(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
少なくとも第1のケーブル(2)およびステンレス鋼の保護ケース(4)を備える、ケーブル用の接合、端末処理または交差接続の機構(20、30、40、50)であって、
前記第1のケーブル(2)が、銅または銅基合金である露出した金属被覆(2a、2a’)および長手方向の第1の端部(2d)を備え、
前記保護ケース(4)が、前後軸(A)のまわりで基本的に回転対称であり、前記前後軸(A)と同軸の第1の管状端部分(5)を備え、前記第1のケーブル(2)の前記長手方向の第1の端部(2d)が前記第1の管状端部分(5)を通って延在する機構において、
前記保護ケース(4)の前記前後軸(A)と同軸で回転対称の渡りスリーブ(21、31、41、51)をさらに備え、前記渡りスリーブ(21、31、41、51)には、長手方向の第1の終端面(22、32、42、52)および長手方向の第2の終端面(23、33、43、53)が備わっており、前記渡りスリーブ(21、31、41、51)が、前記長手方向の第1の終端面(22、32、42、52)において、前記第1のケーブル(2)の前記金属被覆(2a、2a’)の全周のまわりで前記金属被覆(2a、2a’)に溶接され、前記渡りスリーブ(21、31、41、51)が、前記渡りスリーブ(21、31、41、51)の全周のまわりで、前記保護ケース(4)の前記第1の管状端部分(5)に対してさらに溶接され、
前記保護ケース(4)が、銅または銅基合金である前記渡りスリーブ(21、31、41、51)に溶接された前記第1の管状端部分(5)の最も外側の周表面を構成するニッケルまたはニッケル基合金の緩衝コーティングを備えるか、または、前記渡りスリーブ(21、31、41、51)がニッケルまたはニッケル基合金であることを特徴とする、機構。
前記渡りスリーブが、前記渡りスリーブ(21、31、41、51)の前記長手方向の第1の終端面(22、32、42、52)から前記長手方向の第2の終端面(23、33、43、53)へ延在する第1のスリーブ部品(28、48、58)と、
前記渡りスリーブ(21、31、41、51)の前記長手方向の第1の終端面(22、32、42、52)から前記長手方向の第2の終端面(23、33、43、53)へ延在する、半径方向に対向した第2のスリーブ部品(29、49、59)とを備える、請求項1に記載の機構。
前記渡りスリーブ(31、51)が、第1の内径を有する第1の回転対称の部分(31a、51a)と、前記第1の内径よりも大きい第2の内径を有する第2の回転対称の部分(31b、51b)とを備え、前記渡りスリーブ(31、51)の前記第2の回転対称の部分(31b、51b)が、前記渡りスリーブの長手方向の第2の終端面(33、53)を備え、
前記渡りスリーブは、前記第2の回転対称の部分(31b、51b)が前記保護ケース(4)の前記第1の管状端部分(5)の半径方向の外側に少なくとも部分的に設けられるように配置されている、請求項1または2に記載の機構。
前記保護ケース(4)の前記第1の管状端部分(5)が備える緩衝コーティング(36、56)が、好ましくはニッケルまたはニッケル基合金であって、前記第1の管状端部分(5)の少なくとも一部分の最も外側の周表面を形成し、前記渡りスリーブ(31、51)の前記長手方向の第2の終端面(33、53)が前記緩衝コーティング(36、56)に溶接されている、請求項3に記載の機構。
前記渡りスリーブ(21、41)が、前記保護ケース(4)の前記第1の管状端部分(5)の内表面と前記第1のケーブル(2)の前記金属被覆(2a、2a’)の間に部分的にはさまれて、前記保護ケース(4)の外側で長手方向に延在するように配置されている、請求項1または2に記載の機構。
前記第1のケーブル(2)の前記金属被覆が、山(p)および谷(v)を備える波状の金属被覆(2a’)であり、前記山が、前記谷よりも大きい外径を有し、前記渡りスリーブ(41、51)の前記長手方向の第1の終端面(42、52)が、前記波状の金属被覆の山(p)において、前記金属被覆の全周のまわりで、前記第1のケーブルの前記金属被覆(2a’)に溶接されている、請求項1から7のいずれか一項に記載の機構。
前記渡りスリーブ(41、51)の少なくとも内表面の長手方向の部品が、前記第1のケーブル(2)の前記波状の金属被覆(2a’)の外表面に一致する波状形態を有する、請求項8に記載の機構。
ケーブルの接合、端末処理または交差接続の機構(20、30、40、50)を提供する方法であって、前記機構が少なくとも第1のケーブル(2)およびステンレス鋼の保護ケース(4)を備え、
前記第1のケーブル(2)が、銅または銅基合金である露出した金属被覆(2a、2a’)および長手方向の第1の端部(2d)を備え、
前記保護ケース(4)が、前後軸(A)のまわりで基本的に回転対称であり、前記前後軸(A)と同軸の第1の管状端部分(5)を備え、
前記方法が、
(a)前記長手方向の第1の端部(2d)が前記第1の管状端部分(5)を通って延在するように、前記保護ケースの前記第1の管状端部分(5)に前記第1のケーブル(2)の前記長手方向の第1の端部(2d)を導入するステップを含み、
(b)前記第1のケーブル(2)の前記長手方向の第1の端部(2d)が前記保護ケース(4)の前記第1の管状端部分(5)を通って延在するとき、渡りスリーブが前記保護ケース(4)の前記前後軸(A)と同軸になり、前記長手方向の第1の終端面(22、32、42、52)が前記第1の管状端部分(5)から長手方向に引き離されて、前記長手方向の第2の終端面(23、33、43、53)が前記第1の管状端部分(5)の半径方向の内側または外側に配置されるように、前記第1のケーブル(2)の前記金属被覆(2a、2a’)上に、長手方向の第1の終端面(22、32、42、52)および長手方向の第2の終端面(23、33、43、53)を備える回転対称の渡りスリーブ(21、31、41、51)を配置するステップと、
(c)前記渡りスリーブを、その前記長手方向の第1の終端面(22、32、42、52)において、前記第1のケーブル(2)の前記金属被覆(2a、2a’)の全周のまわりで前記金属被覆(2a、2a’)に溶接するステップと、
(d)ステップ(c)の前または後に、前記渡りスリーブ(21、31、41、51)を、前記渡りスリーブ(21、31、41、51)の全周のまわりで前記保護ケース(4)の前記第1の管状端部分(5)に溶接するステップとをさらに含み、
ステップ(b)〜(d)の任意のものがステップ(a)の前または後に行われてよいが、ステップ(c)および(d)のうち少なくとも1つが、ステップ(a)とステップ(b)の両方の後に行われ、
前記保護ケース(4)が、銅または銅基合金である前記渡りスリーブ(21、31、41、51)に溶接された前記第1の管状端部分(5)の最も外側の周表面を構成するニッケルまたはニッケル基合金の緩衝コーティングを備えるか、または、前記渡りスリーブ(21、31、41、51)がニッケルまたはニッケル基合金であることを特徴とする、方法。
ステップ(b)が、複数のスリーブ部品(28、29、48、49、58、59)を用意するステップと、前記スリーブ部品が回転対称の渡りスリーブ(21、31、41、51)を連帯的に画定し、また、各スリーブ部品(28、29、48、49、58、59)が、前記渡りスリーブ(21、31、41、51)の前記長手方向の第1の終端面(22、32、42、52)から前記長手方向の第2の終端面(23、33、43、53)へ延在するように前記スリーブ部品を組み立てるステップとを含む、請求項10に記載の方法。
前記渡りスリーブ(31、51)が、第1の内径を有する第1の回転対称の部分(31a、51a)と、前記第1の内径よりも大きい第2の内径を有する第2の回転対称の部分(31b、51b)とを備え、前記渡りスリーブの前記第2の回転対称の部分(31b、51b)が、前記渡りスリーブ(31、51)の長手方向の第2の終端面(33、53)を備え、前記渡りスリーブが前記第1のケーブル(2)の前記金属被覆(2a、2a’)上に配置され、前記第1のケーブル(2)の前記長手方向の第1の端部(2d)が前記保護ケース(4)の前記第1の管状端部分(5)を通って延在するとき、前記渡りスリーブ(31、51)の前記第2の回転対称の部分(31b、51b)が前記保護ケース(4)の前記第1の管状端部分(5)の半径方向の外側に少なくとも部分的に設けられ、前記渡りスリーブ(31、51)の前記長手方向の第2の終端面(33、53)が前記保護ケース(4)の前記第1の管状端部分(5)の半径方向の外側に配置される、請求項10または11に記載の方法。
前記保護ケース(4)の前記第1の管状端部分(5)が備える溶接性に優れた材料の緩衝コーティング(36、56)が、好ましくはニッケルまたはニッケル基合金であって、前記第1の管状端部分の少なくとも一部分の最も外側の周表面を形成し、前記渡りのスリーブ(31、51)を前記保護ケース(4)の前記第1の管状端部分(5)に溶接するステップが、前記渡りスリーブ(31、51)の前記第2の終端面(33、53)を前記緩衝コーティング(36、56)に溶接するステップを含む、請求項12に記載の方法。
ステップ(b)は、前記第1のケーブル(2)の前記長手方向の第1の端部(2d)が前記保護ケース(4)の前記第1の管状端部分(5)を通って延在するとき、前記渡りスリーブ(21、41)が前記保護ケース(4)の前記第1の管状端部分(5)の内表面と前記第1のケーブル(2)の前記金属被覆(2a、2a’)の間に部分的にはさまれて、前記渡りスリーブ(21、41)の前記長手方向の第2の終端面(23、43)が前記保護ケース(4)の前記第1の管状端部分(5)の半径方向の内側に配置されるように、前記渡りスリーブ(21、41)を配置するステップを含む、請求項10または11に記載の方法。
前記第1のケーブルの前記金属被覆が、交互する山(p)と谷(v)を備える波状の金属被覆(2a’)であり、前記山が前記谷よりも大きい外径を有し、前記渡りスリーブ(21、31、41、51)の前記長手方向の第1の終端面(22、32、42、52)を前記金属被覆に溶接するステップは、結果として生じる溶接シーム(24、34、44、54)が前記第1のケーブルの前記金属被覆の全周のまわりで前記第1のケーブル(2)の前記波状の金属被覆(2a’)の山に設置されるように行われる、請求項10から16のいずれか一項に記載の方法。
【発明の概要】
【0006】
本発明の目的は、鉛を含む材料の使用に依存することなく、ケーブルの金属被覆と保護ケースの間の水密性の電気的接続をもたらすための代替案を見いだすことである。
【0007】
この目的は、添付の独立請求項によって定義されるような、ケーブルの接合、端末処理または交差接続の機構、ならびに、そのような接合、端末処理または交差接続の機構をそれぞれ提供する方法によって達成される。
【0008】
本発明は、ケーブルの金属被覆に保護ケースをはんだ付けする代わりに、第1のケーブルの金属被覆と保護ケースの間を溶接して水密性接続をもたらすことにより、上記の問題を解決するものである。この技術分野で使用される通常のはんだとは対照的に、溶接充填剤は、溶接プロセス中に所望の特性を得るための鉛の存在や、結果として生じる溶接シームの存在に依存しない。それによって、鉛ベースのはんだの使用が回避される。
【0009】
本技術分野の範囲内の、ケーブルの金属被覆の接合、端末処理または交差接続を保護するように適合された保護ケースは、多くの場合、互いの溶接が必ずしも容易ではない異なる材料で作製されることがあり、互いに溶接されると、その特性が劣化する恐れがある。たとえば、異なる材料が互いに直接溶接されると、溶接プロセスが材料間の要素の拡散を引き起こすことがあり、第1のケーブルの金属被覆および/または保護ケースの耐食性もしくは機械的性質が低下する恐れがある。前記理由のために、本発明が利用する渡りスリーブは、一端が金属被覆に溶接され、別の位置が保護ケースに溶接されるものであり、渡りスリーブにより、構成部品(保護ケースおよびケーブルの金属被覆を含む)の材料を選択するときにより多くの選択肢が可能になり、それによって、たとえば金属被覆の材料および/または保護ケースの材料を変更する必要性が回避され、機械的性質および化学的性質の両方の点から所望の特性を有する溶接および接続が可能になる。
【0010】
ケーブルの接合、端末処理または交差接続の機構は、少なくとも第1のケーブルおよび保護ケースを備える。第1のケーブルは、金属被覆と、金属被覆が露出した長手方向の第1の端部とを備える。保護ケースは、前後軸のまわりで基本的に回転対称であり、前後軸と同軸の第1の管状端部分を備え、これを通って第1のケーブルの長手方向の第1の端部が延在する。この機構は、保護ケースの前後軸と同軸の回転対称の渡りスリーブをさらに備える。渡りスリーブは、長手方向の第1の終端面および長手方向の第2の終端面を備える。渡りスリーブの長手方向の終端面の各々は、適切には基本的に半径方向に配置されてよい。渡りスリーブの長手方向の第1の終端面は、第1のケーブルの金属被覆の全周のまわりで金属被覆に溶接される。渡りスリーブは、渡りスリーブの全周のまわりで保護ケースの第1の管状端部分にさらに溶接される。
【0011】
渡りスリーブが、ケーブルの金属被覆に、および渡りスリーブと金属被覆と保護ケースとの間の接触面の全周のまわりの保護ケースにそれぞれ溶接されるので、金属被覆と保護ケースの間の水密性接続が保証され、これは、保護ケースに水が拡散してケーブルに被害を与えることが結局ケーブルの電気的破壊の単緒になるというリスクを回避するのに必須のことである。その上、上記で説明されたように、渡りスリーブにより、機構の構成要素の材料を選択するとき、より多くの選択肢が可能になる。たとえば、第1のケーブルの金属被覆の材料と保護ケースの材料の両方に対して優れた溶接性を有する渡りスリーブの材料を選択することにより、金属被覆の材料および/または保護ケースの材料を、互いに溶接することができるように変更する必要はない。あるいは、金属被覆と保護ケースの間に申し分ない接続をもたらし得るように、機構の別の構成が使用されてもよい。
【0012】
一実施形態によれば、渡りスリーブは、任意選択で、渡りスリーブの長手方向の第1の終端面から長手方向の第2の終端面へ延在する第1のスリーブ部品と、渡りスリーブの長手方向の第1の終端面から長手方向の第2の終端面へ延在する半径方向に対向した第2のスリーブ部品とを備え得る。これにより、たとえば渡りスリーブと金属被覆および/または保護ケースの管状端部分との組合せが容易になる。渡りスリーブは、上記で開示されたのと同一の目的のために、当然、2つよりも多くのスリーブ部品を備えてよく、それぞれが渡りスリーブの長手方向の第1の終端面から長手方向の第2の終端面へ延在する。その上、スリーブ部品は、スリーブ部品の数に関係なく、回転対称のスリーブを連帯的に画定するように、互いに適切に溶接される。
【0013】
渡りスリーブは、第1の内径を有する第1の回転対称の部分と、第1の内径よりも大きい第2の内径を有する第2の回転対称の部分とを備えてよく、渡りスリーブの第2の回転対称の部分は、渡りスリーブの長手方向の第2の終端面を備える。そのような場合には、渡りスリーブは、第2の回転対称の部分が、少なくとも部分的に、保護ケースの第1の管状端部分の半径方向の外側に設けられるように配置され得る。これにより、渡りスリーブを保護ケースの第1の管状端部分の外周表面に溶接するとともに、渡りスリーブの長手方向の第1の終端面をケーブルの金属被覆に直接溶接することが可能になる。
【0014】
渡りスリーブが、上記で開示されたように第1および第2の回転対称の部分を備える場合には、保護ケースの第1の管状端部分は、好ましくはニッケルまたはニッケル基合金の緩衝コーティングを適切に備えてよく、これが、第1の管状端部分の少なくとも一部分の最も外側の周表面を形成する。渡りスリーブの長手方向の第2の終端面は、前記緩衝コーティングに溶接される。緩衝コーティングの目的は、たとえば保護ケースと渡りスリーブが異なる材料で作製されていて、そのような拡散が保護ケースおよび/または渡りスリーブの機械的性質または化学的性質を劣化させる恐れがある場合に、溶接プロセス中に保護ケースと渡りスリーブの間の成分の拡散を最小限にすることにある。その代わりに、またはそれに加えて、緩衝コーティングの目的は、渡りスリーブと保護ケースの材料が、それぞれ互いに溶接するのが容易でない材料の場合、溶接を可能にすることにある。
【0015】
渡りスリーブは、第1のケーブルの金属被覆と同一の材料で適切に作製され得る。それによって、金属被覆に対する優れた溶接性が保証される。
【0016】
代替実施形態によれば、渡りスリーブは、保護ケースの第1の管状端部分の内表面と第1のケーブルの金属被覆の間に部分的にはさまれて、保護ケースの外側へ長手方向に延在するように配置される。それによって、渡りスリーブは、第1の管状端部分の内表面と第1のケーブルの金属被覆の間の優れた適合をもたらすという目的にも役立つ一方で、保護ケースの外側に露出した渡りスリーブの長手方向の第1の終端面を金属被覆に溶接すること、および保護ケースの第1の管状端部分を渡りスリーブに溶接することを可能にする表面を有する。
【0017】
渡りスリーブは、適切にはニッケルまたはニッケル基合金で作製され得る。ニッケルまたはニッケル基合金は、一般にこの技術分野で使用されるほとんどの他の金属材料に対して優れた溶接性を有し、したがって金属被覆と保護ケースの両方に対する優れた溶接性が可能になる。
【0018】
第1のケーブルの金属被覆は、山と谷を備える波状の金属被覆でよく、山は谷よりも大きい外径を有し、渡りスリーブの長手方向の第1の終端面は、波状の金属被覆の山において、第1のケーブルの金属被覆の全周のまわりで金属被覆に溶接され得る。波状の金属被覆の目的は、ケーブルに優れた機械的安定性をもたらすことであり得る。その上、渡りスリーブを波状の金属被覆の山に溶接することにより、溶接プロセス中に金属被覆の半径方向の内側に配置されたケーブルのあらゆる部分の被害のリスクが最小限になり得る。
【0019】
第1のケーブルの金属被覆が波状の金属被覆である場合には、少なくとも渡りスリーブの周囲の内表面の長手方向の部分は、第1のケーブルの波状の金属被覆の外表面に一致する波状形態を有し得る。これには、第1のケーブルの長手方向の延長に沿った渡りスリーブの正確な位置の保証、および/または第1のケーブルの金属被覆と保護ケースの管状端部分の内表面の間の優れた適合をもたらすという利点がある。
【0020】
本開示は、ケーブルの接合、端末処理または交差接続の機構を提供する方法にも関し、この機構は少なくとも第1のケーブルおよび保護ケースを備える。第1のケーブルは、金属被覆と、金属被覆が露出した長手方向の第1の端部とを備える。保護ケースは基本的に前後軸のまわりで回転対称であり、前後軸と同軸の第1の管状端部分を備える。この方法は、
(a)第1のケーブルの長手方向の第1の端部が保護ケースの第1の管状端部分を通って延在するように、保護ケースの第1の管状端部分に第1のケーブルの長手方向の第1の端部を導入するステップを含む。この方法は、
(b)第1のケーブルの長手方向の第1の端部が保護ケースの第1の管状端部分を通って延在するとき、渡りスリーブが保護ケースの前後軸と同軸になるように、第1のケーブルの金属被覆上に、長手方向の第1の終端面および長手方向の第2の終端面を備える回転対称の渡りスリーブを配置するステップであって、長手方向の第1の終端面が、第1の管状端部分から長手方向に引き離され、長手方向の第2の終端面が、第1の管状端部分の半径方向の内側または外側に配置されるステップと、
(c)渡りスリーブを、その長手方向の第1の終端面において、第1のケーブルの金属被覆の全周のまわりで金属被覆に溶接するステップと、
(d)ステップ(c)の前または後に、渡りスリーブの全周のまわりを保護ケースの第1の管状端部分に溶接するステップとをさらに含み、ステップ(b)〜(d)の任意のものがステップ(a)の前または後に行われてよいが、ステップ(c)および(d)のうち少なくとも1つが、ステップ(a)とステップ(b)の両方の後に行われる。
【0021】
上記のステップ(b)は、複数のスリーブ部品を用意するステップと、スリーブ部品が回転対称の渡りスリーブを連帯的に画定し、また、それぞれのスリーブ部品が渡りスリーブの長手方向の第1の終端面から長手方向の第2の終端面へ延在するように、スリーブ部品を組み立てるステップとを含む。スリーブ部品は、好ましくは互いに溶接されてよい。複数のスリーブ部品を使用して渡りスリーブを形成すると、接合、端末処理または交差接続の機構を組み立てるのが容易になり、機構の連続する構成要素の間の優れた適合が容易になり得る。
【0022】
一実施形態によれば、渡りスリーブは、第1の内径を有する第1の回転対称の部分と、第1の内径よりも大きい第2の内径を有する第2の回転対称の部分とを備え、渡りスリーブの第2の回転対称の部分は、渡りスリーブの長手方向の第2の終端面を備え、渡りスリーブは、第1のケーブルの長手方向の第1の端部が保護ケースの第1の管状端部分を通って延在するとき、渡りスリーブの第2の回転対称の部分が保護ケースの第1の管状端部分の半径方向の外側に少なくとも部分的にもたらされて、渡りスリーブの長手方向の第2の終端面が保護ケースの第1の管状端部分の半径方向の外側に配置されるように、第1のケーブルの金属のスリーブ上に配置される。これによって、渡りスリーブの長手方向の第2の終端面を保護ケースの第1の管状端部分の外周表面に溶接することが可能になり、機構を組み立てるのが容易になり得る。
【0023】
保護ケースの第1の管状端部分は、好ましくはニッケルまたはニッケル基合金で溶接性に優れた材料の緩衝コーティングを備えてよく、これが、第1の管状端部分の少なくとも一部分の最も外側の周表面を形成し、保護ケースの第1の管状端部分に渡りスリーブを溶接するステップは、前記緩衝コーティングに渡りスリーブの第2の終端面を溶接するステップを含む。そのような緩衝コーティングがあることの目的は、たとえば、保護ケースと渡りスリーブが異なる材料で作製されていて、そのような拡散が、保護ケースおよび/または渡りスリーブの機械的性質または化学的性質を劣化させる恐れがある場合に、溶接プロセス中に保護ケースと渡りスリーブの間の成分の拡散を最小限にすることにある。その代わりに、またはそれに加えて、緩衝コーティングの目的は、渡りスリーブと保護ケースの材料が、それぞれ互いに溶接するのが容易でない材料の場合、溶接を可能にすることにある。
【0024】
渡りスリーブは、任意選択で、第1のケーブルの金属被覆と同一の材料で作製されてよい。それによって、金属被覆に対する優れた溶接性が保証される。
【0025】
別の実施形態によれば、ステップ(b)は、第1のケーブルの長手方向の第1の端部が保護ケースの第1の管状端部分を通って延在するとき、渡りスリーブが保護ケースの第1の管状端部分と第1のケーブルの金属被覆の内表面の間に部分的にはさまれて、渡りスリーブの長手方向の第2の終端面が保護ケースの第1の管状端部分の半径方向の内側に配置されるように、渡りスリーブを配置するステップを含む。それによって、渡りスリーブは、第1の管状端部分の内表面と第1のケーブルの金属被覆との間の優れた適合をもたらすという目的にも役立つ一方で、保護ケースの外側に露出した渡りスリーブの長手方向の第1の終端面を金属被覆に溶接すること、および保護ケースの第1の管状端部分を渡りスリーブに溶接することを可能にする表面を有する。
【0026】
渡りスリーブは、適切にはニッケルまたはニッケル基合金で作製され得る。一般に、ニッケルまたはニッケル基合金は、本技術分野の範囲内で使用される材料に対して優れた溶接性を有し、したがって、渡りスリーブが保護ケースの第1の管状端部分と第1のケーブルの金属被覆の両方に対して容易に溶接され得ることを保証するために使用するのに適切である。
【0027】
第1のケーブルの金属被覆は、任意選択で、交互する山と谷を備える波状の金属被覆でよく、山は谷よりも大きい外径を有する。そうであれば、金属被覆に対する渡りスリーブの長手方向の第1の終端面の溶接は、任意選択で、結果として生じる溶接シームが、第1のケーブルの金属被覆の全周のまわりで第1のケーブルの波状の金属被覆の山にあるように行われてよい。渡りスリーブを波状の金属被覆の山に溶接することにより、溶接プロセス中に金属被覆の半径方向の内側に配置されたケーブルのあらゆる部分の被害のリスクが最小限になり得る。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明を、添付図面を参照しながら以下でより詳細に説明する。しかしながら、本発明は、示されて論じられる実施形態に限定されることなく、添付の特許請求の範囲の範囲内で変化し得るものである。その上に、図面は、保護ケースの特徴またはその詳細をより明瞭に説明するためにいくつかの特徴が誇張されることがあるので、原寸に比例するとは見なされないものとする。
【0030】
本開示では、「外部の」および「内部の」という用語は、明示的に別様に開示されなければ、それぞれ半径方向における位置を指すと見なされるものとする。
【0031】
その上、本開示では、「金属の」という用語は、金属または合金で作製されていることを意味すると見なされるものとする。
【0032】
その上に、本開示では、「〜の全周のまわりに」という表現は、それが指す特徴部の、あるポイントから同一のポイントへと周囲に延在することを意味すると見なされるものとする。しかしながら、前記表現は、それ自体で軸方向/長手方向の延長を意味するわけではない。たとえば、「金属被覆の全周のまわりに」という表現は、金属被覆の、あるポイントから同一の1ポイントへと周囲に延在することを意味すると見なされるが、それ自体が、前記ポイントの前記金属被覆上の長手方向の位置に関する何らかの限定、またはそれが指す特徴部の長手方向の延長に関する何らかの限定を意味するものではない。
【0033】
図1は、従来技術による、第1のケーブル2および第2のケーブル3を備える接合機構1の断面図を図解するものである。この接合機構は、たとえば長い深海の高圧ケーブルを形成するために、第1のケーブルと第2のケーブルをたとえば接合するのに使用され得る。第1および第2のケーブルのそれぞれが、それぞれの金属被覆2a、3a、金属被覆の内側のそれぞれの絶縁システム2b、3b、ならびにそれぞれの絶縁システムの内側の1つまたは複数の導体2c、3cを備える。導体2c、3cの連続するケーブル2、3は、接続を囲む保護ケース4の内側で接続されている。
【0034】
保護ケース4は、中心軸Aのまわりで基本的に回転対称である。保護ケースは、保護ケースの長手方向の第1の終端における第1の管状端部分5と、保護ケースの長手方向で反対側の第2の終端における第2の管状端部分6とを備える。それぞれの管状端部分が備えるそれぞれの開口は、挿入されたそれぞれのケーブルの端部2d(図では第1のケーブル2についてのみ印が付いている)を受けるように適合されている。保護ケースは、第1の管状端部分5と第2の管状端部分6の間に配置された管状の中心部7をさらに備える。管状の中心部は、一般に第1および第2の管状端部分のそれぞれの内径よりも大きい内径を有する。管状の中心部はまた、一般に第1および第2の管状端部分のそれぞれの外径よりも大きい外径を有する。
図1には図解されていないが、保護ケース4は、必ずしも単一のケース本体から構築する必要はなく、代わりに、互いに保護ケース4を形成するように取り付けて互いに接合された、ケースの長手方向の第1の半分とケースの長手方向の第2の半分とから構築されてよい。
【0035】
ケーブルを接合するプロセスにおいて、露出した金属被覆を伴うケーブルの端部が第1の管状端部分を通って保護ケースに挿入される。その後、第1のケーブル2の導体2cが、第2のケーブル3のコネクタ3cに接続される。保護ケースが単一のケース本体から成る場合には、保護ケースの位置は、コネクタの間の接続を囲むように、また、それぞれの管状端部分がケーブル2および3のそれぞれの金属被覆の半径方向の外側に配置されるように、調節される。保護ケースがケースの半分を2つ備える場合には、ケーブル2、3の端部がそれぞれの半分のケースの管状端部分に導入され、ケーブルの導体2c、3cが接続され、その後、半分のケースが互いに近づけられて、管状の中心部7を連帯的に画定するように接合される。単一のケース本体か、またはケースの半分が2つあるのか、といったことに関係なく、金属被覆とそれぞれの管状端部分5、6の内表面の間の優れた適合をもたらすために、それぞれのはんだ付けコーン8、9が使用され得る。
【0036】
保護ケース4は、長手方向の各終端において、ワイプ方式はんだ付けを用いて、第1のケーブル2および第2のケーブル3のそれぞれの金属被覆にはんだ付けされる。それによって、はんだ10、11は、保護ケース4の管状端部分5、6からケーブルの金属被覆2a、3aへ、管状端部分および金属被覆の全周のまわりに延在するように配置される。はんだ付けコーン8、9が存在する場合には、はんだ10、11ははんだコーンに渡って延在する。はんだ10、11は、ケーブルの金属被覆と保護ケースの間に水密性接続を形成する。
【0037】
図1を参照しながら上記で開示された従来技術は、ケーブルの導体間の接続の機械的安定性および保護の点から優れた接合を提供しているが、かなりの量の鉛を含むはんだ10、11の使用に基づくものであるである。今後、鉛ベースのはんだは恐らく禁止され、長い深海高圧ケーブルを形成する高圧ケーブルなどのケーブルを接合するための新規の解決策が必要になると思われる。
【0038】
前述の方法および接合部構造とは対照的に、本発明は、ケーブルの金属被覆と保護ケースの間の水密性接続を得るための溶接の使用に基づくものである。
【0039】
図2は、本発明の例示の一実施形態による接合機構20の断面図を図解するものである。接合機構20は、導体2cを備える第1のケーブル2と、導体2cの半径方向の外側に配置された絶縁システム2bと、絶縁システム2bの半径方向の外側に配置された金属被覆2aとを備える。第1のケーブル2は、ケーブルの長手方向の延長に沿って金属被覆2aの半径方向の外側に配置された追加の保護層を適切に備え得ることに留意されたい。しかしながら、第1のケーブル2の長手方向の第1の端部2dでは、そのような追加の保護層は、金属被覆2aが露出するように除去される。接合機構20は、保護ケースの長手方向の第1の終端に配置された第1の管状端部分5ならびに管状の中心部7を備える保護ケース4をさらに備える。保護ケースは、任意選択で、(たとえば
図4および
図5に示されるように)第1の管状端部分5を管状の中心部7に接続する渡り部分12などの追加の中間部および/または追加の中間管状部を備え得る。第1のケーブル2の長手方向の第1の端部2dは、第1の管状端部分5を通って保護ケース4の管状の中心部7へさらに延在するように配置されている。それによって、第1のケーブル2の導体2cは、保護ケース4の管状の中心部7の内側で、連続する第2のケーブルの導体に接続され得る。
【0040】
接合機構は、保護ケース4の前後軸Aと同軸の回転対称の渡りスリーブ21をさらに備える。渡りスリーブは、好ましくは基本的に半径方向に配置された長手方向の第1の終端面22と、好ましくは基本的に半径方向に配置された長手方向の第2の終端面23とを備える。渡りスリーブ21は、内周表面21aおよび外周表面21bをさらに備える。
【0041】
渡りスリーブは、第1のケーブル2の金属被覆2aと保護ケース4の第1の管状端部分5の内表面の間に部分的にはさまれるように配置されている。それによって、渡りスリーブは、少なくとも管状端部分の開放端の近くにおいて、第1のケーブルの金属スリーブと保護ケースの第1の管状端部分の内表面の間の放射状の空間を埋める。これは、金属被覆2aと第1の管状端部分5の間の優れた適合を保証する。渡りスリーブ21はまた、長手方向の第1の終端面22が、第1の管状端部分5から、より詳細には第1の管状端部分の長手方向の開放端における第1の終端面5aから、中心軸Aに沿って引き離されるように、第1の管状端部分5の外側に延在するように配置されている。言い換えれば、渡りスリーブ21の長手方向は保護ケース4の外側に延在している。
【0042】
渡りスリーブ21は、渡りスリーブの長手方向の第1の終端面22において第1のケーブル2の金属スリーブに溶接されている。それによって、第1のケーブル2の金属被覆2aの全周のまわりに第1の溶接シーム24が延在する。第1の溶接シーム24は、第1のケーブル2の金属被覆2aと渡りスリーブ21の間の水密性接続をもたらす。
【0043】
渡りスリーブ21は、渡りスリーブの全外周のまわりで保護ケース4の第1の管状端部分5にさらに溶接される。
図2に示されるように、これは、渡りスリーブの外周表面21bと管状端部分の終端面5aの開放端の間に配置された第2の溶接シーム25によって適切に達成され得る。
【0044】
渡りスリーブ21は、任意選択で、
図2における第3の溶接シーム26によって図解されるように、渡りスリーブの長手方向の第2の終端面において第1のケーブルの金属被覆にも溶接されてよい。そのような任意選択の第3の溶接シーム26の目的は、たとえば、渡りスリーブを、保護ケースの第1の管状端部分に挿入する前に、金属被覆の適所にしっかりと取り付けることにある。
【0045】
図3は、第2の例示的実施形態による接合機構30の断面図を図解するものである。
図2に図解された例示的実施形態を参照しながら上記で開示されたのと同一のやり方で、
図3に図解された接合機構30は、導体2cを備える第1のケーブル2と、導体2cの半径方向の外側に配置された絶縁システム2bと、絶縁システム2bの半径方向の外側に配置された金属被覆2aとを備える。第1のケーブル2の長手方向の第1の端部2dでは、長手方向の第1の端部において金属被覆2aが露出するように、ケーブルの長手方向の延長に沿って金属被覆の半径方向の外側に配置された可能な追加の保護層(図示せず)が除去されている。接合機構30は、保護ケースの長手方向の第1の終端に配置された第1の管状端部分5を備える保護ケース4をさらに備える。第1のケーブル2の長手方向の第1の端部2dは、第1の管状端部分5を通って保護ケース4の管状の中心部7へさらに延在するように配置されている。それによって、第1のケーブル2の導体2cは、
図1に図解された従来技術を参照しながら上記で開示されたのと基本的に同一のやり方で、保護ケース4の管状の中心部7の内側の連続する第2のケーブルの導体に接続され得る。
【0046】
第2の例示的実施形態による接合機構30は、保護ケース4の前後軸Aと同軸の回転対称の渡りスリーブ31をさらに備える。渡りスリーブ31は、好ましくは基本的に半径方向に配置された長手方向の第1の終端面32と、好ましくは基本的に半径方向に配置された長手方向の第2の終端面33とを備える。渡りスリーブ31は、第1の内径を有する第1の回転対称の部分31aと、第2の内径を有する第2の回転対称の部分31bとをさらに備える。第2の部分31bの第2の内径は、第1の部分31aの第1の内径よりも大きい。渡りスリーブ31の第1の回転対称の部分31aおよび第2の回転対称の部分31bの目的は、渡りスリーブが、保護ケース4の第1の管状端部分5の半径方向の外側に部分的に配置されて、しかも第1のケーブル2の金属被覆2aに接し得るようにすることにある。第1の回転対称の部分31aと第2の回転対称の部分31bは、たとえば長手方向の延長に沿って変化する内径を有する接続区間31cによって互いに接続されてよい。そのような接続区間31cはまた、存在する場合には、渡りスリーブ31の一部分を構成する。
【0047】
図3に示されるように、渡りスリーブ31は、渡りスリーブの第2の回転対称の部分31bが、保護ケース4の第1の管状端部分の半径方向の外側に少なくとも部分的に設けられるように配置されている。しかしながら、第1の回転対称の部分31aは、第1の管状端部分5から中心軸Aに沿って長手方向に引き離され、第1のケーブル2の金属被覆2aに適合される。
【0048】
渡りスリーブ31は、渡りスリーブの長手方向の第1の終端面32において第1のケーブル2の金属被覆2aに溶接されている。それによって、第1のケーブル2の金属被覆2aの全周のまわりに第1の溶接シーム34が延在する。第1の溶接シーム34は、第1のケーブル2の金属被覆2aと渡りスリーブ31の間の水密性接続をもたらす。
【0049】
その上、渡りスリーブ31は、渡りスリーブと第1の管状端部分の間の水密性接続をもたらすように、渡りスリーブ31の全周のまわりで保護ケース4の第1の管状端部分5に溶接されている。それによって、第2の溶接シーム35は、渡りスリーブの長手方向の第2の終端面33において渡りスリーブの全周のまわりに延在し、したがって保護ケースの第1の管状端部分の全周のまわりに延在する。
【0050】
図3に見られるように、第1の管状端部分5は、第1の管状端部分の少なくとも一部分5bの最も外側の周表面を形成する緩衝コーティング36を備え得る。そのような緩衝コーティングの目的は、渡りスリーブの材料および保護ケースの材料が、それぞれ互いに直接溶接するのが困難な種類のものである場合に、渡りスリーブの材料と保護ケースのバルク材料の間の溶接を容易することにある。緩衝コーティングは、渡りスリーブの材料と保護ケース(より詳細には保護ケースの第1の管状端部分)のバルク材料の間の成分の拡散または移動が、渡りスリーブおよび保護ケースの一方または両方の材料の特性を劣化させるリスクがある場合には、そのような拡散または移動を最小限にする目的にも役立ち得る。したがって、そのような緩衝コーティング36がある場合には、渡りスリーブ31は、第1の管状端部分5の緩衝コーティング36に溶接される。
【0051】
例としてのみ、第1のケーブル2の金属被覆2aが銅または銅基合金であって、保護ケースのバルク材料がステンレス鋼である状況を考える。渡りスリーブ31は、金属被覆に対する優れた溶接性を保証するために、適切には銅または銅基合金で、好ましくは金属被覆2aと基本的に同一の化学組成で作製され得る。しかしながら、銅または銅基合金は、溶接プロセス中に銅がステンレス鋼に拡散するかまたは移動してステンレス鋼の耐食性を劣化させる可能性があるので、ステンレス鋼に直接溶接するのに適切ではないであろう。したがって、保護ケース4の第1の管状端部分5のステンレス鋼と渡りスリーブ31の間に、ニッケルまたはニッケル基合金の緩衝コーティング36がはさまれてよく、緩衝コーティングは、保護ケースの、渡りスリーブ31に溶接される部分において、第1の管状部の最も外側の周表面を構成する。
【0052】
図2に示された第1の例示的実施形態および
図3に示された第2の例示的実施形態では、第1のケーブル2の金属被覆2aは、ケーブル2の長手方向の延長に沿って基本的に一定の外径を有する金属被覆である。しかしながら、特定の場合には、金属被覆は波状の被覆でよい。そのような波状の被覆の目的は、一般にケーブルの機械的安定性を向上することにある。波状の被覆は、ケーブルの長手方向の延長に沿って交互する山と谷を備える。山と谷はまた、螺旋形の構成で、ケーブルの長手方向の延長に沿って形成され得る。
【0053】
図4は、第3の例示的実施形態によるケーブルの接合機構40の断面を示すようにカットされた斜視図を図解するものである。接合機構40は、導体2cを備える第1のケーブル2と、導体2cの半径方向の外側に配置された絶縁システム2bと、絶縁システム2bの半径方向の外側に配置された金属被覆2a’とを備える。
図2に図解された例示的実施形態とは対照的に、第3の例示的実施形態による金属被覆2a’は波状の金属被覆であり、したがって、ケーブル2の長手方向の延長に沿った波形の形状の金属被覆2a’を表現する、交互する複数の山pと谷vを備える。山pは谷vの外径よりも大きい外径を有する。接合機構40は、長手方向の第1の終端に第1の管状端部分5を備える保護ケース4をさらに備える。保護ケースは、任意選択で、第1の管状端部分5と管状の中心部7の間に配置されてこれらを接続する1つまたは複数の中間管状部13および/または1つまたは複数の渡り部分12をさらに備え得る。その上に、接合機構40は渡りスリーブ41も備え、これは、好ましくは基本的に半径方向に配置された長手方向の第1の終端面42と、長手方向の第1の終端面42の反対側の、好ましくは基本的に半径方向に配置された長手方向の第2の終端面43とを有する。
【0054】
図4に図解されるように、渡りスリーブ41は金属被覆2a’の波状形態に一致するような波状形態を有する内表面41aを備え得る。そのような波状の内表面41aの目的は、たとえば、組立て中にケーブルを保護ケース4の第1の管状端部分5に導入しているとき、渡りスリーブ41が適所に保たれるのを容易に保証することにある。しかしながら、渡りスリーブ41の波状の内表面は必要な特徴部ではない。たとえば、接合機構の組立て中に、渡りスリーブ41を金属被覆2a’に沿って長手方向に移動可能にするという要求がある場合には、内表面は、適切には(たとえば
図2に示されたように)波状でなくてよい。渡りスリーブ41の周囲の外表面41bは、保護ケース4の第1の管状端部分5を内周表面に対してうまく適合させるために、適切には基本的に平坦であり、すなわち、山および谷または同種のものはない。
【0055】
渡りスリーブ41は、保護ケース4の金属被覆2a’と第1の管状端部分5の間に部分的にはさまれるように配置されているが、保護ケース4の外側へ長手方向に延在するように、第1の管状端部分5の外側への長手方向の延長を有する。それによって、渡りスリーブ41は、少なくとも管状端部分5の開放端の近くにおいて、第1のケーブル2の金属スリーブ2a’と保護ケース4の第1の管状端部分5の内表面の間の放射状の空間に配置されている。
【0056】
渡りスリーブ41は、渡りスリーブの長手方向の第1の終端面42において第1のケーブル2の金属被覆2a’に溶接されている。それによって、第1のケーブル2の金属被覆2a’の全周のまわりに第1の溶接シーム44が延在する。第1の溶接シーム44は、第1のケーブル2の金属被覆2a’と渡りスリーブ41の間の水密性接続をもたらす。溶接シーム44は、任意選択で、
図4に示されるように金属被覆2a’の山pに配置されてよいが、谷vに配置されてよく、または必要に応じて山pと谷vの両方を覆うこともある。溶接シーム44を山にのみ配置することの利点の1つには、溶接プロセスによる第1のケーブル2の絶縁システム2bの損傷のリスクが存在する場合には、そのようなリスクが軽減することにある。
【0057】
渡りスリーブ41は、
図2に図解された例示的実施形態を参照しながら開示されたのと同一のやり方で、渡りスリーブ41の全体の外周のまわりで保護ケース4の第1の管状端部分5に対してさらに溶接される。
図4に示されるように、これは、渡りスリーブの外周表面41bと管状端部分の終端面5aの開放端の間に配置された第2の溶接シーム45によって適切に達成され得る。
【0058】
図4には図解されていないが、渡りスリーブはまた、任意選択で、
図2に示されたのと同一のやり方で、長手方向の第2の終端面43において金属被覆2a’に溶接されてよい(溶接シーム26を比較されたい)。しかしながら、一般に、これは必要ではない。
【0059】
図5は、第4の例示的実施形態によるケーブルの接合機構50の断面を示すようにカットされた斜視図を図解するものである。第4の例示的実施形態は
図3に示された第2の例示的実施形態に類似であるが、第1のケーブル2が(
図4にも示されているように)波状の金属被覆2a’を備える点で第2の例示的実施形態とは異なる。
【0060】
接合機構50は、保護ケース4の前後軸Aと同軸の回転対称の渡りスリーブ51を備える。渡りスリーブ51は、好ましくは基本的に半径方向に配置された長手方向の第1の終端面52と、好ましくは基本的に半径方向に配置された長手方向の第2の終端面53とを備える。渡りスリーブ51は、第1の内径を有する第1の回転対称の部分51aと、第2の内径を有する第2の回転対称の部分51bとをさらに備える。第2の部分51bの第2の内径は、第1の部分51aの第1の内径よりも大きい。渡りスリーブ51の第1の回転対称の部分51aおよび第2の回転対称の部分51bの目的は、渡りスリーブが、保護ケース4の第1の管状端部分5の半径方向の外側に部分的に配置されて、しかも第1のケーブル2の金属被覆2a’に接し得るようにすることにある。
【0061】
図5に示されるように、渡りスリーブ51は、渡りスリーブの第2の回転対称の部分51bが保護ケース4の第1の管状端部分5の半径方向の外側に少なくとも部分的に設けられるように、配置されている。しかしながら、第1の回転対称の部分51aは、第1の管状端部分5から中心軸Aに沿って長手方向に引き離され、第1のケーブル2の金属被覆2a’に適合される。
【0062】
渡りスリーブ51は、渡りスリーブの長手方向の第1の終端面52において第1のケーブル2の金属被覆2a’に溶接されている。それによって、第1のケーブル2の金属被覆2a’の全周のまわりに第1の溶接シーム54が延在する。第1の溶接シームは、
図4に示された例示的実施形態に関して開示されたような理由のために、適切には波状の金属被覆2a’の山pに配置され得るが、必要に応じて、波状の金属被覆の谷に配置されてよく、または山と谷の両方を覆うように配置されてもよい。第1の溶接シーム54は、第1のケーブル2の金属被覆2a’と渡りスリーブ51の間の水密性接続をもたらす。
【0063】
その上、渡りスリーブ51は、渡りスリーブと第1の管状端部分の間の水密性接続をもたらすように、渡りスリーブ51の全周のまわりで保護ケース4の第1の管状端部分5に溶接されている。それによって、第2の溶接シーム55は、渡りスリーブの長手方向の第2の終端面53において渡りスリーブの全周のまわりに延在し、したがって保護ケース4の第1の管状端部分5の全周のまわりに延在する。
【0064】
図5に見られるように、第1の管状端部分5は、第1の管状端部分の少なくとも一部分5bの最も外側の周表面を形成する緩衝コーティング56を備え得る。そのような緩衝コーティングの目的は、渡りスリーブの材料および保護ケースの材料が、それぞれ互いに直接溶接するのが困難な種類のものである場合に、渡りスリーブの材料と保護ケースのバルク材料の間の溶接を容易することにある。緩衝コーティング56は、渡りスリーブの材料と保護ケース(より詳細には保護ケースの第1の管状端部分)のバルク材料の間の成分の拡散または移動が、渡りスリーブおよび保護ケースの一方または両方の材料の特性を劣化させるリスクがある場合には、そのような拡散または移動を最小限にする目的にも役立ち得る。したがって、そのような緩衝コーティング56がある場合には、渡りスリーブ51は保護ケース4の第1の管状端部分5の緩衝コーティング56に溶接される。
【0065】
図5には示されていないが、必要に応じて、第1の部分は、
図4に図解された例示的実施形態を参照しながら上記で説明されたのと同一の理由のために、金属被覆2a’のような波状形態に一致する幾何形状を有する内周表面を備えることも当然妥当性がある。しかしながら、第2の部分51bは、第1の管状端部分5の外周表面に対する優れた適合を保証するために、好ましくはこの外周表面に一致する滑らかな内周表面を有するべきである。
【0066】
本発明による機構の渡りスリーブが、実質的に一定の外径を有するか、または異なる内径を有する回転対称の部分を備えるか、ということに関係なく、渡りスリーブは、単一的なスリーブの形態でよく、または、それぞれが長手方向の第1の終端面と第2の終端面の間に延在して互いに回転対称の渡りスリーブを画定する複数のスリーブ部品を備えてもよい。渡りスリーブの長手方向の第1の終端面と第2の終端面の間にそれぞれ延在する複数のスリーブ部品を備える渡りスリーブは、とりわけ、機構の組立てが容易になるという利点を有する。
図6a〜
図6cは異なる例示的実施形態を図解するものであり、接合機構の渡りのスリーブはそのようなスリーブ部品を備える。
【0067】
図6aは、
図2に示された例示的実施形態の渡りスリーブ21が単一体の渡りスリーブではない場合の斜視図を図解するものである。渡りスリーブ21は、渡りスリーブ21の長手方向の第1の終端面22と長手方向の第2の終端面23の間に延在する第1のスリーブ部品28と、渡りスリーブ21の長手方向の第1の終端面22と長手方向の第2の終端面23の間に延在する第2のスリーブ部品29とを備える。第1のスリーブ部品28と第2のスリーブ部品29は、半径方向において互いに対向して、互いに渡りスリーブ21の回転対称の形状を画定するように配置されている。第1のスリーブ部品28と第2のスリーブ部品29は、溶接シーム60によって互いに接合され得る。
【0068】
図6bは、
図4に示された例示的実施形態による接合機構に対応する接合機構において、渡りスリーブ41が、渡りスリーブ41の長手方向の第1の終端面42と長手方向の第2の終端面43の間に延在する第1のスリーブ部品48と、渡りスリーブ41の長手方向の第1の終端面42と長手方向の第2の終端面43の間に延在する第2のスリーブ部品49とを備える場合の斜視図を図解するものである。第1のスリーブ部品48と第2のスリーブ部品49は、溶接シーム60(図中に見えるのは1つだけである)によって接合されている。
【0069】
図6cは、
図4に示された例示的実施形態による接合機構に対応する接合機構において、渡りスリーブ51が、渡りスリーブ51の長手方向の第1の終端面52と長手方向の第2の終端面53の間に延在する第1のスリーブ部品58と、渡りスリーブ51の長手方向の第1の終端面52と長手方向の第2の終端面53の間に延在する第2のスリーブ部品59とを備える場合の斜視図を図解するものである。第1のスリーブ部品58と第2のスリーブ部品59は、溶接シーム60(図中に見えるのは1つだけである)によって接合されている。
【0070】
図6a〜
図6cに図解された例示的実施形態では渡りスリーブが2つのスリーブ部品で作製されているが、渡りスリーブは、それぞれが長手方向の第1の終端面から長手方向の第2の終端面へ延在して渡りスリーブの回転対称の形状を互いに画定する2つよりも多くの(3つ、4つ以上などの)スリーブ部品で作製され得ることも、当然妥当性がある。しかしながら、機構をもたらすのに必要な作業を最小限にするために、必要とされる溶接の回数を最小限にするように、スリーブ部品の数は、2つか、場合により3つが好ましい。
【0071】
図7は、少なくとも第1のケーブルおよび保護ケースを備える、ケーブルの接合機構を提供するための方法の、例示の一実施形態を概略的に図解するものである。第1のケーブルは、金属被覆と、金属被覆が露出した長手方向の第1の端部とを備える。保護ケースは基本的に前後軸のまわりで回転対称であり、前後軸と同軸の第1の管状端部分を備える。この方法は、ケーブルの金属被覆上に渡りスリーブを配置するステップと、その後、長手方向の第1の端部が第1の管状端部分を通って延在するように、第1のケーブルの長手方向の第1の端部を第1の管状端部分に導入するステップとを含む。そのような位置では、第1のケーブルの金属被覆は第1の管状端部分を通って延在しても延在しなくてもよいが、第1の管状端部分の開放端において少なくとも存在する。第1のケーブルの長手方向の第1の端部が保護ケースの第1の管状端部分を通って延在するとき、渡りスリーブは、保護ケースの前後軸と同軸になるように配置され、その上、長手方向の第1の終端面が第1の管状端部分から長手方向に引き離され、長手方向の第2の終端面が第1の管状端部分の半径方向の内側または外側に配置される。したがって、渡りスリーブは、
図2〜
図5のうちいずれか1つに示されたように配置される。
【0072】
その後、渡りスリーブは、第1のケーブルの金属被覆の全周のまわりで金属被覆に溶接される。溶接は、渡りスリーブの長手方向の第1の終端面において行われる。
【0073】
その後、渡りスリーブは、渡りスリーブの全周のまわりで保護ケースの第1の管状端部分に溶接される。渡りスリーブの構成に依拠して、保護ケースに対する渡りスリーブの溶接は、渡りスリーブの長手方向の第2の終端面において行われてよく(
図3と
図5を比較されたい)、または渡りスリーブの周囲の外表面において行われてもよい(
図2と
図4を比較されたい)。
【0074】
この方法は、
図7に示されるようなステップの特定の順番に限定されない。たとえば、渡りスリーブは、第1のケーブルの長手方向の第1の端部が保護ケースの第1の管状端部分に導入される前に第1のケーブルの金属被覆に溶接されてよい。この方法は、あるいは、第1のケーブルの長手方向の第1の端部を保護ケースに導入するステップと、その後の、渡りのスリーブを第1のケーブルの金属被覆上に配置するステップと、それに続く、渡りスリーブを金属被覆および第1の管状端部分に対してそれぞれ溶接するステップとを含み得る。さらに別の(しかしながら、あまり望ましくない)選択肢によれば、この方法は、渡りスリーブを第1の管状端部分に溶接するステップと、それに続く、第1のケーブルの長手方向の第1の端部を保護ケースの第1の管状端部分に導入することにより、渡りスリーブを第1のケーブルの金属被覆上に配置するステップと、その後の、渡りスリーブをケーブルの金属被覆に溶接するステップとを含み得る。
【0075】
以下は、本発明による接合機構の構成要素の材料の妥当な選択の例を構成するものである。しかしながら、他の例にも妥当性があり、したがって、以下の例は、構成要素の材料の選択を限定するリストを構成するとは見なされないものとする。
【実施例1】
【0076】
銅または銅基合金の被覆およびステンレス鋼の保護ケースを備えるケーブルは、渡りスリーブがニッケルまたはニッケル基合金で作製されているとき、
図2および
図4のうちいずれか1つに示されるように互いに接合されてよい。
【実施例2】
【0077】
銅または銅基合金の被覆およびステンレス鋼の保護ケースを備えるケーブルは、保護ケースがニッケルの緩衝コーティングを備えるとき、
図3および
図5のうちいずれか1つに示されるように、ケーブルの金属被覆と基本的に同一の材料で作製された渡りスリーブを用いて互いに接合されてよい。
【実施例3】
【0078】
ステンレス鋼の被覆およびステンレス鋼の保護ケースを備えるケーブルは、前述の例示的実施形態のうちいずれか1つによって互いに接合されてよい。そのような場合の渡りスリーブは、ステンレス鋼、ニッケルまたはニッケル基合金で作製されよい。
【0079】
本発明による機構および方法は、長いケーブルを形成する目的で、2つの連続するケーブルを接合するための接合機構などの接合機構に関して上記で開示されてきたが、それに限定されない。本発明による機構および方法は、ケーブルの端末処理またはケーブルの交差接続に同様に使用され得る。
【0080】
本発明は、上記で開示された特定の実施形態に限定されることなく、添付の特許請求の範囲の範囲内で変化し得るものである。たとえば、ケーブルが延在することができる第1の管状端部分が保護ケースに備わっている限り、保護ケースの特定の構成は、本発明にとって必要ではない。したがって、保護ケースは、たとえば本発明の範囲から逸脱することなく、種々の構成の付加部分を備え得る。その上、本発明による機構は、長手方向の第1の終端における第1の管状端部分ならびに長手方向の第2の終端における第2の管状端部分を備える保護ケースを適切に備えてよく、第1のケーブルが第1の管状端部分を通って延在し、第2のケーブルが第2の管状端部分を通って延在し、第1のケーブルと第2のケーブルが、より長いケーブルをともに形成するように保護ケースの内側で接合され、少なくとも第1の管状端部分において(好ましくは第2の管状端部分においても)、渡りスリーブは、添付の独立請求項のうちいずれか1つによって開示された実施形態を含めて、例示の実施形態のいずれか1つにおいて上記で開示されたように配置されることに留意されたい。第1の管状端部分における渡りスリーブの機構は、第2の管状端部分における渡りスリーブの機構と同一であっても同一でなくてもよい。たとえば、保護ケースの第1の管状端部分における渡りスリーブは、
図2を参照しながら開示されたように配置されてよく、同じ保護ケースの第2の管状端部分における渡りスリーブは、
図3を参照しながら開示されたように配置されてよい。