(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
[A:実施形態の概要]
図1は、本実施形態の概要を説明する図である。ユーザにより投稿された投稿情報に、その投稿位置と関連付けられることがある。本実施形態では、この投稿位置を、意図的に曖昧にして表すことを可能とする。このようにすることで、ユーザの自宅や勤務先等の場所が、第三者に知られてしまうことによる不都合を回避できるからである。
図1には、或る地域の地
図M上に、所定のエリア毎の投稿情報の数が、オブジェクトR1を用いて表示されている。オブジェクトR1は、数字を丸囲みして表した表示要素である。この数字は、対応するエリアで投稿された投稿情報の数を示す。
【0017】
全ての投稿情報について、投稿位置を曖昧にしなくてもよい。例えば、オブジェクトR2は、そのオブジェクトR2によって特定される位置(以下「基準位置」という。)を投稿位置として利用できることを意味する。オブジェクトR2を選択して投稿情報が投稿された場合は、そのオブジェクトR2によって特定される基準位置が投稿位置となる。オブジェクトR1又はR2がユーザによって選択されると、その選択に応じた投稿位置で投稿された投稿情報が、画面SCに示すように一覧表示(この例では、タイムライン表示)される。
【0018】
[B:実施形態の構成]
図2は、本発明の一実施形態に係る投稿情報システム1の全体構成を示す図である。投稿情報システム1は、投稿情報に基づいて処理を実行するシステムである。投稿情報は、本実施形態では、SNSに係る投稿情報であって、SNSを利用するユーザによって投稿される投稿情報である。投稿情報は、文字や記号等からなるメッセージを含むが、これ以外にも、画像や写真等の要素が含まれてもよい。
【0019】
投稿情報システム1は、複数の端末装置10と、投稿情報サーバ20とを備える。複数の端末装置10、及び投稿情報サーバ20は、通信回線NW経由で通信を行う。通信回線NWは、例えば、インターネット、及び無線通信網を含む公衆の通信回線である。ただし、通信回線NWの種別は特に問わない。また、通信回線NWは、有線及び無線のいずれであってもよい。
図2には端末装置10が2台だけ示されているが、実際にはより多数存在する。
【0020】
複数の端末装置10は、SNSを利用するユーザによって使用される。端末装置10は、
図2ではスマートフォンであるが、タブレット型コンピュータ等の、通信機能及び表示機能を有する端末装置であってもよい。また、端末装置10は、ユーザの身体の部位に装着されるウェアラブル型端末(例えば、腕時計型端末)、又は携帯型でない端末装置(例えば、デスクトップ型のコンピュータ装置)であってもよい。投稿情報サーバ20は、ユーザにより投稿された投稿情報を、投稿情報DB(Data Base)210に蓄積するサーバ装置である。投稿情報DB210は、本発明の蓄積部に相当する。投稿情報DB210は、例えばハードディスクで例示される記憶装置を用いて実現される。
【0021】
図3は、端末装置10の構成の一例を示す図である。
図3に示すように、端末装置10は、制御部11と、通信部12と、UI(User Interface)部13と、測位部14と、記憶部15とを備える。
制御部11は、端末装置10の各部を制御する。制御部11は、演算処理装置としてのCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、及びRAM(Random Access Memory)を含むプロセッサを有する。CPUは、ROM又は記憶部15に記憶されたプログラムをRAMに読み出して実行することにより、端末装置10の各部を制御する。通信部12は、通信回線NW経由で、投稿情報サーバ20と通信する。通信部12は、例えば無線通信回路及びアンテナを含む。UI部13は、ユーザとの対話を行う。UI部13は、具体的には、表示部131と入力部132とを含む。表示部131は、表示面に画像を表示する。表示部131は、例えば液晶ディスプレイを備える。入力部132は、ユーザからの情報の入力を受け付ける。入力部132は、例えば、表示部131の表示面に重ねて設けられたタッチパネル、及び物理ボタンを備える。入力部132は、音声入力を受け付けるためのマイクロフォンを備えてもよい。測位部14は、端末装置10の位置(つまり、端末装置10のユーザの位置)を測定し、測定した位置を示す位置情報を生成する。測位の方式は、例えばGPS(Global Positioning System)方式である。この場合、測位部14は、GPS信号を受信するための回路及びアンテナを備える。記憶部15は、制御部11により実行されるプログラムや、後述する処理を実行するために必要なデータを記憶する。記憶部15は、例えばフラッシュメモリを備える。
【0022】
図4は、投稿情報DB210の構成の一例を示す図である。投稿情報DB210には、複数の投稿情報の各々が、投稿位置、及び投稿時に関連付けて蓄積されている。「投稿位置」は、端末装置10が投稿情報サーバ20に投稿情報を投稿(送信)したときの、端末装置10の位置を示す。「投稿時」は、端末装置10が投稿情報を投稿した時点(より具体的には日時)を示す。ただし、投稿情報DB210において、投稿位置が関連付けられていない投稿情報が含まれてもよい。
【0023】
図5は、端末装置10の機能構成の一例を示す図である。端末装置10の制御部11は、投稿位置設定部111と、提示部112と、投稿情報生成部113と、投稿部114と、制限位置設定部115と、位置特定部116と、取得部117と、表示制御部118とを含む。制御部11の各機能は、プロセッサ、及びプロセッサにより実行されるプログラムの協働により実現される。
【0024】
投稿位置設定部111は、投稿位置を設定する。提示部112は、地図を複数のメッシュ領域に区分して、表示部131を用いて、ユーザに提示する。投稿位置設定部111は、提示部112により提示されたメッシュ領域の中から、ユーザにより選択されたメッシュ領域を、投稿位置に設定することができる。投稿位置設定部111は、上述した基準位置を投稿位置にすることもできる。
【0025】
図6は、本実施形態のメッシュ領域を説明する図である。
図6の左段には縮尺が比較的小さい場合のメッシュ領域が、
図6の右段には縮尺が比較的大きい場合のメッシュ領域が示されている。
本実施形態のメッシュ領域は、http://geogames.net/geohex/v3に開示されている方法で実現される。一のメッシュ領域は、地理上の位置、ここでは地図上のエリアを特定する。メッシュ領域は、提示部112によって地図に重ねて提示される。
図6から分かるように、一のメッシュ領域は、地図の縮尺が大きいほどより狭いエリアに対応し、地図の縮尺が小さいほどより大きいエリアに対応する。本実施形態のメッシュ領域は、投稿位置を曖昧化したり、地図上の位置を設定したりするために用いられる。
【0026】
投稿情報生成部113は、入力部132を用いてユーザにより入力された情報に基づいて、投稿情報を生成する。投稿部114は、投稿情報生成部113により生成された投稿情報を、投稿位置設定部111が設定した投稿位置と関連付けて、投稿情報サーバ20へ投稿する。具体的には、投稿部114は、投稿情報及び投稿位置を、通信部12を用いて、投稿情報サーバ20へ送信する。
【0027】
制限位置設定部115は、投稿部114による投稿を制限する制限位置を設定する。本実施形態では、制限位置設定部115は、投稿を制限するエリアである「制限エリア」を設定する。投稿部114は、投稿位置が制限位置に含まれる、つまり制限エリア内に属する場合には、投稿を制限する。「投稿の制限」とは、投稿の禁止、投稿情報に含まれる情報の一部の削除等の、本来行われるべき投稿を妨げることをいう。投稿の前に、ユーザに警告を発したりユーザに確認を求めたりする処理も、この処理がユーザにとっては投稿の妨げとなるので、「投稿の制限」に含まれるものとする。制限位置設定部115は、例えば、入力部132を用いてユーザにより入力された情報に基づいて、制限エリアを設定する。
【0028】
位置特定部116は、地理上の位置を特定する。位置特定部116は、投稿情報サーバ20から、どの投稿位置に関連付けられた投稿情報を取得するかを特定する。位置特定部116は、地理上の位置、本実施形態では、地図上のエリア(以下「取得エリア」という。)を特定する。
【0029】
取得部117は、通信部12を用いて投稿情報サーバ20と通信して、投稿情報DB210から投稿情報を取得する。取得部117は、位置特定部116が特定した地理上の位置(つまり取得エリア)に応じた投稿情報を取得する。この際、取得部117は、取得エリアに応じた投稿位置を含む投稿情報のうち、所定の基準時に投稿時が近い順に、予め決められた数の投稿情報を取得する。
【0030】
表示制御部118は、取得部117が取得した投稿情報を、表示部131へ表示させる。表示制御部118は、具体的には、投稿情報に対応するオブジェクトを、地図上の投稿位置に応じた位置において表示させる。また、表示制御部118は、オブジェクトが選択されると、このオブジェクトに対応する投稿情報を表示部131へ表示させる。また、表示制御部118は、取得エリアが選択されると、この取得エリアに対応する投稿情報を表示部131へ表示させる。
【0031】
[C:実施形態の動作]
<C−1:投稿時の動作>
図7は、投稿時に端末装置10が実行する処理を示すフローチャートである。
投稿情報の作成前に、制限位置設定部115は、制限エリアを設定するかどうかを判定する(ステップS1)。ステップS1で「NO」と判定した場合は、端末装置10の処理はステップS3に進む。ユーザが制限エリアを設定する必要がないと考える場合、この処理の流れとなる。
【0032】
一方、ステップS1で「YES」と判定すると、制限位置設定部115は制限エリアを設定する(ステップS2)。
図8は、制限エリアの設定手順を説明する図である。この例では、ユーザが指定した地域の地
図Mが表示部131に表示されている。更に、提示部112は、地
図Mを
図6で説明した方法で複数のメッシュ領域に区分して、提示する。
図8に示す「1」〜「5」の数字が付されたソフトボタンB1〜B5は、地図の縮尺を変更するためのボタンである。本実施形態では、ソフトボタンB1,B2,B3,B4,B5の順で縮尺が小さい。
図8の上段には、ソフトボタン「B2」が選択された状態が示されている。ユーザがいずれかのメッシュ領域を選択すると、制限位置設定部115は、このメッシュ領域に基づいて制限エリアを設定する。ここでは、制限位置設定部115は、
図8の下段に示すように、メッシュ領域T11,T12,T17,T18を制限エリアに設定したものとする。例えば、ユーザの自宅やその近所、勤務先等が第三者に把握されるのを防ぐために、特定のエリアが制限エリアに設定される。
なお、地図の縮尺が変更された場合は、その変更に伴い、提示部112が提示するメッシュ領域も変化する。また、一のユーザが設定できる制限エリアの数又はサイズに上限が設けられてもよい。投稿が制限される場所が過度に増えすぎないようにするためである。また、縮尺の種類は4つ又は6つ以上であってもよい。
【0033】
図7に戻って説明する。
次に、投稿情報生成部113は、入力部132を用いてユーザにより入力された情報に基づいて、投稿情報を生成する(ステップS3)。なお、ステップS2で制限エリアが設定された場合、制限エリアの設定と投稿情報の生成とが一連の処理である必要はない。例えば、制限位置設定部115が一度設定した制限エリアを保存することで、投稿情報の生成は、当該制限エリアの設定後のいつに行われてもよいこととなる。
次に、投稿位置設定部111は、投稿位置を曖昧化するかどうかを判定する(ステップS4)。本実施形態では、投稿位置を曖昧化する場合は、メッシュ領域を用いた投稿位置の設定が行われる。投稿位置を曖昧化しない場合は、
図1で説明した基準位置を用いて投稿位置の設定が行われるものとする。
【0034】
ステップS4で「YES」と判定された場合、提示部112は、投稿位置の候補となるメッシュ領域を、表示部131を用いて提示する(ステップS5)。
図9及び
図10は、投稿位置の候補となるメッシュ領域の提示方法を示す図である。
図9には縮尺が比較的小さい場合のメッシュ領域が、
図10には縮尺が比較的大きい場合のメッシュ領域が示されている。提示部112は、例えば
図9に示すように、地
図M上の測位部14で測位された位置が属するメッシュ領域T1を提示する。更に、提示部112は、メッシュ領域T1に隣接するメッシュ領域T11〜T16を提示する。メッシュ領域T11〜T16は、それぞれメッシュ領域T1と一辺を共有するメッシュである。縮尺が変更されて縮尺が大きくなった場合、提示部112は、例えば
図10に示すように、地
図M1上の測位部14で測位された位置が属するメッシュ領域T2を、表示部131を提示する。更に、提示部112は、メッシュ領域T2に隣接するメッシュ領域T21〜T26を提示する。メッシュ領域T21〜T26は、それぞれメッシュ領域T2と一辺を共有するメッシュである。ユーザの現在位置は、メッシュ領域T1又はT2内に属する可能性が高い。しかし、測位部14で測定された位置には、誤差が含まれることがある。よって、ユーザに現在位置に対応するメッシュ領域を選択させる仕組みを採用している。ここでは、ユーザが、メッシュ領域T1を選択したものとする。
【0035】
図7に戻って説明する。
投稿位置設定部111は、投稿位置の候補となるメッシュ領域の中からユーザにより選択されたメッシュ領域を、投稿位置として設定する(ステップS6)。ここでは、投稿位置設定部111は、メッシュ領域T1を設定する。次に、投稿部114は、設定された投稿位置が、制限エリア内かどうかを判定する(ステップS7)。制限エリアは、ここでは、メッシュ領域T11,T12,T17,T18である。よって、投稿部114は、ステップS7で「NO」と判定する。そして、投稿部114は、メッシュ領域T1を投稿位置として関連付けた投稿情報を、通信部12を用いて、投稿情報サーバ20へ送信する(ステップS8)。
【0036】
仮にステップS7で制限エリア内と判定された場合(ステップS7;YES)、投稿部114は投稿情報の投稿を制限する。投稿部114は、ここでは、ステップS6でメッシュ領域T11,T12,T17,T18のいずれかを現在位置として設定した場合に、投稿を制限する。投稿部114は、例えば、
図11に示すように「注意! この場所では投稿できません。」というメッセージを表示部131に表示させて、投稿を禁止する。
【0037】
ステップS4で「NO」と判定された場合、投稿位置設定部111は、基準位置に基づいて投稿位置を設定する(ステップS9)。投稿位置設定部111は、
図12に示すように、地
図M上に表示されたオブジェクトR2のいずれかがユーザにより選択されると、選択されたオブジェクトR2に対応する基準位置を投稿位置として設定する。そして、投稿部114は、設定した投稿位置を関連付けた投稿情報を、通信部12を用いて、投稿情報サーバ20へ送信する(ステップS8)。
以上が、投稿時に端末装置10が実行する処理の説明である。
【0038】
<C−2:ユーザの投稿情報の閲覧時の動作>
図13は、ユーザの投稿情報の閲覧時に端末装置10が実行する処理を示すフローチャートである。
まず、端末装置10において位置特定部116は、取得エリアを特定する(ステップS11)。位置特定部116は、入力部132を用いてユーザにより入力された情報に基づいて、取得エリアを特定する。ここでは、
図14に示すように、地
図M上の一部のエリアである取得エリアWが特定されたものとする。
なお、位置特定部116は、取得エリアWを地
図M上に明示することが望ましい。また、取得エリアWは矩形であるが、他の形状とされてもよい。
【0039】
次に、取得部117は、取得エリアに応じて、投稿情報サーバ20から投稿情報を取得する(ステップS12)。
図15は、取得部117が取得する投稿情報を説明する図である。取得部117は、ここでは、取得エリアW内に属する投稿位置と関連付けられた投稿情報のうち、基準時に投稿時が近い順に、予め決められた数の投稿情報を取得する。基準時は、ここでは取得エリアWの指定時である。投稿情報の取得数は、例えば「100」であるが、「100」以外であってもよい。
図15に示すように、取得部117は、ここでは、時間軸上の進行方向の逆方向(つまり、過去に遡る方向)(時間軸上の一方向の一例)に沿って、100件分の投稿情報を取得する。これにより、取得エリアW内に投稿位置が属する投稿情報であって、投稿時が基準時である「t0」から「t1」までに含まれる投稿情報が取得される。
【0040】
図13に戻って説明する。
次に、表示制御部118は、取得部117が取得した投稿情報の一覧画面を、表示部131に表示させる(ステップS13)。
【0041】
図16は、投稿情報の一覧画面の一例を示す図である。ここでは、投稿時が「t0」から「t1」までに含まれる投稿情報に応じてオブジェクトR1,R2が表示される。オブジェクトR1は、各メッシュ領域を用いて投稿位置が設定された投稿情報に対応する。オブジェクトR2は基準位置を用いて投稿位置が設定された投稿情報に対応する。
図16に示すように、取得エリアW内に属する投稿位置の投稿情報に対応するオブジェクトのみが表示され、取得エリアW外に属する投稿位置の投稿情報に対応するオブジェクトは表示されない。
このように、投稿位置が取得エリアW内に属する投稿情報のうち、基準時から過去に遡った100件分の投稿情報のみが表示の対象となる。よって、投稿情報の一覧画面の視認性が低下する事態は起こりにくい。また、投稿位置は上述したように、メッシュ領域又は基準位置を用いて表されるから、緯度、経度のような詳細な投稿位置を第三者に知られることはない。
【0042】
また、表示制御部118は、表示部131を用いて、投稿情報をタイムライン表示する(ステップS14)。表示制御部118は、取得エリアWが選択されると、この取得エリアWに対応する投稿情報を表示部131へ表示させる。
図17は、投稿情報のタイムライン表示の一例を示す図である。取得エリアWを指定して投稿情報をタイムライン表示する場合、例えば
図17に示すとおりになる。この例では、投稿時が基準時に近いほど上位となるように、100件の投稿情報が、投稿時の時系列順に表示される。表示制御部118いずれかの投稿情報をユーザが選択した場合に、
図16で説明したオブジェクトR1,R2のどれに対応するかを明示してもよい。
なお、表示制御部118は、オブジェクトR1又はR2が選択されると、このオブジェクトに対応する投稿情報を表示部131へ表示させる。
【0043】
図13に戻って説明する。
ユーザは、更に過去の投稿時に遡って投稿情報を閲覧したい場合、入力部132を用いて、投稿情報の更新要求に係る情報の入力を行う。ここでは、
図16に示すソフトボタンB11を選択する操作が行われるものとする。取得部117は、投稿情報の更新要求の入力を受け付けると(ステップS15)、投稿情報DB210から投稿情報を取得する(ステップS16)。ここでは、取得エリアについては、ステップS11で特定された取得エリアWがそのまま用いられる。取得部117は、投稿位置が取得エリアW内に属する投稿情報のうち、ステップS12で最後に取得した投稿情報の投稿時に近い投稿時のものから順に、予め決められた数の投稿情報を取得する。即ち、取得部117は、時間軸上の進行方向の逆方向(つまり、投稿時が過去に遡る方向)に沿って、更に100件分の投稿情報を取得する。これにより、投稿位置が取得エリアW内に投稿位置が属する投稿情報であって、投稿時が「t1」から「t2」までに含まれる投稿情報が取得される。
【0044】
図13に戻って説明する。
次に、表示制御部118は、投稿情報の一覧画面を、表示部131に表示させる(ステップS17)。
図18は、投稿情報の一覧画面の一例を示す図である。この一覧画面は、投稿時が「t1」から「t2」までに含まれる投稿情報に対応するオブジェクトが表示される点を除き、
図16で説明した一覧画面と同様の構成となる。
なお、表示制御部118は、新たに取得された投稿情報に対応するオブジェクトを、それよりも前に取得された投稿情報に対応するオブジェクトに追加して表示してもよい。ここでは、表示制御部118は、投稿時が「t0」から「t1」までに含まれる投稿情報に対応するオブジェクトに追加して、投稿時が「t1」から「t2」までに含まれる投稿情報に対応するオブジェクトを表示させてもよい。この場合も、一度に追加される投稿情報の数は決められた数に制限されることに変わりはない。
【0045】
また、表示制御部118は、表示部131を用いて、投稿情報をタイムライン表示する(ステップS18)。表示制御部118は、取得エリアWが選択されると、この取得エリアWに対応する投稿情報を表示部131へ表示させる。
図19は、投稿情報のタイムライン表示の一例を示す図である。このタイムライン表示は、投稿時が「t1」から「t2」までに含まれる投稿情報に対応するオブジェクトが表示される点を除き、
図17で説明したタイムライン表示と同様の構成となる。
なお、表示制御部118は、新たに取得された投稿情報を、それよりも前に取得された投稿情報に追加して、タイムライン表示を行ってもよい。ここでは、表示制御部118は、投稿時が「t0」から「t1」までに含まれる投稿情報に追加して、投稿時が「t1」から「t2」までに含まれる投稿情報を表示させる。この場合も、一度に追加される投稿情報の数は決められた数に制限されることに変わりはない。また、表示制御部118は、オブジェクトR1又はR2が選択されると、このオブジェクトに対応する投稿情報を表示部131へ表示させる。
【0046】
ユーザが、投稿情報の更新要求に係る情報の入力を行うたびに、ステップS15〜S18の処理ステップが実行されて、次々と投稿情報が更新される。ここでは100件単位で投稿情報が更新されるので、一覧画面及びタイムライン表示の煩雑化が抑制される。
【0047】
取得部117は、時間軸上の進行方向の逆方向(つまり、過去に遡る方向)に沿って、100件分の投稿情報を逐次取得していくだけでなく、
図20に示すように、時間軸上の進行方向(つまり、投稿時が進む方向)に沿って、決められた数の投稿情報を取得してもよい。ここでは、
図17又は
図19に示すソフトボタンB12を選択する操作が行われた場合に、取得部117は、基準時である「t0」から「t3」まで、「t3」から「t4」までという順で、投稿情報を取得する。
なお、ソフトボタンB11,B12は、スライダ形式のボタン等の他の表示部品に置き換えられてもよい。
【0048】
以上説明した実施形態の投稿情報システム1によれば、大量の投稿情報が存在する場所であっても、端末装置10が大量の投稿情報をダウンロードしてしまうことがない。また、ユーザには、一度に大量の投稿情報が新たに追加して表示されてしまい、大量の投稿情報の中から自身が所望する投稿情報を探し出さなければならない、という手間が生じにくい。よって、投稿情報システム1によれば、投稿位置と関連付けられた投稿情報の中から、ユーザが所望する投稿情報を閲覧しやすくすることができる。
【0049】
[変形例]
本発明は、上述した実施形態と異なる形態で実施することが可能である。本発明は、例えば、以下のような形態で実施することも可能である。また、以下に示す変形例は、各々を適宜に組み合わせてもよい。
(変形例1)
上述した実施形態では、投稿位置を曖昧化する場合に、メッシュ領域単位でエリアが設定されていたが、これに限らない。例えば、円形等の所定の形状・大きさの領域単位でエリアが設定されてもよいし、ユーザが任意の形状の・大きさのエリアを設定できるようにしてもよい。これらの場合も、エリアのサイズが大きいほど、投稿位置の曖昧さが増す。なお、制限エリアを設定する場合も、メッシュ領域単位でエリアが設定されなくてもよい。
【0050】
(変形例2)
投稿位置設定部111は、投稿位置の曖昧化の度合いを、ユーザの指定によらないで変更してもよい。
(i)投稿情報の内容
投稿位置設定部111は、投稿情報の内容に応じて投稿位置の曖昧化の度合いを変化させてもよい。例えば、投稿情報に、氏名や年齢、性別、勤務先等、個人のプライバシーに関わる情報が含まれる場合、投稿位置設定部111は、投稿位置の曖昧化の度合いを高くする。反対に、そのような情報が含まれない場合、投稿位置設定部111は、投稿位置の曖昧化の度合いを低くする。投稿情報の内容と投稿位置の曖昧化の度合いとの関係については、予め決められていればよい。
【0051】
(ii)所定の位置からの距離
投稿位置設定部111は、所定の位置からの距離に応じて投稿位置の曖昧化の度合いを変化させてもよい。例えば、ユーザの自宅や勤務先の付近では、精密な投稿位置は第三者に把握されたくないが、旅行先等では精密な投稿位置が第三者に把握されても問題ない場合があるからである。
【0052】
(iii)時刻
投稿位置設定部111は、時刻に応じて投稿位置の曖昧化の度合いを変化させてもよい。例えば、午前中・午後の投稿においては、日常の行動が把握されやすいという意味で精密な投稿位置は第三者に把握されたくないが、夜間等では精密な投稿位置が第三者に把握されても問題ない場合があるからである。
【0053】
(iv)場所
投稿位置設定部111は、ユーザの位置(端末装置10の位置)に応じて投稿位置の曖昧化の度合いを変化させてもよい。例えば、投稿時のユーザの位置が都市部のような場所では、観光スポットやランドマーク等の場所が多いので精密な投稿位置が第三者に把握されてもよいが、過疎地のような場所等では精密な投稿位置が第三者に把握されやすい場合があるからである。
【0054】
(v)その他
また、投稿位置設定部111は、フォロワーのみに投稿情報が開示される場合、開示される相手方の属性(友達等)に応じて、投稿位置の曖昧化の度合いを変化させてもよい。
【0055】
(変形例3)
制限位置設定部115は、制限エリアの設定を、自端末装置10のユーザの当該制限エリアの指定によらないで行ってもよい。
(i)ユーザの移動ルート
制限位置設定部115は、ユーザの移動ルートに応じて制限エリアを設定してもよい。ユーザの移動ルートは、ユーザが日常的に通過するものであるから、第三者に日常的な行動が把握されやすいからである。移動ルートについては、ユーザにより指定されてもよいし、測位部14の測位結果に基づいて自動設定されてもよい。
【0056】
(ii)ユーザの行動の拠点
制限位置設定部115は、ユーザの行動の拠点に応じて制限エリアを設定してもよい。拠点としては、自宅や勤務先等がある。ユーザの行動の拠点は、ユーザが日常的に居る場所であるから、第三者に日常的な行動が把握されやすいからである。
【0057】
(iii)他人の行動の拠点
制限位置設定部115は、自端末装置10のユーザでない他人の行動の拠点に応じて制限エリアを設定してもよい。他人とは、例えば友人や、SNSにおけるフォロワー等である。拠点としては、自宅や勤務先等がある。これにより、他人の不適切な投稿によってユーザが迷惑を被ることを回避することができる。
【0058】
(iv)他人の設定した制限エリア
制限位置設定部115は、他人の設定した制限エリアを、自端末装置10における制限エリアとして設定してもよい。換言すれば、制限位置設定部115は、他人の端末装置10において設定された制限エリアを、自端末装置10における制限エリアとして設定してもよい。これにより、例えば、端末装置10のユーザの自宅等の拠点の周辺で、心無い他人の不適切な投稿がされるのを回避しやすくなる。この場合において、「他人」の条件については、特に問わない。例えば、自端末装置10のユーザ以外の全ての他人であってもよいし、友人やSNSにおけるフォロワー等の、自端末装置10のユーザと所定の関係を有する他人であってもよい。
【0059】
(変形例4)
図21は、この変形例の取得部117が取得する投稿情報を説明する図である。取得部117は、上述した実施形態と同様、ソフトボタンB11を選択する操作が行われると、基準時に投稿時が近い順に、予め決められた数(ここでは100件とする。)の投稿情報を取得する。一方、取得部117は、ソフトボタンB12を選択する操作が行われると、現在に投稿時が近い順に、予め決められた数の投稿情報を取得する。ここで、ソフトボタンB12の操作に応じて、「t5」から現在時点までの投稿情報が取得された場合、「t0」から「t6」までの期間が、取得部117により投稿情報が未だ取得されていない「未取得期間」として存在する。そこで、表示制御部118は、未取得期間の投稿情報を取得するためのソフトボタンB13を、地
図M上に表示させてもよい。取得部117は、ソフトボタンB13が操作されると、未取得期間のうち、予め決められた数の投稿情報を取得する。具体的には、取得部117は、投稿時が未取得期間内に属する投稿情報のうち、投稿時が新しい順に、決められた数の投稿情報を取得する。ここでは、取得部117は、投稿時が「t5」から「t6」までに属する投稿情報を取得する。次にソフトボタンB13が操作されたときは、取得部117は、投稿時が「t0」から「t5」までに属する投稿情報を取得する。未取得期間が存在しない場合には、表示制御部118はソフトボタンB13を表示しない。
【0060】
(変形例5)
取得部117は、取得エリアのサイズに応じて、投稿情報の取得数を変化させてもよい。取得エリアのサイズが大きいほど、その取得エリア内の投稿位置が属する投稿情報は多くなりやすい。よって、取得部117は、取得エリアのサイズが大きいほど、取得する投稿情報の数を多くしてもよい。
【0061】
(変形例6)
上述した実施形態の投稿情報システム1では、投稿情報を取得する場合における、地理上の位置が取得エリアによって特定されていた。これに代えて、投稿情報システムにおいて、位置特定部116は、地理上の位置を、ユーザの移動ルートにより設定してもよい。この場合、取得部117は、ユーザの移動ルートを投稿位置とする投稿情報を取得し、表示することになる。更に投稿情報システムにおいて、投稿位置設定部111は、ユーザの移動ルートを、投稿位置として設定してもよい。この場合、取得部117は、移動ルートが共通する他人の投稿情報を一覧表示することもできる。移動ルートについては、ユーザにより指定されてもよいし、測位部14の測位結果に基づいて自動設定されてもよい。
この変形例の投稿情報システムにおいて、移動ルートが共通するユーザ同士のコミュニケーションを支援してもよい。
【0062】
(変形例7)
上述した実施形態で説明したハードウェア回路、機能又は動作の一部が省略されてもよい。例えば、本発明の投稿システムでは、例えば位置情報の曖昧化や、制限エリアに係る処理等が行わなくてもよい。端末装置10が有していた機能の一部が、端末装置10以外の装置、例えば通信回線NWに接続された外部のサーバ装置で実現されてもよい。例えば、取得部117における投稿情報DB210から投稿情報を選出する機能を、当該サーバ装置で実現することも可能である。
【0063】
上述した実施形態の投稿システムが実現する各機能は、1又は複数のハードウェア回路により実現されてもよいし、1又は複数のプログラムを実行することにより実現されてもよいし、これらの組み合わせにより実現されてもよい。投稿システムの機能がプログラムを用いて実現される場合、このプログラムは、磁気記録媒体(磁気テープ、磁気ディスク(HDD(Hard Disk Drive)、FD(Flexible Disk))等)、光記録媒体(光ディスク等)、光磁気記録媒体、半導体メモリ等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶した状態で提供されてもよいし、ネットワークを介して配信されてもよい。また、本発明は、情報処理方法として把握することも可能である。
【0064】
本願の発明は、上述した実施形態に限定されることなく、請求の範囲に記載した発明の範囲内で種々の変形が可能であり、それらも本発明の範囲内に含まれることはいうまでもない。