特許第6860741号(P6860741)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6860741
(24)【登録日】2021年3月30日
(45)【発行日】2021年4月21日
(54)【発明の名称】紙葉類取扱装置
(51)【国際特許分類】
   G07D 11/16 20190101AFI20210412BHJP
【FI】
   G07D11/16 101Z
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2020-507188(P2020-507188)
(86)(22)【出願日】2018年3月20日
(86)【国際出願番号】JP2018011160
(87)【国際公開番号】WO2019180842
(87)【国際公開日】20190926
【審査請求日】2020年3月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000237639
【氏名又は名称】富士通フロンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山田 昂
(72)【発明者】
【氏名】阿部 剛
(72)【発明者】
【氏名】小高 哲也
(72)【発明者】
【氏名】島村 達也
(72)【発明者】
【氏名】和田 貴志
(72)【発明者】
【氏名】新国 良華
【審査官】 永安 真
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−102593(JP,A)
【文献】 特開平9−235061(JP,A)
【文献】 特開2018−14002(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07D 11/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙葉類を搬送する上流側搬送機構と、前記上流側搬送機構によって搬送された紙葉類を鑑別する鑑別部と、を有する取扱部と、
前記取扱部から送られた紙葉類を搬送する下流側搬送機構と、前記下流側搬送機構によって搬送された紙葉類を収容する収容部と、を有する複数の収容ユニットと、を備え、
前記複数の収容ユニットの各々は、前記下流側搬送機構を介して連結可能であり、連結された下流側搬送機構群が、収容部群に対して一体的に回動可能に連結されている、紙葉類取扱装置。
【請求項2】
前記複数の収容ユニットのうち、前記下流側搬送機構群の連結方向における両端に配置される各収容ユニットは、前記収容部に対して前記下流側搬送機構を回動可能に支持する回転支持機構を有し、
前記複数の収容ユニットの各々の前記下流側搬送機構群は、前記回転支持機構を介して一体的に回動可能に連結されている、
請求項1に記載の紙葉類取扱装置。
【請求項3】
前記回転支持機構は、前記下流側搬送機構群の連結方向に沿って配置された回転軸を有する、
請求項2に記載の紙葉類取扱装置。
【請求項4】
前記複数の収容ユニットの各々の前記下流側搬送機構は、搬送路に沿って分割させる開閉機構を有し、
前記開閉機構は、前記下流側搬送機構群の連結方向に交差する方向に沿う回転軸を有する、請求項3に記載の紙葉類取扱装置。
【請求項5】
前記複数の収容ユニットの各々は、前記収容部の外側に設けられた筐体を有し、前記筐体同士が連結されている、
請求項1に記載の紙葉類取扱装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙葉類取扱装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ATM(Automated Teller Machine)等の紙幣取扱装置としては、入金された紙幣を収容する収容装置を備えるものが知られている。この種の紙幣取扱装置は、例えば、紙幣の取扱量に応じた複数の収容装置を有しており、紙幣を搬送する搬送機構を介して、各収容装置間が連結されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−238137号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した紙幣取扱装置では、紙幣を取り扱う環境等に応じて、必要とされる収容装置の個数が変化し、収容装置の個数が随時変更される傾向がある。例えば、新たな収容装置を紙幣取扱装置に追加する場合、搬送機構の搬送路を延長し、新たな収容装置を搬送機構に連結するような構成は、収容装置の個数の変更に伴う作業が煩雑になる。このため、収容装置を、収容部及び搬送機構を有する収容ユニットとして構成し、収容ユニット毎に各搬送機構を介して連結することにより、個数の変更時の作業を簡素化し、迅速に行うことが可能になる。
【0005】
しかしながら、複数の収容ユニット間で連結された搬送路を保守する際に、収容ユニット毎に各搬送機構の搬送路を個別にそれぞれ開閉して保守作業を行う場合、連結された各収容ユニットの搬送機構の保守性(メンテナンス性)が低下するという問題がある。
【0006】
開示の技術は、上記に鑑みてなされたものであって、収容ユニットの個数の変更を容易に行うことができると共に、各収容ユニットの搬送機構の保守性を高めることができる紙葉類取扱装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願の開示する紙葉類取扱装置の一態様は、紙葉類を搬送する上流側搬送機構と、前記上流側搬送機構によって搬送された紙葉類を鑑別する鑑別部と、を有する取扱部と、前記取扱部から送られた紙葉類を搬送する下流側搬送機構と、前記下流側搬送機構によって搬送された紙葉類を収容する収容部と、を有する複数の収容ユニットと、を備え、前記複数の収容ユニットの各々は、前記下流側搬送機構を介して連結可能であり、連結された下流側搬送機構群が、収容部群に対して一体的に回動可能に連結されている。
【発明の効果】
【0008】
本願の開示する紙葉類取扱装置の一態様によれば、収容ユニットの個数の変更を容易に行うことができると共に、各収容ユニットの搬送機構の保守性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施例の紙幣取扱装置を示す模式図である。
図2図2は、実施例の紙幣取扱装置が有する収容ユニットを示す斜視図である。
図3図3は、実施例における収容ユニットの下流側搬送機構を示す斜視図である。
図4図4は、実施例における収容ユニットの筐体を示す斜視図である。
図5図5は、実施例における収容ユニットの下流側搬送機構同士の連結状態を説明するための斜視図である。
図6図6は、実施例における収容ユニットの収容部同士の連結状態を説明するための斜視図である。
図7図7は、実施例における収容ユニットの下流側搬送機構の展開動作を説明するための斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本願の開示する紙葉類取扱装置の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施例によって、本願の開示する紙葉類取扱装置が限定されるものではない。
【実施例】
【0011】
(紙幣取扱装置の構成)
図1は、実施例の紙幣取扱装置を示す模式図である。図1に示すように、実施例に係る紙幣取扱装置1は、利用者が紙幣3を入金する入金部5と、入金部5から搬送された紙幣3を鑑別する鑑別部6と、利用者へ紙幣3を出金する出金部7と、入金部5、鑑別部6及び出金部7の間で紙幣3を搬送する搬送路8aを有する上流側搬送機構8と、を備える。出金部7には、紙幣3を繰り出す羽根車7aが設けられている。また、紙幣取扱装置1は、鑑別部6から送られた紙幣3を収容する複数の収容ユニット9を備える。
【0012】
なお、本実施例の紙幣取扱装置1は、必要に応じて、入金部5から入金された紙幣3を一時的に収容する一時収容部(図示せず)を備えてもよい。また、入金部5と出金部7は、1つの入出金部(図示せず)として構成されてもよい。複数の収容ユニットのいずれかは、例えば、紙幣3を収容すると共に出金部7へ紙幣3を送る還流ユニットや、異常な紙幣3や劣化(損傷)した紙幣3を回収する回収ユニットとして用いられてもよい。
【0013】
実施例の紙幣取扱装置1は、入金部5、鑑別部6、出金部7及び上流側搬送機構8が配置された構成部分が上部装置11として構成されており、複数の収容ユニット9が配置された構成部分が下部装置12として構成されている。実施例における上部装置11が、本願に係る取扱部に対応している。上部装置11及び下部装置12の各収容ユニット9は、制御部10によってそれぞれ制御されている。上部装置11と下部装置12は、上流側搬送機構8が有する2つの搬送路8aを介して相互に連結されている。
【0014】
説明の便宜上、図1において紙幣取扱装置1を入金部5側から見たときに、紙幣取扱装置1の幅方向をX方向、紙幣取扱装置1の前後方向をY方向、紙幣取扱装置1の上下方向をZ方向と称する。図1以降の図面においても、図1と同様にX、Y、Z方向をそれぞれ示す。また、本実施例では、紙葉類の一例として紙幣3を用いるが、紙幣3に限定するものではない。紙葉類には、例えば、手形、小切手、商品券、各種証券、株券等の有価証券も含まれる。
【0015】
(収納ユニットの構成)
図2は、実施例の紙幣取扱装置1が有する収容ユニット9を示す斜視図である。図3は、実施例における収容ユニット9の下流側搬送機構を示す斜視図である。収容ユニット9は、図1図2及び図3に示すように、上部装置11から搬送された紙幣3を搬送する下流側搬送機構14と、下流側搬送機構14によって搬送された紙幣3を収容する収容部15と、を有する。
【0016】
各収容ユニット9は、収容部15に対して下流側搬送機構14が分離可能に設けられている。下流側搬送機構14は、紙幣3を搬送する搬送路14aを有しており、搬送路14aに、紙幣3を搬送する経路を切り替えるゲート部材(図示せず)が設けられている。上述した制御部10は、ゲート部材を切り替えることで、収容部15へ紙幣3を収容する経路(収容部15から紙幣3を送る経路)と、隣り合う収容ユニット9に設けられた下流側搬送機構14の搬送路14aへ紙幣3を送る経路とに変更するように制御を行う。
【0017】
本実施例の紙幣取扱装置1では、一例として、図1に示すように連結された6つの収容ユニット9(9A〜9F)のうち、各収容ユニット9(9A〜9F)の連結方向(Y方向)における始端側(下流側搬送機構14群の搬送方向における上流側)に配置された3つの収容ユニット9A、9B、9Cが、紙幣取扱装置1の製造時の標準仕様として、あらかじめ備えている収容ユニット9である。また、紙幣取扱装置1では、6つの収容ユニット9(9A〜9F)のうち、各収容ユニット9(9A〜9F)の連結方向における終端(下流側搬送機構14群の搬送方向における最下流側)に配置された1つの収容ユニット9Fが、紙幣取扱装置1の製造時の標準仕様として、あらかじめ備えている収容ユニット9である。
【0018】
一方、紙幣取扱装置1において、6つの収容ユニット9(9A〜9F)のうち、収容ユニット9Cと収容ユニット9Fとの間に連結して配置された2つの収容ユニット9D、9Eが、任意に追加された収容ユニット9(増設された収容ユニット9)である。したがって、収容ユニット9を更に追加する場合には、収容ユニット9Cと収容ユニット9Fとの間、例えば、収容ユニット9Fと収容ユニット9Eとの間に新たな収容ユニット9が配置されて連結される(図5参照)。また、収容ユニット9を減らす場合には、収容ユニット9Cと収容ユニット9Fとの間に配置された2つの収容ユニット9D、9Eのいずれか一方が取り外され、あるいは、2つの収容ユニット9D、9Eが取り外されて収容ユニット9Cと収容ユニット9Fが連結される。
【0019】
上述の構成は、一例に過ぎず、紙幣取扱装置1が標準仕様としてあらかじめ備える収容ユニット9の個数を限定するものではない。紙幣取扱装置1は、複数の収容ユニット9の連結方向(Y方向)における始端に配置される収容ユニット9と、連結方向における終端に配置される収容ユニット9との2つの収容ユニット9のみを、標準仕様として備えてもよい。
【0020】
図2及び図3に示すように、複数の収容ユニット9の各々は、各収容ユニット9同士の連結方向(Y方向)に沿って、下流側搬送機構14を介して連結可能に構成されている。実施例の紙幣取扱装置1は、標準仕様として備える各収容ユニット9A〜9Cの各下流側搬送機構14を連結する連結フレーム20aと、連結方向の終端に配置された収容ユニット9Fの下流側搬送機構14に固定された連結フレーム20bと、を有する。また、収容ユニット9D、9Eは、隣り合う収容ユニット9の下流側搬送機構14同士と連結される連結フレーム20cを有する。
【0021】
また、複数の収容ユニット9の連結方向(Y方向)における両端に配置された各収容ユニット9A、9Fは、互いに連結された下流側搬送機構14群を、収容部15群に対して回動可能に支持する回転支持機構17を有する。回転支持機構17は、下流側搬送機構14に固定された支持フレーム18と、支持フレーム18に回動可能に支持された回転軸19と、を有する。回転支持機構17は、連結フレーム20a、20bに固定されている。各下流側搬送機構14群は、収容部15群に対して回転軸19まわりに回動される。
【0022】
言い換えると、連結方向(Y方向)における両端に配置された各収容ユニット9A、9F以外の収容ユニット9B〜9Eは、収容部15に対して下流側搬送機構14を回動させる回転支持機構17を有しておらず、回転支持機構17を省くことで構成が簡素化されている。
【0023】
回転支持機構17が有する回転軸19の軸方向は、下流側搬送機構14群の連結方向(Y方向)に沿って配置されている。これにより、連結された収容ユニット9の個数に応じて、収容部15群に対して下流側搬送機構14が回動されたときの展開状態が大きくなることが抑えられる。
【0024】
図2及び図3に示すように、各連結フレーム20a、20b、20cが、連結部材22、ネジ等の締結部材23を介して連結されることにより、各収容ユニット9の各下流側搬送機構14は、互いに位置決めされて、連結方向(Y方向)に沿って連結される。したがって、相互に連結された下流側搬送機構14群は、連結方向における両端の各収容ユニット9A、9Fの回転支持機構17を介して、収容部15群に対して一体的に回動可能に連結されている。
【0025】
また、複数の収容ユニット9の各々の下流側搬送機構14は、搬送路14aに沿って分割させる開閉機構24を有する(図7参照)。開閉機構24は、下流側搬送機構14群の連結方向(Y方向)に直交する方向(X方向)に沿う回転軸24aを有する。下流側搬送機構14群は、回転軸24aまわりに搬送路14aの下部を回動させることで、搬送路14aが分割されて開かれる。
【0026】
図4は、実施例における収容ユニット9の筐体を示す斜視図である。各収容ユニット9(9A〜9F)は、図1及び図4に示すように、収容部15の外側に設けられた筐体25a、25b、25cを有する。紙幣取扱装置1が標準仕様として備える各収容ユニット9A〜9Cは、一体に形成された筐体25aを有する。複数の収容ユニット9の連結方向(Y方向)における終端に配置される収容ユニット9Fは、搬送路14aの終端側を覆うように形成された筐体25bを有する。収容ユニット9D、9Eは、隣り合う収容ユニット9と連結される筐体25cを有する。
【0027】
各収容ユニット9(9A〜9F)の筐体25a、25b、25cは、連結部材26、ネジ等の締結部材27を介して連結されることで、全体が箱状をなしており、下部装置12の外筐の一部として構成されている。このように複数の収容ユニット9同士は、筐体25a、25b、25cを介して連結されることで、下流側搬送機構14群の連結状態の安定性が高められる。
【0028】
(収容ユニットの下流側搬送機構の連結)
図5は、実施例における収容ユニット9の下流側搬送機構14同士の連結状態を説明するための斜視図である。図5に示すように、複数の収容ユニット9(9A〜9F)を連結方向(Y方向)に沿って相互に接続する際、各下流側搬送機構14群が連結される。
【0029】
まず、収容ユニット9A〜9Cの下流側搬送機構14の連結フレーム20aに対して、収容ユニット9Dの下流側搬送機構14の連結フレーム20cが位置決めされて、連結部材22及び締結部材23によって固定される。同様の手順で、収容ユニット9D、9Eの下流側搬送機構14の連結フレーム20c同士が位置決めされて、連結部材22及び締結部材23によって固定される。最後に、収容ユニット9Eの下流側搬送機構14の連結フレーム20cに対して、終端に配置される収容ユニット9Fの下流側搬送機構14の連結フレーム20bが位置決めされて、連結部材22及び締結部材23によって固定される。収容ユニット9Fの下流側搬送機構14には、支持フレーム18を介して回転支持機構17が固定される。このように、各収容ユニット9の下流側搬送機構14同士が位置決めされた状態で連結されることにより、回転支持機構17の回転軸19まわりに一体的に回転可能となる。
【0030】
(収容ユニットの収容部の連結)
図6は、実施例における収容ユニット9の収容部15同士の連結状態を説明するための斜視図である。図6では、便宜上、収容部15の図示を省略する。図6に示すように、複数の収容ユニット9(9A〜9F)の各収容部15は、筐体25a、25b、25cを介して連結される。
【0031】
まず、収容ユニット9A〜9Cの筐体25aに対して、収容ユニット9Dの筐体25cが位置決めされて、連結部材26及び締結部27によって固定される。同様の手順で、収容ユニット9D、9Eの筐体25c同士が位置決めされて、連結部材26及び締結部27によって固定される。最後に、収容ユニット9Eの筐体25cに対して、終端に配置される収容ユニット9Fの筐体25bが位置決めされて、連結部材26及び締結部27によって固定される。このように、各収容部15が、筐体25a、25b、25cを介して連結されることにより、各収容ユニット9の連結状態の安定性が高められる。
【0032】
(収容ユニットの下流側搬送機構の展開動作)
図7は、実施例における収容ユニット9の下流側搬送機構14の展開動作を説明するための斜視図である。図7に示すように、下流側搬送機構14の搬送路14aを保守する際に、各下流側搬送機構14が連結された状態のままで、回転支持機構17の回転軸19まわりに下流側搬送機構14群を一体的に回転させることにより、収容部15群から下流側搬送機構14群が一括して分離される。
【0033】
次に、収容部15群に対して分離された下流側搬送機構14群のそれぞれの下流側搬送機構14毎に、各搬送路14aを、開閉機構24を介して個々に開くことで、各搬送路14aの保守をスムーズに行うことができる。このとき、下流側搬送機構14の連結方向(Y方向)に直交する回転軸24aまわりに搬送路14aが開閉されることにより、搬送路14aの展開状態が大きくなることが抑えられる。
【0034】
上述したように実施例の紙幣取扱装置1は、下流側搬送機構14及び収容部15を有する複数の収容ユニット9の各々が、下流側搬送機構14を介して連結可能であり、連結された下流側搬送機構14群が、収容部15群に対して一体的に回動可能に連結されている。紙幣取扱装置1によれば、各収容ユニット9を下流側搬送機構14を介して連結することで、収容ユニット9の個数の変更を容易に行うことができる。また、各収容ユニット9を保守する際、下流側搬送機構14を収容部15から分離する作業を収容ユニット9毎に行うことなく、下流側搬送機構14群を一括して、収容部15群から分離することが可能になり、連結された下流側搬送機構14群の搬送路14aを効率良く保守することができる。したがって、紙幣取扱装置1によれば、収容ユニット9の個数の変更を容易に行うことができると共に、各収容ユニット9の下流側搬送機構14の保守性を高めることができる。
【0035】
また、実施例の紙幣取扱装置1において、複数の収容ユニット9(9A〜9F)のうち、下流側搬送機構14群の連結方向(Y方向)における両端に配置される各収容ユニット9A、9Fは、収容部15に対して下流側搬送機構14を回動可能に支持する回転支持機構17を有しており、複数の収容ユニット9の各々の下流側搬送機構14群が、回転支持機構17を介して一体的に回動可能に連結されている。このように、複数の収容ユニット9(9A〜9F)の連結方向における両端の収容ユニット9A、9Fのみが、回転支持機構17を有することにより、両端の収容ユニット9A、9Fの間に配置される収容ユニット9B〜9Eが、回転支持機構17を個別に備えることを省くことが可能になり、任意に追加される収容ユニット9E、9Fの構成の簡素化を図ることができる。
【0036】
また、実施例の紙幣取扱装置1が備える収容ユニット9A、9Fの回転支持機構17は、下流側搬送機構14群の連結方向(Y方向)に沿って配置された回転軸19を有する。これにより、連結された収容ユニット9の個数に応じて下流側搬送機構14群の展開状態が大きくなることを抑えることができる。
【0037】
また、実施例の紙幣取扱装置1における複数の収容ユニット9(9A〜9F)の各々の下流側搬送機構14は、搬送路14aに沿って分割させる開閉機構24を有しており、開閉機構24が、下流側搬送機構14群の連結方向(Y方向)に直交する方向(X方向)に沿う回転軸24aを有する。これにより、下流側搬送機構14群を一体的に回動させる回転軸19と、開閉機構24の回転軸24aとが直交して配置されるので、回転支持機構17によって下流側搬送機構14群を展開した状態から、下流側搬送機構14群の各搬送路14aをコンパクトに開閉することが可能になり、各搬送路14aの展開状態が大きくなることを抑えることができる。その結果、収容ユニット9の下流側搬送機構14の保守性を高めることができる。
【0038】
また、実施例の紙幣取扱装置1が備える複数の収容ユニット9(9A〜9F)の各々は、下流側搬送機構14及び収容部15の外側に設けられた筐体25a、25b、25cを有しており、筐体25a、25b、25c同士が連結されている。これにより、収容ユニット9同士の連結状態が補強され、複数の収容ユニット9の連結状態の安定性を高めることができる。
【符号の説明】
【0039】
1 紙幣取扱装置(紙葉類取扱装置)
3 紙幣(紙葉類)
6 鑑別部
8 上流側搬送機構
9 収容ユニット
11 上部装置(取扱部)
12 下部装置
14 下流側搬送機構
14a 搬送路
15 収容部
17 回転支持機構
19 回転軸
24 開閉機構
24a 回転軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7