特許第6861203号(P6861203)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6861203インクジェット用硬化性組成物、硬化物およびプリント配線板
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6861203
(24)【登録日】2021年3月31日
(45)【発行日】2021年4月21日
(54)【発明の名称】インクジェット用硬化性組成物、硬化物およびプリント配線板
(51)【国際特許分類】
   C09D 11/30 20140101AFI20210412BHJP
   C08F 2/50 20060101ALI20210412BHJP
   B41M 5/00 20060101ALI20210412BHJP
   B41J 2/01 20060101ALI20210412BHJP
   H05K 3/28 20060101ALI20210412BHJP
【FI】
   C09D11/30
   C08F2/50
   B41M5/00 120
   B41J2/01 501
   H05K3/28 D
【請求項の数】6
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2018-508517(P2018-508517)
(86)(22)【出願日】2017年2月9日
(86)【国際出願番号】JP2017004809
(87)【国際公開番号】WO2017169166
(87)【国際公開日】20171005
【審査請求日】2019年11月6日
(31)【優先権主張番号】特願2016-73299(P2016-73299)
(32)【優先日】2016年3月31日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】310024066
【氏名又は名称】太陽インキ製造株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100096714
【弁理士】
【氏名又は名称】本多 一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100124121
【弁理士】
【氏名又は名称】杉本 由美子
(74)【代理人】
【識別番号】100176566
【弁理士】
【氏名又は名称】渡耒 巧
(74)【代理人】
【識別番号】100180253
【弁理士】
【氏名又は名称】大田黒 隆
(72)【発明者】
【氏名】吉川 里奈
(72)【発明者】
【氏名】吉田 正人
(72)【発明者】
【氏名】志村 優之
(72)【発明者】
【氏名】松本 博史
【審査官】 菅野 芳男
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−110765(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09D 11/30
B41J 2/01
B41M 5/00
C08F 2/50
H05K 3/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)アルキレン鎖を有する2官能(メタ)アクリレート化合物と、
(B)α−アミノアルキルフェノン系光重合開始剤と、
(C)アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤と、
を含み、膜厚10μm、波長365nmにおける吸光度が0.08〜0.8、波長385nmにおける吸光度が0.05〜0.3である硬化性組成物であって、
前記(B)α−アミノアルキルフェノン系光重合開始剤の配合割合は、硬化性組成物100質量部中、1〜10質量部の範囲であり、
前記(C)アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤の配合割合は、硬化性組成物100質量部中、1〜10質量部の範囲であり、
前記(B)α−アミノアルキルフェノン系光重合開始剤の配合割合が前記(C)アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤よりも多い、プリント配線板の硬化物形成用材料であることを特徴とするインクジェット用硬化性組成物。
【請求項2】
前記(A)アルキレン鎖を有する2官能(メタ)アクリレート化合物のアルキレン鎖の炭素数が4〜12である請求項1に記載のインクジェット用硬化性組成物。
【請求項3】
さらに、(D)ビスフェノール型エポキシ(メタ)アクリレート化合物を含む請求項1または2に記載のインクジェット用硬化性組成物。
【請求項4】
50℃における粘度が50mPa・s以下である請求項1〜3のいずれか一項に記載のインクジェット用硬化性組成物。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載のインクジェット用硬化性組成物を硬化して得られることを特徴とする硬化物。
【請求項6】
請求項5に記載の硬化物を有することを特徴とするプリント配線板。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクジェット用硬化性組成物、これを用いた硬化物およびプリント配線板に関する。
【背景技術】
【0002】
プリント配線板にエッチングレジスト、ソルダーレジスト、シンボルマーキングなどを形成する場合には、高粘度の組成物をスクリーン印刷などの印刷法で基板への塗布を行った後、活性エネルギー線の照射によってインキを硬化させる手法が一般的であった。
近年、スクリーン印刷の代わりに、インクジェット方式により上記エッチングレジスト、ソルダーレジスト、シンボルマーキングなどを形成する方法が開発された。インクジェット方式の特徴として、インキの使用量が削減でき、スクリーン印刷用の版も不要であり、デジタルデータからの直接描画が可能である。また、インクジェットプリンタのヘッド若しくはその近傍にUV照射装置を備え付けることにより、パターン印刷とUVによる仮硬化を同時に行うことが可能であり、工程にかかわる時間も削減できる。インクジェットノズルからの吐出を考慮し、従来の印刷法に用いられる硬化性組成物とは異なる物性が求められる。
例えば、粘度が25℃で150mPa・s以下のような低粘度であるインクジェット用硬化性組成物がある(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−214532号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
インクジェット方式により塗布された硬化性組成物の塗膜は、空気中の酸素の影響を受けやすい。そのため、酸素阻害等の影響に起因して活性エネルギー線の照射による硬化時の塗膜表面の硬化性が悪くなり、その結果、インクジェット方式により形成された組成物のパターンに、にじみが生じたり、基板を反転した際にインクジェット装置のステージ等が汚れたりするおそれがあった。一方で、塗膜の表面硬化性を向上させるために、活性エネルギー線の積算光量を上昇させると、塗膜表面の硬化性は改善されるものの、にじみは同様に発生する。また、塗膜の表面硬化性を向上させるために、光重合開始剤を増量すると、はんだ耐熱性や金めっき耐性などの各種特性が低下するという問題があった。
【0005】
本発明は、上記の問題を有効に解決するものであり、インクジェット方式で塗膜を形成したときの表面硬化性を向上させるとともに、はんだ耐熱性や金めっき耐性等の従来から備えている特性を低下させることのないインクジェット用硬化性組成物、これを用いた硬化物およびプリント配線板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、アルキレン鎖を有する2官能(メタ)アクリレートモノマーを用いてインクジェット印刷に適した組成物を得ることができ、また、アミノアルキルフェノン系光重合開始剤とアシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤の組み合わせにて適切な範囲の吸光度に調整することで、良好な表面硬化性と塗膜特性とを得ることができることを見出し、そこから、本発明のインクジェット用硬化性組成物を得た。
【0007】
本発明のインクジェット用硬化性組成物は、(A)アルキレン鎖を有する2官能(メタ)アクリレート化合物と、(B)α−アミノアルキルフェノン系光重合開始剤と、(C)アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤と、を含み、膜厚10μm、波長365nmにおける吸光度が0.08〜0.8、波長385nmにおける吸光度が0.05〜0.3であることを特徴とする。ここに、膜厚10μmとは、硬化のための光照射をする前の膜厚のことである。
【0008】
上記本発明のインクジェット用硬化性組成物は、上記(A)アルキレン鎖を有する2官能(メタ)アクリレート化合物のアルキレン鎖の炭素数が4〜12であることが好ましい。
また、上記本発明のインクジェット用硬化性組成物は、さらに、(D)ビスフェノール型エポキシ(メタ)アクリレート化合物を含むことができる。
更に、上記本発明のインクジェット用硬化性組成物は、50℃における粘度が50mPa・s以下であることが好ましい。
【0009】
本発明の硬化物は、上記のインクジェット用硬化性組成物に対して光照射することにより得られることを特徴とする。
【0010】
本発明のプリント配線板は、上記のインクジェット用硬化性組成物が基板上に形成され、これを光照射することにより得られる硬化物を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、インクジェット方式による塗膜の表面硬化性を向上させるとともに、はんだ耐熱性や金めっき耐性等の従来から備えている特性を低下させることのないインクジェット用硬化性組成物を得ることができる。また、本発明のインクジェット用硬化型組成物に対して光照射することにより硬化物を得ることができる。さらに、本発明のインクジェット用硬化型組成物は、プリント配線板の基板上に形成され、光照射により上記硬化物として有することができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明のインクジェット用硬化性組成物は、(A)アルキレン鎖を有する2官能(メタ)アクリレート化合物と、(B)α−アミノアルキルフェノン系光重合開始剤と、(C)アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤とを含み、膜厚10μm、波長365nmにおける吸光度が0.08〜0.8、波長385nmにおける吸光度が0.05〜0.3であることを特徴とするものである。
【0013】
なお、本明細書において、(メタ)アクリレートとは、アクリレート、メタアクリレートおよびそれらの混合物を総称する用語で、他の類似の表現についても同様である。
【0014】
[(A)アルキレン鎖を有する2官能(メタ)アクリレート化合物]
本発明のインクジェット硬化性組成物は、アルキレン鎖を有する2官能(メタ)アクリレート化合物を含む。アルキレン鎖を有する2官能(メタ)アクリレート化合物は、水酸基を有しないものであることが好ましい。アルキレン鎖を有する2官能(メタ)アクリレート化合物を含むことにより、インクジェット印刷に適した低粘度の組成物を得ることができる。
【0015】
アルキレン鎖を有する2官能(メタ)アクリレートの具体例としては、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、1,10−デカンジオールジアクリレートなどのジオールのジアクリレートなどが挙げられる。
【0016】
市販されているものとしては、NKエステル A−NOD−N(新中村化学工業社製の商品名)、ライトアクリレート1,6HX−A、1,9ND−A(共栄社化学社製の商品名)、HDDA、1,9−NDA(ダイセル・オルネクス社製の商品名)などが挙げられる。
【0017】
これらアルキレン鎖を有する2官能(メタ)アクリレート化合物の配合量は、硬化性組成物100質量部中、好ましくは20〜90質量部、より好ましくは40〜80質量部である。2官能(メタ)アクリレートの配合量が、20質量部以上の場合、インキの相溶性が良好となる。一方、配合量が90質量部以下の場合、インキの密着性が良好となる。
【0018】
アルキレン鎖を有する2官能(メタ)アクリレート化合物の25℃における粘度が5〜50mPa・s、特に5〜30mPa・sであることが好ましい。この粘度範囲では、2官能(メタ)アクリレート化合物の希釈剤としての取り扱い性が良好となり、各成分を均一に混合することができる。その結果、塗膜の全面が基板に対して一様に密着することが期待できる。
【0019】
[(B)α−アミノアルキルフェノン系光重合開始剤]
本発明のインクジェット用硬化性組成物は、光重合開始剤の一つとして、α−アミノアルキルフェノン系光重合開始剤を含む。
【0020】
α−アミノアルキルフェノン系光重合開始剤としては、具体的には2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパノン−1、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタン−1−オン、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン、N,N−ジメチルアミノアセトフェノンなどのα−アミノアセトフェノン系光重合開始剤が挙げられ、市販品としては、BASFジャパン社製のイルガキュアー369、イルガキュアー379、イルガキュアー907等が挙げられる。
(B)α−アミノアルキルフェノン系光重合開始剤の配合割合は、硬化性組成物100質量部中、1〜10質量部の範囲が好ましい。
【0021】
[(C)アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤]
本発明のインクジェット用硬化性組成物は、光重合開始剤の一つとして、アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤を含む。
アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤としては、具体的には2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルホスフィンオキサイドなどが挙げられる。市販品としては、BASFジャパン社製のイルガキュアーTPO、イルガキュアー819などが挙げられる。
(C)アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤の配合割合は、硬化性組成物100質量部中、1〜10質量部の範囲が好ましい。
【0022】
光重合開始剤として、(B)α−アミノアルキルフェノン系光重合開始剤と(C)アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤と組み合わせて用いることにより、後述する適正な吸光度に調整することができ、良好な表面硬化性と塗膜特性とを得ることができる。
ここで、(B)α−アミノアルキルフェノン系光重合開始剤の配合割合は、(C)アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤よりも多いことが好ましい。(B)α−アミノアルキルフェノン系光重合開始剤の配合割合を多くすることにより、酸素の影響等による表面硬化性の低下を抑え、鉛筆硬度等に優れた硬化膜を得ることができる。
【0023】
(B)α−アミノアルキルフェノン系光重合開始剤と(C)アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤は、それぞれ単独でまたは2種類以上の混合物として使用でき、さらにはN,N−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、N,N−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、ペンチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、トリエチルアミン、トリエタノールアミン等の三級アミン類などの光開始助剤を加えることができる。
【0024】
本発明のインクジェット用硬化性組成物は、上記アルキレン鎖を有する2官能(メタ)アクリレート化合物を含むことにより、インクジェット印刷に適した低粘度の組成物を得ることができ、また、α−アミノアルキルフェノン系光重合開始剤とアシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤と組み合わせて用いることにより、膜厚10μm、波長365nmにおける吸光度が0.08〜0.8、波長385nmにおける吸光度が0.05〜0.3という、適切な吸光度に調整することができ、良好な表面硬化性と塗膜特性とを得ることができる。膜厚10μm、波長365nmにおける吸光度は0.11〜0.7であることが好ましく、波長385nmにおける吸光度は0.06〜0.3であることが好ましい。
膜厚10μm、波長365nmにおける吸光度が0.08以上で良好な表面硬化性が得られ、波長365nmにおける吸光度が0.8以下で良好なインクジェット印刷性、はんだ耐熱性、金めっき耐性が得られる。波長385nmにおける吸光度が0.05以上で良好な表面硬化性が得られ、波長385nmにおける吸光度が0.3以下で良好なインクジェット印刷性、はんだ耐熱性、金めっき耐性が得られる。
【0025】
本発明のインクジェット用硬化性組成物は上述の成分以外にも種々の成分を含むことができる。この場合でも本発明のインクジェット用硬化性組成物は、吸光度が上記数値範囲になるように材料および配合量を調整することが重要である。
【0026】
[ビスフェノール型エポキシ(メタ)アクリレート化合物]
ビスフェノール型エポキシ(メタ)アクリレート化合物は、ビスフェノール型エポキシ化合物に対し、部分的に(メタ)アクリル酸を付加させた化合物であり、具体例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂の片方のエポキシ基にアクリル酸を付加させた化合物である、新中村化学工業社製の商品名EA−1010Nなどが挙げられる。このうち、粘度調整の容易さ等から単官能(メタ)アクリレート化合物が好ましく用いられる。ビスフェノール型エポキシ(メタ)アクリレート化合物は、1種類又は複数種類を組み合わせて用いることができる。
ビスフェノール型エポキシ(メタ)アクリレート化合物の配合割合は、硬化性組成物100質量部中、5〜30質量部の範囲が好ましい。
ビスフェノール型エポキシ(メタ)アクリレート化合物を含むことにより、インクジェット塗布に適した低粘度で、かつ、各種特性が良好な組成物が得られる。
【0027】
[水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物]
本発明のインクジェット用硬化性組成物は、水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物を含むことができる。この水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物は、モノマーまたはオリゴマー等の低分子量の材料が使用され、具体的には分子量100〜1000の範囲、好ましくは分子量110〜700の範囲の材料が用いられる。
【0028】
水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物の具体的例としては、2−ヒドロキシ−3−アクリロイルオキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等が挙げられる。市販品としてはアロニックスM−5700(東亞合成社製の商品名)、4HBA、2HEA、CHDMMA(以上、日本化成社製の商品名)、BHEA、HPA、HEMA、HPMA(以上、日本触媒社製の商品名)、ライトエステルHO、ライトエステルHOP、ライトエステルHOA(以上、共栄社化学社製の商品名)等がある。水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物は1種類または複数種類を組み合わせて用いることができる。
【0029】
このうち、特に2−ヒドロキシ−3−アクリロイルオキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノアクリレートが好ましく用いられる。また、粘度調整の容易さ等から単官能(メタ)アクリレート化合物が好ましく用いられる。
【0030】
水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物の配合量は、硬化性組成物100質量部中、好ましくは1〜20質量部、より好ましくは2〜10質量部である。水酸基を有する(メタ)アクリレートの配合量が、1質量部以上の場合、組成物の密着性がより良好となる。一方、配合量が20質量部以下の場合、インキの相溶性の低下を抑えることができる。
【0031】
また、本発明のインクジェット用硬化性組成物は、組成物の粘度を調整することを目的として、上記(メタ)アクリレート化合物以外に希釈剤を適宜配合することができる。
希釈剤としては、希釈溶剤、光反応性希釈剤、熱反応性希釈剤等が挙げられる。これらの希釈剤の中でも光反応性希釈剤が好ましい。
光反応性希釈剤としては、(メタ)アクリレート類、ビニルエーテル類、エチレン誘導体、スチレン、クロロメチルスチレン、α−メチルスチレン、無水マレイン酸、ジシクロペンタジエン、N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、キシリレンジオキセタン、オキセタンアルコール、3−エチル−3−(フェノキシメチル)オキセタン、レゾルシノールジグリシジルエーテル等の不飽和二重結合やオキセタニル基、エポキシ基を有する化合物が挙げられる。
これらの中でも(メタ)アクリレート類が好ましく、さらに好ましくは単官能(メタ)アクリレート類が好ましい。単官能(メタ)アクリレート類としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリシジルメタクリレート等の(メタ)アクリレート類や、アクリロイルモルホリン等を挙げることができる。
また、本発明のインクジェット用硬化性組成物においては、環状骨格を有する(メタ)アクリレート類を含んでいてもよい。環状骨格を有する(メタ)アクリレート類としては、環状炭化水素構造を有する(メタ)アクリレート、窒素原子や酸素原子等を含む複素環構造を有する(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0032】
また、硬化性組成物は、組成物のUV硬化後のタック性を向上させる事を目的として3官能以上の(メタ)アクリレート化合物(水酸基を有するものを除く)を配合する事が出来る。
3官能以上の(メタ)アクリレート化合物としては、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールメタントリアクリレート、エチレンオキシド変性トリメチロールプロパントリアクリレート、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリアクリレート、エピクロルヒドリン変性トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、エチレンオキシド変性リン酸トリアクリレート、プロピレンオキシド変性リン酸トリアクリレート、エピクロルヒドリン変性グリセロールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、あるいはこれらのシルセスキオキサン変性物等に代表される多官能アクリレート、あるいはこれらに対応するメタアクリレートモノマー、εカプロラクトン変性トリスアクリロキシエチルイソシアヌレートが挙げられる。
【0033】
[熱硬化成分]
硬化性組成物には、熱硬化成分を加えることができる。熱硬化成分を加えることにより密着性や耐熱性が向上することが期待できる。本発明に用いられる熱硬化成分としては、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、メラミン誘導体、ベンゾグアナミン誘導体等のアミノ樹脂、ブロックイソシアネート化合物、シクロカーボネート化合物、環状(チオ)エーテル基を有する熱硬化成分、ビスマレイミド、カルボジイミド樹脂等の公知の熱硬化性樹脂が使用できる。その他、ベンゼン環を有する芳香族アミンや、アミン化合物とエポキシ化合物との反応物等を使用してもよい。特に好ましいのは、保存安定性に優れる点より、ブロックイソシアネート化合物である。
【0034】
上記の分子中に複数の環状(チオ)エーテル基を有する熱硬化成分は、分子中に3、4または5員環の環状(チオ)エーテル基のいずれか一方または2種類の基を複数有する化合物であり、例えば、分子内に複数のエポキシ基を有する化合物、すなわち多官能エポキシ化合物、分子内に複数のオキセタニル基を有する化合物、すなわち多官能オキセタン化合物、分子内に複数のチオエーテル基を有する化合物、すなわちエピスルフィド樹脂等が挙げられる。
【0035】
上記多官能エポキシ化合物としては、ADEKA社製のアデカサイザーO−130P、アデカサイザーO−180A、アデカサイザーD−32、アデカサイザーD−55等のエポキシ化植物油;三菱化学社製のjER828、jER834、jER1001、jER1004、ダイセル化学工業社製のEHPE3150、DIC社製のエピクロン840、エピクロン850、エピクロン1050、エピクロン2055、東都化成社製のエポトートYD−011、YD−013、YD−127、YD−128、ダウケミカル社製のD.E.R.317、D.E.R.331、D.E.R.661、D.E.R.664、住友化学工業社製のスミ−エポキシESA−011、ESA−014、ELA−115、ELA−128、旭化成工業社製のA.E.R.330、A.E.R.331、A.E.R.661、A.E.R.664等(何れも商品名)のビスフェノールA型エポキシ樹脂;YDC−1312、ハイドロキノン型エポキシ樹脂、YSLV−80XYビスフェノール型エポキシ樹脂、YSLV−120TEチオエーテル型エポキシ樹脂(いずれも東都化成社製);三菱化学社製のjERYL903、DIC社製のエピクロン152、エピクロン165、東都化成社製のエポトートYDB−400、YDB−500、ダウケミカル社製のD.E.R.542、住友化学工業社製のスミ−エポキシESB−400、ESB−700、旭化成工業社製のA.E.R.711、A.E.R.714等(何れも商品名)のブロム化エポキシ樹脂;三菱化学社製のjER152、jER154、ダウケミカル社製のD.E.N.431、D.E.N.438、DIC社製のエピクロンN−730、エピクロンN−770、エピクロンN−865、東都化成社製のエポトートYDCN−701、YDCN−704、日本化薬社製のEPPN−201、EOCN−1025、EOCN−1020、EOCN−104S、RE−306、住友化学工業社製のスミ−エポキシESCN−195X、ESCN−220、旭化成工業社製のA.E.R.ECN−235、ECN−299等(何れも商品名)のノボラック型エポキシ樹脂;日本化薬社製NC−3000、NC−3100等のビフェノールノボラック型エポキシ樹脂;DIC社製のエピクロン830、三菱化学社製jER807、東都化成社製のエポトートYDF−170、YDF−175、YDF−2004等(何れも商品名)のビスフェノールF型エポキシ樹脂;東都化成社製のエポトートST−2004、ST−2007、ST−3000(商品名)等の水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂;三菱化学社製のjER604、東都化成社製のエポトートYH−434、住友化学工業社製のスミ−エポキシELM−120等(何れも商品名)のグリシジルアミン型エポキシ樹脂;ヒダントイン型エポキシ樹脂;ダイセル化学工業社製のセロキサイド2021等(何れも商品名)の脂環式エポキシ樹脂;三菱化学社製のYL−933、ダウケミカル社製のT.E.N.、EPPN−501、EPPN−502等(何れも商品名)のトリヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂;三菱化学社製のYL−6056、YX−4000、YL−6121(何れも商品名)等のビキシレノール型もしくはビフェノール型エポキシ樹脂またはそれらの混合物;日本化薬社製EBPS−200、ADEKA社製EPX−30、DIC社製のEXA−1514(商品名)等のビスフェノールS型エポキシ樹脂;三菱化学社製のjER157S(商品名)等のビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂;三菱化学社製のjERYL−931等(何れも商品名)のテトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂;日産化学工業社製のTEPIC等(何れも商品名)の複素環式エポキシ樹脂;日本油脂社製ブレンマーDGT等のジグリシジルフタレート樹脂;東都化成社製ZX−1063等のテトラグリシジルキシレノイルエタン樹脂;新日鐵化学社製ESN−190、ESN−360、DIC社製HP−4032、EXA−4750、EXA−4700等のナフタレン基含有エポキシ樹脂;DIC社製HP−7200、HP−7200H等のジシクロペンタジエン骨格を有するエポキシ樹脂;日本油脂社製CP−50S、CP−50M等のグリシジルメタアクリレート共重合系エポキシ樹脂;さらにシクロヘキシルマレイミドとグリシジルメタアクリレートの共重合エポキシ樹脂;エポキシ変性のポリブタジエンゴム誘導体(例えばダイセル化学工業製PB−3600等)、CTBN変性エポキシ樹脂(例えば東都化成社製のYR−102、YR−450等)等が挙げられるが、これらに限られるものではない。これらのエポキシ樹脂は、単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも特にノボラック型エポキシ樹脂、ビキシレノール型エポキシ樹脂、ビフェノール型エポキシ樹脂、ビフェノールノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂またはそれらの混合物が好ましい。
【0036】
多官能オキセタン化合物としては、例えば、ビス[(3−メチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]エーテル、ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]エーテル、1,4−ビス[(3−メチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、1,4−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、(3−メチル−3−オキセタニル)メチルアクリレート、(3−エチル−3−オキセタニル)メチルアクリレート、(3−メチル−3−オキセタニル)メチルメタクリレート、(3−エチル−3−オキセタニル)メチルメタクリレートやそれらのオリゴマーまたは共重合体等の多官能オキセタン類の他、オキセタンアルコールとノボラック樹脂、ポリ(p−ヒドロキシスチレン)、カルド型ビスフェノール類、カリックスアレーン類、カリックスレゾルシンアレーン類、またはシルセスキオキサン等の水酸基を有する樹脂とのエーテル化物等が挙げられる。その他、オキセタン環を有する不飽和モノマーとアルキル(メタ)アクリレートとの共重合体等も挙げられる。
【0037】
分子中に複数の環状チオエーテル基を有する化合物としては、例えば、三菱化学社製のビスフェノールA型エピスルフィド樹脂 YL7000等が挙げられる。また、同様の合成方法を用いて、ノボラック型エポキシ樹脂のエポキシ基の酸素原子を硫黄原子に置き換えたエピスルフィド樹脂なども用いることができる。
【0038】
メラミン誘導体、ベンゾグアナミン誘導体等のアミノ樹脂としては、例えばメチロールメラミン化合物、メチロールベンゾグアナミン化合物、メチロールグリコールウリル化合物およびメチロール尿素化合物等がある。さらに、アルコキシメチル化メラミン化合物、アルコキシメチル化ベンゾグアナミン化合物、アルコキシメチル化グリコールウリル化合物およびアルコキシメチル化尿素化合物は、それぞれのメチロールメラミン化合物、メチロールベンゾグアナミン化合物、メチロールグリコールウリル化合物およびメチロール尿素化合物のメチロール基をアルコキシメチル基に変換することにより得られる。このアルコキシメチル基の種類については特に限定されるものではなく、例えばメトキシメチル基、エトキシメチル基、プロポキシメチル基、ブトキシメチル基等とすることができる。特に人体や環境に優しいホルマリン濃度が0.2%以下のメラミン誘導体が好ましい。
【0039】
これらの市販品としては、例えば、サイメル300、同301、同303、同370、同325、同327、同701、同266、同267、同238、同1141、同272、同202、同1156、同1158、同1123、同1170、同1174、同UFR65、同300(いずれも三井サイアナミッド社製)、ニカラックMx−750、同Mx−032、同Mx−270、同Mx−280、同Mx−290、同Mx−706、同Mx−708、同Mx−40、同Mx−31、同Ms−11、同Mw−30、同Mw−30HM、同Mw−390、同Mw−100LM、同Mw−750LM、(いずれも三和ケミカル社製)等を挙げることができる。このような熱硬化成分は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0040】
イソシアネート化合物、ブロックイソシアネート化合物は、1分子内に複数のイソシアネート基またはブロック化イソシアネート基を有する化合物である。このような1分子内に複数のイソシアネート基またはブロック化イソシアネート基を有する化合物としては、ポリイソシアネート化合物、またはブロックイソシアネート化合物等が挙げられる。なお、ブロック化イソシアネート基とは、イソシアネート基がブロック剤との反応により保護されて一時的に不活性化された基であり、所定温度に加熱されたときにそのブロック剤が解離してイソシアネート基が生成する。上記ポリイソシアネート化合物、またはブロックイソシアネート化合物を加えることにより硬化性および得られる硬化物の強靭性を向上することが確認された。
【0041】
このようなポリイソシアネート化合物としては、例えば、芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネートまたは脂環式ポリイソシアネートが用いられる。
芳香族ポリイソシアネートの具体例としては、例えば、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート、o−キシリレンジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネートおよび2,4−トリレンダイマー等が挙げられる。
【0042】
脂肪族ポリイソシアネートの具体例としては、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、4,4−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)およびイソホロンジイソシアネート等が挙げられる。
【0043】
脂環式ポリイソシアネートの具体例としてはビシクロヘプタントリイソシアネートが挙げられる。並びに先に挙げられたイソシアネート化合物のアダクト体、ビューレット体およびイソシアヌレート体等が挙げられる。
【0044】
ブロックイソシアネート化合物としては、イソシアネート化合物とイソシアネートブロック剤との付加反応生成物が用いられる。ブロック剤と反応し得るイソシアネート化合物としては、例えば、上述のポリイソシアネート化合物等が挙げられる。
【0045】
イソシアネートブロック剤としては、例えば、フェノール、クレゾール、キシレノール、クロロフェノールおよびエチルフェノール等のフェノール系ブロック剤;ε−カプロラクタム、δ−パレロラクタム、γ−ブチロラクタムおよびβ−プロピオラクタム等のラクタム系ブロック剤;アセト酢酸エチルおよびアセチルアセトン等の活性メチレン系ブロック剤;メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、アミルアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ベンジルエーテル、グリコール酸メチル、グリコール酸ブチル、ジアセトンアルコール、乳酸メチルおよび乳酸エチル等のアルコール系ブロック剤;ホルムアルデヒドキシム、アセトアルドキシム、アセトキシム、メチルエチルケトキシム、ジアセチルモノオキシム、シクロヘキサンオキシム等のオキシム系ブロック剤;ブチルメルカプタン、ヘキシルメルカプタン、t−ブチルメルカプタン、チオフェノール、メチルチオフェノール、エチルチオフェノール等のメルカプタン系ブロック剤;酢酸アミド、ベンズアミド等の酸アミド系ブロック剤;コハク酸イミドおよびマレイン酸イミド等のイミド系ブロック剤;キシリジン、アニリン、ブチルアミン、ジブチルアミン等のアミン系ブロック剤;イミダゾール、2−エチルイミダゾール等のイミダゾール系ブロック剤;メチレンイミンおよびプロピレンイミン等のイミン系ブロック剤等が挙げられる。
【0046】
ブロックイソシアネート化合物は市販のものであってもよく、例えば、スミジュールBL−3175、BL−4165、BL−1100、BL−1265、デスモジュールTPLS−2957、TPLS−2062、TPLS−2078、TPLS−2117、デスモサーム2170、デスモサーム2265(いずれも住友バイエルウレタン社製)、コロネート2512、コロネート2513、コロネート2520(いずれも日本ポリウレタン工業社製)、B−830、B−815、B−846、B−870、B−874、B−882(いずれも三井武田ケミカル社製)、TPA−B80E、17B−60PX、E402−B80T(いずれも旭化成ケミカルズ社製)等が挙げられる。なお、スミジュールBL−3175、BL−4265はブロック剤としてメチルエチルオキシムを用いて得られるものである。このような1分子内に複数のイソシアネート基、またはブロック化イソシアネート基を有する化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0047】
このような熱硬化成分の配合量は、硬化性組成物100質量部中、1〜30質量部が好ましい。配合量が1質量部以上であれば、十分な塗膜の強靭性、耐熱性が得られる。一方、30質量部以下であれば、保存安定性が低下することを抑制できる。
【0048】
[着色剤]
本発明のインクジェット用硬化性組成物は、フタロシアニン・ブルー、フタロシアニン・グリーン、アイオジン・グリーン、ジスアゾイエロー、クリスタルバイオレット、酸化チタン、カーボンブラック、ナフタレンブラックなどの公知慣用の着色剤を含むことができる。
このような着色剤は、単独または2種類以上を混合して用いても良く、その配合量は、インクジェット用硬化性組成物の不揮発分100質量部に対して、0.1〜30重量部であり、好ましくは0.5〜20質量部である。着色料の配合量が0.1質量部未満では視認性が劣り、30質量部を越えた場合、塗膜下部の光硬化性低下が起こり、好ましくない。
着色剤の種類、配合量は、インクジェット用硬化性組成物の吸光度に影響があるので、上述した吸光度の好適範囲内になるように調整する。
【0049】
着色剤として白色顔料を含む場合、酸化チタン,酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、硫酸バリウム、シリカ、タルク、マイカ、水酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、中空樹脂粒子、硫化亜鉛など公知の白色顔料を用いることができる。中でも、高い着色性および反射率から酸化チタンが好ましい。これら白色顔料は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。酸化チタンは、ルチル型酸化チタンでもアナターゼ型酸化チタンでもよいが、着色性、隠蔽性および安定性からルチル型チタンを用いることが好ましい。同じ酸化チタンであるアナターゼ型酸化チタンは、ルチル型酸化チタンと比較して白色度が高く、白色顔料としてよく使用されるが、アナターゼ型酸化チタンは、光触媒活性を有するために、特にLEDから照射される光により、絶縁性樹脂組成物中の樹脂の変色を引き起こすことがある。これに対し、ルチル型酸化チタンは、白色度はアナターゼ型と比較して若干劣るものの、光活性を殆ど有さないために、酸化チタンの光活性に起因する光による樹脂の劣化(黄変)が顕著に抑制され、また熱に対しても安定である。このため、LEDが実装されたプリント配線板の絶縁層において白色顔料として用いられた場合に、高反射率を長期にわたり維持することができる。
【0050】
ルチル型酸化チタンとしては、公知のものを使用することができる。ルチル型酸化チタンの製造法には、硫酸法と塩素法の2種類あり、本発明では、いずれの製造法により製造されたものも好適に使用することができる。ここで、硫酸法は、イルメナイト鉱石やチタンスラグを原料とし、これを濃硫酸に溶解して鉄分を硫酸鉄として分離し、溶液を加水分解することにより水酸化物の沈殿物を得、これを高温で焼成してルチル型酸化チタンを取り出す製法をいう。一方、塩素法は、合成ルチルや天然ルチルを原料とし、これを約1000℃の高温で塩素ガスとカーボンに反応させて四塩化チタンを合成し、これを酸化してルチル型酸化チタンを取り出す製法をいう。その中で、塩素法により製造されたルチル型酸化チタンは、特に熱による樹脂の劣化(黄変)の抑制効果が顕著であり、本発明においてより好適に用いられる。
【0051】
市販されているルチル型酸化チタンとしては、例えば、タイペークR−820、タイペークR−830、タイペークR−930、タイペークR−550、タイペークR−630、タイペークR−680、タイペークR−670、タイペークR−780、タイペークR−850、タイペークCR−50、タイペークCR−57、タイペークCR−Super70、タイペークCR−80、タイペークCR−90、タイペークCR−93、タイペークCR−95、タイペークCR−97、タイペークCR−60、タイペークCR−63、タイペークCR−67、タイペークCR−58、タイペークCR−85、タイペークUT771(石原産業株式会社製)、タイピュアR−100、タイピュアR−101、タイピュアR−102、タイピュアR−103、タイピュアR−104、タイピュアR−105、タイピュアR−108、タイピュアR−900、タイピュアR−902、タイピュアR−960、タイピュアR−706、タイピュアR−931(デュポン株式会社製)、R−25、R−21、R−32、R−7E、R−5N、R−61N、R−62N、R−42、R−45M、R−44、R−49S、GTR−100、GTR−300、D−918、TCR−29、TCR−52、FTR−700(堺化学工業株式会社製)等を使用することができる。
【0052】
この中で塩素法により製造されたタイペークCR−50、タイペークCR−57、タイペークCR−80、タイペークCR−90、タイペークCR−93、タイペークCR−95、タイペークCR−97、タイペークCR−60、タイペークCR−63、タイペークCR−67、タイペークCR−58、タイペークCR−85、タイペークUT771(石原産業株式会社製)、タイピュアR−100、タイピュアR−101、タイピュアR−102、タイピュアR−103、タイピュアR−104、タイピュアR−105、タイピュアR−108、タイピュアR−900、タイピュアR−902、タイピュアR−960、タイピュアR−706、タイピュアR−931(デュポン株式会社製)がより好ましく使用され得る。
【0053】
また、アナターゼ型酸化チタンとしては、公知のものを使用することができる。市販されているアナターゼ型酸化チタンとしては、TITON A−110、TITON TCA−123E、TITON A−190、TITON A−197、TITON SA−1、TITON SA−1L(堺化学工業株式会社製)、TA−100、TA−200、TA−300、TA−400、TA−500、TP−2(富士チタン工業株式会社製)、TITANIX JA−1、TITANIX JA−3、TITANIX JA−4、TITANIX JA−5、TITANIX JA−C(テイカ株式会社製)、KA−10、KA−15、KA−20、KA−30(チタン工業株式会社製)、タイペーク A−100、タイペークA−220、タイペークW−10(石原産業株式会社製)等を使用することができる。
【0054】
白色顔料の配合量は、吸光度に対する影響が大きく、硬化性組成物100質量部中、3〜50質量部が好ましく、より好ましくは5〜30質量部、特に好ましくは5〜25質量部である。白色顔料が3質量部以上であれば、組成物の反射率が十分となる。50質量部以下であれば、組成物の粘度が過剰な上昇および印刷性の低下を抑制できる。
【0055】
着色剤として黒色顔料を含む場合、カーボン、アニリンブラック、酸化鉄等を用いることができる。黒色顔料の配合量は、吸光度に対する影響が大きく、硬化性組成物100質量部中、3〜50質量部が好ましく、より好ましくは5〜30質量部、特に好ましくは5〜25質量部である。
なお、着色剤としては、公知の染料を含んでいてもよく、例えば、フタロシアニン系染料、アントラキノン系染料、アゾ系染料が挙げられる。
【0056】
[湿潤分散剤]
本発明のインクジェット用硬化性組成物には、湿潤分散剤を含むことができる。湿潤分散剤としては、一般的に顔料の分散を補助する効果のあるものを用いる事が出来る。このような湿潤分散剤としては、カルボキシル基、水酸基、酸エステルなどの極性基を有する化合物や高分子化合物、例えばリン酸エステル類などの酸含有化合物や、酸基を含む共重合物、水酸基含有ポリカルボン酸エステル、ポリシロキサン、長鎖ポリアミノアマイドと酸エステルの塩などを用いることができる。
また、これらの湿潤分散剤の中でも酸価を有するものが、酸化チタンなどの無機顔料の分散により有効である為好ましい。
酸価を有する湿潤分散剤の具体例としては、Anti−Terra−U、Anti−Terra−U100、Anti−Terra−204、Anti−Terra−205、Disperbyk−101、Disperbyk−102、Disperbyk−106、Disperbyk−110、Disperbyk−111、Disperbyk−130、Disperbyk−140、Disperbyk−142、Disperbyk−145、Disperbyk−170、Disperbyk−171、Disperbyk−174、Disperbyk−180、Disperbyk−2001、Disperbyk−2025、Disperbyk−2070、Disperbyk−2096、BYK−P104、BYK−P104S、BYK−P105、BYK−9076、BYK−220S(何れもBYK Chemie社製)等が挙げられる。
これらの酸価を有する湿潤分散剤の酸価は10〜300mgKOH/gが好ましい。
上記湿潤分散剤の配合量は、着色剤100質量部に対して、好ましくは5〜75質量部である。
【0057】
本発明のインクジェット用硬化性組成物には、表面張力調整剤を含むことができる。表面張力調整剤の配合量は、組成物100質量部に対して、好ましくは0.01〜5質量部である。
【0058】
本発明のインクジェット用硬化性組成物には、上記成分の他、必要に応じて、界面活性剤、マット剤、膜物性を調整するためのポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、ワックス類、シリコーン系、フッ素系、高分子系等の消泡剤およびレベリング剤の少なくとも1種、イミダゾール系、チアゾール系、トリアゾール系、シランカップリング剤等の密着性付与剤のような公知慣用の添加剤類を配合することができる。
【0059】
さらに、本発明のインクジェット用硬化性組成物には、上記成分の他、特性を損なわない範囲で樹脂を配合することができる。樹脂としては公知慣用のものを用いることができるが、ポリエン骨格を有する(メタ)アクリレート化合物が好ましい。前記ポリエン骨格は、例えばポリブタジエンまたはイソプレン、またはこれらの双方を用いた重合により形成されると好ましく、特に一般式(I)、
(式中、nは10〜300を示す。)
で表わされる繰り返し単位から構成されることが好ましい。このような繰り返し単位のオレフィン性二重結合に起因して、プリント配線板用硬化性レジスト組成物に柔軟性が与えられ、基材への追従性が増し、良好な密着性が得られる。
【0060】
上記(メタ)アクリレート化合物のポリエン骨格は、上記一般式(I)で表記される繰り返し単位が50%以上である事が好ましく、80%以上である事がより好ましい。
【0061】
さらに、(メタ)アクリレート化合物のポリエン骨格は、下記一般式(II)、
で表される単位を含んでもよい。
【0062】
具体例としては、以下の材料が好ましく使用される。すなわち、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートを、2,4−トリレンジイソシアネートを介して液状ポリブタジエンのヒドロキシル基とウレタン付加反応させることにより得られる液状ポリブタジエンウレタン(メタ)アクリレート、無水マレイン酸を付加したマレイン化ポリブタジエンに、2−ヒドロキシアクリレートをエステル化反応させて得られる液状ポリブタジエンアクリレート、マレイン化ポリブタジエンのカルボキシル基と、(メタ)アクリル酸グリシジルとのエポキシエステル化反応により得られる液状ポリブタジエン(メタ)アクリレート、液状ポリブタジエンにエポキシ化剤を作用させて得られるエポキシ化ポリブタジエンと、
(メタ)アクリル酸とのエステル化反応により得られる液状ポリブタジエン(メタ)アクリレート、ヒドロキシル基を有する液状ポリブタジエンと、(メタ)アクリル酸クロリドとの脱塩素反応によって得られる液状ポリブタジエン(メタ)アクリレート、分子両末端にヒドロキシル基を有する液状ポリブタジエンの不飽和二重結合を水素添加した液状水素化1,2ポリブタジエングリコールを、ウレタン(メタ)アクリレート変成した液状水素化1,2ポリブタジエン(メタ)アクリレート等である。
【0063】
市販品の例としては、NISSO PB TE−2000、NISSO PB TEA−1000、NISSO PB TE−3000、NISSO PB TEAI−1000(以上いずれも日本曹達社製)、CN301、CN303、CN307(SARTOMER社製)、BAC−15(大阪有機化学工業社製)、BAC−45(大阪有機化学工業社製)、EY RESIN BR−45UAS(ライトケミカル工業社製)などが挙げられる。
【0064】
ポリエン骨格を有する(メタ)アクリレートは1種類または複数種類を組み合わせて用いることができる。
【0065】
上記各成分を有する硬化性組成物は、インクジェット法に適用することから、硬化性組成物の50℃における粘度が、5〜50mPa・sであることが好ましく、5〜20mPa・sであることがより好ましい。これにより、インクジェットプリンタに不要な負荷を与えることなく、円滑な印刷が可能となる。
【0066】
硬化性組成物の粘度は、JIS K2283に従って常温(25℃)または50℃で測定した粘度をいう。常温で150mPa・s以下、または50℃における粘度が5〜50mPa・sであれば、インクジェット印刷法での円滑な印刷が可能である。
【0067】
また、硬化性組成物中に含まれる粒子の最大粒径が0.1〜5μm以下であることが好ましく、0.1〜1μmであることがより好ましい。最大粒径が0.1μm以上であれば、粒子の凝集力が高くなりすぎるということがなく、5μm以下であれば、インクジェット印刷時のノズル詰りなどの問題が発生する可能性が低くなる為好ましい。
組成物中に含まれる粒子の最大粒径は、粒度分布計により測定することができ、そのD100値を最大粒径とする。
【0068】
更に、硬化性組成物は、上記の組成によりインクジェット方式用のインキとして用いることができ、例えばフレキシブル配線板に対してロールトゥロール方式でも印刷が可能である。この場合、インクジェット方式により基板に塗布後、光照射用光源により光照射することにより硬化物である硬化塗膜を形成することが可能である。
【0069】
光照射は、紫外線または活性エネルギー線の照射により行われるが紫外線が好ましい。光照射の光源としては、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノンランプ、メタルハライドランプ、LEDランプなどが適当である。その他、電子線、α線、β線、γ線、X線、中性子線なども利用可能である。
【0070】
更に必要に応じ、光照射後に加熱により硬化する。ここで、加熱温度は、例えば、70〜200℃である。かかる加熱温度範囲とすることにより、十分に硬化できる。加熱時間は、例えば、10〜100分である。
【0071】
<硬化物>
更に、硬化性組成物は、ポリイミド等を主成分とするプラスチック基板と、その上に設けられた導体回路とを含むプリント配線板に対し密着性に優れ、かつ、はんだ耐熱性、耐薬品性、耐溶剤性、鉛筆硬度、無電解金めっき耐性、折り曲げ性等の諸特性に優れたパターン硬化物を形成できる。
【0072】
<プリント配線板>
プリント配線板は、回路パターンを有する基材上に、硬化性組成物からなる硬化物を有する。プリント配線板は以下の方法により製造することができる。
【0073】
まず、硬化性組成物を、回路形成した基材上に、インクジェット方式で塗布してパターンを有する硬化物を形成する。ここで、硬化性組成物が光塩基発生剤を含む場合、硬化のための光照射後に硬化物を加熱することが好ましい。加熱温度は、例えば、70〜200℃である。
硬化性組成物は、プリント配線板の硬化物形成用材料として好適であるが、特にプリント配線板の永久被膜形成用材料として好適であり、中でもソルダーレジストなどの永久絶縁膜形成用材料として好適である。また、本発明の硬化性組成物は、基材や硬化膜上に形成するシンボルマーキング材料、カバーレイ形成用材料、層間絶縁層形成用材料として用いることもできる。
【実施例】
【0074】
以下、実施例を示して本発明について具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、以下において特に断りのない限り、「部」は質量部を意味するものとする。
【0075】
表1に示す成分を、同表に示す割合(単位:部)にて配合し、攪拌機にて予備混合し、インクジェット用硬化性組成物を調製した。
【0076】
上記のようにして作製したインクジェット用硬化性組成物、およびその塗膜について吸光度および塗膜特性を評価した。膜厚10μmにおける吸光度を測定した結果を表2に、塗膜特性を表3に示す。なお、表2において、吸光度は、膜厚10μmにおける吸光度を示していて、次に述べる方法により測定した。まず、各実施例および各比較例のインクジェット用硬化性組成物を、テトラヒドロフランを用いて1/1000に希釈し、分光光度計にて吸光度を測定した。この際に、測定用のセルは光路長1cmのものを用いることで、希釈前の組成物の膜厚10μmにおける吸光度と同じ値となるようにした。
【0077】
【表1】
【0078】
【表2】
【0079】
【表3】
【0080】
表3において、粘度は、表1中の実施例1〜6および比較例1〜5の配合に従って調製して得られたインクジェット用硬化性組成物の50℃、100rpmにおける粘度をコーンプレート型粘度計(東機産業社製TVH−33H)にて測定した値である。
○25℃で150mPa・s以下
×25℃で150mPa・s超
【0081】
表3において、IJ印刷性は、インクジェット印刷をする際のインクジェットヘッドによる射出の状態を確認し、以下の基準を評価した。
○:射出良好
△:射出良好ではないが、射出可能
×:射出不可
<インクジェットプリンタによる描画条件>
・膜厚:20μm
・装置:ピエゾ方式インクジェットプリンタ(富士フィルムグローバルグラフィックシステムズ製マテリアルプリンタDMP−2831を使用(ヘッド温度50℃))
<UV硬化条件>
・露光量:1000mJ/cm
・波長:385nm
【0082】
表3において、表面硬化性は、インクジェット印刷にて形成したパターンにおいて、硬化塗膜の指触乾燥性(タック性)を確認し、以下の基準で評価した。
◎:塗膜表面にタック性なし。
○:塗膜表面がべたつき、タック性が確認される。
△:塗膜表面にぬめりが観察される。
×:塗膜表面が硬化しておらず、液状である。
【0083】
また、パターンにじみは、インクジェット印刷にて形成したパターンにおいて、硬化塗膜と下地基板の銅箔との境界線から、下地基板側に発生しているにじみの幅を光学顕微鏡で観察・測定し、以下の基準で評価した。なお、下地基板として、プリント配線板用銅張積層板(FR−4、150mm×95mm×1.6mm)を使用した。
◎:にじみの幅が0〜10μm
○:にじみの幅が11〜20μm
△:にじみの幅が21〜30μm
×:にじみの幅が30μm超
【0084】
また、密着性はインクジェット塗布装置により硬化性組成物を厚さ30μmで銅箔上に塗布し高圧水銀灯(ORC社製HMW‐713)を用い露光量150mJ/cmにて硬化を行った。その後、150℃の熱風循環式乾燥炉にて60分間熱処理を行った。このようにして得られたサンプルに対して、クロスカットテープピール試験を実施し、以下の基準で評価した。
○:剥離なし。
△:若干の剥離あり。
×:剥離あり。
【0085】
鉛筆硬度
上記密着性試験で得られたのと同じサンプルを用いて、硬化塗膜に対し、表面における鉛筆硬度をJIS K 5600−5−4に準拠して測定を行った。
○:3H以上の硬度
×:2H以下の硬度
【0086】
はんだ耐熱性
上記密着性試験で得られたのと同じサンプルを用いて、硬化塗膜に対し、JIS C 5012の方法に準拠し、260℃のはんだ槽に10秒間浸漬後、セロハン粘着テープによるピーリング試験を行った後の塗膜状態を目視にて観察し、以下の基準で評価した。
評価基準
○:塗膜に剥がれや膨れなし。
×:塗膜に剥がれや膨れあり。
【0087】
無電解金めっき耐性
上記密着性試験で得られたのと同じサンプルを用いて、市販の無電解ニッケルめっき浴および無電解金めっき浴を用いて、ニッケル0.5μm、金0.03μmの条件で、硬化塗膜に対しめっきを行ない、得られた硬化塗膜表面状態の観察を行った。判定基準は以下のとおりである。
評価基準
○:変化が認められないもの。
△:白化若しくは曇りが生じたもの。
×: 顕著に白化若しくは曇りが生じたもの。
【0088】
表3から分かるように、本発明の成分を含む実施例1〜6は、表面硬化性に優れ、パターンにじみもなく、また密着性にも優れるほか、塗膜特性に優れていた。これに対し、アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤を含んでいない比較例1は、IJ印刷性、表面硬化性、パターンにじみ、密着性、鉛筆硬度、はんだ耐熱性、金めっき耐性に劣ることが確認された。385nmにおける吸光度が高い比較例2は、粘度、インクジェット印刷性、はんだ耐熱性、金めっき耐性に劣ることが確認された。α−アミノアルキルフェノン系光重合開始剤を含んでおらず、365nm、および385nmにおける吸光度が低い比較例3は、何れの特性も劣ることが確認された。365nm、および385nmにおける吸光度が低い比較例4は、IJ印刷性、パターンにじみ、密着性、鉛筆硬度、はんだ耐熱性、金めっき耐性に劣ることが確認された。365nmにおける吸光度が低い比較例5は、IJ印刷性、表面硬化性、パターンにじみ、密着性、鉛筆硬度、はんだ耐熱性、金めっき耐性に劣ることが確認された。