【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成30年11月2日〜4日に、第2回日本リハビリテーション医学会秋季学術集会にて運動機能回復訓練装置を公開。 平成30年11月6日に、医療機器等試作品コンテストにて運動機能回復訓練装置を公開。
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、一実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
【0010】
<1.運動機能回復訓練装置の構成>
まず、
図1〜
図3を参照しつつ、本実施形態に係る運動機能回復訓練装置の構成の一例について説明する。
図1は本実施形態に係る運動機能回復訓練装置の全体構成の一例を示す説明図、
図2は回動部の構成の一例を抽出して示す説明図、
図3は回動部のグリップ周辺を分解して示す説明図である。なお、以下において、運動機能回復訓練装置の構成の説明の便宜上、
図1に示す上下左右前後の方向を適宜使用する場合があるが、これらの方向は運動機能回復訓練装置の各構成の位置関係を限定するものではない。本実施形態では、前後方向は後述する回動部の回転軸心方向、上下方向は鉛直方向、左右方向は前後方向及び上下方向の両方向に垂直な方向を指すものである。特に以下における各部の構成説明においては、後述のグリップが鉛直上方を向く回動部の回転位置を基準角度(0°)とした場合で各方向を指すものとする。
【0011】
運動機能回復訓練装置1は、訓練対象となる人体部位の運動機能を回復させるための訓練(リハビリテーション)を行う装置である。訓練対象者は、例えば脳卒中などの脳血管疾患や整形外科疾患等による運動機能障害を有する患者等である。本実施形態では、訓練対象となる人体部位が前腕部である場合について説明する。
【0012】
図1に示すように、運動機能回復訓練装置1は、昇降テーブル2と、装置本体3と、回動部4とを有する。
【0013】
昇降テーブル2は、装置本体3が載置されるテーブル5と、図示しない伸縮機構により上下方向に伸縮可能な支柱6と、支柱の下部に設けられた複数(この例では5本)の脚部7a〜7eとを有する。脚部7a〜7eが連結する中心位置から、脚部7aは左方向、脚部7bは前方向、脚部7cは右方向、脚部7dは右後方、脚部7eは左後方に向かって延設されている。脚部7a〜7eの数を5本とすることにより、例えば脚部の数が4本(90°間隔の十字型)の場合に比べて安定性を向上している。また、脚部7a,7b間の間隔を90°とすることで、右腕の前腕部を訓練する訓練対象者が近づくスペースを前方左側に確保し、当該訓練対象者の椅子、車椅子、足等と脚部の干渉を抑制できる。同様に、脚部7b,7c間の間隔を90°とすることで、左腕の前腕部を訓練する訓練対象者が近づくスペースを前方右側に確保し、当該訓練対象者の椅子、車椅子、足等と脚部の干渉を抑制できる。各脚部7a〜7bの下部にはキャスタ8がそれぞれ設けられている。
【0014】
装置本体3の前面には、訓練に関する表示や各種操作を行うためのタッチパネル9が設けられている。また、装置本体3の前面には、訓練動作の実行と停止の切り替え操作を行うためのボタンスイッチ25(スイッチの一例)が、上記タッチパネル9の左右両側の2箇所に設けられている。また、装置本体3の内部には、回動部4を正転方向及び逆転方向に回転させるモータ10(後述の
図7参照)と、モータ10の回転位置を検出するエンコーダ11(後述の
図7参照)と、エンコーダ11の検出結果に基づくモータ10の制御等を行うコントローラ12(後述の
図7、
図8参照)等が設けられている。モータ10は、エンコーダ11の検出結果に基づいて位置、速度及びトルクの少なくとも1つを制御されるサーボモータである。コントローラ12は、CPUやメモリ等を備えたコンピュータとして構成される(後述の
図8参照)。また、例えばレゾルバやポテンショメータ等、エンコーダ11以外の回転位置センサを用いてもよい。さらに、モータ10のトルクを検出するトルクセンサを設けてもよい。
【0015】
回動部4は、装置本体3の前側に回動可能に設けられており、装置本体3から前方に向かって突出し、訓練対象者の前腕部17(後述の
図4、
図6参照)を支持する。なお、以下において前腕部17は、訓練対象となる肘部から手首関節部18までの間の人体部位とする。
図2に示すように、回動部4は、主に円板部材13と、支持バー14と、固定部材15と、回動アーム26と、グリップ16とを有する。円板部材13は、装置本体3の前面に設けられ、モータ10により回転軸心AX(第1回転軸の一例)周りに回転される。支持バー14は、回転軸心AXから下方に所定距離だけオフセットした位置に位置し、円板部材13から回転軸心AXと略平行に前方に突出して設けられている。固定部材15は、支持バー14の先端部近傍に設けられており、訓練対象者の前腕部17を着脱自在に固定する。固定部材15は、前腕部17の軸中心C(前腕部17の長手方向軸)を回動部4の回転軸心AXと略一致(略平行、近接)させる配置関係で当該前腕部17を固定する。これにより、回動部4が回動することにより前腕部17もその軸中心C周りに回転される(後述の
図4、
図6参照)。
【0016】
グリップ16(把持部の一例)は、図示する例では全体が円筒形状で訓練対象者が手30(手首関節部18から先端の部分)で把持可能な大きさに形成されている。
図3に示すように、このグリップ16は回動アーム26、連結ボルト27、及びキャップ28を介して支持バー14に連結されている。回動アーム26は、その水平方向に延設されるアーム本体26aを、回転軸心AXと直交する回動軸S(第2回転軸の一例)周りで回動可能な回動ヒンジ26bを介して支持バー14に連結されている。回動ヒンジ26bの軸にはセレーション歯26c(円形ギア歯)が形成されており、支持バー14に連結する際には任意の回動角度位置で固定可能となっている。回動アーム26のアーム本体26aには、その延設方向に沿った長孔26dが形成されており、その長孔26dの両側長辺縁部にそれぞれ細かい凹凸状のラッチ歯26e(直線ギア歯)が形成されている。連結ボルト27は、そのシャンク軸27aが上記長孔26dを貫通可能な径の円柱形状で形成されており、その下端には回動アーム26の内部に収納可能な形状であるとともに上記長孔26dを通過不可能な大きさのヘッド27bが一体に形成されている。また連結ボルト27は、グリップ16を貫通して上端を適宜に突出させる長さ寸法に形成されており、その上端にはキャップ28を螺合させるスレッド27c(雄ねじ)が切られている。
【0017】
グリップ16を連結する場合には、回動アーム26の内部にヘッド27bを収納させつつ長孔26dを貫通した連結ボルト27の上端にグリップ16を挿通させる。そして、グリップ16の上端から上方に突出した連結ボルト27のスレッド27cにキャップ28を螺合させることでグリップ16を回動アーム26に連結して固定できる。このとき、グリップ16は、回動アーム26の長孔26dの延設方向範囲内の任意の位置に配置でき、連結ボルト27とキャップ28の間での締結によりグリップ16の下端が長孔26dのラッチ歯26eに噛み合うことでその位置を固定できる。つまり、回動アーム26の回動軸Sに対するグリップ16の離間距離が調整可能となっている。また、連結ボルト27からキャップ8を外すことで、グリップ16が着脱交換可能となっている。
【0018】
なお、上記の回動アーム26、グリップ16、連結ボルト27、及びキャップ28が、各請求項記載の距離調整機構を構成し、上記連結ボルト27及びキャップ28が、各請求項記載の着脱機構を構成する。
【0019】
また
図2に示すように、固定部材15は、前腕部17が載置されるベース部19と、開閉することにより手首関節部18を固定及び解放可能な一対の開閉部20と、一対の開閉部20のそれぞれの内側に設けられた一対のクッション部21と、一対の開閉部20のそれぞれの上端を解放可能に結合させる結合部22と、各クッション部21の内周面に設けられた一対の電極23とを有する。
【0020】
クッション部21は、例えばウレタン等の柔軟な材料で構成されており、前腕部17に接触して押圧する。なお、ベース部19をクッション部21と同様の柔軟な材料で構成してもよい。結合部22は、例えば面ファスナ等で構成されており、一対の開閉部20の上端のギャップを所望の大きさに調整して結合できる。これにより、固定部材15は訓練対象者の前腕部17の太さに関わらず固定することができる。
【0021】
電極23は、固定部材15に固定した状態の前腕部17の表面に接触する位置に設けられた金属端子であり、この電極23を介した電流の通電状態を検知することで前腕部17の心拍を検知できる。この電極23の検知信号は後述するコントローラ12の心拍測定部41に出力される。
【0022】
<2.運動機能回復訓練装置の利用>
上記構成の運動機能回復訓練装置1を利用して回復訓練を行う際には、
図4に示すように、訓練対象者が手30でグリップ16を把持した状態で、その手首関節部18の屈曲軸B(手の平と手の甲を貫通する方向で屈曲する際の回動軸)が回動アーム26の回動軸Sと略一致(略平行、近接)する配置関係となるよう前腕部17が固定部材15に固定される。なお、訓練対象者の身体的個人差で手首関節部18の屈曲軸Bと回動アーム26の回動軸Sとのズレが大きい場合には、グリップ16の離間距離を調整する。
【0023】
そして訓練時において回動部4は、グリップ16の先端が鉛直上方を向く位置を基準角度(0°)として、時計回り方向及び反時計回り方向を反復するよう繰り返し回動する。例えば
図4に示すように、訓練対象者の右腕の前腕部17を訓練する場合には、回動部4が時計回り方向に回動することで前腕部17を回外運動させ、反時計回り方向に回動することで前腕部17を回内運動させる。また図示は省略するが、反対に左腕の前腕部17の訓練する場合には、回動部4が時計回り方向に回動することで前腕部17を回内運動させ、反時計回り方向に回動することで前腕部17を回外運動させる。
【0024】
このときの回内運動と回外運動は、それぞれ個別に自動運動と他動運動のいずれかを選択して行わせることができる。ここで「自動運動」とは、訓練対象者による自発的な回外運動又は回内運動を受けて回動部4を回動させることをいう。また「他動運動」とは、モータ10により回動部4を回動させて、訓練対象者の前腕部17を外力により回外運動又は回内運動させることをいう。つまり訓練種別としては、自動運動において回内運動を訓練する「回内」、自動運動において回外運動を訓練する「回外」、自動運動において回内運動と回外運動の両方を訓練する「回内外」のいずれかに設定できる。
【0025】
ここで本実施形態では、人体の一般的構成として、手首関節部18の屈曲軸Bが前腕部17の軸中心Cに略直交する(つまり、手首関節部18の屈曲中心点P1が前腕部17の軸中心C上に位置している)配置関係にあるとする。そして上述したように、固定部材15は、前腕部17の軸中心Cを回動部4の回転軸心AXと略一致させる配置関係で当該前腕部17を固定している。その上で、グリップ16を把持する手30の把持中心点P2が前腕部17の軸中心Cの略延長線上に位置している場合には、
図4に示すように、その把持中心点P2と、手首関節部18の屈曲中心点P1と、固定部材15による前腕部17の固定中心点P3の全てが回動部4の回転軸心AX上で略一直線上に重複する配置関係となる。この配置関係にあることで、回動部4が回転軸心AX周りに回動する際には、訓練対象者の前腕部17、手首関節部18、及び手30の全体が前腕部17の軸中心C周りに円滑に回動できる。
【0026】
しかしながら、例えば麻痺患者等の場合には、
図5に示すように、通常時においてもその手30が前腕部17の軸中心Cに対して所定の屈曲角度Rで屈曲した状態(図中の実線部参照)となっている場合がある。そのような麻痺患者が訓練対象者である場合、上記
図4に示したような手30の把持中心点P2の配置のままでは前腕部17の軸中心C周りの回動運動が困難となる。
【0027】
そこで本実施形態では、
図6に示すように、あらかじめその麻痺患者の手30の屈曲角度Rに合わせて回動アーム26の回動角を調整、固定した状態で利用する。これにより、手30の屈曲角度Rに合わせた位置の把持中心点P2′でグリップ16を自然に把持させつつ、手首関節部18の屈曲中心点P1と、固定部材15による前腕部17の固定中心点P3と、前腕部17の軸中心Cとを回動部4の回転軸心AX上に重複させる配置関係を維持できる。この結果、前腕部17の軸中心C周りの円滑な回動動作が可能となる。
【0028】
<3.コントローラの機能構成>
次に、
図7を参照しつつ、コントローラ12の機能構成の一例について説明する。
図7はコントローラ12の機能構成の一例を表す説明図である。
【0029】
図7に示すように、コントローラ12は、心拍測定部41と、運動制御部42と、表示入力制御部43とを有する。
【0030】
心拍測定部41は、固定部材15に設けた2つの電極23(図中の第1電極、第2電極)からの検知信号に基づいて訓練対象者の心拍数を測定し、その測定結果を表示入力制御部43及び運動制御部42に出力するよう機能する。
【0031】
運動制御部42は、別途設定した訓練種別に応じて、回動部4に対する回内、回外の各運動における他動運動と自動運動の切り替えを制御するよう機能する。具体的には、エンコーダ11からの検出信号を参照しつつ、訓練種別に対応した所定のタイミングと回転角度でモータ10の駆動を制御する。なお、運動制御部42による制御は、速度指令に基づく速度制御でもよいし、速度が設定速度となるように位置指令を順次変更する位置制御としてもよい。また運動制御部42は、その制御状態などの各種情報を表示入力制御部43に出力する。
【0032】
また、この運動制御部42には、2つのボタンスイッチ25(図中の左ボタンスイッチ、右ボタンスイッチ)が並列に接続されており、それらのいずれか1つでも操作された際にはモータ10の作動を停止させる。つまり、2つのボタンスイッチ25はいずれも同等に訓練動作を停止させる機能を有している。そして、上記
図1に示したように2つのボタンスイッチ25が装置本体3の前面でそれぞれ左右に配置されていることで、訓練対象者は左右のいずれか一方の前腕部17を固定部材15に固定した状態でも、他方の自由な手でいずれか近い側のボタンスイッチ25を容易に操作できる。なお、ボタンスイッチ25は一例として押下操作される構成のものであってもよく、押下操作されるたび運動制御部42がモータ10の作動と停止を交互に切り替えるよう制御してもよい。これにより、訓練対象者は、任意のペースで訓練動作の実行と停止を切り替えることができる。
【0033】
また、運動制御部42は、上記心拍測定部41の測定結果に基づいて訓練対象者の身体状態に応じた回動部4の回動制御を行う。例えば上記心拍測定部41が測定した心拍数が所定値を越えた場合には回動部4の回動運動(他動運動)を停止させるなどにより、訓練対象者に無理な訓練を抑制させることができる。
【0034】
表示入力制御部43は、上記心拍測定部41が出力した測定結果や上記運動制御部42が出力した各種情報をタッチパネル9に表示させるよう機能するとともに、ユーザ(訓練対象者、介護者)からタッチパネル9を介して入力された各種操作情報を心拍測定部41や運動制御部42に出力するよう機能する。
【0035】
<4.本実施形態による効果>
以上説明したように、本実施形態の運動機能回復訓練装置1は、グリップ16が、固定部材15に対して手首関節部18の屈曲軸Bと略一致する回動軸S周りの任意の回動角度で固定可能に支持されている。これにより、通常時に手30が前腕部17に対して屈曲した状態にある麻痺患者等が訓練者として利用する場合であっても、その手30で把持するグリップ16をその屈曲角度Rに合わせて回転軸心AX上から回動した位置に固定できる。この結果、上記麻痺患者等の訓練者でも自然な装着で無理のない前腕部17の回転動作が可能となり、運動機能回復訓練装置1の訓練での利便性が向上する。
【0036】
また、本実施形態では特に、回動軸Sに対するグリップ16の離間距離を調整可能な距離調整機構を有している。これにより、訓練者の身体の寸法に合わせて回動軸Sと、固定部材15での前腕部17の固定中心点P3と、グリップ16の把持中心点P2,P2′との間の配置関係を適切に調整できるため、より自然な装着が可能となる。
【0037】
また、本実施形態では特に、グリップ16を着脱交換可能な着脱機構を有している。これにより、訓練者の手30の大きさ、屈曲状態、又は把持能力に適した形状や大きさのグリップ(特に図示せず)に交換可能となり、より自然な装着で無理のない前腕の回転動作が可能となる。
【0038】
また、本実施形態では特に、前腕部17の表面に接触するよう固定部材15に設けられた電極23からの検知信号に基づいて心拍数を測定する心拍測定部41をさらに備えている。これにより、前腕部17の運動機能の回復訓練と同時に、電極23を利用した訓練対象者の心拍数の測定も可能となる。
【0039】
また、本実施形態では特に、モータ10の作動を停止させるボタンスイッチ25をさらに備えている。これにより、介護者が付き添っていない間でも訓練対象者自身が任意に回復訓練動作を停止して休憩することが可能となる。
【0040】
また、本実施形態では特に、ボタンスイッチ25は、訓練者対象者が左右いずれか一方の前腕部17を固定部材15に固定した状態で、他方の手30で操作可能な2箇所の位置に備えられている。これにより、固定部材15を訓練対象者の左右の前腕部17のいずれにも共通に固定できる形態とした場合でも、固定していない方の手30でそれぞれ操作が容易な2箇所の位置にボタンスイッチ25を配置でき、さらに利便性が向上する。
【0041】
<5.変形例>
以上、添付図面を参照しながら一実施の形態について詳細に説明した。しかしながら、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範囲は、ここで説明した実施の形態に限定されるものではない。本実施形態の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、技術的思想の範囲内において、様々な変更や修正、組み合わせなどを行うことに想到できることは明らかである。従って、これらの変更や修正、組み合わせなどが行われた後の技術も、当然に技術的思想の範囲に属するものである。
【0042】
例えば、前腕部17を固定した状態の固定部材15を軸方向断面で示した
図8に示すように、固定部材15の内周側に環状のエアバッグ24を備えてもよい。この
図8において、エアバッグ24は例えば布体物を縫製して作成した環状の袋体であり、その内径には訓練対象者の前腕部17を挿通させることができる。このエアバッグ24の内部に特に図示しない別途のエアポンプから空気圧を供給することで当該エアバッグ24全体を膨張させることができ、その内径に挿通させている前腕部17の外周を圧迫して固定することができる。これにより、前腕部17の外周に対して均等かつ柔軟な圧力で密着しつつ確実に固定できるため、訓練対象者における装着の負担を軽減できる。
【0043】
また、コントローラ12が上記エアバッグ24の内部空気圧の経時変化に基づいて当該訓練対象者の血圧を測定する血圧測定部44を備えてもよい。これにより、前腕部17の運動機能の回復訓練と同時に、エアバッグ24を利用した訓練者対象者の血圧の測定も可能となる。
【0044】
<6.コントローラのハードウェア構成例>
次に、
図9を参照しつつ、上記で説明したCPU901が実行するプログラムにより実装された心拍測定部41、運動制御部42、表示入力制御部43、又は血圧測定部44等による処理を実現するコントローラ12のハードウェア構成例について説明する。なお、
図9中では、コントローラ12のモータ10に駆動電力を給電する機能に係る構成を適宜省略して図示している。
【0045】
図9に示すように、コントローラ12は、例えば、CPU901と、ROM903、RAM905と、ASIC又はFPGA等の特定の用途向けに構築された専用集積回路907と、入力装置913と、出力装置915と、記録装置917と、ドライブ919と、接続ポート921と、通信装置923とを有する。これらの構成は、バス909や入出力インターフェース911を介し相互に信号を伝達可能に接続されている。
【0046】
プログラムは、例えば、ROM903やRAM905、記録装置917等に記録しておくことができる。
【0047】
また、プログラムは、例えば、フレキシブルディスクなどの磁気ディスク、各種のCD・MOディスク・DVD等の光ディスク、半導体メモリ等のリムーバブルな記録媒体925に、一時的又は永続的に記録しておくこともできる。このような記録媒体925は、いわゆるパッケージソフトウエアとして提供することもできる。この場合、これらの記録媒体925に記録されたプログラムは、ドライブ919により読み出されて、入出力インターフェース911やバス909等を介し上記記録装置917に記録されてもよい。
【0048】
また、プログラムは、例えば、ダウンロードサイト・他のコンピュータ・他の記録装置等(図示せず)に記録しておくこともできる。この場合、プログラムは、LANやインターネット等のネットワークNWを介し転送され、通信装置923がこのプログラムを受信する。そして、通信装置923が受信したプログラムは、入出力インターフェース911やバス909等を介し上記記録装置917に記録されてもよい。
【0049】
また、プログラムは、例えば、適宜の外部接続機器927に記録しておくこともできる。この場合、プログラムは、適宜の接続ポート921を介し転送され、入出力インターフェース911やバス909等を介し上記記録装置917に記録されてもよい。
【0050】
そして、CPU901が、上記記録装置917に記録されたプログラムに従い各種の処理を実行することにより、上記の心拍測定部41、運動制御部42、表示入力制御部43、又は血圧測定部44等による処理が実現される。この際、CPU901は、例えば、上記記録装置917からプログラムを直接読み出して実行してもよいし、RAM905に一旦ロードした上で実行してもよい。更にCPU901は、例えば、プログラムを通信装置923やドライブ919、接続ポート921を介し受信する場合、受信したプログラムを記録装置917に記録せずに直接実行してもよい。
【0051】
また、CPU901は、必要に応じて、例えばマウス・キーボード・マイク(図示せず)等の入力装置913から入力する信号や情報に基づいて各種の処理を行ってもよい。
【0052】
そして、CPU901は、上記の処理を実行した結果を、例えば表示装置や音声出力装置等の出力装置915から出力してもよく、さらにCPU901は、必要に応じてこの処理結果を通信装置923や接続ポート921を介し送信してもよく、上記記録装置917や記録媒体925に記録させてもよい。
【0053】
なお、以上の説明において、「垂直」「平行」「平面」等の記載がある場合には、当該記載は厳密な意味ではない。すなわち、それら「垂直」「平行」「平面」とは、設計上、製造上の公差、誤差が許容され、「実質的に垂直」「実質的に平行」「実質的に平面」という意味である。
【0054】
また、以上の説明において、外観上の寸法や大きさが「同一」「等しい」「異なる」等の記載がある場合は、当該記載は厳密な意味ではない。すなわち、それら「同一」「等しい」「異なる」とは、設計上、製造上の公差、誤差が許容され、「実質的に同一」「実質的に等しい」「実質的に異なる」という意味である。
【0055】
但し、例えばしきい値や基準値等、所定の判定基準となる値あるいは区切りとなる値の記載がある場合は、それらに対しての「同一」「等しい」「異なる」等は、上記とは異なり、厳密な意味である。