特許第6861133号(P6861133)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6861133
(24)【登録日】2021年3月31日
(45)【発行日】2021年4月21日
(54)【発明の名称】歩行型作業機
(51)【国際特許分類】
   B60K 1/04 20190101AFI20210412BHJP
   B62D 51/04 20060101ALI20210412BHJP
   E01H 5/06 20060101ALI20210412BHJP
   B62D 55/06 20060101ALI20210412BHJP
【FI】
   B60K1/04 A
   B62D51/04
   E01H5/06 Z
   B62D55/06
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-176857(P2017-176857)
(22)【出願日】2017年9月14日
(65)【公開番号】特開2019-51802(P2019-51802A)
(43)【公開日】2019年4月4日
【審査請求日】2019年12月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】若林 宗平
(72)【発明者】
【氏名】坂本 健太
(72)【発明者】
【氏名】栗山 翔太
(72)【発明者】
【氏名】中村 栄作
【審査官】 中川 隆司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2016−010384(JP,A)
【文献】 実開平05−054039(JP,U)
【文献】 特開2005−068743(JP,A)
【文献】 特開2017−114326(JP,A)
【文献】 特開2003−040057(JP,A)
【文献】 実開昭63−080284(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 1/04
B62D 51/04
B62D 55/06
E01H 5/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行機体に設けられたバッテリー載置部と、
前記走行機体に対し横方向に延びる軸芯を枢支点として上下揺動可能に支持され、前記走行機体に対して下降移動して閉じ状態になり、前記走行機体に対して上昇移動して開き状態になり、かつ、前記閉じ状態になると、前記バッテリー載置部に載置されたバッテリーを上側から覆い、前記開き状態になると、前記バッテリーを開放するカバーと、
前記カバーを前記閉じ状態に固定するロック状態と前記カバーの閉じ固定を解除するロック解除状態とに切換え可能なロック機構と、が備えられ、
前記カバーの内部に、前記バッテリーの上側から、前記カバーの遊端部の方向に延びる金属部材を備え、
前記金属部材のうち、前記バッテリーの上側に配置される部位が、前記カバーが前記閉じ状態に切り換えられると、前記バッテリーを、前記バッテリー載置部に向けて押圧し、前記カバーが前記開き状態に切り換えられると、前記バッテリーの押圧を解除するバッテリー押圧部として形成され、
前記ロック機構が、前記金属部材のうち、前記遊端部から前記カバーの外部に露出した部位で形成されるロック部と、前記走行機体に備えられた固定部と、前記ロック部を前記固定部に締め付けて連結するロック状態と前記ロック部の前記固定部への連結を解除するロック解除状態とに切換え可能なロック部材と、が備えられている歩行型作業機。
【請求項2】
前記ロック部及び前記固定部のうちの一方に、前記ロック部材が挿通され、かつ、前記走行機体の上下方向に長い切欠き部が形成されている請求項1に記載の歩行型作業機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歩行型作業機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に示される除雪機では、車体フレームにバッテリ収納ボックスを介してバッテリが取付けられ、バッテリを上側から覆うカバーが備えられている。また、バッテリ収納ボックスに収納したバッテリの上端に押え部材を載せ、押え部材の左右端に左右のロッドを貫通させ、左右のロッドの下端を収納ボックスに備えられた左右のブラケットに引っ掛け、押え部材から突出した左右のロッドに左右のナットを締め付けることで、収納ボックス内にバッテリを固定するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−30629号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
バッテリー、及び、バッテリーを上側から覆うカバーが備えられた歩行型作業機において、従来の技術を採用することによってバッテリーの固定を可能にした場合、バッテリーを取出すに当たり、カバーを開けた後、バッテリーを固定しているロック手段(例えば、押え部材やナット)をロック解除状態に切り換えてバッテーの固定を解除する必要がある。また、バッテーを搭載するに当たり、カバーを閉じる前に、ロック手段をロック状態に切り換えてバッテリーを固定する必要がある。すなわち、バッテリーを脱着するに当たり、カバーを開閉する操作の他に、バッテリーを固定する特別なロック操作やバッテリーの固定を解除する特別なロック解除操作が必要であり、手間が掛かる。
【0005】
本発明は、バッテリーをカバーによって上側から覆われる状態で搭載するものでありながら、バッテリーを手早く脱着することができる歩行型作業機を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明による歩行型作業機は、
走行機体に設けられたバッテリー載置部と、
前記走行機体に対し横方向に延びる軸芯を枢支点として上下揺動可能に支持され、前記走行機体に対して下降移動して閉じ状態になり、前記走行機体に対して上昇移動して開き状態になり、かつ、前記閉じ状態になると、前記バッテリー載置部に載置されたバッテリーを上側から覆い、前記開き状態になると、前記バッテリーを開放するカバーと、
前記カバーを前記閉じ状態に固定するロック状態と前記カバーの閉じ固定を解除するロック解除状態とに切換え可能なロック機構と、が備えられ、
前記カバーの内部に、前記バッテリーの上側から、前記カバーの遊端部の方向に延びる金属部材を備え、
前記金属部材のうち、前記バッテリーの上側に配置される部位が、前記カバーが前記閉じ状態に切り換えられると、前記バッテリーを前記バッテリー載置部に向けて押圧し、前記カバーが前記開き状態に切り換えられると、前記バッテリーの押圧を解除するバッテリー押圧部として形成され、
前記ロック機構が、前記金属部材のうち、前記遊端部から前記カバーの外部に露出した部位で形成されるロック部と、前記走行機体に備えられた固定部と、前記ロック部を前記固定部に締め付けて連結するロック状態と前記ロック部の前記固定部への連結を解除するロック解除状態とに切換え可能なロック部材と、が備えられている。
【0007】
本構成によると、カバーを閉じると、カバーの閉じ作動によってバッテリー押圧部がバッテリーに作用してバッテリーがバッテリー押圧部によってバッテリー載置部に向けて剛性により押圧される。ロック機構をロック状態に切り換えると、カバーがロック機構によって閉じ状態に固定され、バッテリー押圧部によるバッテリーのバッテリー載置部への押圧が維持される。ロック部と固定部とがロック部材によって締め付けられてカバーが閉じ状態に固定されるので、剛性によりカバーを閉じ状態にしっかり固定でき、バッテリーがバッテリー載置部に押圧される状態をしっかり維持できる。すなわち、バッテリーをバッテリー載置部に固定でき、かつ、走行振動などによって弛みにくように固定できる。
【0008】
ロック機構をロック解除状態に切り換えてカバーを開けると、カバーの開き作動によってバッテリー押圧部がバッテリーから離れてバッテリーのバッテリー載置部への押圧が解除され、バッテリーの取出しが可能になる。
【0009】
従って、ロック機構の切換え、及び、カバーの開閉を行なえば、バッテリーのバッテリー載置部への固定を解除する特別なロック解除手間を掛けずに手早くバッテリーを取出すことができ、また、バッテリーをバッテリー載置部に固定する特別なロック手間を掛けずに手早くバッテリーをバッテリー載置部に弛み難い状態で固定することができる。
【0010】
本発明においては、前記ロック部及び前記固定部のうちの一方に、前記ロック部材が挿通され、かつ、前記走行機体の上下方向に長い切欠き部が形成されていると好適である。
【0011】
本構成によると、ロック部材が挿通する切欠き部は、閉じ状態に向けて下降するカバーと共に移動するロック部の移動方向に沿った方向(走行機体の上下方向)に長いので、カバーを開き状態から下降させていくに伴い、バッテリー押圧部がバッテリーに当接してカバーが閉じ状態になると共に下降限界になる。つまり、カバーを限界まで下降させてロック部材を締め付け操作することにより、バッテリー押圧部がバッテリーに適確に押圧作用する状態になると共にこの状態が維持される。
【0012】
従って、カバーをバッテリー押さえに活用した簡素な構造によって、かつ、カバーを限界まで下降させてロック部材を締め付け操作するだけの簡単な操作によって、バッテリーをバッテリー載置部にしっかり固定できる。
【0013】
本発明においては、前記カバーは、樹脂製であり、前記バッテリー押圧部は、金属部材によって構成されていると好適である。
【0014】
本構成によると、カバーを樹脂によって容易に作製しつつ、バッテリー押圧部には、バッテリー押さえに対応する剛性を備えさせてバッテリー押さえをしっかり行わせることができる。
【0015】
本発明においては、前記カバーは、樹脂製であり、前記バッテリー押圧部及び前記ロック部は、同一の金属部材によって構成されていると好適である。
【0016】
本構成によると、カバーを樹脂によって容易に作製しつつ、バッテリー押圧部には、バッテリー押さえに対応する剛性を備えさせてバッテリー押さえをしっかり行わせることができ、ロック部には、ロック部材による締め付けに対応する剛性を備えさせてカバーを閉じ状態にしっかりロックさせることができる。バッテリー押圧部及びロック部を同一の金属部材によって安価に作製できる。
【0017】
本発明においては、前記カバーは、前記走行機体に上下揺動可能に支持され、
前記ロック機構は、前記カバーの遊端部に備えられていると好適である。
【0018】
本構成によると、カバーの遊端部に備えるだけの数少ないロック機構によってカバーを閉じ状態にしっかりロックできる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】歩行型ブレード除雪機の全体を示す左側面図である。
図2】歩行型ブレード除雪機の全体を示す平面図である。
図3】カバー及びバッテリー押圧部を示す縦断側面図である。
図4】ロック状態のロック機構を示す後面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態を歩行型作業機の一例としての歩行型ブレード除雪機に適用した場合について、図面に基づいて説明する。図1は、歩行型ブレード除雪機の全体を示す左側面図である。図2は、歩行型ブレード除雪機の全体を示す平面図である。図1,2に示す[F]の方向が走行機体1の前方向、[B]の方向が走行機体1の後方向、図2に示す[L]の方向が走行機体1の左方向、[R]の方向が走行機体1の右方向と定義する。
【0021】
図1に示すように、歩行型ブレード除雪機は、左右一対のクローラ走行装置2が装備された走行機体1を備えている。左右のクローラ走行装置2は、走行機体1の両横外側に配備されている。走行機体1から左右一対の操縦ハンドル3が後方向きに延出されている。
走行機体1に、電動モータ4、制御装置4A(図3参照)及びバッテリー5が設けられている。電動モータ4、制御装置4A及びバッテリー5は、カバー6によって上側から覆われている。走行機体1は、電動モータ4がバッテリー5によって供給される電力によって駆動され、左右のクローラ走行装置2が電動モータ4の動力によって駆動されることによって自走する。
【0022】
走行機体1の前方にブレード作業部7が設けられている。ブレード作業部7は、走行機体1から前向きに延出された左右一対の支持アーム8の延出端部に支持され、左右一対の支持アーム8を介して走行機体1に支持されている。左右一対の支持アーム8と左右一対の操縦ハンドル3とは、走行機体1の前後方向に延びる一連の構造体によって構成されている。一連の構造体の走行機体前後方向での中間部が枢支軸9を介して走行機体1に支持されている。左右一対の支持アーム8と左右一対の操縦ハンドル3とは、枢支軸9を揺動支点として上下揺動可能な状態で走行機体1に支持され、かつ、背反的に上下揺動する状態で連動連結されている。操縦ハンドル3を上げ操作することにより、支持アーム8が下降揺動し、ブレード作業部7の対地高さを低くなる側に調節できる。操縦ハンドル3を下げ操作することにより、支持アーム8が上昇揺動し、ブレード作業部7の対地高さを高くなる側に調節できる。また、操縦ハンドル3を下げ操作することにより、ブレード作業部7を搬送用の対地高さに持ち上げることができる。
【0023】
図1,2に示すように、ブレード作業部7は、左右一対の支持アーム8の先端部に姿勢切換え部10を介して支持されている。すなわち、ブレード作業部7は、姿勢切換え部10が有する枢支軸11を揺動支点にして支持アーム8に対して重力で下降揺動した排出姿勢と、枢支軸11を揺動支点にして支持アーム8に対して上昇揺動したすくい姿勢とに姿勢変更可能になっている。姿勢切換え部10には、ブレード作業部7をすくい姿勢に保持するロック状態と、ブレード作業部7の排出姿勢への揺動を許容するロック解除状態とに切換え可能なロック部12が備えられている。ロック部12は、左右一対の支持アーム8の先端部を連結する部材13に支持されている。ロック部12と、操縦ハンドル3に支持された切換えレバー14とが操作ケーブル15を介して連動連結されている。ロック部12は、切換えレバー14の握り操作によってロック解除状態に切り換え操作され、切換えレバー14の開放操作によってロック状態に切り換え操作される。ブレード作業部7が排出姿勢になっている場合、操縦ハンドル3を持ち上げ操作し、ブレード作業部7の前端部を地面に押し付けることにより、ブレード作業部7を支持アーム8に対して上昇揺動させてすくい姿勢に姿勢切換えできる。
【0024】
ブレード作業部7をロック部12によってすくい姿勢に保持しておき、操縦ハンドル3を昇降操作してブレード作業部7の対地高さを除雪目標高さに調節をする。ブレード作業部7が除雪目標高さになると、クローラ走行装置2を駆動して走行機体1を前進移動させ、ブレード作業部7を地面上の雪に押し付ける。すると、雪がブレード作業部7によってすくいとられる。雪がすくいとられると、操縦ハンドル3を下げ操作することにより、ブレード作業部7が持ち上がり、すくいとられた雪をブレード作業部7に保持させて捨て場所へ搬送できる。捨て場所へ搬送すると、切換えレバー14を握り操作する。すると、ロック部12がロック解除状態に切り換わって、ブレード作業部7及び雪の荷重によってブレード作業部7が排出姿勢に切り換わり、ブレード作業部7から雪が落下する。
【0025】
〔バッテリー5ついて〕
図3に示すように、バッテリー5は、走行機体1の前部に形成されたバッテリー載置部16に脱着可能に載置されている。バッテリー5がバッテリー載置部16に載置されていると、バッテリー5の底部に備えられているバッテリー側端子5aと、バッテリー載置部16の載置面に備えられている機体側端子16aとがつながり、バッテリー5の電力が制御装置4A及び電動モータ4に供給される。バッテリー5の上部に持ち手部5bが上方向きに突設されている。持ち手部5bを持ってバッテリー5を支持することにより、バッテリー5をバッテリー載置部16に対して脱着できる。
【0026】
〔カバー6について〕
図1,2,3に示すように、カバー6は、左右一対の側板部6a、前板部6b、後板部6c及び天板部6dを有している。左右の側板部6a、前板部6b、後板部6c及び天板部6dは、樹脂材によって一体的に形成され、カバー6は、樹脂製カバーになっている。
【0027】
図3に示すように、カバー6の前端側の内部に左右一対の連結アーム17が備えられている。左右の連結アーム17は、カバー内の支持部6eにビスによって固定された金属部材によって構成されている。左右一対の連結アーム17と、走行機体1の前部に備えられた左右一対の支持部18とが支点ピン19を介して連結されている。カバー6は、図3に実線で示すように、左右の支点ピン19の走行機体1の横幅方向に延びる軸芯Pを揺動支点にして走行機体1に対して下降移動して閉じ状態になり、閉じ状態になることによってバッテリー5及び制御装置4Aを上側から覆うように走行機体1に支持されている。カバー6は、左右の支点ピン19の軸芯Pを揺動支点にして走行機体1に対して上昇移動して開き状態になり、開き状態になることによってバッテリー5及び制御装置4Aを開放するように走行機体1に支持されている。
【0028】
カバー6の後側の内部にバッテリー押圧部20が形成されている。バッテリー押圧部20は、カバー内の支持部6fにビス(図示せず)によって固定された金属部材によって構成されている。バッテリー押圧部20は、図3に実線で示す如くカバー6が閉じ状態に切り換えられると、バッテリー5の後上部に上方から当接してバッテリー5をバッテリー載置部16に向けて押圧し、カバー6が開き状態に切り換えられると、バッテリー5の後上部から上方に離れてバッテリー5の押圧を解除するよう構成されている。本実施形態では、バッテリー押圧部20には、バッテリー5に当接するクッション部20aが備えられている。バッテリー5をバッテリー載置部16に固定するバッテリー固定部材にカバー6が活用され、専用のバッテリー固定部材を不要にされている。
【0029】
図3に示すように、カバー6の遊端部としての後端部にロック機構21が備えられている。図3,4に示すように、ロック機構21は、ロック部22、固定部23及びロック部材24を備えている。ロック部22は、カバー6の後端部に設けられている。ロック部22は、バッテリー押圧部20を構成する金属部材と同一の金属部材によって構成されている。ロック部22には、走行機体1の上下方向に長い切欠き部25が形成されている。切欠き部25は、下方に向かって開口している。固定部23は、走行機体1の後端部分によって構成されている。ロック部材24は、切欠き部25を挿通可能な状態で固定部23に支持されている。ロック部材24は、固定部23に回転操作可能に支持されたノブボルトによって構成されている。ロック部材24は、回転操作されることにより、ロック部22を固定部23に締め込み固定するロック状態と、ロック部22の固定部23への締め込み固定を解除するロック解除状態とに切換え可能な状態で固定部23に支持されている。本実施形態では、ロック部材24としてノブボルトを採用しているが、六角ボルト、六角穴付きボルト、カム部材など、締め込み及び締め込み解除が可能な各種の部材を採用可能である。
【0030】
ロック機構21においては、ロック部22が閉じ状態に向かって下降移動するカバー6と共に下降移動し、ロック部22が固定部23の後側に位置して切欠き部25にロック部材24が入り込み、この入り込み状態で、ロック部材24が締め込み操作されてロック状態になると、ロック部22がロック部材24によって固定部23に締め付け連結される。
ロック部22が固定部23に締め付け連結されることにより、ロック機構21がカバー6を閉じ状態に固定するようロック状態になる。ロック部材24が緩め操作されてロック解除状態になると、ロック部材24によるロック部22の固定部23への締め付け連結が解除される。ロック部22の固定部23への締め付けが解除されることにより、ロック機構21がカバー6の閉じ固定を解除するようにロック解除状態になる。
【0031】
バッテリー5をバッテリー載置部16に載置した場合、カバー6を開き状態から下降操作する。すると、ロック部22がカバー6と共に下降して切欠き部25にロック部材24が入っていく。カバー6が下降しなくなると、ロック部材24を締め付け操作してロック機構21をロック状態に切り換える。カバー6が下降しなくなったのは、バッテリー押圧部20がバッテリー5に当接したことによるので、かつ、バッテリー押圧部20がバッテリー5に当接すると、カバー6が閉じ状態になっており、かつ、バッテリー押圧部20がバッテリー5をバッテリー載置部16に向けて押圧しているので、ロック機構21をロック状態に切り換えたことにより、カバー6がロック機構21によって閉じ状態に精度よくロックされ、カバー6が閉じ状態に精度よくロックされることより、バッテリー5がバッテリー押圧部20によってバッテリー載置部16にしっかり固定される。
【0032】
バッテリー5をバッテリー載置部16から取出す場合、ロック部材24を緩め操作してロック機構21をロック解除状態に切り換え、カバー6を上昇移動させて開き状態に切り換える。すると、カバー6によるバッテリー5の覆いが解除されてバッテリー5が開放され、かつ、バッテリー押圧部20によるバッテリー5の押圧が解除されている。これにより、持ち手部5bを支持して引き上げるだけで、バッテリー5をバッテリー載置部16から取り出せる。
【0033】
〔別実施形態〕
(1)上記した実施形態では、ロック部材24の装着穴として、ロック部材24に対するカバー6の相対移動を許容する長い切欠き部25が採用された例を示したが、矩形や円形など、ロック部材24に対するカバー6の相対移動が不可能な形状の装着穴を採用してもよい。
【0034】
(2)上記した実施形態では、切欠き部25がロック部22に形成され、ロック部材24が固定部23に備えられた例を示したが、切欠き部25が固定部23に形成され、ロック部材24がロック部22に備えられる構成を採用してもよい。
【0035】
(3)上記した実施形態では、カバー6が揺動によって開閉される例を示したが、脱着によって開閉する構成を採用してもよい。
【0036】
(4)上記した実施形態では、カバー6の揺動支点がカバー6の前端側に位置する例を示したが、カバー6の後端側に位置する構成を採用してもよい。
【0037】
(5)上記した実施形態では、樹脂製カバーを採用した例を示したが、金属カバーを採用してもよい。
【0038】
(6)上記した実施形態では、バッテリー押圧部20及びロック部22が金属部材によって構成された例を示したが、樹脂製を採用してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明は、本発明は、歩行型ブレード除雪機の他、土砂、ワラ屑等をすくい搬送する処理物とする各種の歩行型ブレード作業機に利用できる。また、田植機や管理機など、ブレードを有しない各種の歩行型作業機に利用できる。
【符号の説明】
【0040】
1 走行機体
5 バッテリー
6 カバー
16 バッテリー載置部
20 バッテリー押圧部
21 ロック機構
22 ロック部
23 固定部
24 ロック部材
25 切欠き部
図1
図2
図3
図4