特許第6860710号(P6860710)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6860710
(24)【登録日】2021年3月30日
(45)【発行日】2021年4月21日
(54)【発明の名称】発券機、およびサーバ装置
(51)【国際特許分類】
   G07B 1/00 20060101AFI20210412BHJP
   G06Q 50/30 20120101ALI20210412BHJP
【FI】
   G07B1/00 A
   G06Q50/30
【請求項の数】7
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2020-8228(P2020-8228)
(22)【出願日】2020年1月22日
(62)【分割の表示】特願2016-46152(P2016-46152)の分割
【原出願日】2016年3月9日
(65)【公開番号】特開2020-74184(P2020-74184A)
(43)【公開日】2020年5月14日
【審査請求日】2020年1月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】特許業務法人 志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】長屋 俊輔
【審査官】 小島 哲次
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−141017(JP,A)
【文献】 特開2003−196688(JP,A)
【文献】 特開2010−128837(JP,A)
【文献】 特開2013−178600(JP,A)
【文献】 特開2014−137769(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07B 1/00−17/04
G06Q 50/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバ装置と通信する発券機側通信部と、
新規のICカードを乗車券として発行するための第1文字画像と、非接触型のクレジットカードを乗車券として登録するための第2文字画像とを表示し、何れかの文字画像を選択する操作を受け付ける受付部と、
前記第2文字画像の選択によって前記クレジットカードを乗車券として登録する登録要求を受け付けた場合に、発券条件を取得すると共に、前記クレジットカードを検知して前記クレジットカードの識別情報を取得し、前記登録要求、前記発券条件、および前記識別情報を、前記発券機側通信部を用いて前記サーバ装置に送信し、前記発券機側通信部が前記サーバ装置から前記発券条件および前記識別情報録処が完了したことを受信した場合に、前記クレジットカードを乗車券として発券する発券処理を行う発券機側制御部と、を有し、
前記発券機側制御部は、前記第1文字画像の選択によって前記新規のICカードを乗車券として発券する発券要求を受け付けた場合に、発券条件を取得し、前記発券要求および前記発券条件を、前記発券機側通信部を用いて前記サーバ装置に送信し、前記発券機側通信部が前記サーバ装置から前記発券条件に対する処理結果を受信した場合に、前記処理結果および購入金額に応じた入金に基づいて前記新規のICカードを乗車券として発券する発券処理を行う、
券機。
【請求項2】
前記発券機側制御部は、前記クレジットカードを乗車券として発券する場合に、前前記クレジットカードが乗車券として登録されたことを前記受付部に表示させる、
請求項1に記載の発券機。
【請求項3】
前記クレジットカードから前記識別情報を読み取る読取部を更に有し、
前記発券機側制御部は、前記読取部により読み取られた前記識別情報を前記登録要求と共に前記サーバ装置に送信する、
請求項1に記載の発券機。
【請求項4】
請求項1に記載の発券機と通信するサーバ装置側通信部と、
前記サーバ装置側通信部が前記発券機から非接触型のクレジットカードを乗車券として登録する登録要求を受信した場合には前記発券機から前記クレジットカードの識別情報および前記発券条件を取得し、前記発券機から新規のICカードを乗車券として発券する発券要求を受信した場合には前記発券機から前記発券条件を取得するサーバ装置側取得部と、
前記サーバ装置側取得部により、前記クレジットカードの登録要求および前記発券条件を取得した場合には、前記クレジットカードの乗車券としての効力を示す効力情報を生成し、前記ICカードの前記発券条件を取得した場合には、前記ICカードの識別情報および前記ICカードの乗車券としての効力を示す効力情報を生成する生成部と、
前記サーバ装置側取得部により取得された前記識別情報と前記生成部により生成された前記効力情報を含む情報とを対応づけて記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶された前記登録要求または前記発券要求に対する処理結果を、前記サーバ装置側通信部を用いて前記発券機に送信するサーバ装置側制御部と、
を有するサーバ装置。
【請求項5】
駅務機器と通信するサーバ装置側通信部と、
請求項1に記載の発券機により登録要求のあった非接触型のクレジットカードの識別情報と前記クレジットカードの乗車券としての効力を示す効力情報を含む情報とを対応づけて記憶すると共に、前記発券機により発券要求のあった新規のICカードの識別情報と前記ICカードの乗車券としての効力を示す効力情報を含む情報とを対応づけて記憶する記憶部と、
前記サーバ装置側通信部が前記駅務機器から前記クレジットカードまたは前記ICカードの識別情報および駅務機器側処理要求を受信した場合に、前記記憶部に記憶された前記識別情報に対応する前記効力情報に基づいて駅務処理を行い、前記識別情報および前記駅務処理の処理結果を、前記サーバ装置側通信部を用いて前記駅務機器に送信するサーバ装置側制御部と、
を有するサーバ装置。
【請求項6】
前記駅務機器が自動改札機である場合、前記サーバ装置側制御部は、前記駅務処理として、前記記憶部に記憶された前記効力情報に基づいて前記クレジットカードまたは前記ICカードを提示した利用者の通過の可否を判定し、前記駅務機器に、前記サーバ装置側制御部により判定された結果に基づいて、前記利用者の通過を許可または拒否させる制御を実行させる、
請求項5に記載のサーバ装置。
【請求項7】
前記駅務機器が精算機である場合、前記サーバ装置側制御部は、前記駅務処理として、前記記憶部に記憶された前記識別情報に対応する前記効力情報に基づいて精算の要否を判定し、精算が必要であると判定した場合に前記記憶部に記憶された前記効力情報に基づいて精算金額を算出し、前記駅務機器に、前記サーバ装置側制御部により判定された精算の要否の結果、および前記サーバ装置側制御部により算出された精算金額に基づいて精算を行わせる、
請求項5または6に記載のサーバ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、発券機、およびサーバ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
駅務システムは、乗車券に効力情報などの情報を記憶させ、駅務機器により乗車券に記憶された情報を読み取ることで、駅務機器により各種の駅務処理を行っている。しかしながら、駅務処理を変更・拡張しようとした場合、乗車券に記憶される情報のフォーマットを変更する必要が生じる場合があり、柔軟な駅務処理の変更・拡張が困難である場合があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−8588号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、より柔軟な駅務処理の変更および拡張を可能とした発券機、およびサーバ装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の発券機は、発券機側通信部と、受付部と、発券機側制御部とを持つ。発券機側通信部は、サーバ装置と通信する。受付部は、新規のICカードを乗車券として発行するための第1文字画像と、非接触型のクレジットカードを乗車券として登録するための第2文字画像とを表示し、何れかの文字画像を選択する操作を受け付ける。発券機側制御部は、前記第2文字画像の選択によって前記クレジットカードを乗車券として登録する登録要求を受け付けた場合に、発券条件を取得すると共に、前記クレジットカードを検知して前記クレジットカードの識別情報を取得し、前記登録要求、前記発券条件、および前記識別情報を、前記発券機側通信部を用いて前記サーバ装置に送信し、前記発券機側通信部が前記サーバ装置から前記発券条件および前記識別情報録処が完了したことを受信した場合に、前記クレジットカードを乗車券として発券する発券処理を行う。また、発券機側制御部は、前記発券機側制御部は、前記第1文字画像の選択によって前記新規のICカードを乗車券として発券する発券要求を受け付けた場合に、発券条件を取得し、前記発券要求および前記発券条件を、前記発券機側通信部を用いて前記サーバ装置に送信し、前記発券機側通信部が前記サーバ装置から前記発券条件に対する処理結果を受信した場合に、前記処理結果および購入金額に応じた入金に基づいて前記新規のICカードを乗車券として発券する発券処理を行う。

【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】実施形態の駅務システム1の一例を示す図。
図2】実施形態のICカード10の一例を示す図。
図3】実施形態のセンターサーバ100の一例を示すブロック図。
図4】実施形態の自動改札機300を上方から見た図。
図5】実施形態の自動改札機300の一例を示すブロック図。
図6】実施形態の精算機400の一例を示すブロック図。
図7】実施形態の発券機500の一例を示すブロック図。
図8】実施形態のICカード10、駅務機器、およびセンターサーバ100の動作の流れの一例を示す図。
図9】実施形態のICカード10(乗車券)、自動改札機300、およびセンターサーバ100の動作の流れの一例を示す図。
図10】実施形態のICカード10、精算機400、およびセンターサーバ100の動作の流れの一例を示す図。
図11】実施形態の駅務機器およびセンターサーバ100の動作の流れの一例を示す図。
図12】実施形態の発券機500およびセンターサーバ100の動作の流れの一例を示す図。
図13】実施形態のクレジットカード10A、駅務機器およびセンターサーバ100の動作の流れの一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施形態の発券機、駅務機器、およびサーバ装置を、図面を参照して説明する。なお、以下では、発券機、駅務機器、およびサーバ装置を含む駅務システムや、発券機およびサーバ装置を含む発券システムについて説明する。
【0008】
駅務システムおよび発券システムは、例えば、鉄道の駅などに設置される機器を含む。以下の説明では、「乗車券」の一例として交通系のIC(Integrated Circuit)カードを例示するが、「乗車券」は、交通系のICカードと同様の決済機能を有する携帯端末などの電子媒体であってもよい。また、乗車券は、ICカードのように情報を記憶し、および情報を書き込み可能なものに限られない。乗車券は、情報が読み取り可能であって、情報が書き込み可能でなくてもよい。さらに、乗車券は、無線通信により情報を通信してもよいが、これに限定されず、磁気的に情報が読み取り可能な媒体であってもよく、バーコードやQRコード(登録商標)などの表示オブジェクトにより情報が読み取り可能な媒体であってもよい。
【0009】
図1は、実施形態の駅務システム1の一例を示す図である。駅務システム1は、例えば、センターサーバ100と、複数の中継装置200−1、・・・、200−Nと、自動改札機300と、精算機400と、発券機500と、定期券発行機600とを含む。以下の説明において、中継装置を他の中継装置と区別しない場合には「中継装置200」と記載する。
【0010】
中継装置200、自動改札機300、精算機400、発券機500、および定期券発行機600は、例えば、ICカード利用可能エリア内の各駅に設置されている。センターサーバ100は、例えば、ICカード利用可能エリア内の駅に設置された中継装置200、自動改札機300、精算機400、発券機500、および定期券発行機600と通信回線を介して接続される。通信回線は、例えば、WAN(Wide Area Network)や、VPN(Virtual Private Network)等などのネットワークである。
【0011】
中継装置200は、例えば、通信インターフェース回路と、自動改札機300などの状態を監視する監視盤とを含む。中継装置200の通信インターフェース回路は、例えば、センターサーバ100と通信するWANやVPNなどのインターフェースと、自動改札機300、精算機400、発券機500、および定期券発行機600と通信する例えばLAN(Local Area Network)などのインターフェースとを含む。
【0012】
中継装置200は、通信回線を介してセンターサーバ100と通信を行うと共に、自動改札機300、精算機400、発券機500、および定期券発行機600と通信を行う。なお、図1において、中継装置200に自動改札機300、精算機400、発券機500、および定期券発行機600が接続されてよいが、これに限定されない。中継装置200には、自動改札機300、精算機400、発券機500、および定期券発行機600のうち一部が接続されていればよい。
【0013】
図2は、実施形態のICカード10の一例を示す図である。ICカード10は、例えば、樹脂などのカード基材にICチップ(ICモジュール)が埋め込まれた媒体である。ICカード10は、RFID(Radio Frequency Identifier)技術によって、自動改札機300、精算機400、発券機500、および定期券発行機600により識別情報が読み取られる。ICカード10は、例えば、カード側通信部12、カード側記憶部14、およびカード側制御部16を含む。
【0014】
カード側記憶部14には、アカウントID14Aが記憶されている。アカウントID14Aは、ICカード10を一意に特定する識別情報である。カード側制御部16は、カード側通信部12によって受信されたコマンドに応答して、カード側通信部12を用いて、アカウントID14Aを送信する。また、カード側制御部16は、カード側通信部12によってアカウントIDの書き込み要求を受信した場合、アカウントID14Aをカード側記憶部14に書き込む。アカウントID14Aは、ICカード10の識別情報がエンコードされた情報である。エンコードとは、情報を、符号化、記号化、その他の手法により、人が内容を直接的に認識できない状態に変換することをいう。
【0015】
図3は、実施形態のセンターサーバ100の一例を示すブロック図である。センターサーバ100は、例えば、サーバ側通信部110と、サーバ側制御部120と、サーバ側記憶部130とを含む。
【0016】
サーバ側制御部120は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサがプログラムメモリに格納されたプログラムを実行することにより実現される。また、これらの機能部のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、またはFPGA(Field-Programmable Gate Array)等のハードウェアにより実現されてもよい。サーバ側制御部120は、センターサーバ100の動作を統括的に制御する。
【0017】
サーバ側通信部110は、通信回線および中継装置200を介して自動改札機300、精算機400、発券機500、および定期券発行機600と通信を行う。サーバ側通信部110は、自動改札機300、精算機400、発券機500、および定期券発行機600により送信された情報を受信した場合、受信した情報をサーバ側制御部120に出力する。また、サーバ側通信部110は、サーバ側制御部120により自動改札機300、精算機400、発券機500、および定期券発行機600に送信する情報が供給された場合に、自動改札機300、精算機400、発券機500、および定期券発行機600に情報を送信する。
【0018】
サーバ側記憶部130は、例えば、HDD(Hard Disc Drive)、フラッシュメモリ、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、ROM(Read Only Memory)、またはRAM(Random Access Memory)等により実現される。また、サーバ側記憶部130には、アプリケーションプログラムなどの各種プログラム、サーバ側通信部110による処理結果などが記憶される。
【0019】
サーバ側記憶部130には、例えば、アカウントID130Aと、バリュー情報130Bとが記憶される。アカウントID130Aは、ICカード10を一意に特定する情報である。バリュー情報130Bは、自動改札機300、精算機400、発券機500、および定期券発行機600が動作するために必要な情報である。バリュー情報130Bは、例えば、効力情報と、入出場記録情報と、残額情報とを含む。効力情報は、ICカード10の効力を示す。すなわち、効力情報は、ICカード10の利用可能な範囲を規定する情報である。効力情報は、例えば利用区間および日付、利用可能金額、入場駅と出場駅といったように、様々に設定される。入出場記録情報は、ICカード10の入場駅、入場日時、出場駅、および出場日時などの情報を含む。残額情報は、ICカード10のチャージ残高などを含む。
【0020】
図4は、実施形態の自動改札機300を上方から見た図である。図5は、実施形態の自動改札機300の一例を示すブロック図である。自動改札機300は、例えば、図4に示すように、通路を挟んで対向配置される主機300Aと、補機300Bとを含む。主機300Aは、例えば、CPU312と、リーダ部330と、扉部372と、上面表示部352および正面表示部354と、を含む。また、補機300Bは、扉部374を含む。自動改札機300は、図4に示したものに加えて、例えば、図5に示すように、改札側制御部310と、改札側通信部320と、改札側記憶部340と、音声出力部360と、扉駆動部370とを含む。
【0021】
改札側制御部310は、例えばCPU312などのプロセッサがプログラムメモリに格納されたプログラムを実行することにより実現される。また、これらの機能部のうち一部または全部は、LSI、ASIC、またはFPGAなどのハードウェアにより実現されてもよい。改札側制御部310は、自動改札機300の各部を統括的に制御する。改札側制御部310は、自動改札機300の各部を用いて、利用者の通過を許可または拒否する。
【0022】
改札側通信部320は、LANなどの通信インターフェース回路である。改札側通信部320は、中継装置200を介してセンターサーバ100と通信を行う。改札側通信部320は、リーダ部330により読み取られたアカウントID14Aをセンターサーバ100に送信する。改札側通信部320は、センターサーバ100により送信された情報を受信した場合、受信した情報を改札側制御部310に出力する。
【0023】
リーダ部330は、アンテナおよび通信回路などを備える無線通信装置である。リーダ部330は、図4の進入方向に通過しようとする利用者によって翳されたICカード10に記憶されたアカウントID14Aを読み取って、読み取ったアカウントID14Aを改札側制御部310に送信する。
【0024】
改札側記憶部340は、例えば、HDD、フラッシュメモリ、EEPROM、ROM、またはRAMなどにより実現される。また、改札側記憶部340には、ファームウェアやアプリケーションプログラムなどの各種プログラム、各種機能部による処理結果などが記憶される。また、改札側記憶部340には、リーダ部330により読み取られたアカウントID14Aや、改札側通信部320により受信した情報が記憶されている。
【0025】
表示部350には、上面表示部352および正面表示部354が含まれる。上面表示部352は、リーダ部330にICカード10が翳された場合に、改札側制御部310によって処理された結果を表示する。正面表示部354は、図4の進行方向に通過可能であるか否かを示すマークや図形、文字などの画像を表示する。正面表示部354の表示内容または表示の有無は、改札側制御部310によって決定される。
【0026】
音声出力部360は、利用者に通知する各種の音声、およびブザー音を出力する。扉駆動部370は、改札側制御部310の制御に従って、扉部372および扉部374を動作させる。扉部372および扉部374は、利用者の通過を拒否する場合に、閉動作する。
【0027】
図6は、実施形態の精算機400の一例を示すブロック図である。精算機400は、例えば、精算側制御部410と、精算側通信部420と、リーダ部430と、精算側記憶部440と、表示部450と、金銭処理部460とを含む。
【0028】
精算側制御部410は、例えばCPUなどのプロセッサがプログラムメモリに格納されたプログラムを実行することにより実現される。また、これらの機能部のうち一部または全部は、LSI、ASIC、またはFPGAなどのハードウェアにより実現されてもよい。精算側制御部410は、精算機400の各部を用いて、精算を行う。
【0029】
精算側通信部420は、LANなどの通信インターフェース回路である。精算側通信部420は、中継装置200を介してセンターサーバ100と通信を行う。精算側通信部420は、リーダ部430により読み取られたアカウントID14Aをセンターサーバ100に送信する。精算側通信部420は、センターサーバ100により送信された情報を受信した場合、受信した情報を精算側制御部410に出力する。
【0030】
リーダ部430は、アンテナおよび通信回路などを備える無線通信装置である。リーダ部430は、挿入口(不図示)に挿入されたICカード10に記憶されたアカウントID14Aを読み取って、読み取ったアカウントID14Aを精算側制御部410に送信する。
【0031】
精算側記憶部440は、例えば、HDD、フラッシュメモリ、EEPROM、またはRAMなどにより実現される。また、精算側記憶部440には、ファームウェアやアプリケーションプログラムなどの各種プログラム、各種機能部による処理結果などが記憶される。また、精算側記憶部440には、リーダ部430により読み取られたアカウントID14Aや、精算側通信部420により受信した情報が記憶されている。
【0032】
表示部450は、例えば、液晶ディスプレイである。表示部450は、精算処理の指示を受け付けるための画像、精算結果の画像などを表示する。金銭処理部460は、例えば、投入された紙幣や硬貨をカウントし、精算代金を超過した釣銭を紙幣や硬貨として購入者に返却する。
【0033】
図7は、実施形態の発券機500の一例を示すブロック図である。発券機500は、例えば、発券側制御部510と、発券側通信部520と、リーダ部530と、発券側記憶部540と、表示部550と、操作部560と、金銭処理部570と、印刷部580とを含む。
【0034】
発券側制御部510は、例えばCPUなどのプロセッサがプログラムメモリに格納されたプログラムを実行することにより実現される。また、これらの機能部のうち一部または全部は、LSI、ASIC、またはFPGAなどのハードウェアにより実現されてもよい。発券側制御部510は、発券機500の各部を用いて、ICカード10を発行する。
【0035】
発券側通信部520は、LANなどの通信インターフェース回路である。発券側通信部520は、中継装置200を介してセンターサーバ100と通信を行う。発券側通信部520は、リーダ部530により読み取られたアカウントID14Aをセンターサーバ100に送信する。改札側通信部320は、センターサーバ100により送信された情報を受信した場合、受信した情報を発券側制御部510に出力する。
【0036】
リーダ部530は、アンテナおよび通信回路などを備える無線通信装置である。リーダ部530は、挿入口(不図示)に挿入されたICカード10に記憶されたアカウントID14Aを読み取って、読み取ったアカウントID14Aを発券側制御部510に送信する。
【0037】
発券側記憶部540は、例えば、HDD、フラッシュメモリ、EEPROM、またはRAMなどにより実現される。また、発券側記憶部540には、ファームウェアやアプリケーションプログラムなどの各種プログラム、各種機能部による処理結果などが記憶される。また、発券側記憶部540には、リーダ部530により読み取られたアカウントID14Aや、発券側通信部520により受信した情報が記憶されている。
【0038】
表示部550は、例えば、液晶ディスプレイである。表示部550は、発券処理の指示を受け付けるための画像などを表示する。表示部550は、ボタンやタッチパネルなどの操作デバイスである。表示部550は、利用者の操作を受け付けて、操作内容を示す情報を発券側制御部510に出力する。金銭処理部570は、例えば、投入された紙幣や硬貨をカウントし、発券の代金を超過した釣銭を紙幣や硬貨として購入者に返却する。
【0039】
印刷部580は、ICカード10の券面に形成された染料を加熱するヒータなどを含む。印刷部580は、発券側制御部510の制御に従って動作する。印刷部580は、ICカード10の券面に、利用期間および利用区間などの情報を印刷する。
【0040】
以下、実施形態の駅務システム1において、駅務機器により処理要求を受け付けた場合に、処理要求に対して所定の動作を行う第1の動作について説明する。図8は、実施形態のICカード10、駅務機器、およびセンターサーバ100の動作の流れの一例を示す図である。なお、図8の説明における駅務機器は、自動改札機300または精算機400であってもよいが、これに限定されず、ICカード10を検知した場合に所定の動作を行う機器であればよい。
【0041】
駅務機器は、利用者の操作に基づいて処理要求を受け付けたか否かを判定する(ステップS100)。駅務機器は、例えば、ICカード10がリーダ部(330または430)により検知された場合に、処理要求を受け付けたと判定する。駅務機器は、処理要求を受け付けた場合、リーダ部からICカード10のカード側記憶部14に記憶されたアカウントID14Aを要求するコマンドをICカード10に送信する。駅務機器は、ICカード10からアカウントID14Aを含む応答をリーダ部により受信する。次に、駅務機器は、通信部(320または420)を用いて、処理要求およびアカウントID14Aをセンターサーバ100に送信する。
【0042】
センターサーバ100は、サーバ側通信部110を用いて、駅務機器により送信された処理要求およびアカウントID14Aを受信する。センターサーバ100は、処理要求およびアカウントID14Aに基づいて、駅務処理を行う(ステップS102)。このとき、センターサーバ100は、受信したアカウントID14AがアカウントID130Aとして記憶されている場合、アカウントID130Aに対応したバリュー情報130Bを読み出す。センターサーバ100は、読み出したバリュー情報130Bに基づいて駅務処理を行った処理結果をアカウントIDと共に駅務機器に送信する。
【0043】
駅務機器は、処理結果およびアカウントIDを受信した場合、処理結果に基づいて所定の動作を行う(ステップS104)。
【0044】
以上説明した駅務システム1は、処理要求を受け付けた場合にアカウントIDをICカード10から読み取り、アカウントIDをセンターサーバ100に送信することで、センターサーバ100に駅務処理を行うことができる。この駅務システム1によれば、ICカード10に記憶する情報を低減することができるため、駅務処理を変更・拡張する場合にICカード10内の情報を変更しなくても済む可能性を高めることができる。すなわち、駅務システム1によれば、例えば、バリュー情報130Bとして扱う情報の変更または拡張を行う場合に、サーバ側制御部120により実行するソフトウェアプログラムを変更することでバリュー情報130Bの変更または拡張に対応する駅務処理を行うことができ、ICカード10の変更をする必要がない。この結果、駅務システム1によれば、より柔軟な駅務処理の変更および拡張が可能となる。
【0045】
また、駅務システム1によれば、乗車券からアカウントIDを読み取ることができれば、乗車券の種類が相違しても、同じ駅務処理を行うことができる。すなわち、駅務システム1において、乗車券の種類と駅務処理とは独立している。このため、駅務システム1によれば、乗車券に記憶された情報の読取方式などを変更する場合であっても、駅務機器の読取部を変更するだけで駅務処理の内容を変更する必要がない。この結果、駅務システム1によれば、乗車券が変更する場合であってもシステム全体の変更を抑制することができ、より柔軟な駅務処理の変更および拡張が可能となる。
【0046】
以下、実施形態の駅務システム1において、自動改札機300によりICカード10を検知した場合に利用者の通過を許可または拒否する第2の動作について説明する。第2の動作は、第1の動作の一例である。図9は、実施形態のICカード10(乗車券)、自動改札機300、およびセンターサーバ100の動作の流れの一例を示す図である。
【0047】
自動改札機300は、乗車券としてのICカード10がリーダ部330に翳されることでリーダ部330によりICカード10を検知したか否かを判定する(ステップS100A)。改札側制御部310は、ICカード10を検知した場合、リーダ部330を用いて、ICカード10のカード側記憶部14に記憶されたアカウントID14Aを要求するコマンドを送信する。改札側制御部310は、リーダ部330を用いて、ICカード10からアカウントID14Aを含む応答を受信する。次に、改札側制御部310は、改札側通信部320を用いて、通過可否要求およびアカウントID14Aをセンターサーバ100に送信する。通過判定要求には、自動改札機300が設置された駅を特定する駅情報が含まれる。
【0048】
センターサーバ100は、サーバ側通信部110を用いて、自動改札機300により送信された通過判定要求およびアカウントID14Aを受信する。サーバ側制御部120は、通過判定要求およびアカウントID14Aに基づいて、通過可否判定処理を行う(ステップS102A)。
【0049】
サーバ側制御部120は、受信したアカウントID14AがアカウントID130Aとして記憶されている場合、アカウントID130Aに対応したバリュー情報130Bのうち、効力情報を読み出す。サーバ側制御部120は、通過判定要求に含まれる駅情報と、効力情報とを参照し、ICカード10が入場条件または出場条件を満たすか否かを判定する。サーバ側制御部120は、ICカード10が入場条件または出場条件を満たすと判定した場合、ICカード10の入出場駅および日時等の更新情報をアカウントID130Aに対応する入出場記録情報としてサーバ側記憶部130に書き込む。次に、サーバ側制御部120は、サーバ側通信部110を用いて、判定結果およびアカウントIDを自動改札機300に送信する。
【0050】
自動改札機300は、改札側通信部320を用いて判定結果およびアカウントIDを受信した場合、判定結果に基づいて利用者の通過を許可または拒否する(ステップS104A)。
【0051】
以上説明した駅務システム1は、自動改札機300によりICカード10のアカウントID14Aを読み取った場合に、アカウントID14Aおよび通過判定要求をセンターサーバ100に送信し、センターサーバ100によりアカウントID130Aに対応した効力情報に基づいて通過判定処理を行って判定結果を自動改札機300に送信し、自動改札機300により判定結果に基づいて利用者の通過を許可または拒否する。これにより、駅務システム1によれば、ICカード10に記憶する情報を変更することなく、自動改札機300に対する利用者の通過を許可または拒否することができる。この結果、駅務システム1によれば、ICカード10に記憶する情報を低減することができるため、自動改札機300の処理を変更・拡張する場合にICカード10内の情報を変更しなくても済む可能性を高めることができ、より柔軟な自動改札機300の処理の変更および拡張が可能となる。
【0052】
以下、実施形態の駅務システム1において、精算機400により精算要求を受け付けた場合に精算を行う第3の動作について説明する。第3の動作は、第1の動作の他の一例である。図10は、実施形態のICカード10、精算機400、およびセンターサーバ100の動作の流れの一例を示す図である。
【0053】
精算機400は、精算要求を受け付けたか否かを判定する(ステップS100B)。精算機400は、例えば、乗車券としてのICカード10が挿入口に挿入された場合に、精算要求を受け付けたと判定する。精算側制御部410は、精算要求を受け付けた場合、リーダ部430を用いて、ICカード10のカード側記憶部14に記憶されたアカウントID14Aを要求するコマンドを送信する。精算側制御部410は、リーダ部430を用いて、ICカード10からアカウントID14Aを含む応答を受信する。次に、精算側制御部410は、精算側通信部420を用いて、精算要求およびアカウントID14Aをセンターサーバ100に送信する。精算要求には、精算機400が設置された出場駅を特定する駅情報が含まれる。
【0054】
センターサーバ100は、サーバ側通信部110を用いて、精算機400により送信された精算要求およびアカウントID14Aを受信する。サーバ側通信部110は、精算要求およびアカウントID14Aに基づいて、精算要否の判定処理、および精算金額の算出処理を行う(ステップS102B)。
【0055】
サーバ側通信部110は、受信したアカウントID14AがアカウントID130Aとして記憶されている場合、アカウントID130Aに対応したバリュー情報130Bのうち、効力情報および残額情報を読み出す。サーバ側通信部110は、精算要求に含まれる駅情報と、効力情報とを参照し、ICカード10が精算の要否を判定する。サーバ側通信部110は、ICカード10が入場条件または出場条件を満たすと判定した場合、精算の必要がないと判定する。サーバ側通信部110は、ICカード10が入場条件または出場条件を満たさないと判定した場合、精算の必要があると判定する。サーバ側通信部110は、精算の必要があると判定した場合、精算金額を計算し、ICカード10の残額から精算金額を差し引く。サーバ側制御部120は、精算後の残額等の更新情報をアカウントID130Aに対応する残額情報としてサーバ側記憶部130に書き込む。サーバ側通信部110は、精算金額がICカード10の残額を超えている場合、精算金額からICカード10の残額を差し引いた不足金額を計算する。次に、サーバ側制御部120は、サーバ側通信部110を用いて、判定結果、ICカード10の残額または不足金額、およびアカウントIDを精算機400に送信する。
【0056】
精算機400は、精算側通信部420を用いて判定結果、ICカード10の残額または不足金額、およびアカウントIDを受信した場合、精算を行う(ステップS104B)。精算機400は、精算を行う必要がない場合、その旨を表示部450に表示させる。精算機400は、精算を行う必要があり、ICカード10の残額を受信した場合、ICカード10の残額を表示部450に表示させる。精算機400は、精算を行う必要があり、不足金額を受信した場合、不足金額を要求する画像を表示部450に表示させる。精算機400は、金銭処理部460を用いて不足金願が投入されたことを検出した場合に精算を完了する。
【0057】
以上説明した駅務システム1は、精算機400によりICカード10のアカウントID14Aを読み取った場合に、アカウントID14Aおよび精算要求をセンターサーバ100に送信し、センターサーバ100によりアカウントID130Aに対応したバリュー情報130Bに基づいて精算要否の判定などを行って判定結果を精算機400に送信し、精算機400により判定結果に基づいて精算を行うことができる。これにより、駅務システム1によれば、ICカード10に記憶する情報を変更することなく、精算機400により精算を行うことができる。この結果、駅務システム1によれば、ICカード10に記憶する情報を低減することができるため、駅務処理を変更・拡張する場合にICカード10内の情報を変更しなくても済む可能性を高めることができ、より柔軟な精算機400の処理の変更および拡張が可能となる。
【0058】
以下、実施形態の駅務システム1において、駅務機器により発券要求を受け付けた場合に乗車券を発行する第4の動作について説明する。図11は、実施形態の駅務機器およびセンターサーバ100の動作の流れの一例を示す図である。なお、図1の説明における駅務機器は、発券機500であってもよいが、これに限定されず、定期券発行機600などの発券する動作を行う機器であればよい。
【0059】
駅務機器は、利用者の操作に基づいて発券要求を受け付けたか否かを判定する(ステップS200)。駅務機器は、発券要求を受け付けた場合、通信部(520)を用いて、発券要求をセンターサーバ100に送信する。センターサーバ100は、サーバ側通信部110を用いて、駅務機器により送信された発券要求を受信する。センターサーバ100は、発券要求に基づいて、登録処理を行う(ステップS210)。このとき、センターサーバ100は、新規のアカウントIDをサーバ側記憶部130に記憶させる。次に、センターサーバ100は、処理結果およびサーバ側記憶部130に記憶されたアカウントID130Aを駅務機器に送信する。次に、駅務機器は、所定の発券処理を行う(ステップS220)。
【0060】
以下、実施形態の駅務システム1において、駅務機器により発券要求を受け付けた場合に、乗車券としてのICカード10を発行する第5の動作について説明する。第5の動作は、第4の動作の一例である。図12は、実施形態の発券機500およびセンターサーバ100の動作の流れの一例を示す図である。
【0061】
発券機500は、利用者の操作に基づいて、発券要求および発券条件を受け付けたか否かを判定する(ステップS200A)。発券条件は、例えば、乗車券の利用期間および利用区間を含む。発券側制御部510は、発券要求および発券条件を受け付けた場合、発券側通信部520を用いて、発券要求および発券条件をセンターサーバ100に送信する。
【0062】
センターサーバ100は、サーバ側通信部110を用いて、発券機500により送信された発券要求および発券条件を受信する。発券側制御部510は、発券要求および発券条件に基づいて、登録処理を行う(ステップS210B)。まず、サーバ側制御部120は、アカウントID130Aを生成する(ステップS212)。サーバ側制御部120は、鉄道事業者が発行する乗車券のためのフォーマットに従ってアカウントID130Aを生成する。サーバ側制御部120は、発券条件に基づいてバリュー情報130Bのうち効力情報を生成する(ステップS214)。サーバ側制御部120は、発券条件に基づいて乗車券の購入金額を計算する(ステップS216)。
【0063】
サーバ側制御部120は、生成したアカウントID130Aとバリュー情報130Bとを対応づけてサーバ側記憶部130に書き込む。次に、サーバ側制御部120は、サーバ側通信部110を用いて、登録処理が完了したことを示す処理結果、アカウントID130A、バリュー情報130Bのうちの効力情報、購入金額を発券機500に送信する。
【0064】
発券機500は、発券側通信部520を用いて、処理結果、アカウントID、バリュー情報、および購入金額を受信する。発券側制御部510は、表示部550を用いて購入金額を表示させることで購入金額を要求する(ステップS222)。次に、発券側制御部510は、発券側記憶部540により購入金額の入金を受け付けたか否かを判定する(ステップS224)。発券側制御部510は、購入金額の入金を受け付けた場合、乗車券の発行処理を行う(ステップS226)。発券側制御部510は、乗車券の発行処理として、金銭処理部570を用いた券面への印刷(ステップS226a)、ICカード10へのアカウントIDの書き込み(ステップS226b)、およびICカード10の排出処理(ステップS226c)を行う。
【0065】
以上説明した駅務システム1は、発券機500により発券要求を受け付けた場合に、センターサーバ100によりアカウントID130Aを生成する処理などを行って、アカウントID130Aを発券機500に送信し、発券機500によりICカード10にアカウントID14Aを書き込んで発券を行うことができる。これにより、駅務システム1によれば、アカウントID14A以外の情報をICカード10に書き込むことなしに、ICカード10を発券することができる。この結果、駅務システム1によれば、駅務機器にアカウントIDを読み出させるだけで駅務処理を行わせることができ、駅務処理を変更・拡張する場合にICカード10内の情報を変更しなくても済む可能性を高めることができ、より柔軟な駅務処理の変更および拡張が可能となる。
【0066】
以下、実施形態の駅務システム1において、駅務機器により発券要求を受け付けた場合に、クレジットカード10Aを用いて乗車券を発行する第6の動作について説明する。第6の動作は、第4の動作の他の一例である。また、クレジットカード10Aは、媒体の一例である。第6の動作における媒体は、カードIDが付与された利用者が既に保持している他の種類の媒体であってもよい。クレジットカード10Aは、例えば、ICカード10と同様に、カード側通信部12、カード側記憶部14、およびカード側制御部16を含む。クレジットカード10Aは、カード側記憶部14に、クレジットカード用のカードIDを記憶している点で、ICカード10とは異なる。
【0067】
図13は、実施形態のクレジットカード10A、駅務機器およびセンターサーバ100の動作の流れの一例を示す図である。発券機500は、利用者の操作に基づいて、クレジットカード10Aを乗車券として登録する要求を受け付けたか否かを判定する(ステップS200B)。発券側制御部510は、例えば、表示部550を用いて、「新規のICカードを発行する」を表す文字画像、および「クレジットカードを利用して乗車券を発行する」を表す文字画像を表示する。発券側制御部510は、「クレジットカードを利用して乗車券を発行する」を表す文字画像を選択する操作を受け付けた場合に、クレジットカード10Aを利用すると判定する。発券側制御部510は、「新規のICカードを発行する」を表す文字画像を選択する操作を受け付けた場合に、クレジットカード10Aを利用しないと判定する。なお、発券側制御部510は、クレジットカード10Aを利用しないと判定した場合、図12の処理を実行してもよい。
【0068】
発券側制御部510は、登録要求を受け付けた場合、発券条件を入力したか否かを判定する(ステップS202)。発券側制御部510は、発券条件を入力した場合、クレジットカード10Aの挿入を検知したか否かを判定する(ステップS204)。発券側制御部510は、リーダ部530によりクレジットカード10Aを検知した判定した場合に、クレジットカード10Aの挿入を検知したと判定する。
【0069】
次に、発券側制御部510は、クレジットカード10Aの挿入を検知した場合、リーダ部530を用いてクレジットカード10Aのカード側記憶部14に記憶されたカードIDを要求するコマンドを送信する。発券側制御部510は、リーダ部530を用いて、クレジットカード10AからカードIDを含む応答を受信する。次に、発券側制御部510は、発券側通信部520を用いて、登録要求、発券条件、およびカードIDをセンターサーバ100に送信する。
【0070】
センターサーバ100は、サーバ側通信部110を用いて、発券機500により送信された登録要求、発券条件、およびカードIDを受信する。発券側制御部510は、登録要求および発券条件に基づいて、クレジットカード10Aを乗車券として登録処理を行う(ステップS210C)。このとき、サーバ側制御部120は、カードIDをアカウントID130Aとしてサーバ側記憶部130に記憶する。また、サーバ側制御部120は、発券条件に基づくバリュー情報130Bを生成し、生成したバリュー情報130BをカードIDに対応づけてサーバ側記憶部130に記憶する。次に、サーバ側制御部120は、サーバ側通信部110を用いて、登録処理が完了したことを示す処理結果、カードIDを発券機500に送信する。
【0071】
発券機500は、発券側通信部520を用いて、処理結果およびカードIDを受信する。発券機500は、クレジットカード10Aを排出する(ステップS230)。なお、発券側制御部510は、例えば、表示部550を用いてクレジットカード10Aを乗車券として登録したことを表示してもよい。
【0072】
以上説明した駅務システム1によれば、発券機500によりクレジットカード10Aから読み取ったカードIDを処理要求と共にセンターサーバ100に送信し、センターサーバ100により、カードIDをアカウントID130Aとして登録するので、既存の媒体を乗車券として発行することができる。
【0073】
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、センターサーバ100と通信する駅務機器側通信部(320または420)、ICカード10からアカウントID14Aを読み取る読取部(330または430)、および、読取部によりアカウントID14Aが読み取られた場合に、アカウントID14Aおよび処理要求を、駅務機器側通信部を用いてセンターサーバ100に送信し、駅務機器側通信部がセンターサーバ100からアカウントIDおよび処理要求に対する処理結果を受信した場合に、処理結果に基づいて所定の動作を行う駅務機器側制御部(310または410)、を有する、駅務機器(300または400)と、駅務機器と通信するサーバ側通信部110、アカウントID130AとICカード10の効力を示す効力情報を含む情報とを対応づけて記憶するサーバ側記憶部130、および、サーバ側通信部110が駅務機器からアカウントID14Aおよび処理要求を受信した場合に、サーバ側記憶部130に記憶されたアカウントID130Aに対応する効力情報に基づいて駅務処理を行い、アカウントIDおよび駅務処理の処理結果を、サーバ側通信部110を用いて駅務機器に送信するサーバ側制御部120、を有する、センターサーバ100と、を持つことにより、ICカード10に記憶する情報を低減することができるため、駅務処理を変更・拡張する場合にICカード10内の情報を変更しなくても済む可能性を高めることができ、より柔軟な駅務処理の変更および拡張が可能となる。
【0074】
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、センターサーバ100と通信する発券側通信部520、乗車券を発券する要求を受け付ける操作部560、および、操作部560により要求を受け付けた場合に、要求に基づく処理要求を、発券側制御部510を用いてセンターサーバ100に送信し、発券側通信部520がセンターサーバ100からアカウントIDおよび処理要求に対する処理結果を受信した場合に、処理結果に基づいて所定の発券処理を行う発券側制御部510、を有する、発券機500と、発券機500と通信するサーバ側通信部110、サーバ側通信部110が発券機500から処理要求を受信した場合に、乗車券を一意に特定するアカウントIDを取得する取得部(120)、サーバ側通信部110により受信した処理要求に基づいて乗車券の効力を示す効力情報を生成する生成部(120)、取得部により取得されたアカウントIDと効力情報を含む情報とを対応づけて記憶するサーバ側記憶部130、およびサーバ側記憶部130に記憶されたアカウントIDおよび効力情報を処理結果として、サーバ側通信部110を用いて発券機500に送信するサーバ側制御部120、を有する、センターサーバ100と、を持つことにより、ICカード10に記憶する情報を低減することができるため、駅務処理を変更・拡張する場合にICカード10内の情報を変更しなくても済む可能性を高めることができ、より柔軟な駅務処理の変更および拡張が可能となる。
【0075】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0076】
1…駅務システム、10…ICカード、10A…クレジットカード、12…カード側通信部、14…カード側記憶部、16…カード側制御部、100…センターサーバ、110…サーバ側通信部、120…サーバ側制御部、130…サーバ側記憶部、130B…バリュー情報、300…自動改札機、310…改札側制御部、320…改札側通信部、330…リーダ部、340…改札側記憶部、400…精算機、410…精算側制御部、420…精算側通信部、430…リーダ部、440…精算側記憶部、500…発券機、510…発券側制御部、520…発券側通信部、530…リーダ部、540…発券側記憶部、600…定期券発行機
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13