特許第6861248号(P6861248)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 徐 雅▲ウェン▼の特許一覧

特許6861248電子部品の送込み装置及びその送込み方法
<>
  • 特許6861248-電子部品の送込み装置及びその送込み方法 図000002
  • 特許6861248-電子部品の送込み装置及びその送込み方法 図000003
  • 特許6861248-電子部品の送込み装置及びその送込み方法 図000004
  • 特許6861248-電子部品の送込み装置及びその送込み方法 図000005
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6861248
(24)【登録日】2021年3月31日
(45)【発行日】2021年4月21日
(54)【発明の名称】電子部品の送込み装置及びその送込み方法
(51)【国際特許分類】
   B65B 15/04 20060101AFI20210412BHJP
【FI】
   B65B15/04 C
   B65B15/04 D
【請求項の数】10
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2019-143208(P2019-143208)
(22)【出願日】2019年8月2日
(65)【公開番号】特開2020-26313(P2020-26313A)
(43)【公開日】2020年2月20日
【審査請求日】2019年8月8日
(31)【優先権主張番号】107128353
(32)【優先日】2018年8月14日
(33)【優先権主張国】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】519227581
【氏名又は名称】徐 雅▲ウェン▼
(74)【代理人】
【識別番号】100166372
【弁理士】
【氏名又は名称】山内 博明
(74)【代理人】
【識別番号】100115451
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 武史
(72)【発明者】
【氏名】徐 雅▲ウェン▼
【審査官】 家城 雅美
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−018054(JP,A)
【文献】 中国実用新案第206171887(CN,U)
【文献】 特開2014−005076(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B15/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースと、該ベースに設けられて該電子部品を移動させる回転円板と、該ベースに分離可能に設けられるキャリアテープとを備える搬送ユニットと、
該ベースに位置した上部支持台と、間隔を空けて該上部支持台に設けられた二つの固定シートと、これらの二つの固定シートの間に設けられた電磁石とを備え、該搬送ユニットと間隔を空けて設けられる位置決めユニットと、
該電磁石に電気的に接続された電源と、該電源の作動を制御した制御器とを備える駆動ユニットとを含み、
該キャリアテープは、該回転円板における電子部品を受けるために用いられ、該制御器は該電源を作動させて該電磁石に電気を通して該電子部品を引き付けることができる電子部品の送込み装置。
【請求項2】
該位置決めユニットは、さらに該電磁石の作用を受け且つ該電磁石に接続された駆動スクリューを備え、該駆動スクリューは、該上部支持台の下側に位置する下部支持台に対して引付位置と送込み位置との間で移動でき、該駆動スクリューは該引付位置にある場合に、該下部支持台から外方へ突出して、該回転円板における電子部品を引き付け、該駆動スクリューは該送込み位置にある場合に、内方へ引っ込んで、該電子部品を該キャリアテープに落ち込ませる、請求項1に記載の電子部品の送込み装置。
【請求項3】
該位置決めユニットは、さらに該固定シートに設けられた弾性素子を備え、該駆動スクリューが該引付位置にある場合に、該弾性素子は該駆動スクリューの移動によって押されて弾性回復力を蓄積し、該駆動スクリューが該送込み位置にある場合に、該弾性素子はそれ以上該駆動スクリューに押されず弾性回復力を放出して反対方向の押す力を生成して、該電子部品を該キャリアテープに落ち込ませる、請求項2に記載の電子部品の送込み装置。
【請求項4】
複数の電子部品は該回転円板に位置し、該回転円板に動かされて該位置決めユニットの下方に回転する輸送ステップと、
該制御器は電源を作動させて該電磁石に電気を通し、該駆動スクリューは該電磁石の作用下で吸着力を生成し、且つ該駆動スクリューは該上部支持台の下側に位置する下部支持台から外方へ突出して該回転円板における電子部品を吸い付け、該弾性素子は該駆動スクリューの移動によって押されて弾性回復力を蓄積する吸着ステップと、
該制御器は該電源の作動時の出力電圧を減らして保持することで、該駆動スクリューの吸着力を低減させ、該弾性素子はそれ以上該駆動スクリューに押されず弾性回復力を放出して反対方向の押す力を生成することで、吸着された電子部品を該キャリアテープに落込ませ、該駆動スクリューが内方へ引っ込む送込みステップと、
を請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子部品送込み装置に実行させる送込み方法。
【請求項5】
該制御器に第一作動プログラム及び第二作動プログラムが格納されており、該吸着ステップにおいて、該制御器が該第一作動プログラムを実行し、該送込みステップにおいて、該制御器が該第二作動プログラムを実行する、請求項4に記載の電子部品送込み方法。
【請求項6】
該第一作動プログラムによる出力電圧は該第二作動プログラムによる出力電圧より大きく、該第二作動プログラムの作動時間該第一作動プログラム作動時間より長い、請求項5に記載の電子部品送込み方法。
【請求項7】
該第一作動プログラムによる出力電圧は該第二作動プログラムによる出力電圧の8倍である、請求項6に記載の電子部品送込み方法。
【請求項8】
該第一作動プログラムによる出力電圧は48Vであり、該第二作動プログラムによる出力電圧は6Vである、請求項7に記載の電子部品送込み方法。
【請求項9】
該第一作動プログラムによる作動時間は0.5ミリセカンド(millisecond,ms)である、請求項8に記載の電子部品送込み方法。
【請求項10】
該第二作動プログラムによる作動時間は1.5ミリセカンド(millisecond,ms)である、請求項9に記載の電子部品送込み方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品の送込み装置に関し、特に、電子部品の送込み装置及びその送込み方法に関する。
【背景技術】
【0002】
科学技術の発展につれて、電子部品の寸法が段々小さくなり、また精密度が次第に高くなり、製造の過程で、電子部品の一部に微細な埃が付着したり、プロセス欠陥などの不可避な問題があり、安定的な品質を維持するために、まず歩留まりの検出作業を行い、品質が悪くないことを確認した後に包装ステップを行って、電子部品の歩留まり及び信頼度を向上させている。
【0003】
電子部品の検出、包装は、通常、包装機によって行い、検出、包装方式は電子部品を振動ボウルに投入し、振動ボウルの振動によって各電子部品を振動ボウルの周縁に沿ってそれぞれ送り出し、搬送経路によって電子部品を送込み装置の回転円板に送って、検出と密封包装とを行う。従来技術において包装を行う際には、回転円板の上方に設けられた圧入機構によって電子部品を吸い上げて、包装用のキャリアテープの収容溝に入れ、その後、キャリアテープが輸送機構に動かされて前方へ平行移動することで、該収容溝に位置した電子部品を運び去って、次のサイクルを行う。
【0004】
上記の圧入機構は電磁石によって作動し、電磁石に電気を通して磁力作用が生成した時に電子部品が電磁石に引き付けられて上方へ移動して電子部品を掴み、電磁石の電源を切った時に弾性素子によって電子部品を押し下げて、キャリアテープの収容溝に位置させることができる。電磁石自体は磁性を持ち、電子部品が相対的に重かったり、又は相対的に厚かったりする場合には、電子部品を引き付けて掴む際の電磁石の磁力強度を増やす必要がある。そうすると、電磁石と電子部品とを分離することが困難になる。電磁石によって引きつける力が不足した場合には、電磁石と電子部品との距離を近くして電子部品を引き付ける必要があり、逆に、電磁石と電子部品との距離を近くせずに電磁石の磁力強度だけを増加すると、電磁石の電源切断時間が長くなる可能性があり、いずれの方式を採用した場合であってパッケージング送込みの効率は予想どおりになり難い。
【0005】
上記の欠点はいずれも、従来の電子部品のパッケージング過程に由来した種々の問題を表しており、長期にわたって、電子部品の作業効率不良が頻繁に生じるため、従来技術についてより良い解決手段を提案することが必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
これに鑑みて、本発明は、搬送ユニット、位置決めユニット及び駆動ユニットを含む電子部品の送込み装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
搬送ユニットはベースと、該ベースに設けられて電子部品を移動させる回転円板と、該ベースに分離可能に設けられたキャリアテープとを備え、該キャリアテープは該回転円板における電子部品を受けるために用いられ、該位置決めユニットは該搬送ユニットと間隔を空けて設けられ、該ベースに設けられた支持台と、間隔を空けて該支持台に設けられた二つの固定シートと、これらの二つの固定シートの間に設けられた電磁石とを備え、該駆動ユニットは該電磁石に電気的に接続された電源と、該電源の作動を制御した制御器とを備え、該制御器は該電源を作動させて、該電磁石に電気を通して該電子部品を引き付けることができる。
【0008】
本発明の別の技術手段において、上記した位置決めユニットはさらに該電磁石の作用を受け且つ該電磁石に接続された駆動スクリューを備え、該駆動スクリューは該支持台に対して該電磁石の引付位置と送込み位置の間で移動でき、該駆動スクリューは該引付位置にあった場合に、該支持台から外方へ突出して、該回転円板における電子部品を引き付け、該駆動スクリューは該送込み位置にあった場合に、内方へ引っ込んで、該電子部品を該キャリアテープに落ち込ませる。
【0009】
本発明のもう一つの技術手段において、上記した位置決めユニットはさらに該固定シートに設けられた弾性素子を備え、該駆動スクリューが該引付位置にあった場合に、該弾性素子は該駆動スクリューの移動によって押されて弾性回復力を蓄積し、該駆動スクリューが該送込み位置にあった場合に、該弾性素子はそれ以上該駆動スクリューに押されず弾性回復力を放出して反対方向の押す力を生成して、該電子部品を該キャリアテープに落込ませる。
【0010】
本発明の別の目的は、輸送ステップと、引付ステップと、送込みステップとを含む電子部品の送込み方法を提供することにある。
【0011】
まず、複数の電子部品は該回転円板に位置し、該回転円板に動かされて該位置決めユニットの下方に回転し、次に、該制御器は電源を作動させて該電磁石に電気を通し、該駆動スクリューは該電磁石の作用下で引付力を生成し、且つ該駆動スクリューは該支持台から外方へ突出して該回転円板における電子部品を引き付け、該弾性素子は該駆動スクリューの移動によって押されて弾性回復力を蓄積し、最後に、該制御器は該電源の作動時の出力電圧を減らして保持することで、該駆動スクリューの吸着力を低減させ、該弾性素子はそれ以上該駆動スクリューに押されず弾性回復力を放出して反対方向の押す力を生成することで、引付された電子部品を該キャリアテープに落ち込ませ、該駆動スクリューが内方へ引っ込む。
【0012】
本発明のもう一つの技術手段において、前記制御器に第一作動プログラム及び第二作動プログラムが格納されており、該引付ステップにおいて、該制御器が該第一作動プログラムを実行し、該送込みステップにおいて、該制御器が該第二作動プログラムを実行する。
【0013】
本発明のさらにもう一つの技術手段において、該第一作動プログラムによる出力電圧は該第二作動プログラムによる出力電圧より大きく、該第二作動プログラムの作動時間は該第一作動プログラムの作動時間より長い。
【0014】
本発明の別の技術手段において、前記第一作動プログラムによる出力電圧は該第二作動プログラムによる出力電圧の8倍である。
【0015】
本発明のもう一つの技術手段において、上記した第一作動プログラムによる出力電圧は48Vであり、該第二作動プログラムによる出力電圧は6Vである。
【0016】
本発明のさらにもう一つの技術手段において、上記した第一作動プログラムによる作動時間は0.5ミリセカンド(millisecond,ms)である。
【0017】
本発明の別の技術手段において、上記した第二作動プログラムによる作動時間は1.5ミリセカンド(millisecond,ms)である。
【発明の効果】
【0018】
本発明の有利な効果について、瞬間的な高電圧で該電子部品を引き付け、そして低電圧で該駆動スクリューの該電子部品に対した引付力を低減することで、該電子部品を速やかに該キャリアテープに落ち込ませて、送込み効率を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明にかかる電子部品の送込み装置の好適な実施例を説明する斜視模式図である。
図2】本好適な実施例において駆動スクリューが支持台に対して引付位置にあった態様を説明する側面模式図である。
図3】本好適な実施例において該駆動スクリューが該支持台に対して送込み位置にあった態様を説明する側面模式図である。
図4】本発明にかかる電子部品の送込み方法のステップを説明するフロー模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明にかかる関連出願の特徴と技術内容は、以下の図面を参照した好適な実施例の詳細説明によって、はっきり示される。
【実施例】
【0021】
図1図2及び図3を参照して、本発明にかかる電子部品の送込み装置及びその送込み方法の好適な実施例について説明する。該電子部品の送込み装置は、搬送ユニット5と、位置決めユニット7と、駆動ユニット8とを含む。
【0022】
該搬送ユニット5は、ベース51と、該ベース51に設けられて該電子部品を移動させる回転円板52と、該ベース51に分離可能に設けられたキャリアテープ53とを備え、該キャリアテープ53は該回転円板52に位置する電子部品をその中に受けるために用いられる。実際には、実施の際に、該ベース51に位置した搬送経路(図示せず)を設けて、該キャリアテープ53を該回転円板52のそばに輸送してもよい。
【0023】
該位置決めユニット7は、該搬送ユニット5と間隔を空けて設けられ、ここで、該位置決めユニット7は該搬送ユニット5の上方に位置し、該ベース51上に位置した上部支持台71−1と、間隔を空けて該上部支持台71−1に設けられた二つの固定シート72と、これらの二つの固定シート72の間に設けられた電磁石73と、該電磁石73の作用を受け且つ該電磁石73に接続された駆動スクリュー74と、該固定シート72に設けられた弾性素子75とを備える。
【0024】
実際に実施の際に、下部支持台71−2に枢軸回転部品(図示せず)が枢結されることで、該下部支持台71−2を該ベース51に対してある角度で枢軸回転させて、送込み作業や該搬送ユニット5に対して行った部品維持作業を容易にしてもよい。弾性回復力を蓄積したり放出したりするために用いられた弾性素子75は、該電磁石73や該下部支持台71−2に設けられてもよく、これに限定されない。
【0025】
該駆動ユニット8は、該電磁石73に電気的に接続された電源81と、該電源81の作動を制御する制御器82とを備え、該制御器82は該電源81の作動を制御して、該電磁石73に電気を通して該電子部品を引き付けることができる。
【0026】
実際に作動の際に、該制御器82は該電磁石73を作動させて該駆動スクリュー74を該下部支持台71−2に対して引付位置と送込み位置との間で移動させ、該駆動スクリュー74は該引付位置にある場合に、該下部支持台71−2から外方へ突出して、該回転円板52における電子部品を引付ける。さらに、該駆動スクリュー74が該引付位置にあった場合に、該弾性素子75は該駆動スクリュー74の移動によって押されて弾性回復力を蓄積する。
【0027】
逆に、該駆動スクリュー74は該送込み位置にある場合に、内方に向けて該下部支持台71−2に引っ込んで、該電子部品を動かしてそれを該キャリアテープ53に落ち込ませる。さらに、該駆動スクリュー74が該送込み位置にある場合に、該弾性素子75はそれ以上該駆動スクリュー74に押されず弾性回復力を放出して、反対方向の押す力を生成して、該電子部品を速やかに該キャリアテープ53に落ち込ませる。該電磁石73の通電時と電源切断時との該電子部品に対する引き付けの有無によって、該駆動スクリュー74は上下往復の駆動運動を実行する。
復力を蓄積する。
【0028】
図4を参照して、上記した電子部品の送込み装置に基づいて、本発明にかかる電子部品の送込み方法について説明する。該送込み方法は、輸送ステップ91と、吸着ステップ92と、送込みステップ93とを含む。
【0029】
まず、該輸送ステップ91を行い、複数の電子部品は該回転円板52に位置して、該回転円板52によって移動されて該位置決めユニット7の下方に回転する。該回転円板52の回転速度は該位置決めユニット7の作動速度に合わせる。
【0030】
次に、該引付ステップ92を行い、該制御器82は該電源81の作動を制御して該電磁石73に電気を通し、該駆動スクリュー74は該電磁石73の作用下で引付力を生成し、且つ該駆動スクリュー74は該下部支持台71−2から外方へ突出して、該回転円板52における電子部品を引き付け、該弾性素子75は該駆動スクリュー74の移動によって押されて弾性回復力を蓄積する。
【0031】
最後に、該送込みステップ93を行い、該制御器82は該電源81の作動時の出力電圧を減らして保持して、該駆動スクリュー74の該電子部品に対する引付力を低減し、この時、該駆動スクリュー74の移動によって押されて弾性回復力を蓄積する弾性素子75はそれ以上該駆動スクリュー74に押されず弾性回復力を放出して、反対方向の押す力を生成して、引付された電子部品を速やかに該キャリアテープ53に落ち込ませ、該駆動スクリュー74は内方に向けて該下部支持台71−2に引っ込む。
【0032】
この好適な実施例において、該制御器82に第一作動プログラム及び第二作動プログラムが格納されており、まず該第一作動プログラム、そして該第二作動プログラムを実行し、該吸着ステップ92において、該制御器82は該第一作動プログラムを実行するが、該第二作動プログラムを実行しない。該送込みステップ93において、該制御器82は該第二作動プログラムを実行するが、、該第一作動プログラムを実行しない。
【0033】
さらに、該第一作動プログラムによる出力電圧は、該第二作動プログラムによる出力電圧より大きく、該第二作動プログラムの作動時間は該第一作動プログラムの作動時間より長い。
【0034】
出力電圧の大きな第一作動プログラムで該電磁石73に電気を通し、そして出力電圧の小さい第二作動プログラムで該電磁石73に電気を通し、且つ該出力電圧を保持することによって、該電子部品を速やかに所定の場所に位置させ、つまり速やかに該キャリアテープ53に落ち込ませ、送込み作業の効率を向上させる上に、大電圧の長期間使用による該電磁石73の過熱破損を防止することができる。
【0035】
また、この好適な実施例において、該第一作動プログラムによる出力電圧は該第二作動プログラムによる出力電圧の8倍である。さらに、該第一作動プログラムによる出力電圧出力電圧は48Vであり、該第二作動プログラムによる出力電圧は6Vである。なお、該第一作動プログラムによる作動時間は0.5ミリセカンド(millisecond,ms)であり、該第二作動プログラムによる作動時間は1.5ミリセカンド(millisecond,ms)である。好ましくは、該第一作動プログラムによる作動時間は0.5ミリセカンドであり、該第二作動プログラムによる作動時間は1ミリセカンドである。
【0036】
一般的に言えば、電気装置が一定の方式で素子に接続された電気回路は、電圧に耐えるピーク限界、つまり大電圧が瞬間的に供給されても耐えられる時間があり、該電磁石73を例にとると、6Vで制御を行ってよく、6V以上を超えるとたとえ瞬間的な供給であっても該電磁石73が焼けてしまって破損する。該電磁石73が大電圧の供給に耐えられる時間内に作動するように設定を行うと、該電磁石73が焼けてしまうことはなく、且つ該電磁石73が瞬間的な大電圧に耐えられることを利用して、該駆動スクリュー74を速やかに且つ瞬間的に回転作動させて、引き付けの速度を高める。
【0037】
また、該制御器82にさらに該第二作動プログラムの実行後に実行される第三作動プログラムが格納されており、該第三作動プログラムによる出力電圧は0Vである。実際に実施の際に、始めに48Vの瞬間的な大電圧を利用し、且つ作動時間が0.5ミリセカンドで該電子部品を引き付け、その後6Vの小電圧に低減してその電圧を保持し、作動時間を1ミリセカンドとし、最後に、該制御器82は該第三作動プログラムを実行することで、該駆動スクリュー74にそれ以上引付力を持たせず、この時、該弾性素子75は瞬間に反対方向の押す力を利用して、引き付けられた電子部品を速やかに該キャリアテープ53に落ち込ませる。
【0038】
該電磁石73は、許容作動距離を有し、ここで使用される電磁石73の許容作動距離は1.2mmであり、それを超えると作動力が減衰する。容量の小さい電磁石73を使用した場合には、作動速度が高くて相対的に作業効率を向上できるという優位性を有するが、相対的に厚みのある電子部品を引き付ける場合には、該駆動スクリュー74の該電子部品に対する引付力に直接影響を及ぼす。
【0039】
本発明では、始めの瞬間的な大電圧で該電子部品を引き付け、その後電圧を低減させて小電圧とし、それを保持し、最後に出力電圧を0に低減させた時に、該電子部品を速やかに該キャリアテープ53に落ち込ませ、始めの瞬間的な大電圧の設計によって、速やかに相対的に厚みのある電子部品を引き付けることができ、容量の小さい電磁石73を使用して、製品の効率と適用性の向上とを図ってもよい。しかも、該送込みステップ93を行った時に、該制御器82は該電源81の出力電圧を減少させて該出力電圧を保持し、つまり該駆動スクリュー74の該電子部品に対する引付力を低減させることで、該駆動スクリュー74と該電子部品とを分離する困難さ及び電源切断の時間を相対的に低減させて、該電子部品の送込み時間を短くすることができる。
【0040】
以上をまとめると、本発明にかかる電子部品の送込み装置及びその送込み方法において、該輸送ステップ91と、該吸着ステップ92と、該送込みステップ93とによって、出力電圧を大きくした第一作動プログラムを利用して該電磁石73に電気を通し、そして出力電圧を小さくした第二作動プログラムを使用して該電磁石73に電気を通し、且つ該出力電圧を保持することで、該電子部品を速やかに所定の場所に位置させて、送込み作業の効率を向上させることができ、且つ、該電磁石73が瞬間的な大電圧に耐えられることを利用して、該駆動スクリュー74を瞬間的且つ速やかに回転作動させることで、引付速度を高めるので、本発明の目的を確実に達成できる。
【0041】
ところで、上記したものは単に本発明の好適な実施例を説明したに過ぎなく、これにより本発明に係る特許請求の範囲は限定されない。すなわち、本発明に係る特許の請求範囲、及び、本明細書における説明内容に対して簡単で同等な変更及び修飾の全ては本発明の範囲内に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明の有利な効果について、瞬間的な大電圧で該電子部品を引き付け、そして小電圧で該駆動スクリューの該電子部品に対する引付力を低減させることで、該電子部品を速やかに該キャリアテープに落ち込ませて、送込み効率を向上させる。
【符号の説明】
【0043】

5 搬送ユニット
51 ベース
52 回転円板
53 キャリアテープ
7 位置決めユニット
71 支持台
72 固定シート
73 電磁石
74 駆動スクリュー
75 弾性素子
8 駆動ユニット
81 電源
82 制御器
91 輸送ステップ
92 吸着ステップ
93 送込みステップ
図1
図2
図3
図4