
車両駆動系Pは、駆動源としてエンジン1とモータジェネレータ5とを備える。エンジン1およびモータジェネレータ5は、いずれも左右の駆動輪8に接続されている。エンジン1と駆動輪8とをつなぐ動力伝達経路上に自動変速機TMが介装され、モータジェネレータ5は、駆動輪8に対し、自動変速機TM(具体的には、バリエータ4)を介して接続されている。本実施形態において、エンジン1およびモータジェネレータ5は、バリエータ4に対し、独立の動力伝達経路を介して並列に接続されているが、バリエータ4から延びる同一の動力伝達経路上に配設されてもよい。例えば、モータジェネレータ5は、エンジン1と駆動輪8とをつなぐ動力伝達経路上で、クラッチ3とバリエータ4との間に介装することが可能である。
【0012】
自動変速機TMは、無段変速機であり、駆動輪8に向かう動力伝達経路上でエンジン1に近い側から順に、トルクコンバータ2、クラッチ3およびバリエータ4を備える。自動変速機TMは、エンジン1およびモータジェネレータ5から入力した回転動力を所定の変速比で変換し、ディファレンシャルギア6を介して駆動輪8に出力する。
【0013】
トルクコンバータ2は、トルクコンバータ2の入力軸に接続されたポンプインペラ21と、トルクコンバータ2の出力軸に接続されたタービンランナ22と、を備え、入力した回転動力を、流体の力学的作用を介して出力軸に伝達する。トルクコンバータ2は、さらに、出力軸に接続されたロックアップクラッチ23を備え、ロックアップクラッチ23を締結状態とすることで、トルクコンバータ2の入力軸と出力軸とを直結させ、流体接続による伝達損失を削減することが可能である。ロックアップクラッチ23の締結および解放は、ロックアップクラッチ23に作用する油圧を制御することで切り替えられる。
【0014】
クラッチ3は、トルクコンバータ2とバリエータ4との間に配置されており、エンジン1のクランクシャフト(本実施形態では、トルクコンバータ2の出力軸)に接続された摩擦締結要素(以下「入力要素」という)31と、バリエータ4の入力軸(具体的には、プライマリプーリ41の回転軸)に接続された摩擦締結要素(以下「出力要素」という)32と、を有する。クラッチ3は、入力要素31および出力要素32を締結し、解放することで、エンジン1と、バリエータ4および駆動輪8と、を接続し、遮断する。クラッチ3の動作は、入力要素31または出力要素32に作用する油圧を調整することで制御される。
【0015】
バリエータ4は、変速要素として、プライマリプーリ41およびセカンダリプーリ42を備えるとともに、これら一対のプーリ41、42の間に巻き掛けられた金属ベルト43を備え、プライマリプーリ41およびセカンダリプーリ42における金属ベルト43の接触径の比を変化させることで、変速比を無段階に変更することが可能である。バリエータ4の変速比は、プライマリプーリ41およびセカンダリプーリ42の可動シーブに作用する油圧を調整し、可動シーブと固定シーブとの間に形成されるV溝の幅を変化させることで制御される。
【0016】
モータジェネレータ5は、電動機として機能するばかりでなく、発電機として機能することも可能である。モータジェネレータ5に代え、電動機としてのみ動作可能な電気モータを採用することも可能である。モータジェネレータ5は、出力軸に接続されたロータ51と、ロータ51の周囲に、ロータ51と同心に配設されたステータ52と、を有し、ステータ52に備わる電磁コイルへの電力の供給を制御することで、電動機として機能させ、トルクを生じさせることができる。モータジェネレータ5のトルクは、歯車等の動力伝達媒体を介してバリエータ4の回転軸(本実施形態では、入力軸であり、プライマリプーリ41の回転軸)に伝達される。モータジェネレータ5に対する電力の供給は、インバータ55を内蔵したパワーコントロールユニットにより制御される。バッテリ9から供給される直流電流がインバータ55により三相の交流電流に変換され、モータジェネレータ5に供給される。他方で、モータジェネレータ5の回生動作により生じた交流電流がインバータ55により直流電流に変換され、バッテリ9に供給される。バッテリ9は、モータジェネレータ5から供給される電流により充電可能である。
【0017】
自動変速機TMから出力された変速後の回転動力は、所定のギア比に設定されたギア列およびディファレンシャルギア6を介して駆動軸7に伝達され、駆動輪8を回転させる。このように、本実施形態では、エンジン1と駆動軸7とがクラッチ3により断続可能に接続される一方、モータジェネレータ5と駆動軸7とは、クラッチ3を介さずに接続されている。
【0018】
本実施形態では、トルクコンバータ2のロックアップクラッチ23、クラッチ3の入力要素31および出力要素32、バリエータ4の変速要素41、42に作用させる油圧の発生源として機械駆動式のオイルポンプ10を備える。オイルポンプ10は、エンジン1の回転動力により駆動され、作動油を昇圧させ、油圧制御回路11を介して各部に供給する。図1は、油圧制御回路11から各部への油圧供給経路を、矢印付きの点線により示している。
【0019】
本実施形態では、オイルポンプ10に加えて電動式のオイルポンプ12を備える。オイルポンプ12は、バッテリ9から供給される電力により作動して、作動油を昇圧させる。昇圧後の作動油は、オイルポンプ10による場合と同様に、油圧制御回路11を介して各部に供給可能である。電動式のオイルポンプ12により、例えば、エンジン1の停止中にクラッチ3にかかる油圧を制御することができる。
【0020】
(制御系の構成および基本動作)
エンジン1およびモータジェネレータ5の動作は、コントローラ101により制御される。エンジン1およびモータジェネレータ5の制御に関してコントローラ101が有する機能を複数のコントローラに分散し、エンジンコントローラおよびモータジェネレータコントローラの組み合わせとして構成することも可能である。コントローラ101は、電子制御ユニットとして構成され、中央演算装置(CPU)、RAMおよびROM等の各種記憶装置、入出力インターフェース等を備えたマイクロコンピュータからなる。
【0021】
コントローラ101は、本実施形態に係る「制御部」の機能を奏するものであり、コントローラ101以外に、駆動軸7、クラッチ3、エンジン1およびモータジェネレータ5を含んで本実施形態に係る「車両の制御装置」が構成される。クラッチ3により、「締結要素」が構成される。本実施形態では、駆動輪8に接続された回転軸(以下「出力軸」という場合がある)7を「駆動軸」として位置付けているが、「駆動軸」は、出力軸7に限らず、プライマリプーリ41の回転軸またはセカンダリプーリ42の回転軸等、エンジン1およびモータジェネレータ5からの回転動力を駆動輪8に伝達可能ないかなる軸であってもよく、この意味で、「車両の制御装置」は、出力軸7に代えてプライマリプーリ41の回転軸等を含んで構成することも可能である。
【0022】
本実施形態では、コントローラ101に対し、車両の駆動力制御に関連して、運転者によるアクセルペダルの操作量(以下「アクセル開度」という)APOを検出するアクセルセンサ111からの信号、車両の走行速度(以下「車速」という)VSPを検出する車速センサ112からの信号が入力されるほか、エンジン1の回転速度NE、エンジン1の冷却水の温度TW、プライマリプーリ41の回転速度Npri、セカンダリプーリ42の回転速度Nsec、プライマリプーリ41に作用する作動油の圧力Ppri、セカンダリプーリ42に作用する作動油の圧力Psec、自動変速機TMの作動油の温度Toil、シフトレバーの位置SFT等を検出する各種センサからの信号が入力される。本実施形態において、車速センサ112は、駆動軸7の回転速度を測定可能に設けられ、コントローラ101は、車速センサ112からの信号に基づき車速VSPを算出する。
【0023】
コントローラ101は、アクセル開度APOおよび車速VSP等の各種信号に基づき現在の車両の運転状態が属する領域を判定し、その判定結果に応じてエンジン1およびモータジェネレータ5の間で駆動源を切り替える。具体的には、アクセル開度APOが所定開度APO1未満である低負荷側の運転領域(以下「第1領域」という)R1で、モータジェネレータ5を駆動源とする一方、アクセル開度APOが所定開度APO1以上である高負荷側の運転領域(以下「第2領域」という)R2で、エンジン1を駆動源とする。このように、本実施形態では、エンジン1かモータジェネレータ5かで、駆動源を択一的に選択する。しかし、第1領域R1では、モータジェネレータ5のみを駆動源とする一方、第2領域R2では、エンジン1とモータジェネレータ5とを駆動源として併用し、モータジェネレータ5によるトルクアシストを実行するようにしてもよい。
【0024】
図4は、運転領域マップの一例を示している。運転領域マップは、アクセル開度APOおよび車速VSPにより画定されており、車速VSPに応じて予め定められた開度APO1を基準として、所定開度APO1未満の領域(斜線を付して示す)が第1領域R1に、所定開度APO1以上の領域が第2領域R2に、夫々相当する。本実施形態において、所定開度APO1は、車速VSPに応じて異なる値に、具体的には、車速VSPが高い領域ほど小さな値に設定されているが、一定の値に設定することも可能である。コントローラ101は、車速VSPのもと、現在のアクセル開度APOと所定開度APO1とを比較し、運転状態が属する領域R1、R2を判定する。
【0025】
そして、アクセル開度APOが所定開度APO1未満であり、モータジェネレータ5を駆動源として選択した場合は、エンジン1を停止させるとともに、クラッチ3を解放させる。このような状態での走行を「EV走行」という。他方で、アクセル開度APOが所定開度APO1以上であり、エンジン1を駆動源として選択した場合は、モータジェネレータ5に対する電力の供給を停止させるとともに、クラッチ3を締結させ、エンジン1から駆動軸7への回転動力の伝達を可能とする。このような状態での走行を「エンジン走行」という。
【0026】
コントローラ101は、アクセル開度APOが所定開度APO1以上である状態からアクセルペダルが戻され、運転状態が第2領域R2から第1領域R1に移行して、駆動源をエンジン1からモータジェネレータ5に切り替える場合、換言すれば、エンジン走行からEV走行に切り替える場合に、クラッチ3の締結容量を徐々に減少させながら、締結容量の減少に応じてモータジェネレータ5のトルクを増加させる制御を実行する。これにより、駆動源の切替えに伴うショックの発生を抑制する。締結容量の減少は、油圧制御回路11により、クラッチ3にかかる油圧を調整することで達成可能である。エンジン1からモータジェネレータ5への駆動源の切替えは、運転者がアクセルペダルを戻したことによりアクセル開度APOが減少し、切替線(=APO1)を第1領域R1側へ過った場合に限らず、アクセルペダルの位置自体に変化がなくとも、車両が平坦路から登坂路に進入するなど、走行抵抗が増大し、車速VSPが低下した場合においても生じる。図4は、運転者がアクセルペダルを戻したことによる切替えの場合の例を矢印a1およびa2により、走行抵抗が増大したことによる切替えの場合の例を矢印a3により、夫々示している。
【0027】
ここで、駆動源の切替中に、アクセルペダルが踏み込まれ、アクセル開度APOが再度所定開度APO1以上となった場合を想定する。このような状況は、減速を意図してアクセルペダルを一旦戻した運転者に、再加速へのチェンジオブマインドが生じた場合や、車両が登坂路に進入した後、車速に不足を感じた運転者が、加速を意図してアクセルペダルを踏み込んだ場合等に該当する。
【0028】
この場合は、EV走行からエンジン走行に再度切り替え、駆動源をエンジン1に復帰させるべく、クラッチ3の再締結を実行するとともに、増大後のアクセル開度APOに応じたエンジントルクを出力可能とするため、エンジン1に対する燃料噴射量を増加させる。しかし、クラッチ3の締結容量は、クラッチ3に対する再締結の指示、具体的には、クラッチ3にかかる油圧の上昇指示から、実際に締結容量が上がり始めるまでに遅れが存在するため、アクセル開度APOの増大に対し、単にクラッチ3の再締結を指示しただけでは、駆動軸7に伝わるトルク(以下「駆動軸トルク」という)に不足が生じる。
【0029】
そこで、本実施形態では、エンジン1からモータジェネレータ5への駆動源の切替中におけるアクセル開度APOの増大に対し、クラッチ3に対する再締結の指示に併せ、モータジェネレータ5のトルクを増加させる制御を実行する。これにより、締結容量の遅れをモータジェネレータ5のトルクにより補い、車両の駆動レスポンスを確保するのである。駆動源の切替えに関してコントローラ101により実行される制御について、以下にフローチャートを参照して説明する。
【0030】
(駆動源切替制御の内容)
図2は、駆動源切替制御の基本的な流れをフローチャートにより示している。
【0031】
S101では、アクセル開度APOおよび車速VSP等、車両の運転状態を示す信号を読み込む。
【0032】
S102では、エンジン走行からEV走行に移行すべき条件にあるか否かを判定する。具体的には、運転状態が、アクセル開度APOが所定開度APO1以上の第2領域R2から、所定開度APO1未満の第1領域R1に移行したか否かを判定する。運転状態が第1領域R1に移行し、エンジン走行からEV走行に移行すべき条件にある場合は、S103へ進み、そのような条件にない場合は、S101へ戻り、S101および102の処理を繰り返し実行する。
【0033】
S103では、駆動源の切替えを開始する。本実施形態では、クラッチ3の締結容量を減少させながら、モータジェネレータ5のトルクを増加させる制御を実行し、例えば、クラッチ3にかかる油圧を徐々に減少させることにより、クラッチ3の締結容量を徐々に減少させながら、締結容量の減少に応じてモータジェネレータ5のトルクを増加させる。締結容量は、切替えに伴うショックを抑制可能な減少率で変化させることが可能である。そして、アクセル開度APOに応じた目標値に対する駆動軸トルクの不足分を補うように、モータジェネレータ5のトルクを増加させる。さらに、本実施形態では、クラッチ3の締結容量の減少に併せ、エンジン1のトルクを減少させる。これにより、負荷の減少によるエンジン1の吹け上がりを抑制する。
【0034】
S104では、エンジン1からモータジェネレータ5への駆動源の切替えが完了したか否かを判定する。例えば、クラッチ3の締結容量が充分に減少し、クラッチ3が解放されるに至ったか否かを判定する。クラッチ3が解放された場合は、駆動源の切替えが完了したとして、S105へ進み、未だ解放されていない場合は、駆動源の切替中であるとして、S107へ進む。
【0035】
S105では、クラッチ3に対する油圧の作用を停止させ、エンジン1から駆動軸7への回転動力の伝達を遮断する。
【0036】
S106では、エンジン1に対する燃料の供給を停止し、エンジン1を停止させる。
【0037】
S107では、アクセル開度APOが所定開度APO1以上となったか否か、換言すれば、運転状態が高負荷側の第2領域R2から低負荷側の第1領域R1に移行した後、再度第2領域R2に移行したか否かを判定する。アクセル開度APOが所定開度APO1以上となった場合は、図3に示すS201へ進み、所定開度APO1以上となっていない場合、つまり、アクセル開度APOが未だ所定開度APO1未満のままである場合は、S108へ進む。
【0038】
S108では、駆動源の切替えを継続し、クラッチ3の締結容量を減少させながら、モータジェネレータ5のトルクを増加させる。
【0039】
S201では、クラッチ3の回転同期を実行する。具体的には、エンジン1のトルクを増加させることによりエンジン1の回転速度を上昇させ、クラッチ3の入力側の回転速度を出力側の回転速度に近付ける。
【0040】
S202では、モータジェネレータ5のトルクを制御し、増大後のアクセル開度APOに応じた目標値に対する駆動軸トルクの不足分を補うように、モータジェネレータ5のトルクを増加させる。これにより、本実施形態では、モータジェネレータ5が生じるトルクの変化の傾きが、運転領域の移行前、換言すれば、アクセル開度APOが所定開度APO1以上となる前よりも増大することとなる。実際の駆動軸トルクは、駆動軸7等、適宜の回転軸にセンサを設置することにより検出してもよいが、クラッチ3に作用させている油圧の大きさからクラッチ3が実際に伝達させているトルクを推定し、これに変速比に応じた係数を乗じることによっても検出可能である。
【0041】
S203では、クラッチ3の回転同期を達成したか否かを判定する。具体的には、クラッチ3の入力側の回転速度と出力側の回転速度との差の絶対値が所定値以下にまで減少したか否かを判定し、上記差の絶対値が所定値以下にまで減少した場合は、回転同期を達成したとして、S204へ進み、未だ減少していない場合は、回転同期を継続し、S203の処理を繰り返し実行する。
【0042】
S204では、クラッチ3の再締結を実行すべく、油圧制御回路11に対してクラッチ3にかかる油圧の上昇を指示し、締結容量を増加させる。ここで、油圧制御回路11に対する指示が、クラッチ3に対する再締結の指示に相当する。
【0043】
S205では、クラッチ3の再締結が完了したか否かを判定し、具体的には、クラッチ3の入力側の回転速度と出力側の回転速度とが一致したか否かを判定する。クラッチ3の再締結が完了した場合は、S206へ進み、未だ完了していない場合は、S205の処理を繰り返し実行し、再締結の完了が確認されるまで、引き続き油圧を上昇させる。クラッチ3の再締結が完了したか否かの判定は、単にクラッチ3に作用させる油圧の指示値が締結完了後の目標値にまで上昇したか否かを判定することであってもよい。
【0044】
S206では、モータジェネレータ5のトルクを、エンジントルクの増加と協調させるように減少させることで、アクセル開度APOに応じた駆動軸トルク、換言すれば、運転者により求められている駆動軸トルクを達成する。
【0045】
S207では、エンジン1のトルクと駆動軸トルクとの合致をもって、エンジン1への駆動源の切替えを完了する。これにより、エンジン走行への移行を完了し、車両は、エンジン1を駆動源として走行する。
【0046】
本実施形態では、図2に示すフローチャートのS102〜104、S107、S108および図3に示すフローチャートのS201〜206の処理により「制御部」の機能が実現される。
【0047】
(タイムチャートによる動作説明)
図5は、本実施形態に係る駆動源切替制御による車両駆動系Pの動作をタイムチャートにより概略的に示し、図6は、比較例による動作を示している。図5および6の双方において、エンジン1の回転数NEおよびトルクTEを点線により、モータジェネレータ5の回転数NMおよびトルクTMを実線により、夫々示している。さらに、バリエータ4の入力軸にかかるトルク(入力軸トルク)TSiを、二点鎖線により示している。
【0048】
本実施形態による場合(図5)の理解を容易にするため、初めに、比較例による場合(図6)を説明し、次いで、本実施形態に係る制御による動作を説明する。
【0049】
図6において、運転状態が中負荷域にある状態(APO≧APO1)からアクセルペダルが戻され、アクセル開度APOが所定開度APO1未満の低負荷域(第1領域R1)に移行すると(時刻t1)、エンジン走行からEV走行に移行すべく、駆動源をエンジン1からモータジェネレータ5に切り替える制御を実行する。コントローラ101は、クラッチ3(具体的には、油圧制御回路11)に対し、締結容量を減少させる指令を出力する。これに併せ、コントローラ101は、締結容量の減少、換言すれば、エンジン1から駆動軸7に伝達されるトルクの減少に応じてモータジェネレータ5のトルクを増加させ(時刻t2)、駆動源の切替えに伴うショックの発生を抑制する。締結容量が充分に減少し、クラッチ3が解放状態に至ると、クラッチ3に対する油圧の作用を停止させるとともに、エンジン1を停止させ、モータジェネレータ5への駆動源の切替えおよびEV走行への移行を完了する。ここで、駆動源の切替中、具体的には、クラッチ3の締結容量を減少させている最中に、運転者のチェンジオブマインド等によりアクセルペダルが踏み込まれ、アクセル開度APOが増大して、再度所定開度APO1以上となると(時刻t3)、増大後のアクセル開度APOに応じた駆動軸トルクTSdを形成可能とするため、駆動源をエンジン1に復帰させる必要が生じる。比較例では、クラッチ3にかかる油圧を上昇させる一方、モータジェネレータ5に対する電力の供給を停止させ、モータジェネレータ5のトルクを急減させている。クラッチ3に対する再締結の指示からクラッチ3の締結容量が実際に上がり始めるまでには、クラッチ3の動作特性に応じた遅れが存在することから、駆動軸トルクTSdにおいて、締結容量の遅れに相当する分だけ不足が生じる。そして、この不足は、クラッチ3の再締結に際し、予め回転同期を実行する場合に、アクセル開度APOの増大から回転同期を経て、油圧の上昇によりクラッチ3の締結容量が上がり始めるまでに、より長い時間を要することから、一層顕著となる。図6は、締結容量の遅れによる駆動軸トルクTSdの不足分を、斜線により示している。
【0050】
本実施形態に係る制御による動作の説明に移り、図5において、アクセルペダルが戻され、運転状態が低負荷側の第1領域R1に移行する時刻t1から、駆動源の切替中に運転者のチェンジオブマインド等によりアクセルペダルが踏み込まれ、アクセル開度APOが再度所定開度APO1以上となる時刻t3までの動作は、比較例による場合と同様である。
【0051】
本実施形態による場合は、アクセル開度APOの増大に対し、クラッチ3の回転同期を実行する一方、モータジェネレータ5のトルクTMを、アクセル開度APOの増大時(時刻t3)よりも増加させ、その後、回転同期を達成し(時刻t4)、クラッチ3の再締結を完了したときに(時刻t5)、減少させる。具体的には、増大後のアクセル開度APOに応じた駆動軸トルクTSdを形成可能とするため、アクセル開度APOに応じた目標値に対する駆動軸トルクTSdの不足分に応じたトルクをモータジェネレータ5により生じさせる。これにより、アクセル開度APOの増大後、回転同期およびクラッチ3に対する再締結の指示を経て、クラッチ3の締結容量が実際に上がり始めるまでの遅れによる駆動軸トルクTSdの不足分を、モータジェネレータ5のトルクTMにより補い、アクセル開度APOの増大に対する車両の駆動レスポンスを確保することが可能となる。図5は、アクセル開度APOの増大に対し、モータジェネレータ5のトルクTMの変化における傾きがアクセル開度APOの増大前よりも増大し、さらに、クラッチ3に作用させる油圧の指示値が締結完了後の目標値にまで上昇した時刻t5に、モータジェネレータ5のトルクTMの変化も増加から減少に転じている様子を示している。モータジェネレータ5のトルクTMが0にまで減少した時刻t6に、エンジン1のトルクTEと駆動軸トルクTSdとが合致し、エンジン1への駆動源の切替えを完了する。以後は、エンジン1を駆動源として走行する。
【0052】
図7は、運転状態が中負荷域にある状態(APO≧APO1)からアクセルペダルがアクセルオフ(APO=0)の状態にまで戻され(時刻t11)、エンジン1に対する燃料の供給を停止させる場合を示している。この場合は、駆動源の切替えを行わず、エンジン1を引き続き駆動源とする。ただし、本実施形態では、クラッチ3を締結状態に維持するとともに、モータジェネレータ5を発電機として作動させることで、エンジン1およびモータジェネレータ5から駆動軸7にかかる負荷を増大させる。アクセルペダルが踏み込まれ、アクセル開度APOが増大すると(時刻t31)、モータジェネレータ5の回生動作を停止させるとともに、エンジン1に対する燃料の供給を再開させる。
【0053】
(作用効果の説明)
本実施形態に係る車両の制御装置は、以上のように構成され、以下、本実施形態により得られる効果について述べる。
【0054】
第1に、駆動源の切替中、本実施形態では、エンジン1からモータジェネレータ5への駆動源の切替中に、アクセル開度APOが所定開度APO1以上となった場合、換言すれば、図4に示す運転領域マップにおいて、運転状態が低負荷側の第1領域R1に移行した後、アクセル開度APOの増大により高負荷側の第2領域R2に向けて切替線(=APO1)を過った場合に、クラッチ3の再締結を指示するとともに、モータジェネレータ5のトルクTMを、アクセル開度APOが所定開度APO1以上となる前よりも増加させることで、再締結の指示後、クラッチ3の締結容量が実際に上がり始めるまでの遅れを補い、駆動軸トルクTSdに不足が生じるのを抑制することができる。よって、本実施形態によれば、駆動源の切替中に、運転者のチェンジオブマインド等によりアクセルペダルが踏み込まれた場合に、ショックの発生を抑制しつつ、車両の駆動レスポンスを確保することができる。
【0055】
ここで、クラッチ3の締結容量が増加を開始し、エンジン1から駆動軸7への回転動力の伝達が開始された後、エンジン1のトルクTEを増加させながら、エンジントルクの増加に応じてモータジェネレータ5のトルクTMを徐々に減少させることで、モータジェネレータ5のトルクTMの急激な減少によるショックの発生を抑制しつつ、目標とする駆動軸トルクTSdを達成することが可能となる。本実施形態では、クラッチ3に作用させる油圧の指示値が締結完了後の目標値にまで上昇した(時刻t5)ことをもってクラッチ3の再締結が完了したものとし、モータジェネレータ5のトルクTMを減少させているが、クラッチ3の入力側の回転速度と出力側の回転速度との差回転から締結容量の増加を判定し、モータジェネレータ5のトルクTMを減少させるようにしてもよい。
【0056】
第2に、クラッチ3の再締結に際し、予め回転同期を実行し、回転同期の達成後、クラッチ3の再締結を指示することで、クラッチ3の再締結に伴うショックの発生を抑制することが可能となる。
【0057】
そして、この場合は、アクセル開度APOの増大から回転同期を経て、油圧の上昇によりクラッチ3の締結容量が上がり始めるまでに、より長い時間を要することから、モータジェネレータ5により駆動軸トルクの不足を補うことが、特に有効である。
【0058】
第3に、駆動源の切替線を定めるアクセル開度(所定開度APO1)を、車速VSPに応じて異なる値に設定したことで、エンジン1およびモータジェネレータ5双方の動作特性を活かし、効率的な車両駆動系Pの構築に寄与することが可能となる。
【0059】
第4に、運転状態が第2領域R2にある状態からアクセルペダルが完全に戻され、アクセルオフの状態(APO=0)となった場合に、エンジン1を引き続き駆動源とし、クラッチ3を締結状態に維持することで、エンジンブレーキの活用を可能とするとともに、再加速時のレスポンスを確保することが可能となる。さらに、モータジェネレータ5を発電機として作動させ、発電により生じた電力をバッテリ9に充電することで、車両駆動系P全体の効率を向上させることが可能となる。
【0060】
以上の説明から抽出される、請求の範囲に記載のもの以外の概念を以下に纏める。
【0061】
第1は、駆動軸と、回転動力の伝達を断続可能な締結要素と、前記駆動軸に対し、前記締結要素を介して接続されたエンジンと、前記駆動軸に対し、前記締結要素を介さずに接続された電気モータと、を備える車両の制御装置であって、前記締結要素の締結容量を徐々に減少させながら、前記締結容量の減少に応じて前記電気モータのトルクを増加させる駆動源の切替中に、アクセル開度が所定開度以上となった場合は、前記締結要素の再締結を指示し、前記電気モータのトルクの変化率を、前記アクセル開度が前記所定開度以上となる前よりも増加させる制御部を有する、車両の制御装置である。
【0062】
第2は、前記制御部は、前記アクセル開度が前記所定開度以上となった場合に、前記締結要素の入力要素と出力要素との間の差回転を0に近付ける回転同期を実行し、前記回転同期の達成後、前記締結要素の再締結を指示する、車両の制御装置である。
【0063】
第3は、前記所定開度が車速に応じて異なる値を有する、車両の制御装置である。
【0064】
第4は、前記制御部は、前記エンジンにより走行する運転領域として、アクセル開度が前記所定開度以上である第2領域を有するとともに、前記電気モータにより走行する運転領域として、アクセル開度が前記所定開度未満である第1領域(アクセルオフの状態を除く)を有し、運転状態が前記第2領域から前記第1領域に移行した場合に、前記駆動源の切替えを実行する、車両の制御装置である。
【0065】
第5は、前記制御部は、アクセルオンの状態からアクセルオフの状態になった場合は、前記エンジンおよび前記電気モータから前記駆動軸にかかる負荷を増大させる、車両の制御装置である。
【0066】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した事項の範囲内において、様々な変更および修正を成し得ることはいうまでもない。
【0067】
本願は、2017年8月30日付けで日本国特許庁に出願した特願2017−165521号に基づく優先権を主張し、その出願の全ての内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7