(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
近年、機器固有の識別情報を位置検出用の情報として無線により発信するビーコン等の情報発信端末や当該情報発信端末に電力を供給する電池などを備えた情報発信モジュールが建物に設置されることがある。このような情報発信モジュールを利用した位置検出システムでは、複数の情報発信モジュールの各識別情報と各設置箇所とを対応付けたマップ情報が予め用意され、端末装置に与えられる。そして、端末装置が建物内で情報発信モジュールから識別情報を受信することで、受信した識別情報とマップ情報とから建物内で位置を検出することができる。
【0003】
ところで、建物の天井等に設置される火災感知器には、アドレス機能付火災感知器の他に、アドレス機能を有しない火災感知器である一般火災感知器もあり、この一般火災感知器にアドレス機能を付与する中継器が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
具体的には、当該中継器は、自己の固有のアドレスを有しており、建物の天井等(感知器取着面)に固着された感知器ベース(ベース)と、感知器ベースに取り付けられる感知器本体(一般火災感知器)との間に配設可能に構成されている。そして、当該中継器は、一般火災感知器が発報すれば、発報信号とともに自己のアドレスを火災受信機に送信するようになっている。
当該中継器のように、例えば情報発信モジュールが搭載された情報発信アダプタを、建物の天井等に設置されている火災感知器に取り付けることで、情報発信モジュール専用の設置箇所を別途設けることなく、複数の情報発信モジュールを建物の適切な位置に適切な間隔で配置することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記中継器の場合、その中継器を着脱する際には、感知器ベースから感知器本体を外して、感知器ベースと感知器本体との接続を解除する必要がある。感知器ベースと感知器本体との接続が解除されると、火災感知器の機能が停止した状態、すなわち火災感知器による火災監視が中断された状態になる。したがって、上記中継器の場合、火災感知器による火災監視が中断された状態でなければ、中継器の着脱を行うことができない。
【0006】
本発明の目的は、火災感知器に容易に取り付けることが可能であって、火災感知器による火災監視を中断することなく容易に交換可能な情報発信アダプタを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明に係る情報発信アダプタは、
情報発信モジュールが内蔵されたアダプタベースと、
前記アダプタベースに設けられた係止部と、を備え、
前記情報発信モジュールは、前記アダプタベースから取り外し可能なケース体に収容された状態で前記アダプタベースに内蔵されており、
火災感知器の一部に前記係止部を係着させることで、前記火災感知器の側面に固定可能であることを特徴とする。
【0008】
上記構成の情報発信アダプタであれば、火災感知器の側面に容易に取り付けることができ、火災感知器による火災監視を中断することなく構成要素を容易に交換することができる。
【0010】
上記構成によれば、情報発信モジュールの交換やメンテナンスなどを行う際、情報発信アダプタ全体を火災感知器から取り外すことなく、ケース体をアダプタベースから取り外すことで容易に行うことができる。
【0011】
請求項
2に記載の発明は、請求項
1に記載の情報発信アダプタにおいて、
前記係止部は、前記火災感知器と、その火災感知器が設置されている設置面の間に挿し入れられた状態で前記火災感知器の一部に係着されており、
前記火災感知器と前記設置面の間の隙間に取り付けられる化粧カバーを備えたことを特徴とする。
【0012】
上記構成によれば、情報発信アダプタを火災感知器に取り付けるために、火災感知器とその火災感知器が設置されている設置面の間に隙間ができてしまっても、その隙間を塞ぐことができるので、審美性に優れた取り付け構造とすることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、火災感知器に容易に取り付けることが可能であって、火災感知器による火災監視を中断することなく容易に交換可能な情報発信アダプタが得られる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して、本発明に係る情報発信アダプタの実施形態について詳細に説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
【0016】
(実施形態1)
図1は、実施形態1の情報発信アダプタ100が、天井面Cに設置されている火災感知器200に取り付けられた状態を示す側面図である。
図2は、火災感知器200の感知器ベース210の一例を示す説明図であって、下面側(床面側)から見た図である。
【0017】
本実施形態の情報発信アダプタ100は、例えば、
図1に示すように、火災感知器200の側面に配設可能である。
火災感知器200は、例えば、円板状の感知器ベース210と、外形ドーム状の感知器本体220と、を備えて構成されている。
【0018】
感知器ベース210は、火災感知器200の基部であり、取付ネジ230によって所定の設置面である天井面Cに取り付けられている。感知器ベース210は、例えば、
図2に示すように、難燃性樹脂からなる円板状の本体211と、本体211の下面側に装着された複数(本実施形態では3つ)の接続端子212と、を備えている。
接続端子212は、火災受信機等から延びる感知器回線Q(電源線や伝送線など)と感知器本体220とを電気的に接続するためのものである。接続端子212は、箱型部分212aと、当該箱型部分212aから延出するブレード状部分212bと、を有している。箱型部分212aは、電線接続端子であり、当該箱型部分212aに設けられた差込穴212a1に感知器回線Qの先端が差込まれるようになっている。ブレード状部分212bは、連結端子であり、火災の感知を実際に行う感知器本体220に設けられた爪片(連結端子)と係合して当該感知器本体220を保持するようになっている。
【0019】
感知器ベース210の本体211には、取付ネジ230用のネジ孔として、円周方向の長孔213aを連成した挿通孔213が、上下方向に貫通して設けられている。
また、感知器ベース210の本体211の略中央部には、感知器回線Qの先端部を感知器ベース210の上面側から下面側へと引込むための引込孔214が、上下方向に貫通して設けられている。
【0020】
さらに、本実施形態においては、感知器ベース210が有する挿通孔213,213(長孔213a,213aも含む)だけでなく、感知器ベース210が有する第一貫通孔215,215や第二貫通孔216,216も、取付ネジ230用のネジ孔として用いることができる。
すなわち、
図2に示す感知器ベース210の場合、三組のネジ孔を有しており、これら三組のネジ孔の中から、天井面Cに設けられている取付ネジ230用のネジ受け部の位置に適合する組のネジ孔を選択して用いることができるよう構成されている。
このように、火災感知器200の融通性を高める(1種類の感知器ベース210で様々な取り付け方に対応できるようにする)等の観点から、火災感知器200には、取付ネジ230用のネジ孔として、複数組のネジ孔が設けられている。
【0021】
図3、
図4は、実施形態1の情報発信アダプタ100の一例を示す斜視図である。
情報発信アダプタ100は、例えば、
図1、
図3、
図4に示すように、情報発信モジュール110が内蔵されたアダプタベース120と、アダプタベース120に設けられた係止部121と、火災感知器200と天井面Cの間の隙間に取り付けられる化粧カバー140等を備えている。
具体的には、情報発信モジュール110は、アダプタベース120から取り外し可能なケース体130に収容された状態でアダプタベース120に内蔵されている。このケース体130も情報発信アダプタ100を構成する部材である。
【0022】
情報発信モジュール110は、位置検出用に機器固有の識別情報を無線により発信するモジュールである。情報発信モジュール110は、例えば、
図1、
図3、
図4に示すように、電源111と、回路基板や送信回路部やアンテナ部などを備える情報発信端末112と、を有している。
【0023】
なお、ビーコンなどの情報発信端末112に電力を供給する電源111は、1つの電池により構成される電池電源に限定されず、適宜変更可能であり、例えば、複数の電池を並列接続して構成される電池電源であってもよい。
また、電源111を構成する電池は、ボタン形電池に限定されず、適宜変更可能であり、例えば、円筒形電池(円筒形リチウム電池)であってもよい。
【0024】
また、電源111は、電池電源に限定されず、適宜変更可能であり、例えば光発電装置等であってもよい。電源111が光発電装置である場合、当該電源111は、例えば、アダプタベース120の外周側面に配設された光電池(太陽電池等)と、当該光電池からの電力を集電して外部(情報発信端末112)に出力する出力部と、からなる。
【0025】
アダプタベース120は、例えば、
図3、
図4に示すように、樹脂からなる略円弧形状を呈する部材であり、火災感知器200の感知器ベース210の外縁上部に係着可能な係止部121と、情報発信モジュール110が収められたケース体130を着脱可能に収容する収容部122を備えている。
【0026】
実施形態1の係止部121は、取付ネジ230を僅かに緩めるなどして火災感知器200(感知器ベース210)と天井面Cの間の形成した隙間に挿し入れられた状態で、感知器ベース210の外縁上部に係着されている。
このアダプタベース120の係止部121が、感知器ベース210の外縁上部に係着された状態で、情報発信アダプタ100が火災感知器200の側面に固定されている。
また、火災感知器200と天井面Cの間の形成された隙間を塞いで隠すように、化粧カバー140が取り付けられている。
【0027】
化粧カバー140は、樹脂からなる略C字形状を呈する部材である。この化粧カバー140は可撓性を有しているので、一時的に拡開するように変形させて感知器ベース210の上縁に取り付けることができる。
【0028】
ケース体130は、樹脂からなる箱状の部材であり、情報発信モジュール110を収容している。
このケース体130をアダプタベース120から引き出すようにすれば、ケース体130をアダプタベース120から取り外すことができ、ケース体130に収められている電源111の交換などを行うことができる。
また、ケース体130には爪部131が設けられており、その爪部131がアダプタベース120の収容部122に設けられている凹部122aに嵌入することで、ケース体130が収容部122内に保持されるようになっている。
【0029】
ここで、情報発信アダプタ100の設置方法の一例を説明する。
情報発信アダプタ100は、例えば新築工事中で火災受信機が電源投入されておらず停止している際に、新設の火災感知器200と、当該火災感知器200が取り付けられる設置面(天井面C)との間に設置可能である。さらに、情報発信アダプタ100は、例えば、保守または点検時などの火災受信機保守モード設定時の際、あるいは自火報設備の機能を阻害せずに作業者が意図的に対象の火災感知器を外す際に、既設の火災感知器200と、当該火災感知器200が取り付けられている設置面(天井面C)との間に設置可能である。
【0030】
具体的には、まず、取付ネジ230を緩めて、火災感知器200と天井面Cとの間に所定の間隙を作る(第1工程)。
次いで、火災感知器200と天井面Cとの間隙に情報発信アダプタ100(アダプタベース120)の係止部121を挿し入れ、その係止部121を感知器ベース210の外縁上部に係着させる(第2工程)。
さらに、化粧カバー140を感知器ベース210の上縁に取り付ける(第3工程)。
そして、取付ネジ230を締めて、火災感知器200と天井面Cとで情報発信アダプタ100のアダプタベース120を挟んで(第4工程)、情報発信アダプタ100の設置が完了する。
【0031】
このように、情報発信アダプタ100は、アダプタベース120の係止部121を感知器ベース210の外縁上部に係着させることで、火災感知器200の側面に設置することができる。
【0032】
また、構成要素の交換(電源111や情報発信端末112などの交換)や、構成要素の追加(例えば、アダプタベース120に新たな構成要素を搭載することにより実現可能)や、機能の追加(例えば、情報発信端末112を交換することにより実現可能)を行う場合、ケース体130をアダプタベース120から引き出すように取り外すことで、それらを容易に行うことができる。
つまり、構成要素の交換や追加などを行う際、情報発信アダプタ100全体を火災感知器200から取り外すことなく、ケース体130をアダプタベース120から取り外すことで容易に行うことができるため、本実施形態の情報発信アダプタ100は、メンテナンス性やリニューアル時の施工性などに優れている。
【0033】
したがって、この情報発信アダプタ100は、火災感知器200の側面に容易に取り付けることができ、火災感知器200による火災監視を中断することなく、電源111や情報発信端末112などの構成要素を容易に交換することができる。
【0034】
なお、本発明は上記実施形態に限られるものではない。
例えば、
図5に示すように、情報発信アダプタ100は、火災感知器200の感知器ベース210の上面開口(例えば、引込孔214)の内縁に係着可能な係止部121が設けられているアダプタベース120を備えたものでもよい。
この情報発信アダプタ100であれば、アダプタベース120の係止部121を感知器ベース210の上面開口の内縁に係着させることで、火災感知器200の側面に設置することができる。
また、アダプタベース120からケース体130を引き出して取り外すことで、ケース体130に収められている電源111の交換などを容易に行うことができる。
【0035】
(実施形態2)
次に、本発明に係る情報発信アダプタの実施形態2について説明する。なお、実施形態1と同一部分には同符号を付し、異なる部分についてのみ説明する。
図6(a)は、実施形態2の情報発信アダプタ100が、天井面Cに設置されている火災感知器200に取り付けられた状態を示す側面図であり、
図6(b)は、情報発信アダプタ100の取り付けに関する説明図である。
【0036】
情報発信アダプタ100は、例えば、
図6(a)(b)に示すように、情報発信モジュール110が収められたケース体130と、ケース体130を着脱可能に収容するアダプタベース120と、アダプタベース120に設けられた係止部121等を備えている。
このアダプタベース120の係止部121は、火災感知器200の感知器ベース210の周面に設けられている溝部210aに係着可能な形状を有している。
つまり、情報発信アダプタ100を火災感知器200の感知器ベース210に取り付けることができるように、感知器ベース210の周面に設けられている溝部210aの態様に応じた形状の係止部121がアダプタベース120に設けられている。
【0037】
このような情報発信アダプタ100であっても、火災感知器200の側面に容易に固定することができる。
また、アダプタベース120からケース体130を引き出して取り外すことで、ケース体130に収められている電源111の交換などを容易に行うことができる。
【0038】
なお、上記実施形態2においては、感知器ベース210の溝部210aに係着可能な係止部121を有するアダプタベース120を備えた情報発信アダプタ100を例に説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
火災感知器200の感知器ベース210の周面に、情報発信アダプタ100を固定することが可能な溝部210aのような被係着部が無い場合、例えば、両面テープや接着剤を係止部として用いて、アダプタベース120を感知器ベース210の周面に固着するようにしてもよい。
【0039】
また、上記実施形態2の情報発信アダプタ100は、アダプタベース120とケース体130が別体である場合を例に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、アダプタベース120とケース体130が一体型の情報発信アダプタ100であってもよい。
【0040】
また、上記実施形態1,2において、その他、具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であることは勿論である。