【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の第1の態様によれば、導体の少なくとも一巻きを有しているコイルと、1枚以
上の強磁性体厚板と、前記コイルおよび前記強磁性体厚板の両方の周囲に配置され、使用
時に電磁束を導くシールド部材と、を備えている誘導電力伝達パッドが提供される。
【0014】
好ましくは、前記導体がリッツ線である。
【0015】
好ましくは、前記コイルが、ワイヤの複数回の巻きを有している。
【0016】
好ましくは、前記強磁性体厚板が、一枚物の厚板である。
【0017】
好ましくは、前記強磁性体厚板が、フェライト厚板である。
【0018】
好ましくは、各々の強磁性体厚板が、実質的に同じ平面に配置されている。
【0019】
好ましくは、各々の強磁性体厚板が、その長さが共通の点から放射状に、しかしながら
該点から離れて延びるように配置されている。
【0020】
好ましくは、各々の強磁性体厚板が、実質的に同じ角度によって隣の厚板から隔てられ
ている。
【0021】
好ましい実施形態によれば、IPTパッドは、8つの強磁性体厚板を備えており、それ
ぞれが隣の厚板から約45°だけ隔てられている。他の構成も、システムの要件に応じて
選択可能である。
【0022】
あるいは、別の実施形態においては、IPTパッドが複数の強磁性体厚板を備えており
、それら強磁性体厚板の部分集合が、共通の点から放射状に、しかしながらこの点から離
れて延びており、強磁性体厚板のさらなる部分集合が、別の共通の点から放射状に、しか
しながらこの点から離れて延びており、強磁性体厚板のまたさらなる部分集合が、前記共
通の点をつなぐ仮想の直線の方向に対して垂直に整列し、該仮想の線の各側において同じ
ように、該仮想の線から同じ距離だけ離れて、該仮想の線の長さ方向において等間隔に位
置している。
【0023】
好ましくは、前記コイルが、前記強磁性体厚板の平面に実質的に平行な平面に配置され
ている。
【0024】
好ましくは、前記コイルが、各厚板を各厚板の全長のほぼ中央において通過するように
、前記共通の点の周囲を巡るように配置されている。
【0025】
好ましくは、IPTパッドが、実質的に剛な背板を備えている。
【0026】
好ましくは、前記背板が、実質的に平面的である。
【0027】
好ましくは、前記背板の平面が、前記強磁性体厚板および前記コイルの平面に実質的に
平行であり、前記強磁性体厚板の平面が、前記背板および前記コイルの平面の間に位置し
ている。
【0028】
好ましくは、各々の強磁性体厚板が、背板との間の熱の伝達を可能にするとともに、該
厚板を機械的な衝撃から保護するために、熱伝導性かつ機械的には絶縁性の材料によって
前記背板から離されている。一実施形態によれば、各々の厚板を、発泡体またはゴムパッ
ドを使用して前記背板から隔てることができる。前記厚板を構成している材料は脆いので
、このような工程は、急激な温度変化によって引き起こされ、さらにはIPTパッドに加
わる機械的な応力に起因して引き起こされる厚板の割れを防止するように機能する。
【0029】
好ましい実施形態によれば、前記背板が、磁束の通過を実質的に妨げる材料から形成さ
れる。一実施形態においては、この材料が、アルミニウムである。
【0030】
好ましくは、前記シールド部材が、リングを形成するように端部が接合された材料の小
片から形成されている。
【0031】
好ましくは、前記シールド部材が、アルミニウムから形成されている。
【0032】
好ましくは、前記シールド部材が、前記背板へと接続されている。
【0033】
好ましくは、IPTパッドが、前記強磁性体厚板を所定の位置に保持するための空間が
形成されており、かつ前記コイルを収容するためのチャネルを有している部材を備えてい
る。
【0034】
好ましくは、前記部材が、磁束に有意な影響を及ぼすことがない材料から形成されてい
る。一実施形態においては、発泡体またはゴムが使用される。
【0035】
好ましくは、前記部材が、成型プロセスによって形成される。
【0036】
好ましくは、IPTパッドが、磁束に対して実質的に透過性な材料から形成されたカバ
ー板を備えている。一実施形態においては、この材料が、毒性のないプラスチックである
。
【0037】
好ましい実施形態によれば、前記カバー板および前記背板が、当該IPTパッドのハウ
ジングの前壁および後壁をもたらし、横壁が、前記シールド部材によってもたらされ、該
シールド部材が、好ましくは前記背板から前記カバー板へと延びるように構成されている
。
【0038】
この第1の態様によるIPTパッドは、充電パッドからの磁束の流れを導くことによっ
て、使用時に優れた性能を提供する。さらに詳しくは、前記背板および前記シールド部材
が、磁束を前記背板の平面から上向きに案内し、前記背板の平面における磁束の広がりお
よび前記背板の平面に平行な磁束の広がりを少なくするように機能する。これが、誘導結
合を改善するだけでなく、使用時に望ましくない物体が誘導磁界にさらされる機会も少な
くする。漏れが抑制されない場合、そのような物体の損傷につながりかねない点に、注意
することが重要である。例えば、電動車両の場合には、そのような漏れが、車輪の軸受の
腐食につながる可能性がある。
【0039】
本発明のIPTパッドは、より伝統的なIPTピックアップと比べて比較的薄型である
点でも、有益である。これは、ピックアップパッドが電動車両の下面へと接続される場合
にとくに重要である。なぜならば、地面とのすき間を保つことが重要だからである。
【0040】
第2の態様によれば、2つの誘導電力伝達パッドを備える誘導電力伝達システムが提供
され、2つの誘導電力伝達パッドが組み合わせて使用され、一方のパッドがピックアップ
パッドとして使用され、他方のパッドが充電パッドとして使用される。
【0041】
好ましくは、前記充電パッドが、電源へと接続可能であり、電池などの負荷へと接続す
ることができる前記ピックアップパッドへと誘導によって電力を伝達する。
【0042】
第3の態様によれば、電動またはハイブリッド電動車両の電池を充電するための装置で
あって、前記電池を高出力の電源へと選択的に接続するための第1の手段と、前記電池を
より低出力の電源へと選択的に接続するための第2の手段と、を備えており、前記第2の
接続手段が、前記電池へと電気的に接続されたピックアップパッドを備えており、電力が
、誘導による電力伝達によって充電パッドから前記ピックアップパッドへと伝達される装
置が提供される。
【0043】
好ましくは、前記第1の接続手段が、前記電池へと電気的に接続されたソケットを備え
ており、電力が、前記高出力の電源へと接続されたケーブルを前記ソケットに差し込むこ
とによって伝達される。このようにして、電気エネルギを、前記第1の接続手段を使用し
て電池へと迅速に伝達し、急速充電をもたらすことができる。
【0044】
当業者にとって明らかであるとおり、代案としては、前記第1の接続手段が、前記電池
へと電気的に接続されたプラグを備え、電力が、前記プラグを前記高出力の電源へと接続
されたケーブルに接続されたソケットに差し込むことによって伝達される。
【0045】
好ましくは、前記第2の接続手段が、本発明の第1の態様によるピックアップパッドを
備えている。
【0046】
IPTパッドを使用することで、ユーザは、車両を一晩中停車させておく場合など、機
会充電のためにケーブルを差し込む必要がない。これに加え、あるいはこれに代えて、必
要に応じて、電池をケーブルを使用してより低出力の電源へと接続できるように、第2の
ソケットを設けても、あるいは第1のソケットを構成してもよい。やはり、代案において
は、第2のソケットを、より低出力の電源へと接続されたソケットと対をなすように構成
されたプラグによって置き換えることができる。そのような実施形態は、準備および時間
が許すときに、電池をIPTを使用して充電できる点で、優れた柔軟性をもたらす。急速
充電が必要とされ、かつ高出力の電源が利用できる場合、電池をそこに接続することがで
きる。しかしながら、IPT充電も高出力の電源も利用できない状況で、電池が充電を必
要とする可能性も残っている。ユーザは、おそらくは移動時に充電パッドを車両に乗せ、
必要に応じて車両から取り出して、適切に配置して充電に使用することができる。これは
、IPTを含む本発明の実施形態が、幅広く利用可能な家庭の電圧において好ましく機能
するがゆえに可能であるが、これは不便である。
【0047】
したがって、電池をケーブルによって従来からの家庭のコンセントなどを介してより低
出力の電源へと接続できるよう、第2のソケットを、好ましくは車両の外表面に設けるこ
とができる。好ましい実施形態によれば、高出力の電源への接続に使用されるソケットを
、より低出力の電源への接続にも使用することができる。その結果、ケーブルを車両内に
携行するだけで、多くの家庭の回路を介して電池を充電することができる。
【0048】
このように、要件に応じ、さらにはどの種類の電力供給および伝達の形態が利用できる
かに応じて、ユーザが電池を、高出力の電源またはより低出力の電源へと選択的に接続す
ることができ、好ましくはより低出力の電源からの電力の伝達には、IPTが使用される
。
【0049】
好ましくは、前記高出力の電源が、10kW〜500kWの間の伝達速度を有している
。
【0050】
好ましくは、前記より低出力の電源が、従来からの家庭の配線によってもたらすことが
できるように、0.5kW〜2.5kWの間の伝達速度を有している。より好ましくは、
前記より低出力の電源が、1.0kW〜2.2kWの間である。
【0051】
本明細書の全体を通して、用語「電池」は、限定的なやり方では使用されておらず、1
つまたは任意の数のセルまたは電池あるいはスーパーキャパシタを含むことができる。
【0052】
好ましくは、装置が、前記充電パッドと前記ピックアップパッドとの間の整列を知らせ
る通知手段を備えている。
【0053】
好ましくは、装置が、前記電池が充電中である旨を知らせる通知手段を備えている。
【0054】
本発明の第4の態様によれば、充電式の電池と、この電池を充電するための前記第3の
態様の装置とを備える電動車両が提供される。
【0055】
この電動車両は、電気エネルギのみを動力とできる点で、「純粋な電動車両」であって
よい。しかしながら、本発明は、「純粋な電動車両」には限定されず、電気エネルギおよ
び少なくとも1つの別のエネルギ源(燃やすことができる燃料など)を動力とすることが
できるハイブリッド車両にも適用可能である。したがって、本明細書において「電動車両
」と述べた場合、純粋な電動車両および電気エネルギを1つの動力源とするハイブリッド
車両の両方が含まれる。
【0056】
本発明の第5の態様によれば、電動またはハイブリッド電動車両の電池を充電する方法
であって、前記電池を高出力の電源またはより低出力の電源へと選択的に接続するステッ
プを含んでおり、前記より低出力の電源へと前記電池を接続するステップが、前記電池に
電気的に接続された誘導電力伝達ピックアップパッドを誘導電力伝達充電パッドに近接し
て位置させるステップを含んでいる方法が提供される。
【0057】
好ましくは、前記電池を前記高出力の電源へと接続するステップが、プラグをソケット
に組み合わせるステップを含んでおり、前記プラグが、前記電池および前記高出力の電源
の一方へと組み合わせられ、前記ソケットが、前記電池および前記高出力の電源の他方へ
と組み合わせられている。
【0058】
より好ましくは、前記ピックアップパッドが車両の下面へと接続され、前記充電パッド
が地面に設けられ、前記電池を前記より低出力の電源へと選択的に接続するステップが、
前記ピックアップパッドが前記充電パッドの上方に位置し、あるいは前記充電パッドに作
動可能に隣接して位置するような位置へと、前記車両を走行させるステップを含んでいる
。
【0059】
好ましくは、前記充電パッドおよび前記ピックアップパッドのお互いからの距離を変化
させることができる。前記充電パッドを、昇降手段によって地面から昇降させることがで
きる。あるいは、前記ピックアップパッドを、昇降手段によって車両の下面から昇降させ
ることができる。
【0060】
好ましくは、この方法が、前記充電パッドと前記ピックアップパッドとの間の整列を知
らせるステップを含んでいる。
【0061】
好ましくは、この方法が、前記電池が充電中である旨を知らせるステップを含んでいる
。
【0062】
IPTピックアップパッドを車両の下面に配置することは、この配置構成が、充電中の
車両の周囲を移動する者に対していかなる物理的な妨げも呈さず、人間または他の異物が
充電中に誘起される磁界に曝される可能性がないため、審美的な理由で好ましい。しかし
ながら、本発明は、そのような配置に限定されない。ピックアップパッドを、車両上の基
本的に任意の場所に位置させることができ、充電パッドが、車両が所定の位置に駐車され
たときにIPT伝達が可能になるように取り付けられる。例えば、ピックアップパッドを
車両の前面または後面に設け、充電パッドを、車両が駐車されたときに誘導によってピッ
クアップパッドに結合するように車庫の壁に取り付けることができる。ユーザの介在が必
要となるがために好ましくないが、本発明は、ピックアップパッドおよび/または充電パ
ッドを可動の台または骨組みに取り付け、車両を駐車した後にIPT伝達を可能にすべく
ユーザが一方または両方のパッドを移動させることを、排除するものではない。このよう
な実施形態は、ユーザの介在がより多く必要であるという欠点を有するものの、車両の駐
車位置により大きな許容範囲を可能にする。
【0063】
第6の態様によれば、電動またはハイブリッド電動車両の電池を充電するためのシステ
ムであって、少なくとも1つの発電機を有している電気ネットワークまたは部分ネットワ
ークと、前記少なくとも1つの発電機によって生成されるエネルギを前記ネットワークの
あちこちに伝達するためのケーブルと、前記ネットワークを前記電池へと接続するための
IPT接続手段と、前記少なくとも1つの発電機から前記電池への電力の伝達を制御する
ための制御手段と、を備えているシステムが提供される。
【0064】
好ましくは、前記ネットワークが、複数の電動またはハイブリッド電動車両の複数の電
池へと接続される。
【0065】
任意のエネルギ源を、電気エネルギを生成すべく前記発電機によって使用することがで
きる。しかしながら、好ましい実施形態によれば、再生可能なエネルギ源が使用される。
前記制御手段を使用することによって、再生可能なエネルギ源から生成される電力の変動
性に関する諸問題を克服することができ、電池へと供給される電力を、ネットワーク上の
電力需要が利用可能な電力により上手く一致するように変化させることによって、ネット
ワークの安定性を向上させることができる。この利益は、ネットワークが複数の電動また
はハイブリッド電動車両の複数の電池へと接続されるシステムの実施形態によれば、さら
に顕著である。
【0066】
好ましくは、前記制御手段が、負荷率を最適化すべく電力の伝達を変化させるように構
成されている。その結果、ネットワークの制御者(例えば、電力会社)が、供給と需要と
をより上手く一致させるべく、ネットワークへと接続された電池への電力の伝達を変化さ
せることができる。
【0067】
一実施形態によれば、前記車両の電池が、ネットワークを運営するネットワークの制御
者によって所有され、車両の所有者へと貸し出される。
【0068】
この第6の態様のシステムは、好ましくは、前記第1の態様による少なくとも1つのI
PTパッド、および/または前記第3の態様による少なくとも1つの充電のための装置、
および/または前記第4の態様による少なくとも1つの電動車両を含んでいる。
【0069】
好ましくは、前記制御手段が、通信チャネルによって制御される。
【0070】
本発明の第7の態様によれば、電動またはハイブリッド電動車両の電池を充電する方法
であって、前記電池を誘導電力伝達を使用して電気ネットワークまたは部分ネットワーク
へと接続するステップと、前記ネットワークを介して前記電池へと電気エネルギを伝達す
るステップと、少なくとも1つの所定の基準に従って電力の伝達を変化させるステップと
、を含んでいる方法が提供される。
【0071】
好ましくは、前記少なくとも1つの所定の基準が、1日のうちの時刻、前記ネットワー
クへの需要の水準、および前記ネットワークにおいて利用できる供給の水準(ネットワー
クのエネルギ源が変動性である場合にとくに該当する)のうちの1つ以上を含むことがで
きる。
【0072】
好ましくは、この方法が、複数の電動車両の電池を前記ネットワークへと接続するステ
ップ、および電池のすべてまたは部分集合へと選択的に電力を伝達するステップをさらに
含む。
【0073】
好ましくは、この方法が、複数の電動車両の電池を前記ネットワークへと接続するステ
ップ、およびすべての電池または電池の部分集合へと選択的に電力を伝達するステップを
さらに含む。
【0074】
好ましくは、この方法が、前記ネットワークへの電池の負荷を割り出すために、電気幹
線の周波数を変化させるステップをさらに含む。
【0075】
本発明の第8の態様によれば、電気ネットワークへと電力を供給するためのシステムで
あって、少なくとも1つの発電機を有している電気ネットワークまたは部分ネットワーク
と、複数の電動またはハイブリッド電動車両の複数の電池、前記複数の電池に蓄えられた
エネルギを伝達するためのケーブルと、前記電池を前記ネットワークへと接続するための
IPT接続手段と、前記複数の電池から前記ネットワークへの電力の伝達を制御するため
の制御手段と、を備えているシステムが提供される。
【0076】
本発明の第9の態様によれば、電気ネットワークへと電力を供給する方法であって、複
数の電動またはハイブリッド電動車両の複数の電池を、誘導電力伝達を使用して前記ネッ
トワークへと接続するステップと、前記電池から前記ネットワークへと電気エネルギを伝
達するステップと、少なくとも1つの所定の基準に従って、前記電力の伝達を変化させる
ステップと、を含んでいる方法が提供される。
【0077】
本発明の第10の態様によれば、電気ネットワークにおける負荷需要を制御するための
システムであって、少なくとも1つの発電機を有しており、供給する電力の周波数を変化
させることができる電気ネットワークと、前記ネットワークへと接続された少なくとも1
つの負荷と、前記ネットワークが供給する電力の周波数を監視し、該周波数に応じて前記
負荷が消費する電力を増減させる制御手段と、を備えているシステムが提供される。
【0078】
本発明の第11の態様によれば、電気ネットワークへの負荷需要を制御する方法であっ
て、前記ネットワークによって供給される電力の周波数の変化を許すステップと、前記ネ
ットワークによって供給される電力の周波数を監視するステップと、前記周波数に応じて
前記負荷によって消費される電力を増減させるステップと、を含んでいる方法が提供され
る。
【0079】
その新規な態様のすべてにおいて考慮されるべき本発明のさらなる態様が、本発明の実
際の応用の少なくとも1つの例を提示する以下の説明を検討することによって、当業者に
とって明らかになるであろう。