(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6860900
(24)【登録日】2021年3月31日
(45)【発行日】2021年4月21日
(54)【発明の名称】包装用容器
(51)【国際特許分類】
B65D 81/34 20060101AFI20210412BHJP
【FI】
B65D81/34 V
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-27527(P2017-27527)
(22)【出願日】2017年2月17日
(65)【公開番号】特開2018-131248(P2018-131248A)
(43)【公開日】2018年8月23日
【審査請求日】2019年12月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】390041058
【氏名又は名称】シーピー化成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000707
【氏名又は名称】特許業務法人竹内・市澤国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】込山 和馬
【審査官】
佐藤 正宗
(56)【参考文献】
【文献】
特開2008−074420(JP,A)
【文献】
登録実用新案第3157861(JP,U)
【文献】
登録実用新案第3051376(JP,U)
【文献】
特開2012−046210(JP,A)
【文献】
特開2012−017136(JP,A)
【文献】
国際公開第98/018688(WO,A1)
【文献】
特開2006−103733(JP,A)
【文献】
特開2001−348074(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 81/34
B65D 81/32
B65D 77/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体フランジ部を備えた容器本体と、容器本体に外嵌合して容器本体の収容部を閉蓋する中皿と、中皿に内嵌合して中皿の収容部を閉蓋するとともに、容器本体に内嵌合して容器本体の収容部も閉蓋できる蓋部と、を備え、
中皿は、収容部の周壁部の上端部から外方に張り出す中皿フランジ部を有し、中皿フランジ部に、本体フランジ部の外縁に係合して容器本体に外嵌合する係合部と、中皿フランジ部から上方に立ち上がり、内面側に設けた嵌合部に蓋部が内嵌合する立壁部と、を備えた包装用容器。
【請求項2】
立壁部の上端部から中皿フランジ部の外縁に向かい傾斜する傾斜面部を備えた請求項1に記載の包装用容器。
【請求項3】
少なくとも蓋部を透明乃至半透明にした請求項1又は2に記載の包装用容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品などを収容できる中皿を備えた包装用容器に関する。
【背景技術】
【0002】
かつ丼や親子丼などの丼物は、米飯の上に具材を載せるものであるが、丼物を弁当にした場合、長い時間放置されることもあり、具材の汁が米飯に浸み込み、米飯がふやけて柔らかくなってしまうことがあった。
そのため、丼物を弁当にする場合は中皿を備えた容器が用いられることがあり、例えば、容器本体に米飯を収容し、中皿に具材を収容して、具材の汁が米飯に浸み込み、米飯が柔らかくなることを防ぐことができる。
【0003】
このような中皿を備えた容器としては、例えば、下記特許文献1には、外周縁が下方に折れ曲がった容器側フランジ部を有する容器本体と、容器本体の容器側フランジ部の上面から側面にかけて覆い被さって当該容器側フランジ部の下縁に引っ掛かるよう内向き突部が形成された中皿側フランジ部を外周縁に有する中皿と、中皿を閉蓋する蓋体とから成る平面形状が円形となった食品包装容器において、相互を径方向に沿う外方に引っ張ることで、容器側フランジ部の下縁に対する中皿側フランジ部の係合を解くよう容器側フランジ部の対向位置における側面下縁から舌片状のつまみ部が延設されて成ることを特徴とする食品包装容器が示され、この容器は、電子レンジ機器による加熱で熱くなっている容器本体に手を掛けずに、容器本体から蓋体・中皿を外すことができるものである。
【0004】
下記特許文献2には、合成樹脂材料にて成形された下容器、中容器及び蓋からなり、それぞれの口縁が互いに重なり合う包装用容器において、下容器の口縁に垂下部分を設け、中容器の周壁には起立部分と、起立部分の外側に垂下部分とを形成し、中容器の垂下部分が上記下容器の垂下部分に外嵌合する構成とし、蓋には中容器の起立部分に密着可能な垂下部分を形成し、この垂下部分が被蓋状態で中容器の起立部分の内側に嵌合する構成であることを特徴とする包装用容器が示され、この容器は汁漏れしにくく、かつ蓋を外し易くしたものである。
【0005】
下記特許文献3には、合成樹脂製シートから熱成形された上容器と下容器と蓋体とを備えたセット販売用の食品包装用容器であって、下容器と上容器は、それぞれ底面部と該底面部の外縁から上方に立ち上がる側壁部と該側壁部の上端から外側に延設されたフランジ部とを備え、上容器は、下容器よりも浅い容器であって下容器の内側に入り込むようにして積み重ねられ、下容器の側壁部の上部と上容器の側壁部の上部にはそれぞれ下側に向けて拡開する逆テーパ形状の逆テーパ嵌合部が形成されて下容器の逆テーパ嵌合部の内側に上容器の逆テーパ嵌合部が嵌合し、且つ、積み重ねられた状態において、上容器の側壁部のうち逆テーパ嵌合部よりも下側の領域は下容器の側壁部に対して内側に離間しており、上容器のフランジ部は、下容器のフランジ部の外縁よりも外側にはみ出したはみ出し部を備え、蓋体は、下容器と嵌合することなく上容器と嵌合して上容器の開口部を閉塞し、上容器と下容器の逆テーパ嵌合部同士の嵌合状態を解除することにより、閉蓋状態を維持しつつ蓋体と上容器とを下容器から一体的に分離可能に構成されていることを特徴とするセット販売用の食品包装用容器が示され、この容器は、セット販売される二種類の食品のうちの一種類の食品のみを蓋付きの容器に収容した状態のままで電子レンジによる加熱調理や保存等の処理を容易に行うことができるものである。
【0006】
【特許文献1】実用新案登録第3157861号公報
【特許文献2】実用新案登録第3051376号公報
【特許文献3】特許第5922274号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記特許文献1及び2の容器は、電子レンジで温める場合、容器本体に収容した食材及び中皿に収容した食材を一緒に温めるものであり、両方の食材を同じ条件で温めることになる。そのため、食材ごとに適切な温度で温めることには不向きである。
【0008】
上記特許文献3の容器は、上容器(中皿)と蓋体とを容器本体から外すことができ、上容器(中皿)の食材のみを温めることができる。しかし、容器本体の食材を温めたいときには、ラップフィルムなどを用いて温めなければならず不便である。
【0009】
そこで、本発明の目的は、中皿の食材及び容器本体の食材それぞれをラップフィルムなどを用いずに適切に温めることができる包装用容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一実施形態の包装用容器は、本体フランジ部を備えた容器本体と、容器本体に外嵌合して容器本体の収容部を閉蓋する中皿と、中皿に内嵌合して中皿の収容部を閉蓋するとともに、容器本体に内嵌合して容器本体の収容部も閉蓋できる蓋部と、を備え
、中皿は、収容部の周壁部の上端部から外方に張り出す中皿フランジ部を有し、中皿フランジ部に、本体フランジ部の外縁に係合して容器本体に外嵌合する係合部と、中皿フランジ部から上方に立ち上がり、内面側に設けた嵌合部に蓋部が内嵌合する立壁部と、を備えたことを特徴とする。
【0011】
上記形態の包装用容器は、蓋部を中皿だけでなく容器本体にも嵌合できるようにしたため、中皿に蓋部を嵌合させて電子レンジで温めた後、中皿から蓋部を外し、外した蓋部を容器本体に嵌合させて電子レンジで温めることができ、それぞれの食材をラップフィルムなどを用いずに適切な条件で温めることができる。
また、蓋部を中皿、容器本体のそれぞれに内嵌合できるようにしたため、中皿を必要としない場合でも包装用容器として用いることができ、様々なメニューに対応できる容器になる。例えば、メニューに「中華丼」や「チャーハン」がある場合、「中華丼」では、容器本体に米飯を収容し、中皿にあんを収容して用いることができ、「チャーハン」では、容器本体にチャーハンを収容して蓋部をすればよく、各メニューの専用容器を準備する必要がなくなり、資材管理品目数の低減やバックヤードの省スペース化を図ることができる。蓋部を中皿、容器本体のそれぞれに内嵌合できるため、どちらを閉蓋しても、密閉性に優れ、汁気の多い食材などを収容しても汁が漏出しにくいものである。
【0012】
上記形態の包装用容器は、中皿を、本体フランジ部に載る中皿フランジ部と、中皿フランジ部の内側に上方に立ち上がる立壁部とを備えた構成にすることができる。
【0013】
立壁部を設けることにより、立壁部に蓋部を嵌合できるので中皿の収容部の収容量を増やすことができる。また、中皿フランジ部が本体フランジ部に載るため、中皿が安定して中皿の底面を高い位置にすることができ、容器本体の収容量を減少させない。よって、このような構成により、容器本体及び中皿を共に容量を増やすことができ、包装用容器全体の食材の収容量を増やすことができる。
【0014】
上記形態の包装用容器は、立壁部の上端部から中皿フランジ部の外縁に向かい傾斜する傾斜面部を備えることができる。
【0015】
このようにすることにより、例えば、中皿に丼物の具材を収容し、容器本体に米飯を収容した場合、中皿の具材を容器本体の米飯に載せる際、中皿の具材を傾斜面部上に滑らせて載せることができ、米飯上に具材を載せやすくすることができる。
【0016】
上記形態の包装用容器は、少なくとも蓋部を透明乃至半透明にすることができる。
【0017】
このようにすることにより、店頭などに陳列した際に外から中身が見え、中皿や容器本体に収容した食材を確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の一実施形態の包装用容器の分解斜視図である。
【
図2】
図1の包装用容器において、容器本体に中皿及び蓋部を嵌合させた状態を示した部分拡大端面図である。
【
図3】
図1の包装用容器の容器本体の斜視図である。
【
図5】
図1の包装用容器の蓋部の一変形例を示した斜視図である。
【
図6】
図1の包装用容器の中皿における隅部付近の部分拡大端面図である。
【
図7】
図1の包装用容器において、中皿に蓋部を嵌合させた状態を示した部分拡大端面図である。
【
図8】
図1の包装用容器において、容器本体に蓋部を嵌合させた状態を示した部分拡大端面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の包装用容器の一実施形態を、図面に基づいて説明する。
【0020】
本発明の一実施形態の包装用容器1は、
図1又は
図2などに示すように、容器本体2と、中皿3と、蓋部4と、を備え、中皿3は容器本体2に嵌合して収容部21を閉蓋でき、蓋部4は中皿3に嵌合して収容部31を閉蓋できるようにしてある。また、蓋部4は容器本体2にも嵌合できるようにしてある。
【0021】
包装用容器1は、例えば、容器本体2の収容部21に第一の食材を収容することができ、中皿3の収容部31に第二の食材を収容することができる。第一の食材と第二の食材は、同じでもよいが別の方が好ましい。
第一の食材としては、特に限定するものではないが、いわゆる主食と呼ばれる食材、具体的には、米飯・めん類・パンなどが好ましい。
第二の食材としては、特に限定するものではないが、いわゆる副食と呼ばれる食材、肉、魚、野菜などが好ましい。
【0022】
例えば、第一の食材を白米などの米飯とし、第二の食材を鶏肉又はとんかつなどを卵で綴じたものにすれば、食する際に第二の食材を第一の食材の上に載せて親子丼又はかつ丼などの丼物にすることができる。また、第一の食材を白米などの米飯とし、第二の食材を肉類や野菜などを綴じた餡にすれば、食する際に第二の食材を第一の食材の上に載せて中華丼にすることができる。
【0023】
包装用容器1は、例えば、シート厚0.1mm〜3mm、好ましくは0.2mm〜2.0mmの合成樹脂シートを熱成形して製造することができる。容器本体2、中皿3、蓋部4は、それぞれ厚みが相違してもよい。
【0024】
合成樹脂シートとしては、特に限定するものではないが、発泡樹脂シート、非発泡樹脂シートのいずれでもよく、例えば、ポリエチレン系樹脂シートやポリプロピレン系樹脂シートなどのポリオレフィン系樹脂シート、ポリスチレン系樹脂シート、ポリエチレンテレフタレート系樹脂シートや耐熱性を付与した変性ポリエチレンテレフタレート系樹脂シートなどのポリエステル系樹脂シートなどの熱可塑性樹脂シートを挙げることができる。なかでも、電子レンジの加熱に耐え得るもの、例えば、耐熱性ポリスチレン系樹脂シート、ポリプロピレン系樹脂シートが好ましい。
また、合成樹脂シートとして積層シートを用いることもでき、積層シートとしては、例えば、合成樹脂シートにフィルムを熱ラミネートした積層シート、共押出法による積層シート、押出ラミネート法による積層シートなどを挙げることができる。
【0025】
熱成形としては、例えば、真空成形、圧空成形、真空圧空成形、熱板成形などを挙げることができる。
【0026】
包装用容器1は、透明、半透明、黒色や白色などの有色でもよいが、内部が視認できるように、蓋部4が透明乃至半透明であることが好ましく、中皿3及び蓋部4がともに透明乃至半透明であることが特に好ましい。
【0027】
包装用容器1は、
図1又は
図2に示すように、平面視正方形状としてあり、中皿3が容器本体2に外嵌合して容器本体2の収容部21を覆い、蓋部4が中皿3に内嵌合して中皿3の収容部31を覆うようにしてある。さらに、蓋部4は容器本体2にも内嵌合して容器本体2の収容部21を覆うことができるようにしてある。
包装用容器1は、本実施形態では平面視正方形状としてあるが、これに限定されるものではなく、平面視円形状、平面視長方形状、平面視六角形状、平面視扇形状などにすることもできる。
【0028】
容器本体2は、
図1〜
図3などに示すように、丸隅正方形状の底面部22の縁部から上方に向かう周壁部23を設け、底面部22と周壁部23とで区画される収容部21を形成してある。周壁部23の上端部を開口縁部としてあり、開口縁部から外方に横向きに張り出す本体フランジ部24が形成してある。
周壁部23は、上方に向かい拡開するように形成してあり、周壁部23の内面側には、開口縁部付近を全周に渡り内側に傾けた嵌合部25が設けてあり、蓋部4を嵌合できるようにしてある。
【0029】
本体フランジ部24は、平面視において、隅部付近の外縁側のRを容器本体2の開口縁部のRよりも小さく形成し、隅部付近が他の部位に比べて幅広になるようにし、中皿3が載りやすいようにしてある。
【0030】
中皿3は、
図1,
図2,
図4などに示すように、丸隅正方形状の底面部32の縁部から上方に向かう周壁部33を設け、底面部32と周壁部33とで区画される収容部31を形成してある。収容部31は、容器本体2の収容部21よりも浅底としてある。
周壁部33は、上方に向かい拡開するように形成してあり、周壁部33の上端部には、外方に張り出す中皿フランジ部34が形成してある。
中皿フランジ部34は、容器内方寄りを略垂直状に形成して立壁部35を設けてあり、容器外方寄りを略水平状に形成して、本体フランジ部24上に載るようにしてある。
【0031】
中皿フランジ部34の外縁には、本体フランジ部24の外縁に沿い垂下した垂下面部34aが形成してあり、垂下面部34aの所定位置に形成した係合部34bにより容器本体2に外嵌合できるようにしてある。
立壁部35は、収容部31を囲う壁状に形成してあり、上端部35aを略水平面状に形成してある。立壁部35を形成することにより、立壁部35に蓋部4を嵌合できるため、収容部31の容量を減少させることがない。また、立壁部35を高くすれば収容部31の容量を増大させることができる。そのため、立壁部35の底面部32からの高さは、具体的には、5mm〜100mm、特に10mm〜40mmが好ましい。
立壁部35の内面側には、開口縁部付近を全周に渡り内側に傾けた嵌合部36が設けてあり、蓋部4を嵌合できるようにしてある。
【0032】
中皿フランジ部34には、
図1又は
図6に示すように、適宜箇所に傾斜面部37を形成することができる。傾斜面部37は、立壁部35の容器外側に形成してあり、立壁部35の上端部35aから中皿フランジ部34の外縁に向かい傾斜するようにしてある。傾斜面部37は、収容部31に収容した第二の食材を、容器本体2の収容部21に収容した第一の食材に載せる際、中皿3から滑らかに流れ落ちるようにしてある。
【0033】
本実施形態では傾斜面部37を中皿3の隅部に形成してあるが、これに限定されるものではなく、各辺の中間付近など何れの箇所に形成してもよい。
立壁部35の上端部35aには、傾斜面部37付近を湾曲状に下方に凹ませた凹部35bを形成することができる。凹部35bにより、中皿3を傾けた際に第二の食材が傾斜面部37に集まりやすくなる。本実施形態では、凹部35bを湾曲状に凹ませてあるが、これに限定されるものではなく、角状に凹ませるなど何れの形状としてもよい。
【0034】
垂下面部36及び中皿フランジ部34には、
図4に示すように、容器内外方向に延びる通気路38が適宜箇所に形成してあり、容器本体2の収容部21内の通気ができるようにしてある。また、中皿3の隅部のうち一箇所には、垂下面部34aの下端部から外方に舌片状に張り出す摘み部39が形成してある。
【0035】
蓋部4は、
図2などに示すように、丸隅正方形状の天面部41の外縁に、下方に角溝状に凹む嵌合部42が形成してあり、嵌合部42の外縁には、外方に横向きに張り出す蓋部フランジ部43が形成してある。
天面部41は、略水平面状に形成してあり、対向する二辺の外縁付近に上方に断面角状に突出するズレ防止部44が設けてある。ズレ防止部44は、他の包装用容器1を天面部41上に載せた際に容器本体2の周壁部23を挟み込み、他の包装用容器1の移動を防止することができる。
【0036】
嵌合部42は、容器外側面を傾斜状に形成してあり、中皿3の嵌合部36に内嵌合して中皿3の収容部31を覆うことができるようにしてある。また、嵌合部42は、容器本体2の嵌合部25にも内嵌合でき、容器本体2の収容部21も覆うこともできる。
蓋部フランジ部43は、天面部41と略同一高さで水平状に外方に張り出し、中皿3に嵌合した際、立壁部35の上端部35aに載るようにしてある。蓋部フランジ部43は、容器本体2に嵌合した際には、本体フランジ部24に載るようにしてある。
【0037】
蓋部フランジ部43の各隅部には、平面視において二山状(m字状)に外方に突出した摘み部45が設けてあり、蓋部4を開封する際に摘めるようにしてある。
蓋部4の天面部41には、
図5に示すように、電子レンジの温めなどにより発生する蒸気を逃すための切れ込み46や孔部47を設けてもよい。切れ込み46はU字状にしてあるが、直線状やV字状にしてもよい。また、孔部47は円形状にしてあるが、長円状や点状にしてもよい。
【0038】
以下、包装用容器1の使用方法の一例について説明する。
まず、容器本体2の収容部21に米飯などの第一の食材を収容する。その後、中皿3を容器本体2に嵌合させる。この状態で、中皿3の収容部31に丼物の具材など第二の食材を収容し、蓋部4を嵌合させ、
図2に示すように、三段に重ねて店頭などに陳列することができる。
【0039】
包装用容器1に収容した食材を食するときは、中皿3の摘み部39を摘み、持ち上げて容器本体2から中皿3及び蓋部4が嵌合された状態で外す。
図7に示す状態で中皿3及び蓋部4を電子レンジに入れて第二の食材を温めることができる。第二の食材を温めた後、蓋部4の摘み部44を摘み、中皿3から蓋部4を外す。
蓋部4を容器本体2に嵌合させて収容部21を覆い、
図8に示す状態で容器本体2及び蓋部4を電子レンジに入れて第一の食材を温めることができる。
【0040】
このように、包装用容器1は、第二の食材を、中皿3に蓋部4を嵌合させて電子レンジで温めた後、中皿3から蓋部4を外し、外した蓋部4を容器本体2に嵌合させて電子レンジで温めることができるので、食材をラップフィルムなどで包装せず適切な条件で温めることができる。また、内嵌合により密閉性を確保できるため、第一の食材を電子レンジで温める際の水分放出による乾燥から防ぐことができる。
【0041】
第一の食材に米飯、第二の食材に丼物の具材とした場合は、それぞれを温めて、中皿3の第二の食材を容器本体2の第一に食材に載せることにより丼物にすることができる。この際、中皿3を傾けて、第二の食材が傾斜面部37上を流れ落ちるようにすれば、滑らかに容器本体2に収容された第一の食材上に第二の食材を載せることができる。
【0042】
包装用容器1は、中皿3に立壁部35を備えることにより、中皿3の収容部31の収容量を減少させることがない。また、中皿3が容器本体2に外嵌合するようにし、中皿フランジ部34が本体フランジ部24に載るようにすることにより、内嵌合にした場合に比べて中皿3が容器本体2に安定して載るため、中皿3の底面部32の位置を高く保つことができ、容器本体2の収容部21の収容量を減らすことがない。
【0043】
上記実施形態の構成態様は、本発明を限定するものとして挙げたものではなく、技術目的を共通にするかぎり変更は可能であり、本発明はそのような変更を含むものである。
【符号の説明】
【0044】
1包装用容器
2容器本体
21収容部
22底面部
23周壁部
24本体フランジ部
25嵌合部
3中皿
31収容部
32底面部
33周壁部
34中皿フランジ部
34a垂下面部
34b係合部
35立壁部
35a上端部
35b凹部
36嵌合部
37傾斜面部
38通気路
39摘み部
4蓋部
41天面部
42嵌合部
43蓋部フランジ部
44ズレ防止部
45摘み部
46切れ込み
47孔部