特許第6861036号(P6861036)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6861036
(24)【登録日】2021年3月31日
(45)【発行日】2021年4月21日
(54)【発明の名称】リング体保持具
(51)【国際特許分類】
   B25H 3/00 20060101AFI20210412BHJP
   A44B 99/00 20100101ALI20210412BHJP
【FI】
   B25H3/00 Z
   A44B99/00 601Z
【請求項の数】10
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2017-9325(P2017-9325)
(22)【出願日】2017年1月23日
(65)【公開番号】特開2018-118326(P2018-118326A)
(43)【公開日】2018年8月2日
【審査請求日】2019年8月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000243803
【氏名又は名称】未来工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】特許業務法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】瀬川 和秀
【審査官】 山内 康明
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−068387(JP,A)
【文献】 米国特許第05173999(US,A)
【文献】 登録実用新案第3128785(JP,U)
【文献】 意匠登録第1530905(JP,S)
【文献】 意匠登録第1579739(JP,S)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25H 3/00
A44B 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のリング体を吊下げ保持可能なリング体保持具であって、
上下に延在する基部と、
前記基部から立設し、2以上のリング体を貫通して吊下げ支持する下段保持腕部と、
前記下段保持腕部と対向するように前記下段保持腕部から上方に離隔した位置で前記基部から立設し、少なくとも1つのリング体を貫通して吊下げ支持する上段保持腕部と、
基端側が前記下段保持腕部及び前記上段保持腕部のうちの一方に連結されており、前記下段保持腕部先端と前記上段保持腕部先端との間に架け渡る閉位置、及び、先端側が前記下段保持腕部及び前記上段保持腕部のうちの他方と離間して前記リング体が通過する開口部を形成する開位置変位する架橋部と、を備え、
前記架橋部は、前記開口部を閉塞する閉位置において、前記下段保持腕部及び前記上段保持腕部間の前記リング体の移動を案内することを特徴とするリング体保持具。
【請求項2】
前記架橋部は、前記上段保持腕部及び前記下段保持腕部のうちの一方の先端に回動式に連結され、前記上段保持腕部及び前記下段保持腕部のうちの他方の先端側に係合する係合部を有することを特徴とする請求項1に記載のリング体保持具。
【請求項3】
前記係合部には、前記基部と離隔する方向に突出し、前記係合部の係合状態を解除するための操作片が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のリング体保持具。
【請求項4】
前記架橋部は、山部及び谷部が交互に連続する蛇腹形状を有することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のリング体保持具。
【請求項5】
前記架橋部が閉位置に変位したときに前記架橋部が前記下段保持腕部と前記上段保持腕部との間に架け渡って1つの連続する環が形成され、
前記下段保持腕部の先端には、前記上段保持腕部側に屈折する屈折部が設けられ、前記下段保持腕部が前記上段保持腕部よりも長く、前記架橋部が閉位置で前記環の外方に膨んだ弧状を有することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のリング体保持具。
【請求項6】
前記架橋部が閉位置に変位したときに前記架橋部が前記下段保持腕部と前記上段保持腕部との間に架け渡って1つの連続する環が形成され、前記環の外側を向く面が外面として定められ、
前記基部の外面には、腰ベルトに取着される取着部が設けられていることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のリング体保持具。
【請求項7】
前記上段保持腕部に吊下げ支持した前記リング体が滑り落ちることを防止する滑り防止手段をさらに備えることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載のリング体保持具。
【請求項8】
前記架橋部が閉位置に変位したときに前記架橋部が前記下段保持腕部と前記上段保持腕部との間に架け渡って1つの連続する環が形成され、前記環の外側を向く面が外面として定められ、
前記滑り防止手段は、前記上段保持腕部の外面から上方に突出する突出部であることを特徴とする請求項7に記載のリング体保持具。
【請求項9】
前記架橋部が閉位置に変位したときに前記架橋部が前記下段保持腕部と前記上段保持腕部との間に架け渡って1つの連続する環が形成され、前記環の外側を向く面が外面として定められ、
前記上段保持腕部の外面は、幅方向の両端で前記リング体の内周面に当接するように構成されていることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載のリング体保持具。
【請求項10】
前記リング体は、巻芯の中心に孔部を有するテープであることを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載のリング体保持具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リング体を保持するためのリング体保持具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電気工事現場等において、作業者が腰にビニールテープ等のテープ類(すなわち、リング体)を吊下げて保持するために、種々のリング体保持具が腰に装着されて用いられる。
【0003】
例えば、特許文献1は、リング体の引き抜きとリング体の保持との双方を簡単に行えるリング体吊下保持具(リング体保持具)を開示する。リング体吊下保持具(S1)は、吊下ワイヤ(W1)と、該吊下ワイヤ(W1)の一端部に設けられ、テープ(T)の中央空間(8a)の最大内寸法よりも大きく形成されて、前記テープ(T)の下面に当接して、該テープ(T)を保持する保持バー(B)と、を備える。保持バー(B)は、テープ(T)を該保持バー(B)から引抜き可能とすべく、テープ(T)を引くことにより中央空間(8a)の最大内寸法よりも小さく弾性変形し得るように形成されている。作業中において、テープ(T)を引き抜くには、保持バー(B)がテープ(T)の下面に当接して該テープ(T)が保持されている状態で、片方の手によりテープ(T)を下方に引き抜くと、保持バー(B)は、その中央部のばね部(12)の復元力に抗して、その両側の一対の保持バー部(13)が下方に向けて弾性変形される。これにより、一対の保持バー部(13)の各先端部(13a)がテープ(T)の巻芯(8)の内側に入り込んで、その内周面に弾接する。更に、テープ(T)を下方に引き抜くと、上記の形状に弾性変形されていた保持バー(B)の各保持バー部(13)は、その先端部(13a)がテープ(T)の巻芯(8)の内周面から外れることにより、保持バー(B)は、その全体がテープ(T)の巻芯(8)の孔部(8a)から抜け出て、原形状に復元して、1個のテープ(T)が吊下保持具(S1)から引き抜かれる。なお、()内に特許文献1の符号を示した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014− 59248号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のリング体保持具(リング体吊下保持具)では、複数段に積み重なって保持されたリング体が全て同種のテープである場合には、テープのスムーズな引抜きが可能となり、電気工事の作業能率の向上の恩恵を得ることができる。しかしながら、作業者が複数の種類のテープを使い分ける場合、電気工事における十分な作業能率の向上を得ることができないことが課題であった。特には、異なる種類のテープが複数段に積み重なってリング体保持具に保持されているときに、作業者が最下段のテープよりも上段に保持された特定のテープを使用する際、該特定のテープが最下段となるまで、他のテープを引き抜かなければ、特定のテープを引き抜くことができない。すなわち、該特定のテープを取り出すまで、他の使用対象外のテープを取り出して元に戻すといった余計な手間が生じることから、複数種のテープを使い分ける場合において、その作業能率をより一層向上させることが課題である。
【0006】
本発明の目的は、保持する複数種のリング体から所望のリング体を選別して容易に取り出すことが可能なリング体保持具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載のリング体保持具は、複数のリング体を吊下げ保持可能なリング体保持具であって、
上下に延在する基部と、
前記基部から立設し、2以上のリング体を貫通して吊下げ支持する下段保持腕部と、
前記下段保持腕部と対向するように前記下段保持腕部から上方に離隔した位置で前記基部から立設し、少なくとも1つのリング体を貫通して吊下げ支持する上段保持腕部と、
基端側が前記下段保持腕部及び前記上段保持腕部のうちの一方に連結されており、前記下段保持腕部先端と前記上段保持腕部先端との間に架け渡る閉位置、及び、先端側が前記下段保持腕部及び前記上段保持腕部のうちの他方と離間して前記リング体が通過する開口部を形成する開位置変位する架橋部と、を備え、
前記架橋部は、前記開口部を閉塞する閉位置において、前記下段保持腕部及び前記上段保持腕部間の前記リング体の移動を案内することを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載のリング体保持具は、請求項1に記載のリング体保持具において、前記架橋部は、前記上段保持腕部及び前記下段保持腕部のうちの一方の先端に回動式に連結され、前記上段保持腕部及び前記下段保持腕部のうちの他方の先端側に係合する係合部を有することを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載のリング体保持具は、請求項1又は2に記載のリング体保持具において、前記係合部には、前記基部と離隔する方向に突出し、前記係合部の係合状態を解除するための操作片が設けられていることを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載のリング体保持具は、請求項1から3のいずれか一項に記載のリング体保持具において、前記架橋部は、山部及び谷部が交互に連続する蛇腹形状を有することを特徴とする。
【0011】
請求項5に記載のリング体保持具は、請求項1から4のいずれか一項に記載のリング体保持具において、前記架橋部が閉位置に変位したときに前記架橋部が前記下段保持腕部と前記上段保持腕部との間に架け渡って1つの連続する環が形成され、
前記下段保持腕部の先端には、前記上段保持腕部側に屈折する屈折部が設けられ、前記下段保持腕部が前記上段保持腕部よりも長く、前記架橋部が閉位置で外方に膨んだ弧状を有することを特徴とする。
【0012】
請求項6に記載のリング体保持具は、請求項1から5のいずれか一項に記載のリング体保持具において、前記架橋部が閉位置に変位したときに前記架橋部が前記下段保持腕部と前記上段保持腕部との間に架け渡って1つの連続する環が形成され、前記環の外側を向く面が外面として定められ、前記基部の外面には、腰ベルトに取着される取着部が設けられていることを特徴とする。
【0013】
請求項7に記載のリング体保持具は、請求項1から6のいずれか一項に記載のリング体保持具において、前記上段保持腕部に吊下げ支持した前記リング体が滑り落ちることを防止する滑り防止手段をさらに備えることを特徴とする。
【0014】
請求項8に記載のリング体保持具は、請求項7に記載のリング体保持具において、前記架橋部が閉位置に変位したときに前記架橋部が前記下段保持腕部と前記上段保持腕部との間に架け渡って1つの連続する環が形成され、前記環の外側を向く面が外面として定められ、前記滑り防止手段は、前記上段保持腕部の外面から上方に突出する突出部であることを特徴とする。
【0015】
請求項9に記載のリング体保持具は、請求項1から8のいずれか一項に記載のリング体保持具において、前記架橋部が閉位置に変位したときに前記架橋部が前記下段保持腕部と前記上段保持腕部との間に架け渡って1つの連続する環が形成され、前記環の外側を向く面が外面として定められ、前記上段保持腕部の外面は、幅方向の両端で前記リング体の内周面に当接するように構成されていることを特徴とする。
【0016】
請求項10に記載のリング体保持具は、請求項1から9のいずれか一項に記載のリング体保持具において、前記リング体は、巻芯の中心に孔部を有するテープであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
請求項1に記載のリング体保持具によれば、複数の異なる種類のリング体が吊下げ保持されている場合であっても、架橋部を介して1又は複数のリング体を上段保持腕部及び下段保持腕部の間で移動させて、所望(使用対象)のリング体を開口部に隣接する取り出し位置に配置させることができる。すなわち、使用対象外のリング体を取り出す手間を軽減し、保持する複数種のリング体から所望のリング体を選別して容易に取り出すことが可能である。
【0018】
請求項2に記載のリング体保持具によれば、請求項1の発明の効果に加えて、架橋部を回動させ、該架橋部の係合部を上段又は下段保持腕部の先端に係合させることにより、架橋部を容易に閉位置に変位させて維持することができる。
【0019】
請求項3に記載のリング体保持具によれば、請求項1又は2の発明の効果に加えて、操作片を操作することによって、係合部の係合状態を簡単に解除し、架橋部を閉位置から開位置へと容易に変位させることができる。
【0020】
請求項4に記載のリング体保持具によれば、請求項1から3のいずれかの発明の効果に加えて、架橋部は山部及び谷部が交互に連続する蛇腹形状を有することから、該架橋部には、架橋部自体を屈曲変形容易とする複数の節が設けられている。すなわち、各節がヒンジとして作用するので、架橋部全体が滑らかな円弧を描くように変形可能となる。これにより、架橋部によるリング体の案内がよりスムーズとなる。
【0021】
請求項5に記載のリング体保持具によれば、請求項1から4のいずれかの発明の効果に加えて、下段保持腕部の先端には、上段保持腕部側に屈折する屈折部が設けられていることにより、リング体が不意に下段保持腕部から離脱することを抑えられる。また、下段保持腕部が上段保持腕部よりも長いことにより、より多くのリング体を下段保持腕部で安定保持することができる。さらに、架橋部が閉位置で外方に膨んだ弧状を有することにより、リング体を架橋部のカーブに沿って滑らかに移動させることができる。
【0022】
請求項6に記載のリング体保持具によれば、請求項5の発明の効果に加えて、取着部によって、該リング体保持具を腰ベルトに取着して、リング体を作業者の腰の傍に保持することができる。
【0023】
請求項7に記載のリング体保持具によれば、請求項1から6のいずれかの発明の効果に加えて、滑り防止手段によって、上段保持腕部に吊下げ支持したリング体が下段保持腕部側に滑り落ちることを防止し、リング体を上段保持腕部に安定的に保持することができる。
【0024】
請求項8に記載のリング体保持具によれば、請求項7の発明の効果に加えて、突出部がリング体を係止することで、リング体を上段保持腕部に安定的に保持することができる。
【0025】
請求項9に記載のリング体保持具によれば、請求項1から8のいずれかの発明の効果に加えて、上段保持腕部の外面が、幅方向の両端でリング体の内周面に当接することにより、リング体の内周面の一部を上段保持腕部外面から浮き上がらせるように保持することができる。これにより、上段保持腕部と下段保持腕部との間の空間をより広く活用することができる。
【0026】
請求項10に記載のリング体保持具によれば、請求項1から9のいずれかの発明の効果に加えて、上記発明の効果をテープを保持する際に発揮することができる。さらには、テープが粘着性の場合、隣接するテープ同士が密着して互いに付着してしまう虞があるが、本リング体保持具によれば、各テープを下段及び上段保持腕部にそれぞれ分けて配置することで、テープ間の距離を確保し、テープ同士が付着する虞を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の一実施形態のリング体保持具の(a)正面から見た概略斜視図及び(b)背面から見た概略斜視図。
図2図1のリング体保持具の(a)開状態の側面図、及び(b)閉状態の側面図。
図3図1のリング体保持具の(a)平面図、(b)底面図、(c)正面図及び(d)背面図。
図4図3のリング体保持具の(a)A−A断面図、及び(b)その閉状態を示す断面図。
図5】複数のテープを保持するリング体保持具の概略斜視図。
図6図5のリング体保持具の側面図。
図7図6のリング体保持具のB−B断面図。
図8】本実施形態のリング体保持具の使用方法を示す模式図であり、テープをリング体保持具に保持させるための各工程を示す。
図9】本実施形態のリング体保持具の使用方法を示す模式図であり、所望のテープ(T1)を取り出すための各工程を示す。
図10】本実施形態のリング体保持具の使用方法を示す模式図であり、所望のテープ(T2)を取り出すための各工程を示す。
図11】本実施形態のリング体保持具の使用方法を示す模式図であり、所望のテープ(T3)を取り出すための各工程を示す。
図12】本発明のリング体保持具の変形例を示す概略図。
図13】本発明のリング体保持具の変形例を示す概略図。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、以下の説明において参照する各図の形状は、好適な形状寸法を説明する上での概念図又は概略図であり、寸法比率等は実際の寸法比率とは必ずしも一致しない。つまり、本発明は、図面における寸法比率に限定されるものではない。
【0029】
本実施形態のリング体保持具100は、作業者に装着された状態で、複数のテープ(リング体)Tを保持可能に構成されている。以下、図1乃至図4を参照して、本発明の一実施形態のリング体保持具100の構成を詳細に説明する。
【0030】
図1(a),(b)は、リング体保持具100の正面側又は背面側から見た概略斜視図である。図2(a)は、開放状態のリング体保持具100の側面図であり、図2(b)は、閉塞状態のリング体保持具100の側面図である。図3(a)〜(d)は、リング体保持具100の平面図、底面図、正面図及び背面図である。図4(a)は、リング体保持具100のA−A断面図であり、図4(b)は、閉塞されたリング体保持具100の断面図である。
【0031】
図1に示すとおり、リング体保持具100は、上下に延在する基部101と、該基部101の下端から側方に立設した下段保持腕部102と、該下段保持腕部102と対向するようにその上方に離隔した位置で基部101の上端から側方に立設した上段保持腕部103と、該上段保持腕部103の先端から延びる可撓性の架橋部104とを備える。
【0032】
基部101は、硬質な平板状に形成されており、上下方向に所定の長さで延在している。図3に示すように、基部101は、他の部位よりも幅広である。この基部101において、下段保持腕部102及び上段保持腕部103が延在する側の面を内面とし、その反対側の面を外面とする。すなわち、基部101の内面側の空間にテープTが保持される。他方、基部101の外面には、該リング体保持具100を作業者の腰ベルト(図示せず)に取着又は装着するための取着部111が設けられている。
【0033】
取着部111は、作業者の腰ベルトに取着された状態で、下段保持腕部102及び上段保持腕部103を略水平方向に配置するように構成されている。具体的には、取着部111は、基部101外面の上端に一体的に連結されるとともに下方に板状に延在する挟持板109aと、基部101外面の下端に上方に折り返されるように形成された爪109bとを備える。挟持板109は、基部101外面と略平行に延在し、基部101外面との間に腰ベルトを挟み込むように構成されている。また、爪109bは、腰ベルトの幅方向の端縁を受け止めるように、挟持板109の下方で上方に開口している。すなわち、爪部109bは、リング体保持具100が腰ベルトに対して上方にスライドして抜け落ちることを防止する。
【0034】
下段保持腕部102は、基部101に一体的に形成されているとともに、基部101内面から略直角に直線的に延び出ている。下段保持腕部102は、基部101と同様に硬質に形成されている。また、下段保持腕部102は、その上方を向いた内面に、テープTの内周面に当接する当接面102aを有する。当接面102aは、その横断面においてテープTの内周面のカーブに対応するように幅方向に凸状に湾曲している。
【0035】
また、下段保持腕部102は、所定幅の2以上のテープTを貫通して吊下げ支持するように、少なくとも2つのテープTを配置可能な長さを有している。換言すると、下段保持腕部102の長さは、保持するテープTの厚みの2倍以上である。なお、本実施形態では、下段保持腕部102は、所定幅の3つのテープTを支持可能な長さで形成されたが、本発明はこれに限定されない。
【0036】
さらに、下段保持腕部102の先端には、上方に延びる屈折部106が形成されている。換言すれば、下段保持腕部102の先端部位が上方に屈折して、屈折部106を形成している。該屈折部106は、外面側に膨らむようにカーブした弧形状を有する。また、屈折部106の先端には、架橋部104の係合部105が係合するための被係合部107が設けられている。具体的には、被係合部107は、図4(a)に示すように、屈折部106先端において外面側及び上面側に開口するとともに先端から後退した位置で内面側に開口した貫通孔107aと、該貫通孔107a内部で上方に突出する突起107bとから構成されている。
【0037】
上段保持腕部103は、基部101に一体的に形成されているとともに、基部101内面から略直角に直線的に延び出ている。上段保持腕部103は、基部101と同様に硬質に形成されている。上段保持腕部103は下段保持腕部102と略平行に延在している。下段保持腕部102及び上段保持腕部103は、各々にテープTを吊下げ配置可能な空間を確保するように所定の距離で離隔している。また、上段保持腕部103は、平板形状を有している。つまり、上段保持腕部103の外面は平坦であり、後述するとおり、その幅方向の両端でテープTの内周面に当接する当接部103aを形成する。
【0038】
また、上段保持腕部103は、所定幅の1以上のテープTを貫通して吊下げ支持するように構成されている。すなわち、上段保持腕部103は、少なくとも1つのテープTを配置可能な長さを有している。換言すると、上段保持腕部103の長さは、保持するテープTの厚み以上である。本実施形態では、上段保持腕部103が下段保持腕部102よりも短い。また、上段保持腕部103は、2つのテープTを支持可能な長さで形成されたが、本発明はこれに限定されない。
【0039】
さらに、上段保持腕部103の先端において、その外面から上方に突出する突出部108が設けられている。該突出部108は、上段保持腕部103に吊下げ支持されたテープTの内周部分に係合可能な長さで突出し、上段保持腕部103に吊下げ支持したテープTが滑り落ちることを防止する滑り防止手段として機能する。
【0040】
すなわち、基部101、下段保持腕部102及び上段保持腕部103が側面視略コ字形状の躯体を形成し、下段保持腕部102先端と上段保持腕部103先端との間にテープTが通過するための開口部109が定められる。
【0041】
架橋部104は、下段保持腕部102先端と上段保持腕部103先端との間にテープTの開口部109を形成する開位置(図2(a),図4(a)参照)、及び、下段保持腕部102先端と上段保持腕部103先端との間に架け渡って開口部109を閉塞する閉位置(図2(b),図4(b)参照)に変位するように構成されている。すなわち、リング体保持具100の開状態(すなわち、架橋部104が開位置にある状態)において、下段保持腕部102先端と上段保持腕部103先端の間が開放されている。他方、リング体保持具100の閉状態(すなわち、架橋部104が閉位置に維持された状態)において、基部101、下段保持腕部102、上段保持腕部103及び架橋部104が、連続する枠体を構成する。
【0042】
具体的には、架橋部104は、該上段保持腕部103の先端に一体的に連結された、可撓性を有する長尺の帯状体である。該架橋部104の基端が上段保持腕部103先端に回動式に連結され、その先端が自由端である。該架橋部104の自由端は、下段保持腕部102先端に着脱自在に構成されている。また、該架橋部104は、図2(a),図4(a)に示すように、開位置において、外方に緩やかに膨らんだ弧形状を有している。なお、架橋部104は、弾性変形可能に合成樹脂材料で形成され、その(弾性変形していない)原形状において開位置にある。そして、該架橋部104は山部及び谷部が交互に連続する蛇腹形状を有する。つまり、該架橋部104には、架橋部104自体を屈曲変形容易とする複数の節が設けられている。それ故、各節がヒンジとして作用し、架橋部104全体が滑らかな円弧を描くように長手方向に変形可能である。また、架橋部104全体が各節で柔軟に弾性変形可能であるので、回動を繰り返しても架橋部104が劣化又は破損することが抑えられている。そして、架橋部104は、図2(b),図4(b)に示すように、(弾性変形した)閉位置においても、外方に膨んだ緩やかな弧状を有する。
【0043】
また、架橋部104の先端には、下段保持腕部102の被係合部107に係合する係合部105が設けられている。該係合部105が被係合部107に係合することにより、架橋部104先端が下段保持腕部102先端に着脱自在に結合し、架橋部104が閉位置に維持される。具体的には、係合部105は、架橋部104の先端でV字状に折れ曲がって形成された係合爪105aと、該係合爪105aの先端から延びる操作片105bとを備える。係合爪105aは、図4(b)に示すように、被係合部107の貫通孔107a内部に進入し、その先端で突起107bに係合可能である。係合爪105aは、貫通孔107a内部で撓み(弾性)変形し、原形状への復帰力によって突起107bに係合する。この係合状態において、架橋部104先端と下段保持腕部102先端との結合が維持されている。操作片105bは、閉状態において、枠体の外側に突出し、この結合を解除するように構成されている。すなわち、図4(b)の閉状態で、外側に突出した操作片105bを上方に回動させるように変形させることにより、V字状の係合爪105aが狭まるように撓み変形し、係合爪105a先端が突起107bから離隔して、その係合(結合)が解除される。
【0044】
なお、本実施形態のリング体保持具100は、合成樹脂で一体成形することによって製造されたものである。しかしながら、本発明はこれに上記実施形態に限定されない。例えば、基部、下段保持腕部及び上段保持腕部が金属等の硬質な材料であり、架橋部が異なる柔軟な材料であり、別体である両者がヒンジ式に連結されてもよい。
【0045】
次に、図5乃至図7を参照して、複数のテープTを保持した状態のリング体保持具100について説明する。図5は、3つのテープ(リング体)Tを保持するリング体保持具100の斜視図である。図6は、その側面図であり、図7は、そのB−B断面図である。
【0046】
図5及び図6に示すとおり、リング体保持具100は、所定幅の3つのテープTを保持している。具体的には、2つのテープTが下段保持腕部102によって吊下げ支持され、1つのテープTが上段保持腕部103によって吊下げ支持されている。各テープTは、径方向中央に所定径の孔部を有する巻芯と、巻芯に巻回されたテープ部分とからなる。下段のテープTは、屈折部106によって下段保持腕部102上に安定的に保持されている。他方、上段のテープTは、滑り防止手段としての突出部108によって、上段保持腕部103から下段保持腕部102側へと滑り落ちないように保持されている。また、テープTが粘着性である場合、隣接するテープT同士が密着して互いに付着してしまう虞があるが、図5に示すように、使用対象のテープTと、使用対象外のテープTとを下段保持腕部102及び上段保持腕部103にそれぞれ分けて配置することにより、テープT同士が付着する虞を軽減することができる。
【0047】
図7に示すように、下段保持腕部102がテープTの孔部を略水平方向に貫通し、下段保持腕部102の上を向いた当接面102aがテープTの巻芯内周面に当接することによって、下段保持腕部102にテープTが吊下げ支持されている。このとき、当接面102aが円弧状に湾曲し、下段保持腕部102の幅方向の両端側が先細りしていることから、当接面102aのほぼ全体がテープTの内周面に当接又は近接している。すなわち、下段保持腕部102は、例えば、上段保持腕部103のように保持腕部を幅方向に一定の厚みとした構造と比べて、より低い位置でテープTを吊下げ支持することができる。
【0048】
他方、図7に示すように、上段保持腕部103がテープTの孔部を略水平方向に貫通し、上段保持腕部103の上を向いた当接部103aがテープTの巻芯内周面に当接することによって、上段保持腕部103にテープTが吊下げ支持されている。このとき、上段保持腕部103の上面が幅方向に平坦であることから、上段保持腕部103の幅方向両端の当接部103aのみにテープT内周面が当接している。特には、図7の断面視において、2箇所の当接部103aがテープT内周面に点接触し、上段保持腕部103上面とテープT内周面との間に隙間が形成されている。すなわち、上段保持腕部103は、例えば、下段保持腕部102のように保持腕部の幅方向の両端側を薄肉とした構造と比べて、より高い位置でテープTを吊下げ支持することができる。
【0049】
したがって、本実施形態のリング体保持具100は、下段保持腕部102がより低い位置でテープTを支持し、上段保持腕部103がより高い位置でテープTを支持するように構成されている。これにより、下段保持腕部102及び上段保持腕部103の間の空間で、上下のテープTが互いに干渉する虞が軽減される。
【0050】
本実施形態では、保持する各テープTの幅を等しく設定し、下段保持腕部102のテープTの最大保持数N1が3であり、上段保持腕部103のテープTの最大保持数N2が2であるように、リング体保持具100を構成した。各テープTは、全て種類が異なり、例えば、色などが異なっている。本実施形態において、下段保持腕部102の最大保持数N1に合わせて、保持するテープTの数nを決定することが好ましい。そして、保持するテープTの数nをN1とした場合、上段保持腕部103の最大保持数N2が(N1−1)以上であること(すなわち、N2≧N1−1)が好ましい。なぜなら、後述するように、(N1−1)個のテープTを上段保持腕部103に待避させることができ、結果として、全ての種類(N1個)のテープTを閉状態のままで開口部109に隣接する取り出し位置に移動させることができるからである。ただし、テープTの保持を主目的とするのであれば、リング体保持具100で最大数(N1+N2)のテープTを保持してもよい。なお、テープTの保持可能な数はリング体の幅によって変動し得るが、保持するテープTの幅に応じて、リング体保持具の保持腕部の長さが適切に設定され得る。また、上記説明は、効率的なテープの保持方法を示す一例であり、同種や異なる幅のテープがリング体保持具100によって保持されてもよいことは言うまでもない。
【0051】
次に、図8乃至図11を参照して、リング体保持具100の使用方法について説明する。
【0052】
まず、使用する複数種類のテープTをリング体保持具100で保持する方法を説明する。図示しないが、リング体保持具100は、取着部111を介して作業者の腰ベルトに取着されていてもよい。図8(a)に示すように、リング体保持具100を開状態とし、下段保持腕部102先端(又は屈折部106先端)と上段保持腕部103先端(又は架橋部104先端)との間の開口部109にテープTを導入し、テープTの孔部に屈折部106を挿入する。そして、テープTを下段保持腕部102の基端側まで移動させる。本実施形態では、異なる種類の3つのテープTを下段保持腕部102に吊下げ支持させた。全てのテープTを下段保持腕部102上に配置した後、図8(b)に示すように、架橋部104を下方に回動変形させて、架橋部104の係合部105を下段保持腕部102の被係合部105に係合させることにより、架橋部104を閉位置に変位させる。こうして、テープTを閉状態のリング体保持具100に保持させることができる。一般に、作業者は、テープTを取り出して使用する必要がないときには、この状態でテープTを保持する。
【0053】
閉状態のリング体保持具100では、図8(c)に示すように、架橋部104が下段保持腕部102と上段保持腕部103との間に架け渡って1つの連続する環が形成されている。すなわち、リング体保持具100が閉状態のままで、架橋部104が下段保持腕102から上段保持腕103へとテープTの移動を案内して、テープTを下段保持腕102及び上段保持腕103の間で相互に移動させることができる。特に、架橋部104が外方に膨出するように弧状を描いていることから、下段保持腕102及び上段保持腕103間相互でテープTを滑らかに移動させることができる。したがって、作業者は、架橋部104を介して1又は複数のテープTを移動させることにより、取り出すテープTを選択的に開口部109に隣接する取り出し位置に配置することができる。
【0054】
続いて、作業者が所望のテープTをリング体保持具100から取り出す方法を説明する。ここで、異なる種類のテープTをT1,T2,T3として区別して表記する。
【0055】
まず、作業者が使用対象としてテープT1を取り出す場合、図9(a)に示すように、全てのテープT1,T2,T3を下段保持腕部102に配置して、テープT1を開口部109に隣接させる。この状態で、係合部105の操作片105bを上方に押圧することで、係合爪105aが被掛合部107の突起107bから離隔し、係合部105の被係合部107への係合が解除される。そして、架橋部104を上方に回動させて開位置に変位させることにより、開口部109が形成される。これにより、作業者は、図9(b)に示すように、該開口部109を介して、下段保持腕部102の左端に位置するテープT1を選択的に取り出すことができる。
【0056】
次に、作業者が使用対象としてテープT2を取り出す場合、図10(a)に示すように、テープT1を上段保持腕部103に移動させる。すなわち、テープT1を上段保持腕部103に配置し、且つ、テープT2,T3を下段保持腕部102に配置して、テープT2を開口部109に隣接させる。この状態で、係合部105の被係合部107への係合を解除して、架橋部104を上方に回動させて開位置に変位させることにより、開口部109が形成される。これにより、作業者は、図10(b)に示すように、該開口部109を介して、下段保持腕部102の左端に位置するテープT2を選択的に取り出すことができる。なお、作業者は、テープT1も上段保持腕部103から容易に取り出すことができる。
【0057】
最後に、作業者が使用対象としてテープT3を取り出す場合、図11(a)に示すように、テープT1,T2を上段保持腕部103に移動させる。すなわち、テープT1,T2を上段保持腕部103に配置し、且つ、テープT3を下段保持腕部102に配置して、テープT3を開口部109に隣接させる。この状態で、係合部105の被係合部107への係合を解除して、架橋部104を上方に回動させて開位置に変位させることにより、開口部109が形成される。これにより、作業者は、図11(b)に示すように、該開口部109を介して、下段保持腕部102の左端に位置するテープT3を選択的に取り出すことができる。なお、作業者は、テープT2も上段保持腕部103から容易に取り出すことができる。
【0058】
なお、ここで説明した使用方法は、一例にすぎず、保持するテープの数や種類など、リング体保持具の構成に応じて適宜変更することが可能である。
【0059】
以下、本発明に係る一実施形態のリング体保持具100の作用効果について説明する。
【0060】
本実施形態のリング体保持具100によれば、複数の異なる種類のテープ(リング体)Tが吊下げ保持されている場合であっても、架橋部104を介して1又は複数のテープTを上段保持腕部103及び下段保持腕部102の間で移動させて、使用対象外のテープTを取り出すことなく、所望(使用対象)のテープTを開口部109から取り出すことが可能である。すなわち、リング体保持具100の下段保持腕部102の開口部109に隣接する取り出し位置に、使用対象外のテープTが配置され、且つ、1又は複数の使用対象外のテープTの奥側に所望のテープTが配置されている場合、閉位置にある架橋部104に沿って使用対象外のテープTを上段保持腕部103に移動させ、使用対象外のテープTを一時的に退避させることで、所望のテープTを開口部109に隣接して配置することができる。そして、使用対象外のテープTを上段保持腕部103に保持したまま、架橋部104を開位置に変位させて開口部109を形成し、該開口部109から所望のテープTを容易に取り出すことができる。
【0061】
また、本実施形態のリング体保持具100は、所定幅の複数種のテープT1,T2,T3を保持可能に構成されている。下段保持腕部102は、保持するテープを全て保持可能な長さを有し、上端保持腕部103は、保持するテープの数よりも1つ少ない数(又はそれ以上)のテープを保持可能な長さを有していることから、全てのテープを下段保持腕部102の先端側の取り出し位置に配置することが可能である。したがって、本実施形態のリング体保持具100は、保持する複数種のテープTから所望のテープを選別して容易に取り出すことが可能である。
【0062】
[変形例]
本発明は、上記実施形態に限定されず、種々の変形例を取り得る。以下、本発明の変形例を説明する。
【0063】
(1)上記実施形態では、リング体をテープTとして説明したが、本発明はこれに限定されることなく、リング体保持具は、テープ以外のリング体を吊下げ支持する用途に用いられてもよい。すなわち、本発明において、リング体は、孔を介して吊下げ支持可能な物品を意味し、例えば、リング体は、吊下げ用の孔の空いた工具や、鍵を吊り下げるキーリングなどであってもよい。
【0064】
(2)上記実施形態のリング体保持具では、滑り防止手段は、上段保持腕部外面から突出する突出部であるが、他の構造であってもよい。例えば、図12(a),(b)のリング体保持具200,300では、上段保持腕部203,303の外面が先端から基端にかけて下がり方向に傾斜している。そして、下段保持腕部202が基部201に直角であってもよく、あるいは、下段保持腕部302が上段保持腕部303と平行に傾斜してもよい。すなわち、リング体保持具200,300は、腰ベルトに装着した状態で、重力によりリング体が滑り落ちて基端側に配置されるように構成されている。また、図12(c)に示すリング体保持具400では、開状態で架橋部405が上段保持腕部403よりも高い位置にあることで、開状態における滑り防止手段が構成されている。
【0065】
(3)本発明のリング体保持具は、上記実施形態の形状寸法に限定されることはない。例えば、図13(a)のリング体保持具500のように、架橋部504が下段保持腕部502の先端に設けられてもよい。また、図13(b)のリング体保持具600のように、下段保持腕部602が上段保持腕部603よりも短くてもよい。すなわち、本発明の技術的範囲に含まれる限り、その形状寸法が当業者によって適宜修正され得ることは言うまでもない。
【0066】
(4)上記実施形態では、架橋部が可撓性を有する蛇腹状に構成されているが、本発明はこれに限定されない。例えば、架橋部は、可撓性でなく、板バネのような比較的硬質な弾性変形可能な形態であってもよい。そして、架橋部は、初期状態(弾性変形していない状態)で閉位置にあってもよく、この場合、架橋部に力が付加されることで、開位置へと変位する。さらに、架橋部は、保持腕部に回動可能に連結された、弾性変形しない剛性の蓋体であってもよい。
【0067】
本発明は上述した実施形態や変形例に限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限りにおいて種々の態様で実施しうるものである。
【符号の説明】
【0068】
100 リング体保持具
101 基部
102 下段保持腕部
102a 当接面
103 上段保持腕部
103a 当接部
104 架橋部
105 係合部
105a 係合爪
105b 操作片
106 屈折部
107 被係合部
107a 貫通孔
107b 突起
108 突出部(滑り防止手段)
109 取着部
T テープ(リング体)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
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図13