特許第6860770号(P6860770)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ノボル電機製作所の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6860770
(24)【登録日】2021年3月31日
(45)【発行日】2021年4月21日
(54)【発明の名称】電池取付装置及び電池ケース
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/20 20210101AFI20210412BHJP
   H04R 27/04 20060101ALI20210412BHJP
   H05K 5/02 20060101ALI20210412BHJP
【FI】
   H01M2/10 K
   H01M2/10 M
   H01M2/10 H
   H04R27/04 A
   H05K5/02 G
【請求項の数】8
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2017-117656(P2017-117656)
(22)【出願日】2017年6月15日
(65)【公開番号】特開2019-3829(P2019-3829A)
(43)【公開日】2019年1月10日
【審査請求日】2019年1月25日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000135368
【氏名又は名称】株式会社ノボル電機
(72)【発明者】
【氏名】畑尾 一騎
【審査官】 太田 一平
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−154496(JP,A)
【文献】 特開平11−213973(JP,A)
【文献】 特開平02−257567(JP,A)
【文献】 特開2000−340960(JP,A)
【文献】 特開2010−232003(JP,A)
【文献】 特開平07−037562(JP,A)
【文献】 実開昭52−150730(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/20
H04R 27/04
H05K 5/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池を取り付ける電池取付部を備える電池ケースと、上記電池ケースを収納する電池ケース収納部を備える電子機器又は電気機器とからなり、上記電池ケース収納部の開口部付近に一方の嵌め合せ構造として雌ねじ又は雄ねじを形成し、上記電池ケースの挿入方向と平行に直線状に延びる凸条又は凹条を有する一方の挿入ガイド機構を形成し、上記電池ケースには上記一方の嵌め合せ構造にねじ合わせられる他方の嵌め合せ構造として雄ねじ又は雌ねじを形成した蓋体を備え、上記一方の挿入ガイド機構に案内される挿入方向と平行に直線状に延びる凹条又は凸条を有する他方の挿入ガイド機構を形成し、上記電池取付部の上記電池ケース収納部開口側に、上記電池ケースの挿入方向へ伸びる軸を形成し蓋体のみが回転自由であるが蓋体が外れないよう上記電池取付部に保持する滑り構造部を備え、上記電池ケースを上記電池ケース収納部に収納することを特徴とする電池取付装置。
【請求項2】
上記電池ケース収納部に形成される上記凸条部又は凹条部は、1つであり、上記電池ケースに形成される凹条部又は凸条部は、1つであることを特徴とする請求項1に記載の電池取付装置。
【請求項3】
上記電池ケース収納部に形成される上記凸条部又は凹条部は、少なくとも2つ以上であり、少なくとも一つの凸条部又は凹条部は大きさを異ならせ、上記電池ケースに形成される上記凹条部又は凸条部は、少なくとも2つ以上であり、少なくとも一つの凹条部又は凸条部は大きさを異ならせることを特徴とする請求項1に記載の電池取付装置。
【請求項4】
電池を取り付ける電池取付部と、電子機器又は電気機器の電池ケース収納部に形成された一方の嵌め合せ構造として形成した雌ねじねじ合わせられる、他方の嵌め合せ構造として形成した雄ねじ又は雌ねじを有する蓋体と、上記電池ケース収納部の挿入方向と平行に直線状に延びる凸条又は凹条を有する挿入ガイド機構に案内される、挿入方向と平行に直線状に延びる凹条又は凸条を形成し、上記電池取付部の上記電池ケース収納部開口側に上記電池取付部を備える電池ケースの挿入方向へ伸びる軸を形成し、蓋体のみが回転自由であるが蓋体が外れないよう上記電池取付部に保持する滑り構造部を備えることを特徴とする電池ケース。
【請求項5】
上記電池取付部は、電池の両端を抑える電池端部抑え部と、各電池間の隔壁を形成する隔壁部と、電池側部を抑える電池側部抑え部とからなり、上記電池側部抑え部は樹脂材料の弾性力を利用して電池側部を抑えて保持するように電池の径より小さい径になるように成型されることを特徴とする請求項4に記載の電池ケース。
【請求項6】
上記電池端部抑え部は、電池のプラス電極又はマイナス電極と接触し、かつ電池のプラス電極又はマイナス電極間を接続するコイルばねを備え、上記蓋体が取り付けられる電池端部抑え部の反対側の電池端部抑え部には、電池のプラス電極又はマイナス電極に対向する箇所に開口部を形成し、上記開口部より上記電池ケース収納部に形成されたプラス側の電池接続端子とマイナス側の電池接続端子がそれぞれ入り込み、電池のプラス電極又はマイナス電極と接触することを特徴とする請求項5に記載の電池ケース。
【請求項7】
上記電池端部抑え部は、上記コイルばねを取り付けるため、2つの逆L字形突条部を向かい合わせに配置して、上記2つの逆L字形突条部間に形成した溝を備え、上記コイルばねが挿入される側の上記逆L字形突条部の水平部にテーパーを形成したことを特徴とする請求項5、6に記載の電池ケース。
【請求項8】
上記溝の内側にコイルばね抜け止め用突部を形成したことを特徴とする請求項7に記載の電池ケース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池取付装置及び電池ケースに関し、特に、構造が簡単で安価に製造することができ、電池をたとえば信号の変換や通信のように電子的情報を扱う電子機器、または、たとえば電気を動力や熱のようにエネルギー変換する電気機器内に容易に且つ確実に収納することができる電池取付装置及びこの電池取付装置に用いる電池ケースに関する。
【背景技術】
【0002】
電池を電池ケースに取り付け、その電池ケースを電子機器又は電気機器内に収納する電池取付装置は公知である。たとえば、本件特許出願人の特許第3659381号(特開平11−213973号公報)がある。この特許は、電池を取り付ける電池取付部を備える電池ケースと、この電池ケースを収納する電池ケース収納部を備える電子機器とからなる。電池ケースは、中心筒部の一方の端部に固定された蓋体を有する電池ケース上と、中心筒部の他方の端部に固定された電池端部収納部を有する電池ケース下とを備え、蓋体に一方の電池端子を形成するとともに、電池端部収納部に他方の電池端子を形成し、電池ケース下の外側に電池端子に接続されたプラス側電池端子とマイナス側電池端子を形成する。そして、電池端部収納部に電池が挿入され、かつ電池のプラス端子とマイナス端子を蓋体の電池端子と電池端部収納部の電池端子にそれぞれ接触させて、電池ケースの蓋体の周囲に形成された嵌め合せ構造を電池ケース収納部の開口部に形成した嵌め合せ構造に嵌め合わせて、電池ケースが電池ケース収納部に収納されたとき、電池ケースのプラス側電池端子とマイナス側電池端子を電池ケース収納部の底壁に形成されたプラス側接続端子とマイナス側接続端子に各々接触させるものである。
【0003】
上記嵌め合わせ構造は、電池ケース収納部の開口部内側に形成した雌ねじと、蓋体外側に形成した雄ねじにより構成される。また、電池ケース収納部の底壁に形成されたプラス側接続端子とマイナス側接続端子のいずれか一方は、電池ケース収納部の底壁の中心位置に形成され、他方は上記中心位置より離れた周囲に形成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3659381号(特開平11−213973号公報)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、構造が簡単で安価に製造することができ、電池を電子機器又は電気機器内に容易に且つ確実に収納することができる電池取付装置及びこの電池取付装置に用いる電池ケースを提供することを目的とする。この目的を達成するために、本発明の電池取付装置及び電池ケースは、上記特許の電池取付装置及び電池ケースより構成部品点数を少なくして構造を簡単にすることにより、組立を容易にし組立工程数を少なくして安価に製造することを可能にするものである。また、本発明の電池取付装置及び電池ケースは、電池を電池ケースに取り付けたとき、またこの電池ケースを電子機器又は電気機器内に収納したとき、電池が電池ケース内で、また電池ケースが電子機器又は電気機器内で振動しないように取り付け、電池を確実に保持し、収納するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の電池取付装置は、上記課題を解決するため、電池を取り付ける電池取付部を備える電池ケースと、上記電池ケースを収納する電池ケース収納部を備える電子機器又は電気機器とからなる。
上記電池ケース収納部には上記電池ケースの一方の嵌め合せ構造と、一方の挿入ガイド機構を形成する。
また、上記電池ケースには他方の嵌め合せ構造と、上記一方の挿入ガイド機構に挿入される他方の挿入ガイド機構を形成する。さらに、上記電池ケースには上記他方の嵌め合せ構造と上記他方の挿入ガイド機構との間に滑り構造部を備えるものである。
【0007】
ここで、上記一方の嵌め合せ構造は、上記電池ケース収納部の開口部の付近に形成され、上記他方の嵌め合せ構造は上記電池ケースの蓋体に形成される。上記一方の嵌め合せ構造は雌ねじ又は雄ねじであり、上記他方の嵌め合せ構造は雄ねじ又は雌ねじであり、上記雌ねじと雄ねじをねじ合わせることにより、上記電池ケースを上記電池ケース収納部に収納する。
【0008】
また、上記一方の挿入ガイド機構は、上記電池ケース収納部に形成された凸条部又は凹条部であり、上記他方の挿入ガイド機構は上記電池ケースに形成された凹条部又は凸条部である。上記一方の挿入ガイド機構が上記他方の挿入ガイド機構に沿って案内されて上記電池ケースが上記電池ケース収納部に挿入され、収納される。
【0009】
上記電池ケース収納部に形成される上記凸条部又は凹条部は、上記電池ケースの挿入方向と平行に直線状に延び、1つであり、上記電池ケースに形成される上記凹条部又は凸条部は、上記電池ケースの挿入方向と平行に直線状に延び、1つである。
【0010】
または、上記電池ケース収納部に形成される上記凸条部又は凹条部は、上記電池ケースの挿入方向と平行に直線状に延び、少なくとも2つ以上であり、少なくとも一つの凸条部又は凹条部は大きさを異ならせる。即ち、凸条部の突出部分の高さ或いは幅、又は突出部分の高さ及び幅を異ならせ、凹条部のへこみの幅或いは深さ、又はへこみの幅及び深さを異ならせる。また、上記電池ケースに形成される上記凹条部又は凸条部は、上記電池ケースの挿入方向と平行に直線状に延び、少なくとも2つ以上であり、少なくとも一つの凹条部又は凸条部は大きさを異ならせる。即ち、凹条部のへこみの幅或いは深さ、又はへこみの幅及び深さを異ならせ、凸条部の突出部分の高さ或いは幅、又は突出部分の高さ及び幅を異ならせる。
【0011】
もしくは、上記電池ケース収納部に形成される上記凸条部又は凹条部は、上記電池ケースの挿入方向と平行に直線状に延び、少なくとも2つ以上であり、上記電池ケースの挿入方向に直交する線に対して非対称位置に配置される。また、上記電池ケースに形成される凹条部又は凸条部は、上記電池ケースの挿入方向と平行に直線状に延び、少なくとも2つ以上であり、上記電池ケース収納部に形成される上記凸条部又は凹条部の配置に対応して、上記電池ケースの挿入方向に直交する線に対して非対称位置に配置される。
【0012】
また、本発明の電池取付装置において滑り構造部は、上記電池ケースの電池取付部に形成され、上記電池ケース収納部開口側に上記電池ケースの挿入方向へ伸びる軸を形成し、蓋体のみが回転自由であるが蓋体が外れないよう上記電池取付部に保持するよう取り付けることにより構成される。
【0013】
また、上記軸は、上記蓋体に取り付ける回転リングの厚さと回転余裕分だけ長く形成され、上記軸の先端部にフランジを備え、上記軸に上記回転リングを嵌めることにより上記滑り構造が構成される。上記回転リングは一部を切り欠きほぼC字形に形成され、上記切り欠き箇所から上記軸に嵌められる。上記軸とフランジは樹脂材料により電池取付部と一体成型することが望ましい。
【0014】
本発明の電池ケースは、電池を取り付ける電池取付部と、電子機器又は電気機器の電池ケース収納部に形成された一方の嵌め合せ構造である雌ねじ又は雄ねじねじ合わせられる他方の嵌め合せ構造である雄ねじ又は雌ねじと、上記電池ケース収納部に形成された電池ケースの一方の挿入ガイド機構に挿入される他方の挿入ガイド機構とを形成する。また、上記電池ケースに上記他方の嵌め合せ構造と他方の挿入ガイド機構との間に滑り構造部を備えることにより構成される。
【0015】
また、上記電池ケースは、さらに蓋体を備え、上記他方の嵌め合せ構造は上記蓋体に形成された雄ねじ又は雌ねじよりなり、上記他方の挿入ガイド機構は上記電池ケースに形成された凹条部又は凸条部よりなる。
【0016】
また、本発明の電池ケースにおいて上記滑り構造部は、上記電池取付部に形成され、上記電池ケース収納部の開口側に、上記電池ケースの挿入方向へ伸びる軸を形成し蓋体のみが回転自由であるが蓋体が外れないよう上記電池取付部に保持するよう取り付けることにより構成される。
【0017】
また、上記軸は、上記蓋体に取り付ける回転リングの厚さと回転余裕分だけ長く形成され、その先端部にフランジを備える。上記回転リングは一部を切り欠きほぼC字形に形成され、上記切り欠き箇所から上記軸に嵌められる。上記軸とフランジは樹脂材料により電池取付部と一体成型されることが望ましい。
【0018】
また、上記電池取付部は、電池の両端、即ち電池のプラス電極とマイナス電極を押さえる2つの電池端部押さえ部と、各電池間の隔壁を形成する隔壁部と、電池側部を押さえる電池側部押さえ部とからなり、上記2つの電池端部押さえ部、隔壁部及び電池側部押さえ部は樹脂材料により一体成型される。そして、上記電池側部押さえ部は樹脂材料の弾性力を利用して電池側部を押さえて保持するため電池外径より小さい径になるように形成する。
【0019】
また、上記電池端部押さえ部は、電池のプラス電極又はマイナス電極と接触し、かつ電池のプラス電極又はマイナス電極間を接続するコイルばねを備える。さらに上記2つの電池端部抑え部のうち上記蓋体が取り付けられる電池端部押さえ部の反対側の電池端部押さえ部には、電池のプラス電極又はマイナス電極に対向する箇所に開口部を形成し、上記開口より上記電池ケース収納部に形成されたプラス側接続端子とマイナス側接続端子がそれぞれ入り込み、電池のプラス電極又はマイナス電極と接触する。なお、コイルばねの挿入前に上記開口部より工具を挿入して上記回転リングを上記蓋体に固定する。
【0020】
また、上記電池端部押さえ部に上記コイルばねを取り付けるため、2つの逆L字形突条部を向かい合わせに配置して、上記2つの逆L字形突条部間に形成した溝を備える。そして、コイルばねが挿入される側の上記逆L字形突条部の水平部にテーパーを形成する。
【0021】
また、上記溝の内側にコイルばね抜け止め用突部を形成する。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、構造が簡単で安価に製造することができ、電池を電子機器又は電気機器内に容易に且つ確実に収納することができる電池取付装置及びこの電池取付装置に用いる電池ケースが提供される。
【0023】
また、本発明では、電池取付部をねじの軸方向と平行に直線状に備えた挿入ガイド機構に沿って、電池ケースねじの回転によらずスライドさせることができる。さらに、電池ケースねじ部と電池取付部は構造が独立しているため、回転機構を持ちながらも電池取付部は自由な形状に設計することができ、設計の自由度が大幅に向上する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】は、本発明の電池取付装置及び電池ケースを備える電子機器又は電気機器の一例として示す電気メガホンの斜視図である。
図2】は、電気メガホンの断面図である。
図3】は、電気メガホンの背面図である。
図4】は、電気メガホンのホーンマウス及びメガホンボディーの分解断面図である。
図5(a)】は、本発明の電池ケースを分解した状態の斜視図である。
図5(b)】は、電池ケースを組立てた状態の断面図である。
図5(c)】は、電池ケースの一部を透視した斜視図である。
図6】は、電池ケースを取り外した状態の電気メガホンの背面図である。
図7】は、電気メガホンのハンドルの分解図である。
図8】は、電池交換を説明するための電気メガホンの一部後方斜視図及び電池ケースの斜視図である。
図9】は、第2実施例を説明するために、電池ケースを取り外した状態の電気メガホンの背面図である。
図10(a)】は、第3実施例を説明するために、コイルばねを取り付ける前の電池端部抑え部の平面図である。
図10(b)】は、コイルばねを取り付けた状態の電池端部抑え部の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
第1実施例
(電気メガホン)
本発明の電池取付装置及び電池ケースは、たとえば電気メガホンに好適に使用される。しかし、電気メガホンだけでなく、電池を使用するおもちゃ、工具等の各種電子機器又は電気機器に使用可能である。
子機器又は電気機器の一例として示す電気メガホン1は、図1に示すように、たとえばホーンマウス2、メガホンボディー3、ハンドル4とから構成される。メガホンボディー3の後方部分に本発明の電池取付装置100が備えられる。電気メガホン1は、図2に示すように、ホーンマウス2の内部にリング状永久磁石5、ヨーク6、プレート7よりなる磁気回路を備え、ヨーク6とプレート7との間に形成された磁気ギャップにボイスコイル(図示しない)が挿入される。ボイスコイルの上端はドーム状振動板8に結合され、ボイスコイルに入力された音響信号が磁器回路とともに作用して振動板8により音響振動に変換される。振動板8の前方にイコライザ9、スロート10が備えられ、スロート10の開口部分にチューブ11、レフレクタ12が取り付けられ、ホーンマウス2開口部より音響振動が放出される。
【0026】
レフレクタ12はホーンマウス2にねじ13によりねじ止めされ、さらにねじ13をメガホンボディー3のボス14に締めこむことにより、ホーンマウス2とメガホンボディー3を結合する。ホーンマウス2とメガホンボディー3を結合する際、図4に示すように、ホーンマウス2の内側にスロートパッキング15を嵌め、外側にゴム、柔軟樹脂等よりなる防水パッキング16を介して取り付け、ホーンマウス2とメガホンボディー3の間隙を充填して気密及び防水構造にする。
【0027】
また、図4に示すように、メガホンボディー3の内部後方部にマイクユニット21を配置する。マイクユニット21はメインマイク22とサブマイク23とからなり、メインマイク22とサブマイク23は緩衝作用と防水作用のある、たとえばゴム等の薄い膜24、25を介してメガホンボディー3の後方に取り付ける。即ち、メインマイク22とサブマイク23を包み込むように成形したゴム等の薄い膜24、25に入れ、マイク抑え26に収納する。このようにしてマイク抑え26に収納したメインマイク22とサブマイク23をメガホンボディー2の後方内壁に形成したリブ27に嵌めこみ、メインマイク22とサブマイク23を電気メガホンの水平方向に並べて配置する。メインマイク22は電気メガホンの中心線を通る垂直線上に配置され、メインマイク22が対向する箇所のメガホンボディー3には小さい開口28(図3図6図9参照)が形成され、外部の音響がメインマイク22に入力されるようにする。
【0028】
メインマイク22はゴム等の薄い膜24で覆われ防水効果を得ているが、開口28に対応してゴム等の薄い膜24には開口29が形成されている。このように、開口28と開口29が対向して配置されることにより、音響振動がメインマイク22に入力される。さらにゴム等の薄い膜24は緩衝作用があるためメガホン本体の振動が入力されるのを防止し、S/N比の高い入力信号が得られるようにしている。
一方、サブマイク23はハウリング防止用として用いられる。そのためサブマイク23が対向する箇所のメガホンボディー3には開口が形成されず外部の音響が入力されない構造とされている。このようにサブマイク23の前方のメガホンボディー3には開口がないので防水が完全に行える。しかし、図6図9に示すように、サブマイク23に対応する箇所のメガホンボディー3に小さい穴を形成して、サブマイク23にも外部音響が入力されるようにしてもよい。
【0029】
電気メガホン1はホーンマウス2より出力された音響振動が電気メガホン1の周囲を回りこんでメインマイク22に入力する音響振動と、振動板8のバックプレッシャが電気メガホン1の内部を通ってメインマイク22とサブマイク23に入力する音響振動と、電気メガホン自身の振動がメインマイク22とサブマイク23に入力する音響振動とによってハウリングを起こす。この中、サブマイク23は振動板8のバックプレッシャによる振動と、メガホン自身の振動による振動とを同相に受ける。このようにしてサブマイク23に入力した振動を電気信号に変換して、メインマイク22で変換した電気信号と逆位相で増幅器に入力してミキシングすることによりハウリングを防止する。
【0030】
メガホンボディー3の後方上部にアンプを構成する電気部品よりなる回路30を搭載するプリント基板31を取り付ける。プリント基板31はメガホンボディー3の後壁に形成したリブ(図示しない)と基板押さえ32により挟むようにして取り付けられる。基板押さえ32は、樹脂材料、例えばASA樹脂よりなり、回路30に電気接続されたマイナス側の電池接続端子33とプラス側の電池接続端子34を備える。この基板押さえ32を電池ケース収納部102の電池ケース収納部後壁104にネジ止めしてプリント基板31を取り付ける。図6図9に示すように、電池ケース収納部後壁104に小さい開口が形成され、マイナス側の電池接続端子33とプラス側の電池接続端子34の先端が開口より飛び出している。
【0031】
(電池取付装置)
メガホンボディー3の後方に本発明の電池取付装置100を形成する。電池取付装置100を形成する箇所は、電子機器又は電気機器の後方に限らず、底面、右或いは左側面又は上面などでもよく、正面であってもよい。本発明の電池取付装置100は、電池を取り付ける電池取付部110を備える電池ケース101と、この電池ケース101を収納する電池ケース収納部102を備える電子機器又は電気機器よりなる。電池ケース収納部102は電気メガホン1の軸方向と電池ケース101の挿入方向を一致させ、電池ケース101の挿入、取り出しが可能なように電池ケース101の外形とほぼ同形で、電池ケース101の挿入及び取り出しが行えるように電池ケース101より少し大きく形成する(図4図6図9参照)。この実施例の場合、電池ケース101は外形がほぼ直方体形であるので、電池ケース収納部102もほぼ直方体形に形成される。この電池ケース収納部102は4つの周囲を囲む電池ケース収納部側壁103と、底板を形成する電池ケース収納部後壁104からなる。4つの電池ケース収納部側壁103と電池ケース収納部後壁104は、樹脂材料によりメガホンボディー3と連続一体成型される。
【0032】
電池ケース収納部側壁103の内側には、電池ケース収納部102の開口部107付近に電池ケース101の一方の嵌め合せ構造105を形成し、電池ケース収納部側壁103の対向する内側面に電池ケース101の一方の挿入ガイド機構106a、106bを形成する。
上記開口部107は電池ケース収納部102の外周を内接するよう電池ケース収納部102より大きく、電池ケース収納部102の中心軸を中心とする円形に形成される。上記一方の嵌め合せ構造105は、具体的には開口部107の内側面に形成した雌ねじである。図4図6図9は雌ねじを示す。雌ねじ以外に、雄ねじ、斜線、曲線或いは螺旋螺形状であってもよい。
【0033】
また、図6に示すように、上記一方の挿入ガイド機構106a、106bは、具体的には電池ケース収納部側壁103の内壁に形成された凹条部よりなる。上記一方の挿入ガイド機構106a、106bは電池ケース101の挿入方向に沿って形成される。ここでは一方の挿入ガイド機構106a、106bは2つの凹条部よりなり、電池ケース収納部102の中心軸を通る線(または、電池ケース101の挿入方向)に直交する線に対し、線対称に配置される。また、上記一方の挿入ガイド機構106a、106bとして、2つ以上の凹条部を形成する場合は、一つの凹条部は大きさが異なるようにする。即ち、図6に示すように、一方の凹条部のへこみ部分の幅を異ならせる。或いはへこみ部分の深さを異ならせる。又はへこみ部分の幅及び深さを異ならせる。
または、上記一方の挿入ガイド機構106a、106bを2つ以上の凸条部によって形成する場合は、凸条部の突出部分の幅或いは高さ、又は突出部分の幅及び高さを異ならせる。さらには、一つの凹条部又は凸条部の形状を変えてもよい。また、実施例は、一方の挿入ガイド機構106a、106bは、開口部107から電池ケース収納部後壁104に向かう直線形状を示すが、斜線形状、曲線形状或いは螺旋形状であってもよい。
上記のように、凸条部又は凹条部の大きさ、または形状を異ならせるのに代えて、上記電池ケース収納部102の内壁に形成される上記一方の挿入ガイド機構106a、106bを上記電池ケース収納部102の中心軸(または上記電池ケース101の挿入方向)に直交する線に対して非対称位置に配置してもよい。つまり、ほぼ直角あるいは任意の角度に配置する。
【0034】
(電池ケース)
図5(a)は電池ケース101を分解した状態の斜視図、図5(b)は電池ケース101を組立てた状態の電池ケースの断面図、図5(c)は電池ケース101の一部を透視した斜視図である。電池ケース101は、電池取付部110と、蓋体111と、滑り構造部122とからなる。電池取付部110はこの実施例では単三電池(図示しない)を4本平行に並べる。電池の種類、本数は任意である。電池の種類と本数により電池取付部110の大きさ及び形状が変わる。また、電池の直列接続或いは並列接続又は直並列接続によって電池取付部110の大きさ及び形状が変わる。この実施例は4本の単三電池を平行に並べて直列接続する例を示し、電池取付部110の外形はほぼ直方体形に形成される。電池取付部110は、電池の両端、即ちプラス電極とマイナス電極を抑える電池端部抑え部113a、113bと、電池間の隔壁を形成する隔壁部114と、電池側部を抑える4つの電池側部抑え部115a〜115dとからなり、電池端部抑え部113a、113b、隔壁部114と、電池側部抑え部115a〜115dは樹脂材料により一体成型される。4つの電池側部抑え部115a〜115dは樹脂材料の弾性力を利用して、隔壁部114との間で電池側部に圧力を加えて抑えるように電池の径より若干小さい径に成型される。電池の径より電池側部抑え部115a〜115dの径を小さくする程度は、電池の種類、樹脂材料の弾性力、及び電池を抑える圧力の大きさにより決定される。この実施例の場合、樹脂材料としては、例えばASA樹脂を使用し、単三電池の径より0.5mm程度小さく成型した。
【0035】
電池端部抑え部113a、113bに電池のプラス電極又はマイナス電極と接触し、かつ電池のプラス電極又はマイナス電極間を接続するコイルばね116a〜116fを取り付ける。電池端部抑え部113a、113bにコイルばね116a〜116fを取り付けるため、電池端部抑え部113a、113bに溝117を形成し、この溝117にコイルばね116a〜116fの底辺部を嵌めて取り付ける。即ち、電池端部抑え部113a、113bに2つの逆L字形突条部127aと127bを向かい合わせに配置して、2つの逆L字形突条部127aと127bの間に溝117を形成する。コイルばね116a〜116fは、4本の電池を直列接続するようにコイルばね間を接続する。たとえば、図5(c)に示すように電池端部抑え部113aに取り付けられたマイナス電極側のコイルばね116aとプラス電極側のコイルばね116bを連続するように形成する。また、電池端部抑え部113bに取り付けられたマイナス電極側のコイルばね116cとプラス電極側のコイルばね116d、マイナス電極側のコイルばね116eとプラス電極側のコイルばね116fを連続するように形成する。コイルばね116a〜116fの形状及び接続は、電池の種類、直列接続或いは並列接続又は直並列接続に応じて変化する。
【0036】
そして、電池端部抑え部113aには、電池のプラス電極とマイナス電極に対向する箇所に開口部118aと118bを形成する。この開口部118aと118bに電池ケース収納部後壁104より飛び出したマイナス側の電池接続端子33とプラス側の電池接続端子34の先端が入り、電池のプラス電極又はマイナス電極に接触する。また、電池端部抑え部113bのプラス電極側のコイルばね116fの中心位置に開口部130を形成する。この開口部130は蓋体111に回転リング112を取り付けるときに使用される。
【0037】
蓋体111の直径は電池取付部110の幅より大きく、外形は電池ケース101の挿入方向の中心軸を中心として円盤状に形成する。この蓋体111の外周囲に電池ケース101の他方の嵌め合せ構造119を形成する。上記他方の嵌め合せ構造119は、蓋体11と樹脂により一体成型される。この他方の嵌め合せ構造119は、例えば、雄ねじであり、電池ケース収納部102の開口部107付近に形成した一方の嵌め合せ構造105である雌ねじに嵌め合せられる。しかし、電池ケース収納部側壁103に形成される一方の嵌め合せ構造105が雄ねじである場合は、他方の嵌め合せ構造119は雌ねじが形成される。このように、他方の嵌め合せ構造119は、一方の嵌め合せ構造105の形状に対応して形成される。したがって、一方の嵌め合せ構造105が斜線、曲線或いは螺旋であれば、他方の嵌め合せ構造119は、それに対応して斜線、曲線或いは螺旋に形成される。
蓋体111の外側には、図8に示すように三方向に分割した3つの指孔120a、120b、120cが形成される。電池ケース101を電池ケース収納部102に挿入する場合、及び取り出す場合、この指孔120a、120b、120cに親指、人差し指、中指を入れて蓋体111を回転させて、電池ケース101を電池ケース収納部102に収納し、又は取り出しを行う。
【0038】
電池取付部110の側面に電池ケース101の他方の挿入ガイド機構121a、121bを形成する。上記他方の挿入ガイド機構121a、121bは、電池ケース収納部102の電池ケース収納部側壁103に形成した一方の挿入ガイド機構106a、106bに対応して、電池取付部110の対向する面に形成され、電池ケース101の挿入方向に沿って形成された凸条部である。ここでは他方の挿入ガイド機構121a、121bは2つの凸条部よりなり、電池取付部110の中心線に直交する線に対し、線対称に配置される。また上記他方の挿入ガイド機構121a、121bとして、2つ以上の凸条部を形成する場合は、一つの凸条部は大きさが異なるようにする。即ち、2つの凸条部の突出部分の幅を異ならせる。或いは突出部分の高さを異ならせる。又は突出部分の幅及び高さを異ならせる。凸条部に変えて、凹条部を形成する場合は、凹条部のへこみ部分の幅或いは深さ、又はへこみ部分の幅及び深さを異ならせる。または、一つの凸条部又は凹条部の形状を変えてもよい。この場合、一方の凸条部又は凹条部は大きさ、または形状が異なっているので、電池ケース101の挿入方向を間違えない。
上記一方の挿入ガイド機構106a、106が開口部107から電池ケース収納部後壁104に向かう直線形状であれば、他方の挿入ガイド機構121a、121bも直線形状に形成されるが、一方の挿入ガイド機構106a、106が斜線形状、曲線形状或いは螺旋形状であれば、他方の挿入ガイド機構121a、121bもそれに対応して斜線形状、曲線形状或いは螺旋形状に形成される。したがって、電池ケース101を電池ケース収納部102に収納する場合、又は取り出す場合、他方の挿入ガイド機構121a、121bが一方の挿入ガイド機構106a、106に案内されて、電池ケース101が電池ケース収納部102に収納され、又は取り出される。
【0039】
上記のように、凸条部又は凹条部の大きさ、又は形状を異ならせるのに代えて、上記電池ケース収納部102の内壁に形成される上記一方の挿入ガイド機構106aと106bを上記電池ケース101の挿入方向に直交する線に対して非対称位置に配置し、それに対応して、上記電池ケース101の外壁に形成される上記他方の挿入ガイド機構121aと121bを上記電池ケース101の挿入方向に直交する線に対して非対称位置に配置する。つまり、電池ケース収納部102の内壁に形成した一方の挿入ガイド機構106aと106bを、上記電池ケース101の挿入方向に直交する線に対してほぼ直角、あるいは任意の角度に配置する。これに対応して、上記電池ケース101に形成される上記他方の挿入ガイド機構121aと121bを上記電池ケース101の挿入方向に直交する線に対してほぼ直角、あるいは任意の角度に配置する。このように、一方の挿入ガイド機構106aと106bを電池ケース101の挿入方向に直交する線に対して非対称位置に配置し、それに対応して、他方の挿入ガイド機構121aと121bを電池ケース101の挿入方向に直交する線に対して非対称位置に配置しても、電池ケース101の挿入方向を間違えないようにすることができる。
【0040】
電池ケース101は、上記他方の嵌め合せ構造119と他方の挿入ガイド機構121a、121bとの間に滑り構造部122を備える。即ち、上記滑り構造部122は、電池ケース101の中心軸に電池ケース101の挿入方向に伸びる軸123を電池取付部110に形成し、この軸123に蓋体111を回転自由に嵌め合せることにより構成される。さらに詳細には、軸123の先端に形成したフランジ124と、蓋体111に取り付けた回転リング112とからなる。軸123とフランジ124は、電池取付部110と樹脂材料により一体成型される。
回転リング112は鉄あるいはステンレスやアルミニウムなどの金属材料もしくは樹脂材料よりなり、一部を切り欠きC字形に形成される。回転リング112の内径は軸123より大きく、フランジ124より小さい。回転リング112のC字形の切り欠きより軸123に嵌め、中心穴125に軸123を嵌めこむ。回転リング112は蓋体111に3本のねじ126により取り付け、固定する。上記軸123は回転リング112の厚さと回転余裕分だけ長く形成され、その先端部にフランジ124を形成することにより、蓋体111及び回転リング112が軸123を中心として回転自由になり、フランジ124によって回転リング112が抜けないので蓋体111及び回転リング112は電池取付部110と一体化され、電池ケース101を構成する。
【0041】
電池取付部110に形成された軸123に回転リング112を嵌め、蓋体111を取り付け、固定する作業工程は次のとおりである。初めに、軸123にC字形の切り欠きより回転リング112を嵌める。次に、図5(b)に示すように、電池端部抑え部113aに形成された開口部118aより、ねじ126を付けたドライバー129を挿入し、さらにドライバー129を電池端部抑え部113bに形成された開口部130を通して、蓋体111の1つ目のネジ穴131aにネジ止めする。次に、ドライバー129を抜き、蓋体111と回転リング112を2つ目のネジ穴131bと開口部130が一致するまで回転させる。この実施例の場合、ネジ穴は3つあり、120°間隔であるので、120°回転させる。そして、再度ねじ126を付けたドライバー129を開口部118a、開口部130を通してねじ126を2つ目のネジ穴131bにネジ止めする。この工程を繰り返して、3つのねじ126により蓋体111に回転リング112を取り付け固定する。
ドライバー129の先端にねじ126を付けるため、ドライバー129は磁性材料を用い、これを着磁させ、磁性材料よりなるねじ126を磁気吸着させるとよい。あるいは、ドライバー129の先端にグリスのような粘着剤を塗り、この粘着剤によってねじ126を粘着させるようにしてもよい。
【0042】
(ハンドル)
メガホンボディー3の下部にハンドル4が取り付けられる。ハンドル4は図7に示すように、ハンドル3の前方に引きがね51が取り付けられる。電源スイッチはマイクロスイッチ52により構成され、ボリュームスイッチケース上53のリブ53sに嵌め込むようにして取り付ける。またボリューム54はボリュームスイッチケース上53に、マイクロスイッチ52を取り付けた側の反対側にボリュームナット55により取り付ける。このようにしてマイクロスイッチ52とボリューム54をVRSWケース上53に取り付けた後、ゴムカバー56を挟んでボリュームスイッチケース下57とともにハンドル4の内部の段部にネジ止めされる。
ボリューム54の軸にはつまみ58が取り付けられ、つまみ58の周囲の一部がハンドル4の後方の穴から突出するように取り付けられ、ハンドル4の外側から操作できるようにしている。
【0043】
マイクロスイッチ52とボリューム54を取り付ける際、引きがね51をハンドル4に取り付け、ボリュームスイッチケース上53にマイクロスイッチ52とボリューム54を取り付け、つまみ58をボリューム54に取り付けた後、つまみ58の周囲の一部をハンドル4の後方の穴から突出させて、ゴムカバー56、ボリュームスイッチケース下57とともにハンドル4の段部にネジ止めする訳であるが、ボリュームスイッチケース上53の4個のネジ穴53a〜53dの中、2個のネジ穴53c、53dはつまみ58の半径の内側にあるので、つまみ58がネジ穴に一致する位置に切り欠き又は穴(図示しない)を形成し、この切り欠き又は穴にドライバーを挿入してねじ止めを行う。
マイクロスイッチ52とボリューム54の配線はメガホンボディー3の下部に穴61が形成され、この穴61にゴムブッシュ62を嵌めて、ゴムブッシュ62の中を通して電気回路30に接続される。
【0044】
ハンドル4は、図3に示すようにハンドル4の上方両側にスライド溝63が形成されており、このスライド溝63にメガホンボディー3の下部に形成した突部64(図4の右側に示す)を嵌め、ハンドル4をメガホンボディー3の後方までスライドさせてメガホンボディー3とハンドル4を一体化する。その後、メガホンボディー3の前方にホーンマウス2をネジ13でネジ止めする。これにより、ホーンマウス2、メガホンボディー3、ハンドル4が一体化され、全体を防水構造に組み立てる。
【0045】
以上のようにして構成される電気メガホン1は一例であり、任意の電気メガホンの構造とすることが可能である。また、他の電子機器又は電気機器について詳細を説明しないが、電子機器又は電気機器の構造も任意に構成することが可能である。
【0046】
(電池交換)
電気メガホン1に収納された電池を交換する場合、図8に示すように、蓋体111の外側に形成された3つの指孔120a、120b、120cに親指、人差し指、中指を入れて蓋体111を回転する。蓋体111を回転すると、蓋体111の外周囲に形成した他方の嵌め合せ構造119(この実施例では雄ねじ)が一方の嵌め合せ構造105(この実施例では雌ねじ)から緩められ、電池ケース101が一方の挿入ガイド機構106a、106bと他方の挿入ガイド機構121a、121bとによって案内され、電池ケース収納部102から取り出される。
この際、一方の嵌め合せ構造105及び他方の嵌め合せ構造119は、この実施例では雄ねじと雌ねじのねじ合わせであり、回転動作であるのに対して、一方の挿入ガイド機構106a、106bと他方の挿入ガイド機構121a、121bは、この実施例では電池ケース収納部102の開口部107から電池ケース収納部後壁104に向かう直線動作である。このように、蓋体111が回転動作し、電池取付部110が直線動作するので、動作方向が異なるが、電池ケース101には滑り構造部122を備えているので、蓋体111の回転動作と、電池取付部110の直線動作はスムーズに行われる。
そして、電池取付部110から古い電池を取り去り、新しい電池を電池取付部110に取り付ける。電池側部押さえ部115a〜115dは電池の径より小さく形成されているので、電池は電池側部押さえ部115a〜115dの樹脂材料の弾性力により押さえられ、電池は電池ケースの中で振動しないように保持される。例えばアルカリ乾電池とマンガン乾電池のように乾電池の外径が異なる場合であっても、電池側部押さえ部115a〜115bにより、電池は電池ケースの中で振動しないように保持される。
【0047】
次に、電池ケース101を電池ケース収納部102に入れ、一方の挿入ガイド機構106a、106bと他方の挿入ガイド機構121a、121bを合わせる。このとき、一方の挿入ガイド機構106a、106bである凹条部或いは凸条部の大きさが異なり(即ち、凹条部のへこみ部分の幅が異なり或いはへこみ部分の深さが異なり、又はへこみ部分の幅及び深さが異なり、また凸条部の突出部分の幅或いは高さが異なり、又は幅及び高さが異なり)、他方の挿入ガイド機構121a、121bである凸条部或いは凹条部の大きさが異なる(即ち、凸条部の突出部分の幅或いは高さが異なり、又は幅及び高さが異なり、また凹条部のへこみ部分の幅が異なり或いはへこみ部分の深さが異なり、又はへこみ部分の幅及び深さが異なる)ため、凹条部或いは凸条部、又は凹条部及び凸条部の幅又は高さが一致するように合せなければならず、電池ケース101の挿入方向を間違えない。又は、一方の挿入ガイド機構106と106b、他方の挿入ガイド機構121aと121bが電池ケース101の挿入方向に直交する線に対して非対称に配置されているので、互いに対応するように合せなければならず、電池ケース101の挿入方向を間違えない。
【0048】
そして、蓋体111の3つの指孔120a、120b、120cに親指、人差し指、中指を入れて蓋体111を回転させ、蓋体111の外周囲に形成した他方の嵌め合せ構造119と、電池ケース収納部102の開口部107に形成した一方の嵌め合せ構造105を嵌め合せて、電池ケース101を電池ケース収納部102に収納する。蓋体111の他方の嵌め合せ構造119を電池ケース収納部102の一方の嵌め合せ構造105に嵌め合せるので、電池ケース101は一方の挿入ガイド機構106a、106bと他方の挿入ガイド機構121a、121bによって電池ケース収納部後壁104へ押し進められる。このため、電池ケース101に取り付けられた電池のプラス側端子及びマイナス側端子は、電池ケース101の電池端部抑え部113aに形成した開口部118a、118bを通して、電池ケース収納部102の電池ケース収納部後壁104より飛び出しているマイナス側の電池接続端子33及びプラス側の電池接続端子34と確実に接触する。この接触状態は、蓋体111の他方の嵌め合せ構造119と、電池ケース収納部102の一方の嵌め合せ構造105の嵌め合せによって保持される。この保持状態は、一方の挿入ガイド機構106a、106bと他方の挿入ガイド機構121a、121bの挿入状態によっても保持されるので、電池ケース101が電池ケース収納部102の中で振動しないように保持される。
【0049】
第2実施例
図9は、第2実施例を説明するために、電池ケースを取り外した状態の電気メガホンの背面図である。第1実施例において、電池ケース収納部102に形成した電池ケース101の一方の挿入ガイド機構106a、106bは2つであり、電池ケース収納部102の中心軸に直交する線に対し、線対称に配置したが、第2実施例では一方の挿入ガイド機構106sは1つである(図9)。また、これに対応して、第1実施例の電池ケース101では、他方の挿入ガイド機構121a、121bは2つであり、電池取付部110の中心線に直交する線に対し、線対称に配置したが、第2実施例では、他方の挿入ガイド機構121s(図示しない)は1つである。ここで、第2実施例では、一方の挿入ガイド機構106sと他方の挿入ガイド機構121sは、電池ケース101が電池ケース収納部102に収納されるよう対応位置に配置する。
このように、一方の挿入ガイド機構106s及び他方の挿入ガイド機構121sは1つであるので、電池ケース101を電池ケース収納部102に収納する場合、電池ケース101の挿入角度は一義的に決められ、電池ケース101の挿入角度を間違えることがない。
【0050】
第3実施例
図10(a)は、第3実施例を説明するために、コイルばねを取り付ける前の電池端部抑え部の平面図、(b)コイルばねを取り付けた状態の電池端部抑え部の平面図である。
第1実施例では、電池端部抑え部113a(113b)にコイルばね116a〜116fを取り付けるため、電池抑え部113a(113b)に2つの逆L字形突条部127aと127bを向かい合わせに配置して、2つの逆L字形突条部127aと127bの間に溝117を形成した。第3実施例では、さらに、コイルばね116c〜116fが挿入される側の逆L字形突条部127a、127bの水平部にテーパー135a、135bを形成する。
また、コイルばね116c〜116fが挿入される溝117の内側に、コイルばね116d、116fの底部が越えた位置にコイルばね抜け止め用突部136a、136bを形成する。コイルばね抜け止め用突部136a、136bは、電池端部抑え部113bに一体成型される。
第3実施例は上記のように構成されるので、溝117にコイルばね116c〜116fを取り付ける場合、テーパー部135a、135bによってコイルばね116c〜116fは溝117に案内され、スムーズに挿入することができる。そして、コイルばね116d、116fの底部がコイルばね抜け止め用突部136を越えるように挿入する。これにより、コイルばね116c〜116fが溝117によって電池端部抑え部113bに取り付けられ、コイルばね抜け止め用突部136a、136bによってコイルばね116c〜116fは抜けなくなる。
【符号の説明】
【0051】
1 電気メガホン(電子機器又は電気機器)
101 電池ケース
102 電池ケース収納部
105 一方の嵌め合せ構造(雌ねじ又は雄ねじ)
106a、106b 一方の挿入ガイド機構(凹条部又は凸条部)
107 開口部分
110 電池取付部
111 蓋体
112 回転リング
117 溝
118a,118b 開口部
119 他方の嵌め合せ構造(雄ねじ又は雌ねじ)
121a、121b 他方の挿入ガイド機構(凸条部又は凹条部)
122 滑り構造部
123 軸
124 フランジ
129 ドライバー
127a、127b 逆L字形突条部
136a、136b コイルばね抜け止め用突部
図1
図2
図3
図4
図5(a)】
図5(b)】
図5(c)】
図6
図7
図8
図9
図10(a)】
図10(b)】