(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一般にエンジン冷却回路は、エンジンの回転数に応じて任意に設定された油圧である、要求油圧を超えるように設計される。要求油圧は、エンジンの保護等の観点から、回転数に応じて複数設定される。
【0007】
特許文献1に示されるような、第1の油圧バルブの他にオイルリリーフ通路開閉弁が設けられることで、第1の油圧バルブが開弁するより低い油圧であってもオイルを戻すことができ、燃費を向上させることができる。なお第2の油圧バルブの開弁圧は第1の油圧バルブの開弁圧(5kgf/cm
2)よりも低く、かつ、始動時に必要な最低油圧(0.5〜1kgf/cm
2)を確保できる程度に設定されている旨記載されている。
【0008】
第2の油圧バルブの開弁圧は0.5〜5kgf/cm
2と幅広く、数多くの試行錯誤が必要であり、容易に実施できるとは言えないものである。
【0009】
本発明は、燃費性能及び信頼性を高めることができるエンジン冷却技術の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によれば、オイルが溜められたオイルパンからエンジンまで前記オイルを循環させるメイン流路上に設けられると共に前記メイン流路の一部を構成し、
ハウジングに、
油圧が所定値よりも高い場合に、前記オイルを前記メイン流路から逃がすよう開放状態になる第1の油圧バルブと、
油温が所定値よりも高い場合又は低い場合に、前記オイルを前記メイン流路から逃がすことが可能なよう開放状態になるサーモバルブと、
このサーモバルブに対して、前記オイルの流れ方向を基準として下流に設けられ、前記第1の油圧バルブが開放状態になる際の油圧の所定値と略同じ油圧にて開放状態となり、前記オイルを前記メイン流路から逃がす第2の油圧バルブと、が設けられ
、
前記ハウジングは、前記サーモバルブが収納されたサーモバルブ収納部と、このサーモバルブ収納部からオイルを排出するよう空けられた接続開口部と、この接続開口部を介して前記サーモバルブ収納部に繋げられていると共に前記第2の油圧バルブが収納された第2の油圧バルブ収納部と、この第2の油圧バルブ収納部に空けられオイルを排出するためのオイル排出開口部と、を有し、
前記第2の油圧バルブ収納部は、前記オイルパンの上方に位置していることを特徴とするオイルポンプが提供される。
【0011】
また、本発明によれば、オイルが溜められたオイルパンからエンジンまで前記オイルを循環させるメイン流路
上に設けられると共に前記メイン流路の一部を構成し、
ハウジングに、
油圧が所定値よりも高い場合に、前記オイルを前記メイン流路から逃がすよう開放状態になる第1の油圧バルブと、
油温が所定値よりも高い場合又は低い場合に、前記オイルを前記メイン流路から逃がすことが可能なよう開放状態になるサーモバルブと、
このサーモバルブに対して、前記オイルの流れ方向を基準として下流に設けられ、前記第1の油圧バルブが開放状態になる際の油圧の所定値と
略同
じ油圧にて開放状態となり、前記オイルを前記メイン流路から逃がす第2の油圧バルブと、
が設けられ、
前記ハウジングは、前記サーモバルブが収納されたサーモバルブ収納部と、このサーモバルブ収納部からオイルを排出するよう空けられた接続開口部と、この接続開口部を介して前記サーモバルブ収納部に繋げられていると共に前記第2の油圧バルブが収納された第2の油圧バルブ収納部と、を有し、
前記接続開口部は、円筒状の前記第2の油圧バルブ収納部の先端に形成され、前記第2の油圧バルブ収納部の基端部は、外部に開放されていることを特徴とする
オイルポンプが提供される。
また、本発明によれば、オイルが溜められたオイルパンからエンジンまで前記オイルを循環させるメイン流路上に設けられると共に前記メイン流路の一部を構成し、
ハウジングに、
油圧が所定値よりも高い場合に、前記オイルを前記メイン流路から逃がすよう開放状態になる第1の油圧バルブと、
油温が所定値よりも高い場合又は低い場合に、前記オイルを前記メイン流路から逃がすことが可能なよう開放状態になるサーモバルブと、
このサーモバルブに対して、前記オイルの流れ方向を基準として下流に設けられ、前記第1の油圧バルブが開放状態になる際の油圧の所定値と略同じ油圧にて開放状態となり、前記オイルを前記メイン流路から逃がす第2の油圧バルブと、が設けられ、
前記ハウジングは、前記サーモバルブが収納されたサーモバルブ収納部と、このサーモバルブ収納部からオイルを排出するよう空けられた接続開口部と、この接続開口部を介して前記サーモバルブ収納部に繋げられていると共に前記第2の油圧バルブが収納された第2の油圧バルブ収納部と、この第2の油圧バルブ収納部に空けられオイルを排出するためのオイル排出開口部と、を有し、
前記オイル排出開口部は、前記第2の油圧バルブの下方に下向きに形成されていることを特徴とするオイルポンプが提供される。
【発明の効果】
【0012】
本発明では、サーモバルブの下流に第2の油圧バルブが設けられている。サーモバルブが開放状態の場合であっても、所定の油圧に達しなければ、第2の油圧バルブが開かない。そして、第2の油圧バルブが開く際の油圧は、例えば、第1の油圧バルブが開く際の油圧と略同じである。これにより、第1・第2の油圧バルブを略同時に開放することができる。オイルの温度によっては実際の油圧が要求油圧を大きく上回ることを抑制することができる。結果、燃費性能を高めることができる。加えて、第2の油圧バルブが開く際の油圧が明確になるため、エンジン冷却技術の信頼性を高めることができる。更に第2の油圧バルブと第1の油圧バルブが開く際の油圧を略同じにすることで、燃費効果を最大限に確保しつつも補機デバイスが必要とする最低限の油圧を確保することもできる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、説明中、上下左右とは図面を基準として上下左右をいう。
【0015】
<実施例1>
図1を参照する。エンジン冷却回路10は、例えば、車両に用いられる。エンジン冷却回路10は、メイン流路11上に設けられたオイルポンプ20を用いて、オイルパンOpに溜められたオイルOiを循環させ、エンジンEnを冷却するための回路である。
【0016】
図2乃至
図4を参照する。
図2には、蓋体が外された状態のオイルポンプ20が示されている。
図3は、
図2と同じ方向から見た状態の断面によって示されたオイルポンプである。
【0017】
オイルポンプ20は、いわゆる内接歯車ポンプである。オイルポンプ20は、ハウジング30に、エンジンEn(
図1参照)が作動することにより回転する駆動軸22と、この駆動軸22によって回転されるインナーロータ23と、このインナーロータ23の周縁を囲いインナーロータ23によって回転されるアウターロータ24と、油圧が所定値よりも高い場合に開放状態になる第1の油圧バルブ50と、油温が所定値よりも低い場合に開放状態になるサーモバルブ60と、このサーモバルブ60に対してオイルの流れ方向を基準として下流に設けられた第2の油圧バルブ70と、が収納されてなる。
【0018】
なお、サーモバルブには、油温が所定値よりも高い場合に開放状態になるものを採用することもできる。
【0019】
ハウジング30は、オイルパンOp(
図1参照)から汲み上げたオイルが吸入される吸入ポート31と、インナーロータ23及びアウターロータ24によって汲み上げられたオイルが吐出される吐出ポート32と、第1の油圧バルブ50が収納された円筒穴状の第1の油圧バルブ収納部33と、この第1の油圧バルブ収納部33に空けられオイルが排出される第1の開口部34及び第2の開口部35と、これらの第1の開口部34及び/又は第2の開口部35から排出されたオイルを吸入ポート31に導くバイパス路36と、サーモバルブ60が収納された円筒穴状のサーモバルブ収納部37と、このサーモバルブ収納部37からオイルを排出するよう空けられた丸穴状の第3の開口部38と、この第3の開口部38を介してサーモバルブ収納部37に繋げられていると共に第2の油圧バルブ70が収納された第2の油圧バルブ収納部41と、この第2の油圧バルブ収納部41の下部に空けられオイルパンOp(
図1参照)にオイルを落下させる丸穴状の第4の開口部42と、を有する。
【0020】
図1を参照する。吸入ポート31、及び、吐出ポート32は、エンジンEnにオイルOiを循環させる流路の一部である、ということができる。即ち、吸入ポート31、及び、吐出ポート32は、メイン流路11の一部を構成する。バイパス路36は、メイン流路11を構成しない。
【0021】
図2を参照する。第1の開口部34は、丸穴状に形成され、第2の開口部35よりも吐出ポート32に近い部位に形成されている。このため、第1の油圧バルブ50(
図3参照)が作動した場合には、第2の開口部35よりも先に第1の開口部34からオイルが排出される。
【0022】
第2の開口部35は、2つ形成され、吐出ポート32に近い部位から連続的に開口面積が大きくなるよう形成されている。第2の開口部35は、いずれも第1の開口部34よりも面積が大きい。
【0023】
図4を参照する。第2の油圧バルブ収納部41は、円筒穴状に形成されている。第2の油圧バルブ収納部41の基端部は、外部に開放されている。即ち、蓋体等によって塞がれていない。
図1を併せて参照する。第2の油圧バルブ収納部41は、オイルパンOpの上方に位置している。このため、第2の油圧バルブ収納部41の基端部にオイルが到達し、外部に排出された場合であっても、オイルは、オイルパンOpに落下する。換言すれば、オイルがオイルパンに落下するため、蓋体等によって閉じる必要がない。
【0024】
駆動軸22は、例えば、クランクシャフトに接続されている。なお、駆動軸22は、クランクシャフトの他、カムシャフト等の任意の部材に接続することができる。駆動軸22の軸線CL1は、第2の油圧バルブ収納部41の軸線CL2に略平行に延びている。
【0025】
図3を参照する。第1の油圧バルブ50は、第1の油圧バルブ収納部33の基端部を閉じている第1の油圧バルブ蓋体51と、この第1の油圧バルブ蓋体51に一端が当接している第1の油圧バルブ用ばね52と、この第1の油圧バルブ用ばね52によって第1の油圧バルブ収納部33の先端部に向かって付勢されている第1の油圧バルブ弁体53と、を有する。
【0026】
オイルが循環していない状態において、第1の油圧バルブ収納部33の先端部は、第1の油圧バルブ弁体53によって閉じられている。オイルの流量が多くなると、第1の油圧バルブ弁体53に、大きな油圧が加わる。オイルが第1の油圧バルブ用ばね52の力に抗して、第1の油圧バルブ弁体53を図面下方に押し下げる。第1の油圧バルブ弁体53が第1の開口部34に重なる位置まで押し下げられると、一部のオイルは、第1の開口部34からバイパス路36へと流される。さらに、油圧によって第1の油圧バルブ弁体53が押し下げられ、第2の開口部35、35(
図2参照)に重なる位置まで押し下げられると、オイルは、第2の開口部35、35から排出されバイパス路36へと流される。バイパス路36へ流されたオイルは、吸入ポート31へ戻される。
【0027】
サーモバルブ60は、サーモバルブ収納部37の基端部を閉じているサーモバルブ蓋体61と、このサーモバルブ蓋体61に一端が当接しオイルの温度によって伸縮するサーモアクチュエータ62と、このサーモアクチュエータ62に形成された鍔部62aに一端が当接しているサーモバルブ用ばね63と、サーモアクチュエータ62の先端に固定されたサーモバルブ弁体64と、を有する。
【0028】
サーモバルブ弁体64は、キャップ状を呈し、キャップの上部に上穴部64aが複数形成されていると共に、第3の開口部38を開閉可能な側壁部64bを有している。エンジンEn(
図1参照)を作動させる前の状態、即ち、オイルが低温の状態において、サーモバルブ弁体64は、第3の開口部38を開放している。
【0029】
図4を参照する。第2の油圧バルブ70は、第2の油圧バルブ収納部41に形成された溝部41aにはめ込まれたC字リング71と、このC字リング71に当接している第2の油圧バルブ座部72と、この第2の油圧バルブ座部72に一端が当接している第2の油圧バルブ用ばね73と、この第2の油圧バルブ用ばね73によって第3の開口部38に向かって付勢されている球状の第2の油圧バルブ弁体74と、を有する。
【0030】
C字リング71は、C字の両端を互いに近づけるようにして縮径した状態で溝部41aに臨ませ、溝部41aの近傍にて縮径した力を開放することにより、溝部41aに嵌め込むことができる。
【0031】
第2の油圧バルブ座部72は、ドーナツ板状のワッシャーを採用することができる。
【0032】
オイルが循環していない状態において、第3の開口部38は、第2の油圧バルブ弁体74によって閉じられている。この状態を基準として、第4の開口部42は、第2の油圧バルブ弁体74の下方(水平より下方向を含む)に形成されている。
【0033】
図5を参照する。
図5Aには、オイルの温度が低く油圧が低い際のサーモバルブ及び第2の油圧バルブが示されている。
図5Bには、オイルの温度が低く油圧が高い際のサーモバルブ及び第2の油圧バルブが示されている。
図5Cには、オイルの温度が高い際のサーモバルブ及び第2の油圧バルブが示されている。
【0034】
図5Aを参照する。オイルの温度が低い場合において、サーモバルブ弁体64は、第3の開口部38を開放している。一方、油圧が低い場合には、第2の油圧バルブ用ばね73の付勢力は、オイルが第2の油圧バルブ弁体74を押し込む力よりも大きい。このため、第3の開口部38は、第2の油圧バルブ弁体74によって閉じられている。オイルが第2の油圧バルブ収納部41側へ流れることを防止している。
【0035】
図5Bを参照する。オイルの温度が低い場合において、サーモバルブ弁体64は、第3の開口部38を開放している。そして、油圧が高い場合には、オイルが第2の油圧バルブ弁体74を押し込む力は、第2の油圧バルブ用ばね73の付勢力よりも大きい。オイルは、第2の油圧バルブ用ばね73の付勢力に抗して、第2の油圧バルブ弁体74を押し込む。第3の開口部38は、開放され、オイルは、第3の開口部38から第4の開口部42を流れる。第4の開口部42を通過したオイルは、オイルパンOp(
図1参照)に落下する。
【0036】
図4を参照する。第2の油圧バルブ弁体74は、第2の油圧バルブ収納部41の軸線CL2に沿って作動する。即ち、軸線CL2は、第2の油圧バルブ弁体74の作動軸線CL2ということもできる。
【0037】
図3及び
図5Bを参照する。第4の開口部42が開放される際の油圧は、第1の油圧バルブ弁体53が油圧によって押し下げられ、第1の開口部34からオイルが排出される際の油圧と略同じである。
【0038】
ここで、略同じといえるためには、第4の開口部42が開放される際の油圧は、第1の開口部34が開放される際の油圧に対して、±40kPaであることが好ましい。
【0039】
また、第1の油圧バルブ収納部33に複数の開口部34、35(
図2参照)が形成されている場合には、開口部からオイルが排出される際の油圧とは、最初の開口部が開放される際の油圧を基準とする。
【0040】
図5Cを参照する。オイルの温度が高い場合には、サーモアクチュエータ62内に充填されたワックスが膨張し、ロッド62bを押し出す。ロッド62bの先端は、サーモバルブ蓋体61に当接しているため、サーモアクチュエータ62全体が押し下げられる。サーモアクチュエータ62に固定されたサーモバルブ弁体64も下がり、側壁部64bが第3の開口部38を塞ぐ。オイルの流量に関わらず、第3の開口部38は閉じられた状態となる。
【0041】
以上に説明した本発明は、以下の効果を奏する。
【0042】
図5A及び
図5Bを参照する。サーモバルブ60の下流に第2の油圧バルブ70が設けられている。第2の油圧バルブ70は、第1の油圧バルブ50(
図3参照)が作動する際の油圧と略同じ油圧にて作動する。サーモバルブ60が開放状態の場合であっても、所定の油圧に達しなければ、第2の油圧バルブ70が開かない。そして、第2の油圧バルブ70が開く際の油圧は、第1の油圧バルブ50が開く際の油圧と略同じである。これにより、第1・第2の油圧バルブ50、70を略同時に開放することができる。
【0043】
本発明では、第2の油圧バルブ70を用いることにより、所定の油圧に達しない場合には、サーモバルブ60から外部へオイルを排出することを抑制することとした。これにより、第2の油圧バルブ70が開く際の油圧が明確になるため、エンジン冷却技術の信頼性を高めることができる。更に第2の油圧バルブ70と第1の油圧バルブ50が開く際の油圧を略同じにすることで、燃費効果を最大限に確保しつつも補機デバイスが必要とする最低限の油圧を確保することもできる。
【0044】
第1の開口部34からオイルが排出される際の油圧と略同じ油圧にて第2の油圧バルブ70が解放状態となることにより、第1・第2の油圧バルブ50、70を略同時に開放することができる。サーモバルブ60は広い回転数又は広い油圧範囲で効果を発揮できるため燃費効果は最大化され、最大の燃費向上効果を得ることができる。
【0045】
図1を参照する。駆動軸22の軸線CL1と、作動軸線CL2とは、略平行に延びている。オイルポンプ20のハウジング30は、例えばアルミダイキャスト品が用いられる。駆動軸22の軸線CL1と、作動軸線CL2とが略平行に延びる構成とすることにより、金型を抜く方向を同じにすることができる。このため、第2の油圧バルブ70の弁箱(第2の油圧バルブ収納部41)を別工程によって形成する必要がなくなる。また、切削により駆動軸22が貫通する穴や第2の油圧バルブ70の弁箱を形成する際にも、軸線CL1、CL2が同じ方向を向いているため、同じ切削工具によって加工を行うことができる。効率よくハウジング30を製造することができ、オイルポンプ20の生産性を高めることができる。
【0046】
<実施例2>
次に、本発明の実施例2を図面に基づいて説明する。
【0047】
図6及び
図7を参照する。
図6は、
図2に対応し、
図7は、
図4に対応している。実施例2によるオイルポンプ20Aは、実施例1によるオイルポンプ20(
図2参照)に対して、ハウジング30Aの構造が異なっている。その他の基本的な構成については、実施例1によるオイルポンプ及びエンジン冷却回路と共通する。実施例1と共通する部分については、符号を流用すると共に、詳細な説明を省略する。
【0048】
オイルポンプ20Aは、エンジン冷却回路10(
図1参照)のメイン流路11(
図1参照)上に設けられている。
【0049】
オイルが循環していない状態において、第3の開口部38は、第2の油圧バルブ弁体74によって閉じられている。この状態を基準として、第4の開口部42Aは、第2の油圧バルブ弁体74の側方に形成されている。
【0050】
ハウジング30Aは、第2の油圧バルブ収納部41Aからバイパス路36を繋ぐリターン流路44Aを有している。第4の開口部42Aは、リターン流路44Aの入り口と言うことができる。第2の油圧バルブ収納部41Aの作動軸線CL2Aは、上下方向に延びている。
【0051】
オイルの温度が低い場合において、サーモバルブ弁体64は、第3の開口部38を開放している。一方、油圧が低い場合には、第2の油圧バルブ用ばね73の付勢力は、オイルが第2の油圧バルブ弁体74を押し込む力よりも大きい。このため、第3の開口部38は、第2の油圧バルブ弁体74によって閉じられている。オイルが第2の油圧バルブ収納部41側へ流れることを防止している。
【0052】
オイルの温度が低く、且つ、油圧が高い場合に、オイルが第2の油圧バルブ弁体74を下方に押し込む力は、第2の油圧バルブ用ばね73の付勢力よりも大きくなることがある。オイルは、第2の油圧バルブ用ばね73の付勢力に抗して、第2の油圧バルブ弁体74を押し込む。第3の開口部38は、開放され、オイルは、第3の開口部38から第4の開口部42Aを流れる。第4の開口部42Aを通過したオイルは、リターン流路44Aを通過して、バイパス路36に達する。オイルは、バイパス路36から吸入ポート31へ戻される。リターン流路44Aへ流れなかった一部のオイルは、第2の油圧バルブ収納部41Aの底からオイルパンOp(
図1参照)へ落下する。
【0053】
実施例2によるオイルポンプ20Aも、本発明所定の効果を奏する。
【0054】
さらに、第2の油圧バルブ70Aから排出されたオイルを吸入ポート31に戻すリターン流路44Aを有している。オイルをオイルパンOpに落下させた場合には、油面にオイルが落下した際に音が発生する虞がある。オイルをリターン流路44Aに流す構成とすることにより、作動時におけるオイルポンプ20Aの静粛性を向上させることができる。
【0055】
さらに、リターン流路44Aは、バイパス路36を介して吸入ポート31に繋がれている。第2の油圧バルブ70Aから排出されたオイルは、第1の油圧バルブ50から排出されたオイルが通過するバイパス路36に流される。流路を別々に構成した場合に比べて、ハウジング30Aをコンパクトにすることができる。
【0056】
さらに、第2の油圧バルブ収納部41Aの作動軸線CL2Aは、上下方向に延びている。第2の油圧バルブ収納部41Aの底は、開口している。リターン流路44Aへ流れなかった一部のオイルは、第2の油圧バルブ収納部41Aの底からオイルパンOp(
図1参照)へ落下する。これにより、第2の油圧バルブ収納部41Aにオイルが留まることを防止することができる。ここで、オイルパンOpに落下するオイルの量は、リターン流路44Aへ流れるオイルの量に比べて少ない。このため、余剰なオイルをオイルパンOpに落下させたとしても、静粛性に対する影響は小さい。
【0057】
尚、エンジン冷却回路は、車両に搭載された例を基に説明を行ったが、車両以外の乗り物や乗り物以外の構造物等にも採用することができる。オイルの温度に応じてサーモバルブが作動するものであれば、適用可能であり、これらの形式のものに限られるものではない。
【0058】
加えて、オイルポンプの形式としては内接歯車ポンプだけでなく外接歯車ポンプ又はベーンポンプ、ピストンポンプ等であっても駆動軸によって歯車やベーン、ピストン等のオイル送出手段が回転してオイルが送られるオイルポンプであれば、実施例と同様の効果を奏するものである。
【0059】
加えて、第1・第2の油圧バルブ、及び、サーモバルブは、オイルポンプ内に配置された例を基に説明したが、オイルポンプの外部であるメイン流路11の途中又はエンジンEn内に設けられてもよい。油圧やオイルの温度に基づいてオイルの流量を制御することができれば、これらのバルブは、任意の場所に配置することができる。
【0060】
このとき、第1の油圧バルブ50に対して、第2の油圧バルブ70が下流の離れた位置に配置された場合、その間の管路抵抗の分、第2の油圧バルブ70が開放する油圧を低く設定することが好ましい。これにより、第1・第2の油圧バルブ50、70を略同時に開放することができる。これにより、本発明所定の効果を得ることができる。
【0061】
加えて、オイルポンプは、駆動軸22の下方に第1の油圧バルブ50、及び、サーモバルブ60が位置するよう、縦に長いように設置して用いることもできる。これは
図1の左右方向を上下方向とした90°傾けた形状のオイルポンプである。この場合、駆動軸22よりも下方に設けられたサーモアクチュエータ62は、水平方向に横たわる配置であり、より確実にオイルに浸される。これにより、確実にサーモアクチュエータ62を作動させることができる。
【0062】
加えて、第1の開口部34は、第2の開口部35よりも吐出ポート32に近い部位に形成された例を基に説明したが、遠い部位に形成して用いることもできる。第1の開口部34は、第2の開口部35よりも低い油圧で開放されることは変えないため、第1の油圧バルブ弁体の形状を周知の形状(例えば、日本国特開2010−107036)に変更すればよい。
【0063】
実施例において、第2の油圧バルブ弁体74は球状としたが、第1の油圧バルブ弁体53やサーモバルブ弁体64のような円筒状であってもよい。加えて、第2の油圧バルブ弁体74は、油圧によって直接的に駆動されていたが、ソレノイドバルブ等の電気制御による駆動としてもよい。
【0064】
即ち、本発明の作用及び効果を奏する限りにおいて、本発明は、実施例に限定されるものではない。