(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6861160
(24)【登録日】2021年3月31日
(45)【発行日】2021年4月21日
(54)【発明の名称】回転対称処理対象物を保持するための磁気手段を含む固定具
(51)【国際特許分類】
C23C 14/50 20060101AFI20210412BHJP
C23C 16/50 20060101ALI20210412BHJP
C23C 16/458 20060101ALI20210412BHJP
【FI】
C23C14/50 G
C23C16/50
C23C16/458
【請求項の数】13
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2017-542154(P2017-542154)
(86)(22)【出願日】2016年2月15日
(65)【公表番号】特表2018-505315(P2018-505315A)
(43)【公表日】2018年2月22日
(86)【国際出願番号】EP2016053176
(87)【国際公開番号】WO2016128579
(87)【国際公開日】20160818
【審査請求日】2019年2月6日
(31)【優先権主張番号】62/115,725
(32)【優先日】2015年2月13日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】598051691
【氏名又は名称】エリコン・サーフェス・ソリューションズ・アクチェンゲゼルシャフト,プフェフィコーン
【氏名又は名称原語表記】OERLIKON SURFACE SOLUTIONS AG, PFAEFFIKON
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム,ドンジュ
(72)【発明者】
【氏名】ケプリンガー,クリスティアン
(72)【発明者】
【氏名】ベスター,アルミン
(72)【発明者】
【氏名】ベッカー,ユルゲン
【審査官】
山本 一郎
(56)【参考文献】
【文献】
特開平04−028860(JP,A)
【文献】
特開2008−266681(JP,A)
【文献】
欧州特許出願公開第01881086(EP,A1)
【文献】
特開平03−101206(JP,A)
【文献】
米国特許第02884698(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C23C 14/50
C23C 16/458
C23C 16/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の部品を含む固定システムであって、前記部品のうちの少なくとも1つは強磁性体を含む処理対象物を保持するための保持部であり、前記処理対象物は、2つの端を有する本体部を含み、径方向寸法とプラズマアシスト真空処理プロセスによって処理されるべき表面とを有する対称形状を回転軸に沿って呈し、前記保持部は磁気手段を有し、前記磁気手段は、前記処理対象物の端の一つが前記保持部の保持表面と接触しているように前記処理対象物が前記保持部の前記保持表面に設けられた場合に、前記処理対象物を保持するために十分高い回転軸方向の磁力を有する磁場を生成し、
プラズマ処理の実行中に前記生成された磁場の磁力線によって引き起こされる横プラズマの生成が防止されるように、前記固定システムの部品または前記処理対象物の本体によって占められた空間に前記磁力線の少なくとも大部分が閉じ込められる態様で、前記保持部の前記磁気手段が設計および配置されており、
前記保持部は、固定基部(2)と、開口、外径、および内径を有する磁石ヨーク(6)であって、前記開口が前記固定基部の反対側に位置するように前記固定基部の表面と前記保持部の前記保持表面との間に設けられている前記磁石ヨークと、空隙(53)によって前記磁石ヨーク(6)から等距離で周方向に維持されるように前記磁石ヨーク(6)内に設けられているか、または、非磁性スペーサ(55)によって前記磁石ヨーク(6)から等距離で周方向に維持されるように前記磁石ヨーク(6)内に設けられている少なくとも1つの磁石(51)とを備え、
前記保持部は、前記磁石ヨーク(6)と前記固定基部(2)の少なくとも一部分とを覆い前記保持表面として使用される非磁性カバー(4)を備えることを特徴とする、固定システム。
【請求項2】
前記磁石ヨーク(6)の前記外径についての外半径が前記処理対象物の本体の径方向寸法の100%〜50%の範囲であることを特徴とする、請求項1に記載の固定システム。
【請求項3】
複数の部品を含む固定システムであって、前記部品のうちの少なくとも1つは強磁性体を含む処理対象物を保持するための保持部であり、前記処理対象物は、2つの端を有する本体部を含み、径方向寸法とプラズマアシスト真空処理プロセスによって処理されるべき表面とを有する対称形状を回転軸に沿って呈し、前記保持部は磁気手段を有し、前記磁気手段は、前記処理対象物の端の一つが前記保持部の保持表面と接触しているように前記処理対象物が前記保持部の前記保持表面に設けられた場合に、前記処理対象物を保持するために十分高い回転軸方向の磁力を有する磁場を生成し、
プラズマ処理の実行中に前記生成された磁場の磁力線によって引き起こされる横プラズマの生成が防止されるように、前記固定システムの部品または前記処理対象物の本体によって占められた空間に前記磁力線の少なくとも大部分が閉じ込められる態様で、前記保持部の前記磁気手段が設計および配置されており、
前記保持部は、固定基部(2)と、前記固定基部の表面と前記保持部の前記保持表面との間に設けられた磁石リンクプレート(63)と、少なくとも1対の磁石(61)であって、前記少なくとも1対の磁石(61)の各磁石が互いに反対の極性で互いに隣に位置し、外径を形成するように、前記磁石リンクプレート(63)と前記保持部の前記保持表面との間に設けられている前記少なくとも1対の磁石とを備え、
前記保持部は、前記磁石リンクプレート(63)と前記固定基部(2)の少なくとも一部分とを覆い前記保持表面として使用される非磁性カバー(4)を備えることを特徴とする、固定システム。
【請求項4】
前記少なくとも1対の磁石(61)によって形成される前記外径についての外半径が、前記処理対象物の本体の径方向寸法の100%〜50%の範囲であることを特徴とする、請求項3に記載の固定システム。
【請求項5】
前記非磁性カバー(4)は、ステンレス鋼を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の固定システム。
【請求項6】
前記保持部に含まれる1つ以上の磁石は、堅固な磁性材料で形成される永久磁石であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の固定システム。
【請求項7】
前記堅固な磁性材料は450℃を超えるキュリー温度を有することを特徴とする、請求項6に記載の固定システム。
【請求項8】
少なくとも1つの処理対象物のプラズマ処理のための方法であって、前記少なくとも1つの処理対象物は、強磁性体および2つの端を有する本体部を含み、径方向寸法とプラズマアシスト真空処理プロセスによって処理されるべき表面とを有する対称形状を回転軸に沿って呈し、本方法は基板の近くでプラズマを生成することを含み、請求項1〜7のいずれか1項に記載の固定システムが、処理されるべき前記表面の近くでプラズマを生成することを含む前記プラズマアシスト真空処理プロセスの実行中に前記処理対象物を保持するために使用され、前記固定システムを使用することによって、プラズマ処理中に前記固定システムに含まれる磁気手段によって引き起こされる磁力線によって発生する横プラズマの生成を防止する、方法。
【請求項9】
前記プロセスは、プラズマアシスト真空蒸着プロセス、特にPA‐CVDプロセスによって被覆されるべき前記処理対象物の外表面に沿って少なくとも1つの被膜層の蒸着のために行なわれる被膜プロセスを含み、前記被膜プロセスは前記被覆されるべき表面の近くにおけるプラズマの生成を含み、前記固定システムを使用することによって、前記被覆されるべき表面に沿って堆積された前記被膜層の特性に影響を与え得る、前記固定システムに含まれる磁気手段によって引き起こされる磁力線によって発生する横プラズマの生成を防止する、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記処理対象物は、前記プロセスの実行中に少なくとも1つの軸について対称的に回転されることを特徴とする、請求項8または9に記載の方法。
【請求項11】
前記処理対象物は部品または自動車部品、特に、ピン、針、プランジャーであることを特徴とする、請求項8〜10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記被覆された処理対象物は、前記処理対象物の外表面で計測された平均被膜層厚さと比べて、20%以下の層厚さのばらつきを呈する少なくとも1つの被膜層によって覆われていることを特徴とする、請求項8〜11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記被覆された処理対象物は、前記処理対象物の外表面で計測された平均被膜層硬度と比べて、20%以下の層硬度のばらつきを呈する少なくとも1つの被膜層によって覆われていることを特徴とする、請求項8〜12のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁力によって引き付けることが可能な材料で形成された処理対象物を保持するために磁石配置を含む固定具、および、プラズマアシスト真空プロセスにおいてこれらの磁気固定具を用いる方法に関する。
【0002】
さらに、本発明は、処理対象物の表面に真空プラズマ処理を行なうために処理対象物を保持するための本発明の固定具の使用に関する。
【0003】
本発明に係る固定具は、特に、プラズマアシスト化学蒸着(PACVD)を使用して堆積されたダイアモンドライクカーボン(DLC)層によって被覆されるべき処理対象物を保持するために有利である。なぜなら、本発明の固定具により、典型的に処理対象物表面に形成されたDLC被膜の特性に悪影響を及ぼす、望ましくない横プラズマの発生を防止することができるからである。
【背景技術】
【0004】
従来技術
多様な反応性プラズマプロセスおよび非反応性プラズマプロセスのうち、プラズマアシスタンスは、工具、部品、自動車部品、消費者向け製品、または医療デバイスを、たとえば、プラズマ表面活性化、プラズマエッチング、またはプラズマアシスト被膜蒸着、さらに窒化によって処理するために広く使用されている。
【0005】
一例として、アモルファスカーボン被膜の堆積は、典型的に、非反応性雰囲気での基板のエッチング、および、反応性または非反応性雰囲気でのプラズマアシスト真空蒸着によるアモルファスカーボンの堆積など、プラズマアシストプロセスのステップをいくつか含んでいる。
【0006】
sp
3-およびsp
2-配位結合が混合物している炭素原子の不規則なネットワークからなるアモルファスカーボン被膜は、一般にダイアモンドライクカーボン被膜(DLC)と呼ばれる。主要な結合特性によっては、それらの被膜は、自動車業界における切削および成形工具、摩耗および摩擦削減要素および部品に対する保護被膜などの広範囲にわたる工業的な応用、装飾的な応用、または、生物医学的もしくは消費者向け製品の腐食および摩耗を削減する応用に関して、特別な物理的、化学的、またはトライボロジー特性を呈し得る。水素フリー(すなわち、a‐C被膜)、水素化もしくは非金属ドープDLC(すなわち、a‐C:H被膜)、または金属ドープDLC(すなわち、a‐C:H:Me被膜)などの異なるDLC被膜のなかに、四面体アモルファスカーボン(すなわち、ta‐C被膜)も含まれる。
【0007】
応用において最適な結果を得るために、様々な蒸着技術を用いて、広範囲にわたる基板材料の上に最適なDLC被膜を合成することが可能である。典型的には、物理的蒸着(PVD)プロセス、化学蒸着(CVD)、パルスレーザー蒸着(PLD)、または陰極アーク蒸着(CAE)などの蒸着方法が炭素被膜に関して知られており、被膜の成長中に基板表面でさらにプラズマを用いることにより、蒸着温度を低下させ、それによってより広範囲の基板材料への応用が可能になることもある。
【0008】
CAE、PLD、またはスパッタリングなどのほとんどのPVDプロセスでは、被膜材料全体または少なくとも被膜の構成要素が、主にまっすぐな見通し線上のターゲット材料から処理対象物に向かって運ばれる。このため、幾何学的な被膜厚さは典型的に、基板/処理対象物の形状、および/または成長中の粒子の流れに対する処理対象物の位置関係に左右され、このことは、何もない全ての表面に、多かれ少なかれ均一な厚さをもたらすことが可能なCVDまたはプラズマアシストCVD(PACVD)とは大きく異なる。
【0009】
一般に、基板は、以降では固定具と呼ばれる基板保持手段によって堆積室内に搭載可能である。基板保持手段に共通しているのは、蒸着中および堆積室内外への搬送中に基板を最適な位置に保持することである。処理対象物の大きさおよび形状、被膜材料、ならびに蒸着パラメータによっては、蒸着プロセス中に堆積室の主対称軸に対して1回転、2回転、またはさらには3回転させるために固定具が必要な場合がある。
【0010】
上述のプラズマアシスト真空プロセス技術のなかには、処理対象物でのプラズマの存在が従属的に重要な技術もあり、PACVDでは、被覆されるべき処理対象物の基板表面におけるプラズマ条件は、基板表面にわたって良好な接着性、均一な被膜特性、および均一な厚さを得るために重要性を増している。特に処理対象物の主軸に沿って回転対称性を有する精密部品または自動車部品、たとえば、針、ピン、またはプランジャーにとって、被膜特性の均一性が高いことは、その応用中に最適な結果を得るために必然的に必要である。このため、たとえばDLC被膜プロセスでは、基板台が全体的なプロセス組立品の重要な部品になっている。これらのプロセスでは、エッチングが行なわれている間および蒸着プロセスそのものが行なわれている間に、プラズマが工具または基板表面で活性になる。
【0011】
多くの場合、クランプ、フック、または板/カップ形状の固定具を使用して堆積室に処理対象物を搭載し、上述したように基板を回転させれば十分である。しかしながら、機械的な基板保持具と処理対象物表面との間の接触ゾーン付近における陰影効果は、不均一な被膜厚さおよび被膜特性につながることがあり、できる限り避けるべきである。
【0012】
近年では、超硬合金インサートを搭載するために2回転磁気保持具を使用することが、US8152971B2で開示されている。この方法により、処理対象物と基板保持具との間の接触ゾーンが小さくなり、機械的な相互作用が回避され、その結果、被覆された部品の機能的な表面における陰影効果が回避される。US8152971B2に記載されているように、角および端で磁場を増強すると、切削工具の端および角で被膜厚さが大きくなり、これにより、旋削作業において工具の寿命が延びることがさらに分かっていた。残念なことに、基板台の不均一な磁場は処理対象物表面にわたる不均一なプラズマ条件につながることがあるため、不確定の磁力線を有するそのような磁気固定具は、高性能の自動車部品および精密部品に対するPACVDプロセスによるDLCの蒸着には適していない。特に、処理対象物が被覆された部品の表面にわたる被膜厚さの分布および均一な被膜特性の点で回転対称性および高い精度を呈している場合は、この方法はそれらの要件を満たすことができない。
【0013】
工業的な一括被覆機において多数の処理対象物を搭載するための高度な方法がEP1881086A1に記載されており、そこでは、チェーンピンのための磁気固定具の使用が開示されている。処理対象物の基部に直接接触している永久磁石を各々1つ呈する基板保持具に回転対称な鉄鋼部品を搭載できることが示されている。磁気固定具とチェーンピンとの間の保持力は、これらのピンを回転固定保持具の第1の回転軸に対して常に垂直な位置に保つために十分高くなるように選択される。しかしながら、この方法では、磁力線が永久磁石のS極から広がって処理対象物全体にわたって部品の基部に「入り」、ピンと固定具との間の接触ゾーンの反対側に位置する磁石のN極においてそれらの端があるために、ピンの主軸または回転軸に沿って磁場が不均一になる。これによって、処理対象物と磁気固定保持具にわたって、磁気漏れと呼ばれることもある「開いた」磁場が生成され、必然的に、磁場の分布が好ましくない不均一な状態になり、処理対象物の軸に沿った周囲のプラズマ条件につながる。
【0014】
従来技術に係る磁気手段を含む上述の固定具を使用すると、残念ながら、プラズマアシスト真空プロセス中に好ましくない横プラズマが発生する。これらのプロセスでは、たとえばPACVDによるDLC被膜の堆積中に、処理されるべき処理対象物の表面、および固定部品の表面において、プラズマが活性化される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
発明の目的
したがって、プラズマアシスト真空プロセスの実行中の望ましくない横プラズマの生成を防止する解決策を探し出す必要があり、これらのプロセスでは、処理対象物の表面を均一に処理するために、かつ、被覆されるべき基板の接触ゾーンと保持固定具との間の距離に依存しない、全被膜表面に沿って均一な特性を有する被膜を形成するために、反応性または非反応生のプラズマが基板表面で活性になっている。
【0016】
まだ説明されていないが、固定具に要求される他の要件は、工業的な被膜装置において避けられない定期清掃サイクルによる腐食媒体および研磨媒体に対する安定性である。これは、被膜固定具のサンドブラストおよび/または攻撃媒体における湿式化学洗浄によって行われることがある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
発明の説明
発明者らは、磁気手段を含むが以下のように配置された固定システムを構成する考えを有していた。すなわち、この固定システムにより、磁気固定具と処理対象物との間の磁力が、処理対象物を保持できるように十分高くなり得るが、同時に、処理対象物の表面における不均一なプラズマ条件(たとえば、望ましくない横プラズマの生成によって生じる)から生じる被覆された基板の厚さおよび被膜特性が不均一になることを防止するために、処理対象物の主軸に沿って磁場において最小限の衝撃しか与えない。
【0018】
上述したように、処理対象物を保持する固定具は、処理対象物を保持具へ固定するために磁気手段を含んでいることがよくある。しかしながら、いくつかの用途では、そのような磁気手段の磁場が固定具の周囲の環境に漏れることを避ける必要がある。たとえば、PVDまたはPACVDの文脈では、磁気手段によって形成された磁場は、プラズマ条件に影響を及ぼすものであってはならない。
【0019】
特に、均一な被膜を形成するために固定具は典型的に蒸着中は堆積室内で移動しているため、固定具から生じる磁場がさらに存在する場合、プラズマは不安定になりがちである。
【0020】
本発明は、特にPACVDによるダイアモンドライクカーボン膜の堆積中に、プラズマアシスト真空プロセスによって処理されるべき部品または処理対象物を保持するために特に便利な固定システムを開示する。とりわけ、回転対称な部品(たとえば、プランジャー、針、またはピン)は、基板表面でプラズマ条件に悪影響を与えずに被膜基板を保持するために固定システムが簡単な磁気配置を使用するので、本発明の対象である。これにより、磁場は処理対象物と磁石固定具との間の接触ゾーン内でほぼ排他的に閉じ込められるため、磁気漏れによる望ましくない横プラズマがこの領域において避けられる。これにより、特に最適な接着性を有するDLC被膜の堆積については、被覆された部品の表面に沿って、被膜厚さが最大になり、特性が均一になる。
【0021】
本発明の解決策によると、固定具内に挿入される処理対象物と共に、磁性材料および/または強磁性材料によって形成される閉ループ内で磁場を閉じ込めるように、磁気配置が設定される。
【0022】
本発明および本発明の好ましい実施形態が以下で説明され、かつ、図面によって例示的にサポートされる。以下の説明および例は本発明を制限するものではなく、本発明を理解し、かつ、本発明を実施可能な方法を提示するための助けとなるにすぎない。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】今日一般に使用される固定具の構成を示す図であり、この構成では、磁場は固定具の近辺へと漏れて、蒸着中に使用されるプラズマに悪影響を及ぼす。
【
図2】永久磁石51と非磁性カバー4との間に磁気ヨーク6および空隙53を有する磁気固定具の一例を示す図である。
【
図3】永久磁石51と非磁性カバー4との間に磁気ヨーク6および非磁性スペーサ55を有する磁気固定具の一例を示す図である。
【
図4】非磁性カバー4内の磁石リンクプレート63上に数個の永久磁石61を有する磁気固定具の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1の磁気固定具の概略図は従来技術を示し、永久磁石51が固定基部2上に組み立てられている。磁石51は、シェル5によって径方向に取り囲まれているが、シェルの目的はここではさらに定義されない。そのような固定具は、典型的には、ここでは示されない別のマルチ固定保持板に搭載されている。そのような保持板は、固定トランスミッションを有する回転コンベヤ上で固定されているので、通常互いに重ねて配置されていて、共通のバッチ式被覆機において2回転する。3回転させるために、2回転マルチ固定ツリーの回転運動を利用して、ギアリング3をいわゆる「フリッカーフィンガ」で押すことによって、個々の磁気固定具を回転させる。
【0025】
図1に模式的に示すような磁気固定具組立品を使用することによって、磁石固定具の接触ゾーンにより近接している表面積と比べて、我々の例ではピンにおいて、処理対象物の上部でDLC被膜の被膜厚さが著しく大きくなる。また、DLC被膜の機械特性は被覆されたピンの主軸に沿って著しく異なり、使用中の早期故障をもたらすことがある。
【0026】
既存の磁気保持具のプラズマアシスト真空プロセスに対する好ましくない影響は、特に以下で説明されるようなDLC被膜の蒸着については、提案された本発明の磁気組立品を使用することによって克服可能である。
【0027】
驚くべきことに、発明者らは以下のことを発見した。空隙53によって永久磁石51から径方向に間を隔てた場所で磁石ヨーク6が磁石固定具に設置されている場合、処理対象物1を運ぶように十分に高い磁性保持力を維持する一方で、処理対象物と固定具との間の接触ゾーンの周りに著しく低い磁場が形成される。そのような組立品の概略図が
図2に示されており、
図2では、磁石固定具の非磁性カバー4も示されている。
【0028】
Oerlikon Balzersの蒸着工場におけるDLC被膜プロセスを使用した最初の試験から、被膜特性および厚さの均一性、ならびにDLC被膜の接着性が、従来技術の磁石固定具と比べて大幅に改善され得ることが分かった。処理対象物と固定具との間の接触ゾーンにおいて磁気漏れを生じる従来技術の磁石固定具を使用すると、処理対象物の一番上の領域におけるカバー表面の厚さと、処理対象物と固定具との間の接触ゾーンに最も近接する処理対象物領域における厚さとの間で、40%を超える被膜厚さの相違が現れることが分かった。本発明の磁石組立品を磁石固定具で使用すると、ばらつきがわずか20%以下である、大幅に均一化された被膜厚さ分布を得ることができる。
【0029】
本発明によると、磁性保持力は、処理対象物を垂直に位置決めできるように十分に高い。これは、被覆された処理対象物の主軸が堆積室の上部に向けられていて、したがって0°であり、または他の場合は、処理対象物の主軸が0°〜180°の間の任意の角度で傾斜していることを意味しており、処理対象物を頭から先に搭載できることを表している。
【0030】
磁場の強度は、磁力線の傾斜に対応すると理解できる。したがって、固定具と処理対象物との組合わせの磁場を処理対象物と隣接する磁石組立品との内部にほぼ閉じ込めることが可能であることが本発明の好ましい実施形態であり、これによって、特にPACVDにおけるプラズマアシスト真空プロセス中の意図しない横プラズマが防止され、したがって、処理対象物の主軸に沿って、被膜厚さの分布および被膜特性の均一性が改善される。
【0031】
本発明の別の例では、
図3に概略的に示すように、堅固な非磁性スペーサ材料55が、永久磁石51を磁石ヨーク6から径方向に分離している。
【0032】
磁石51の極性は、それぞれ
図2および
図3に示す方向からずれることがあり、個々のプラズマアシスト真空プロセスのために(たとえば、処理対象物と固定具の配列、使用材料、固定具、および回転の点で)最適化されなければならない。
【0033】
好ましくは、非磁性スペーサは、たとえば1.4301または1.4305の非磁性鋼で形成されるが、非磁性セラミック材料または非磁性ポリマーからも製造可能である。
【0034】
本発明のある実施形態として、好ましくは、磁石ヨーク6はフェライト鋼(たとえば、1.0718)などの強磁性材料で形成されている。
【0035】
本発明の別の実施形態は、固定基部2がステンレス鋼またはオーステナイト鋼から形成されていることである。代替的に、固定基部をフェライト鋼または鋳鉄から形成することもできるが、そのためには、以下で説明するように、回転式コンベヤでの磁石固定具、固定台などの全体的な磁石の観念を慎重に応用することが必要になる。
【0036】
磁場の定量的測定は困難であり、処理対象物、固定具、および磁石の組立品の配列に加えて、処理対象物、磁石、および他の固定部品の使用材料の組合せ、ならびに計測方法それ自体などの多くの要素によって左右される。したがって、発明者らは、局所的に測定されたガウス値は、本発明の請求項を正確に定義するためには適していないと確信している。
【0037】
本発明の磁石固定具、および本発明の固定具を用いた対応する方法の意図された請求項を正確に説明するために、被覆されたおよび/または処理された部品の特性を使用可能である。加えて、以下の実施形態を特に重要とみなすべきである。したがって、以下の条件が満たされるように処理対象物と固定具との組合わせの内部に磁場をほぼ閉じ込める態様で磁石51、空隙53、および磁石ヨーク6の配列関係を選択しなければならないことが、本発明の好ましい実施形態である。
【0038】
‐磁場強度は、処理対象物を固定できるように十分高い。
‐処理対象物外側の磁場は、プラズマ処理および/または蒸着中に望ましくない横プラズマが活性にならないように制限されている。
【0039】
‐磁石ヨーク材料が磁気的に飽和しない。
同じ配列/磁気関係が、必要な変更を加えて、磁石ヨーク6と非磁性スペーサ55とを有する状況に当てはまる。
【0040】
空隙53によって、永久磁石51の対称軸に沿って径方向および軸方向に磁石51とヨーク6との間で等しい距離を確保できることも、本発明の好ましい実施形態である。磁石とヨークとの間の接触は、処理対象物から離れる方向で磁石の底部側においてもたらされなければならない。
【0041】
磁気ヨークは、処理対象物に向かう方向ではなく周方向においてのみ、永久磁石を取り囲む。したがって、磁力線は処理対象物と固定具との間の接触ゾーンにおいて、処理対象物の底部側において処理対象物に入り、好ましくは、磁石ヨークと共に磁力線の閉ループを形成するために、底部側で処理対象物から退出する。
【0042】
図4には、プラズマアシスト真空プロセス中に望ましくない横プラズマを避けることによって同じ本発明のアイデアを用いるが、さらに高い保持力を可能にする別の例が概略的に示されている。
【0043】
図4は、本発明の別の実施形態に係る構成を示す。蒸着中に固定具上に基板、部品、または処理対象物1を固定するために磁石が必要であり、この磁石を非磁性カバー中に沈めなければならない。処理対象物に向かう方向にある上面を除いて、磁石を保護するカバー4の外側において、磁場が検出されない方がよい。そのため、磁力線の閉ループが固定具と処理対象物との組合わせ内で形成されるように磁石の組立品を調節することがさらによい。
【0044】
好ましい実施形態として、磁石をそれらに隣接する磁石と反対方向に配置しなければならず、かつ、磁石の真下に磁石リンクプレート(磁性体)を配置する場合、磁力線の閉ループが実現され得る。配置された磁石の数量は、偶数でなければならない。
【0045】
図4に示す本発明の配置では、固定具と処理対象物との組合わせの外側の磁場は計測されて、弱いことが分かっている。これは、この領域で横プラズマの生成を避けるために磁場がきわめて低かったことを示している。
【0046】
特にPACVDを用いてDLC被膜が塗布される場合、望ましくない横プラズマが避けられるので、本発明は大変有利である。典型的に、そのような望ましくない横プラズマはDLC被膜の特性に悪影響を及ぼす。
【0047】
図4は、上述した本発明の磁石組立品の一例を示す。磁気固定具は、非磁性カバー4中に沈められて磁石リンクプレート63上に位置決めされた複数の永久磁石61で構成されている。永久磁石は、
図4の概略図において断面線A‐Aに沿って見られるように、反対の磁極性を有して対で配列されている。磁気固定具および処理対象物内で磁場の良好な磁気閉じ込めが実現可能であり、同時に、好ましくは処理対象物に向かっておよび磁気リンクプレートに向かって垂直方向でのみ磁力線が広がり、したがって、磁気「閉ループ」を呈する。
【0048】
磁石61、隣接する磁石の交互の極性の配置、磁石リンクプレート63の配列関係は、以下の条件が満たされるように、処理対象物と固定具との組合わせ内で磁場がほぼ閉じ込められる態様で選択されなければならないことが、別の好ましい実施形態である。
【0049】
‐磁場強度は、処理対象物を固定できるように十分高い。
‐処理対象物外側の磁場は、プラズマ処理および/または蒸着中に望ましくない横プラズマが活性にならないように制限されている。
【0050】
‐磁石リンクプレートの材料が磁気的に飽和しない。
磁気固定具が、好ましくは、磁石組立品が蒸着中に被覆されることを防ぎ、磁石組立品が化学的洗浄および/または機械的洗浄中に効果的に磁石組立品を保護する、ステンレス鋼(たとえば、1.4301、1.4305)などの耐食材料で形成された非磁性カバーで覆われていることが、本発明の実施形態である。
【0051】
本発明の別の実施形態では、永久磁石は、強度の高い堅固な磁性材料、たとえば、サマリウム‐コバルト合金(SmCo)などで形成されている。
【0052】
プラズマアシスト真空プロセス中に磁力を維持するために、使用される永久磁石が450℃よりも高いキュリー温度を呈することが、本発明の別の実施形態である。この高いキュリー温度には、低い処理温度、特に、たとえば250℃〜350℃のDLCの蒸着中は、磁性保持力が多かれ少なかれ一定であるという利点がある。
【0053】
別の好ましい実施形態では、磁石リンクプレートは鋼鉄(すなわち、1.4034)または磁気リンクを可能にする任意の同等の磁性材料で形成されている。
【0054】
永久磁石は互いに隣接するが交互の極性を有して配置されていることも、本発明の好ましい実施形態である。さらに、使用される磁石の組は、2、4などの偶数でなければならない。
【0055】
本発明のさらに好ましい実施形態は、被覆された部品の被膜厚さ分布が、処理対象物のカバーの表面に沿った被膜の平均厚さの±20%の範囲内であることである。これによって、カバーの表面は、処理対象物の主回転軸に沿った処理対象物の表面として定められる。
【0056】
本発明の別の好ましい実施形態では、磁気固定具は、堆積室の主軸に対して3回転可能である。これにより、マルチ固定保持部が2回転すると、固定された「フリッカーフィンガ」でギアリング3を押すことによって、受動的に、個々の磁気固定具を3回転させることができた。代替的に、さらにトランスミッションアセンブリを使用して一定の回転速度で磁気固定具を3回転させることが可能である。この場合、ギアリング3を使用して、制御された態様で連続的に磁気固定具を回転させる。
【0057】
発明者らは、本発明の磁石組立品の径方向寸法が回転対称の処理対象物の径方向寸法と全く同じ、またはそれよりわずかに小さくなければならないことを発見した。したがって、磁石ヨークの外半径は、処理対象物の径方向寸法の100%〜50%の範囲でなければならないことが、好ましい実施形態である。磁石ヨークの内半径および空隙または非磁性スペーサの厚さはそれぞれ、上述したような機能によって定義される。
【0058】
同じ範囲が、必要な変更を加えて上述の磁石の対および接続している磁石リンクプレートにも当てはまり、これらはしたがって、処理対象物の径方向寸法の100%〜50%の範囲でなければならない。
【0059】
言い換えると、処理対象物が20mmの直径を有するピンの場合、磁石ヨークまたは磁石の対の外半径は最大で10mm、最小で5mmでなければならない。
【0060】
本発明の磁石組立品をあらゆる種類の反応性または非反応性のプラズマアシスト真空プロセス、特にエッチング、窒化、炭化、または被膜蒸着プロセスのような処理で使用可能であることが本発明の実施形態であり、これらのプロセスでは、プラズマが処理対象物表面で活性であり、横プラズマは意図されていない。
【0061】
本発明の磁石固定具の使用は、PACVDプロセスにおいてDLCの蒸着に特に有利であることが判明した。
【0062】
本発明は、特に以下を開示する。
本発明の固定システムは複数の部品を含み、部品のうちの少なくとも1つは強磁性体を含む処理対象物を保持するための保持部である。処理対象物は、2つの端を有する本体部を含み、径方向寸法とプラズマアシスト真空処理プロセスによって処理されるべき表面とを有する対称形状を回転軸方向に沿って呈する。保持部は磁気手段を有し、磁気手段は、処理対象物の端の一つが保持部の保持表面と接触しているように処理対象物が保持部の保持表面に設けられた場合に、処理対象物を保持するために十分高い回転軸方向の磁力を有する磁場を生成する。固定システムでは、プラズマ処理の実行中に上記生成された磁場の磁力線によって引き起こされる横プラズマの生成が防止されるように、固定システムの部品または処理対処物の本体によって占められた空間に磁力線の少なくとも大部分が閉じ込められる態様で、保持部の磁気手段が設計および配置されている。
【0063】
本発明の固定システムの好ましい実施形態では、保持部は、固定基部(2)と、開口、外径、および内径を有する磁石ヨーク(6)と、少なくとも1つの磁石(51)とを備える。磁石ヨークは、開口が固定基部の反対側に位置するように固定基部の表面と保持部の保持表面との間に設けられている。少なくとも1つの磁石は、空隙(53)によって磁石ヨーク(6)から等距離で周方向に維持されるように磁石ヨーク(6)内に設けられている。
【0064】
本発明の固定システムのさらに好ましい実施形態では、保持部は、固定基部(2)と、開口、外径、および内径を有する磁石ヨーク(6)と、少なくとも1つの磁石(51)とを備える。磁石ヨークは、開口が固定基部の反対側に位置するように固定基部の表面と保持部の保持表面との間に設けられている。少なくとも1つの磁石は、非磁性スペーサ(55)によって磁石ヨーク(6)から等距離で周方向に維持されるように磁石ヨーク(6)内に設けられている。
【0065】
本発明の固定具のいずれか1つの好ましい実施形態は、磁石ヨークを含み、磁石ヨーク(6)の外径についての外半径が、処理対象物の本体の径方向寸法の100%〜50%の範囲である。
【0066】
本発明の固定システムのさらに好ましい実施形態では、保持部は、固定基部(2)と、固定基部の表面と保持部の保持表面との間に設けられた磁石リンクプレート(63)と、少なくとも1対の磁石(61)とを備える。少なくとも1対の磁石(61)は、少なくとも1対の磁石(61)の各磁石が互いに反対の極性で互いに隣に位置し、外径を形成するように、磁石リンクプレート(63)と保持部の保持表面との間に設けられている。好ましくは、対の磁石(61)によって形成される外径についての外半径は、処理対象物の本体の径方向寸法の100%〜50%の範囲である。
【0067】
上述の固定システムのうちのいずれか1つのさらに好ましい実施形態では、保持部は、保持表面として使用されるステンレス鋼を含む非磁性カバー(4)をさらに含む。
【0068】
上述の固定システムのうちのいずれか1つのさらに好ましい実施形態では、保持部に含まれる1つ以上の磁石は、堅固な磁性材料で形成される永久磁石である。堅固な磁性材料は、好ましくは450℃を超えるキュリー温度を有する。
【0069】
少なくとも1つの処理対象物のプラズマ処理のための本発明の方法では、少なくとも1つの処理対象物は、強磁性体および2つの端を有する本体部を含み、径方向寸法とプラズマアシスト真空処理プロセスによって処理されるべき表面とを有する対称形状を回転軸に沿って呈する。本方法は基板の近くでプラズマを生成することを含む。請求項1〜10のいずれか1項に記載の固定システムが、処理されるべき表面の近くでプラズマを生成することを含むプラズマアシスト真空処理プロセスの実行中に処理対象物を保持するために使用され、該固定システムを使用することによって、プラズマ処理中に固定システムに含まれる磁気手段によって引き起こされる磁力線によって発生する横プラズマの生成を防止する。
【0070】
上述の本発明の方法のさらに好ましい実施形態では、プロセスは、プラズマアシスト真空蒸着プロセス、特にPA‐CVDプロセスによって被覆されるべき処理対象物のカバーの表面に沿って少なくとも1つの被膜層での蒸着のために行なわれる被膜プロセスを含む。該被膜プロセスは、被覆されるべき表面の近くでプラズマを生成することを含む。該固定システムを使用することによって、被覆されるべき表面に沿って堆積された被膜層の特性に影響を与え得る、固定システムに含まれる磁気手段によって生成される横プラズマの発生を防止する。
【0071】
本発明の方法のさらに好ましい実施形態では、処理対象物はプロセスの実行中に少なくとも1つの軸について対称的に回転される。
【0072】
上述の本発明の方法のいずれか1つを使用して、部品または自動車部品、特に、ピン、針、プランジャーである処理対象物を処理または被覆する。
【0073】
上述の実施形態のいずれか1つに係る方法は被覆ステップを含み、このステップでは、処理対象物が、処理対象物のカバーの表面で計測された平均被膜層厚さと比べて、20%以下の層厚さのばらつきを呈する被膜層によって覆われる。
【0074】
上述の実施形態のいずれか1つに係る方法は被覆ステップを含み、このステップでは、処理対象物が、処理対象物のカバーの表面で計測された平均被膜層硬度と比べて20%以下の層硬度のばらつきを呈する被膜層によって覆われる。