【実施例】
【0021】
以下本発明の実施例による長尺横葺きモジュール屋根材の屋根材配置方法について説明する。
図1は実施例による寄棟切妻混合屋根での屋根材割り付け図である。
図1は勾配を有する屋根2を備える建物の屋根2であって、屋根2は隅棟3と谷4のある寄棟屋根とケラバ部9cを有する切妻屋根とが混在している寄棟切妻混合屋根における屋根材割り付け図である。
図1(a)は、寄棟切妻混合屋根における2階屋根の屋根割り付け図を示し、
図1(b)は同じ寄棟切妻混合屋根の1階屋根の屋根割り付け図を示す。
建物の設計単位寸法Pは尺モジュールであり、設計単位寸法Pは910mmである。
屋根材1の働き長さの水平投影寸法Lhは、建物の設計単位寸法Pの二分の一の455mmであり、屋根材1の働き幅寸法Wは、働き長さの水平投影寸法Lhの4倍にあたる1820mmとする。
先ず、
図1(a)の下側に記載の台形形状の屋根面における配置方法を説明する。
屋根材1の配置方向は、屋根面の桁方向7に対して右の隅棟部9bから左の隅棟部9bに向かった方向とする。
隅棟部9bには隅棟規格化形状屋根材10bを配置する。
隅棟規格化形状屋根材10bの働き幅寸法は、屋根材1の働き幅寸法Wの二分の一にあたる910mmとする。
右の隅棟規格化形状屋根材10bと左の隅棟規格化形状屋根材10bの働き幅寸法は同じ910mmとする。
右側の隅棟規格化形状屋根材10bを右の隅棟部9bに配置し、その左隣に屋根材1を配置し、順次左側の隅棟部9bに向かって屋根材1を配置する。
図1(a)では、台形面の軒桁寸法は9100mmであり、設計単位寸法であらわすと10Pとなる。
また軒の出寸法12が910mmであることから、軒先1段目の右の隅棟部9bから左の隅棟部9bまでの屋根材先端部での寸法は、12Pにあたる10920mmとなる。
屋根材1の働き幅寸法Wが2Pにあたる1820mmであり、隅棟規格化形状屋根材10bがその半分の1Pなので、左右の隅棟規格化形状屋根材10bの働き幅寸法を合わせると2Pとなる。
屋根材1が5枚で10Pになり、隅棟規格化形状屋根材10bが左右に配置されると2Pとなるため、全て合わせると12Pとなり左右対称で綺麗に配置できる。
【0022】
屋根材1を1段目に配置したのち、2段目に屋根材1を配置する。
2段目は1段目同様、右側の隅棟部9bに1段目と同様の形状の隅棟規格化形状屋根材10bを配置し、その左隣りに屋根材1を配置する。
1段目の屋根材1に対して2段目の屋根材1の配置位置は、桁方向7の左側に屋根材1の働き長さの水平投影寸法Lhである455mm分をずらして配置する。
屋根材1を左側の隅棟部9bに向かって順次配置し、左側の隅棟部9bに1段目と同様の形状の隅棟規格化形状屋根材10bを配置する。
2段目は、1段目と比べ屋根材先端部での桁方向7の寸法が右側で455mm、左側で455mm短くなるため、左右合わせて910mmと1P分短くなる。
2段目の桁方向7の寸法は、1段目の寸法の12Pから1P引いた11Pとなり、左右に1Pずつの隅棟規格化形状屋根材10bを配置するので、9Pのスペースに屋根材1を配置することになる。
屋根材1の働き幅寸法Wは2Pなので4.5枚分のスペースとなり、屋根材1の働き幅寸法Wの0.5枚分の働き幅寸法である910mmの調整屋根材11を左側の隅棟規格化形状屋根材10bの右隣りに1枚配置することで11Pの桁方向7の寸法となり2段目を割り付けることが出来る。
【0023】
図1(a)の台形面の2段目のように屋根面における桁方向7の寸法調整を行う際には、調整屋根材11を配置する。
屋根面における桁方向7の寸法は、隅棟部9bにおいて片側で屋根材1の働き長さの水平投影寸法Lhの分だけ短くなる。
桁方向7の左右に隅棟3がある場合は、左右で屋根材1の働き長さの水平投影寸法Lhの2倍だけ短くなる。
屋根材1の働き幅寸法Wは1820mmで屋根材1の働き長さの水平投影寸法Lhの4倍の関係なので、1段ごとに桁方向7で屋根材1の働き長さの水平投影寸法Lhの2倍の寸法が短くなるという事は、調整屋根材11の働き幅寸法を屋根材1の働き長さの水平投影寸法Lhの2倍に設定することで調整屋根材11の桁方向7の調整寸法が1段ごとに短くなる桁方向7の寸法と一致する。
調整屋根材11の働き幅寸法を屋根材1の働き長さの水平投影寸法Lhの2倍の910mmに設定することで、屋根材1の働き幅寸法Wが1820mm、調整屋根材11の働き幅寸法が910mmであることから、屋根材1の働き幅寸法Wと調整屋根材11の働き幅寸法の差分である910mmが桁方向7の調整寸法として機能する。
【0024】
図1(a)の左側の屋根面は、桁方向7からみて右側に隅棟部9bがあり、左側にケラバ部9cがある寄棟切妻混合屋根の屋根面である。
この屋根面では、隅棟3は右側にしかないため、1段目と2段目の桁方向7の寸法差は屋根材1の働き長さの水平投影寸法Lhの1倍となる。
片側にしか隅棟3が存在しない屋根面においては調整屋根材11の働き幅寸法は、屋根材1の働き長さの水平投影寸法Lhの1倍以上の整数倍となる。
片側に隅棟部9bがあり、もう一方にケラバ部9cがあり、屋根材1の働き幅寸法Wが屋根材1の働き長さの水平投影寸法Lhの4倍である
図1(a)の屋根面の場合では、調整屋根材11の働き幅寸法は屋根材1の働き長さの水平投影寸法Lhの1倍と2倍と3倍の3種類が必要となる。
しかし、
図1(a)では、屋根材1の働き長さの水平投影寸法Lhの1倍の455mmと2倍の910mmの2種類の働き幅寸法を持つ調整屋根材11だけで割り付けを行っている。
具体的には、働き幅寸法が3倍の調整屋根材11が必要な段には1倍の455mmと2倍の910mmを2枚用いて、複数の調整屋根材11を組み合わせることで3倍の1365mmの寸法調整を行っている。
【0025】
図1(a)の台形面の3段目、4段目における屋根材1と調整屋根材11の配置は1段目、2段目の配置と同様、3段目は調整屋根材11が入らず4段目は調整屋根材11が入る。
3段目は左右の隅棟部9bに隅棟規格化形状屋根材10bが配置され、その間のスペースに屋根材1が4枚配置される。
4段目は左右の隅棟部9bに隅棟規格化形状屋根材10bが配置され、その間のスペースに屋根材1が3枚配置され、さらに屋根材1の0.5枚分のスペースに調整屋根材11が1枚配置される。
【0026】
図1(a)の屋根2は、2本の陸棟6があり、曲がり部9gで直交している。
2本の陸棟6は同じ高さであり、5つの屋根面の流れ長さは全て同じ流れ長さである。
屋根面の流れ長さの水平投影寸法は、陸棟6から軒桁までが5460mmの半分の2730mmであり、軒桁から軒先5までが910mmとなり、軒先5から棟までの流れ長さの水平投影寸法は3640mmとなり、建物の設計単位寸法Pで言えば4Pの寸法となる。
陸棟部9aの屋根材1の働き長さの水平投影寸法Lhは455mmなので、流れ長さの水平投影寸法3640mmを1段分の455mmで割ることで流れ段数が8段であることを算出することが出来る。
【0027】
図1(a)の台形面の屋根材1と調整屋根材11の配置は、奇数段である1段目、3段目、5段目、7段目が屋根材1のみで割り付けられ、偶数段である2段目、4段目、6段目が屋根材1と調整屋根材11により配置される。
陸棟際で最上段の8段目には、屋根材1及び調整屋根材11を尻側から流れ重なり寸法13分だけ短くカットされた形状の陸棟規格化形状屋根材10aが配置される。
【0028】
図1(a)の台形面の右側に位置する三角面は台形面と基本的には同様な屋根材1の配置になる。
ただし、8段目は台形面と異なり陸棟6が存在しないので三又部9eに三又規格化形状屋根材10eのみが配置される。
【0029】
図1(a)の台形面の陸棟6の反対側に位置する平行四辺形面は隅棟3と谷4が平行に位置している。
平行四辺形面の屋根材1と規格化形状屋根材10の配置方法は、隅棟部9bに台形面と同様の隅棟規格化形状屋根材10bを配置し、谷部9fに谷規格化形状屋根材10fを配置し、その間に屋根材1を配置する。
軒先5から陸棟6に向かって1段登るに際に、桁方向7に対して隅棟部9bから谷部9fに向かう方向に屋根材1を屋根材1の働き長さの水平投影寸法Lh分の455mmだけずらして配置する。
【0030】
図1(a)の台形面の左側に位置する隅棟3とケラバを有する屋根面は、軒先5から陸棟6に向かって1段登るに際に、桁方向7に対して隅棟部9bからケラバ部9cに向かう方向に屋根材1を屋根材1の働き長さの水平投影寸法Lh分の455mmだけずらして配置する。
1段目は桁方向1に対して右側の隅棟部9bに、台形面と同様の隅棟規格化形状屋根材10bを配置し、隅棟規格化形状屋根材10bの左方向に順次屋根材1を配置する。
ケラバ部9cには働き幅寸法が910mmのケラバ規格化形状屋根材10cを配置する。
2段目も同様に隅棟規格化形状屋根材10b及び屋根材1を配置し、ケラバ部9cには働き幅寸法が455mmのケラバ規格化屋根材10cを配置する。
3段目も同様に隅棟規格化形状屋根材10b及び屋根材1を配置し、ケラバ部9cには働き幅寸法が1820mmのケラバ規格化屋根材10cを配置する。
このケラバ規格化屋根材10cは、屋根材1から横重なり部21が除外された形状である。
4段目も同様に隅棟規格化形状屋根材10b及び屋根材1を配置し、ケラバ部9cの右隣に働き幅寸法が910mmの調整屋根材11を配置し、ケラバ部9cには働き幅寸法が455mmのケラバ規格化屋根材10cを配置する。
5段目以降は1段目から4段目までの配置方法の繰り返しとなる。
【0031】
図1(a)の台形面の上側に位置する谷2とケラバを有する屋根面は、軒先5から陸棟6に向かって1段登るに際に、桁方向7に対してケラバ部9cから谷部9fに向かう方向に屋根材1を屋根材1の働き長さの水平投影寸法Lh分の455mmだけずらして配置する。
1段目はケラバ部9cに働き幅寸法が455mmの調整屋根材11を配置し、左隣りに働き幅寸法が910mmの調整屋根材11を配置し、谷部9fに谷規格化形状屋根材10fを配置する。
2段目はケラバ部9cに屋根材1を配置し、谷部9fに谷規格化形状屋根材10fを配置する。
3段目はケラバ部9cに働き幅寸法が455mmの調整屋根材11を配置し、左隣りに屋根材1を配置し、谷部9fに谷規格化形状屋根材10fを配置する。
4段目はケラバ部9cに働き幅寸法が910mmの調整屋根材11を配置し、左隣りに屋根材1を配置し、谷部9fに谷規格化形状屋根材10fを配置する。
5段目以降は1段目から4段目までのケラバ部9cの配置方法の繰り返しとなる。
【0032】
図1(b)は、寄棟切妻混合屋根の1階屋根の屋根割り付け図であり、基本的には
図1(a)の割り付けと同じルールにて配置している。
1階屋根における特徴的な納まりは屋根面の頂部が建物の壁と接する壁際部9dである。
壁際部9dにおける屋根材1の配置方法についてだが、桁方向7と平行な壁際部9dについては陸棟部9aと同様の納まりとなり、壁の厚みや納まりにより例外はあるが基本的には陸棟規格化形状屋根材10aが壁際規格化形状屋根材10dとして共用できる。
桁方向7と平行な壁際部9dは平行壁際という名称で呼ばれる。
また、流れ方向8と平行な壁際部9dについてはケラバ部9cと同様の納まりとなり、壁の厚みや納まりにより例外はあるが基本的にはケラバ規格化形状屋根材10aが壁際規格化形状屋根材10dとして共用できる。
流れ方向8と平行な壁際部9dは流れ壁という名称で呼ばれる。
【0033】
図2は実施例による寄棟屋根の屋根面における屋根材割付図である。
図2は寄棟屋根において軒と隅棟3で三角形形状に構成される三角形状屋根面をベースにして、屋根材1の配置ルールの違いにより屋根材1の配置がどのように変わるかを表した図である。
それぞれの図において次の条件は共通条件としている。
建物の設計単位寸法Pは尺モジュールであり、設計単位寸法Pは910mmである。
屋根材1の働き長さの水平投影寸法Lhは、建物の設計単位寸法Pの四分の一の227.5mmであり、屋根材1の働き幅寸法Wは、働き長さの水平投影寸法Lhの8倍にあたる1820mmとする。
屋根2の軒の出寸法12は455mmとする。
流れ方向8の屋根頂点から軒桁までの流れ長さの水平投影寸法は4.5Pの4095mmであり、屋根頂点から軒先5までの流れ長さの水平投影寸法は軒の出寸法12の455mmを足して10Pの4550mmとなる。
桁方向7の軒桁間の寸法は9Pの8190mmであり、軒先5の桁寸法は軒の出12の寸法を足すと10Pの9100mmとなる。
【0034】
図2(a)の配置方法について説明する。
図2(a)は屋根端部9に、軒桁方向7に対して右側の隅棟部9bに隅棟規格化形状屋根材10bを1種類配置し、左側の隅棟部9bに隅棟規格化形状屋根材10bを4種類配置し、三又部9eに三又規格化形状屋根材10eを4種類配置した配置方法である。
軒先5から1段毎登るに際に、桁方向7に対して右側の隅棟部9bから左側の隅棟部9bに向かう方向で屋根材1を屋根材1の働き長さの水平投影寸法Lh分の227.5mmだけずらして配置する。
この配置方法は、調整屋根材11の配置が無いため配置ルールが分かりやすいというメリットがある。
しかし、屋根端部9の規格化形状屋根材10は9種類と多くなってしまう事がデメリットとしてある。
【0035】
図2(b)の配置方法について説明する。
図2(b)は屋根端部9に、軒桁方向7に対して右側の隅棟部9bに隅棟規格化形状屋根材10bを1種類配置し、左側の隅棟部9bに隅棟規格化形状屋根材10bを2種類配置し、三又部9eに三又規格化形状屋根材10eを4種類配置した配置方法である。
また、桁方向7の寸法調整を行うために、屋根材1の働き長さの水平投影寸法Lhの4倍となる910mmの働き幅寸法を有した調整屋根材11を1種類配置している。
軒先5から1段毎登るに際に、桁方向7に対して右側の隅棟部9bから左側の隅棟部9bに向かう方向で屋根材1を屋根材1の働き長さの水平投影寸法Lh分の227.5mmだけずらして配置する。
この配置方法は、屋根端部9の規格化形状屋根材10の種類を7種類に減らすことが出来るのがメリットである。
調整屋根材11を入れて桁方向7の寸法調整をすることで配置ルールが複雑になることと、調整屋根材11を1種類追加するためそれほど種類が減らないことがデメリットとしてある。
【0036】
図2(c)の配置方法について説明する。
図2(c)は屋根端部9に、軒桁方向7に対して右側の隅棟部9bに隅棟規格化形状屋根材10bを1種類配置し、左側の隅棟部9bに隅棟規格化形状屋根材10bを1種類配置し、三又部9eに三又規格化形状屋根材10eを3種類配置した配置方法である。
また、桁方向7の寸法調整を行うために、屋根材1の働き長さの水平投影寸法Lhの2倍の455mm、4倍の910mm、6倍の1365mmの働き幅寸法を有した複数の調整屋根材11を3種類配置している。
軒先5から1段毎登るに際に、桁方向7に対して右側の隅棟部9bから左側の隅棟部9bに向かう方向で屋根材1を屋根材1の働き長さの水平投影寸法Lh分の227.5mmだけずらして配置する。
隅棟規格化形状屋根材10bの働き幅寸法は、屋根材1の働き幅寸法Wの二分の一にあたる910mmとする。
右の隅棟規格化形状屋根材10bと左の隅棟規格化形状屋根材10bの働き幅寸法は同じ910mmとする。
この配置方法は、屋根端部9の規格化形状屋根材10の種類を5種類に減らすことが出来るのと、隅棟部9bの隅棟規格化形状屋根材10bが1種類になるため隅棟部における配置ルールが分かりやすくなるというのがメリットである。
また、左右の隅棟規格化形状屋根材10bが屋根材1の働き幅寸法Wの二分の一にあたる910mmなので屋根材1から2左右の隅棟規格化形状屋根材10bをプレカットすることが出来るので、隅棟規格化形状屋根材10bの生産効率が高いというメリットもある。
しかし、調整屋根材11が3種類配置されることで配置ルールが複雑になることと、調整屋根材11を3種類追加するためそれほど種類が減らないことがデメリットとしてある。
【0037】
図2(d)の配置方法について説明する。
図2(d)は屋根端部9に、軒桁方向7に対して右側の隅棟部9bに隅棟規格化形状屋根材10bを1種類配置し、左側の隅棟部9bに隅棟規格化形状屋根材10bを1種類配置し、三又部9eに三又規格化形状屋根材10eを3種類配置した配置方法である。
また、桁方向7の寸法調整を行うために、屋根材1の働き長さの水平投影寸法Lhの2倍の455mm、4倍の910mmの働き幅寸法を有した複数の調整屋根材11を2種類配置している。
軒先5から1段毎登るに際に、桁方向7に対して右側の隅棟部9bから左側の隅棟部9bに向かう方向で屋根材1を屋根材1の働き長さの水平投影寸法Lh分の227.5mmだけずらして配置する。
隅棟規格化形状屋根材10bの働き幅寸法は、屋根材1の働き幅寸法Wの二分の一にあたる910mmとする。
右の隅棟規格化形状屋根材10bと左の隅棟規格化形状屋根材10bの働き幅寸法は同じ910mmとする。
2種類の調整屋根材を組み合わせることで3種類の桁方向7における寸法調整が出来る。
この配置方法は、屋根端部9の規格化形状屋根材10の種類を5種類に減らすことが出来るのと、調整屋根材11を2種類に減らすこと、隅棟部9bの隅棟規格化形状屋根材10bが1種類になるため隅棟部における配置ルールが分かりやすくなるというのがメリットである。
また、左右の隅棟規格化形状屋根材10bが屋根材1の働き幅寸法Wの二分の一にあたる910mmなので屋根材1から2左右の隅棟規格化形状屋根材10bをプレカットすることが出来るので、隅棟規格化形状屋根材10bの生産効率が高いというメリットもある。
しかし、調整屋根材11が2種類配置され、かつ調整屋根材11を組み合わせることで3種類の寸法調整が出来ることで配置ルールが複雑になることがデメリットとしてある。
【0038】
図3は実施例による寄棟屋根での軒の出変化による屋根材割付図である。
図3は寄棟屋根において軒と隅棟3で三角形形状に構成される三角形状屋根面をベースにして、屋根材1の働き長さの水平投影寸法Lhが建物の設計単位寸法Pの奇数分の一の場合における屋根材1の軒の出変化による配置方法の違いを表した図である。
それぞれの図において次の条件は共通条件としている。
建物の設計単位寸法Pは尺モジュールであり、設計単位寸法Pは910mmである。
屋根材1の働き長さの水平投影寸法Lhは、建物の設計単位寸法Pの三分の一の303.33mmであり、屋根材1の働き幅寸法Wは、働き長さの水平投影寸法Lhの4倍にあたる1213.32mmとする。
屋根材1の働き長さの水平投影寸法Lhが建物の設計単位寸法Pの三分の一なので奇数分の一の場合に該当する。
流れ方向8の屋根頂点から軒桁までの流れ長さの水平投影寸法は4Pの3640mmである。
桁方向7の軒桁間の寸法は8Pの7280mmである。
【0039】
図3(a)の配置方法について説明する。
屋根2の軒の出寸法12は、910mmである。
軒の出寸法12の910mmは屋根材1の働き長さの水平投影寸法Lhの二分の一にあたる151.67mmの6倍となる。
流れ方向8の屋根頂点から軒桁までの流れ長さの水平投影寸法は4Pの3640mmなので屋根頂点から軒先5までの流れ長さの水平投影寸法は軒の出寸法12の910mmを足して5Pの4550mmとなる。
桁方向7の軒桁間の寸法は8Pの7280mmであり、軒先5の桁寸法は軒の出12の寸法を足して10Pの9100mmとなる。
図3(a)は屋根端部9に、軒桁方向7に対して右側の隅棟部9bに隅棟規格化形状屋根材10bを1種類配置し、左側の隅棟部9bに隅棟規格化形状屋根材10bを1種類配置し、三又部9eに三又規格化形状屋根材10eを1種類配置した配置方法である。
軒先5から1段毎登るに際に、桁方向7に対して右側の隅棟部9bから左側の隅棟部9bに向かう方向で屋根材1を屋根材1の働き長さの水平投影寸法Lh分の303.33mmだけずらして配置する。
隅棟規格化形状屋根材10bの働き幅寸法は、屋根材1の働き幅寸法Wの二分の一にあたる606.67mmとする。
右の隅棟規格化形状屋根材10bと左の隅棟規格化形状屋根材10bの働き幅寸法は同じ606.67mmとする。
桁方向7の寸法調整に調整屋根材11を用いる。調整屋根材11の働き幅寸法は、屋根材1の働き長さの水平投影寸法Lhの2倍にあたる606.67とする。
1段目の右側の隅棟部9bに隅棟規格化形状屋根材10bを配置し、左隣りから順次屋根材1を配置する。
軒先5の桁寸法は10Pの9100mmを屋根材1の働き幅寸法Wが1213.32mmで割ると7.5枚となる。
左右の隅棟部9bに隅棟規格化形状屋根材10bを配置し、屋根材1を6枚配置すると屋根材1の0.5枚分のスペースが空き、そのスペースに働き幅寸法606.67mmの調整屋根材11を配置する。
2段目は右側の隅棟部9bで屋根材1の働き長さの水平投影寸法Lh分の303.33mm、左側の隅棟部9bで屋根材1の働き長さの水平投影寸法Lh分の303.33mmが桁方向7で短くなる。つまり、1段ごとに桁方向7の寸法が606.67mmだけ短くなる。
606.67mmは屋根材1の働き幅寸法Wの0.5枚分の寸法になる。
2段目の桁方向7の寸法は、1段目の桁方向7の寸法の7.5枚から0.5枚短くなるので屋根材1の6枚分の寸法となる。
そのため、2段目は左右の隅棟部9bに隅棟規格化形状屋根材10bを配置し、屋根材1を5枚配置となる。
3段目は桁方向7の寸法が2段目より0.5枚短い6.5枚となるので、1段目と同様の左右の隅棟部9bに隅棟規格化形状屋根材10bを配置し、屋根材1を配置し、働き幅寸法606.67mmの調整屋根材11を配置する。
3段目、4段目以降は、1段目、2段目と同様の配置を繰り返すことになる。
13段目は、隅棟規格化形状屋根材10bと調整屋根材11のみの配置となり、14段目は隅棟規格化形状屋根材10bのみの配置となり、15段目は三又規格化形状屋根材10eの配置となる。
15段目の頂点部の三又規格化形状屋根材10eは、働き長さの水平投影寸法が303.33mmとなる。
【0040】
図3(b)の配置方法について説明する。
屋根2の軒の出寸法12は、455mmである。
軒の出寸法12の455mmは屋根材1の働き長さの水平投影寸法Lhの二分の一にあたる151.67mmの3倍となる。
流れ方向8の屋根頂点から軒桁までの流れ長さの水平投影寸法は4Pの3640mmなので屋根頂点から軒先5までの流れ長さの水平投影寸法は軒の出寸法12の455mmを足して4.5Pの4095mmとなる。
桁方向7の軒桁間の寸法は8Pの7280mmであり、軒先5の桁寸法は軒の出12の寸法を足して9Pの8190mmとなる。
図3(b)は屋根端部9に、軒桁方向7に対して右側の隅棟部9bに隅棟規格化形状屋根材10bを2種類配置し、左側の隅棟部9bに隅棟規格化形状屋根材10bを1種類配置し、三又部9eに三又規格化形状屋根材10eを2種類配置した配置方法である。
軒先5から1段毎登るに際に、桁方向7に対して右側の隅棟部9bから左側の隅棟部9bに向かう方向で屋根材1を屋根材1の働き長さの水平投影寸法Lh分の303.33mmだけずらして配置する。
隅棟規格化形状屋根材10bの働き幅寸法は、屋根材1の働き幅寸法Wの二分の一にあたる606.67mmとする。
右の隅棟規格化形状屋根材10bと左の隅棟規格化形状屋根材10bの働き幅寸法は同じ606.67mmとする。
桁方向7の寸法調整に調整屋根材11を用いる。調整屋根材11の働き幅寸法は、屋根材1の働き長さの水平投影寸法Lhの2倍にあたる606.67と3倍にあたる910mmの2種類の調整屋根材11とする。
1段目の右側の隅棟部9bに隅棟規格化形状屋根材10bを配置し、左隣りから順次屋根材1を配置する。
軒先5の桁寸法は9Pの8190mmを屋根材1の働き幅寸法Wが1213.32mmで割ると6.75枚となる。
左右の隅棟部9bに隅棟規格化形状屋根材10bを配置し、屋根材1を5枚配置すると屋根材1の0.75枚分のスペースが空き、そのスペースに0.75枚に相当する働き幅寸法910mmの調整屋根材11を配置する。
2段目は右側の隅棟部9bで屋根材1の働き長さの水平投影寸法Lh分の303.33mm、左側の隅棟部9bで屋根材1の働き長さの水平投影寸法Lh分の303.33mmが桁方向7で短くなる。つまり、1段ごとに桁方向7の寸法が606.67mmだけ短くなる。
606.67mmは屋根材1の働き幅寸法Wの0.5枚分の寸法になる。
2段目の桁方向7の寸法は、1段目の桁方向7の寸法の6.75枚から0.5枚短くなるので屋根材1の6.25枚分の寸法となる。
そのため、2段目は左右の隅棟部9bに隅棟規格化形状屋根材10bを配置し、屋根材1を4枚配置し、働き幅寸法が606.67mmの調整屋根材11と910mmの調整屋根材11を1枚ずつ配置する。
3段目は桁方向7の寸法が2段目より0.5枚短い5.75枚となるので、1段目と同様の左右の隅棟部9bに隅棟規格化形状屋根材10bを配置し、屋根材1を配置し、働き幅寸法910mmの調整屋根材11を配置する。
3段目、4段目以降は、1段目、2段目と同様の配置を繰り返すことになる。
10段目は、隅棟規格化形状屋根材10bと働き幅寸法が606.67mmの調整屋根材11と910mmの調整屋根材11のみの配置となり、11段目は、隅棟規格化形状屋根材10bと働き幅寸法が910mmの調整屋根材11のみの配置となり、12段目は働き幅寸法が910mmと606.67mmの隅棟規格化形状屋根材10bの配置となり、13段目と14段目は三又規格化形状屋根材10eの配置となる。
14段目の頂点部の三又規格化形状屋根材10eは、働き長さの水平投影寸法が屋根材1の働き長さの水平投影寸法Lhの303.33mmの半分の151.67mmとなる。
【0041】
図4は実施例による屋根材の製品図である。
図4に記載の屋根材1は次の設計寸法要素で構成されている。
建物の設計単位寸法Pは尺モジュールであり、設計単位寸法Pは910mmに対応する製品である。
屋根材1の働き長さ寸法Lは490mmである。
屋根勾配が4寸勾配の時に働き長さの水平投影寸法Lhが455mmとなり、建物の設計単位寸法Pの二分の一となる。
4寸勾配の勾配伸び率は1.077であり、屋根材1の働き長さの水平投影寸法Lhが455mmになる屋根材1の働き長さ寸法Lを求めたいときには、455mmに対応する屋根勾配の勾配伸び率を掛けることで屋根材1の働き長さ寸法Lを求めることができる。
屋根材1の働き幅寸法Wは、働き長さの水平投影寸法Lhの4倍にあたる1820mmである。
屋根材の流れ重なり寸法13は50mmであり、屋根材1の全長さ寸法は540mmである。
屋根材の横重なり寸法14は80mmであり屋根材1の全幅寸法は1900mmである。
【0042】
図4(a)は屋根材1の製品図の平面図と右側面図である。
図4(b)は
図4(a)を3倍に拡大した拡大図である。
図4(c)は
図4(b)の右側面図の尻側を更に拡大した図である。
平面図の中央には省略線にて幅寸法を省略して記載している。平面図に表されているのが製品の上面部16である。
右側面図から、上面部16の下端から下面部方向へ垂直に伸びた頭見附部17が形成され、頭見附部17の端部から尻側方向へ垂直に伸びた頭側係合部18が形成されている。
上面部16の尻端部には上面側にV字形状に折り返して形成する尻端部折り返し20と尻側係合部19が形成されている。
尻端部折り返し20と尻側係合部19は横重なり部21の箇所で途切れていて、横重なりの際に横重ねする屋根材1と干渉しないような構成としている。
横重なり部21の幅寸法は80mmで横重なり部21の上に左隣りに設置する屋根材1が重なる。
尻端部折り返し20に差し込むような形で上面側に尻側係合部19を設けている。
屋根材1は厚さ0.4mm程度の薄板金属素材で形成されているが、尻側係合部19は厚さ1.5mmの金属素材で形成している。
実施例では1.5mmの厚みにしているが、例えば0.6mmの2重折りで同様の形状に形成しても良い。
実施例では4寸勾配対応の屋根材1の働き長さ寸法Lとしているが、尻側係合部19の長さを変えることで屋根材1の働き長さ寸法Lを変え、他の勾配にも対応することが出来る。
また、尻側係合部19の長さを変えずに尻側係合部19の屋根材1への固定位置を変更することでも屋根材1の働き長さ寸法Lを変えることが出来る。
3寸勾配の勾配伸び率は1.044なので、3寸勾配の屋根で屋根材1の働き長さの水平投影寸法Lhが455mmになる屋根材1の働き長さ寸法Lを求めたいときには、455mmに対応する屋根勾配の勾配伸び率である1.044を掛けることで屋根材1の働き長さ寸法Lが475mmとして求められる。
尻側係合部19の寸法を15mm伸ばし屋根材1の働き長さ寸法Lを475mmにすることで3寸勾配対応の屋根材1にすることが出来る。
また、尻側係合部19を15mm分だけ頭側にずらして固定することでも、屋根材1の働き長さ寸法Lを475mmにすることが出来る。
尻側係合部19を別パーツにすることで屋根材1の本体形状を変えることなく勾配対応することが可能となる。
実施例では尻側係合部19を別パーツとして勾配対応の対応力を上げているが、同一勾配で大量に使用する場合は本体と一体形状で形成しても良い。
【0043】
図5は実施例による陸棟際の屋根材が真物の場合の流れ方向割付図である。
図5(a)は軒先5から陸棟6までの流れ方向の割付図を示す。
図5(b)は陸棟部9aの拡大図である。
割付図の屋根2及び割付条件は次の通りとする。
建物の設計単位寸法Pは尺モジュールであり、設計単位寸法Pは910mmである。
屋根材1の働き長さの水平投影寸法Lhは、建物の設計単位寸法Pの二分の一の455mmであり、屋根材1の働き幅寸法Wは、働き長さの水平投影寸法Lhの4倍にあたる1820mmである。
屋根2の屋根勾配は4寸勾配、軒の出寸法12は971mmである。
軒桁から陸棟までの流れ長さの水平投影寸法は3Pの2730mmであり、軒先5から陸棟6までの流れ長さの水平投影寸法は軒の出寸法12の971mmを足して3701mmとなる。
屋根材1の働き長さ寸法Lは490mmであり、屋根材1の働き長さの水平投影寸法Lhは455mmとなる。
屋根材1の施工は、下段の尻側係合部19に上段の頭側係合部18を係合させ、尻側係合部19の箇所で留め付け材22により野地板に留め付ける。
陸棟際の最上段の屋根材1に関しては、尻部係合部19が不要なので尻端部折り返し20付近に留め付け材22で野地板に留め付ける。
屋根材1の働き長さの水平投影寸法Lhが二分の一と偶数分の一なので建物の軒の出寸法12は、屋根材1の働き長さの水平投影寸法Lhの整数倍に所定の寸法を加えた寸法となる。
実施例では、屋根材1の働き長さの水平投影寸法Lhは455mmの2倍に所定の寸法である61mmを足して軒の出寸法12を971mmとしている。
図1から
図3までの割り付け図は軒の出寸法12については所定寸法を0とした実施例として記載しているが、
図5のように陸棟部9aの陸棟規格化形状屋根材10aを屋根材1のまま加工せずに割り付ける場合は、軒の出寸法12に所定寸法をプラスすることが必要になる。
所定寸法は、屋根材1の流れ重なり寸法14の水平投影寸法と屋根材1の尻端部から陸棟6の棟芯までの端部隙間寸法15を合わせた寸法となる。
実施例では、屋根材1の流れ重なり寸法14の水平投影寸法が50mm、屋根材1の尻端部から陸棟6の棟芯までの端部隙間寸法15が11mmなので合わせた61mmが所定寸法となる。
軒の出寸法12に所定寸法として屋根材1の流れ重なり寸法14の水平投影寸法と屋根材1の尻端部から陸棟6の棟芯までの端部隙間寸法15を足すことで陸棟部9aに配置する屋根材1を加工しなくても納めることが出来る。
しかし、軒先方向に所定寸法分だけ軒の出寸法12が伸びるという事は、屋根材1の先端位置が軒先方向に所定寸法分伸びるという事であり、それに伴い隅棟3と屋根材1との距離が桁方向7で所定寸法分だけ広くなるということである。
そのため、所定寸法を設定した場合には、隅棟規格化形状屋根材10bの働き寸法及び隅棟規格化形状屋根材10bと隅棟6との端部隙間寸法15を所定寸法分考慮した設定にすることが必要となる。
【0044】
図6は実施例による陸棟際の屋根材が働き長さの場合の流れ方向割付図である。
図6(a)は軒先5から陸棟6までの流れ方向の割付図を示す。
図6(b)は陸棟部9aの拡大図である。
割付図の屋根2及び割付条件は次の通りとする。
建物の設計単位寸法Pは尺モジュールであり、設計単位寸法Pは910mmである。
屋根材1の働き長さの水平投影寸法Lhは、建物の設計単位寸法Pの二分の一の455mmであり、屋根材1の働き幅寸法Wは、働き長さの水平投影寸法Lhの4倍にあたる1820mmである。
屋根2の屋根勾配は4寸勾配、軒の出寸法12は910mmである。
軒桁から陸棟までの流れ長さの水平投影寸法は3Pの2730mmであり、軒先5から陸棟6までの流れ長さの水平投影寸法は軒の出寸法12の910mmを足して3640mmとなる。
屋根材1の働き長さ寸法Lは490mmであり、屋根材1の働き長さの水平投影寸法Lhは455mmとなる。
屋根材1の施工は、下段の尻側係合部19に上段の頭側係合部18を係合させ、尻側係合部19の箇所で留め付け材22により野地板に留め付ける。
陸棟際の最上段の屋根材1は流れ重なり寸法13分を切断した陸棟規格化形状屋根材10aを配置する。
屋根材1の働き長さの水平投影寸法Lhが二分の一と偶数分の一なので建物の軒の出寸法12は、屋根材1の働き長さの水平投影寸法Lhの整数倍に所定の寸法を加えた寸法となる。
実施例では、屋根材1の働き長さの水平投影寸法Lhは455mmの2倍に所定の寸法を0mmとして軒の出寸法12を910mmとしている。
【0045】
図7は実施例による規格化形状屋根材の形状
図1である。
図7は、
図1の実施例の調整屋根材11と屋根端部9に配置された規格化形状屋根材10の平面図を示している。
調整屋根材11は屋根材1をベースに働き幅寸法を変更した屋根材であり、規格化形状屋根材10は屋根材1をベースに屋根端部9の形状に合わせて屋根材1の端部形状を変更した屋根材なので、いずれも平面図のみで形状を把握することが出来る。
図7の上から1段目と2段目に記載の屋根材は、調整屋根材11と規格化形状屋根材10である。
910−Uと910−O及び455−Uと455−Oはそれぞれ働き幅が910mmと455mmで同じだが、910−Uと455−Uは横重なり部21を有していて調整屋根材11として使用できる。
910−Uと455−Uは、桁方向7に対して右側にケラバ部9cがあるときのケラバ規格化屋根材10cや桁方向7に対して右側に壁際部9dがあるときの壁際規格化屋根材10dとしても使用できる。
910−Oと455−Oは、桁方向7に対して左側にケラバ部9cがあるときのケラバ規格化屋根材10c及び桁方向7に対して左側に壁際部9dがあるときの壁際規格化屋根材10dとして使用される。
図7の上から3段目に記載の屋根材は、谷部9fに配置する谷規格化形状屋根材10fである。
谷部9fの最上段を除く箇所に使用される。
図7の上から4段目に記載の屋根材は、隅棟部9bに配置する隅棟規格化形状屋根材9bである。
隅棟部9bの最上段を除く箇所に使用される。
【0046】
図8は実施例による規格化形状屋根材の形状
図2である。
図8は、
図1の実施例の屋根端部9に配置された規格化形状屋根材10の平面図を示している。
図8の上から1段目と2段目に記載の規格化屋根材10のRH−1820−UとRH−910−Uは、陸棟部9aと壁際部10dに配置する陸棟規格化形状屋根材10aと壁際規格化形状屋根材10dである。
桁方向7に対して平行な壁際部9dに使用される。
2段目に記載のMTS−1は三又部9eに配置される三又規格化形状屋根材10eである。
3段目に記載の規格化形状屋根材10は、壁際部9d、三又部9e、曲がり部9gに配置される規格化形状屋根材10である。
隅棟部9bの最上段に使用される規格化形状屋根材10である。
4段目に記載の規格化形状屋根材10は、壁際部9d、曲がり部9gに配置される規格化形状屋根材10である。
谷部9fの最上段に使用される規格化形状屋根材10である。
【0047】
図9は実施例による寄棟屋根の屋根面における割付条件別の屋根材割付図である。
図9は寄棟屋根において軒と隅棟3で三角形形状に構成される三角形状屋根面をベースにして、屋根材1を軒先5から陸棟6に向かって流れ方向8で一段毎に配置する際に、屋根材1は配置する屋根面の桁方向7に対して右側の隅棟部9bから左側の隅棟部9b方向に屋根材1の働き長さの水平投影寸法Lhの2倍の寸法をずらして配置した場合の屋根割り付け図である。
実施例の屋根条件は以下の通りとする。
建物の設計単位寸法Pは尺モジュールであり、設計単位寸法Pは910mmである。
屋根材1の働き長さの水平投影寸法Lhは、建物の設計単位寸法Pの二分の一の455mmであり、屋根材1の働き幅寸法Wは、働き長さの水平投影寸法Lhの4倍にあたる1820mmとする。
軒の出寸法12は910mmとする。
流れ方向8の屋根頂点から軒桁までの流れ長さの水平投影寸法は4Pの3640mmであり、軒の出寸法12の910mmを足すと5Pの4550mmとなる。
桁方向7の軒桁間の寸法は8Pの7280mmであり、軒先5の桁寸法は軒の出12の寸法を足して10Pの9100mmとなる。
屋根端部9に配置する規格化形状屋根材10は、隅棟部9bに左右で2種類、三又部9eで1種類の3種類とする。
桁方向7の寸法調整を行う調整屋根材11は働き幅寸法が屋根材1の働き長さの水平投影寸法Lhの2倍である910mmと働き幅寸法が屋根材1の働き長さの水平投影寸法Lhの3倍である1365mmの2種類とする。
桁方向7に対して左右の隅棟部9bに配置される隅棟規格化形状屋根材10bは、屋根材1の働き幅寸法Wの二分の一にあたる910mmの働き幅を有する形状とする。
【0048】
図9の配置方法について説明する。
実施例では、屋根材1の働き幅寸法Wが働き長さの水平投影寸法Lhの4倍にあたる1820mmであり、屋根材1の働き長さの水平投影寸法Lhの2倍の寸法である910mmをずらして配置する配置方法であり、屋根材1の働き幅寸法Wの半分ずれた千鳥葺きの配置となるため、桁方向7に対して左右線対称で屋根材1を配置することが出来る。
1段目の右側の隅棟部9bに隅棟規格化形状屋根材10bを配置し、左隣りに働き幅寸法が910mmの調整屋根材11を配置し、その左隣から順次屋根材1を配置する。
軒先5の桁寸法は10Pの9100mmであり、左右の隅棟規格化形状屋根材10bと調整屋根材11の働き幅寸法の3640mmを引くと5460mmとなり、5460mmを屋根材1の働き幅寸法W1820mmで割ると3枚となる。
よって、1段目は右側と左側の隅棟部9bに隅棟規格化形状屋根材10bを1枚ずつ配置し、それぞれの隅棟規格化形状屋根材10bの内側に働き幅寸法が910mmの調整屋根材11を1枚ずつ配置し、その間のスペースに屋根材1を3枚配置する。
2段目は右側の隅棟部9bで屋根材1の働き長さの水平投影寸法Lh分の455mm、左側の隅棟部9bで屋根材1の働き長さの水平投影寸法Lh分の455mmが桁方向7で短くなる。
2段目は左右の隅棟部9bに隅棟規格化形状屋根材10bを1枚ずつ配置し、それぞれの隅棟規格化形状屋根材10bの内側に働き幅寸法が1365mmの調整屋根材11を1枚ずつ配置し、その間のスペースに屋根材1を2枚配置する。
3段目は左右の隅棟部9bに隅棟規格化形状屋根材10bを1枚ずつ配置し、その間のスペースに屋根材1を3枚配置する。
4段目は左右の隅棟部9bに隅棟規格化形状屋根材10bを1枚ずつ配置し、それぞれの隅棟規格化形状屋根材10bの内側に働き幅寸法が910mmの調整屋根材11を1枚ずつ配置し、さらにその内側に働き幅寸法が1365mmの調整屋根材11を1枚ずつ配置する。
5段目は左右の隅棟部9bに隅棟規格化形状屋根材10bを1枚ずつ配置し、それぞれの隅棟規格化形状屋根材10bの内側に働き幅寸法が910mmの調整屋根材11を1枚ずつ配置し、その間のスペースに屋根材1を1枚配置する。
6段目は左右の隅棟部9bに隅棟規格化形状屋根材10bを1枚ずつ配置し、それぞれの隅棟規格化形状屋根材10bの内側に働き幅寸法が1365mmの調整屋根材11を1枚ずつ配置する。
7段目は左右の隅棟部9bに隅棟規格化形状屋根材10bを1枚ずつ配置し、その間のスペースに屋根材1を1枚配置する。
8段目は左右の隅棟部9bに隅棟規格化形状屋根材10bを1枚ずつ配置し、その間のスペースに働き幅寸法が910mmの調整屋根材11を1枚配置する。
9段目は左右の隅棟部9bに隅棟規格化形状屋根材10bを1枚ずつ配置する。
10段目は三又部9eに三又規格化形状屋根材10eを1枚配置する。
この実施例の配置方法は、屋根面の屋根材1の配置が左右対称となり屋根材1の配置バランスが良く、葺きあがりの見栄えが良いというメリットがある。
しかし、屋根材1の配置ルールは煩雑となり施工が分かりにくいことと、調整屋根材11の種類と使用枚数が増えるというデメリットがある。