(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記固定用ネジ孔と前記取付用ネジ孔とは、同一の円周上に配置され、かつ、当該円周は、前記ベース部材と同心であることを特徴とする請求項1に記載の情報発信アダプタ。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の説明では、天井側を上側とし、床側を下側とする。
【0022】
<情報発信アダプタ>
図1(a)は、本発明の実施形態に係る情報発信アダプタの設置例を示す図である。
図1(b),(c)は、
図1(a)において情報発信アダプタのみを断面で示した図である。具体的には、
図1(b)は、固定用ネジ孔121を通る中心線における断面図であり、取付ネジN2の図示を省略している。また、
図1(c)は、取付用ネジ孔122を通る中心線における断面図であり、固定ネジN1の図示を省略している。
図2は、火災感知器の感知器ベースの一例を示す図であって、下面側から見た図である。
【0023】
本発明の実施形態の情報発信アダプタ100は、例えば
図1(a)〜(c)に示すように、火災感知器200と、当該火災感知器200が取付けられる被取付部Pと、の間に配設可能である。ここで、被取付部Pは、天井面や、屋内配線等に用いられるボックス(アウトレットボックス、露出ボックス等)や、感知器取付金具などである。
火災感知器200は、例えば
図1(a)〜(c)に示すように、略円盤状の感知器ベース210と、外形ドーム状の感知器本体220と、を備えて構成される。
【0024】
感知器ベース210は、火災感知器200の基部であり、通常、固定ネジN1によって被取付部Pに取付けられているが、本実施形態の場合、感知器ベース210は、例えば
図1(a),(c)に示すように、取付ネジN2によって情報発信アダプタ100に取付けられる。感知器ベース210は、例えば
図2に示すように、難燃性樹脂からなる本体211と、本体211の下面側に装着された複数(本実施形態では3つ)の接続端子212と、を備えている。
接続端子212は、火災受信機等から延びる感知器回線Q(電源線や伝送線など)と感知器本体220とを電気的に接続するためのものである。接続端子212は、箱型部分212aと、当該箱型部分212aから延出するブレード状部分212bと、を有している。箱型部分212aは、電線接続端子であり、当該箱型部分212aに設けられた差込穴212a1に感知器回線Qの先端が差込まれるようになっている。ブレード状部分212bは、連結端子であり、火災の感知を実際に行う感知器本体220に設けられた爪片(連結端子)と係合して当該感知器本体220を保持するようになっている。
【0025】
感知器ベース210の本体211には、一対の第一ネジ孔213と、一対の第二ネジ孔214と、が感知器ベース210の厚み方向(上下方向)に貫通して設けられている。第一ネジ孔213及び第二ネジ孔214は、固定ネジN1用のネジ孔(固定ネジN1の軸部が挿通可能なネジ孔)として設けられたものであるが、本実施形態の場合、第一ネジ孔213及び第二ネジ孔214を、取付ネジN2用のネジ孔(取付ネジN2の軸部が挿通可能なネジ孔)として使用する。したがって、固定ネジN1用のネジ孔として設けられた第一ネジ孔213及び第二ネジ孔214を、取付ネジN2用のネジ孔として使用できるよう、取付ネジN2として、固定ネジN1と同一形状の螺子、あるいは固定ネジN1と軸部の長さのみが異なる螺子を用いる。
【0026】
第一ネジ孔213は、略円盤状の感知器ベース210と同心の円周方向に沿って延びる円弧状に形成されており、第二ネジ孔214は、円弧状の第一ネジ孔213よりも外側に配置されている。そして、第一ネジ孔213が配置される円周の中心と、第二ネジ孔214が配置される円周の中心と、感知器ベース210の中心と、は同一である。したがって、感知器ベース210の中心から第一ネジ孔213までの距離は、感知器ベース210の中心から第二ネジ孔214までの距離よりも短い。
また、感知器ベース210の本体211の略中央部には、感知器回線Qの先端部を感知器ベース210の上面側から下面側へと引込むための引込孔215が、感知器ベース210の厚み方向(上下方向)に貫通して設けられている。
【0027】
図3〜
図6は、本発明の実施形態に係る情報発信アダプタの一例を示す図である。具体的には、
図3は、固定ベース120と可動ベース130とが合体した状態を示す図であって、下面側から見た図である。また、
図4は、固定ベース120と可動ベース130とが合体した状態を示す図であって、下面側から見た斜視図である。また、
図5は、固定ベース120と可動ベース130とが分離した状態を示す図であって、下面側から見た斜視図である。また、
図6は、固定ベース120と可動ベース130とが分離した状態を示す図であって、下面側から見た分解斜視図である。なお、
図3では、感知器ベース210及び取付ネジN2を仮想線(二点鎖線)で示している。また、
図4〜
図6では、感知器ベース210の一部構成(接続端子212等)の図示を省略している。
【0028】
情報発信アダプタ100は、例えば
図3や
図6に示すように、感知器ベース210の外径よりも大きな外径を有する略円盤状のベース部材110と、ベース部材110に装着される情報発信モジュール160と、を備えて構成される。
なお、ベース部材110の外径は、感知器ベース210の外径と同一であっても良いし、感知器ベース210の外径よりも小さくても良い。
【0029】
ベース部材110は、例えば
図4や
図5に示すように、被取付部Pに固定される固定ベース120と、固定ベース120に着脱自在な可動ベース130と、に分割可能である。固定ベース120及び可動ベース130は、樹脂(難燃性樹脂であっても良いし、難燃性樹脂でなくても良い)からなる。火災感知器200は、固定ベース120に取付けられる。
【0030】
固定ベース120には、例えば
図5に示すように、一対の固定用ネジ孔121と、一対の取付用ネジ孔122と、がベース部材110の厚み方向(上下方向)に貫通して設けられている。固定用ネジ孔121は、固定ベース120を被取付部Pに固定するための固定ネジN1の軸部が挿通可能である。また、取付用ネジ孔122は、固定ベース120に火災感知器200を取付けるための取付ネジN2と螺合可能である。すなわち、取付用ネジ孔122は、取付ネジN2が螺合するネジ受けであり、取付用ネジ孔122には、ナット埋込等の雌ネジ加工が施されている。
【0031】
固定用ネジ孔121は、略円盤状のベース部材110と同心の円周方向に沿って延びる円弧状に形成されており、取付用ネジ孔122は、円弧状の固定用ネジ孔121の延長線上に配置されている。すなわち、固定用ネジ孔121と取付用ネジ孔122とは、同一の円周上に配置されており、固定用ネジ孔121及び取付用ネジ孔122が配置される円周の中心と、ベース部材110の中心と、は同一である。したがって、ベース部材110の中心から固定用ネジ孔121までの距離と、ベース部材110の中心から取付用ネジ孔122までの距離と、は同一である。
【0032】
また、固定ベース120の固定用ネジ孔121及び取付用ネジ孔122が配置される円周の径と、感知器ベース210の第一ネジ孔213が配置される円周の径と、は同一である。したがって、取付用ネジ孔122は、感知器ベース210の第一ネジ孔213を通過してきた取付ネジN2の軸部を受けることができる。すなわち、火災感知器200を固定ベース120に対してネジ止めする際に、感知器ベース210側の取付ネジN2用のネジ孔(取付ネジN2の軸部が挿通可能なネジ孔)として、第一ネジ孔213を使用することもできる。
なお、本実施形態では、感知器ベース210の第一ネジ孔213及び第二ネジ孔214のうち、第一ネジ孔213を取付ネジN2用のネジ孔として使用するが、第二ネジ孔214を取付ネジN2用のネジ孔として使用することも可能である。感知器ベース210の第二ネジ孔214を取付ネジN2用のネジ孔として使用する際には、例えば
図3において固定用ネジ孔121と取付用ネジ孔122との間に設けられた貫通孔Aを、情報発信アダプタ100側の取付ネジN2用のネジ孔として使用することができる。
【0033】
さらに、固定用ネジ孔121及び取付用ネジ孔122は、ベース部材110と同心の円周上に配置されており、第一ネジ孔213は、感知器ベース210と同心の円周上に配置されている。したがって、固定ベース120に火災感知器200を取付けた状態(ネジ止めした状態)において、ベース部材110の中心と、感知器ベース210の中心と、が一致することとなる。
【0034】
また、固定ベース120には、例えば
図5に示すように、感知器回線Qとの干渉を回避するための開口部123が、ベース部材110の厚み方向(上下方向)に貫通して設けられている。開口部123は、固定ベース120に火災感知器200を取付けた状態において、感知器ベース210の引込孔215と対向する位置に配設されている。
【0035】
可動ベース130は、固定ベース120が固定されている被取付部Pと、当該固定ベース120に取付けられている火災感知器200と、の間で上下方向と直交する平面に沿ってスライド移動することで、当該固定ベース120に着脱できるようになっている。なお、以下の説明では、固定ベース120に可動ベース130を取付ける際の可動ベース130の進行方向側を前側とし、固定ベース120から可動ベース130を取外す際の可動ベース130の進行方向側を後側とする。また、上下方向と前後方向の双方に直交する方向を左右方向とする。
【0036】
可動ベース130は、例えば
図5に示すように、固定ベース120が収まる収容部131を有する略蹄鉄状をなしている。収容部131は、略円弧状に湾曲した後壁面と、互いに対向する左壁面及び右壁面と、の3つの壁面により形成(画成)されている。
可動ベース130は、例えば
図6に示すように、情報発信モジュール160を収納可能に構成された本体部132と、本体部132の開口面(本実施形態の場合、下面)を塞ぐ蓋部133と、からなる。
図7は、本体部132の一例を示す図であって、(a)は上面側から見た図であり、(b)は下面側から見た図である。
図7(b)では、本体部132内に収納された情報発信モジュール160も図示している。
【0037】
例えば
図5に示すように、固定ベース120の左側面と右側面の双方には、凸状の後側レール部124及び前側レール部125が前後方向(すなわち、可動ベース130のスライド移動方向)に沿って設けられている。一方、可動ベース130の収容部131を形成する左壁面と右壁面の双方には、凸状の上側摺動突部134及び下側摺動突部135が前後方向に沿って設けられており、可動ベース130を固定ベース120に着脱する際に、上側摺動突部134が後側レール部124の上面を摺動するとともに、下側摺動突部135が前側レール部125の下面を摺動するよう構成されている。
【0038】
このように、本実施形態においては、固定ベース120に対する可動ベース130の着脱をガイドするためのガイド構造として、レール部124,125と摺動突部134,135とからなるガイド構造を有しているため、可動ベース130を、固定ベース120に対してスライドさせるだけで、当該可動ベース130を適正位置にスムーズに取付けることができる。
さらに、後側レール部124と上側摺動突部134によって、固定ベース120に取付けられている可動ベース130の下方へのがたつきを抑えることができるとともに、前側レール部125と下側摺動突部135によって、固定ベース120に取付けられている可動ベース130の上方へのがたつきを抑えることができる。したがって、例えば地震等の揺れを受けた場合でも、固定ベース120と可動ベース130との合体した状態を安定的に保つことができる。
【0039】
また、例えば
図5に示すように、固定ベース120の後側面には、ガイド板126が突設されている。ガイド板126は、固定ベース120の上面を形成する上壁部を後側へ延長して形成されたものである。ガイド板126の左端部と右端部の双方には、下側へ突出する突出部126aが前後方向(すなわち、可動ベース130のスライド移動方向)に沿って設けられている。一方、例えば
図7(a)に示すように、可動ベース130の本体部132の上面のうち、収容部131を形成する左壁面と右壁面の双方の延長線上には、下側へ窪んだガイド溝136が前後方向に沿って設けられており、固定ベース120と可動ベース130とが合体した状態において、突出部126aがガイド溝136内に配されるよう構成されている。
【0040】
このように、本実施形態においては、固定ベース120に対する可動ベース130の着脱をガイドするためのガイド構造として、突出部126aとガイド溝136とからなるガイド構造を有しているため、可動ベース130を、固定ベース120に対してスライドさせるだけで、当該可動ベース130を適正位置にスムーズに取付けることができる。
ここで、可動ベース130の上面のうち、2つのガイド溝136で挟まれた部分(
図7(a)にて水玉ハッチングを付した部分)は、固定ベース120と可動ベース130とが合体した状態において、固定ベース120のガイド板126と対向する。したがって、可動ベース130の上面のうち、2つのガイド溝136で挟まれた部分は、少なくともガイド板126の厚みの分だけ、他の部分よりも一段低くなっている。
【0041】
なお、本実施形態では、固定ベース120に対する可動ベース130の着脱をガイドするためのガイド構造として、レール部124,125と摺動突部134,135とからなるガイド構造と、突出部126aとガイド溝136とからなるガイド構造と、の2種類のガイド構造を設けたが、いずれか一方だけでも良い。
また、固定ベース120に対する可動ベース130の着脱をガイドするためのガイド構造は、レール部124,125と摺動突部134,135とからなるガイド構造、突出部126aとガイド溝136とからなるガイド構造に限定されず、適宜変更可能である。
【0042】
また、例えば
図5に示すように、固定ベース120の後側面には、前側へ窪んだ嵌合凹部127が設けられている。一方、可動ベース130の収容部131を形成する後壁面には、弾性変形可能な略U字状の差込部137が突設されており、固定ベース120と可動ベース130とが合体した状態において、差込部137が嵌合凹部127に嵌合するよう構成されている。
差込部137の先端部には、例えば
図3に示すように、外側を向いた係止爪137aが設けられており、この係止爪137aによって、差込部137が嵌合凹部127に嵌合した状態を維持できるようになっている。また、固定ベース120に取付けられている可動ベース130を所定以上の力で後方に向けて引張ることで、係止爪137aが嵌合凹部127を形成(画成)する壁面に押されて、差込部137は両先端部が互いに近づくように弾性変形する。これにより、差込部137が嵌合凹部127に嵌合した状態を解除できるため、固定ベース120から可動ベース130を取外すことができる。
【0043】
このように、本実施形態においては、可動ベース130を固定ベース120に着脱可能に係止するための係止構造として、嵌合凹部127と差込部137とからなる係止構造を有しているため、例えば地震等の揺れを受けた場合でも、固定ベース120と可動ベース130との合体した状態を安定的に保つことができる。また、所定以上の力で可動ベース130を引張るだけで、固定ベース120から可動ベース130を取外すことができるため、可動ベース130の着脱作業を容易に行うことが可能となる。
なお、可動ベース130を固定ベース120に着脱可能に係止するための係止構造は、嵌合凹部127と差込部137とからなる係止構造に限定されず、適宜変更可能である。
【0044】
情報発信モジュール160は、位置検出用に機器固有の識別情報を無線により発信するモジュールである。情報発信モジュール160は、例えば
図6に示すように、回路基板や送信回路部やアンテナ部などを備える情報発信端末161と、当該情報発信端末161に電力を供給する電源162と、を有している。
電源162は、一又は複数の電池からなる。例えば
図7(b)に示すように、可動ベース130の本体部132の内部には、一の電池を着脱自在に収納する収納室132aが複数設けられている。これら複数の収納室132aは並列接続されているため、電源162は、全ての収納室132aが埋まっていなくても、情報発信端末161に電力を供給することができる。本実施形態の場合、可動ベース130は、6個の収納室132aを有しているため、情報発信アダプタ100には最大で6つの電池を搭載することができる。
【0045】
なお、本実施形態において、収納室132aは、ボタン形電池を収容可能に構成されているが、これに限定されず、収納室132aは、例えば、円筒形電池(円筒形リチウム電池)を収容可能に構成されていても良い。
また、収納室132aの数は、6個に限定されず、適宜変更可能であり、例えば1個であっても良い。
【0046】
ここで、本実施形態の情報発信アダプタ100の設置方法の一例を説明する。
情報発信アダプタ100は、新設の火災感知器200の近傍にも、既設の火災感知器200の近傍にも設置可能である。具体的には、情報発信アダプタ100は、例えば新築工事中で火災受信機が電源投入されておらず停止している際に、新設の火災感知器200と、当該火災感知器200が取付けられる被取付部Pと、の間に設置可能である。さらに、情報発信アダプタ100は、例えば、保守や点検時などの火災受信機保守モード設定時の際、あるいは自火報設備の機能を阻害せずに作業者が意図的に対象の火災感知器を外す際に、既設の火災感知器200と、当該火災感知器200が取付けられている被取付部Pと、の間に設置可能である。ここでは、既設の火災感知器200の近傍への設置方法を説明する。
【0047】
まず、感知器ベース210から感知器本体220を外す(第1工程)。
次いで、固定ネジN1を外して、感知器ベース210と被取付部Pとの間に所定の間隙を作る(第2工程)。
【0048】
次いで、固定ベース120を、感知器ベース210と被取付部Pとの間に挿入する(第3工程)。本実施形態において、固定ベース120の開口部123には、例えば
図5に示すように、外部と連通する連通開口123aが形成されている。この連通開口123aは、固定ベース120を感知器ベース210と被取付部Pとの間に挿入する際、感知器回線Qとの干渉を回避するために設けられている。すなわち、固定ベース120を感知器ベース210と被取付部Pとの間に挿入する際、連通開口123aから挿入することで、感知器回線Qに邪魔されることなく、固定ベース120を適正位置へと進入させることができる。したがって、固定ベース120は、感知器回線Qを感知器ベース210から外さなくても、感知器ベース210と、当該感知器ベース210が取付けられていた被取付部Pと、の間に配置することができる。
【0049】
次いで、固定ネジN1を用いて、固定ベース120を被取付部Pにネジ止めして固定する(第4工程)。本実施形態においては、固定ベース120の固定用ネジ孔121及び取付用ネジ孔122が配置される円周の径と、感知器ベース210の第一ネジ孔213が配置される円周の径と、が同一である。したがって、感知器ベース210を被取付部Pに取付ける際に使用していた被取付部P側のネジ孔を、固定ベース120を被取付部Pに固定する際にも使用できるため、情報発信アダプタ100の設置に際して、被取付部Pにネジ孔を新設する必要がない。さらに、火災感知器200を被取付部Pに取付ける際には、固定ネジN1として、被取付部Pの形状や材料あるいは周囲環境に応じて適するネジ長の螺子を選択して使用している。固定ベース120の固定用ネジ孔121の挿通部分の厚みT(
図1(b)参照)は、感知器ベース210の第一ネジ孔213の挿通部分の厚み以下となっているため、固定ベース120を被取付部Pに固定する際に、火災感知器200を被取付部Pに取付ける際に選択された固定ネジN1を使用することで、感知器ベース210の取付け時と同じ状況で、固定ベース120を被取付部Pにネジ止めして固定することができる。
【0050】
次いで、取付ネジN2を用いて、感知器ベース210を固定ベース120にネジ止めして取付ける(第5工程)。本実施形態においては、固定ベース120の固定用ネジ孔121及び取付用ネジ孔122が配置される円周の径と、感知器ベース210の第一ネジ孔213が配置される円周の径と、は同一である。したがって、感知器ベース210を被取付部Pに取付ける際に使用していた感知器ベース210側のネジ孔(第一ネジ孔213)を、感知器ベース210を固定ベース120に取付ける際にも使用できるため、被取付部Pに固定ネジN1で取付けられていた感知器ベース210をそのまま用いることができる。すなわち、情報発信アダプタ100の設置に際して、感知器ベース210にネジ孔を新設したり、情報発信アダプタ100専用の感知器ベース210に交換したりする必要がない。
【0051】
次いで、情報発信モジュール160が装着されている可動ベース130を、固定ベース120に取付けて、情報発信アダプタ100を構成する(第6工程)。可動ベース130を固定ベース120に取付ける際には、可動ベース130を、被取付部Pと感知器ベース210との間で、上下方向と直交する平面に沿って固定ベース120に向けてスライド移動させる。
そして、最後に、感知器ベース210に感知器本体220を付ける(第7工程)。
【0052】
このように、情報発信アダプタ100は、固定ベース120を感知器ベース210と被取付部Pとの間に挿入し、その後、固定ベース120に対して、情報発信モジュール160が装着されている可動ベース130を取付ける(スライド移動させる)だけで、火災感知器200(火災感知器200の近傍)に設置することができる。すなわち、本実施形態の情報発信アダプタ100は、感知器回線Qを感知器ベース210から外さなくても、火災感知器200の近傍に設置することができる。
【0053】
また、本実施形態の情報発信アダプタ100は、火災感知器200の近傍に設置されている状態で、可動ベース130のみを取外すことができる。したがって、固定ネジN1や取付ネジN2や感知器回線Qを外さなくても、情報発信モジュール160が装着されている可動ベース130のみを取外すことができるため、火災感知器200による火災監視を中断することなく構成要素の交換を行うことができる。
さらに、可動ベース130は、所定以上の力で引張るだけで、固定ベース120から取外すことができる。したがって、情報発信モジュール160が装着されている可動ベース130を容易に取外すことができる。
【0054】
ここで、火災感知器200の近傍に設置されている情報発信アダプタ100において、構成要素の交換や、構成要素の追加や、機能の追加(例えば、情報発信端末を交換することにより実現可能)などを行うには、情報発信アダプタ100の少なくとも一部を取外す必要がある。本実施形態の情報発信アダプタ100は、固定ネジN1や取付ネジN2や感知器回線Qを外さなくても、所定以上の力で引張るだけで、可動ベース130のみを取外すことができる。すなわち、可動ベース130は、火災感知器による火災監視を中断することなく、容易に取外すことができるため、構成要素の交換や構成要素の追加や機能の追加なども容易に行うことができることとなり、メンテナンス性やリニューアル時の施工性などに優れている。
【0055】
また、火災感知器200は、天井又は天井とみなせる固定器材(取付け具)に確実に取付ける必要がある。その点、本実施形態の情報発信アダプタ100は、ネジを用いて固定ベース120を被取付部P(天井又は天井とみなせる固定器材)に固定するため、固定ベース120は、天井とみなせる固定器材であると言える。そして、その固定ベース120に、ネジを用いて火災感知器200を取付けるため、火災感知器200を確実に取付けることができる。すなわち、情報発信アダプタ100は、火災感知器200を取付可能な被取付部Pと同等の設置条件を満たし、火災感知器200を取付けることができる。さらに、本実施形態の情報発信アダプタ100は、感知器ベース210と感知器本体220との間に介在するものでもない。よって、本実施形態の情報発信アダプタ100は、火災感知器200の機能・性能に影響を与えることなく、火災感知器200の近傍に固定可能である。
【0056】
以上説明した本実施形態の情報発信アダプタ100は、略円盤状のベース部材110と、ベース部材110に装着される情報発信モジュール160と、を備え、ベース部材110は、被取付部Pに固定され、火災感知器200が取付けられる固定ベース120と、固定ベース120に着脱自在な可動ベース130と、に分割可能であり、固定ベース120は、当該固定ベース120を被取付部Pに固定するための固定ネジN1の軸部が挿通可能な固定用ネジ孔121と、当該固定ベース120に火災感知器200を取付けるための取付ネジN2と螺合可能な取付用ネジ孔122と、を有し、可動ベース130は、被取付部Pと火災感知器200との間でスライド移動することで、当該被取付部Pに固定され当該火災感知器200が取付けられた固定ベース120に着脱する。
【0057】
したがって、火災感知器200による火災監視を中断することなく構成要素の交換等を行うことができる。
また、火災感知器200の機能・性能に影響を与えることなく火災感知器200の近傍に固定(設置)することができる。
なお、固定用ネジ孔121は、長孔(円弧状の孔)でなくても良く、例えば、短孔(例えば、長径と短径が略同一の孔)であっても良い。
【0058】
また、本実施形態の情報発信アダプタ100において、固定用ネジ孔121と取付用ネジ孔122とは、同一の円周上に配置され、かつ、当該円周は、ベース部材110と同心であるよう構成可能である。
このように構成することによって、情報発信アダプタ100の固定(設置)に際して、被取付部Pや火災感知器200にネジ孔を新設する必要がなくなる。
【0059】
また、本実施形態の情報発信アダプタ100において、情報発信モジュール160は、情報発信端末161と、当該情報発信端末161に電力を供給する電源162と、を有し、電源162は、可動ベース130に装着され、一又は複数の電池からなり、当該電池からの電力を情報発信端末161に供給するよう構成可能である。
このように構成することによって、火災感知器200による火災監視を中断することなく、電池(構成要素)の交換を行うことができる。
なお、電源162は、固定ベース120に装着しても良い。
【0060】
また、本実施形態の情報発信アダプタ100においては、被取付部Pに火災感知器200を取付ける際に使用していたネジを、固定ネジN1として使用可能であり、固定用ネジ孔121の、固定ネジN1の軸部が収納される部分の厚み(挿通部分の厚みT)は、火災感知器200の、固定ネジN1の軸部が収納される部分の厚み(第一ネジ孔213の挿通部分の厚み)以下であるよう構成することが可能である。
このように構成することによって、火災感知器200の取付け時と同じ状況で、固定ベース120を被取付部Pにネジ止めして固定することができる。
【0061】
以下に、情報発信アダプタ100の変形例を示す。上記の実施形態の構成や下記の各変形例の構成は適宜組合せて適用することが可能である。無論、本発明の情報発信アダプタ100の構成は、上記の実施形態の構成や下記の各変形例の構成に限定されるものではない。
【0062】
<変形例1>
情報発信モジュール160が有する電源162は、電池からなるものに限定されず、適宜変更可能であり、例えば
図8に示すように、外部からの電源線R(例えば、新規に敷設された、情報発信アダプタ100専用の電源線)と接続可能なものであっても良い。この場合、電源162は、可動ベース130に装着することも可能であるが、固定ベース120に装着することが好ましい。
【0063】
本変形例のように、情報発信アダプタ100において、情報発信モジュール160は、情報発信端末161と、当該情報発信端末161に電力を供給する電源162と、を有し、電源162は、固定ベース120に装着され、外部からの電源線Rと接続可能であり、当該電源線Rからの電力を情報発信端末161に供給するよう構成可能である。
このように構成することによって、電池を搭載する必要がなくなる。したがって、交換が必要な構成要素を削減できるため、構成要素の交換頻度を抑えることが可能となる。
【0064】
<変形例2>
情報発信アダプタ100は、例えば
図9及び
図10に示すように、DINレールを有する上面プレート150を備えていても良い。
図9及び
図10は、変形例2に係る情報発信アダプタの一例を示す図である。具体的には、
図9は、固定ベース120と可動ベース130とが分離した状態を示す図であって、下面側から見た斜視図である。また、
図10は、固定ベース120と可動ベース130とが分離した状態を示す図であって、下面側から見た分解斜視図である。
【0065】
上面プレート150は、例えば、ベース部材110の外径と略同一の外径を有する円板であり、1枚の金属プレートをプレス加工等により成型してなる。この上面プレート150は、固定ベース120の上面に係止されている。
本変形例の情報発信アダプタ100は、前述したレール部124,125と摺動突部134,135とからなるガイド構造及び突出部126aとガイド溝136とからなるガイド構造(
図5〜
図7)に替えて、DINレール151,152とガイド溝141,142とからなるガイド構造を有している。
【0066】
具体的には、例えば
図9及び
図10に示すように、上面プレート150には、下側へ突出する一対の外側DINレール151及び一対の内側DINレール152が前後方向(すなわち、可動ベース130のスライド移動方向)に沿って設けられている。一対の外側DINレール151のうち、一方は固定ベース120の左側面の左方に配設され、他方は固定ベース120の右側面の右方に配設されている。また、一対の内側DINレール152のうち、一方は固定ベース120の左側面の左方であって、当該左側面の左方に配設されている外側DINレール151よりも当該左側面に近接して配設され、他方は固定ベース120の右側面の右方であって、当該右側面の右方に配設されている外側DINレール151よりも当該右側面に近接して配設されている。一方、可動ベース130の上面には、下側へ窪んだ一対の外側ガイド溝141及び一対の内側ガイド溝142が前後方向に沿って設けられており、固定ベース120と可動ベース130とが合体した状態において、外側DINレール151が外側ガイド溝141内に配されるとともに、内側DINレール152が内側ガイド溝142内に配されるよう構成されている。
【0067】
したがって、本変形例においては、固定ベース120に対する可動ベース130の着脱をガイドするためのガイド構造として、DINレール151,152とガイド溝141,142とからなるガイド構造を有しているため、可動ベース130を、固定ベース120に対してスライドさせるだけで、当該可動ベース130を適正位置にスムーズに取付けることができる。
また、本変形例においては、金属製のDINレール151,152によって可動ベース130のスライド移動をガイドするため、よりスムーズなスライド移動が可能となる。
また、本変形例においては、金属製の4本のレール(DINレール151,152)によって情報発信モジュール160が装着されている可動ベース130を吊下げた状態で支持できるため、樹脂製の可動ベース130が、情報発信モジュール160の重みで撓んでしまう等の不都合を回避できる。したがって、例えば地震等の揺れを受けた場合でも、固定ベース120と可動ベース130との合体した状態を安定的に保つことができる。
【0068】
本変形例の場合、上面プレート150が、レール部124,125及びガイド板126と同様の役割を果たすため、本変形例の固定ベース120は、レール部124,125及びガイド板126を有していない。また、可動ベース130のガイド溝141,142が、摺動突部134,135及びガイド溝136と同様の役割を果たすため、本変形例の可動ベース130は、摺動突部134,135及びガイド溝136を有していない。
【0069】
本変形例のように、情報発信アダプタ100は、可動ベース130のスライド移動をガイドする金属製のレール部(本変形例の場合、DINレール151,152)を備えるよう構成可能である。
このように構成することによって、固定ベース120に対する可動ベース130の着脱がよりスムーズになるとともに、情報発信アダプタ100の構造物の強度が向上する。
なお、金属製のレール部は、DINレール151,152に限定されず適宜変更可能である。
【0070】
<変形例3>
可動ベース130の形状は、略蹄鉄状に限定されず、適宜変更可能であり、例えば
図11〜
図13に示すように、略L字状であっても良い。
図11〜
図13は、変形例3に係る情報発信アダプタの一例を示す図である。具体的には、
図11は、固定ベース120と可動ベース130とが合体した状態を示す図であって、下面側から見た図である。また、
図12は、可動ベース130の本体部132及び当該本体部132内に収納された情報発信モジュール160の一例を示す図であって、下面側から見た図である。また、
図13は、固定ベース120と可動ベース130とが分離した状態を示す図であって、下面側から見た斜視図である。
【0071】
例えば
図12に示すように、可動ベース130の本体部132の内部には、一の電池を着脱自在に収納する収納室132aが複数設けられているが、可動ベース130の形状を略L字状にすることによって、複数の収納室132aをまとめて配設できるため、収納室132a同士を接続する配線(電池接続)を無駄なく単純に形成することが可能となる。
ここで、可動ベース130の形状が略蹄鉄状である場合には、情報発信モジュール160を左右にバランス良く配置できるが、可動ベース130の形状が略L字状である場合には、情報発信モジュール160が偏って配置される。したがって、本変形例の場合、可動ベース130の形状が略蹄鉄状である場合に比べて、情報発信モジュール160の重みでベース部材110が撓みやすい。そのため、本変形例の情報発信アダプタ100は、例えば
図13に示すように、DINレールを有する金属製の上面プレート150を備えていることが好ましい。
【0072】
具体的には、例えば
図13に示すように、上面プレート150には、下側へ突出する第一DINレール153、第二DINレール154及び第三DINレール155が前後方向(すなわち、可動ベース130のスライド移動方向)に沿って設けられている。一方、可動ベース130の上面には、下側へ窪んだ第一ガイド溝143、第二ガイド溝144及び第三ガイド溝145が前後方向に沿って設けられており、固定ベース120と可動ベース130とが合体した状態において、第一DINレール153、第二DINレール154及び第三DINレール155が、それぞれ第一ガイド溝143、第二ガイド溝144及び第三ガイド溝145内に配されるよう構成されている。
【0073】
したがって、本変形例においては、固定ベース120に対する可動ベース130の着脱をガイドするためのガイド構造として、DINレール153〜155とガイド溝143〜145とからなるガイド構造を有しているため、可動ベース130を、固定ベース120に対してスライドさせるだけで、当該可動ベース130を適正位置にスムーズに取付けることができる。
また、本変形例においては、金属製のDINレール153〜155によって可動ベース130のスライド移動をガイドするため、よりスムーズなスライド移動が可能となる。
また、本変形例においては、金属製の3本のレール(DINレール153〜155)によって情報発信モジュール160が装着されている可動ベース130を吊下げた状態で支持できるため、樹脂製の可動ベース130が、情報発信モジュール160の重みで撓んでしまう等の不都合を回避できる。したがって、例えば地震等の揺れを受けた場合でも、固定ベース120と可動ベース130との合体した状態を安定的に保つことができる。
【0074】
本変形例の場合、上面プレート150が、前述したレール部124,125及びガイド板126と同様の役割を果たすため、本変形例の固定ベース120は、レール部124,125及びガイド板126を有していない。また、可動ベース130のガイド溝143〜145が、前述した摺動突部134,135及びガイド溝136と同様の役割を果たすため、本変形例の可動ベース130は、摺動突部134,135及びガイド溝136を有していない。
【0075】
本変形例のように、情報発信アダプタ100は、可動ベース130のスライド移動をガイドする金属製のレール部(本変形例の場合、DINレール153〜155)を備えるよう構成可能である。
このように構成することによって、固定ベース120に対する可動ベース130の着脱がよりスムーズになるとともに、情報発信アダプタ100の構造物の強度が向上する。
なお、金属製のレール部は、DINレール153〜155に限定されず適宜変更可能である。
【0076】
さらに、本変形例においては、例えば
図14に示すように、可動ベース130の厚みを固定ベース120よりも薄くし、固定ベース120と可動ベース130とが合体した状態において、可動ベース130の上面が、固定ベース120の上面よりも下側に位置するよう構成しても良い。変形例3だけでなく、上記実施形態や他の変形例においても同様である。
【0077】
このように構成することによって、上面プレート150(上記実施形態のように上面プレート150を備えていない場合には被取付部P)と火災感知器200との間隔が、可動ベース130の厚みよりも大きくなる。したがって、余裕のある空間に可動ベース130を抜差しできることとなるため、固定ベース120に対する可動ベース130の着脱をよりスムーズに行うことが可能となる。
【0078】
また、例えば
図15に示すように、ベース部材110の中央部を取巻く外周部(
図15にて斜線ハッチングを付した部分)をベース部材110の中央部よりも薄くし、固定ベース120と可動ベース130とが合体した状態において、ベース部材110の外周部の上面が、ベース部材110の中央部の上面よりも下側に位置するよう構成しても良い。変形例3だけでなく、上記実施形態や他の変形例においても同様である。
【0079】
このように構成することによって、上面プレート150(上記実施形態のように上面プレート150を備えていない場合には被取付部P)と火災感知器200との間隔が、可動ベース130の厚みよりも大きくなる。したがって、余裕のある空間に可動ベース130を抜差しできることとなるため、固定ベース120に対する可動ベース130の着脱をよりスムーズに行うことが可能となる。
また、可動ベース130のみを薄くした場合には、情報発信アダプタ100が火災感知器200の近傍に設置されている状態において、ベース部材110上面の段差は視認可能となる。一方、ベース部材110の外周部全体を薄くした場合には、情報発信アダプタ100が火災感知器200の近傍に設置されている状態において、ベース部材110上面の段差は視認困難となる。したがって、ベース部材110の外周部全体を薄くすることで、可動ベース130のスムーズな着脱と見栄えとを両立が可能となる。
【0080】
また、本変形例においては、例えば
図16に示すように、上面プレート150の上面の適宜の箇所に、複数の突起156を設けるよう構成しても良い。変形例3だけでなく、上記実施形態や他の変形例においても同様である。ただし、上記実施形態のように上面プレート150を備えていない場合には、当該複数の突起156は、ベース部材110(固定ベース120、可動ベース130)の上面に形成される。
このように構成することによって、情報発信アダプタ100と被取付部Pとの接触面積を必要最小限に抑えることが可能となる。したがって、被取付部Pの表面に凹凸がある場合でも当該凹凸の影響を受けにくいため、情報発信アダプタ100を被取付部Pにがたつくことなく安定的に固定することができる。
【0081】
なお、被取付部Pの表面の凹凸を吸収するための吸収構造は、複数の突起156からなる吸収構造に限定されず、適宜変更可能であり、例えば、上面プレート150の上面(上記実施形態のように上面プレート150を備えていない場合には、ベース部材110の上面)に貼付された弾性変形可能なマット等からなる吸収構造であっても良い。
【0082】
<変形例4>
情報発信モジュール160は、例えば
図17〜
図19に示すように、電源162が固定ベース120に装着され、情報発信端末161が可動ベース130に装着されたものであっても良い。
図17〜
図19は、変形例4に係る情報発信アダプタの一例を示す図である。具体的には、
図17は、固定ベース120と可動ベース130とが合体した状態を示す図であって、下面側から見た図である。また、
図18は、固定ベース120と可動ベース130とが分離した状態を示す図であって、下面側から見た図である。また、
図19は、固定ベース120と可動ベース130とが分離した状態を示す図であって、固定ベース120及び可動ベース130の本体部を下面側から見た図である。
【0083】
可動ベース130は、例えば
図17〜
図19に示すように、情報発信端末161を収納可能なサイズ及び形状に形成されている。
固定ベース120は、例えば
図17及び
図18に示すように、可動ベース130が収まる収容部120aを有する略C字状をなしている。本変形例では、固定ベース120に電源162が装着されるため、例えば
図19に示すように、固定ベース120の本体部128の内部には、一の電池を着脱自在に収納する収納室128aが複数設けられている。これら複数の収納室128aは並列接続されているため、電源162は、全ての収納室128aが埋まっていなくても、情報発信端末161に電力を供給することができる。本変形例の場合、固定ベース120は、5個の収納室128aを有しているため、情報発信アダプタ100には最大で5つの電池を搭載することができる。
【0084】
例えば
図19に示すように、固定ベース120の収容部120aを形成(画成)する壁面と、可動ベース130の側面と、の双方には固定ベース120と可動ベース130とが合体した状態において互いに接触導通する接触端子163が設けられている。これにより、情報発信端末161と電源162とが別々のベースに装着されていても、電源162は、情報発信端末161に電力を供給することができる。
【0085】
なお、本変形例の情報発信アダプタ100は、固定ベース120に対する可動ベース130の着脱をガイドするためのガイド構造を有していても良い。また、本変形例の情報発信アダプタ100は、可動ベース130を固定ベース120に着脱可能に係止するための係止構造を有していても良い。
【0086】
また、情報発信モジュール160は、情報発信端末161が固定ベース120に装着され、電源162が可動ベース130に装着されたものであっても良い。この場合も、固定ベース120と可動ベース130との双方に、固定ベース120と可動ベース130とが合体した状態において互いに接触導通する接触端子163を設けて、情報発信端末161と電源162とを電気的に接続すると良い。
すなわち、情報発信モジュール160は、情報発信端末161及び電源162の双方が可動ベース130に装着されたものであっても良いし、情報発信端末161及び電源162のうち、いずれか一方が固定ベース120に装着され、いずれか他方が可動ベース130に装着されたものであっても良い。
【0087】
また、情報発信モジュール160は、情報発信端末161及び電源162の双方が固定ベース120に装着されたものであっても良い。この場合、可動ベース130には情報発信モジュール160が装着されないため、可動ベース130は、固定ベース120に設けられた開口部123の連通開口123aを塞ぐ機能を有していれば良く、例えば
図20に示すように、
図17〜
図19に示す情報発信アダプタ100の可動ベース130よりも幅狭であっても良い。
【0088】
以上、本発明の実施形態及び変形例について説明したが、本発明は上記の実施形態及び変形例に限られるものではない。
例えば、上記の実施形態及び変形例では、情報発信モジュール160として発信機能を有するものを使用した例を示したが、発信機能の他、受信機能を有するものを使用しても良い。
【0089】
また、火災感知器200は、感知器ベース210と感知器本体220とに分離可能なものに限定されず適宜変更可能であり、例えば、感知器ベース210を備えない火災感知器、すなわち、感知器ベースを介することなく、被取付部Pに一体的な構成のまま取付けられる火災感知器であっても良い。
また、可動ベース130には、固定ベース120から可動ベース130を取外す際(可動ベース130を所定以上の力で引張る際)に指をかけるツマミ部等が設けられていても良い。
その他、実施形態及び変形例で示した構成は、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。