(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0027】
添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。(なお、各図において、同一の符号を付したものは、同一又は同様の構成を有する。)
【0028】
図1に本実施形態に係る空調管理サーバ101を用いた空調管理システム10の構成図を示す。空調管理システム10は、空調管理サーバ101、ユーザ端末201、管理者端末202、空調機器301、及び気温センサ401を備える。
【0029】
空調管理サーバ101はネットワークNを介してユーザ端末201、管理者端末202、気温センサ401と通信可能である。ユーザ端末201及び管理者端末202は、例えば、デスクトップ型のパーソナルコンピュータである。あるいは、ノート型のパーソナルコンピュータやタブレット端末等の持ち運び可能なコンピュータであってもよい。
【0030】
図2に示すように複数のユーザ端末201が空間Sの内部に配置される。それぞれのユーザ端末201のユーザUが、ユーザ端末201を使用する。
【0031】
空調機器301は、空間Sの空調を管理するための機器である。空調機器301が気温を管理可能な範囲A1、A2、及びA3がそれぞれ示される。空調機器301は、それぞれの範囲A1、A2、及びA3における空調を管理する。空調機器301は、一台の機器によって構成されてもよく、また、複数台の機器によって構成されてもよい。
【0032】
気温センサ401は、空間Sの内部に複数配置される。気温センサ401によって、気温センサ401の周囲の気温を計測することができる。
【0033】
本実施形態において、空調の管理は、快適温度ゾーンCZに基づいて行われる。
図3を参照して快適温度ゾーンCZについて説明する。快適温度ゾーンCZとは、空間S内のユーザUが周辺環境の温度環境が快適であると感じる温度領域である。
図3には、年間における快適温度ゾーンCZの基準値の推移が示される。
【0034】
快適温度ゾーンCZの基準値は、最大値Tmax、最小値Tminを有する。最大値Tmax、最小値Tminは、一年間を通して、各時期に適した値に設定される。例えば、夏場の8月における最大値Tmax、最小値Tminは、冬場の2月における最大値Tmax、最小値Tminよりも高い温度である。
【0035】
空調機器301は、空間Sの気温が、快適温度ゾーンCZ内に位置するように制御される。空調機器301の制御については後述する。
【0036】
本実施形態に係る空調管理サーバ101について、
図4のブロック図を参照しつつ説明する。空調管理サーバ101は、評価取得部110、快適温度ゾーン設定部120、温度情報取得部130、センサ情報取得部140、気温推定部150、記憶部160、入力画面表示部170、他者評価表示部180、及び管理画面表示部190を有する。
図4に示す各部は、例えば、空調管理サーバ101において、メモリ等の記憶領域を用いたり、記憶領域に格納されたプログラムをプロセッサが実行したりすることにより、実現することができる。
【0037】
評価取得部110は、後述する手順によって、空間S内のユーザUによる気温評価を取得する。快適温度ゾーン設定部120は、評価取得部110によって取得された気温評価又は記憶部160に記録された各時期の快適温度ゾーンCZの基準値に基づいて、快適温度ゾーンCZを設定する。
【0038】
温度情報取得部130は、各ユーザ端末201から、各ユーザ端末201の端末温度情報を取得する。端末温度情報は例えば、CPU温度に関する情報である。CPU温度に関する情報には、最高CPU温度等の情報が含まれる。センサ情報取得部140は、空間S内に配置される気温センサ401から、気温センサ401によって計測された計測気温を取得する。
【0039】
気温推定部150は、端末温度情報又は計測気温に基づいて、空間S内の各ユーザUの周囲の気温を推定する。気温の推定の方法については、後述する。
【0040】
記憶部160は、快適温度ゾーンCZの基準値の情報、気温推定部150による気温の推定に用いられる情報、及び空間Sの地図情報を記憶する。
【0041】
入力画面表示部170は、ユーザUによる気温評価を入力するための画面を生成し、ユーザ端末201の各画面において表示させる。
【0042】
他者評価表示部180は、各ユーザ端末201の画面において、各ユーザUの位置、各地点の気温及び他のユーザUによる気温評価を表示する。
【0043】
管理画面表示部190は管理者端末202の画面において、空調機器301の管理に用いる情報を表示する。
【0044】
空調管理システム10による範囲A1に対する空調管理について説明する。
図5のシーケンス図を用いて概略を説明する。ここでは、範囲A1に配置される2つのユーザ端末201からの情報に基づく場合について説明する。なお、ユーザ端末201は2つより多く配置されていてもよいし、1つでもよい。
【0045】
ステップS101において、空調管理サーバ101によって、快適温度ゾーンCZの初期値が設定される。ステップS102において、空調管理サーバ101から管理者端末202へと、快適温度ゾーンCZの初期値が送信される。
【0046】
ステップS103において、管理者端末202から空調管理サーバ101へ、快適温度ゾーンCZに基づいて設定された、空調機器301の設定温度Tsetが送信される。設定温度Tsetは空調管理サーバ101の記憶部160に記憶される。
【0047】
ステップS104、S105において、2つのユーザ端末201からそれぞれの端末温度情報が空調管理サーバ101へ送信される。
【0048】
ステップS106において、空調管理サーバ101は、それぞれの端末温度情報に基づいて、推定気温Taを推定する。推定気温Taが範囲A1の気温として用いられる。ステップS107において、空調管理サーバ101から管理者端末202へ推定気温Taが送信される。
【0049】
ステップS108、S109において、空調管理サーバ101は、ユーザ端末201のそれぞれへ設定温度Tsetを含む入力画面情報を送信する。
【0050】
ステップS110、S111において、空調管理サーバ101は、ユーザ端末201のそれぞれから空調評価を取得する。
【0051】
ステップS112において、空調管理サーバ101は、空調評価を集計する。ステップS113において、空調管理サーバ101は、空調評価に基づいて変更された快適温度ゾーンCZを設定する。
【0052】
ステップS114において、空調管理サーバ101から管理者端末202へと、変更された快適温度ゾーンCZが送信される。以降、空調管理システム10は、ステップS103からステップS114までの処理を繰り返して空調管理を行う。
【0053】
ステップS101における、空調管理サーバ101による快適温度ゾーンCZの初期値の設定は、快適温度ゾーン設定部120が、記憶部160に記憶された快適温度ゾーンCZの基準値の情報を取得し、各時期に適切な初期値を設定することによって行われる。
【0054】
設定温度Tsetは、快適温度ゾーンCZに関する情報に基づいて、管理者によって設定される。管理者は、リモコンなどの外部機器を用いて空調機器301に設定温度Tsetを送信する。空調機器301がネットワークNに接続される場合、管理者がネットワークNを介して空調機器301に設定温度Tsetを送信できるようにしてもよい。
【0055】
空調機器301は、領域Aの気温が設定温度Tsetに近づくように空調制御を行う。空調機器301による設定温度Tsetに基づいた空調制御には公知の手法を用いることができる。
【0056】
図6から
図9を参照して、空調管理サーバ101における、気温推定部150による推定気温Taの推定について説明する。
【0057】
推定気温Taの算出はユーザ端末201における最高CPU温度と気温との相関関係に基づいて行われる。
図6に相関関係の一例を示す。
図6の横軸はあるユーザ端末201を使用するユーザUの周囲の気温、縦軸はコンピュータの最高CPU温度である。
図6は散布図であり、ユーザUの周囲の気温と、対応する最高CPU温度が示される。この散布図において、回帰分析を行うことによって、周囲気温と最高CPU温度との相関関係が求められる。
【0058】
図6には、周囲気温と最高CPU温度との相関関係を、ユーザUの周囲の気温を目的変数、最高CPU温度を説明変数とする単回帰分析によって求めた結果得られた回帰直線が直線Lとして示される。直線Lによって最高CPU温度から、ユーザUの周囲の気温を算出することができる。
【0059】
また、回帰分析において、説明変数としてCPU温度以外の端末温度情報や、センサ情報取得部140からの計測気温を加え、ユーザUの周囲の気温を目的変数とする重回帰分析を行ってもよい。端末温度情報には、例えば、CPU温度に加えてCPUタイプ及びCPU使用率が含まれる。
【0060】
単回帰分析と重回帰分析のいずれの場合においても、記憶部160には、端末温度情報及び当該端末温度情報が取得された際におけるユーザUの周囲の気温の実測値を教師データとして、機械学習された気温推定モデルが記憶される。
【0061】
ユーザUの周囲の気温の推定は、
図7に示されるフローチャートに沿って行われる。ステップS201において、温度情報取得部130は、ユーザ端末201から、CPU温度、CPUタイプ、CPU使用率を含む端末温度情報を取得する。
【0062】
ステップS202において、気温推定部150は、単回帰分析による単回帰モデルを気温推定モデルとして用いるか否かを判断する。
【0063】
ステップS202において肯定判断された場合、ステップS213において、気温推定部150は、CPU温度及びCPU温度が取得された際におけるユーザUの周囲の気温の実測値を教師データとして機械学習された学習済みの気温推定モデルを選択する。
【0064】
ステップS202において否定判断された場合、ステップS223において、気温推定部150は、CPU温度、CPUタイプ、CPU使用率及び計測気温及びCPU温度、CPUタイプ、CPU使用率及び計測気温が取得された際におけるユーザUの周囲の気温の実測値を教師データとして機械学習された学習済みの気温推定モデルを選択する。
【0065】
ステップS204において、気温推定部150は、選択された気温推定モデルから、各ユーザUの周囲の気温を推定する。
【0066】
ステップS205において、気温推定部150は、推定気温Taの推定にあたり、計測気温を使用するか否かを判断する。
【0067】
ステップS205において肯定判断された場合、ステップS216において、センサ情報取得部140は気温センサ401から計測気温を取得する。
【0068】
ステップS217において、気温推定部150は、各ユーザUの周囲の気温及び計測気温の平均値として、推定気温Taを推定する。
【0069】
ステップS205において否定判断された場合、ステップS227において、気温推定部150は、各ユーザUの周囲の気温の平均値として、推定気温Taを推定する。
【0070】
気温推定部150は、機械学習した気温推定モデルを用いずに、事前に定義した気温推定モデルを用いてもよい。
図8には、ユーザ端末201が起動してから経過した起動時間と、CPU温度との関係が示される。
図9には、CPU使用率とCPU温度との関係が示される。これらの関係に基づいて、CPU温度を、起動時間及びCPU使用率によって算出することができる。CPUタイプの情報をさらに加えることによって、CPU温度の算出精度を高くすることができる。
【0071】
図8、
図9に示されるようなモデルに基づいて算出されたCPU温度と、ユーザUの周囲の気温との関係を事前に定義したモデルに当てはめることによって、各ユーザUの周囲の気温を推定できる。
【0072】
図10に、事前に定義した気温推定モデルによる推定気温Taの推定のフローチャートが示される。ステップS301において、温度情報取得部130は、CPUタイプ、CPU使用率、及び端末の起動からの時間をユーザ端末201から取得する。ステップS302において、温度情報取得部130は、記憶部160から、記憶部160に予め記憶された端末ごとの補正値を取得する。
【0073】
ステップS303において、気温推定部150は、CPUタイプ、CPU使用率、起動時間、及び端末ごとの補正値の関数として、各ユーザUの周囲の気温を推定する。
【0074】
ステップS304において、気温推定部150は、各ユーザUの周囲の気温の平均値として、推定気温Taを推定する。
【0075】
なお、
図7のフローチャートに示される処理と同様に、推定気温Taの推定にあたり、計測気温を用いることも可能としてもよい。
【0076】
以上説明した気温推定部150が気温推定モデルによって算出した推定気温Taに基づいて、管理者端末202を介して空調機器301の設定温度Tsetが設定される。
【0077】
図11及び
図12を参照して、推定気温Taに基づいた、空調機器の設定温度Tsetの設定について説明する。
【0078】
図11には、推定気温Taの変動が白丸で、及び設定温度Tsetの変化が黒丸で示される。横軸は時間、縦軸は温度である。
図11では、推定気温Taが快適温度ゾーンCZの中にある状態が保たれている。この時、管理者は設定温度Tsetを変更しない。空調機器301によって、設定温度Tsetに従い、推定気温Taが、快適温度ゾーンの中央値Tcの付近に位置するような制御が行われる。
【0079】
図12には、推定気温Taが快適温度ゾーンCZの最大値Tmaxより大きい状態から、快適温度ゾーンCZの中にある状態に至るまでの推定気温Taの変動及び設定温度Tsetの変化が示される。
【0080】
最初の状態において、推定気温Taは快適温度ゾーンCZの上方にあるので、ユーザUにとって暑い状態となっている。よって、管理者は設定温度Tsetを適宜減少させる。設定温度Tsetが適宜減少することで、空調機器301によって推定気温Taが快適温度ゾーンCZの中央値Tcの付近に位置するような制御が行われる。
【0081】
次に、空調管理サーバ101による、快適温度ゾーンCZの設定方法について説明する。空調管理サーバ101は
図13のフローチャートに示される処理を行うことによって、快適温度ゾーンCZを設定する。
【0082】
ステップS401において、評価取得部110は、各ユーザ端末201に、
図14に示されるような評価画面510を表示するために必要な評価画面情報を送信する。評価画面510は、周囲気温欄511、空調機器設定温度欄512、評価ボタン513、514、端末温度情報表示欄515、及び備考欄516を有する。なお、評価画面510は、例えば、ユーザ端末201にインストールされた専用のアプリケーションにより表示されてもよいし、ウェブブラウザ等の汎用のアプリケーションにより表示されてもよい。
【0083】
評価取得部110は、気温推定部150が推定した推定気温Ta、記憶部160に記憶された空調機器の設定温度Tset、温度情報取得部130が取得したCPU温度とCPUタイプとCPU使用率、及び備考情報を、ユーザ端末201へ送信する。
【0084】
ユーザ端末201において、周囲気温欄511に推定気温Ta、空調機器設定温度欄512に設定温度Tsetがそれぞれ表示される。
【0085】
各ユーザUは、周囲気温欄511を参照することによって、自身の周囲の気温を知ることができる。各ユーザUは空調機器設定温度欄512を参照することによって、空調機器の設定温度を知ることができる。
【0086】
評価ボタン513には「暑い」という文字が表示される。評価ボタン514には「寒い」という文字が表示される。評価ボタン513又は評価ボタン514を各ユーザUが選択する若しくはいずれも選択しないことによって、ユーザUによる気温評価がなされる。
【0087】
ユーザUが暑いと感じている場合は、ユーザUは評価ボタン513を選択する。ユーザUが寒いと感じている場合は、ユーザUは評価ボタン514を選択する。ユーザ端末201は、評価ボタン513又は評価ボタン514が選択されているという選択情報を保持する。また、評価ボタン513及び414のいずれもが選択されていない場合は、ユーザUが気温に対して要望を有していないということである。この場合においても、ユーザ端末201は、ボタンが選択されていないという選択情報を保持する。
【0088】
端末温度情報表示欄515に、CPU温度、CPUタイプ、及びCPU使用率が表示される。備考欄516には、備考情報として管理者からのメッセージが表示される。
【0089】
なお、CPU温度、CPUタイプ、及びCPU使用率は、空調管理サーバ101を経由せずに、ユーザ端末201によって直接取得された情報が表示されてもよい。
【0090】
ステップS402において、評価取得部110は、ユーザ端末201における評価ボタン513及び評価ボタン514による選択情報を参照し、各ユーザUによる気温評価を取得する。
【0091】
ステップS403において、評価取得部110は、各ユーザ端末201において選択された、「暑い」の件数Nh及び「寒い」の件数Ncをそれぞれ算出する。
【0092】
ステップS404において、評価取得部110は、記憶部160に予め記憶されたユーザの評価の必要数Nthを取得する。必要数Nthは、ユーザUの人数に対して、十分な人数が気温評価を行っているか否かを判断するために用いられる。必要数Nthを用いることで少数の気温評価によって、快適温度ゾーンCZが変更されることを抑制できる。
【0093】
ステップS405において、評価取得部110は、快適温度ゾーン設定部120から、快適温度ゾーンCZの最大値Tmax及び最小値Tminを取得する。
【0094】
ステップS416において、評価取得部110は、「暑い」の件数Nhが「寒い」の件数Ncよりも大きくかつ「暑い」の件数Nhが必要数Nthよりも大きいか否かを判断する。
【0095】
ステップS416において肯定判断された場合は、各ユーザUの気温評価を多数決した場合に、暑いと思うユーザUの数が多くかつ相当数のユーザUが暑いと感じていることを意味する。
【0096】
ステップS416において肯定判断された場合、快適温度ゾーン設定部120は、ステップS417において、快適温度ゾーンCZのゾーン変化量ΔT1を算出する。
【0097】
ステップS418において、快適温度ゾーン設定部120は、最小値Tminからゾーン変化量ΔT1を減じた値を新たな最小値Tminとして設定する。また、最大値Tmaxからゾーン変化量ΔT1を減じた値を新たな最大値Tmaxとして設定する。
【0098】
ステップS416において否定判断された場合、評価取得部110は、ステップS426において、「寒い」の件数Ncが「暑い」の件数Nhよりも大きくかつ「寒い」の件数Nhが必要数Nthよりも大きいか否かを判断する。
【0099】
ステップS426において肯定判断された場合は、各ユーザUの気温評価を多数決した場合に、寒いと思うユーザUの数が多くかつ相当数のユーザUが寒いと感じていることを意味する。
【0100】
ステップS426において肯定判断された場合、快適温度ゾーン設定部120は、ステップS427において、快適温度ゾーンCZのゾーン変化量ΔT2を算出する。
【0101】
ステップS428において、快適温度ゾーン設定部120は、最小値Tminにゾーン変化量ΔT2を加えた値を新たな最小値Tminとして設定する。また、最大値Tmaxにゾーン変化量ΔT2を加えた値を新たな最大値Tmaxとして設定する。
【0102】
ステップS426において否定判断された場合、快適温度ゾーン設定部120は、最大値Tmax及び最小値Tminを変更しない。つまり、快適温度ゾーンCZは同じ状態が再度設定される。
【0103】
快適温度ゾーン設定部120による快適温度ゾーンCZの設定過程の一例を
図15に示す。なお、ここでは、説明のために、推定気温Taは、快適温度ゾーンCZの中央値Tcに保たれる理想的な状況を仮定する。実際には、推定気温Taは時間経過に伴って変動する。
【0104】
図15では、まず時間間隔T1ごとに、空調管理サーバ101によって
図13に示された処理が行われる。時刻C1における処理において、評価取得部110がステップS416において肯定判断したとする。このとき、快適温度ゾーン設定部120が、快適温度ゾーンCZをゾーン変化量ΔT1だけ下方へシフトさせる。
【0105】
快適温度ゾーンCZが、このように、気温評価の件数に基づいて変更された場合、空調管理サーバ101は、時間間隔T1より長い時間間隔T2で、
図13に示された処理が行われる。ここでは、時間間隔T2の場合の処理は、快適温度ゾーンCZをシフトさせないような処理が行われている。
【0106】
時刻C1よりも後の時刻C2において、評価取得部110がステップS416において肯定判断したとする。このとき、快適温度ゾーン設定部120が、快適温度ゾーンCZをゾーン変化量ΔT1だけさらに下方へシフトさせる。なお、この場合のゾーン変化量ΔT1は、時刻C1における場合とは異なる値でも同じ値であってもよい。
【0107】
時刻C2よりも後の時刻C3において、評価取得部110がステップS426において肯定判断したとする。このとき、快適温度ゾーン設定部120が、快適温度ゾーンCZをゾーン変化量ΔT2だけ上方へシフトさせる。
【0108】
快適温度ゾーン設定部120による快適温度ゾーンCZの設定は、
図16に示されるフローチャートによる処理によって行われてもよい。ステップS501からステップS505までは、ステップS401からステップS405と同様である。
【0109】
ステップS506において、快適温度ゾーン設定部120は、記憶部160に予め記憶された、快適温度ゾーンの幅の上限値Tth1及び下限値Tth2を取得する。
【0110】
ステップS517、S518、S527、及びS528は、ステップS416、S417、S426、及びS427と同様である。ステップS527において否定判断された場合も、ステップS426と同様である。
【0111】
ステップS519において、快適温度ゾーン設定部120は、最大値Tmaxからゾーン変化量ΔT1を減じた値を新たな最大値Tmaxとして設定する。ステップS529において、快適温度ゾーン設定部120は、最小値Tminにゾーン変化量ΔT2を加えた値を新たな最小値Tminとして設定する。
【0112】
ステップS510において、快適温度ゾーン設定部120は、快適温度ゾーンのゾーン幅Twを、最大値Tmaxと最小値Tminの差から算出する。
【0113】
ステップS5111において、快適温度ゾーン設定部120は、ゾーン幅Twが上限値Tth1より大きいか否かを判断する。ステップS5111において肯定判断された場合、快適温度ゾーン設定部120は、最小値Tminからゾーン変化量ΔT1を減じた値を新たな最小値Tminとして設定する。
【0114】
ステップS5112において否定判断された場合、快適温度ゾーン設定部120は、ステップS5211において、ゾーン幅Twが下限値Tth2より小さいか否かを判断する。ステップS5211で肯定判断された場合、快適温度ゾーン設定部120は、最大値Tmaxにゾーン変化量ΔT2を加えた値を新たな最大値Tmaxとして設定する。ステップS5211で否定判断された場合は、処理を終了する。
【0115】
快適温度ゾーン設定部120による快適温度ゾーンCZの設定過程の他の一例を
図17に示す。推定気温Taの変動に関しては
図15についてと同様に仮定する。例えば、時刻C4において、評価取得部110がステップS517において肯定判断したとする。
【0116】
このとき、快適温度ゾーン設定部120は、最大値Tmaxをゾーン変化量ΔT1だけさらに下方へシフトさせる。最大値Tmaxのシフトによって変化した快適温度ゾーンCZのゾーン幅Twは、上限値Tth1より小さくかつ下限値Tth2より大きいとする。このとき、最小値Tminはそのままである。
【0117】
時刻C5において、評価取得部110がステップS517において肯定判断したとする。このとき、快適温度ゾーン設定部120は、最大値Tmaxをゾーン変化量ΔT1だけさらに下方へシフトさせる。
【0118】
ゾーン幅Twが、下限値Tth2より小さくなるとする。このとき、快適温度ゾーン設定部120は、最小値Tminをゾーン変化量ΔT1だけ下方へシフトさせる。
【0119】
時刻C6において、評価取得部110がステップS527において肯定判断したとする。このとき、快適温度ゾーン設定部120は、最大値Tmaxをゾーン変化量ΔT2だけ上方へシフトさせる。ゾーン幅Twは、上限値Tth1より小さくかつ下限値Tth2より大きいとする。このとき、最小値Tminはそのままである。
【0120】
なお、ステップS5111及びステップS5212におけるゾーン変化量ΔT1及びΔT2は、先に設定されたゾーン変化量と異なっていてもよい。つまり、上限値Tth1及び下限値Tth2の条件を満たす範囲内で最大値Tmax又は最小値Tminを変更することができればよい。
【0121】
図16又は
図17に示されるように快適温度ゾーンCZをユーザUからの気温評価によって設定することで、よりユーザUの要求を反映した快適な空調環境を提供することができるようになる。
【0122】
空調管理サーバ101は、ユーザ端末201又は管理者端末202に、気温評価を伝えるための画面を表示させることができる。あるユーザ端末201に対して気温評価を伝える画面を表示する場合について、
図18、
図19を参照して説明する。
【0123】
図18は空調管理サーバ101による処理のフローチャートである。ステップS601において、他者評価表示部180は、記憶部160に記憶された空間Sの地図情報を取得する。
【0124】
ステップS602において、他者評価表示部180は、当該ユーザ端末201の位置としてユーザUの空間Sにおける位置を取得する。ステップS603において、他者評価表示部180は、気温推定部150から、空間内の各領域における推定気温Taに関する情報を取得する。
【0125】
ステップS604において、他者評価表示部180は、他のユーザの位置情報を取得する。ステップS605において、他者評価表示部180は、評価取得部110から、他のユーザによる気温評価を取得する。
【0126】
ステップS606において、他者評価表示部180は、当該ユーザ端末201の画面に、地図画面181を、ユーザUの位置、推定気温Taに関する情報、及び他のユーザによる気温評価を重ねて表示する。
【0127】
地図画面181の一例は
図19に示される。
図19では、他のユーザの位置の近くに気温評価を配置することで、他のユーザの位置と気温評価が対応して表示される。
【0128】
管理者端末202に対して気温評価を伝える画面を表示する場合について、
図20、
図21を参照して説明する。
【0129】
図20は空調管理サーバ101による処理のフローチャートである。ステップS701において、管理画面表示部190は、記憶部160に記憶された空間Sの地図情報を取得する。ステップS702において、管理画面表示部190は、各ユーザ端末201の位置としてユーザUの空間Sにおける位置を取得する。ステップS703において、管理画面表示部190は、気温推定部150から、空間内の各領域における各ユーザUの周囲の気温を取得する。
【0130】
ステップS704において、管理画面表示部190は、評価取得部110から、各ユーザによる気温評価を取得する。
【0131】
ステップS705において、管理画面表示部190は、管理者端末202の画面に、地図画面191を、推定気温Taに関する情報、各ユーザによる気温評価、及び空調機器301のそれぞれが気温を管理可能な範囲、を重ねて表示する。
【0132】
地図画面191の一例は
図21に示される。
図21では、ユーザの位置の近くにそのユーザによる気温評価を配置することで、ユーザの位置と気温評価が対応して表示される。
【0133】
なお、地図画面181及び地図画面191においては、例えば、表形式で気温評価を表示してもよい。また、推定気温Taに関する情報は、推定気温Taを推定するために用いる各ユーザUの周囲の気温をそのまま用いてもよく、推定気温Taを用いてもよい。
【0134】
以上本実施形態について説明した。本実施形態に係る空調管理サーバ101は、空調機器301によって温度が管理される空間S内に配置される複数のユーザ端末201のそれぞれのユーザUにより入力される気温評価を、複数のユーザ端末201のそれぞれから取得する評価取得部110と、気温評価に基づいて、快適温度ゾーンCZを設定する快適温度ゾーン設定部120と、を備える。
【0135】
空調管理サーバ101は、評価取得部110により空間S内のユーザUからの気温評価を取得し、気温評価に基づいて、快適温度ゾーンCZの設定を行う。空調機器301は、空間内の気温が快適温度ゾーンCZの範囲内に位置するような空調制御を行う。快適温度ゾーンCZに基づいて、空調機器301に空調制御を行わせることで、各ユーザUにとって快適な空調環境を作り出すことができる。
【0136】
空調管理サーバ101では、気温評価は、暑い場合になされる気温評価及び寒い場合になされる気温評価を含む。暑いか寒いかという、各ユーザUの体感温度を基準とした評価に基づいて、快適温度ゾーンCZの温度を設定することができる。温度に基づく評価によって、温度を設定できるので、ユーザUの評価を適切に反映して快適温度ゾーンCZを設定できる。
【0137】
快適温度ゾーン設定部120は、暑い場合になされる気温評価の件数Nh及び寒い場合になされる気温評価の件数Ncに基づいて、快適温度ゾーンCZを設定する。気温評価の件数Nh及びNcを用いることで、空間S内のユーザUによる全体的な評価を反映して快適温度ゾーンCZを設定できる。
【0138】
評価取得部110は、所定の時間間隔T1ごとに取得される気温評価の件数Nh及びNcに基づいて快適温度ゾーンCZが設定された場合に、時間間隔T1よりも長い時間間隔T2で、快適温度ゾーンCZを設定する。
【0139】
快適温度ゾーンCZの変更までの時間間隔を異ならせることで、空調機器301の設定温度Tsetが頻繁に変更されないようにすることができる。よって、空間S内での気温の変動を抑制することができるので、ユーザUの快適性が損なわれにくくなる。
【0140】
快適温度ゾーン設定部120は、気温評価の件数Nhが、気温評価の件数Ncよりも多い場合は、快適温度ゾーンCZの最大値Tmaxを下げ、気温評価の件数Nhが、気温評価の件数Ncよりも少ない場合は、快適温度ゾーンCZの最小値Tminを上げるように、快適温度ゾーンCZを設定する。
【0141】
気温評価の件数Nh及びNcに基づいて、多数決をとることで、ユーザUの暑い又は寒いという評価を反映できるので、より適切な快適温度ゾーンCZの設定を行うことができる。
【0142】
快適温度ゾーン設定部120は、最大値Tmaxと最小値Tminの差であるゾーン幅Twが所定の上限値Tth1及び下限値Tth2の範囲内にあるように、快適温度ゾーンCZを設定する。これにより、快適温度ゾーンCZを適切な範囲内で変更することができるので、快適温度ゾーンCZの設定範囲が不安定になることを抑制できる。
【0143】
快適温度ゾーン設定部120は、最大値Tmaxを下げる場合、最小値Tminを最大値Tmaxのゾーン変化量ΔT1と同量減少させ、最小値Tminを上げる場合、最大値Tmaxを最小値Tminのゾーン変化量ΔT2と同量増加させるように、快適温度ゾーンを設定してもよい。これにより、快適温度ゾーンCZのゾーン幅Twを一定に保ちつつ、快適温度ゾーンCZの設定を行うことができる。
【0144】
空調管理サーバ101は、複数のユーザ端末201のそれぞれから、複数のユーザ端末201のそれぞれのCPU温度を含む端末温度情報を取得する温度情報取得部130と、端末温度情報に基づいて、複数のユーザ端末201のそれぞれの周囲の気温の推定値である推定気温Taを算出する気温推定部150と、をさらに備える。
【0145】
これにより、ユーザ端末201を用いてユーザ端末201が配置される空間S内の各地点の気温を推定することができる。ユーザ端末201を空調管理サーバ101に接続するだけで各地の気温を推定できる。よって、別途気温計測手段を設けなくてよいので、より簡易に空調管理を行うシステムを導入することができる。
【0146】
端末温度情報には、ユーザ端末201のCPUの種別及びユーザ端末201のCPU使用率が含まれる。これによりCPU温度が取得できない場合であっても、ユーザ端末201のCPUの種別及びユーザ端末201のCPU使用率から気温を推定することが可能となる。
【0147】
センサ情報取得部140が空間S内に設けられた気温センサ401によってセンサ気温を取得し、快適温度ゾーン設定部120は、推定気温Ta、計測気温、及び気温評価に基づいて、快適温度ゾーンCZを設定してもよい。これにより、ユーザ端末201が配置されないような場所の気温も考慮して快適温度ゾーンCZの設定を行うことができる。
【0148】
空調管理サーバ101は、端末温度情報及び当該端末温度情報が取得された際における気温の実測値を教師データとして、機械学習された気温推定モデルが記憶される記憶部160を、さらに備え、気温推定部150は、気温推定モデルにより推定気温Taを算出できる。機械学習された気温推定モデルを用いることで、高い精度をもって推定気温Taを推定することができる。
【0149】
気温推定部150は、ユーザ端末201が起動してから経過した起動時間を取得し、気温推定部は、端末温度情報及び起動時間の関数として予め定義された気温推定モデルにより推定気温を算出してもよい。これにより、CPU温度が取得できない場合であっても、CPUの種別、CPU使用率、及び起動時間の関数から推定気温Taを推定することができる。
【0150】
空調管理サーバ101は、ユーザ端末201の画面に、空間Sの地図画面181を表示し、地図画面181に、ユーザUの位置、推定気温Taに関する情報、及びユーザUとは異なるユーザによる気温評価、を重ねて表示する他者評価表示部180を、さらに備えてもよい。
【0151】
これにより、ユーザUは自身の周囲にいる他のユーザによる気温評価を参照することができる。他のユーザによる気温評価を参照することで、自身のみならず他のユーザにとって快適な環境であるかどうかを知ることができる。
【0152】
他者評価表示部180は、ユーザによる気温評価を、地図画面181に、異なるユーザの位置に対応させて表示してもよい。これにより、各ユーザUの気温評価の対応付けが容易になる。
【0153】
空調機器301の管理者の管理者端末202の画面に、空間Sの地図画面191を表示し、地図画面191に、推定気温に関する情報、複数のユーザUによる気温評価、及び空調機器301のそれぞれが気温を管理可能な範囲A1、A2、A3、を重ねて表示する管理画面表示部190を、さらに備えてもよい。
【0154】
これにより、空調機器301の管理に必要な情報を管理者が参照することができ、空調機器301の設定温度Tsetをより簡単に設定することができるようになる。
【0155】
管理画面表示部190は、複数のユーザUによる気温評価を、地図画面191に、複数のユーザのそれぞれの位置に対応させて表示してもよい。これにより、各ユーザUの気温評価の対応付けが容易になる。
【0156】
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。実施形態が備える各要素並びにその配置、材料、条件、形状及びサイズ等は、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。