特許第6861215号(P6861215)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6861215ポリ塩化ビニル絶縁粘着テープに用いられるUV架橋性ホットメルト感圧性接着剤
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6861215
(24)【登録日】2021年3月31日
(45)【発行日】2021年4月21日
(54)【発明の名称】ポリ塩化ビニル絶縁粘着テープに用いられるUV架橋性ホットメルト感圧性接着剤
(51)【国際特許分類】
   C09J 4/02 20060101AFI20210412BHJP
   C09J 11/06 20060101ALI20210412BHJP
   C09J 133/08 20060101ALI20210412BHJP
   C09J 11/08 20060101ALI20210412BHJP
   C09J 7/35 20180101ALI20210412BHJP
   C09J 7/38 20180101ALI20210412BHJP
【FI】
   C09J4/02
   C09J11/06
   C09J133/08
   C09J11/08
   C09J7/35
   C09J7/38
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2018-541363(P2018-541363)
(86)(22)【出願日】2016年5月12日
(65)【公表番号】特表2019-508545(P2019-508545A)
(43)【公表日】2019年3月28日
(86)【国際出願番号】CN2016081908
(87)【国際公開番号】WO2017133121
(87)【国際公開日】20170810
【審査請求日】2019年3月5日
(31)【優先権主張番号】201610073413.1
(32)【優先日】2016年2月3日
(33)【優先権主張国】CN
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】518275729
【氏名又は名称】河北永楽膠帯有限公司
【氏名又は名称原語表記】HEBEI YONGLE TAPE CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】王 鳳
(72)【発明者】
【氏名】齊 淑 琴
(72)【発明者】
【氏名】李 爽
【審査官】 川嶋 宏毅
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2012/0315474(US,A1)
【文献】 国際公開第2015/043997(WO,A1)
【文献】 特表2015−535030(JP,A)
【文献】 特開2014−043543(JP,A)
【文献】 国際公開第2015/131938(WO,A1)
【文献】 特表平08−504857(JP,A)
【文献】 特開2008−045124(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09J 1/00−201/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビニルモノマー、官能性モノマー、軟質モノマー、及び光開始剤を含むポリマーと、重合開始剤と、酸化防止剤とを主成分として含む組成物であって、
前記ビニルモノマーは、n−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、イソボルニルアクリレート、n−ドデシルアクリレート、−ブチルメタクリレート、−エチルヘキシルメタクリレート、及び−オクチルメタクリレートからなる群から選択される1つ以上を含み、
前記ビニルモノマーの量は前記組成物の総量の40〜65%であり、
前記官能性モノマーは、N−ビニルピロリドンであり、
前記官能性モノマーの量は前記組成物の総量の2〜10%であり、
前記軟質モノマーは、ヘプタデシルアクリレートまたはヘプタデシルクリレートであり、
前記軟質モノマーの量は前記組成物の総量の5〜15%であり、
前記光開始剤は、アセトフェノン又はベンゾフェノン誘導体と、メタクリロイルオキシ基又はアクリロイルオキシ基を有する化合物とを含み、
前記光開始剤の量は前記組成物の総量の2〜10%であり、
前記重合開始剤は、アゾ化合物と、アシルペルオキシドと、アルキルペルオキシドとを含むか、あるいは、前記重合開始剤は、ベンゾトリアゾール−1−イル−オキシ−トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェートであり、
前記アゾ化合物は、2,2−アゾビスイソブチロニトリルであり、
前記アシルペルオキシドは、ベンゾイルペルオキシド、ジデカノイルペルオキシドまたはイソノナノイルペルオキシドであり、
前記重合開始剤の量は前記組成物の総量の1〜10%である、
PVC絶縁粘着テープに用いられるUV架橋性ホットメルト感圧性接着剤用の組成物。
【請求項2】
一つ以上の光開始剤とアクリレートモノマーとの共重合体をさらに含むか、又は一つ以上の光開始剤を含むオリゴマーとアクリレート高分子との混合物をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
粘着性樹脂をさらに含み、前記粘着性樹脂は、ロジン樹脂、テルペン樹脂、石油樹脂、及び対応する水素化又はエステル化改質された樹脂からなる群から選ばれる一つ以上を含み、上記粘着性樹脂の量は、総量の2〜20%である、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
上記酸化防止剤は、芳香族酸化防止剤、ヒンダードフェノール系酸化防止剤又は二次酸化防止剤であり、その量は、総量の0.5〜1.5%である、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
上記酸化防止剤は、ジアニリン、p−ジアニリン、又はペンタエリスリトールテトラキス(3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)である、請求項4に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化学的及び化学工学的技術分野に関し、具体的には、ポリ塩化ビニル(PVC)絶縁粘着テープに用いられるUV架橋性ホットメルト感圧性接着剤に関し、より具体的には、軟質PVC絶縁粘着テープ(通常の常用性電気絶縁粘着テープ及び自動車ケーブル結束用絶縁粘着テープ)に用いられる新規なUV架橋性ホットメルト感圧性接着剤に関する。
【背景技術】
【0002】
通常の常用性軟質PVC電気絶縁粘着テープ、及び具体的に、自動車ケーブル結束用軟質PVC粘着テープの分野において、現在、広く用いている生産方式は、製造工程中に、様々な角度から汚染を引き起し得る有機溶媒を含んだ天然ゴム系接着剤を使用するというものである。粘着テープを製造するために、接着剤を塗布する工程において接着剤の多量の溶媒が高温で揮発される必要があるので、多量の熱源エネルギーが消耗される必要がある。又、上記有機溶媒は、環境にさらに揮発され、汚染を引き起すため、自動車ケーブルのラッピング及び結束の分野において、環境保護法及び規定の施行と、大衆の環境保護及び健康意識の強まりによって、自動車ケーブルに用いられる製品は、国家環境保護法及び規定による要件と自動車産業の環境保護に対する要件とを満たさなければならない。又、欧州委員会は、電気電子機器の特定有害物質の使用制限に関する指針(ROHS指針)の要件を公表した。また、自動車及びその他の常用分野での空気品質の管理に関する環境保護の要件も次第に強化されている。
【0003】
軟質PVC電気絶縁粘着テープを生産する外国企業は、溶媒含有ゴム系接着剤を徐々になくしていき、水性ゴム系システム及び水性アクリル酸システムの接着剤を次第に使用している。中国発明特許CN101372607Bにおいて、本出願人は、可塑剤の耐移動性に優れ、軟質PVC電気絶縁粘着テープを製造するのに適用可能な乳化感圧性接着剤、及びその製造方法を導入した。上記接着剤は、上記溶媒として純水を用いて製品の環境汚染及び残留有害物質を防ぐ。しかし、上記接着剤で塗布されたPVC粘着テープ製品は、耐高温性レベルを持たず、上記耐温性レベルは80℃である。上記製品は、車両ケージなどのエンジンルームではない位置のみで用いられ得る。上記特許に記載された接着剤は、軟質PVC基材から接着剤への可塑剤の移動に対して優れた耐性を有する。60〜80℃の高温で長期間保管又はベークした後、基材中に可塑剤が拡散されて接着剤層へ移動するが、上記粘着テープの性能はあまり低下しない。上記粘着テープは、依然として優れた性能を維持することができ、使用要件を完全に満たすことができる。上記水溶性接着剤は、溶媒を含有していないので、非常に環境に優しい。しかし、その耐高温性はあまりよくなく、上記塗布装置は、広い面積を占め、エネルギー消費が高い。
【0004】
最近、ホットメルト感圧性接着剤、特にUV架橋性ホットメルト感圧性接着剤は、高温に対する耐性、溶媒に対する耐性が強く、環境に優しいので、自動車ケーブル結束用テープの分野において広く用いられている。また、上記ホットメルト塗布装置は、小さな面積を占め、エネルギー消費が低い。市場で人気のあるUV架橋性ホットメルト感圧性接着剤(例えば、Novamelt(登録商標)RC21171など)は、アクリレートモノマーと重合性感光開始剤とで合成された高分子であるが、軟質PVCフィルムに対する接着性、可塑剤に対する耐性、及び軟質性は依然として向上の必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来技術の問題点を解決するために、本発明は、PVC絶縁粘着テープに用いられるUV架橋性ホットメルト感圧性接着剤を提供し、より具体的には、溶媒型接着剤が塗布される際に、エネルギー消費が高いという欠点を克服し、省生産エネルギーの側面において、著しい社会的利点を達成する軟質PVC絶縁粘着テープに用いられる新規なUV架橋性ホットメルト感圧性接着剤を提供し、なお、CN101372607Bに記載された接着剤は、高温に耐えることができないという問題を解決した。本発明に係るUV架橋性ホットメルト感圧性接着剤(以下、単に「本発明の接着剤」と称する)で製造された自動車ケーブル軟質PVC粘着テープは、高温に対する耐性において非常に著しく向上し、その長期間耐温性レベルは125℃に達し、その最短時間温度許容度は150℃まで達し、自動車のエンジンルーム内部の高温の位置で用いられ得る。
【0006】
本発明に係るPVC絶縁粘着テープに用いられるUV架橋性ホットメルト感圧性接着剤は、次の主要成分、ビニルモノマー、官能性モノマー、軟質モノマー、及び光開始剤を含むポリマーと、重合開始剤と、酸化防止剤とを含む。
【0007】
また、本発明に係るPVC絶縁粘着テープに用いられるUV架橋性ホットメルト感圧性接着剤は、一つ以上の重合性感光開始剤とアクリレートモノマーとの共重合体をさらに含むか、又は一つ以上の重合性感光開始剤のオリゴマーとアクリルレート高分子との混合物を含む。
【0008】
任意選択で、上記ビニルモノマーは、一つ以上のn−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、イソボルニルアクリレート、 n−ドデシルアクリレート、メチルn−ブチルアクリレート、メチル2−エチルヘキシルアクリレート、及びメチルn−オクチルアクリレートからなる群から選ばれ、上記ビニルモノマーの量は、総量の40〜65%である。
【0009】
好ましくは、上記官能性モノマーは、含窒素官能性モノマー、好ましくは、N−ビニルピロリドンであり、その量は、総量の2〜10%である。
【0010】
任意選択で、上記軟質モノマーは、C17アクリレート又はメチルアクリレートであり、上記ビニルモノマーの量は、総量の5〜15%である。
【0011】
任意選択で、上記光開始剤は、アセトフェノン又はベンゾフェノン誘導体(例えば、2−ヒドロキシ−4−(メタクリロイルオキシ)ベンゾフェノンなど)を含むメタクリロイルオキシ又はアクリロイルオキシであり、上記ビニルモノマーの量は、総量の2〜10%である。
【0012】
また、本発明に係るPVC絶縁粘着テープに用いられるUV架橋性ホットメルト感圧性接着剤は、粘着性樹脂をさらに含み、上記粘着性樹脂は、ロジン樹脂、テルペン樹脂、石油樹脂、及び相応する水素化又はエステル化改質された樹脂からなる群から選ばれる一つ以上を含む。上記粘着性樹脂の量は、総量の2〜20%である。
【0013】
任意選択で、上記重合開始剤は、アゾ化合物と、アシルペルオキシドと、アルキルペルオキシドとを含み、上記アゾ化合物は、2,2−アゾビスイソブチロニトリルであり、上記アシルペルオキシド及びアルキルペルオキシドは、ベンゾイルペルオキシド、ジデカノイルペルオキシド又はイソノナノイルペルオキシド、及びベンゾトリアゾール−1−イル−オキシ−トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェートである。上記重合開始剤の量は、総量の1〜10%である。
【0014】
また、上記酸化防止剤は、芳香族酸化防止剤、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、又は二次酸化防止剤である。その量は、総量の0.5〜1.5%である。
【0015】
任意選択で、上記酸化防止剤は、ジアニリン、p−ジアニリン、酸化防止剤1010、又は酸化防止剤1076である。
【0016】
本発明に係る接着剤に含窒素官能性モノマーを添加することにより、PVC基材に対する本発明に係る接着剤の接着力は向上し、高温で接着剤がPVC粘着テープから剥がれる傾向があるという困難な問題を克服することができ、また、本発明に係る接着剤に多炭素特殊軟質モノマーを添加することにより、上記接着剤の柔軟性は向上する。
【0017】
上記成分以外に、本発明に係るUV架橋性ホットメルト感圧性接着剤の組成は、一つ以上の重合性感光開始剤とアクリレートモノマーとの共重合体をさらに含むか、又は一つ以上の重合性感光開始剤のオリゴマーとアクリレート高分子との混合物をさらに含む。重合性感光開始剤を含むオリゴマーは、上記ホットメルト感圧性接着剤の粘度を下げることができ、その後、塗布温度を下げ、高温で変形しやすい傾向のPVC基材をよりよく保護することができる。上記アクリレートモノマーにおいて、PVC基材に対する接着性及び可塑剤に対する耐性を向上するために、特殊モノマーであるN−ビニルピロリドン(NVP)以外に、一般的に用いられるn−ブチルアクリレート、イソオクチルアクリルレート、アクリル酸、メチルアクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、及びヒドロキシプロピルアクリレートがさらに用いられる。上記接着剤の柔軟性を向上するために、C17アクリレート又はメタクリレート(BASF製)が本発明に係る接着剤に添加される。
【0018】
本発明に係るUV架橋性ホットメルト感圧性接着剤は、一つ以上の感光開始剤をさらに含まなければならず、最も一般的に用いられる感光性開始剤は、アセトフェノン及びベンゾフェノン誘導体である。 UV照射下で、より具体的には、UVC放射線下で、感光性開始剤は、フリーラジカルを発生させ、本発明に係る接着剤中にアクリレートモノマーがさらに重合され、上記アクリレートポリマーが架橋されて硬化される。重合性感光開始剤は、アセトフェノン又は2−ヒドロキシ−4−(メタクリロイルオキシ)ベンゾフェノンなどのベンゾフェノン誘導体を含むメタクリロイルオキシ又はアクリロイルオキシである。上記UV架橋性ホットメルト感圧性接着剤の組成物中に高分子量を有する感光開始剤を用いることにより、上記接着層の揮発性をさらに下げて、本発明に係る接着剤が環境保護の要件をさらに満たすことを可能にする。
【0019】
結合力を向上するために、本発明に係る接着剤に含まれる粘着性樹脂は、ロジン樹脂、テルペン樹脂、石油樹脂、及び相応する水素化又はエステル化改質された樹脂を含む。上記結合剤が老化するのを防ぐために、適切な量の老化防止剤が通常さらに添加される。本発明に係る接着剤に含まれる酸化防止剤は、芳香族酸化防止剤、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、又は二次酸化防止剤、例えば、ジアニリン、p−ジアニリン酸化防止剤1010、及び酸化防止剤1076である。本発明に係る接着剤に含まれる重合性開始剤は、アゾ化合物と、ケトンペルオキシドと、アルキルペルオキシドとを含み、本発明に係る接着剤に用いられる溶媒は、エチルアセテート、ケトン類(例えば、アセトン及びメチルエチルケトン)、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、及びイソブタノール)、トルエン、キシレン、又は上記溶媒の混合物である。
【0020】
本発明に係るUV架橋性ホットメルト感圧性接着剤は、次の有益な効果のうち少なくとも一つを達成することができる。1.環境に優しく、耐熱性に優れる。2.自動車ボディの異なる位置で電気ケーブルをラッピング及び結束するのに適用可能であり、特に自動車内部のエンジンの耐高温性の位置で用いるための要件を満たすことができ、125℃の長期間の耐熱性レベルに到達することができる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の例示的な実施例を以下に説明し、本発明に係るPVC絶縁粘着テープに用いられるUV架橋性ホットメルトの接着の効果を下記実施例、比較例、及び表1に示した性能を通じて説明する。これらの例示的な実施例を提供する目的は、当業者が本発明を明らかに理解し、本明細書の説明により本発明が実現できるようにすることである。特定の実施例は、本発明に限定されず、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によって限定される。
【0022】
実施例1
エチルアセテート30%(wt)を反応器に入れ、沸騰するまで加熱して30分間保持し、n−ブチルアクリレート(BA)53.9%(wt)、アクリル酸(AA)3.5%(wt)、アクリロイルオキシアセトフェノン3.5%(wt)、N−ビニルピロリドン(NVP)1.4%(wt)、C17アクリレート(BASF製)3.5%(wt)、及び開始剤としてベンゾトリアゾール−1−イル−オキシ−トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(BOP)3.5%(wt)を混合し、上記混合物を上記反応器に滴下添加し、保護するために、上記反応器を窒素で満たし、1時間以内に滴下添加を完了した。滴定が完了し後、4時間加熱し続け、4時間目に酸化防止剤Irganox1010 0.7%(wt)を添加し、加熱状態を保持しながら、溶媒(すなわち、エチルアセテート)が完全に分離するまで上記反応器を真空にし、上記溶媒を除去して溶媒のないホットメルト感圧性接着剤を得た。
【0023】
耐高温性PVC粘着テープの製造:ホットメルト塗布装置でスロットダイコート又は圧延又はラミネート塗布工程で製造を完了し、巻出シャフトに耐高温性PVC基材を設けて、巻取シャフトで引き出した。メルトタンクの温度を130〜140℃に、且つ塗布ヘッドの温度を135℃に設定し、載せた接着剤の重量によって主機の速度に対する上記接着剤ポンプの回転速度の割合を調整した。巻取張力と巻出張力とを設定し、冷却装置を作動させた。上記主機の速度を調整し、上記塗布ヘッドをPVCフィルムの表面へゆっくり移動させ、塗布用接着剤ポンプのスイッチをオンにし、上記塗布ヘッドと上記基材との間の間隔を調整して、塗布用の上記塗布装置の速度を調整した。上記ホットメルト感圧性接着剤の塗布量は18g /mであり、上記接着剤層は、UVランプ群によるUV照射によって架橋及び硬化された。用いられるUVランプは、高圧水銀ランプ、中圧〜低圧水銀ランプ又はLEDランプを含み、その最小のUV照射エネルギーは、10mJ/cmに到達する必要がある。上記架橋及び硬化された粘着テープを巻き取り、分解して、耐高温性PVC粘着テープ製品を得た。
【0024】
実施例2
高分子(A)の製造:エチルアセテート30%(wt)を反応器に入れ、沸騰するまで加熱して30分間保持し、n−ブチルアクリレート(BA)63%(wt)、アクリル酸(AA)3.5%(wt)、及びベンゾトリアゾール−1−イル−オキシ−トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(BOP)3.5%(wt)を混合し、上記反応器に上記混合物を滴下添加し、保護するために、上記反応器を窒素で満たし、1時間以内に上記滴下添加を完了した。滴定が完了した後、4時間加熱し続け、4時間目に加熱状態を保持しながら、上記反応器を真空にし、後で用いるために、高分子(A)を排出した。
【0025】
オリゴマー(B)の製造:トルエン50%(wt)を反応器に入れ、沸騰するまで加熱して30分間保持し、n−ブチルアクリレート(BA)33%(wt)、アクリル酸(AA)1.5%(wt)、光開始剤としてアクリロイルオキシアセトフェノン5%(wt)、ベンゾトリアゾール−1−イル−オキシ−トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(BOP)2.5%(wt)、C17アクリルレート(BASF製)5%(wt)、及びN−ビニルピロリドン(NVP)2%(wt)を混合し、上記反応器に上記混合物を滴下添加し、2時間以内に滴下添加を完了した。上記滴下添加が完了し後、酸化防止剤1010 1%(wt)を添加し、加熱状態を保持しながら、上記反応器を真空にし、後で用いるために、オリゴマー(B)を排出する。上記高分子A及び上記オリゴマーB(それぞれA及びBの50%)を混合し、130℃に加熱し、完全に攪拌して均一に混合した後、 後で用いるために、冷却させ、実施例1と同様の方法を用いて耐高温性PVC粘着テープを得た。
【0026】
実施例3
実施例1の95%(wt)及び水素添加石油樹脂Regalite(登録商標)1090(Eastman、USA)5%(wt)を130℃に加熱し、完全に攪拌して均一に混合して、製品を製造し、実施例1と同様の方法を用いて耐高温性PVC粘着テープを得た。
【0027】
比較例1
アクリレート共重合体エマルジョンの合成:
(1)全モノマーの処方〔イソオクチルアクリレート(2−EHA)20g、ブチルアクリレート(BA)50g、ジブチルマレエート(DBM)60g、メチルメタクリレート(MMA)50g、ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)7.5g、アクリル酸(AA)4.5g及びN−ヒドロキシメチルアクリルアミド(N−MAM)8.0g〕をそれぞれ混合してプレエマルジョンを製造するために、二つの成分、すなわち成分Aと成分Bとに分け、ここで、成分Aは、50gのBA、50gのMMA、4.5gのHEA、2.8gのAA、及び8.0gのN−MAMを含み、成分Bは、20gの2−HEA、60gのDBM、3.0gのHEA、及び1.7gのAAを含む。
【0028】
(2)1000mlの3口丸底フラスコに、脱イオン水160g、 バッファーとして重炭酸ナトリウム2.6g及び乳化剤Co−436(Rhodia InC.製)0.78gを添加して均一に混合し、加熱して温度を78℃に上げ、開始剤として過硫酸アンモニウム0.40gの水溶液を添加し、上記エマルジョンの共重合の第1段階で、成分A中にモノマーのプレエマルジョンを均一な速度で添加しながら、82〜84℃の温度を保持した。1.5時間以内に添加を完了し、添加が完了し後、上記エマルジョンの共重合の第2段階で、成分B中にモノマーのプレエマルジョンを均一な速度で添加しながら、上記温度範囲で温度を保持した。2.5時間以内に添加を完了した。
【0029】
(3)83〜85℃の温度で保持し、1時間攪拌し続けた後、冷却し、濾過して、物質を排出し、エマルジョン接着剤をさらに製造するのに用いられ得るアクリレート共重合体エマルジョンを得た。
【0030】
(4)感圧性接着剤の製造:上記合成されたアクリレート共重合体エマルジョン300gに、市販のポリビニルアセテートエマルジョン45gを添加し、均一に混合した後、アンモニアを用いてpHを7〜8に調整し、53%の固形分含量を有する所望のエマルジョン感圧性接着剤を得た。
【0031】
(5)性能テスト:上記得られたエマルジョン接着剤を0.15mm厚の軟質PVC(SPVC)フィルム基材の上に塗布して、20μmの乾燥接着剤層の厚さを有する電気感圧性粘着テープの小さなロールを製造し、70℃の環境で8時間硬化した後、上記粘着テープの様々な特性をテストし、中国国家標準GB/T2792−1998によって、粘着テープの180°剥離強度をテストした。
【0032】
比較例2
エチルアセテート30%(wt)を反応器に入れ、沸騰するまで加熱して30分間保持し、n−ブチルアクリレート(BA)58.9%(wt)、アクリル酸(AA)3.5%(wt)、アクリロイルオキシアセトフェノン3.5%(wt)、及び触媒としてベンゾトリアゾール−1−イル−オキシ−トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(BOP)3.5%(wt)を混合し、上記反応器に上記混合物を滴下添加し、保護するために、上記反応器を窒素で満たし、1時間以内に滴下添加を完了した。上記滴定が完了し後、4時間加熱し続け、4時間目に酸化防止剤Irganox1010 0.7%(wt)を添加し、加熱状態を保持しながら、上記溶媒が完全に分離するまで上記反応器を真空にした。
【0033】
表1の感圧性粘着テープの粘着性、180°剥離強度及び低速巻出強度は、それぞれ、中国国家標準GB/T4852−1984、GB/T8451−1998、GB/T2792−1998及びGB/T4850−1984による方法を用いて決定し、温度安定性を決定する方法は、以下の通りである。感圧性粘着テープを用いて、ケーブルの周囲を巻取し、150℃で24時間経時させ、上記経時したケーブルの縁でテープがカールしているか否か、テープが緩んでいるか否か、又は溢れ出した接着剤液があるか否かを観察し、上記テープがカールしていないか、緩くないか、又は 溢れ出した接着剤液がない場合、上記感圧性粘着テープが適していると決定し、柔軟性を決定する方法は、20±1℃及び相対湿度50±5%で24時間(外径36mm及びペーパーコア壁の厚さ3〜4mmを有する)ペーパーコアの周りに巻き取られた少なくとも10m以上の長さを有する粘着テープ(幅19〜25mm)を扱い、上記粘着テープを15〜20cm/sの速度で巻き出して、上記粘着テープを均等に広げ、騒音がなく、粘着滑り/横滑り現象がなければ、柔軟性は良好と決定し、巻出時に横滑り又は騒音があれば、柔軟性は劣ると決定した。
【0034】
【表1】
【0035】
実施例1〜3及び比較例1〜2を比較することにより、軟質PVC絶縁粘着テープに用いられるUV架橋性ホットメルト感圧性接着剤で製造された軟質PVC粘着テープは、エマルジョン型接着剤で製造された粘着テープよりも非常に高い耐熱性を有することが分かった。官能性モノマーの使用は、PVC基材に対する接着剤の接着力と、可塑剤に対する耐性とを向上した。特殊な軟質モノマーの添加及び使用はPVC粘着テープの柔軟性を向上した。